巨人(☆5対0★)中日 =リーグ戦1回戦(2020.07.03)・東京ドーム=
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中日
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巨人
00000113X5601
勝利投手:菅野 智之(2勝0敗0S)
敗戦投手:大野 雄大(0勝2敗0S)

本塁打
【巨人】坂本 工宜(2号・6回裏ソロ)

  DAZN
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◆巨人は6回裏、坂本にソロが飛び出し試合の均衡を破る。2-0で迎えた8回には、1死満塁から代打・北村が走者一掃の適時二塁打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・菅野が9回1安打無失点の快投で今季2勝目。敗れた中日は、先発・大野雄が好投するも、打線が1安打と沈黙した。

◆巨人は丸佳浩外野手(31)が2番、坂本勇人内野手(31)が3番に入った。スタメンマスクは大城卓三捕手(27)で、東海大の先輩でもあるエース菅野とコンビを組む。中日は巨人キラーの福田が3番でスタメン出場。大野雄と木下拓がバッテリーを組む。

◆巨人菅野智之投手(30)が、7回1死から中日ビシエドに初安打を浴びた。初球の143キロのカットボールを左中間にはじき返され、二塁打とされた。表情には悔しさをにじませたが、後続を断ち、7回をゼロに抑えた。

◆序盤は両エースの好投で投手戦になった。巨人菅野は3回まで無安打無失点。中日大野雄は3回まで3四球を出したが無失点。 巨人は6回に坂本の2号ソロで先制した。先発菅野は6回まで無安打無失点と好投を続ける。中日大野雄は6回まで3安打1失点。 巨人は7回に敵失の間に1点を追加。8回は代打北村の適時二塁打で3点を加えた。先発菅野は完封で今季2勝目を挙げた。中日大野雄大が2敗目。

◆中日アルモンテの離脱で緊急招集されたばかりのA・マルティネスが8回に代打でプロ初打席に立った。 結果は菅野の前に空振り三振。「結果を出すことはできなかったけど、次のチャンスは結果を出したい」とコメントを残した。 1日に支配下登録を勝ち取ったばかりのキューバ出身3年目の主砲候補生。自慢の豪打披露はお預けになった。

◆巨人菅野智之投手が11三振を奪って1安打完封勝ち。CSでは18年ヤクルト戦でノーヒットノーランを記録している菅野だが、これまで公式戦の完投試合の被安打は2本が最少。公式戦で1安打完封勝ちは初めてだ。 巨人投手の1安打完封勝ちは12年の沢村と杉内以来で、2桁奪三振の1安打完封勝ちは12年沢村以来、チーム6人目になる。これで菅野の完封勝ちは通算18度目。現役投手の完封数では金子(日本ハム)の21度に次ぎ、松坂(西武)に並び2位タイに進出した。

◆首位巨人が4位中日を下した。先発菅野は完封で今季2勝目を挙げた。

◆エースが投げ、キャプテンが打つ。巨人は菅野智之投手が1安打完封、6回には坂本勇人内野手に先制2号ソロが飛び出すなど、完勝で首位を守った。 原辰徳監督は菅野の完封について「相手投手も素晴らしいピッチングでしたが、自分のペースを崩すことなく、今日に関しては投げ勝ってくれたと思いますね」と評価。「今日は真っすぐ自体が非常に良かったと思いますね。大城という捕手でね、ワンパターンにならず、工夫しながらやった。リードも非常に良かったと思いますね」と言った。 7回1死までは無安打投球を続けたが「私の仕事はチームを勝たせるということが一番の仕事なので、そういうのは頭の片隅にもありませんでした」と大記録よりもチームの勝利に集中。 坂本の本塁打には「難しいボールだと思います。相手投手と、相性という点では、私の記憶の中ではとても良く、その分上回ったのかなと思いますね。投手としても失投ではなかったのではないかなと思いますね」と評した。 8回は代打に送った北村が3点適時二塁打を放ち、勝利に貢献。指揮官は「3-2カウントまで持っていったところにね、いい結果が出たのではないかと思いますね」と言った。

◆昨年最優秀防御率左腕の初勝利は持ち越しになった。中日大野雄大投手(31)が3日巨人戦(東京ドーム)で7回4安打2失点(自責1)の好投を披露。巨人エース菅野との投げ合いになったが、味方打線の援護がなく2敗目を喫した。 6回1死。坂本に痛恨の先制2号ソロを被弾した瞬間を大野雄は天を仰いだ。「(菅野との)我慢比べだったのですが...。仲間が点を取ってくれるまでは0点で粘りたかったです」。遠い今季初勝利に左腕は唇をかんだ。 3年ぶり3度目の開幕投手を務めたが、前回6月26日広島戦まで2試合10イニングで10失点。この日は、昨季をほうふつさせる安定感を見せた。ストレートの最速は152キロを表示。4回1死からは6連続三振を奪った。93年郭源治の球団記録、7者連続奪三振にリーチをかけるほどの力強さだったが援護を待ち切れなかった。 与田監督は「(大野雄は)坂本の本塁打1点に抑え、2点目は失策だから。これまでの悪かったところをしっかり修正してくれた」とエースの力投を称賛した。しかし、アルモンテが抜けた打線はビシエドの二塁打のみで菅野に1安打完封負け。連勝も3で止まり、借金生活に逆戻りした。「(菅野は)素晴らしい投手。甘い球もあったが仕留められなかった。まずは明日」と、指揮官は出直しを強調した。【伊東大介】

◆巨人原辰徳監督が監督通算1033勝目を挙げ、長嶋終身名誉監督の1034勝にあと1勝と迫った。 両エースの投げ合いに「素晴らしい投手戦で緊張感のあるゲームだったと思います。どっちに転ぶか分からない状況で、わが軍に少々、利があったということでしょうね」と言った。6回は2打席連続三振のパーラに代打を送り、9回は菅野の意思を確認した上で続投を決断。開幕から5カード連続初戦を制し「続くといいなと思ってます」と願った。

◆巨人の代打北村拓己内野手が8回に3点適時二塁打を放ち、エースの完封を援護した。 1死満塁、フルカウントから147キロの直球を中堅フェンスに直撃させ「追い込まれていたのでコンパクトにいくことを心掛けました。とにかく外野に飛ばそうと思ってました。いい追加点になって良かった」と喜んだ。原監督は「本人はじだんだ踏みながらベンチにいたでしょう」とチャンスを生かした打撃を評価した。

◆キャプテンがエースを援護した。巨人坂本勇人内野手(31)が、決勝の2号ソロを放った。0-0で迎えた6回1死、中日大野雄の低めのスライダーを左翼席へ。見逃せばボール球で、坂本のセンスが詰まった技ありのアーチだった。前回カードのDeNA戦は3戦連続無安打。試行錯誤を重ね、ここぞの一振りで試合を決めた。体に向かいながら、沈むスライダーに、坂本は最後は左手1本でバットに乗せるように、角度をつけた。メジャーリーグで脚光を浴びる「バレルゾーン」。長打になりやすいとされる打球速度と角度の組み合わせを意味する。カーブなど球速が遅く、さらにタイミングを崩されれば条件を満たすのは難しいとされるが、右足を軸とした回転力とリストの強さ、うまさで左翼席最前列に運んだ。 プロ通算382本塁打の原監督をも「難しいボールだと思います。投手としても、失投ではなかったのではないかなと思います」とE難度に指定したボール。高度な技術に度肝を抜かれ、沸き上がるチームメートのエアハイタッチに応えながら、心の中では「ピッチャーが頑張っているんでね。何とか先に点を取ってあげたかったので、1点とれて良かった」と好投するエース菅野を思った。 エースとキャプテン-。名門の看板を背負いながら、チームの勝利と成績を求められる2人だが、坂本は去年、菅野の本当の重圧を肌で知った。昨季はキャリアハイの40本塁打をマーク。主将就任後初となるリーグ優勝を達成し、喜びにみちあふれたオフのはずが、真っ先に浮かんだのは"恐怖心"だった。 坂本 来年40発打てなければ、30発でも成績は落ちたとみられる。でも、智之(菅野)は毎年そんな感じ。2年連続沢村賞の重圧は相当なもの。智之のすごさと大変さがわかった。 昨オフ、菅野との食事の席で本音を明かし、苦悩と今季への思いを共有した。2度のインフルエンザ発症、開幕前には新型コロナウイルス感染で迎えたシーズン。前回カードのDeNA戦では3戦連続無安打も、同学年の宮崎と打撃論をかわし、打撃練習では右足にチューブを巻き、打撃フォームの修正を重ね、不振を脱した。「日本一になって、銀座パレードしたいな」。重圧を乗り越え、願いをかなえる。【久保賢吾】

◆巨人は菅野智之投手が1安打完封、6回には坂本勇人内野手に先制2号ソロが飛び出すなど、完勝で首位を守った。菅野は誰に対しても優しい。アバターロボットを使い、オンラインでヒーロー選手と話せる「キッズアバターヒーロートーク」で試合後に少年と会話。 「スライダーの握り方を教えて下さい」という直球の質問にも、すぐさまボールを用意し、縫い目に人さし指と中指をかけ「チョップする感じ。手首を立てたまま」と惜しみなく、技術を伝授した。

◆首位を"リード"するのは、エースだ。巨人菅野智之投手(30)が、12球団ナンバー「ワン」のスピードで完封勝利を挙げた。中日打線を「1」安打に封じ、応援"犬"の前で今季2勝目をマーキングした。19年7月2日の中日戦(東京ドーム)以来の9回無失点。この1勝で原辰徳監督(61)は、長嶋茂雄終身名誉監督(84)が持つ球団歴代2位となる監督通算1034勝に王手をかけた。8回を投げ終えた菅野は、ベンチで宮本投手チーフコーチと笑顔で話し始めた。「宮本さんの方から『チーム初完封いってほしいな』と言われたので、行かざるを得ないですよね。自分もそのつもりでした」。8回終了時点でワンワンワン(111)球だったが、9回でもチームを"リード"する力は落ちない。1死から福田をこの日、最速152キロ直球で見逃し三振。最後は7回1死にノーヒットノーランを打ち砕かれたビシエドを外角フォークで片付け、その1安打で完封勝利を飾った。 バックネット裏の最前列に座っていた12匹の大型犬は、試合後もおとなしかった。ヒーローインタビューに登場した菅野の邪魔をしまいと「ワン」とほえることもなければ、走り回ることもない。菅野は「去年の精神状態だとこういう競った試合で取れないと思いましたし、気持ちもどうしても後ろ向きになっていたように感じるので。久しぶりに自分を奮い立たせられたと思います。そこが一番去年との違いだと思います」。目の前で見ていた応援"犬"の前でワンダフルな投球を披露した。 無観客の中、球場に現れた応援犬の正体は、同場所に設置されたLEDビジョンに映されたもの。菅野が15年から支援活動を続ける日本介助犬協会の犬たちの写真による演出だった。大の犬好きである菅野は、昨年11月には介助犬サポート大使に就任した。 癒やしを与えてくれるワンちゃんへの愛は止まらない。今年6月には、同協会から販売されたTシャツを自腹購入し、チームスタッフなどに配布した。この日は、チーム広報もそのTシャツを着て、心優しきエースをバックアップした。売り上げによる収益は介助犬の育成・普及活動などに充てられる。少しでも手助けを-。そんな紳士の極みの男を今度は自分たちが-。愛くるしいラブラドルレトリバー、ゴールデンレトリバー...がワンマンショーを癒やしの笑顔で見届けた。【栗田尚樹】 ◆菅野の原点力 右の強打者がそろう中日打線に対し、外角低めのストライクからボールになる変化球を徹底して集めた。スライダーとフォークボールの精度が抜群で、思わず手を出しても届かないピンポイント。しかも曲がりだしも遅く「手を出さざるを得ない」が適切な表現だろう。6回途中5失点の前回ヤクルト戦から中6日で見事に修正してきた。

◆巨人原辰徳監督が監督通算1033勝目を挙げ、長嶋終身名誉監督の1034勝にあと1勝と迫った。 菅野、大野雄の両エースの投げ合いについて。 「素晴らしい投手戦で緊張感のあるゲームだったと思います。どっちに転ぶか分からない状況で、わが軍に少々、利があったということでしょうね」 1安打還付の菅野について。 「自分のペースを崩すことなく投げ勝ってくれた。今日は真っすぐ自体が非常に良かった。ワンパターンにならず(大城の)リードも良かったと思います」 坂本が決勝ソロ。 「難しいボールだと思います。投手としても、失投ではなかったのではないかなと思います」

◆中日は大野雄が好投も黒星。与田剛監督のコメント。 「坂本の本塁打1点に抑え、2点目は失策だから。これまでの悪かったところをしっかり修正してくれた」 打線はビシエドの二塁打1本で菅野に1安打完封負け。 「(菅野は)素晴らしい投手。甘い球もあったが仕留められなかった。まずは明日」

◆キャプテンがエースを援護した。巨人坂本勇人内野手(31)が、決勝の2号ソロを放った。0-0で迎えた6回1死、中日大野雄の低めのスライダーを左翼席へ。見逃せばボール球で、坂本のセンスが詰まった技ありのアーチだった。前回カードのDeNA戦は3戦連続無安打。試行錯誤を重ね、ここぞの一振りで試合を決めた。体に向かいながら、沈むスライダーに、坂本は最後は左手1本でバットに乗せるように、角度をつけた。メジャーリーグで脚光を浴びる「バレルゾーン」。長打になりやすいとされる打球速度と角度の組み合わせを意味する。カーブなど球速が遅く、さらにタイミングを崩されれば条件を満たすのは難しいとされるが、右足を軸とした回転力とリストの強さ、うまさで左翼席最前列に運んだ。 プロ通算382本塁打の原監督をも「難しいボールだと思います。投手としても、失投ではなかったのではないかなと思います」とE難度に指定したボール。高度な技術に度肝を抜かれ、沸き上がるチームメートのエアハイタッチに応えながら、心の中では「ピッチャーが頑張っているんでね。何とか先に点を取ってあげたかったので、1点とれて良かった」と好投するエース菅野を思った。 エースとキャプテン-。名門の看板を背負いながら、チームの勝利と成績を求められる2人だが、坂本は去年、菅野の本当の重圧を肌で知った。昨季はキャリアハイの40本塁打をマーク。主将就任後初となるリーグ優勝を達成し、喜びにみちあふれたオフのはずが、真っ先に浮かんだのは"恐怖心"だった。 坂本 来年40発打てなければ、30発でも成績は落ちたとみられる。でも、智之(菅野)は毎年そんな感じ。2年連続沢村賞の重圧は相当なもの。智之のすごさと大変さがわかった。 昨オフ、菅野との食事の席で本音を明かし、苦悩と今季への思いを共有した。2度のインフルエンザ発症、開幕前には新型コロナウイルス感染で迎えたシーズン。前回カードのDeNA戦では3戦連続無安打も、同学年の宮崎と打撃論をかわし、打撃練習では右足にチューブを巻き、打撃フォームの修正を重ね、不振を脱した。「日本一になって、銀座パレードしたいな」。重圧を乗り越え、願いをかなえる。【久保賢吾】

◆中日大野雄大投手が7回4安打2失点と好投。援護なく2敗目を喫したが、巨人菅野との緊迫した投手戦を展開した。 6回1死。坂本に痛恨の先制2号ソロを食らった瞬間、天を仰いだ。「我慢比べだったのですが...。仲間が点を取ってくれるまでは0点で粘りたかったです」と唇をかんだ。 3年ぶり3度目の開幕投手を務めたが、前回6月26日広島戦まで2試合10イニングで10失点。ガラリと復調し、昨季をほうふつさせる安定感を見せた。ストレートの最速は152キロを表示。4回1死から6連続奪三振。93年に郭源治が記録した球団記録の7者連続奪三振にもリーチをかけるほどの力強さも、援護を待ち切れなかった。 与田監督は「坂本の本塁打1点に抑え、2点目は失策だから。これまでの悪かったところをしっかり修正してくれた」とエースの力投を称賛した。しかし、打線はビシエドの二塁打1本で菅野に1安打完封負け。3連勝も止まり、借金生活に逆戻りした。指揮官は「(菅野は)素晴らしい投手。甘い球もあったが仕留められなかった。まずは明日」と出直しを強調した。【伊東大介】 ◆ザ・大野雄 大野雄は、本格派左腕の本領を遺憾なく発揮した。基本、球種は3つ。カウント不問で高く速い球を投げ込み、変化球は真ん中から下に散らした。パーラ、ウィーラーにも高めの直球を軸に圧倒。今季ベストの投球だった。坂本の本塁打は、フルカウントから膝元に沈むスライダー。軌道はイメージ通りだったはずで、超ハイレベルの攻防にわずかに屈しただけだ。

◆首位を"リード"するのは、エースだ。巨人菅野智之投手(30)が、12球団ナンバー「ワン」のスピードで完封勝利を挙げた。 ◆菅野の原点力 右の強打者がそろう中日打線に対し、外角低めのストライクからボールになる変化球を徹底して集めた。スライダーとフォークボールの精度が抜群で、思わず手を出しても届かないピンポイント。しかも曲がりだしも遅く「手を出さざるを得ない」が適切な表現だろう。6回途中5失点の前回ヤクルト戦から中6日で見事に修正してきた。中日大野雄大投手が7回4安打2失点と好投。援護なく2敗目を喫したが、巨人菅野との緊迫した投手戦を展開した。◆ザ・大野雄 本格派左腕の本領を遺憾なく発揮した。基本、球種は3つ。カウント不問で高く速い球を投げ込み、変化球は真ん中から下に散らした。パーラ、ウィーラーにも高めの直球を軸に圧倒。今季ベストの投球だった。坂本の本塁打は、フルカウントから膝元に沈むスライダー。軌道はイメージ通りだったはずで、超ハイレベルの攻防にわずかに屈しただけだ。

◆巨人・坂本勇人内野手(31)が3日、中日1回戦(東京ドーム)の六回に先制の2号ソロを放った。  「3番・遊撃」で先発した主将は六回、中日・大野雄がフルカウントから投じた低めのスライダーをすくい上げ、左翼ポール際へほうり込んだ。  打線全体でも自身が第1打席で放った左前打の1安打のみに封じられていた相手のエース左腕から、貴重な先制点をもぎ取り、六回終了時点で無安打無得点の好投を続けている味方先発の菅野を援護する一発となった。  主将は6月28日のヤクルト戦(神宮)を最後に当たりが止まっていたが、4試合ぶりの安打に加えてアーチも飛び出し、復調の兆しを見せた。通算2000安打まで残り「103」とした。

◆中日が手痛いミスで失点した。3日の巨人戦(東京ドーム)の七回2死二塁。  巨人・石川の飛球を追った遊撃手・京田と一塁手・ビシエドがマウンド付近で交錯し、落球(記録はビシエドの失策)。2点目を失った。力投していた先発の大野雄はこの珍プレーに苦笑いだった。

◆中日・大野雄大投手(31)が3日、巨人1回戦(東京ドーム)に先発。巨人・菅野との投手戦を演じたが、相手のゼロ行進に対し、7回2失点(自責1)と上回れなかった。  「我慢比べだったのですが...。仲間が点を取ってくれるまでは0点で粘りたかったです...」   六回1死までに、四回1死からの6者連続を含めて毎回の10三振を奪った。しかし、直後に3番・坂本に低めへのスライダーをうまく拾われると、白球は左翼スタンド2列目に着弾。思わず天を仰いだ。  続く七回2死二塁では巨人の代打・石川が打ち上げたマウンド付近への飛球を、遊撃・京田と一塁・ビシエドが同時に落下点に入って落球(記録はビシエドの失策)。その間に二塁走者が生還して2点目を失った。  開幕戦から2試合に登板して未勝利(1敗)。"3度目の正直"で臨んだマウンドだったが、今季初白星はつかめなかった。

◆巨人先発の菅野が1安打完封、11三振を奪い2勝目を挙げた。中日の先発・大野雄も7回4安打2失点と好投したが、打線が得点を奪えなかった。  菅野は四回二死まで走者を許さず。この回、福田に死球、ビシエドに四球を与え一、二塁のピンチを迎えるが、高橋を左飛に打ち取った。  巨人も大野雄を攻めあぐねたが、六回一死で坂本が左翼席最前列に2号ソロを放ち先制。七回には相手のエラーで1点を追加し、八回には一死満塁から代打・北村が走者一掃の右中間二塁打を放った。  中日は七回にビシエドが中越え二塁打を放ち、菅野の無安打無得点試合を阻止したが、安打はこの1本のみだった。 巨人・菅野 「完璧とは言いがたい内容ですけど、ピンチの場面では粘り強く投げられた。四死球3つは、ちょっと多い。次回登板ではゼロにしたい。(八回を投げ終えた後に投手コーチの)宮本さんから『チーム初完封、いってほしいな』と言われたので、いかざるを得ない。自分もそのつもりでした。期待に応えられてよかったです。カード頭は全勝? カード頭は、その後の戦いに影響してくる。負けると3連敗もある。カードの頭をとることは重要。まだまだ戦いは長いですけど、背中で引っ張っていけるように頑張ります」

◆1日に育成から支配下登録された中日のアリエル・マルティネス捕手(24)が3日、巨人1回戦(東京ドーム)の八回に代打で来日初出場。来日3年目で初打席を迎えたが菅野を相手に空振り三振を喫した。  2球で追い込まれてから4、5球目を見送ってカウントを整えたが、最後は外角低めのスライダーにバットが空を切った。  初出場には「1軍に上げてもらってすぐにチャンスをくれたのでうれしかった」と喜んだ一方、「次のチャンスは結果を出したい」と味わった悔しさを次の出場機会にぶつけるつもり。送り出した与田監督は「いきなりガンガン、全部打てるわけではない。三振したけど、これから1軍のレベルをどんどん経験していかないと。チャンスがあったら使っていきたい」と話した。

◆中日は3日、巨人1回戦(東京ドーム)に0-5で敗戦。相手先発の菅野に今季12球団一番乗りの完封勝利を献上した。  昨季の中日は、菅野と5試合対戦して1勝3敗。ほぼ1年前の7月2日(東京ドーム)にも完封勝利を喫した。  試合後、与田監督は「やっぱり素晴らしいピッチャー。どうやって攻略していくか。甘い球もあったと思うが、それをしっかり仕留めることができなかったというところ」と脱帽。村上打撃コーチは「もちろん素晴らしい力のある投手だが、いろいろ考えて自分たちで難しくしてしまっている。もっと明確に狙い球を絞って、必ず甘い球はあるのでそれを仕留めなければいけない。悔いの残るゲームにしてしまった...」と雪辱を期した。

◆巨人の坂本が0-0の六回に先制の2号ソロ本塁打を放った。フルカウントから大野雄の投じたスライダーを捉え、左翼席最前列付近に運んだ。緊迫した投手戦の均衡を破って菅野を援護し「投手が頑張っていたので、何とか先に点を取ってあげたかった」と語った。  直近の3試合は無安打だったが、一回は2死から14打席ぶりの安打を左前に放った。この日の2安打で節目の2000安打まで残り103とした。原監督は「このところ安打も出ていなかったし、いいきっかけになればと思う」と復調を期待した。 北村(2-0の八回に代打で3点二塁打) 「とにかく外野に飛ばそうと思った。いい追加点になってくれて良かった」 原監督(完封の菅野に) 「素晴らしい投手戦で緊張感がある試合。きょうは真っすぐが非常に良かった」

◆巨人・菅野智之投手(30)が3日、中日1回戦(東京ドーム)に先発。9回を122球で投げ切り、1安打完封勝利を挙げた。  かわいい応援団がエースをバックアップした。無観客試合で普段はユニホーム姿のファンが映し出されているバックネット裏の大型LEDパネルが、特別仕様になった。2015年から介助犬への支援活動を続ける菅野のために、この日は投球時や打席に入る際に「菅野投手Fight」などのプレートを首に下げた11頭の介助犬がビジョンに登場。犬好きのエースは"ワンダフル"な投球で期待に応えた。

◆技ありの一発で息を吹き返した。巨人・坂本勇人内野手(31)が、0-0の六回に左翼席へ2号ソロ。五回まで両軍合わせて1安打しか出ない緊迫した投手戦が続く中、価値ある決勝点となり「ピッチャー(菅野)が頑張っていたので、何とか先に点を取ってあげたかった」と会心の一打を振り返った。  同学年で、昨季は12打数5安打と好相性だった中日・大野雄がフルカウントから地面すれすれの低さに投じたスライダーに、泳がされながら捉えた。利き腕の左腕1本のフォロースルーで、左翼席最前列付近に運んだ。  6月28日のヤクルト戦(神宮)を最後に当たりが止まっていた主将。一回2死から4試合ぶり、14打席ぶりの安打を左前に放って勢いに乗った。V弾を含むこの日の2安打で、節目の通算2000安打まで残り103とした。  原監督は「投手としても失投ではなかったのではないかな。このところ、ちょっと安打も出ていなかったし、何かいいきっかけになればと思いますね」と、主将の復調に安堵(あんど)した。(谷川直之)

◆これぞ、エースの貫禄だ! 巨人・菅野智之投手(30)が3日、中日1回戦(東京ドーム)に先発。9回を122球で投げ切り、1安打完封勝利を挙げた。七回1死まで無安打という圧巻の投球で今季2勝目。新型コロナウイルスの影響で、当初より3カ月遅れで開幕した前例のないシーズンに、12球団完封一番乗りを果たした。エースの活躍で、チームは開幕から5カード連続のカード初戦勝利。貯金を今季最多の「6」に増やした。  東京ドームの真ん中を最後まで独り占めした。菅野が12球団一番乗りの完封勝利。文句なしの快投で2勝目をつかみ、会心の笑みを浮かべた。  「大野さんも良い投球していたので、なかなか点は取れないだろうと思っていた。先に点を取ってくれるまで粘り強く投げられたのでよかった」  開幕から2週間。各球場で9人の開幕投手が顔をそろえたこの日、間違いなくナンバーワンの投球を見せた。122球の力投で、許した安打は1。五回まで両軍合わせて1安打という緊迫した投手戦の中、集中力を保ち、腕を振り続けた。  七回1死まで無安打投球。2018年10月14日のクライマックスシリーズ(対ヤクルト)に続く大記録も予感させた。ビシエドに初安打となる二塁打を許したが「(捕手の)大城のほうが意識していたと思う。『意識せず、こういう時こそ大胆にいこう』と言った途端に打たれました」と冷静そのもの。2死一、二塁から京田を150キロの直球で中飛に打ち取り、流れを渡さなかった。  レギュラーシーズンでの最少被安打は「2」だったが、それを上回る快投だ。巨人投手の1安打完封は12年5月4日の阪神戦での杉内俊哉以来、8年ぶり。奪った三振は11と付け入る隙を与えなかった。  九回に最速の152キロを計測したように、試合終盤も球威が全く落ちなかった。大きな疲労もなく戦えているのはフォーム改良のおかげだ。  まだ取り組み始めた序盤、春季キャンプ中の実戦では結果がついてこないこともあった。当初の予定なら開幕1カ月前の時期、新フォームを提案したアスリートコンサルタントの鴻江寿治氏(53)から「無理することはない。やめて元のフォームに戻してもいいんじゃないか」と助言された。  それでも、エースは目先の結果を求めるのではなく「今のフォームは投げた翌日の体がすごく楽なんです。『何で?』と思うくらい走るのもスムーズ。続けます」とキッパリ。シーズンを見据えて"我慢"を選んだ。  新型コロナウイルスの影響による変則日程で、今後は連戦も予想される中、その決断は大きな後押しとなる。エースとして一試合でも、一イニングでも多く投げる覚悟があるからこそ、昨季までの自身に満足せず、さらなる成長を追い求める。  これでチームは開幕から5カード連続で初戦勝利。原監督の指揮下で通算1033勝目となり、長嶋茂雄氏の監督勝利数にあと「1」に迫った。偉大な記録を引き寄せた甥っ子に、指揮官は「ペースを崩すことなく投げ勝ってくれた」と最敬礼した。  腰痛に苦しみ11勝6敗に終わった昨季を振り返り「去年の借りを少しずつ返していきたいと思います」と菅野は言い切った。頂点に立つその日まで、エースはマウンドに立ち続ける。(箭内桃子)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
931 0.750
(↑0.023)
-
(-)
10772
(+5)
40
(-)
16
(+1)
10
(-)
0.275
(↓0.005)
3.080
(↑0.25)
2
(-)
DeNA
850 0.615
(↑0.032)
1.5
(-)
10760
(+5)
46
(+4)
12
(-)
1
(-)
0.284
(↑0.002)
3.440
(↓0.04)
3
(-)
ヤクルト
660 0.500
(↓0.045)
3
(↓1)
10854
(+4)
57
(+5)
15
(-)
7
(-)
0.260
(↓0.004)
4.050
(↓0.09)
4
(1↑)
広島
551 0.500
(-)
3
(↓0.5)
10951
(-)
40
(-)
15
(-)
3
(-)
0.287
(-)
3.510
(-)
5
(1↓)
中日
670 0.462
(↓0.038)
3.5
(↓1)
10743
(-)
54
(+5)
7
(-)
1
(-)
0.256
(↓0.015)
4.060
(↓0.03)
6
(-)
阪神
2100 0.167
(-)
7
(↓0.5)
10824
(-)
67
(-)
9
(-)
11
(-)
0.201
(-)
5.380
(-)