中日(★1対2☆)ヤクルト =リーグ戦4回戦(2020.07.07)・ナゴヤドーム=
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ヤクルト
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中日
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勝利投手:寺島 成輝(1勝0敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(1勝1敗2S))
敗戦投手:岡田 俊哉(0勝1敗3S)
  DAZN
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◆ヤクルトは両軍無得点で迎えた6回表、西浦が適時二塁打を放ち、試合の均衡を破る。その後同点とされるも、延長10回に井野が押し出し四球を選び、勝ち越しに成功した。投げては、6番手・寺島がうれしいプロ初勝利。敗れた中日は、4番手・岡田が誤算だった。

◆ヤクルトのアルバート・スアレス投手(30)は今季2戦2勝。ヤクルトで3戦3勝は15年山中(6戦6勝)以来だが、外国人投手では95年ブロス(4戦4勝)が最後。 来日2年目のスアレスが球団25年ぶりの記録に挑戦する。

◆ヤクルト4年目左腕の寺島成輝投手がプロ初勝利を手にした。 1-1の9回に6番手で登板。1死からA・マルティネスに左前打を許したが阿部を右飛、大島を外角低めのスライダーで空振り三振に仕留め、無失点で延長10回の勝ち越しにつなげた。 150キロ出る速球を武器に、16年ドラフト1位で履正社から入団。プロ入り後は制球に苦しんだが、今季6試合に投げて防御率0・00と成長。「(時間は)かかったが本当にうれしい。あの場面で投げさせていただいて感謝」と喜んだ。 ▽ヤクルト高津監督(2軍監督時代から見ている寺島の初勝利に)「ちょっとずつだけど成長して、よく頑張ってる。僕もうれしい」

◆中日は2回1死一、二塁で京田が三振併殺。ヤクルトは3回2死一、二塁で村上が二飛に倒れ、ともに先制機を逃した。 ヤクルトは6回無死一塁から西浦の右中間への適時二塁打で1点先制。先発スアレスは中日打線を6回まで1安打無失点に抑えた。 ヤクルトは7回から継投策。中日は8回、3番手マクガフを攻め、ビシエドの中越え適時二塁打で同点とし、延長戦に入った。 ヤクルトは延長10回2死満塁、井野が押し出しの四球を選んで勝ち越し。貯金を1とした。6番手の寺島がプロ初勝利。中日は借金2。4番手の岡田が粘れず今季初黒星。

◆中日先発の柳裕也投手の力投は報われなかった。 スアレスと0-0の投手戦。6回無死から村上、西浦に短長打を許し、先に1点を失った。6回まで毎回の10三振を奪う力投も7回で降板した。 「何とか投げ勝ちたかったです」と悔やんだが、8回、ビシエドの同点打で敗戦投手は消滅。ビシエドは「投手陣が頑張っていたので、何とか打ちたい気持ちだった」と柳の気迫に応えた。柳は「いろんな球種を投げながら、自分らしく投げられたと思います」と前を向いた。

◆中日ライデル・マルティネスが同点の9回から登板。7回の代打から捕手に入っていたアリエル・マルティネスとのキューバ出身バッテリーが2死から代打雄平に四球、坂口に左前打を許しピンチを迎えたものの山田を遊ゴロに抑えた。 1日に育成から支配下登録され、3日からの巨人3連戦で来日3年目にしてアリエルがデビュー。同じ96年生まれの「マルティネスバッテリー」が実現。9回に左前打を放ったアリエルは「チェンジアップが浮いたのをうまく打てたが1打席目のチャンスに打ってチームの勝利に貢献したかった」と話した。 ▽中日A・マルティネス(7回代打は三振も9回に左前打)「1打席目のチャンスの時に打ってチームの勝利に貢献したかった。次打席はチェンジアップが浮いたのをうまく打てたけど」

◆中日が超総力戦に敗れた。1点を追う延長10回2死満塁。野手を使い切っていた攻撃で、投手岡田の代打に投手三ツ間を送ったが空振り三振に倒れて終戦した。先発柳の7回10奪三振1失点の力投も、ライデル・マルティネスとアリエル・マルティネスによる日本球界初のキューバ・バッテリーの実現も実らず。4番手岡田が10回に押し出し四球を与え、5割復帰も3位浮上も消えた。延長10回、4番手岡田が2死満塁から押し出し四球で決勝点を与えた。その裏の2死満塁では野手を使い切っていたため、岡田の代打は中継ぎ投手の三ツ間という異例の超総力戦。三ツ間は懸命にバットを出すが、空振り三振に倒れゲームセット。キューババッテリーの投入、先発柳の力投も実らず、ヤクルトに競り負けた。 10回表の守備から加藤を3人目の捕手として9番に入れた。これでベンチ入り野手16人はすべて出場。10回裏2死二、三塁の場面でヤクルトは8番岡田に打席が回ることを見越して7番京田を申告敬遠。中日ベンチは過去5打席で無安打の投手三ツ間を代打に送るしかなった。 出場選手枠「31」に対して2つ空いているうちの野手1枠の登録も見送っていたことも結果的に響いた。与田監督は「加藤と岡田(の打順)のところをね、それは完全な僕のミスなので。交代を特に迷ってしまったのがこういう結果になったので。最終的にそこの判断を誤ったというところです」と野手起用と打順の置き所を反省。さらに「枠もひとつ残っている中で予備のために置いておくこともしなかったのでそういったことも含めて監督の責任だと思います」と痛恨の黒星を総括した。 超総力戦の中、キューバ出身の「マルティネスバッテリー」が実現したのは9回だった。1日に支配下登録され、3日からの巨人3連戦でデビューしたアリエルが7回に代打出場。そのままマスクをかぶり、9回からライデルが登板。なんとか無失点で切り抜けた。先発柳の力投も報われることなく、最後はベンチワークの乱れもあり、ヤクルトに苦杯を喫した。与田監督は「ひとつの枠をどう考えるか。すごく大事になってくると思うのでホントにこの反省を次に生かさなければいけないと思います」と結んだ。【安藤宏樹】 ▽中日木下拓(粘りのリードに2安打)「苦しいイニングが続きましたが、なんとか粘れたと思います。打つ方は打つべき球が打てたと思います」 ▽中日福(2番手で1回を3人でピシャリ。開幕から8試合連続無失点)「やるべきことがやれている結果が、0なのかなと思います。勝っていても負けていても投げることは一緒なので、自分のやるべきことはこれからも続けます」

◆長かった。ヤクルトの4年目左腕、寺島成輝投手がプロ初勝利を手にした。 同点の9回に登板。1死から左前打を許したが中日阿部を右飛、大島を外角低めのスライダーで空振り三振に仕留め、無失点で延長10回勝ち越しにつなげた。「(時間は)かかったけど本当にうれしい。あの場面で投げさせていただいて感謝」。緊張の解けた顔をほころばせた。 150キロの速球を武器に16年ドラフト1位で入団。高校四天王と呼ばれた楽天藤平、広島高橋、西武今井に先を越され、左肘痛や制球難に苦しんだ。「この3年は何もしてない。苦しかった」。悩み、考えすぎた。2軍監督だった高津監督からの助言「対自分じゃなく、対打者に意識を向けなさい」を心に留めた。 今オフは理想の左腕像であるDeNA今永に志願の弟子入り。100%で腕を振ること、体を開かず横回転で投げることを心掛けた。今季6試合に投げて防御率0・00。ビハインド展開の出番が多いが「本当に必死。これからも継続したい」と力を込める。 敵地15連戦の大事な初戦に白星を呼び込んだ。長男と同い年の寺島を、時に父のような目で見守ってきた高津監督は「いろんな悔しい思いをして、歯を食いしばってる姿を見てきた。よく頑張ってる。僕もうれしい」と目尻を下げた。【鎌田良美】

◆ヤクルト・西浦直亨内野手(29)が7日、中日4回戦(ナゴヤドーム)に「5番・三塁」で先発出場。0-0の六回無死一塁から、右中間へ先制の適時二塁打を放った。  カウント2-2から相手の先発・柳が投じた114キロのカーブに体勢を崩されながら捉え「後ろにつなぐ気持ちで、最低でもランナーを進めようと思っていました。食らいついていった結果が良いところに落ちてくれました」。この当たりに一走・村上が激走し、捕手・木下拓のタッチをかいくぐってホームイン。5番に座る"絶好調男"の巧打と若き4番の好走塁で均衡を破った。

◆ヤクルトのアルバート・スアレス投手(30)が7日、中日4回戦(ナゴヤドーム)に先発。6回78球を投げ7四球を与えたが、1安打無失点と粘りの投球。「立ち上がり、コントロールに苦しんで四球を出してしまったが、集中力を切らさず粘りのピッチングができました。なかなかお互い得点がとれないゲームの流れでしたが、先制点を与えないように最後まで集中したピッチングでした」と振り返った。  五回以外は毎回走者を背負う展開だったが、打席ごとにしっかりと攻め方を変え、直球と変化球をうまく散らして的を絞らせない。六回は3四球を与えるなど2死満塁のピンチとなったが、最後は代打・井領を一ゴロに抑えた。  昨季はコンディション不良が重なり、わずか4試合の登板で1勝1敗、防御率1・53の成績に終わった右腕。来日2年目は、本来の実力を発揮している。

◆ヤクルトは十回に井野の押し出し四球で奪った1点を守りきり、貯金を「1」とした。九回に登板した4年目の寺島がプロ初勝利。中日は十回に登板した4番手・岡田の制球が定まらず押し出し四球で勝ち越し点を奪われた。  中日・柳、ヤクルト・スアレスの両先発が走者を出しながらも五回までゼロを並べた。六回、ヤクルトは先頭の村上が右前打で出塁すると、続く西浦が泳がされながらも左中間に運ぶ適時二塁打を放ち先制した。  六回に2死満塁、七回には1死二塁のチャンスを逃していた中日は八回、ヤクルトの3番手・マクガフから1死一塁でビシエドがフェンスを直撃する中越え適時二塁打を放ち同点。試合は延長戦に突入したが、十回、ヤクルトは3つの四球で二死満塁とすると、井野も四球を選び勝ち越し。その裏、抑えの石山が2死満塁のピンチを招いたが最後は野手を使い切っていた中日の代打・三ツ間を空振り三振に斬って逃げ切った。

◆ヤクルトの4年目左腕、寺島成輝投手(21)が7日、中日戦(ナゴヤドーム)でプロ初勝利を挙げた。1-1の9回に6番手で登板し無失点に抑えると、十回にチームが勝ち越した。以下、試合後の一問一答。  --最後は三振  「とにかく必死。三振を取れたことは本当によかった」  --念願の初勝利  「4年かかってしまったけど勝てたことはうれしい。今後も頑張っていきたい」  --誰に感謝を伝えたい  「まずは両親。そして投げさせていただいた監督、コーチ、チームの皆さんに感謝したい」  --今後に向けて  「本当に必死。チームが勝つことが最優先。必死に頑張ります」

◆野手を使い果たした中日は延長十回2死満塁のサヨナラ機、代打に投手の三ツ間を起用した。結果は空振り三振で試合終了。十回表に最後の野手だった加藤を捕手に入れたためで、与田監督は「完全に僕のミス。1人残しておかないといけないところで交代に迷ってしまった」と反省の言葉を並べた。  八回に一度は追い付くも、十回に岡田が申告敬遠1を含む4四球と荒れて勝ち越された。監督は「練習試合でも2死から制球を乱す傾向があった」と振り返った。

◆ヤクルトは7日、中日4回戦(ナゴヤドーム)に延長十回、2-1で勝利。1-1の九回に登板した寺島成輝投手(21)が1回を1安打無失点に抑え、プロ初勝利を挙げた。大阪・履正社高から2017年にドラフト1位で入団して4年目。ここまで期待に応えることができなかった左腕が、念願の初白星。4時間4分に及んだ激戦。7投手の継投で1点に抑えての勝利に貢献し、チームを再び貯金生活へと導いた。  天に届け-。1-1の九回。緊迫した場面で、寺島はマウンドに上がった。無観客の静寂の中、1回を1安打無失点。念願のプロ初勝利を手にした21歳は喜びをかみしめ、言葉を紡いだ。  「(4年も)かかってしまったんですけど、(勝利球を)石山さんから渡されたときは、本当にうれしかったです」  苦しさ、悔しさ、全ての感情を球に乗せた。先頭の代打・石川駿を右飛。続くA・マルティネスに左前打を浴びたが、阿部を右飛、大島をカットボールで空振り三振に抑え、汗をぬぐった。  仲間の思いをつないだ。先発スアレスが6回無失点。その後清水、マクガフ、長谷川、梅野が1失点で運んできたバトンを九回に受け取り、守護神の石山に渡した。  やっと、だ。履正社高時代に『高校ビッグ4』の一角として注目された左腕は2017年にドラフト1位で入団、背番号18を与えられた。だが他の3人(西武・今井、楽天・藤平、広島・高橋昂)が白星を挙げる一方で、故障に泣き、2軍でも結果が出ない。懸命に取り組んでいても、期待の大きさから「本気でやっていない」と思われたこともあった。  常に言い聞かせたのは「自分は自分」。めげずにもがいた。150キロに迫った速球だけでなく、変化球や制球力も身につけた。1年目から2軍監督として見てきた高津監督は「悔しい思いをして、歯を食いしばっている姿を見てきた。ちょっとずつだけど成長している」。今後も救援で起用するが「左のエースとか、そういう存在になってほしい」と望んだ。  寺島には喜びと、感謝の思いを届けたい人がいる。天国で見守ってくれているおじいちゃんだ。母・浩江さん方の祖父、安井凱夫(よしお)さんが昨年12月20日、81歳で亡くなった。埼玉・戸田寮で父・明宏さんから訃報を伝えられ「電話越しだったので『え...』と。実感がなくて、半分信じられない感じでした」。葬儀に合わせて帰郷し、最期のお別れをした。  「成輝が勝つところを見るまで死ねへん」と鼓舞してくれた凱夫さん。棺の中で、自身が贈ったヤクルトのウエアを羽織って眠る姿を見て、「勝つところを見せられなかった申し訳なさがあって。遅いですけど、『どこかで見てくれている』と心の中で思って、より一層頑張ろうと思いました」と誓った。  今季は6試合に救援登板して自責点0。その粘りの投球の繰り返しが打線にも通じ、延長十回に井野の押し出し四球による決勝点が転がり込み、貯金も「1」とした。  「本当に必死なのでこれからも継続していきたい」と寺島。ここが新たなスタート地点。おじいちゃん、いつまでも見守っていてください。(赤尾裕希)

◆ヤクルトは、延長十回に15年目のベテラン・井野が押し出し四球を選び、勝ち越し点をゲット。六回の先制点は西浦のバットから生まれた。無死一塁で柳のカーブを右中間へ。一走の村上が好走塁で生還し「最低でも走者を進めようと思って食らい付いた結果、いいところに落ちてくれた」。勝負強さが際立ち、5本塁打を含む9安打のうち8本が打点付き。いまだに「アピールしていく立場」と控えめだが、6戦連続で座った5番打者の役割を果たしている。

◆ヤクルト先発・スアレスが7四球を与えながらも6回を1安打無失点。変化球中心の組み立てで制球に苦しんだが「集中力を切らさず粘りの投球ができた」と要所を締めた。3勝目とはならなかったが、3試合に先発し計17回で自責点1。防御率はセ・リーグトップの0・53となった。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1041 0.714
(-)
-
(-)
10583
(-)
49
(-)
20
(-)
11
(-)
0.273
(-)
3.270
(-)
2
(-)
DeNA
960 0.600
(-)
1.5
(-)
10576
(-)
57
(-)
17
(-)
3
(-)
0.297
(-)
3.550
(-)
3
(-)
ヤクルト
870 0.533
(↑0.033)
2.5
(↑0.5)
10567
(+2)
74
(+1)
17
(-)
11
(+2)
0.246
(↓0.005)
4.270
(↑0.27)
4
(-)
中日
790 0.438
(↓0.029)
4
(↓0.5)
10453
(+1)
67
(+2)
9
(-)
2
(-)
0.257
(↓0.003)
4.110
(↑0.18)
5
(-)
広島
571 0.417
(-)
4
(-)
10757
(-)
57
(-)
16
(-)
3
(-)
0.281
(-)
4.300
(-)
6
(-)
阪神
4100 0.286
(-)
6
(-)
10641
(-)
73
(-)
14
(-)
13
(-)
0.221
(-)
5.010
(-)