日本ハム(★4対9☆)ヤクルト =オープン戦1回戦(2020.02.23)・タピックスタジアム名護=
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ヤクルト
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日本ハム
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勝利投手:スアレス(1勝0敗0S)
敗戦投手:マルティネス(0勝1敗0S)
  DAZN
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◆日本ハムは、王が適時二塁打を放つ活躍。前日に続いて自慢の打棒を見せつけた。一方のヤクルトは、山崎と塩見がともにマルチ安打を記録。外野のレギュラーを目指す2人が、そろってアピールに成功した。

◆ヤクルトは2年目のアルバート・スアレス投手(30)が先発し、2イニングを被安打2の1失点に抑えた。 1回は初めてのマウンドの傾斜にてこずり、いきなり連打を許して1失点したが修正。2回は140キロ台後半の直球と、緩い変化球のコンビネーションで日本ハムの近藤、王柏融、万波を3者連続空振り三振とした。「(2回は)リリースポイントを意識して投げた。(投球は)悪くはなかったが、自分の中の100%ではない」と話した。 新加入の嶋とのバッテリーで開幕ローテーション入りへアピールした。昨季は、コンディション不良に悩まされただけに「今年は練習後や登板後の治療を意識している」と慎重に調整を進めていく。

◆ヤクルトドラフト4位の大西広樹投手(22=大商大)が、3者連続三振にしとめた。先頭の王柏融を、フルカウントからボール球のフォークを振らせて空振り三振。続く万波を3球三振、郡もフォークで空振り三振にとった。 「内容は悪かったが、調子が悪いなりにできた」と笑顔はなし。実戦2試合に登板し、2イニング無失点と結果を残し「このまま1軍でアピールしたい」と意気込んだ。

◆バレンティンの抜けた外野を争うヤクルト山崎晃大朗外野手、塩見泰隆外野手の同学年コンビがアピール合戦を繰り広げた。 山崎は3打数2安打。中堅手では、前に落ちそうな打球をスライディングで取り「自分のできることをしてアピールしていく」。4打数2安打の塩見は今季初の盗塁もマークし「ライバルはたくさんいるけど、勝たないといけない」と話した。激しい争いに、高津監督も「気持ちの入ったプレーがたくさんあった」と満足げだった。

◆日本ハムは昨季守護神として自己最多25セーブを挙げた秋吉亮投手が、今季初実戦。7回から登場したものの、1イニングを3安打3失点(自責1)という内容に「久しぶりに打者と対戦して、ふわふわした」と反省した。 ただ、収穫もあった。チェンジアップを試投し「多めに投げられたのは良かった」。直球とスライダーを軸とした配球に、今季は変化を加える予定。「幅が広がれば」と前を向いた。

◆思わず、力が入った。日本ハム西村天裕投手が3回1死一塁から救援した。 迎えた打者は、帝京大の同級生、ヤクルト塩見だった。「あれは力が入ってしまう」。初球の直球を中前へ落とされ、続く打者を四球で歩かせて満塁の大ピンチ。 2死後、走者一掃の三塁打を浴びた。1回2/3を投げ6奪三振も「まだ甘い。1発目に合わせられないとダメ」と、入りの投球を反省した。

◆ヤクルトの4年目古賀優大捕手が、下克上を狙う。オープン戦日本ハム戦に途中出場し、2打数1安打2打点と打撃でアピールした。 昨年7月からバスターに挑戦し、低めの変化球を見極められるようになった。フェニックスリーグ以降は、通常のフォームに戻しているが「どうやったらバスター(のフォーム)に近いかを考えて、重心を落とすことを意識している。それが今の状態につながっている」と納得の表情だった。 この日は、先発マスクをかぶった新加入嶋の一挙手一投足に熱視線を送った。「投手に対して何度もジェスチャーを出したり、アドバイスも抜け目ない」と後ろ姿から学ぶ。高津監督は「ここまで見ていたけど、彼も徐々に成長している1人」と古賀を評価する。1軍キャンプには嶋、中村、西田、松本直と計5人の捕手がおり、開幕へ厳しい争いが続くが、必死にくらいつく。

◆助っ人大砲が、いよいよスイッチオンだ。日本ハムのクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(28=巨人)が23日、ヤクルトとのオープン戦(タピックスタジアム名護)で移籍後初安打を放った。 4回先頭で左中間フェンス直撃の二塁打。正三塁手として昨季の弱点を埋めることが期待されるキーマンは、実戦5試合11打席目で灯した待望の「Hランプ」をきっかけに、開幕へ向けて状態を上げていくと宣言した。ビヤヌエバが4回、真ん中低めの直球を気持ちよく振り抜いた。テレビ中継のスピードガンで150キロの真っすぐを捉えると、打球はグングン伸びて左中間フェンスに直撃。相手守備もクッションボールに素早く反応していたが、全力疾走で一気に二塁を陥れた。「バットのいいところに当たってくれて、遠くまで飛んでくれた」。移籍後初安打は、あと少しで本塁打となる二塁打となった。 試運転は完了だ。22日巨人戦までの実戦4試合9打席で無安打も「焦りはなかったよ」。狙いを持って打席数を重ねてきた。「いっぱい打席でボールを見てタイミングを合わせたり、どういう攻め方をされるのかを見たいと思っていた」。徐々に実戦勘を取り戻しながら「(この日は)少しずつ結果を出していきたいところだった。そういうプランでした」と青写真通りに結果を残した。栗山監督も「これで自分が一番安心するだろう」と喜んだ。 残り2日となった春季キャンプを過ごす中で、チームにすっかりなじんだ。「ヒットが出なくてもチームメートにタイミングやスイング、球種のことを聞いたりしている」。中でも「ハルキはロッカーが隣なので、よく話します」という。名前を挙げられた西川主将は「教えるとかはないけど」と前置きした上で「巨人の選手からも、すごいいいヤツだと聞いていたし、その通りだった。もともとメジャーで、打っていた人間。去年は打てなかったかもしれないけど、絶対に打てる」とチーム内の期待を代弁。この日もベンチにいた全員が移籍後初安打を祝福した。 ビヤヌエバは昨季の苦い経験を踏まえて、キャンプではフォークなどの落ちる系のボールへの対処に重点を置いてきた。「これからは打席数も増えてくるし、フル出場も増えてくる。ここからは結果にこだわっていかないと、開幕に間に合わない。この1本を、1つのきっかけにしたいね」。チームが求めていた、軽快な守備力と強打を併せ持つ新戦力は、開幕を見据えて一気にギアを上げていく。【木下大輔】

◆日本ハムは守備のミスなどが目立ってオープン戦2連敗。栗山監督は「振り返りたくないような感じです」と試合後の会見で切り出した。 若手の中でも「7番・右翼」でフル出場した万波は、5回に適時失策、打撃では4三振と苦しんだ。指揮官は「いい感じで頭の中が(グチャグチャ)ね。これを乗り越えていかないといけないからね」と万波を含めた若手全員へ向けて1軍の舞台での貴重な経験を糧にしてくれることを願った。

◆マルちゃんが、帰ってきた!日本ハムのニック・マルティネス投手(29)が実戦復帰した。 23日、ヤクルトとのオープン戦(沖縄・名護)に先発。「いい意味で緊張した」という初回は、配球を試しながら慎重に入った。初球は全てストライクも、甘く入った変化球を捉えられ、3安打で2失点。2回は危なげなく3者凡退で切り抜け、球数40球の制限があったため3回1死一塁、38球で降板となった。 強気になって、帰ってきた。昨季は右前腕屈筋損傷、左脇腹痛と相次ぐ故障に見舞われた。チームを離れて母国米国でリハビリするなど、実戦は昨年8月のイースタン・リーグ楽天戦以来、約半年ぶり。4安打3失点に「追い込んでから決めるところで決めるように修正したい」と課題を挙げたが、今オフにバージョンアップした「スパイクカーブ」も試し「武器になる」とニヤリ。「体の調子は順調さ。打者の弱点を、うまく攻められるようにしたいね」と気合十分だった。 大役を果たすため、帰ってきた。次回は3月1日オリックス戦(札幌ドーム)に、球数60球を目安に登板予定。厚沢投手コーチが「(先発の)柱として調整してくれている」というように、信頼度は増している。西武との開幕カード3戦目(メットライフドーム)の先発を見据え、調整を進めていく予定。3年目の開幕へ、カウントダウンが始まった。【田中彩友美】 ◆マルティネスの実績 17年までは米レンジャーズに所属し、メジャー通算88試合17勝30敗、防御率4・77(マイナー通算107試合35勝23敗1S、防御率3・28)。18年に日本ハム入り。1年目は先発ローテーションの一角を守り、25試合10勝11敗、防御率3・51。2年目19年は1軍登板なし。

◆日本ハムのマルティネスが先発として今季初めて実戦に登板した。2回1/3を投げて4安打3失点と打ち込まれたものの「打者との対戦に慣れることだけを考えていた。全体を通していい感じで投げられた」と振り返った。  来日1年目の2018年に10勝を挙げたが、昨季は開幕前に右前腕を痛めた影響で登板なしに終わった。今季は有原に続く先発投手として復活を期待されている。「ここまで順調に来ている。継続していきたい」と意気込んだ。

◆日本ハムに今季から加入したビヤヌエバが実戦で初安打となる二塁打を放った。四回、先頭打者で打席に入ると代わったばかりのマクガフの速球を振り抜き、強烈な打球を左翼方向に運んだ。「バットのいいところに当たって遠くまで飛んでくれた」と納得した表情で話した。  昨季所属した巨人では73試合に出場して打率2割2分3厘、8本塁打に終わったが、日本ハムでは長打を打てる正三塁手として見込まれている。「安打をたくさん打って、チームの勝利に貢献したい」と力強かった。

◆ヤクルトの吉田成が2-1の三回2死満塁で走者一掃の三塁打を放った。前日22日の広島戦に続く適時打で「チャンスこそ集中と思って打席に入った。左中間をイメージしてその通りに打てた」と外角へ落ちる球に反応した。  1年目の昨年は打率1割8分8厘と苦しんだが、秋から青木を参考にして打撃を改良した。「やるなら思い切ってコピーしようと思った」と、今ではうり二つのフォームだ。前日の試合前練習では感覚が悪かったそうだが、青木の助言であっさりと修正。七回にも左前適時打をマークして計4打点を稼いだ。

◆ヤクルトのドラフト4位ルーキー大西(大商大)が七回に登板し、3者三振で終えた。直球は140キロ前後だったものの、オープン戦デビューとは思えぬ落ち着きで変化球を低めに集め「抜け球があったし内容は悪かったと思う。でも悪いなりにできたのが良かった」と控えめに話した。  先頭打者の王柏融をフルカウントからフォークボールで空振りを奪うと万波は寄せ付けずわずか3球で見逃し三振。最後は郡もフォークで空を切らせた。高津監督は「ストライク先行でやれているのが明るい材料」と高く評価した。 スアレス(先発して2回1失点) 「マウンドの傾斜がブルペンと違って一回は苦労したが、すぐに修正できた」 塩見(2安打1盗塁) 「キャンプでやってきたことが出せた。いい方向に進んでいると思うので今季は143試合に出たい」

◆初のキャンプも残り2日。D4位・大西(大商大)は心に残ったことを聞かれ「実戦初登板ですね」とうれしそうに答えた。19日に行われた練習試合の楽天戦(浦添)で1回1安打無失点。その中でも、「初めてのバッターが太田さんだったことですよ」と大学の1学年先輩との対戦を振り返った。「思い切りいったろうと思って、コースを狙って投げました」と見逃し三振に抑えた。  この日の日本ハム戦(名護)でも七回に登板し、1回を3者連続三振と好投した。帰京後は「まずは髪を切りに行きたいですね」と寮がある埼玉・戸田市近辺で美容院を探す予定という。スッキリした気持ちで、1軍キャンプを完走する。 (裕)

◆ヤクルトは23日、日本ハム戦(タピック名護)に9-4で勝ち、高津臣吾監督(51)のもとでのオープン戦2試合目で初勝利を飾った。一部主力が不在の中で塩見泰隆(26)、山崎晃大朗(26)、浜田太貴(19)の3外野手が活躍。ウラディミール・バレンティン外野手(35)がソフトバンクに移籍し、空いた外野の1枠を巡り、火花を散らした。  若手のアピールは外野だけではない。2年目内野手の吉田成も5打数2安打4打点と活躍した。三回2死満塁で左中間へ走者一掃の3点三塁打を放つと、七回1死二塁では左前適時打。前日22日の広島戦(浦添)も含めて2試合で計6打点を挙げた。今キャンプ中に青木から打撃指導を受けた24歳の左打者は、「青木さんのコピーなので。今年は秋から積み重ねてきたものがある。それが結果につながっている」とうなずいた。

◆2年目右腕の清水が五回から4番手で登板し、2回1安打無失点、4奪三振と好投。「意識しているのは低めに投げてアウトを取ること」とストライク先行の投球を披露した。昨季は11試合に登板したが、プロ初勝利を逃した。開幕ローテーション入りへ、「そこへの思いは強いけど、(好結果が)単発ではいけない。継続していくことが大事」と気を引き締めた。

◆若手ヤク動で初白星!! ヤクルトは23日、日本ハム戦(タピック名護)に9-4で勝ち、高津臣吾監督(51)のもとでのオープン戦2試合目で初勝利を飾った。一部主力が不在の中で塩見泰隆(26)、山崎晃大朗(26)、浜田太貴(19)の3外野手が活躍。ウラディミール・バレンティン外野手(35)がソフトバンクに移籍し、空いた外野の1枠を巡り、火花を散らした。計3盗塁と機動力も発揮。「高津野球」の一端も見えてきた。  キャンプ地・浦添から60キロ離れた地でアピール合戦の火花が散った。若手外野陣が打って、走って躍動し、高津監督は納得の表情を浮かべた。  「何とか1軍の枠に、レギュラーに。そういう気持ちの入ったプレーがたくさん出た。若い選手が競い合って良いプレーが続いたゲームだった」  8年間チームの主砲を務めた「左翼」のバレンティンがソフトバンクに移籍。昨季33本塁打、93打点を記録した大砲の穴を埋めることが、5年ぶりのV奪還に向けて投手陣の立て直しと並ぶ至上命題となっている。  課題克服へ、輝いたのが外野陣の"若燕"たちだ。「3番・左翼」で先発出場した塩見が2安打、1盗塁。1番打者としても期待される3年目野手は「ライバルがたくさんいて競争に勝たないといけない立場。しっかり結果を残していきたい」と息を弾ませた。  同学年の活躍に負けじと一、三回に中前打を放ったのは「2番・中堅」で出場した山崎だ。三回の守備から出場した2年目の19歳・浜田も、五回に得点につながる右前打をマーク。新監督は「バレンティンが抜けたのは痛いけど、1つ枠が空いたのはもちろんだし、今外野陣はすごくいい競争をしている」と表情を崩した。  今季の外野候補には38歳の青木、35歳の坂口と雄平が控えるが、坂口は一塁に入る可能性がある。活躍した3選手に、昨季35試合で5本塁打を放った2年目の大砲候補・中山を加えた外野の定位置争いで世代交代が実現すれば、おのずとチーム力の底上げも図れる。  バレンティンの穴を埋めるもう一つの策も、試合で見られた。それが、機動力。昨季のチーム得点数はリーグ2位の656だが、盗塁数は同5位の62。33盗塁を決めた山田哲の次が村上の5盗塁と、攻撃は主軸の打棒頼みとなっていた。  それを受け、指揮官は「走れる人は必ず走らせる」と宣言。この日はチームで計3盗塁を決め「どう1点を取るか。去年まで使えなかった足は重要なポイントの一つ」と強調した。今月11日に84歳で死去した恩師、野村克也さんも阪神の監督時代に赤星ら俊足7人組の「F1セブン」を結成するなど機動力を重視した。薫陶を受けた高津監督も当然、流れをくむ。  山田哲や青木ら主力が浦添に残留した試合で「若手の台頭」「機動力野球」という躍進の鍵を示した高津ヤクルト。単なるオープン戦初勝利にとどまらない価値が、この1勝にはある。 (赤尾裕希) 3打数2安打のヤクルト・山崎 「バレンティンの穴を埋めるのは僕のスタイルでは難しいとは思うけど、自分ができることを精いっぱいやって、外野の枠に食い込めるようにしたい」 途中出場で1安打のヤクルト・浜田 「1本出てよかった。自分は打たないと駄目だと思っている。アピールしないと1軍には残れない」

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