ソフトバンク(★4対5☆)阪神 =オープン戦1回戦(2020.02.29)・福岡PayPayドーム=
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阪神
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ソフトバンク
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勝利投手:西 勇輝(2勝0敗0S)
(セーブ:岩田 稔(0勝0敗1S))
敗戦投手:東浜 巨(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】サンズ(1号・2回表ソロ),高山 竜太朗(1号・3回表ソロ),サンズ(2号・4回表ソロ),大山 悠輔(1号・4回表ソロ),大山 悠輔(2号・6回表ソロ)

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◆ソフトバンクは、開幕投手を目指す東浜が4回4失点。4本のソロを浴びるなど、課題を残す結果となった。対する阪神は、サンズと大山が2打席連続本塁打を放つ活躍。持ち前の長打力を存分に発揮した。

◆新外国人ジェリー・サンズ外野手(韓国・キウム)が豪快に来日1号を放った。 無観客試合に5番右翼で先発。2回の先頭、カウント2-1からソフトバンク先発の右腕東浜の外角高め135キロスライダーを完璧に捉えた。打球は高い弾道で無人の左中間席に飛び込む先制ソロ。サンズにとっては来日後、実戦初本塁打となった。【奥田隼人】

◆新外国人ジェリー・サンズ外野手(韓国・キウム=32)が2打席連続で来日1号&2号を放った。 無観客試合に5番右翼で先発。2回の先頭、カウント2-1からソフトバンク先発の右腕東浜の外角高め135キロスライダーを完璧に捉えた。打球は高い弾道で無人の左中間席に飛び込む先制ソロ。サンズにとっては来日後、実戦初本塁打となった。 すぐさま、おかわり弾も放った。4回1死の第2打席。今度はカウント0-2から東浜の高め114キロを捉えた。打球は左中間ホームランテラスに飛び込む来日2号。博多の地で、新助っ人が大暴れだ。【奥田隼人】

◆初の開幕投手を狙うソフトバンク東浜巨投手(29)が先発で4回を投げて4発を浴びた。 初回こそ無失点も、2回にサンズにスライダーを左翼席に運ばれると、3回には高山、4回には再びサンズに1発を浴びて大山にもソロを浴びた。結局4回で5安打4失点に終わった。 いずれも変化球を打たれてのソロ4被弾に東浜は「直球の感覚は良かったと思います。ただ、変化球に関してはまだまだ修正していかないといけない。自分の中で、試しながら投げたところもありましたが、頭と体がまだうまく一致していないと感じる部分もありました。課題を少しずつクリアして、レベルを上げていきたいと思います」と球団を通じてコメントした。

◆ソフトバンクのウラディミール・バレンティン外野手が移籍後初めて本拠地でプレーした。 4番指名打者で出場。1、2打席目は三振だったが、3打席目は無死一塁で、内角球に詰まりながらも左中間フェンスを直撃する適時二塁打を放った。「お客さんはいなかったけど、ドームの雰囲気も良かったね。3打席とも状態はいい感じ。最後は二塁打が打てて良かった。ビッグパワーだよ」と誇らしげに話した。

◆9番中堅でフル出場したソフトバンク周東佑京内野手が、さらなる打力アップを誓った。この日は3打席目に放った三塁への内野安打1本。「宮崎ではいい感じだったんですけど、こっちに戻ってちょっと...」と唇をかんだ。 23日のオリックスとのオープン戦初戦(宮崎市清武)ではチーム1号弾を含む3安打3打点の大活躍。「試合に出ている以上は結果は欲しいですが、まだまだ打撃が身についていない」。試合後は居残り特打に励んだ。

◆2番手で2回を投げたソフトバンク古谷優人投手が、手応えをつかんだ。 「先頭打者以外はよかったと思う」。5回から登板し、先頭木浪に四球を与えたが、無失点。6回2死から大山に左翼席へソロを運ばれた。「ホームランは球を置きに行ってしまった。ビビらずに投げていれば打たれなかった」と反省した。自慢の直球も最速154キロをマークし「球の力もあったし、よかった」と話した。

◆苦しんでいた阪神大山悠輔内野手(25)が目覚めの猛打ショーだ。「7番三塁」でソフトバンク戦に先発。4回の第2打席。泳ぎながらも東浜のカーブをバットの先で捉えると、打球は左翼スタンドへ。6回は古谷の直球を左翼テラス席に運び、9回に森のカットボールを左前打とした。キャンプの実戦10試合で、38打数7安打(打率1割8分4厘)0本塁打に終わっていたが、3安打と大暴れだ。 大山 今やっていること、意識していることがしっかり出来たので良かった。感覚を忘れないように。練習で出来たことがなぜ出来たか、というのを考えてやっていきたい。 指揮官のアドバイスに結果で応えた。キャンプ打ち上げ前日の2月25日に矢野監督が直接指導していた。なかなか結果がでない大山に、球を前でさばくだけでなく、引き込んで打つ重要性を伝えた。この日の練習でも球を捕手寄りに呼び込んで中堅から右に打つ姿があった。 矢野監督 全部内容があった。どの打席も、ファウルも。練習もいい形になってきていた。今日も「ええなあ」と試合前に話をしていた。すぐに結果に出たのは、今これでいいのかな、という確認と安心感があると思う。すばらしいね。1個のポイントで打ちにいっている間は、率も本塁打も上がってこない。今日みたいのが理想やろな。 3安打はいずれも打った球種が違い、対応した証しでもある。さらに本塁打は2本ともファーストスイングで仕留めたものだった。 大山 (2本目の本塁打も)狙ったボールを一発で仕留められたのは良かった。なぜ良かったかをしっかり考えて。続けていけるようにしたい。 大山本人が表情を引き締めたように、激しい競争は続く。1日のソフトバンク戦はポジションを争うマルテも出場予定。開幕三塁バトルはまだ決着がつかない。それでも、苦境の中で大山に光が差し込んだのは間違いない。【松井周治】

◆ソフトバンクのセットアッパーが復活! ペイペイドーム改称初戦となった阪神とのオープン戦で、岩崎翔投手(30)が8回の1イニングをピシャリと抑えた。 最速152キロもマークし、17年最優秀中継ぎ投手が再び「8回の男」の座に当確ランプをともした。昨年のセットアッパー甲斐野が故障で不在の中、岩崎が今季の救援陣の「大黒柱」に名乗りを上げた。観客がいたら、大歓声があがったかもしれない。8回2死走者なし。この回から登板した岩崎が、阪神熊谷から3球三振を奪った。2ストライク目から2球連続で外角への直球。152キロを連発して、見逃し三振だ。熊谷にバットを1度も振らせなかった。セットアッパーの完全復活。新型コロナウイルスの感染拡大防止として無観客だったペイペイドームで、ファンの歓声はなかったが、岩崎は胸を張って一塁側ベンチへ引き揚げた。 岩崎 直球は良かった。(開幕までの)あと数試合では変化球の精度を上げていけばいい。 岩崎の中で、直球は仕上がった。宮崎キャンプの最終日に「フォームのなかで、ポイントが見つかった。言葉にすると難しいが、左足の上げ方の感覚です」。それまではしっくりいかずに「モヤモヤしていた」感覚が「これじゃないかというのがあった」とクリアになった。わずか7球で3人を凡打に仕留めた。すべて直球。故意に直球勝負を挑んだわけではないが、あまりの調子の良さに7球続けた。最高の結果だった。 17年、主に「8回の男」として大ブレークした。守護神サファテの前に、森、モイネロらと救援陣を支えた。10年の勝利の方程式「SBM」と呼ばれた1人、摂津の71試合登板を上回る年間72試合に登板。46ホールドとともに球団新記録を樹立して、最優秀中継ぎ投手のタイトルも手にした。あれから3年。「いい時の状態に近くなっている」。右肘痛と戦い、3度の手術を経て見事に復活した。「今年は1度、状態をゼロに戻して、心と体が一体となるように仕上げていきたい」と目標を定めて調整を進めてきた。成果は、この日のラスト2球の連続152キロに凝縮されていた。 開幕投手候補の東浜が先発し、8回は岩崎、9回は森につないだ。敗れはしたが、今年の勝利のパターンを試すような継投に工藤監督も「岩崎は手応えを感じてくれたと思う。こういう投球を続けてくれれば本人の自信につながる」と合格点を与えた。昨年のセットアッパー甲斐野不在の開幕。20年版「勝利の方程式」に、岩崎は欠かせない存在になる。【浦田由紀夫】

◆ソフトバンクのドラフト1位、佐藤直樹外野手(21=JR西日本)が、オープン戦初打席で持ち味を発揮した。 代走からの途中出場で迎えた8回2死一塁。阪神岩田の3球目を右中間へ運んだ。「抜けた瞬間に狙っていました」と俊足を生かして適時三塁打とした。「あそこで二塁までじゃなく、三塁まで行くのが持ち味なので」と胸を張った。 キャンプ終盤は右肘の張りなどがあり、打席は22日のB組練習試合、JR西日本戦以来だった。初の本拠地でのプレーに「すごく楽しかった。野球をやっていて気持ちよかった。何日間かバットもボールも触らずに来ていたのですっきりした」と笑顔を見せた。20日の開幕まで残り試合は少ない。「キャンプが始まってここまであっという間だった。開幕までもあっという間だと思う。アピールして開幕1軍に食らいつきたい」と意欲をみなぎらせた。

◆阪神近本光司外野手が内野安打2本と快足を飛ばした。3回、東浜の真ん中高めカットボールを強引に引っ張り一塁強襲。 5回も直球をたたき、2番手の古谷が処理する間に一塁を駆け抜けた。「できるだけバットの重みを意識してインパクトに集中した」。オープン戦初のマルチ安打にも「追い込まれてからどうしようか考えていた。やりたいことができなかった」と凡退した2打席を反省した。

◆ソフトバンクは阪神とのオープン戦を前に、新型コロナウイルス感染防止対策として、監督、コーチ、選手、チームスタッフの選手エリア入室前に全員の検温を実施した。異常はなかった。 報道陣も入場の際に、自己申告を含めて体温をチェック。工藤公康監督も「選手はプロだし、常日頃から体調管理はしっかりしてくれている。私も大丈夫です」と話した。

◆阪神藤川球児投手が前回から修正して1回3人斬りだ。6回に4番手でオープン戦初登板し、直球主体で無安打無失点にまとめた。 実戦初登板だった前回16日の楽天との練習試合は満塁弾を浴びて1回4失点だったが、「いい(調整の)階段を上がっていると思います」。無観客試合での登板にも「僕は0でも1でも、5万人でも(全力を尽くすのは)同じ。球場に来れない分、テレビとかで見てくれていると思います」と語るなど、来場できなかったファンの存在を忘れることなく調整を進めている。

◆阪神矢野燿大監督が今春の実戦で初のリクエストだ。9回先頭の糸原が二遊間に放ったゴロを、ソフトバンクのセカンド三森がさばいた場面は、一塁で微妙なタイミングになった。 アウト判定にリプレー検証を要求して判定は変わらなかったが、本番さながらのシーンだった。

◆阪神中田賢一投手が古巣相手に1回無失点と好アピールした。4回に登板し5球で2死を奪い、バレンティンをスライダーで空振り三振。 「真っすぐもやっと指に掛かり出した。変化球もそんなに悪くなかった」と手応え。無観客試合には「お世話になった、応援していただいた方にも見てほしかったですけど。また投げられるように頑張ります」と寂しそうだった。 福原投手コーチは開幕ローテ入りについて「その中に入ってくる力はある」と評価した。

◆阪神高山俊外野手もオープン戦第1号を放った。「1番左翼」で先発し、3回に東浜の真ん中143キロを右中間席中段まで運ぶソロ。打った瞬間にそれと分かる当たりに外野手の足は動かなかった。「良かったです」。 ただ、残る3打席は打ち取られ「1本の本塁打より2本、3本と打つところが僕の価値だと思う。凡退の打席も悪くはないですけど、そういうところをもっと結果につながっていけるように」と気を引き締めた。矢野監督は「(高山)俊も全打席、内容良かった。いい悩みが増えてうれしいです」と激しさを増す外野手争いを喜んだ。

◆新外国人ジェリー・サンズ外野手(韓国・キウム=32)が2打席連続で来日1号&2号を放った。 無観客試合に5番右翼で先発。2回の先頭、カウント2-1からソフトバンク先発の右腕東浜の外角高め135キロスライダーを完璧に捉えた。打球は高い弾道で無人の左中間席に飛び込む先制ソロ。サンズにとっては来日後、実戦初本塁打となった。 すぐさま、おかわり弾も放った。4回1死の第2打席。今度はカウント0-2から東浜の高め114キロを捉えた。打球は左中間ホームランテラスに飛び込む来日2号。博多の地で、新助っ人が大暴れだ。【奥田隼人】 ▽阪神井上打撃コーチ(サンズについて)「本人もホッとしているだろう。メンバーを考えた時に日本人、外国人関係なくサンズももうそろそろペースを上げていかないと、というところでいいものを見せてくれた。オープン戦でソロとはいえ、長打が少ないと言われているチームで1試合5本はそうはない」

◆阪神5番手で登板した岩田稔投手が3回6安打4失点でアピールに失敗した。7回の立ち上がりにいきなり安打を許すと、4番バレンティンに内角141キロ直球を打たれ、あわやフェンス越えとなる適時二塁打。「高めに浮くと今日みたいに打たれる」。 それでも9回は低めにボールを集めて修正し、無失点。「(低めは)めちゃくちゃ意識した。次からは低めを意識して投げたい」と再アピールへ意気込んだ。なお、試合の最後を3回以上投げたためセーブが記録された。

◆本領発揮の2連発! 阪神の新外国人ジェリー・サンズ外野手(韓国・キウム=32)が来日1号&2号を2打席連続で放った。ソフトバンクとのオープン戦(ペイペイドーム)に「5番右翼」で先発し2回に左中間席へ先制ソロ、4回も同テラス席へソロ。新型コロナウイルス感染拡大防止のため史上初めて無観客でオープン戦が行われる中、昨年の韓国打点王に刺激された打線は5発の乱れ打ちで、日本一軍団を破った。乾いた打球音がいつにも増してドームに響いた。0-0の2回。先頭打者のサンズに待望の1発が飛び出した。開幕投手候補の東浜の外角高めに浮いた135キロスライダーを完璧に捉えた。「できればシーズンまでホームランを取っておきたいというのはあるんですけど。オープン戦とはいえ、打てて良かったです」。左中間席に飛び込むオープン戦1号。無人の観客席の前でゆっくりダイヤモンドを1周した。 すぐに、おかわりした。4回1死の第2打席は再び東浜から、今度は甘く入った114キロカーブに反応した。「追い込まれた形になったので、より的を絞って。きた球に反応しただけです」。2発目は左中間テラスに運んだ。初対戦した投手の変化球に即座に対応。ここまで実戦6打数1安打だった昨季の韓国球界打点王が、ついに目覚めた。阪神の新助っ人がオープン戦で2打席連発は01年クルーズ以来19年ぶり。「順調にきている証拠だと思います」と笑みを浮かべた。 矢野監督は「狙って打ったというより対応で打って。相手にとっては嫌なホームランだったと思う」と適応力を評価。変化球に対応した2発に「(球を)追っ掛けない。自分の形を持っている。自分のタイミング、ポイントに引き込んで振れる部分は長所としてある」とうなずいた。 史上初となった無観客でのオープン戦。指揮官は「難しいのは難しいけど、やり出したら俺らのことに集中するしかない」と声を絞った。サンズ弾に加えて大山2発、高山1発と計5発の空中戦での勝利には「こんなにホームランが出る試合はファンの人が入ってくれたら喜んでくれたやろうなとか。声援とか、それがないのは寂しいなと思う」。続けて「自分らは自分らのベストの調整、準備をして。シーズンが始まって、お客さんに入ってもらえるように」と気を引き締めた。 虎党の声援を浴びられなかったサンズも「しょうがないこと。こういう予防はしっかりして、できるだけ早く治まることを願っています。たくさんのファンの中で、いい雰囲気でやりたい」。今度は球場に詰めかけたファンの前で、正真正銘の"来日1号"を披露する。【奥田隼人】

◆虎の開幕投手が貫禄ピッチングだ。阪神西勇輝投手(29)が、実戦3試合目で3回2安打無失点と日本一打線を抑え込んだ。 1、2回と走者を出しながらも落ち着き払った投球で後続を断ち切ると、3回は甲斐、周東、牧原を全て内野ゴロ、5球で片付けた。「梅野との呼吸も合ったんでリズム良くできた」。スライダー、シュート、カーブ、チェンジアップと変化球もしっかり四隅に集めた。 3回には1死から2者連続で一塁へのゴロで新助っ人の一塁手ジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)と連係。「飛んで来ないと出来ないこと。そういう確認も出来た。無観客で静かなところだったんですけど、しっかりできた」と投球以外の確認も怠らない。移籍2年目の西勇を開幕投手に指名した矢野監督も「安心して見ていられる。西に任せて大丈夫というのは見せてもらった」と文句なしだ。 今後は6日の日本ハム戦、13日のオリックス戦を経て、20日の開幕ヤクルト戦に向かうとみられる。オリックス時代の18年以来2度目の大役へ。「課題も今つぶしておけば不安なく開幕にいけると思う。結果が良かっただけに内容は反省して次の試合に生かしていければ」。その言動には風格すら漂う。【桝井聡】

◆2月29日。ペイペイドームでソフトバンク-阪神のオープン戦を取材した。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため無観客試合。報道関係者も入場時に検温があり、体調チェックシートを記入。通路も選手や球団関係者ゾーンと報道陣ゾーンに仕切られていた。 普段とは大きく異なる光景の試合後、阪神矢野監督はこう振り返った。「難しいのは難しいけど、やりだしたら俺らのことに集中するしかない」。いつ終息するか不透明な状況だが、調整を進めていくしかない。 数時間前、対戦相手であるソフトバンクの王球団会長にあいさつする機会があった。以前、私はホークス担当で、今年阪神担当として9年ぶりにプロ野球担当を拝命。王さんは「どうだい? 今年の阪神は?」と、かつてと同じように気さくに声を掛けてくれた。「チーム構成も20代後半の選手が多くて、今伸びているチームですから、やると思うんですよ」と返しつつ、その後の1試合5発には少々驚かされた。 矢野監督の試合後のコメントには続きがある。「今日みたいな、こんなにホームランが出る試合は、ファンが入ってくれたら喜んでくれたやろうなとか、声援とかがないというのはさみしいなと思う。お客さんのいる中でやりたいというのは、今日やっても実感したけれど、今はこんな状況。自分らは自分らのベストの調整というか、そういう準備をして」。 阪神は昨年、チーム本塁打が94本でリーグ5位。チーム538得点は同ワースト。打線強化を目指し、メジャー通算92発のボーアと昨年韓国球界打点王のサンズを獲得した。そのことで競争が生まれ、チーム力のアップにつながっているように映る。ファンを喜ばせることを重視する指揮官も、このような状況でなければ、日本一球団相手のアーチ攻勢をファンと一緒に球場で喜びたかっただろう。 矢野監督はさらに続けた。「シーズンが始まってお客さんに入ってもらえるようにね。入ったときにね、ファンの人たちを喜ばせられるような準備をしっかりしたいなって思う」。1日も早く日常を取り戻せることを願うばかりだ。【阪神担当 松井周治】

◆ソフトバンクは、阪神との無観客試合に1点差で負けた。試合後、王球団会長は「無観客だとちょっとね。しょうがないね。どこのチームも同じだからね」と言って、マスク姿で球場を後にした。この日から球場名は「ペイペイドーム」になった。当初は土、日の阪神2連戦とあって、計8万人近い観客動員を見込んでいた。だが新型コロナウイルス拡散防止のため、球界で無観客試合を決定。何ともやるせない気持ちは残った。今後の状況によるのだろうが、3・20開幕も微妙だろう。ウイルス拡散の危険回避が一気に進まなければ、延期もやむを得まい。あらためて早期終息を願うばかりだ。この日を含めて本拠地での無観客試合は9試合。ホークス球団も対策に苦労したようだ。球団からリリースされた感染予防措置は<1>監督、コーチ、選手、チームスタッフらの選手エリア入室前の検温実施。<2>試合に直接関わらない球団社員のグラウンド付近の立ち入り禁止。<3>報道陣へのゾーニング実施による取材規制(国際大会仕様)とマスク着用等のお願いだった。特に球団社員の選手エリア立ち入りについてはA(立ち入り可)B(条件により可)C(不可)と3つのランク分けをした。ちなみに王球団会長でさえ、Bランクだった。Aランクの社員は逆に球団事務所への立ち入り不可とし、徹底した拡散防止の「すみ分け」を図った。6日に予定されていたソフトバンク本社での激励会も中止が決まった。開幕前のチーム決起集会も中止する可能性が高いという。選手たちは調整に必死なのだろうが、やはり「士気」はいまいち上がらない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆古巣斬りでアピール!! 阪神・中田賢一投手(37)が28日、甲子園での全体練習に参加。復帰登板となる29日のソフトバンクとのオープン戦(ペイペイ)に向けて意気込んだ。15日の広島との練習試合(宜野座)に打球を受けた左足首も完治。故郷でもあり、昨季まで6年間在籍した古巣の本拠地のマウンドで、開幕ローテーション入りへ猛アピールする。  寒風の甲子園で、したたり落ちる汗をぬぐった。中田は外野を約20分走り続けた後、古巣・ソフトバンク戦に向けて気合を入れた。  「(相手は)どの打順からでもランナーが出て、点が取れる打線。しっかりとしたボールを投げられないと抑えられない」  昨季までは心強い味方だった強力打線との対戦。新加入のバレンティンも先発予定だが、好投すれば評価は一気に上がる。  虎移籍後、初の実戦登板だった15日の広島との練習試合では1回を投げ切れず、左足首付近に打球を受けて3失点で無念の降板。数日間、投球練習ができなかった。けがが完治してからは「そうチャンスはない」と、ブルペンで連日100球前後を投げ込んできた。再発進のマウンドで結果を残すためだ。  「監督、投手コーチにアピールする形にしていきたい」  阪神の開幕ローテーションは西勇、高橋、青柳、新外国人ガンケルの4人はほぼ当確。残りの2枠を秋山、岩貞、藤浪、2軍から昇格して自身と同じく29日のソフトバンク戦に登板する岩田らが争う。中田はキャンプで思わぬアクシデントに見舞われたが、まだチャンスは残されている。  残念なのは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で無観客試合となり、知人らに雄姿をみせられないこと。「(お客さんがいなくて)どんな感じになるか、イメージはわかないが、すごく乾いた打球音が(ドーム内に)響くのだろうなと。そうさせないようにしたい」。開幕ローテーション入りへ、生まれ育った福岡でリスタートする。 (三木建次) ★阪神・中田の左足負傷降板VTR  2月15日の広島との練習試合(宜野座)で0-1の四回に2番手で登板。先頭の小園に右前打を許すと、1死一塁から高橋大に2ランを被弾。さらに2死一塁から堂林の痛烈な打球を左足首付近に受け、足を引きずりながらベンチに下がり、2/3回で緊急降板した。

◆阪神の新外国人ジェリー・サンズ(32)=前韓国・キウム=が29日、無観客で行われたオープン戦ソフトバンク戦(ペイペイ)に5番・右翼で先発。二回の第1打席で左中間に先制の1号ソロを放った。  無観客で両軍選手の声が響き渡る中、サンズのバットが快音を奏でた。0-0の二回先頭。東浜を相手に打席に立つと、2ボール1ストライクからの4球目、高めに浮いた135キロを強振。大きなアーチは左中間スタンドに届いた。サンズはこれが来日初アーチとなった。

◆阪神・高山俊外野手(26)が29日、無観客で行われたオープン戦・ソフトバンク戦(ペイペイ)で1号ソロを放った。  1-0の三回一死。東浜を相手に2ボール1ストライクからの4球目、甘く入った速球をフルスイングで打ち返した。打球は無人の右翼スタンドに着弾。外野では中堅・近本はレギュラーの座を確実におり、福留に糸井の両ベテラン、この日来日1号を放った新外国人サンズらと定位置を争う中、猛アピールの一発となった。

◆阪神の新外国人ジェリー・サンズ外野手(32)がソフトバンク戦(ペイペイ)で2打席連続本塁打を放った。  二回先頭の1号ソロに続き、四回一死。またも東浜を相手に打席に立つと、2ストライクと追い込まれてからの3球目、114キロカーブを仕留めた。大きな飛球は左中間のテラス席に吸い込まれる2号ソロ。さらにその後、二死から大山が左翼線に1号ソロ。高山も三回に1号ソロを放っており、阪神は四回までで東浜から4本塁打を打ち込んで4-0とリードした。

◆阪神の開幕投手を務めることが決まっている西勇輝投手(29)が29日、無観客で行われたソフトバンク戦(ペイペイ)に先発。3回2安打無失点に抑えた。  二回先頭のバレンティンを外角いっぱいの127キロスライダーで空振り三振に仕留めるなど、強力鷹打線を最速145キロの直球と多彩な変化球を駆使して無失点ピッチ。2度目のオープン戦登板で充実した内容を披露した。20日後のシーズン開幕・ヤクルト戦(神宮)に向け、順調そのものようだ。

◆阪神・大山悠輔内野手(25)が29日のソフトバンク戦(ペイペイ)で2打席連続本塁打を放った。  4-0の六回二死、左腕の古谷を相手に打席に立つと2ボールからの3球目、直球にフルスイング。ライナー性の打球は左越えのテラス席へ飛び込んだ。大山は四回に東浜から左翼ポール際に放った1号ソロに続き、2打席連発。この日はサンズの2打席連発と高山の一発も合わせて、合計5本塁打が飛び出した。無観客で開催となったオープン戦で、猛虎爆発した。

◆開幕投手に決まっている阪神・西勇輝投手(29)が29日のソフトバンク戦(ペイペイ)に先発して、3回1安打無失点と好投した。2度目のオープン戦登板。「よかったんじゃないかな。(捕手の)梅野との呼吸も合ったし、リズムよく投げられた。自分のやりたいこともできた」と納得した。  三回はわずか5球の三者凡退で締めたが、1死から周東と牧原を連続の一ゴロ。ベースカバーに入って、新外国人のボーアとの連係も成功して「ボーアとのコンビも。(打球が)飛んでこないとできないので、よかった」と収穫たっぷりだ。

◆阪神の開幕投手に決まっている西勇は3回2安打無失点と上々の出来だった。抜群の制球力で内外角をうまく突いた。三回はわずか5球、全て内野ゴロで三者凡退に仕留め「リズム良く投げられた。いい方向に進んでいる」と手応えを口にした。  それでも「結果が良かっただけに、内容を反省して次の試合に生かしていきたい」と貪欲だ。オリックス時代の2018年以来となる自身2度目の大役へ、慢心することなく準備を続けていく。

◆ソフトバンクの先発東浜は、4本のソロを浴びて4失点。全て変化球を痛打されたが、速球や決め球のシンカーでは安打を許さず「悲観はしていない。曲がり球の修正がポイント」と冷静だった。  エース千賀の調整が遅れ、開幕投手争いに注目が集まる中、工藤監督は「候補の一人」と話す。それでも昨年6月に右肘を手術した東浜は「まずは結果を残すことを考えないと。(開幕投手のことは)考えられないのが正直なところ」と意に介さなかった。

◆ソフトバンクのドラフト1位ルーキー佐藤(JR西日本)は、八回のオープン戦初打席で適時三塁打をマークした。打球が中堅手の頭上を越えると「狙っていた」とすかさず三塁へ。持ち味の走力もアピールした。  右肘の違和感で25日から別メニューで調整していたが、この日からフリー打撃を再開。「久しぶりにボールやバットを触れて楽しかった」と笑った後「開幕まであっという間だと思う。1軍に食らいつけるように頑張りたい」とすぐに表情を引き締めた。

◆南海(現ソフトバンク)、阪神の両球団で監督を務め、2月11日に死去した野村克也さんへの哀悼の意を込め、試合前に約30秒間、黙とうがささげられた。  無観客試合になったため、追悼セレモニー用に用意されていた映像は流されなかった。

◆そりゃあ自然をナメてはいけない。常に真面目に、真摯に生きていこうと思います。  だけど次から次へと"天変地異"みたいなことが起きると...言葉を失うじゃないですか。  太陽の周りを地球が1周するのに365・242195日かかる。なんで神様はこれをキチンと「365日」としておいてくれなかったんだ。この端数が4回たまると0・9687日となって、これが約1日なので4年に1度、調節することにしたらしい。とにかく昨日は4年に1度しかない2月29日でした。  そんな日に、わが阪神タイガースは1試合で、しかもアノ...3年連続日本一のソフトバンクのお株を奪ってなんと5ホーマーだぜ、皆の衆!  無観客じゃなければ、左翼席を陣取っていたはずの虎ファンがどんなに喜んで、六甲おろしを気持ちよく歌えたことか...。チケットを買って、博多での試合を楽しみにしていた人も多かったでしょうが、その余韻は本日の紙面で、たっぷり味わっていただきたい。  もう35年も昔のこと。あの1985(昭和60)年の甲子園バックスクリーン3連発なんてのを思い出してくださいませ。とにかく、この年は阪神はラッキーゾーンのある甲子園で打ちに打って、年間219本(リーグ最多)もアーチをかけた。それでも1試合平均だと1・68本。つまりバース、掛布、岡田、真弓...とガンガン打ったのに1試合の平均は2本に届いてなかったんです。  ああ、それなのに...いまだに語り草となる大フィーバーとファンの大歓声。道頓堀での絶叫はまだ、耳の底に残ってるんです。  「サンズ、大山が2発ずつ。それに高山...寒さなどぶっ飛びました」と当番デスクの阿部祐亮は実にクールな反応でした。それは途中で原因が判明したのですが...彼は暖かい沖縄のキャンプ取材帰りで、風邪をぶり返していて少し体調が...あ、ご心配なく。純粋な風邪でございます。(今年はおちおち風邪もひけない年となりました)  でも紙面はスカッと決まりました。  「やはり、無観客試合というのが残念...」とは博多の記者席から編集委員上田雅昭の電話。「もちろん静寂ゲーム(無観客)というのは東日本大震災(2011年)の時に俺は経験あるけど...とにかくシーンとしてるから、お互いのベンチからのヤジなんかがよく聞こえてきて"不思議な空間"がかもしだされていたなぁ...」とのことだ。  その9年前の春先に取材経験のある虎番サブキャップの安藤理は「案外、両軍は辛辣(しんらつ)なヤジを声に出して刺激しあっているんだなぁ...と感じましたョ」とのこと。それに安藤はこの日も知り合いのビール業者(もちろん営業はしていないが...)の方とすれ違ったときに当然のことながら「お客さんがいませんから全然ビールも売れませんし...やはり大変ですよ。お客さま第一ですヮ」と苦笑されたとのことだ。  こんな静けさは初体験の原田遼太郎は「球場入りするときにわれわれも体温検査を受けます。そして不思議な緊張感もありますし、こんなに阪神打線が爆発しても...やっぱり六甲おろしのBGMがないとねぇ」という。  もちろんタカ軍団の元気はつらつな声援と豪打が"ホークス日替わり定食"も経験している安藤は少し遅まきの反撃に「さて、このまま黙っちゃいないでしょうね、ホークスは...」という。それがホークスか。

◆--サンズが2打席連発。とらえたら飛ぶ  矢野監督 「狙って打ったというよりは対応で打って、相手にとっては嫌なホームランだったと思う。2本ともいいホームランだった」  --変化球に崩れない  「追っ掛けないんでね。自分の形っていうのは持っていると思うんで。左右されないっていうのはサンズの魅力だと思うから、自分のタイミング、ポイントに引き込んで振れる部分っていうのは長所としてある」  --大山は今までは本来の姿ではなかったが、ホームランで  「全部内容あったよ、今日は。どの打席も、ファウルしているのも。練習もちょっといい形になってきていた。今日もええなあ、と試合前に話をしていた。結果も欲しいけれど、練習でやっていることをしっかりやりながらやっていこうなと話していて。それがすぐに結果に出たのは、今これでいいのかな、という確認と安心感あると思う」

◆古巣を相手に地元・福岡で凱旋登板した中田は1イニングを無安打に抑え、アピールした。「真っすぐがやっと指にかかってきた。変化球もそんなに悪くなかった」。先頭の今宮を144キロの直球で右飛、長谷川にも直球でニゴロに仕留めると、4番・バレンティンには変化球で空振り三振を奪った。2月15日の広島戦(宜野座)で打球を左足首に直撃させ、緊急降板して以来のマウンド。無観客試合については「福岡ですし、応援してくれているファンの前で投げたかった」と残念がった。

◆近本が3試合ぶりにHランプを灯し、2安打を放った。三回1死、東浜から一塁内野安打。最速154キロを計測した古谷と対戦した五回1死一塁では「球速があるので、インパクトに集中して、力を入れすぎずにバットの重みを意識して」と工夫して、投手強襲の内野安打。過去3試合は10打数1安打と快音が止まっていた2番打者。無観客試合は「投手がモーションに入るときも静かで集中できた」と振り返った。

◆地元・福岡で登板した谷川は1回無安打無失点も「よかったけど、まだやれることはある」とさらに上を求めた。わずか4球で2死とし、味方の失策で走者を背負ったが、甲斐を直球で左飛に料理し任務完了。オープン戦初登板だったが「コントロールがいまひとつ。(球の)強さはよかったと思う」と辛口の自己採点だった。中継ぎの一角に入るべく、さらに精度を高めていく。

◆2017年最優秀中継ぎ投手の岩崎が1回を完璧救援。今季最速の152キロを出すなど全て速球の7球で片付けた。右肘手術の影響で、最近2年はともに登板2試合。「結果を出していかないといけない立場。まずは良かったかな」。昨季セットアッパーを担った甲斐野が右肘痛で開幕は厳しく、期待が増す。

◆六回に登板した藤川は1回を三者凡退に抑え「いい階段を上がっていると思います」と充実の表情。対戦した打者3人とも直球で凡打を打たせ、前回登板だった2月16日の楽天戦(宜野座)の1回4失点から立て直した。無観客試合については「(ファンは)球場に来られない分、テレビとかで見てくれていると思う」と前を向いた。日米通算250セーブまで7としている守護神が、開幕に向けて、順調だ。

◆七回から登板した岩田はバレンティンに二塁打を許すなど3連打を浴び、2失点。八回もつかまり、3回6安打4失点だった。だが「まだ(体を)作っている段階なので。3イニング目なんかはいい感じだった」と前向き。先発ローテ入りを狙う左腕は「低めにいけば打者も反応してくれるし、高めにいけば打たれてしまう。自分のボールをしっかり投げられればいい」と力を込めた。

◆ボーアは3打数無安打と快音を響かせることはできなかった。「球やゾーンをしっかり見たいというのはあるけど、開幕も近づいてきたのでしっかりバットを振れるようにしたい」。四回、先頭で先発・東浜の直球に見逃し三振に凡退した。これで実戦5試合で12打数1安打1打点。無観客試合については「経験したことのない、新しい感じがしたけど集中すべきはそこではなくてシーズンの準備」と冷静だった。

◆異例のリクエストだ。矢野監督がオープン戦であるにも関わらず、今年初めてのリプレー検証を求めた。場面は1点をリードしていた九回先頭の糸原の二ゴロ。微妙なタイミングでアウトとなったが、すぐにベンチを飛び出した。判定は覆らなかったが、シーズンを想定した真剣さだった。

◆無観客の静けさと淡々とアウトを重ねる投球が絶妙なリズムを生んだ。開幕投手が本番モードへ。西勇が強力打線を相手に加速した。  「よかったんじゃないですか。(捕手の)梅野と呼吸も合ったし、リズムよく投げられた。やりたいこともできたし、いい方向にきているかな」  2度目のオープン戦登板は十分に合格点だ。二回は先頭のバレンティンをスライダーで空振り三振。わずか5球で3アウトを奪った三回の中身も濃い。1死から周東の一ゴロ。ベースカバーに向かうと、ボーアからのトスを受け取って、好判断で俊足の打者走者にタッチした。続く牧原の一ゴロでも助っ人との連係に成功した。  「ボーアとのコンビも。(打球が)飛んでこないとできないことなので」  捕手はもちろん、新戦力の野手とのコンビネーションも重要な確認事項だ。3回2安打無失点。無四球の38球は収穫たっぷり。手探りだった2月22日の中日戦(北谷)の2回1失点から確実に前進。矢野監督は「安心してみていられる。(開幕戦を)西に任せて大丈夫かなというのは、しっかり見せてもらえた」と全幅の信頼を寄せ、右腕は冷静に課題を分析した。  「完ぺきではないです。逆球もあったので。オープン戦でしかできない反省もある。開幕したら、逆球でも打ち取れば結果なので。結果がよかったからこそ、内容を反省したい」  残り2度の調整登板を経て、20日のヤクルト戦(神宮)の大役へ。レベルの高い反省も、投手陣を引っ張る男にふさわしい。 (安藤理)

◆。「1番・左翼」の高山俊外野手(26)は1号ソロを放ち、外野の定位置奪取に向けて猛アピールした。  真ん中付近の球を見逃すほど、ことしの高山は甘くない。三回1死。カウント2-1からのカットボールを右翼席へ突き刺した。オープン戦1号ソロだ。  「よかったですね。まあでも、1本のホームランより、2本、3本と(安打を)打つほうが、僕の価値だと思うので。凡退の打席も内容的に悪くないですけど、そういうところが結果にもっとつながっていければな、と思いますね」  試合後。クールに振り返った"ヒットマン"。新型コロナウイルスのまん延で、無観客となり、ベンチ裏の通路は報道陣との間を柵で仕切られ「あっ、ここで話すの?」。普段と違う取材の形に戸惑いながらも、しっかり立ち止まって話す。その姿に心の余裕が感じられた。  本人の言葉通り、第1打席、第4打席の中飛も、しっかり捉えた打球だった。オープン戦4試合を終わって13打数6安打。打率は・462という数字以上の内容が首脳陣をうならせ続ける。  「ホームランをクローズアップされるけれど、センターへの打球もいいバッティングだった。今は、ヤル気MAXに近いから、こちらも保ってあげたい」  井上打撃コーチは大絶賛&全面バックアップ宣言だ。  2試合連続で1番でスタメン。競争相手は多いが、まさしくヤル気MAXで開幕スタメンへ突き進む。  「俊も全部内容良かったよね。いい悩みが増えてうれしいです」  矢野監督も内心大喜びのはず。1番打者争いで、外野のレギュラー争いで、思いっきり指揮官を悩ませる-。それが今の高山の"仕事"だ。 (上田雅昭)

◆阪神・大山悠輔内野手(25)がソフトバンク戦に「7番・三塁」で先発出場し、オープン戦1号&2号ソロの2打席連発を放った。打撃不振だったが、春季キャンプ終盤の矢野燿大監督(51)の直接指導に応える大暴れ。「1番・左翼」の高山俊外野手(26)は1号ソロを放ち、外野の定位置奪取に向けて猛アピールした。  打った瞬間、ソフトバンク・松田宣の声が無観客の静かなドーム内に響き渡った。「あ、いった!」。大山が即座にそれとわかる一発。さらにおかわりの2打席連発で、静寂のダイヤモンドを悠々と走り抜けた。  「今やっている、意識していることがしっかりできた。そこは結果もそうですけど、形がしっかりできたのはよかったと思います」  まずは四回。サンズの2打席連発の余韻が残る中で迎えた第2打席だ。1ストライクからの2球目、低めの116キロカーブに泳がされながらもバットの芯に乗せ、左翼ポール際に打球を運んだ。  さらに六回2死から、今度は左腕・古谷の真ん中直球を左中間テラス席へライナーで突き刺した。「この感覚は忘れちゃいけない。忘れないように何がよかったか、もっとこうできたんじゃないかというのは絶対にあるので、そういうのをこの後しっかりやっていきたい」。九回には左前打で猛打賞。キャンプ中の対外試合は9試合で36打数6安打、打率・167と不振だったが、覚醒の予感。この最高の手応えを、さらに進化の糧とすることを誓った。  矢野監督は「素晴らしいね。今日みたいのが理想やろなあ」と手放しで称賛した。主力に糸井、福留ら左打者が多いだけに、和製の右の大砲の浮沈はチームの結果に直結する。宜野座キャンプ終盤の2月25日には自らメスを入れ、「気持ち悪く打て-」と10分間の熱血指導をしたばかり。助っ人野手3人起用プランも頭にはあるが、大山の成長は悲願の日本一達成のためには必要不可欠だ。  「狙った球を一発で、甘い球を仕留めるというのは、ずっと課題にしていること。よかったですけど、続けていかないと意味がない。それをしっかり続けていけるようにやりたい」  大山は自らに言い聞かせるように継続の重要性を説いた。直接虎党にアーチを届けられる日に向けて、牙を研ぐ。 (大石豊佳) ★虎の三塁争い  昨季は大山が不動のレギュラーだったが、メジャー通算92発を誇るボーアの加入で状況は一変した。矢野監督はボーアを一塁に固定。昨季一塁を守ったマルテを三塁に配置転換させた。春季キャンプで2人は連日、三塁の早出特守に志願参加。キャンプ終盤の実戦ではマルテが2試合連続アーチを放つなど2年目の成長を証明した一方で大山は結果を残せていなかった。 ★矢野監督の大山熱血指導VTR  春季キャンプ中の2月25日、不振に悩む大山に矢野監督が「気持ち悪く打て」と直接指導した。フリー打撃をフルスイングで引っ張るだけではなく、ときには差し込まれながらバットを振る必要性を熱弁。虎将は「試合で打たないと意味ない。練習で気持ちよく打つというのは、あってもいいと思うけれど、でも練習やから気持ち悪く」と話した。

◆ウイルスを吹き飛ばせ! 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、プロ野球はオープン戦史上初となる無観客試合が29日、スタート。阪神はソフトバンク戦(ペイペイドーム)に5-4で勝利した。新外国人のジェリー・サンズ外野手(32)=前韓国キウム=が来日1号を含む2打席連発で、1試合5アーチ。貧打と呼ばれた虎打線が大変身。虎も日本も救ってくれ!  心地いい打球音がドームに響き渡った。誰もいない左翼スタンドで白球が跳ね返る。耳をつんざく歓声は聞こえない。いつもとは違う、静かな博多でサンズが目覚めた。  「本塁打はシーズンにとっておきたかったけど、オープン戦とはいえ打ててよかった。たくさんのファンがいる、いい雰囲気でやりたかった」  0-0の二回、2017年に16勝を挙げパ・リーグ最多勝に輝いた東浜のカットボールをとらえた。打球は左翼席へ一直線。ゆっくりとダイヤモンドを一周した。これだけでは終わらない。続く四回の第2打席は114キロのカーブにしっかりとタイミングを合わせ、左中間ホームランテラスへ。衝撃の2打席連発で打線の口火を切った。  「チームの指示の下、手洗い、うがいはきっちりやっているし、マスクとか、当たり前のことはする。家族もどこかのタイミングで日本に来る。早く(騒動が)おさまることを願っているよ」  猛威を振るうコロナウイルスの影響で、この日から無観客のオープン戦が始まった。まじめな助っ人は、移動中に限らず球場入りでもマスクの着用を欠かさない。待っているのは開幕1軍をかけた外国人枠(4枠)に糸井や福留、高山らとの熾烈な外野手争い。目に見えないコロナウイルスと戦っている時間はない。  S砲の連弾に触発されたかのように、大山も2打席連発、高山からも一撃が飛び出し、この日の猛虎打線は計5発のソロを浴びせる一発攻勢。4年連続日本一を目指すソフトバンクを破った。  メジャー通算10本塁打。韓国では2年間で40発だったが、昨季113打点でタイトルに輝いたように長打力というよりも勝負強さが売りだった。普段から豪語しない男がこの日だけは「もちろん本塁打を打たないでおこうとしているわけではない。力の部分でもアピールできればいい」と胸を張る。昨季、チーム本塁打数はセ・リーグ5位の94本(1位は巨人の183本。最下位は中日の90本)。リーグ制覇へ、長打力強化が至上命題の中、今年はオープン戦4試合で12球団トップの9発。井上打撃コーチは「5本出たのは収穫。(強力打線の)イメージを(相手に)植えつけていきたい」と大喜びだ。  ファンファーストを掲げる矢野監督は無観客試合に「こんなにホームラン出る試合はファンの人が入ってくれたら喜んでくれたやろうなとか、声援とか、それがないっていうのはさみしい」と複雑な心境を吐露。「やっぱりお客さんのいる中でやりたいっていうのは、きょうやっても実感した」と話した。通常ならば六甲おろしが何度も流れ、快勝劇に虎党が乱舞するはず。そのモヤモヤ感をサンズが一蹴した。  「試合を経験して、よりしっかり(開幕へ向け)準備したいね」  サンズが腕まくりする。確かな光を灯した。シーズン開幕に向けて、もう歩みを止めない。日本列島を覆う鉛のような雲を吹き飛ばす! (原田遼太郎) サンズに2被弾したソフトバンク・東浜 「変化球の対応がうまいなと思いました。インコースには投げていないですし、シーズンなら別の配球になるとは思うんですけど、スイングが崩れない。ブレずに振ってくる印象です」 ★虎の外野事情  中堅は近本が決定的。残る2つのポジションは、実績を考えれば左翼・福留、右翼・糸井の両ベテランだが、ともに積極的休養が不可欠だ。その状況で高山が春季キャンプから打撃で猛アピール。サンズも持ち前のパワーを発揮するなど、競争が激化している。サンズの場合、1軍外国人枠(4人)の問題もある。 ★虎、感染対策励行  阪神はコロナウイルス対策として選手、スタッフは移動時にマスクを着用。手洗い、うがい、アルコール消毒を励行している。チームを取材する報道陣もマスクを着用し、アルコール消毒を実施。検温もある。シーズン開幕前に恒例としている西宮神社の参拝の中止も決定している。

◆サンズという打者の打撃の形が見えてきた。そんな印象が強い2打席連続本塁打だ。1本目はカットボール、2本目はカーブ。甘かったとはいえ、強いスイングで左中間へ。この方向に大きな意味がある。  捕手目線で打者を見てきたが、普段はセンターから右へ。少し力を入れると左中間へ。この打球方向の打者が最も厄介。西武時代の秋山、清原はいつもこの打球方向を意識して練習していた。極端に力が入りすぎると左翼方向に行くし、遅れれば右へ行く。サンズの打球はバットがいい角度で出ている証拠だ。  練習でのセンター返しだけを見ると、派手さは感じないが、実戦の中で真っすぐ系も緩い球も左中間へ飛距離を出せるなら、相当期待していい。特に2本目はカーブを見送って、その後のカーブを仕留めた。打点を稼ぐクレバーな打者の証しだ。福留がいて、高山が好調な外野手争い。矢野監督もうれしい悩みだ。  ただ、1つ注文するなら守備。一回の今宮の右中間への打球(二塁打)はスタートが遅れていた。最低限の守備がなければ使いづらくなる。 (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
400 1.000
(-)
-
(-)
25
(-)
12
(-)
5
(-)
2
(-)
0.287
(-)
2.750
(-)
2
(1↓)
広島
310 0.750
(↓0.25)
1
(↓0.5)
31
(+1)
19
(+3)
3
(-)
1
(-)
0.324
(↓0.015)
4.370
(↑0.3)
3
(1↑)
ヤクルト
211 0.667
(↑0.167)
1.5
(↑0.5)
22
(+5)
16
(+3)
1
(+1)
5
(+1)
0.250
(↑0.01)
2.750
(↓0.08)
3
(1↑)
阪神
211 0.667
(↑0.167)
1.5
(↑0.5)
15
(+5)
22
(+4)
9
(+5)
4
(-)
0.248
(↓0.002)
4.890
(↑0.3)
5
(4↓)
ソフトバンク
110 0.500
(↓0.5)
2
(↓0.5)
14
(+4)
9
(+5)
2
(-)
1
(-)
0.282
(↓0.051)
3.500
(↓1.5)
5
(2↑)
中日
220 0.500
(↑0.167)
2
(↑0.5)
14
(+3)
17
(+1)
4
(+2)
1
(-)
0.258
(↓0.024)
4.000
(↑1)
7
(3↓)
巨人
230 0.400
(↓0.1)
2.5
(↓0.5)
25
(+3)
21
(+5)
7
(+2)
1
(-)
0.273
(↓0.027)
4.200
(↓0.2)
8
(-)
楽天
130 0.250
(↑0.25)
3
(↑0.5)
13
(+4)
23
(+2)
2
(+2)
2
(+1)
0.211
(↓0.002)
4.360
(↑0.89)
8
(-)
日本ハム
130 0.250
(↑0.25)
3
(↑0.5)
12
(+4)
23
(+3)
0
(-)
0
(-)
0.227
(↑0.011)
5.000
(↑0.67)
10
(4↓)
ロッテ
010 0.000
(↓0.462)
2.5
(-)
2
(-59)
4
(-50)
2
(-8)
0
(-14)
0.138
(↓0.11)
4.000
(↓0.27)
10
(2↓)
ORIX
020 0.000
(-)
3
(↓0.5)
7
(+3)
14
(+4)
1
(+1)
0
(-)
0.212
(↑0.112)
6.620
(↑2.38)