阪神(☆2対1★)巨人 =リーグ戦4回戦(2020.07.09)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
00000020X2721
勝利投手:岩崎 優(1勝1敗0S)
(セーブ:藤川 球児(0勝1敗2S))
敗戦投手:メルセデス(0勝2敗0S)

本塁打
【阪神】ボーア(3号・7回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神は両軍無得点で迎えた7回裏、ボーアに2ランが飛び出し、試合の均衡を破る。投げては、先発・ガルシアが6回無失点の好投。その後は3人の継投で1失点に抑えた。敗れた巨人は、先発・メルセデスが試合をつくるも、打線が3安打1得点と振るわなかった。

◆巨人岡本和真内野手(24)はここまで打率4割1分4厘と絶好調。 特に左投手に対しては打率5割2分4厘の好成績。今季の対戦でも2打数2安打、1本塁打と打っている相手先発ガルシアから今日も1発を打つか。

◆阪神-巨人4回戦のスタメンが発表された。7、8日の同戦は2日連続で雨天中止となり、これが今季の甲子園初戦となる。阪神は4番に2戦連発中の大山悠輔内野手(25)が座り、左ふくらはぎを痛めているジェフリー・マルテ内野手(29)はベンチ外となった。 巨人は坂本勇人内野手(31)がスタメンを外れた。

◆試合前に甲子園開幕戦のオープニングセレモニーが行われた。両軍の選手たちが入場すると、バックスクリーンに特別映像が流された。 「ファンともっと!」プロジェクトの一環として行われた「甲子園開幕をリモーっと応援!」企画で、ファンからの選手へのメッセージ映像を募集し、1つにまとめたもの。観客で埋まった甲子園の映像とともに、今季のチームスローガン「It's 勝笑 Time!」(イッツショータイム!)など、ファンからの趣向を凝らしたエールが選手に送られた。その後アナウンスとともに、両軍のスタメン選手が入場。7、8日の同戦が雨天中止となったため、この日が今季の甲子園初戦となった。

◆巨人坂本勇人内野手(31)が9日、左脇腹違和感のため、阪神4回戦(甲子園)を欠場した。 前日も発表時点で先発ではなかったが雨天中止になり、今季16試合目で初。試合前練習では甲子園の室内練習場でキャッチボールや打撃練習を行い、原辰徳監督(61)は「昨日より状態はいい。今日はスタートに入ってないけど明日は大丈夫みたい」と見通しを示した。代役として「1番遊撃」で増田大輝内野手(26)が先発した。

◆阪神新助っ人のジャスティン・ボーア内野手(32)が均衡を破る先制2ランを放った。 試合は阪神ガルシア、巨人メルセデス両左腕の投手戦で6回表まで「0」行進。7回無死1塁、ここまで2打数無安打と息を潜めていたB砲が火を噴いた。カウント1-おから甘く入った127キロを完璧に捉えると、打球は中堅席左に着弾。5日広島戦(マツダスタジアム)の満塁弾に続く、2試合連続の3号2ランとなった。ダイヤモンドを1周した後のベンチ前では、代名詞の「ファイアボール」ポーズを豪快に決めて喜びを爆発させた。 開幕4番を務めた敵地巨人戦では3タテを食らい、自身も12打数無安打に抑えられていた。巨人戦15打席目で飛び出た初安打は値千金の1発となり、「伝統の一戦」今季初勝利を大きくたぐり寄せた。

◆阪神オネルキ・ガルシア投手(30)が6回1安打無失点と好投した。 序盤から速球やスライダー、チェンジアップなどを交えてテンポよく重量打線を料理。絶好調の4番岡本も3打席ノーヒットと仕事をさせなかった。6月21日の開幕3戦目には岡本には右翼に被弾するなど、4回5失点KOされていたが、リベンジを果たした。 ガルシアは「今日は最初から最後までいい感覚で投げることができたね。後はチームが勝つためにしっかり応援するよ」とコメントした。

◆阪神ロベルト・スアレス投手(29)が、阪神移籍後最速、自己最速には1キロに迫る160キロを計測した。 2-0の8回に登板すると、150キロ台後半の直球を連発した。先頭の代打吉川尚を158キロ直球で空振り三振、続く丸を157キロのツーシームで投ゴロに。4番岡本には初球の159キロ直球で見逃しを奪うと、ファウルを奪った2球目で160キロを計測。最後は144キロのスプリットで空振り三振に仕留めた。「前のピッチャーがみんな頑張っていたし、勝っている展開でつないでくれたのですごく気合も入っていたね。コントロール良く投げることもできたし、3人で抑えることができて良かったよ」と甲子園初勝利に貢献した。 スアレスは2日中日戦(ナゴヤドーム)では159キロを計測。試合を重ねる度に剛速球は力を増している。 ソフトバンク時代に161キロをマークしている。

◆阪神先発のガルシアは、3回まで毎回得点圏に走者を背負うも無失点。巨人先発のメルセデスも2回に3三振を奪うなど好投。 巨人メルセデスは、4回から3イニング連続3者凡退。阪神ガルシアは、6四球を出すも6回1安打無失点に抑えて降板した。 阪神は7回、5番ボーアが2戦連続となる2ランを放ち、今季初の3連勝。巨人は9回に1点を返したが、初の連敗となった。 勝ち投手は阪神岩崎で1勝目、セーブは藤川で2セーブ目、負け投手はメルセデスで2敗。 ▽阪神矢野監督「最後はヒヤヒヤしたけど、ジャイアンツ戦で特別1勝になりました」 ▽阪神ボーア(7回に決勝2ラン)「ガルシアや岩崎がゼロで抑えてくれていたので、なんとか援護したい気持ちでいっぱいだったよ」

◆阪神は新外国人ジャスティン・ボーア内野手(32=エンゼルス)が甲子園デビュー戦で値千金の決勝アーチを放ち、3連勝に伸ばした。両チーム無得点の7回無死一塁。巨人メルセデスの浮いたスライダーを完璧に仕留め、右中間最深部に3号2ランを放った。開幕直後から左腕を打てず、この対戦前まで15打数1安打の打率6分7厘だったが、勝負を決めるひと振りだ。 守護神藤川が9回に登板して試合を締めた。6月27日DeNA戦以来、12日ぶりの今季2セーブ目をマーク。名球会入り条件の日米通算250セーブまで残り5個のカウントダウンだ。 チームはメルセデスには18年に4戦で白星なしの2敗、防御率0・61と抑えられ、19年も2戦2敗で防御率1・80と大苦戦していた。やっかいな天敵から、3年越しでようやく土をつけた。

◆巨人亀井善行外野手(37)が通算1000安打を達成した。 2点を追う9回2死一、三塁、代打で登場。阪神守護神藤川の初球、146キロを右前にはじき返す適時打で1点差に迫った。達成のアナウンスが流れると、一塁上で手渡された記念ボードを顔の左に掲げ、笑顔を見せた。 37歳11カ月での達成は、18年石原(広島)の38歳8カ月、10年北川(オリックス)の38歳3カ月に次いで3番目の年長記録だ。 ▼通算1000安打=亀井(巨人) 9日の阪神4回戦(甲子園)の9回、藤川から右前打を放って達成。プロ野球305人目。初安打は05年7月9日の広島11回戦(広島)でロマノから。37歳11カ月での達成は18年石原(広島)の38歳8カ月、10年北川(オリックス)の38歳3カ月に次ぐ年長3位となり、捕手で入団した選手を除けば最年長。

◆阪神藤川球児投手(39)が今季2セーブ目を挙げ、日米通算250セーブまであと5とした。 2点リードの9回にマウンドへ。先頭の中島に四球を与えるも、続く重信を134キロフォークで空振り三振。パーラを初球の146キロ直球で三邪飛に打ち取った。その後2死一塁から大城に右前打、2死一、三塁から亀井の右翼への適時打で1点をかえされたが、最後は石川を133キロフォークで右飛。今季甲子園初戦での白星を守り抜いた。 藤川はこの日、今季初セーブを挙げた6月27日DeNA戦(横浜)以来4戦目の登板だった。

◆巨人高木京介投手(30)が「ボーアキラー」ぶりを発揮した。2点を追う8回1死二、三塁、打席にボーアを迎える場面でリリーフ登板。カウント2-2と追い込んでからの5球目の直球を、外角高めに投げ込み空振り三振に仕留めた。 阪神との開幕3連戦では、2日連続で2死満塁の場面でボーアを抑えるなど、ここまで3打数無安打。好相性ぶりを見せている。

◆左脇腹違和感の坂本勇人内野手を今季初めて欠いた巨人打線が、9回2死まで1安打に封じられた。 原辰徳監督は「なかなか出なかったですね」と悔やんだ。先発メルセデスは6回まで2安打無失点と好投したが、7回に開幕3連戦12打数無安打に封じたボーアに2ランを許した。指揮官は「今日も非常に良かったけど、なかなか打線との絡みが」と言い、10日からの有観客試合に向けて「非常に楽しみですし、いいコンディションでやれれば一番いい」と切り替えた。

◆阪神の先発ガルシア投手が6回1安打無失点と好投した。序盤から速球やスライダー、チェンジアップなどを交えて重量打線を料理。6四球を出したが、要所を締めた。 6月21日の開幕3戦目は4番岡本に被弾するなど、4回5失点KOされたが、この日は岡本も3打席ノーヒットと封じた。「今日は最初から最後までいい感覚で投げることができたね」と納得の表情。白星は付かなかったが、矢野監督も「本当にすばらしいピッチング」と絶賛した。打席では人気アニメ「鬼滅の刃」のオープニングテーマ曲として使用されたLiSAの「紅蓮華(ぐれんげ)」で登場。「全集中の呼吸」でG打線を封じた。

◆阪神藤川球児投手(39)が甲子園初戦で今季2セーブ目を挙げ、日米通算250セーブまであと5に迫った。 「個人的なことを言えばキリがないですが、チームのためにやっている中で少しずつの成果でいいので、向上していけるように頑張りたいです」。2点リードの9回。藤川の登場曲、LINDBERGの「every little thing every precious thing」が今季初めて甲子園に響き、バックスクリーンの映像には「CLOSER(守護神)」の文字が輝いた。 先頭の中島にストレートの四球を与えたが、続く代打重信を直球2球で追い込み、フォークで空振り三振。パーラは1球で三邪飛に打ち取った。2死一塁から大城、亀井に連打を浴び1点を返されたが、最後は代打石川をフォークで右飛。「内容が本当に良くないですし、自分の中でも反省するところがありますが、そういうポジションなので、どんどん良くなるように努めていきたいです」。勝利を喜ぶナインの傍らで首をかしげたが、甲子園初戦の白星をしっかり守った。 今季初セーブを挙げた6月27日DeNA戦以来、12日ぶりの出番だった。矢野監督は「最後はひやひやしましたけど、球児を信じて応援していました。今日みたいに競った展開で球児につないでいくというなかで、球児の状態が上がることにもなると思う」。守護神と勝利を信じた。 10日からはいよいよ観客が入る。藤川は「現状で自分も含めて、ファンの方々を納得させられるような投球が出来ていませんが、必ず納得させられるような投球が出来ることを約束してやっていきたい」と力を込める。ファンとともに、偉業に近づいていく。【磯綾乃】

◆阪神岩崎優投手が流れを引き寄せる好投で今季初勝利だ。 両軍無得点の7回に2番手で登板。大城を初球の速球で押し込んで二飛に仕留めるなど本来の球威に近く、3者凡退で片づけると直後にボーアの先制弾を呼び込み、白星が転がり込んだ。 先発ガルシアが6回1安打無失点と力投する姿を見た。「ガルシアが頑張ってくれていましたし、自分もゼロで次につなぐことができて良かった。明日以降もゼロで抑えられるようにしっかり準備します」。7月は登板3戦すべて3者で抑える完全投球だ。セットアッパーが安定してきた。 開幕戦の借りを返した。6月19日巨人戦は1点リードで救援も、吉川尚に逆転弾を浴びて黒星を喫していた。矢野監督も「(岩崎)優とスアちゃんはね。ちょっとずつね。流れはできてきている」。ここまで生命線の救援陣が不安定でチームの不振につながっていた。7年連続白星の左腕が復調し、安心材料が増えた。

◆阪神が接戦を制して3連勝。0-0の7回にボーアが2点本塁打で均衡を破った。 ガルシアが6回無失点と踏ん張り、7回を抑えた岩崎が今季初白星。好投のメルセデスを援護できなかった巨人は9回の反撃も及ばず、今季初の連敗。

◆巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(26)が今季初勝利を手にすることはできなかった。 6回までテンポの良い投球で2安打に抑え、二塁を踏ませない好投を見せた。しかし7回先頭の大山に詰まりながらも右前に運ばれると、4番ボーアに127キロのスライダーを捉えられ2ランとされた。6回2/32失点で2敗目を喫した。 前回登板の1日中日戦でも、6回途中1失点と好投。原監督は「前回も良かったしね、今日も非常に良かったんですけれども、なかなか、打線との絡みがね、というところでしょうね。非常にコンディションは、いい状態で保ってくれていると思います」と話した。

◆2戦連続で4番に座った阪神大山悠輔内野手が攻守でハッスルだ。 7回は先頭で詰まりながら右前へ。ボーアの先制アーチを呼んだ。8回はビエイラの150キロを強振してライナーで左翼線二塁打。3試合連続マルチ安打で打率は4割台に突入した。守備でも5回に丸の飛球を捕球し、三塁カメラマン席に飛び込む気迫も見せた。「捕らなくていい打球はない。当たり前のことをやっただけ。必死にプレーする姿勢はチームに勢いもつきます」。全力プレーを体現し、状態を上げてきた。

◆阪神剛腕ロベルト・スアレス投手が剛速球でねじふせた。 2点リードに転じた8回に登板。先頭吉川尚を空振り三振、丸を投ゴロに抑えた直後、岡本と対戦した。ファウルにした2球目は160キロを計測。球団最速の17年ドリス(161キロ)に迫り、16年藤浪と肩を並べるチーム3人目の大台到達だ。岡本をスプリットで空を切らせて圧倒した。「前の投手がみんな頑張っていたし、勝っている展開でつないでくれたのですごく気合も入った」。この日投げた速球8球はすべて157キロ以上。まさに圧巻の内容だった。

◆球場に見に来てね! 阪神の新外国人ジャスティン・ボーア内野手(32)が、甲子園開幕の巨人戦で決勝の3号2ランを放った。7回に苦手にしてきた左腕のメルセデスから右中間最深部へメジャー通算92発のパワーで運んだ。チームは最下位ながら3連勝と上向きだ。10日DeNA戦から上限5000人で熱狂的な虎党が聖地に戻ってくる。「前夜祭」で弾みをつけた。矢野監督が虎党の来場を心待ちにした。10日DeNA戦(甲子園)から5000人を上限とした有観客試合がスタート。甲子園にも観客がやってくる。矢野監督は「ファンのみなさんが来てくれるというのは本当に嬉しいです」と笑顔になった。 開幕からビジター5カードで4勝10敗と苦しんだ矢野阪神。持ち待った本拠地開幕戦は、先発ガルシアが試合を作り、5番ボーアが決勝2ラン。最後は守護神藤川が締めた。やはり居心地の良さは格別。さらに虎党の応援が加われば...。 開幕カード3連敗を食らった巨人に一矢報いた指揮官は流れが来るか? と問われて「そう持っていきたい」とキッパリ。超満員とはいかないが、虎党が集う有観客試合に向けて「声援がある中でというのは僕らはうれしい。また忘れられない1日になる。パワーをもらいながらやりたい」と気合を入れた。

◆球界最年長43歳の阪神福留孝介外野手が志願して2軍戦にフル出場した。ソフトバンク戦に「3番DH」で先発。1回1死三塁でスチュワートの初球145キロ直球をとらえて先制犠飛。四球で出塁した4回は二盗を決め、高山の適時二塁打で生還した。1打数無安打で2四球を選んだ。 その後ナイターの1軍巨人戦にも、8回2死二、三塁で代打で出場。好捕に阻まれたが左翼へ痛烈な当たりを放った。矢野監督は「本当にまさにプロというね。あの年齢、あの実績がありながら。もちろん孝介自身も諦めていないし、また俺が出てやるという思いが、ああいう姿勢になると思う」と感服。また2軍戦には高山、植田、北條、陽川も志願出場した。

◆球場に見に来てね! 阪神の新外国人ジャスティン・ボーア内野手(32)が、甲子園開幕の巨人戦で決勝の3号2ランを放った。 7回に苦手にしてきた左腕のメルセデスから右中間最深部へメジャー通算92発のパワーで運んだ。チームは最下位ながら3連勝と上向きだ。10日DeNA戦から上限5000人で熱狂的な虎党が聖地に戻ってくる。「前夜祭」で弾みをつけた。一撃必殺のB砲だ。打った瞬間、ボーアは確信して歩き出した。舞い上がった打球は長い滞空時間を挟んでバックスクリーン右に着弾。「ガルシア投手らがいいピッチングをしてくれていたので、どうしても勝ちたかった」。ゆっくり本塁を踏みしめると、重ねた両手を前に突き出して開く代名詞の「ファイアボール」ポーズを味方ベンチに向かってさく裂させた。本拠地開幕戦で聖地1号が出た。 両軍の先発左腕が投げ合い0-0で迎えた「ラッキーセブン」7回の攻撃。無死一塁からメルセデスの甘く入った127キロスライダーを仕留め、2試合連続となる決勝の3号2ラン。2打席凡退の後「自分の中で切り替えてポジティブになった結果、3打席目にいい結果が出たよ」。今季開幕カードの「伝統の一戦」では3タテを食らい、自身も12打数無安打と抑えられた宿敵に1つ借りを返した。 ホームに帰ってきた。チームは開幕から5カード連続ビジターの長期ロードを終え、雨天中止の2試合を挟んでようやく本拠地開幕を迎えた。「クラブハウスで自分のロッカーを見たりして"家"に戻って来たんだという気持ちがあった」。自宅ではヘイリー夫人、息子のジミーくんとも再会。「心もすごく癒やされました」。リフレッシュ効果もあってヒーローとなった。 パワーは球場のスピーカーからも得た。チームの応援団「伍虎(ごとら)会」が収録した応援歌やチャンスマーチが後押しした。メジャーにはない選手個人への応援歌。ボーアにも「<歌詞>豪快なパワーで魅せろ-」で始まる歌が流れ、「すごい好きです。ファンから力をもらって自分の力になる」と笑顔を見せた。矢野監督も主砲の1発を手放しで喜んだ。「ホームラン打ってくれ、という思いで見ていた。完璧やったし、やっぱりホームランって大きい。ボーアはそういうところを期待して来てもらった選手。良かったです」。 チームは3連勝と勢いを増し、10日からはファンを迎えて試合が始まる。「ファンのみなさんが球場に来てくださって応援してくれるのはすごくうれしい。テレビの前でもすごく応援してくれているのは分かっていたので、みなさんと一緒にプレーできるのがすごくうれしいです」。今度はファンの前で、豪快な1発を披露する。【奥田隼人】

◆巨人亀井善行外野手(37)が通算1000安打を達成した。 節目の1000安打はケガに苦しみ、もがき、はい上がった巨人亀井の生きざまを物語るようだった。舞台は2点を追う9回2死一、三塁。阪神藤川の速球を右前にはじき返し、球団最年長、球界3位の年長記録となる37歳11カ月で達成した。敗戦に悔しさをにじませながら「あきらめかけた時もありましたけど、我慢強く頑張ってこれた。使い続けてくれた監督に感謝したいです」と背中を丸めた。 挫折の連続の中、周囲の支えが原動力だった。3年目の秋。キャンプメンバーから漏れ、悔し涙を流した。どん底の時、そばには両親、家族、チームメート。不調、故障での2軍降格の度にファンから声援を掛けられ「頑張ろうと思えた」。感謝の思いは道具にも表れ、グラブ、バット、スパイクはきれいに磨いた上で臨む。「何回も助けてもらってるし、また助けてくださいと思いを込めて」。 1打席ごとにバットをタオルで磨くのは、16年間で培った亀井の流儀が詰まっている。「相手のキャッチャーに打った場所を見られたくないから。前の打席で詰まったとか、芯だったとか悟られないようにね」。無観客の中、一塁上で記念のボードを掲げた。周囲にペコリペコリと頭を下げ、感謝の思いを全身で示した。【久保賢吾】 ▽巨人原監督(亀井の1000安打に)「見事にね。1000本目を飾るにふさわしい、非常に素晴らしい打撃ですね」 ▼通算1000安打=亀井(巨人) 9日の阪神4回戦(甲子園)の9回、藤川から右前打を放って達成。プロ野球305人目。初安打は05年7月9日の広島11回戦(広島)でロマノから。37歳11カ月での達成は18年石原(広島)の38歳8カ月、10年北川(オリックス)の38歳3カ月に次ぐ年長3位となり、捕手で入団した選手を除けば最年長。

◆阪神ジャスティン・ボーア内野手(32=エンゼルス)が巨人メルセデスから2ランを放ち、阪神は3連勝。昨年まで阪神はメルセデスと6試合対戦し0勝4敗で、本塁打を打った選手が0。天敵メルセデスから通算187人目のボーアが初アーチを記録した。 この3連勝のV打は4日がマルテの先制2ラン、5日がボーアの勝ち越し満塁弾、9日がボーアの先制2ラン。阪神で外国人打者の2試合連続Vアーチは10年7月2、3日のブラゼル以来、10年ぶり。阪神が3試合続けて外国人打者のVアーチで3連勝は、86年6月26日バース→27日ゲイル→28日バース、91年8月26日ウイン→28日オマリー→29日オマリーに次いで3度目。

◆巨人亀井善行外野手(37)が通算1000安打を達成した。 節目の1000安打はケガに苦しみ、もがき、はい上がった巨人亀井の生きざまを物語るようだった。舞台は2点を追う9回2死一、三塁。阪神藤川の速球を右前にはじき返し、球団最年長、球界3位の年長記録となる37歳11カ月で達成した。敗戦に悔しさをにじませながら「あきらめかけた時もありましたけど、我慢強く頑張ってこれた。使い続けてくれた監督に感謝したいです」と背中を丸めた。 挫折の連続の中、周囲の支えが原動力だった。3年目の秋。キャンプメンバーから漏れ、悔し涙を流した。どん底の時、そばには両親、家族、チームメート。不調、故障での2軍降格の度にファンから声援を掛けられ「頑張ろうと思えた」。感謝の思いは道具にも表れ、グラブ、バット、スパイクはきれいに磨いた上で臨む。「何回も助けてもらってるし、また助けてくださいと思いを込めて」。 1打席ごとにバットをタオルで磨くのは、16年間で培った亀井の流儀が詰まっている。「相手のキャッチャーに打った場所を見られたくないから。前の打席で詰まったとか、芯だったとか悟られないようにね」。無観客の中、一塁上で記念のボードを掲げた。周囲にペコリペコリと頭を下げ、感謝の思いを全身で示した。【久保賢吾】 ▽巨人原監督(亀井の1000安打に)「見事にね。1000本目を飾るにふさわしい、非常に素晴らしい打撃ですね」 ▼通算1000安打=亀井(巨人) 9日の阪神4回戦(甲子園)の9回、藤川から右前打を放って達成。プロ野球305人目。初安打は05年7月9日の広島11回戦(広島)でロマノから。37歳11カ月での達成は18年石原(広島)の38歳8カ月、10年北川(オリックス)の38歳3カ月に次ぐ年長3位となり、捕手で入団した選手を除けば最年長。

◆球場に見に来てね! 阪神の新外国人ジャスティン・ボーア内野手(32)が、甲子園開幕の巨人戦で決勝の3号2ランを放った。 7回に苦手にしてきた左腕のメルセデスから右中間最深部へメジャー通算92発のパワーで運んだ。チームは最下位ながら3連勝と上向きだ。10日DeNA戦から上限5000人で熱狂的な虎党が聖地に戻ってくる。「前夜祭」で弾みをつけた。一撃必殺のB砲だ。打った瞬間、ボーアは確信して歩き出した。舞い上がった打球は長い滞空時間を挟んでバックスクリーン右に着弾。「ガルシア投手らがいいピッチングをしてくれていたので、どうしても勝ちたかった」。ゆっくり本塁を踏みしめると、重ねた両手を前に突き出して開く代名詞の「ファイアボール」ポーズを味方ベンチに向かってさく裂させた。本拠地開幕戦で聖地1号が出た。 両軍の先発左腕が投げ合い0-0で迎えた「ラッキーセブン」7回の攻撃。無死一塁からメルセデスの甘く入った127キロスライダーを仕留め、2試合連続となる決勝の3号2ラン。2打席凡退の後「自分の中で切り替えてポジティブになった結果、3打席目にいい結果が出たよ」。今季開幕カードの「伝統の一戦」では3タテを食らい、自身も12打数無安打と抑えられた宿敵に1つ借りを返した。 ホームに帰ってきた。チームは開幕から5カード連続ビジターの長期ロードを終え、雨天中止の2試合を挟んでようやく本拠地開幕を迎えた。「クラブハウスで自分のロッカーを見たりして"家"に戻って来たんという気持ちがあった」。自宅ではヘイリー夫人、息子のジミーくんとも再会。「心もすごく癒やされました」。リフレッシュ効果もあってヒーローとなった。 パワーは球場のスピーカーからも得た。球団がチームの応援団の生演奏を収録し、その応援歌やチャンスマーチで後押しした。メジャーにはない選手個人への応援歌。ボーアにも「<歌詞>豪快なパワーで魅せろ-」で始まる歌が流れ、「すごい好きです。ファンから力をもらって自分の力になる」と笑顔を見せた。矢野監督も主砲の1発を手放しで喜んだ。「ホームラン打ってくれ、という思いで見ていた。完璧やったし、やっぱりホームランって大きい。ボーアはそういうところを期待して来てもらった選手。良かったです」。 チームは3連勝と勢いを増し、10日からはファンを迎えて試合が始まる。「ファンのみなさんが球場に来てくださって応援してくれるのはすごくうれしい。テレビの前でもすごく応援してくれているのは分かっていたので、みなさんと一緒にプレーできるのがすごくうれしいです」。今度はファンの前で、豪快な1発を披露する。【奥田隼人】 ◆無人だった客席にファンの姿が戻ってくる。プロ野球は政府の指針に沿って、10日から5000人を上限に観客を入れて公式戦を実施する。10日のプロ野球は巨人-ヤクルト、ソフトバンク-楽天などナイター6試合が予定されている。東京を中心に新型コロナウイルスの感染者が増加しているが、各球団やクラブは感染防止対策へ細心の注意を払いつつ、観客の受け入れ態勢を整えている。

◆左ふくらはぎを痛め、別メニュー調整中の阪神、ジェフリー・マルテ内野手(29)が、甲子園室内でフリー打撃を行った。7日に打撃練習を再開していたが、フリー打撃はこの日から。練習後は清水ヘッドコーチや、トレーナーと入念に話し、患部の状態を確認した。この日の一戦も大事をとってベンチ入りはしなかったが、復帰に向け、頼れる助っ人が着々と回復を見せている。

◆阪神は今季初めて甲子園で公式戦のプレーボールを迎えた。新外国人のボーアは「5番・一塁」で本拠地デビューも、二回までにまさかの2失策を犯した。一回1死一塁で丸のゴロを処理。一塁を踏んだ後に併殺を狙った二塁への送球が悪送球になると、二回にはウィーラーのゴロを後逸した。前日8日までの雨で湿ったグラウンド。失点にはつながらなかったが、米球界では珍しい土の球場でホロ苦いスタートだ。二回先頭の第1打席は見逃し三振に倒れた。

◆巨人のクリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(26)が9日の阪神戦(甲子園)に先発し、6回2/3を5安打2失点で今季初勝利をつかむことはできなかった。  一発に泣いた。六回までを2安打無失点に封じ込む好投を披露。しかし球数が100球を越えた七回、先頭の大山に右前打を浴びると、続くボーアに右中間席中段に2ランを被弾。2死から木浪に左翼への二塁打を許したところで降板となった。  これまで通算6試合で4勝0敗、防御率1・02と無類の強さを誇っていた阪神戦。好相性を味方に今季初勝利をつかみたかったが、かなわなかった。

◆阪神のジャスティン・ボーア内野手(32)が9日、巨人との甲子園開幕戦で先制の2ランを放った。  0-0で迎えた七回。先頭の大山が右前打で出塁したところで打席へと向かう。カウント1-0からメルセデスの127キロ直球を完璧にとらえた。打球は右中間スタンドへと着弾し、3号2ラン。ベンチでは力強い"ファイアボール"を披露した。  ボーアは5日の広島戦(マツダ)から2戦連発となった。

◆阪神は巨人との本拠地開幕戦で今季初の完封勝利。連勝を「3」に伸ばした。  0-0で迎えた七回に先頭の大山が右前打を放つと、続くボーアが中堅右に3号2ランを放ち、先制した。  巨人の先発、メルセデスには昨季まで2年間で6試合対戦し、4勝を献上。一度も黒星をつけることができていなかったが、助っ人の豪快な一発が勝利をもたらした。  投手陣は先発のガルシアが6回で6四球を出しながら1安打無失点に抑えると、矢野監督は七回から継投に入り、岩崎、スアレスと継投。九回、藤川が1点を失ったが、逃げ切った。

◆まばゆいカクテル光線に照らされ、白球がぐんぐん伸びた。今季の本拠地・甲子園開幕戦。均衡を破ったのは頼れる助っ人の一発だ。9日、巨人を本拠地に迎えた阪神・ボーアが先制の3号2ラン。ナインの大歓声をバックに、悠々とダイヤモンドを一周した。  「ガルシアや岩崎がゼロで抑えてくれていたので、なんとか援護したい気持ちでいっぱいだったよ。コンパクトにスイングした結果、ホームランになってくれてすごく興奮したし、ピッチャーに恩返しができてよかったね」  0-0で迎えた七回だった。先頭の大山がしぶとく右前に運び、無死一塁。カウント1-0からメルセデスの2球目の127キロスライダーを振り切った。打球はバックスクリーン右に飛び込む超特大アーチ。甲子園に渾身の"ファイアボール"が響き渡った。  4日の広島戦(マツダ)から、今季初の連勝で5カード連続のビジター戦を締めた。打線も15安打9得点、8安打8得点と、目覚めの気配を漂わせていた阪神打線だったが、この日は何度も苦杯をなめてきた難敵が立ちはだかった。  過去6度対戦し、一度も土をつけたことがない左腕・メルセデス。この日も140キロ後半の直球でコーナーをつかれ、バットが出ない。六回までに喫した三振は8個。得点圏に走者を進めることができず、チャンスすら作れなかった。  この日の試合前までの対戦防御率が1・02と、徹底的に抑えられてきたが、それはボーアのいなかった昨年までのこと。来日1号に続いて、B砲がまた、苦手とする左腕から大きな一撃を放った。ボーアは一回、二回と失策を犯し、"甲子園の洗礼"も味わったが、これでミスは帳消し。開幕カードで3連敗を喫した相手に、しっかりと借りを返した。  今季初の3連勝。10日からは、ファンが球場へと戻ってくる。ホームの後押しが色濃くなる有観客試合を前に、伝統の一戦でボーアが猛虎打線をさらに加速させた。

◆阪神は岩崎、スアレス、藤川の継投で逃げ切った。岩崎は七回を打者3人で完璧に抑え、直後に味方が2点を先制。開幕戦の七回に逆転2ランを浴びた巨人相手に今季初勝利を挙げ「ゼロでつなぐことができて良かった」と安堵した。  八回はスアレスが最速160キロの剛速球で押して2三振を奪い、三者凡退。2-0の九回は藤川が1点を失いながらも、今季2セーブ目を挙げて日米通算250セーブに残り5。守護神は内容に満足せず「どんどん良くなるように努めたい」と気を引き締めた。

◆阪神は9日、雨天中止で延びていた本拠地開幕戦で巨人を2-1で倒し、今季初の3連勝。2点リードで九回、マウンドに送った藤川が1点を失う展開に矢野監督は「最後はひやひやしましたけど、球児(藤川)を信じて応援していました。甲子園の開幕ということで、遠征でジャイアンツに3連敗して、またジャイアンツ戦で特別な1勝になりました」と話した。  ボーアが七回、好投のメルセデスから先制2ランを放った。  「向こうのピッチャーがよかったんでね。本当にホームランを打ってくれという思いで見ていたんですけど、素晴らしい打球でボーアらしく素晴らしいホームランでした」  6回1安打無失点だった先発のガルシアについては「球も走っていましたし、ガルシアに勝ちをつけてあげたかったですけど。ガルシアが試合の流れを作ってくれたんで、本当に素晴らしいピッチングでした」と話した。  3連勝したが、まだ5勝10敗と借金は多い。  「大きく負け越しているんで。今日も勝ちましたけど、まだできることがありますし、まだ調子の上がっていない、まだまだできる選手もいるんでね。そういうところで、もっともっと連勝ですけど伸ばしていきたいですし、まだまだチームの状態を上げていきたいですね」と話した。  10日からは観客を入れて試合が行われる。  「本当にまだ制限のある中ですけど、ファンの皆さんが来てくれるというのは本当にうれしいですし。甲子園に入ってもらえるというのはまた僕の中で忘れられない1日になる。皆さんのパワーをもらいながら、一緒に戦ってもらえたらと思っています」と虎党の後押しに期待した。

◆巨人・亀井善行外野手(37)が9日、阪神4回戦(甲子園)でプロ野球史上305人目の通算1000安打を達成した。0-2の九回2死一、三塁で代打で登場し、阪神・藤川から右前適時打。塁上では記念のボードを掲げた。  プロ16年目で、野手では中島と並んで球団最年長。37歳11カ月での到達は18年の広島・石原慶幸の38歳8カ月、10年のオリックス・北川博敏の38歳3カ月に次ぐ史上3番目の年長記録だ。名前にある亀のごとく、ゆっくりと、着実に積み重ねた記録だった。  2009年には日本代表として、原監督とともにWBCで世界一に輝いた実績もある。ベテランは「我慢強く使い続けてくれた原監督に感謝しています」と語った。

◆阪神の甲子園開幕戦となったこの日は、試合前セレモニーが行われた。両軍の選手がベンチ前に整列。スタメンと監督紹介の後、国歌が演奏された。セレモニーの前にはファンから募集したチームへの応援メッセージ動画を一つにしたオープニングムービーをビジョンで放映。さらに阪神の選手が打席に入った際には、各選手のヒッティングマーチやチャンステーマが流れ、ベンチの上ではタイガースガールズがダンス。七回にはトラッキーらとジェット風船タオルをもって、選手を鼓舞した。

◆巨人は打線がつながらず、阪神に競り負けた。首位はキープしたものの2試合の中止を挟んで今季初の連敗。原辰徳監督(61)は「(安打が)出れば主導権を握れるが、出なければこういう形になるケースはある」と首を振った。  八回までわずか1安打。九回に亀井の通算1000安打となる右前適時打で1点差に迫ったが、反撃もそこまでだった。  前日に左脇腹の違和感が判明した坂本が今季初の欠場。試合前練習は別メニューで、フリー打撃も行わなかった。指揮官は「きのうよりも状態はいい」としたが、2年前に同箇所を痛めて約1カ月離脱したこともあり、気がかりだ。  雨天中止となった7、8日の振り替え試合が9、10月に決まり、9月1日から10月18日までの48日間で最大44試合を行う超過密日程も決定。坂本の欠場と合わせ、痛い"3連戦"となった。(伊藤昇)

◆梅野が投手陣を引っ張り、巨人打線をわずか3安打に抑えた。「メルセデスに対して分が悪いとなると、やっぱり先制点を与えなかったのが良かったと思う」。四回にウィーラーに今季初盗塁を許したが、六回は中島の二盗を阻止。6試合連続安打もマークした。選手会長は有観客試合に向け「チームが勝って思い出に残って帰ってもらえるような。それが一番喜んでもらえるのかな」と力を込めた。

◆先発したガルシアは6回1安打無失点の快投だ。「最初から最後までいい感覚で投げることができた」。前回対戦した6月21日(東京ドーム)は4回8安打5失点と打ち込まれたG打線を相手に、丁寧な投球でホームを踏ませなかった。今季初白星こそつかなかったが、矢野監督は「試合の流れを作ってくれた。本当に素晴らしいピッチング」と称賛した。

◆阪神・藤原オーナーが今季初観戦した。「肩の力を抜いてというのは簡単だけど、なかなか難しい。肩の力を抜いてというより『自分のパフォーマンスをとにかくここで表現するんだ』と。そういうパフォーマンスをみたいと思って応援にきました」と最下位からの逆襲を期待した。10日のDeNA戦からは観客も来場。「不自由な中で見ていただく。どういうふうに楽しんでいただけるのか、若干心配はしていますけど、こういう日を迎えられてほっとしています」と安心した。

◆4番として難敵攻略の突破口を開いた。好調な大山がボーアの2ランをおぜん立てした。  「先頭だったのでとにかく塁に出ることを意識していた。出塁することができてよかったし、ボーアのホームランに繋がってよかった」  0-0の七回先頭。カウント2-1からメルセデスの144キロ直球を詰まりながらも右前へ。この試合で初めてイニングの先頭が出塁に成功し、先制の流れを作った。  八回はビエイラから左翼線二塁打で2安打の活躍。左ふくらはぎを痛めたマルテに代わって4番に起用され、打率・409と好調な大山は「自分がやろうとしている全力疾走・全力プレーは何があってもやり続けていきたい」と力を込めた。

◆本来なら甲子園に地鳴りを呼んでいた。スコアボードに表示された「160」が、来場を待ち焦がれるファンの心をさらにくすぐった。本領発揮のスアレスが巨人の主砲を黙らせた。  「前の投手がみんな頑張っていたし、勝っている展開でつないでくれたから、すごく気合も入っていたね」  八回、あっさり2死を奪って迎えた岡本への2球目だ。160キロでバットを押し込んだ。2016年の藤浪に並び、17年のドリスの球団最速161キロに迫る剛球でファウルを奪い、フォークで3球三振に仕留めた。完璧な3人斬りで藤川にバトンをつないだ。  ソフトバンクで16年に自己最速161キロを投じた右腕は、1月の入団会見で「それに近い状態」と再現に自信をみせていた。17年のトミー・ジョン手術の影響もすっかり消え、本拠地開幕戦であっさり有言実行だ。  もう一人のセットアッパーも光った。0-0の七回は岩崎が三者凡退。6月19日の開幕戦(東京ドーム)で吉川尚に逆転2ランを浴びて黒星を喫した左腕が、巨人打線に雪辱して今季初勝利を手にした。  「ガルシアが頑張ってくれていましたし、自分もゼロでつなぐことができてよかった。明日以降もゼロで抑えられるようにしっかり準備します」  継投が成功した矢野監督は「相手投手もよかったので、先に投入していこうかな」と先手が決まった。六回に2四球のガルシアの乱れを察知し、岩崎のリベンジも「それもあるし」と意識。さらに大きな狙いも込めた。  「まだ球児(クローザーの藤川)まで落ち着くゲーム、流れが作れていない。きょうみたいに競った展開で球児につないでいく中で、球児の状態が上がることにもなる」  必勝パターンの完成に不可欠な両輪が完璧なセットアップ。「勝利の方程式」に一歩近づく、価値ある1勝だ。(安藤理)

◆甲子園の夜空に上がった飛球が右翼・高山のグラブに収まると、少し首をかしげて苦笑いした。守護神・藤川が1点を許しながらも試合を締めて、今季2セーブ目。10日からの有観客試合を前に、次こそ完璧に抑えることを誓った。  「現状で自分も含めて、ファンの方々を納得させられるような投球ができていませんが、必ず納得させられるような投球ができることを約束してやっていきたい」  G打線を8回1安打に封じる無失点リレーで九回にバトンを受け取ったが、投球は苦しかった。先頭の中島にストレートの四球。2死までこぎつけたが、大城の右前打で一、三塁から、代打・亀井に甘く入った初球の直球をはじき返され、1失点。続く代打・石川を右飛に打ち取り、なんとか1点差でしのぎ切った。  12日ぶりに巡ってきた登板機会だった。前回登板は6月27日のDeNA戦(横浜)。満塁のピンチを招きながらも無失点でしのぎ、今季初セーブを記録。以降はセーブの機会がつかない試合や雨天中止が続いていた。  まだ本調子ではないことは確かだ。それでも執念の投球で3つのアウトを奪った右腕について、矢野監督は「1試合ずつこういう試合をしていけば、球児(藤川)も落ち着いてくると思うので。何とか粘れたというのが大きい」と期待した。  守護神という大役を務めるだけでなく、救援陣の精神的支柱でもある。開幕直前のタクシーの移動中には、同乗したD6位・小川(東海大九州)に「分からないことだらけだと思うけど俺とか先輩が何でも教えてくれると思うから」と優しく言葉をかけた。同じリリーフとして、1年間戦う仲間として、常に周りを気にかけている藤川だからこその行動だった。  「個人的なことを言えばキリがないですが、チームのためにやっている中で少しずつ向上していけるように頑張りたい」  これで日米通算250セーブまであと「5」。次はファンの前でビシッと抑えて、笑顔で仲間と勝利の喜びを分かち合う。(織原祥平)

◆特大アーチで今季初G倒だ! 阪神は甲子園開幕となった巨人戦に2-1で勝利し、初の3連勝。ジャスティン・ボーア内野手(32)が0-0の七回に、千金の3号2ランを放った。開幕カードでの3連敗の借りを返す勝利で、勢いはさらに加速。10日のDeNA戦から、いよいよファンが甲子園に帰ってくる!!  まばゆいカクテル光線に照らされ、白球がぐんぐん伸びた。雨に焦らされた、待望の甲子園開幕戦。試合の均衡をぶち破ったのは頼もしい助っ人の一撃だ。ボーアが先制の3号2ラン! 来日初のヒーローインタビューで、力強く叫んだ。  「アリガトウゴザイマス!! ガルシアたち、ピッチャーがすごくいい投球をしてくれていた。みんないい試合をしていたので、勝ててよかった」  0-0の七回だ。先頭の大山がしぶとく右前に運び、無死一塁。1ボールからメルセデスの127キロスライダーを振り切った。公式戦本拠地初アーチはバックスクリーン右に飛び込む超特大弾。ベンチに凱旋したB砲渾身の"ファイアボール"が甲子園に響き渡った。  難敵を打ち崩す一発だった。阪神は巨人先発のメルセデスと過去6度対戦し、一度も土をつけたことがない。この日も六回までに喫した三振は8個。ボーアも第1打席は3球三振だったが「切り替えて、しっかりポジティブになった結果だね」。虎が初めて浴びせた一発が試合を決めた。  一、二回は慣れない黒土で失策を記録も、決して下は向かない。5日の広島戦(マツダ)での満塁弾に続く2試合連続の決勝打。さらに来日1号に続いて、打率・118(17打数2安打)の左腕から打った。大事な局面では数字など関係ない。開幕カードで屈辱の3連敗、自身も12タコを喫した巨人に、4戦目できっちり借りを返した。  開幕から5カード連続ビジターを終え、自宅で家族と過ごす時間はもちろん癒やしとなったが、もうひとつの"家"は甲子園だ。「自分のロッカーを見たり、いつもの風景を見て、家に戻ってきたと。いい雰囲気で試合に臨めたね」。来日1年目ながらすっかり虎の一員となった大砲は、場内に流れた自身のヒッティングマーチにも「すごい好きだね。ファンから力をもらえるよ」とニッコリ。3試合連続の雨天中止を経て、初めて臨んだ甲子園での公式戦は忘れられないものになった。  今季初の3連勝。矢野監督も「甲子園の開幕、ジャイアンツ戦で特別な1勝になりました」と目を細めた。10日からはいよいよ、甲子園にファン(5000人)も入る。「やっぱり見てもらうからこそできるプレーとか相乗効果っていうのは出てくる。またあす新たな第一歩を踏み出したいなと思います」と気合を入れれば、甲子園で虎党の声援を聞くのは初体験となるボーアも、声を弾ませた。  「やっぱりファンの皆さんが球場に来てくださって応援してくれるのはうれしいね。チームもいいムードなので、これからも勝っていきたいね」  勢いに乗る虎をファンの声援が後押しする。もう怖いものはない。大好きな甲子園で、ボーアが再びヒーローになる。(原田遼太郎)

◆一言で表すと、スタミナ切れの失投。これほど分かりやすい結果もない。メルセデスがボーアに許した2ランだ。  外角低めに、ちょっと落としておけば、抑えやすい打者。もちろん、バッテリーもそこを狙ったんだろうけど、スライダーが、ど真ん中に入った。疲労から、小手先で投げてしまったのは明らかだった。  そもそもデータ上、メルセデスは七回を乗り切れていない。0-0のまま進む展開だったから、6回でスパッと代えるのも忍びない。  そうであるなら、やはりスタミナをつけさせるしかない。実戦で投げてスタミナを...ではなく、練習でみっちり投げ込みをさせないと。42・195キロを走るマラソン選手が、練習では20キロしか走りません...なんてこと、あるわけないんだから。  試合は九回まで行われる。勝負は七回以降で決まる。この2つの"原理"からしても、最低でも7回を投げ切れる投手しか、先発では使えないということよ。  もう一つ、巨人に注意を。打たれてはいけない打者に、やられた。自軍は、中心選手の坂本勇が故障で欠場し、雨で2戦を流し、感覚も鈍った。これらは悪くなる兆候。気を付けた方がいいね。(本紙専属評論家)

◆よっしゃア! 開幕カードで、わが阪神に悪夢の3連敗をくらわせた憎き憎き巨人に勝ったー!! 勝因は...虎の天敵メルセデス(2年間で勝ちなしの6敗)から目覚めた大砲バース2世のボーアの2ラン!! そーや、そーや!! と狂喜乱舞しながらも、ふと思った(テレビ観戦だと普段熱い虎党の俺も冷静になるんだよねェ)。本日の虎の勝利は無観客試合ならぬ巨人の『無坂本試合』が全てじゃねーの?!   阪神先発のガルシアは6回1安打だったけど、6四球だし味方エラーも2つあったし...。もし、そんな場面に坂本がからんできたら...と思ったらヒャ~ラッキーだったのだ!!  てか、だから野球は面白い! さあ、10日からスタンドにお客さんが戻ってくるー!! プロ野球の熱さを見せつけたれー!!

◆守護神・藤川に不安が残った。九回、先頭の中島をストレートの四球で歩かせた時は、指先の感覚を心配したほど、全く制球できていなかった。  状態が良くないなら、良くないなりの投球をできるところが、藤川の真骨頂ではある。ストレートの制球が乱れていると、どうしても球を置きにいきたくなるものだが、切り替えて、思い切ってフォークで攻め切る投球に徹したことが、逃げ切れた最大の要因だ。とはいえ、この日の内容は1点差では厳しい投球だった。  全盛時の球威を求めるのは酷で、昔のストレートでない以上、変化球とのコンビネーションでしのぐしかない。今後も、フォークを中心にした、この日のような投球が求められる試合が多くなるかもしれない。  もちろん、パーラを三邪飛に打ち取った高めのストレートなどは、指に掛かっていて、まだまだ威力があった。  幸いにして岩崎、スアレスは今、絶好調。不安視されていた勝利の方程式の確立は、藤川の復調次第になってきた。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1051 0.667
(↓0.047)
-
(-)
10484
(+1)
51
(+2)
20
(-)
12
(+1)
0.263
(↓0.01)
3.210
(↑0.06)
2
(-)
DeNA
1070 0.588
(↑0.025)
1
(↑1)
10384
(+5)
64
(+1)
18
(+1)
3
(-)
0.296
(↑0.004)
3.560
(↑0.17)
3
(-)
ヤクルト
971 0.563
(↑0.03)
1.5
(↑1)
10380
(+8)
85
(+6)
17
(-)
16
(+3)
0.248
(↑0.003)
4.380
(↓0.09)
4
(-)
広島
681 0.429
(↓0.033)
3.5
(-)
10564
(+1)
65
(+5)
17
(-)
5
(-)
0.278
(↓0.002)
4.260
(↓0.06)
5
(-)
中日
7101 0.412
(↓0.026)
4
(-)
10264
(+6)
80
(+8)
10
(+1)
3
(-)
0.259
(↑0.001)
4.360
(↓0.22)
6
(-)
阪神
5100 0.333
(↑0.047)
5
(↑1)
10543
(+2)
74
(+1)
15
(+1)
13
(-)
0.222
(↑0.001
4.730
(↑0.28)