阪神(☆5対0★)巨人 =リーグ戦25回戦(2019.09.24)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:ガルシア(5勝8敗0S)
敗戦投手:髙橋 優貴(5勝7敗0S)

本塁打
【阪神】梅野 隆太郎(9号・6回裏2ラン),福留 孝介(10号・7回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は初回、大山の犠飛で先制する。そのまま迎えた6回裏に糸原の適時打と梅野の2ランで加点すると、続く7回には福留のソロが飛び出し、試合を優位に進めた。投げては、2番手・ガルシアが今季5勝目。敗れた巨人は、先発・高橋が試合をつくるも、打線が振るわなかった。

◆巨人丸佳浩外野手(30)は今季27本塁打のうち、甲子園球場で4本を記録。巨人選手が甲子園球場でシーズン5本以上は16年坂本(5本)が最後だが、左打者に限れば02年松井(5本)までさかのぼる。今日の阪神との最終戦で1発を打てるか。

◆阪神大山悠輔内野手(24)が先制の犠飛を放った。 初回、1番近本が死球で出塁。2番北條はバスターエンドランを仕掛け、左前安打で無死一、二塁の好機をつくった。その後、1死満塁となり、5番大山が巨人先発高橋の内角低めスライダーを右翼へ打ち上げ、犠飛で先制に成功した。「自分のスイングをすることを心がけて、打席に入りました。最低限の結果でしたが、先制点を取ることができて良かったです」と振り返った。

◆阪神の4番ジェフリー・マルテ内野手(28)が、左足の張りで3回の守備から途中交代した。 初回の第1打席では、先制点につながる四球を選び、守備面でも交代するまで異変は見られなかった。 ベンチに下がった後は、自力でロッカールームに戻った。球団発表によると左足に張りが出たための交代で、病院には行かずに球場内で治療を行うという。マルテに代わって一塁には陽川が入った。

◆阪神先発の青柳晃洋投手(25)は4回3安打無失点でマウンドを降りた。 9勝目を目指し、毎回、走者を背負ったが、粘りの投球。2回1死満塁の場面では9番高橋を三ゴロに打ち取り、併殺でピンチを切り抜けた。 4位のチームは、逆転CSに向けてシーズン残り4試合全勝が絶対条件。矢野監督も総力戦の姿勢を強調している。青柳は1点リードの4回2死一、二塁で打席が回ってきたが、代打原口が送られて交代となった。 自身初の2桁勝利まであと2勝に迫っていたが、この日の登板に向けてはチームの勝利を最優先に考え「長いイニングというより、いつ代わっても悔いがないように」と話していた。 5回からの2番手には、22日DeNA戦で初リリーフしたガルシアが2戦連続のマウンドに上がった。

◆巨人丸佳浩外野手が、9月18日の中日戦以来となる22打席ぶりの安打を放った。 1点を追いかける5回2死、阪神ガルシアの144キロの直球を左前にはじき返した。21日のDeNA戦で優勝を決め、22日からのヤクルト2連戦は代打で出場。 「毎日、全力でやるしかない」と口にする男がスタメン復帰即、トンネルを抜けた。

◆阪神が1回に5番大山の右犠飛で1点を先制した。先発の青柳は、3回を3安打無失点とまずまずの立ち上がり。 阪神が6回に糸原の右前適時打で1点を追加。さらに梅野の9号2ランで突き放した。巨人高橋優は6回途中で降板した。 阪神が7回に福留の10号ソロで追加点を挙げた。阪神は先発青柳が4回で降板。中継ぎ陣がバトンをつないだ。阪神ガルシアが5勝目。巨人高橋が7敗目。

◆巨人のルーキー高橋優貴投手が、5回1/3を3失点で7敗目を喫した。「点数の取られ方が悪かった」と先頭への四死球を足掛かりに失点したことを反省したが、原監督は「印象としては悪くないです」とコメント。 5回の3者連続三振を含む9奪三振でクライマックスシリーズに向け、アピールした。

◆今季限りでの現役引退を決断した巨人阿部慎之助捕手(40)が、聖地と別れを告げた。阪神戦の行われた24日が、現役最後の甲子園。阪神藤川とのオール直球勝負に豪快なスイングで沸かせた。 プロ入り19年、強打の捕手として通算2000安打、400本塁打を達成し強烈な輝きを放った。25日に都内ホテルで会見を行う。巨人原辰徳監督(試合後、左翼スタンド前で阿部、坂本勇と記念撮影。代打で出場した9回の大歓声に)「これだけ1つになって(阿部)慎之助を応援している姿というのは、愛された選手だなと。冥利(みょうり)に尽きると思いますよ」

◆今季限りでの現役引退を決断した巨人阿部慎之助捕手(40)が、聖地と別れを告げた。阪神戦の行われた24日が、現役最後の甲子園。阪神藤川とのオール直球勝負に豪快なスイングで沸かせた。 プロ入り19年、強打の捕手として通算2000安打、400本塁打を達成し強烈な輝きを放った。25日に都内ホテルで会見を行う。聖地が温かく包み込んだ。9回無死、阿部が代打で登場。虎党からも360度の「慎之助コール」で迎えられた。マウンドには幾多の名勝負を繰り広げてきた藤川。直球勝負を受けて立った。 2ボール1ストライクからの148キロ内角直球は右翼ポール際へ大飛球。最後は146キロ直球をマン振りの空振り三振に倒れたが「球児も打たせようと思ってくれて、コントロールを乱してたな。ありがたい」と対戦に酔いしれた。 22日のヤクルト戦前に原監督と会談し、その席で大きな決断を下した。同僚には23日の試合後、ミーティングで報告した。一夜明けで臨んだ伝統の一戦。高校時代は届かなかった聖地での現役ラストプレーに「高校生で出た人は誇りに感じていると思う。俺はプロになってから同じことを感じている」。銀傘、黒土、鮮やかな芝生に別れを告げた。 WBC、北京五輪の日本代表メンバーにも名を連ね、球界の中心も担ってきた。宿敵のファンからの計らいに「ジャイアンツファンはもちろん、阪神ファンも全体でコールしてくれて感激しました。本当にありがたい」とヘルメットをとって敬意を表した。 クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズと戦いは続く。平成を代表するレジェンドが花道を歩き出した。【為田聡史】

◆阪神藤川球児投手(39)が最高のライバルへ魂の直球勝負を挑んだ。5点リードの9回だ。逆転CSへ負けられない状況で、セーブがつかない場面でもマウンドに上がった。投球練習中、巨人阿部がヘルメットをかぶって三塁側ベンチから出てきた。その瞬間、場内がドッと沸いた。「プロ野球ならではというか、試合をちょっと度外視してね」。守護神の腹は決まっていた。 初球、内角高めに浮いた148キロ直球に代打阿部がフルスイング。バットは空を切ったが場内はどよめく。2球目149キロ直球、3球目148キロ直球と続けて高めに浮いたボール。ベテランには珍しく力が入っていた。4球目、内角に入った149キロ直球は阿部の出したバットに乗って右翼ポール際まで飛んだが、わずかにポールの外に切れた。最後は外角への146キロ直球。バットの上を通ってミットの吸い込まれた。三振した阿部はヘルメットのつばを触ってマウンドの藤川にあいさつ。「寂しいですね...」と素直な思いもこぼした。 宿敵の主砲を相手に何度も真剣勝負を繰り広げてきた。それも今年限りで終わる。試合前に阿部と言葉を交わした。「この15年の間では一番の選手だった。(対戦する時は)怖かったですね。選手としてすごく成績があるんですけど数字以上、数字に変えられないものをたくさん持っていた。(グラウンドでの会話は)『(優勝)おめでとうございます』が最初。大事なところではすごく嫌な選手だったので」。惜別の思いを直球に乗せた。 今季最後の巨人戦を制し、チームはCS進出に望みをつないだ。「巨人の選手で、大黒柱で主軸ですから。そこに立ち向かっていくというのは、自分たちとしては宿命だった」。Aクラスに入れば、ポストシーズンで再戦の可能性がある。虎党ならずとも、再び対決が見たい。【奥田隼人】

◆今季限りでの退団を表明している阪神鳥谷敬内野手は、自身最後となる可能性が高い「伝統の一戦」を静かに終えた。6回、梅野の2ランで5点リードとした直後に代打登場。一ゴロに倒れたが、球場全体から惜しみなく拍手が送られた。 試合前には巨人阿部の現役引退を受け、「一緒にやったメンバーがどんどん辞めていくのは寂しい」と神妙な表情になった。虎で16年間しのぎを削り続けた相手。「やっぱりジャイアンツとやると特別な試合になる。捕手が阿部さんの時は阿部さんと勝負しているような感じだった。いろいろ(配球などを)考えさせられた」と振り返った。 13年WBCでは阿部主将のもと、侍ジャパンを準決勝進出に導いた。「背中だけでなく言葉でも引っ張っていく印象があった。絵に描いたような中心選手でありキャプテンでした」。自身は今後、他球団での現役続行を目指す。希代の好敵手との戦いに区切りをつけ、逆転CSに向けて残り3試合に全力を注ぐ。

◆阪神梅野隆太郎捕手がシーズン120補殺を記録し、54年の土井垣武(東映)の119補殺を抜いた。日本記録を更新し「シーズンを通して1つずつ積み重ねてきた結果。それがこういう数になった」と喜んだ。 6回には9号2ランを放ちバットでも勝利に貢献。「その1打席、1球に集中して。1点の積み重ねが大事になる」と残り3試合全勝での大逆転CS出場をにらんだ。

◆阪神近本光司外野手が6回に二盗を決め、今季36盗塁目をマークした。 「(鍬原に)いいけん制があるという情報があった。2球目までに、と思っていた」。リクエストの結果、セーフの判定は変わらず、二塁ベース上では安堵(あんど)の表情を浮かべた。残りは3試合あり、赤星が記録した球団新人盗塁記録の39も視界に入る。2安打で今季の安打数を158安打に伸ばした。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(28)が阪神-巨人25回戦(甲子園)で左足の張りを訴え、3回守備から途中交代した。 4番一塁で出場し、初回の第1打席は四球出塁。2回まで守備もこなしたが、3回表に陽川との交代が告げられた。病院には行かず、球場内施設で治療。4番で好調をキープしているだけに、残り3試合の状態が注目される。

◆体調不良で欠場が続いていた阪神ピアース・ジョンソン投手が、15日の巨人戦以来6試合ぶりのマウンドで復活をアピールした。 5点リードの8回に登板。先頭岡本を150キロの真っすぐで三ゴロに斬ると、大城は宝刀のパワーカーブで空振り三振。ゲレーロは四球で歩かせたが最後は田中俊を152キロで空振り三振に仕留めた。2奪三振で最速は153キロ。「良かったと思います」。逆転CSへ、頼もしいセットアッパーが帰ってきた。

◆阪神左腕ガルシアが5勝目を挙げた。先発青柳からバトンを受けて5回から登板。2イニングを無失点で切り抜けた。 阪神では初のリリーフとなった22日DeNA戦に次ぎ、2戦連続となる中継ぎ登板。お立ち台で「いい感じで投げられた。CSの可能性が残っているので、なんとかチームに貢献できるように投げたい」と目を輝かせた。

◆奇跡のCS進出へ残った! 阪神が巨人との最終戦に快勝し、Aクラス入りに望みをつないだ。1敗もできない状況で、矢野燿大監督(50)が攻守で攻めの采配を連発し、G倒に成功。27日の広島-中日戦の結果次第だが、残り3試合に全勝すれば、CS進出が決まる。勝つために鬼になった。負ければCS進出が途絶える崖っぷちで矢野監督が非情に徹した。1点リードの4回2死一、二塁で先発青柳に打席が巡ってきた。ここまで無失点。しかも、悲願の今季2桁勝利をかけて実質的にラストチャンスのマウンドだった。だが、指揮官はベンチを飛び出す。代打原口-。勝利投手の権利を得る5回を待たずに降板させる。負けられない戦いで、情を挟まなかった。 「(青柳に)行かせてあげたい気持ちも十分にあった。青柳には申し訳ないですけど、ここで代打で勝負にいきたい。一番、いまの段階で優先すべきはもちろんチームの勝ち。俺も捕手やし、もちろん、青柳も2桁勝つチャンスがあるところで代えるのは俺自身も気持ちいいわけではない。でも、それでも仕方がない」 得点には結びつかなかったが、巨人との今季最終戦は意地を張り通した。11カ月前の誓いがある。新監督就任直後の昨年10月。巨人戦を「僕たちも伝統を受け継いで全力でぶつかっていきます。ジャイアンツは間違いなくライバル」と評した。だが、現実は厳しい。今季9勝15敗と負け越して対決を迎えていた。雪辱のラストゲームは攻守で攻めの采配だ。青柳を4回であきらめると、5回から先発要員のガルシアを投入。2イニング無失点に抑えた。岩崎からジョンソン、藤川への完封リレーを演じた。 前日23日、3位広島が中日に勝ち、逆転CSを目指す阪神は1敗もできない瀬戸際に追い込まれた。それでもナインはひるまない。1回は無死一塁で北條が左前に運ぶバスターエンドランに成功。先制点をもぎ取った。6回も糸原の適時打で加点した直後、中谷が犠打。徹底的に走者を得点圏へと送り、得点を奪った。勝負勘がさえて3連勝だ。 DeNAが勝ち、今季の3位以下が確定した。27日の広島対中日戦でカープが勝てば試合のない阪神のレギュラーシーズン敗退が決まる。それでも、満員の甲子園で執念の白星をつかんだ。矢野監督は「もう、一戦必勝しかない。それを1試合1試合、何とかつなげて最後までいけるように頑張ります」。残り3試合。矢野阪神は人事を尽くして天命を待つ。【酒井俊作】

◆ベテラン阪神福留孝介外野手が5年連続2桁となる10号ソロでトドメを刺した。 4点リードの7回。先頭で打席に立つとフルカウントから左腕高木の直球をバックスクリーンに突き刺した。勝利を大きく引き寄せた1発に福留も「出てよかったですね」とコメント。 今季から制定された「イワタニ バックスクリーンホームラン賞」の300万円も手にした。長きに渡って対戦してきた1学年下の巨人阿部慎之助捕手が現役引退を表明。「今日のスイングを見てもまだまだと思ってしまう。ただ、これは本人が決めたこと」と、ライバルチームの主砲に向けた惜別アーチにもなった。

◆阪神が巨人との最終戦に快勝し、Aクラス入りに望みをつないだ。1敗もできない状況で、矢野燿大監督が攻守で攻めの采配を連発し、G倒に成功。27日の広島-中日戦の結果次第だが、残り3試合に全勝すれば、CS進出が決まる。 一問一答は以下の通り。 -今季ラストの巨人戦で圧倒 矢野監督 圧倒かどうかは分からないですけど。投手がいつも通りに粘り強く投げてくれて、何とか少ないチャンスをモノにできました。 -上位で足を絡めて、大山が先制犠飛 矢野監督 欲を言えばもう1点というところが、今年はなかなか取れてないので。もう1点欲しいのは正直なところですけどね。 -6回には大山が粘って糸原の適時打 矢野監督 価値ある四球でした。(糸原)健斗も何とかね。しぶとくタイムリーを打って。それで終わらず、リュウ(梅野)も振ってくれた。こっちに一気に流れが来るような攻撃ができました。 -梅野の2ランは大きかった 矢野監督 あそこで2点で終わるとよりはね。本当に助かりました。 -福留にも一発 矢野監督 この年でしっかり振ってね。センターに放り込むのは本当にすごいと思いますし。ホームランを打った後のベースランニングも、いい走りでした。 -近本も2安打。160安打も見えてきた 矢野監督 そういう風に楽しみにしてくれている。選手たちもどんどん積極的に増やしてほしい。それを見に球場にも来てくれてますし、テレビでも応援してくれてると思いますので。どんどんどんどん、積極的に行ってもらいたい。 -藤川と巨人阿部の対決は見応えがあった 矢野監督 球児ももちろん、勝負したかったでしょうし、全部真っすぐで行くんだろうなと思いながら見てました。見応えのある勝負だったと思います。

◆阪神の大山悠輔内野手(24)が24日の巨人戦(甲子園)で先制犠飛。引き分けでもクライマックスシリーズ出場が完全消滅する一戦で、先手をとった。  一回、先頭の近本が右手付近の死球で出塁。続く北條がバスターを成功させるなど、1死満塁で「5番・三塁」の大山に打席が回ってきた。フルカウントまで持ち込み、最後は124キロ変化球を右翼へ。浅い当たりだったが、いつもとは違う変則な風にも助けられ、三走・近本も悠々と生還した。  なお2死一、三塁の好機では糸原が見逃し三振に倒れ、追加点とはならず。大山の打点は9月18日のヤクルト戦(同)以来、4試合ぶりだった。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(28)が24日の巨人戦(甲子園)に「4番・一塁」で先発したが、三回の守備から退いた。左足に張りを感じたためで、そのままクラブハウスに戻った。マルテは一回、1死一、二塁から四球を選び、続く大山の先制右犠飛へとつなげていた。  阪神は引き分け以下でクライマックスシリーズ(CS)進出が断たれる一戦で、序盤から主砲を欠く痛手となった。

◆阪神の糸原健斗内野手(26)が24日の巨人戦(甲子園)で追加点となる適時打。ミスを取り返す一打で、貴重すぎる一点をもぎ取った。  1点リードの六回、先頭の大山が四球を選び糸原が打席へ。初球にヒットエンドランを仕掛けるも、糸原が空振り。捕手・炭谷が握り替えられず、無死二塁に。サインはバントに切り替わるも、3球目はストライクゾーンのボールを見逃してしまった。迎えた5球目、浮いてきた124キロ変化球に食らいついた。打球はボテボテでも一、二塁間を突破。二走・大山が生還し、2点目を奪った。  糸原は四回無死一塁で送りバントも打ち上げてしまい、捕手・炭谷と交錯する守備妨害。走者を進めることができずにいたが、ミスを取り返す一打で流れを手繰り寄せた。

◆阪神の福留孝介外野手(42)が24日の巨人戦(甲子園)でバックスクリーンへ10号ソロ。5年連続2桁弾とし、試合を決定づけた。  4-0の七回先頭、左腕・高木の139キロをフルスイング。打球はぐんぐんと伸び、バックスクリーンに着弾した。42歳の大ベテランは全力疾走でダイヤモンドを一周。直後、八回の守備から退き、お役御免となった。  5年連続、米大リーグ時代も含めれば17度目の2桁弾。42歳での到達は球団では金本知憲氏以来、2人目。まだまだ元気な大黒柱のバットが、聖地で火を吹いた。

◆阪神の梅野隆太郎捕手(28)が24日の巨人戦(甲子園)で自己最多となる9号2ラン。大きな追加点を奪い、宿敵を一気に突き放した。  1点リードの六回に糸原の適時打で追加点。1死二塁の場面で、巨人ベンチが先発・高橋から鍬原にスイッチしたところで打席に立った。初球の143キロ直球を一閃。左中間スタンド奥深くに突き刺した。  8月20日のDeNA戦(京セラ)以来の一発は自己最多となる9号。すでに14盗塁を記録しており2桁本塁打&2桁盗塁となれば球団捕手では史上初となる。

◆巨人は24日、阪神最終戦(甲子園)に0-5で今季7度目の零封負け。レギュラーシーズンの阪神戦を15勝10敗で終えた。先発のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=は、5回1/3を投げ4安打3失点で7敗目(5勝)。粘投を見せたが、及ばなかった。  「最後ああいう形になってしまったので、粘りきれなかったかなと思います」  一回、近本への死球、北條の左前打、マルテへの四球などで1死満塁。大山の右犠飛で先制を許した。六回に1点を追加され、なおも1死二塁となった場面で降板。三度の挑戦でも甲子園初勝利はならなかった。予定通りいけば、この日の一戦でレギュラーシーズンは最後の登板。ルーキーイヤーをこう振り返った。  「まだまだ課題の方がたくさんあるので、勉強になる1年でした。これが単なるただの1年目にならないように、ちゃんと振り返ってどうしていかないといけないのかと、しっかり反省しながらやっていければ」  今後はクライマックスシリーズ(CS)など、ポストシーズンでの先発を任される可能性が高い。「自分たちには次がある。しっかり感謝をして、クライマックスで投げさせてもらえるなら、しっかりチームが勝てるように準備しなければいけない」と意気込むドラ1左腕が、7年ぶりの日本一への一助を担う。

◆阪神・矢野燿大監督は24日の巨人最終戦(甲子園)に5-0で勝ち、クライマックスシリーズ進出の可能性をつないだ。  4回無失点の先発青柳に四回の攻撃で代打原口を出す執念采配。  「青柳も2ケタ(勝利)がかかっているところの登板で。行かしてあげたい気持ちも十分にあったんですけど。青柳には申し訳ないですけど、ちょっとここで代打で勝負にいきたい...というところで勝負にいきました」と話した。  九回、今季限りで現役を引退する巨人・阿部と藤川の対戦については「球児ももちろん、勝負したかったでしょうし、全部真っすぐで行くんだろうなと思いながら見てました。見応えのある勝負だったと思います」と話した。  試合前には、その阿部と会話をするシーンがあった。  「俺は2008年北京(五輪)も一緒にやってるし、まぁね。一緒に現役同士で戦えた。阿部くんに数字的にトータルでは絶対勝てないんだけど、そのシーズンだけでも勝ちたいって思いはね、いつも持って現役時代戦ってたし。北京五輪のときも、これだけ能力ある選手が癖とかそういうのもすごい研究するんだなっていうのを見たときに『あぁ、これはすごいな』っていう。最初はバッター、阿部っていう形でどっちかというと目立った部分があったかもしれないけど、最後はやっぱりキャッチャー、阿部としてチームを引っ張っていった姿も見ているんで。本当にジャイアンツに大きく貢献した、歴史に残るキャッチャーだと思います」と話した。

◆阪神の梅野隆太郎捕手が24日、甲子園球場で行われた巨人最終戦で4補殺をマークし、今季120補殺として1954年に土井垣武(東映)が樹立した捕手のシーズン最多補殺119のプロ野球記録を塗り替えた。  九回、山本の空振り三振で一塁へ送球して新記録とした。8日の広島戦でセ・リーグ記録を更新していた。

◆プロ野球って、やっぱりええねー!!  巨人一筋19年、阿部慎之助が九回代打で打席に入る。迎え撃つは、同じ時代に野球ファンの胸を熱く焦がした虎のミスター・ストレート、藤川球児!! 直球勝負、フルスイングする阿部の目頭がぬれている...。その時、オレは阪神の黄色と巨人のオレンジの混じった(何色だか分からないけど)タオルをぐるぐると心の中で振っていたのだ!!  サンスポで執筆し始めて10年目くらいに東京ドームで阿部の初打席安打の2点打デビューを見たとき、「ヤベー!! こりゃ巨人の歴史をつくる打者が誕生するぞー!!」と、マジにおびえたのを昨日のことのように思い出す...。阿部選手、本物のプロを見せてもらいました。アリガトウ!!  さて、わが阪神。またまた残ったCS進出への崖っぷち!! 奇跡よ、起きろ!! CSファイナルで阿部と藤川の至極の対決をもう一度!! もちろん、結果は藤川の勝ちでお願いします!!

◆あと6日で消費税が10%になりますが、ポイント還元とか、軽減税率とか...私めのような未だにガラケー使用者には、さっぱりわけがわかりまへん。それに今季のセ・パ両リーグの大混戦も何度聞いてもわけがわからん。  さて巨人とは今季最終戦です。巨人の阿部慎之助(40)が、岡本和真(22)の31号2ランを見届けた前夜に「現役引退」をナインの前で表明していた。  ヒガンで言うわけじゃないが、伝統の一戦というけれど、相手はいつもキチンと"主役交代"が行われ、こっちはなんかドタバタとして「王道」を歩かないのは悔しい。だけどファンは熱く支えてくれて、拙攻拙守でも甲子園に駆けつけてくれるんだ。この夜も満員札止め...ホントに幸せなチームではある。  それにしても刻々と入ってくる他球場、特にパのV争いの楽天生命パークのソフトバンクと、ZOZOマリンの西武の動向も気になる。当番デスクの堀啓介が「西武もちゃんと視野に入れておいてくださいョ!」とクールにクギを刺してきた。ハイハイおっしゃる通りに...それにしても今年の西武はよく打ったよなぁ。本塁打はほぼ阪神の倍だぜ。どうなってるんだライオンズは...。  なんか本日はやたら暗い。そりゃそうなりますョ、今夜の甲子園は曇り空で名月なんかでちゃいませんヮ。阪神が巨人に勝っても、DeNAのCS進出が決定。27日の広島-中日の結果次第で、阪神のCSの可能性が吹き飛ぶことになりまして。ほらね、ややこしいったらありゃしない。だから有無を言わせぬ勝利でなくちゃダメなんだよ、今更言っても遅いけど...。  「実は...」と少しくぐもった声でトラ番長友孝輔がこんな電話だ。  「そういえば1年前のこの9月24日は甲子園で同じ巨人戦でした。それで...」。フムフム、それでどうなったか覚えてか。「0-0で延長十二回でドローでした...」。さすがは長友記者、記憶が明確だなぁ...とヨイショしたらクールガイらしくポツリとこう言った。  「だって...その1面の無念の0行進の記事は僕が書いたのですから...」  それであわてて1年前のサンスポ9月24日(25日付)を引っ張り出してみました。  歴史的貧打線「虎 どんだけ~打たんのや」球団史上初! 二塁踏めず0-0ドロー...まことにトホホな見出しが並んでました。  ちなみにこの日の3面の「虎ソナ」4663回目の見出しはこうでした。-『中秋の名月』になんと26個の満月。なんて粋なTG戦...そんなわけねぇ...。  さすがに2年越しの"中秋の名月"とはいかないからこの夜は阪神は一回に近本の死球、北條が左前打を放ち、5番大山の右犠飛で、何とか先制したぞォォ1点!(グスン)  そしてここからが去年とは違った。開き直った者の気軽さか。CSへのエクササイズの肩の軽さなのか。六回、梅野の2ランに近本の157安打と36盗塁目をからめて3点。福留まで七回にドカンでCSをグイッ!  その頃、ZOZOマリンでも西武が大量点でパのペナントをグイッ!  こんなに胸騒ぎのするシーズンってあったかい皆の衆。  月見れば 影なく雲に包まれて 今宵ならずば 闇に見えまし...(西行)でございましたが、どこかわびしい秋ではございました。ところで来季は誰か余ってる大砲をくれまへんか、西武はん...。

◆--巨人を圧倒した  矢野監督「圧倒かは分からないですが。投手がいつも通りに粘り強く投げてくれて、何とか少ないチャンスをモノにできました」  --四回2死一、二塁で青柳に代打・原口を送り、五回からガルシア  「青柳も2桁(勝利)がかかっているところの登板。行かしてあげたい気持ちも十分にあったんですが。青柳には申し訳ないですが、ちょっとここで代打で勝負にいきたいと。今の段階で優先すべきはもちろんチームの勝ちなので」  --負けられない状況になってから2試合連続完封  「もちろん(救援陣に)負担もかけているし疲れているのもわかってるし。でも、そこが一番のうちの強み。いくしかないと思うので。残りの3試合もそういう形になっていくと思う」  --藤川と巨人・阿部の対決は見応えがあった  「球児(藤川)ももちろん、勝負したかったでしょうし、全部真っすぐで行くんだろうなと思いながら見てました。見応えのある勝負だったと思います」  --阿部とは試合前に話もしていた  「北京(五輪、2008年)も一緒にやってるし。阿部くんに数字的にトータルでは絶対勝てないんだけど、そのシーズンだけでも勝ちたいって思いはいつも持って現役時代を戦っていた。本当に歴史に残るキャッチャーだと思います」

◆今季限りでの退団を明言し、現役続行を目指す鳥谷は六回に代打で登場し、一ゴロだった。試合前には引退を決断した巨人・阿部について「巨人とやるのは特別な試合。『キャッチャー・阿部さん』と勝負している感じだった」と振り返り、「(2013年)WBCも一緒にやっていますし、背中だけでなく言葉でも引っ張っていくという印象。絵に描いたような中心選手。一緒にやったメンバーがどんどんやめていくというのは、寂しいなという思いはあります」と話した。

◆体調不良で9月15日の巨人戦(東京ドーム)から5試合登板がなかったジョンソンが、5点リードの八回を0封。2死からゲレーロに四球を与えたが、続く田中俊を空振り三振に斬った。「よかったと思います」。リリーフエースの復活に、矢野監督も「いてくれるのは心強い。うちの一番の強みなので、中継ぎ陣は本当に毎日毎日、よくやってくれている」と安どの表情だった。

◆8月20日以来となる5番で先発した大山は、一回1死満塁から先制の右犠飛。「打球が上がったときに(右翼の)亀井さんが前に出て浅いかなと思ったけど、(三走が)近本光司だから走ってくれると思っていました」とルーキーの快足にも感謝した。それでも二回の守備では一塁への悪送球を犯し、今季のチーム失策は2000年以来の「101」となった。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(28)が24日の巨人戦(甲子園)に「4番・一塁」で先発し、三回の守備から退いた。左足に張りを感じたためで、そのままクラブハウスに戻り治療を行った。試合後、清水ヘッドコーチは「あまりよくないということだった」と説明。一回1死一、二塁の打席では四球を選んで先制点につなげていたが...。8月10日から4番に座る主砲だけに、離脱となれば痛い。

◆0-5で今季7度目の零封負け。レギュラーシーズン最終登板となったD1位・高橋(八戸学院大)は、六回途中3失点で7敗目(5勝)を喫した。それでも9三振を奪うなど粘りの投球を見せ「自分たちには次がある。クライマックス(シリーズ)で投げさせてもらえるなら、チームが勝てるように準備しなければいけない」とポストシーズンでの好投を誓った。

◆セーブがつかない場面だったが、九回に守護神・藤川が登板。3者連続三振で圧倒した。先頭では、今季限りでの引退を決断した阿部が代打で登場。オール直球勝負で挑み、最後は146キロで空振り三振に仕留めた。「寂しいですね、対戦できなくなるのは」としながらも「CSに行くこともあるし、また対戦できるように頑張ってですね」。再戦の切符をつかめるように全力を尽くす。

◆21試合ぶりに1番で先発した近本は2安打1盗塁で勝利に貢献。セ・リーグの新人安打記録を158に更新し、トップに立っている盗塁王争いでもヤクルト・山田哲を3差に引き離す36盗塁目をマークした。4-0の六回2死から中前打で出塁すると虎党から「走れ」コール。「そうなんですか?」と塁上では意識しなかったものの「喜んでくれたらうれしいです」と期待を十分に感じ取った。43度目のマルチ安打もプロ野球の新人記録4位タイ(セは単独2位)となった。

◆今季限りでの現役引退を決断した巨人・阿部慎之助捕手(40)が、23日のヤクルト戦(神宮)後のミーティングでナインに引退を報告していたことが24日、分かった。球団の公式SNSが公開した動画によると、阿部は声を詰まらせながら「今年で野球選手としては終わりますけど、まだ野球人生は、僕は死ぬまで終わらないと思っています」とあいさつした。  24日の阪神戦(甲子園)では九回に代打で登場。藤川から空振り三振を喫したが、球場全体から拍手が起こり、虎党の右翼席からも「慎之助コール」が。阿部はヘルメットを取って応え、「感激です」と、安田学園高時代から憧れだった甲子園との別れを惜しんだ。  詳細は未定だが、球団は来季以降に何らかのポストを用意する見込み。原監督が引退後に長嶋監督のもとで3年間コーチをしたように、阿部も指揮官から「帝王学」を学ぶ可能性もある。  25日に東京都内で会見を開く。本拠地最終戦の27日のDeNA戦(東京ドーム)では引退の催しが計画されている。ポストシーズンも戦力としてチームに帯同する予定。日本一を自らの花道にする。 巨人・原監督 「これだけ(球場が)一つになって応援しているのは、愛された選手だなと思うし、冥利に尽きると思いますよ。ポストシーズンも戦力? もちろん」 4年前に阿部から主将を引き継いだ巨人・坂本勇 「まだまだやれる中で、スパッと決断されてびっくりしている。巨人軍の伝統、勝ちに対する執念を教えてもらった」 巨人・岡本 「(球場の)ロッカーも隣でしたし、ポジションもかぶっていて、いろいろと教えてもらいました」 巨人・沢村 「衝撃です。まだ続けられると思っていたし、続けられるものと思っていた。今日の段階では受け止めきれない部分があります」 捕手として薫陶を受けた巨人・小林 「実感が湧かない。結果を出して成長した姿を見せたい」 2008-11年まで、阿部と巨人でプレーしたDeNA・ラミレス監督 「人間的な部分が一番のリーダーでした。巨人がいいチームなのも彼がいたからこそだと思います。野球選手としてのロールモデル。ロッカーが隣同士でいい時間を過ごせました」

◆クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性を残すには全勝するしかない阪神は、甲子園で巨人に5-0と快勝。福留孝介外野手(42)が七回にトドメの10号ソロを放った。42歳での2桁本塁打は、2011年の金本知憲(43歳で12本)以来、球団3人目。糸井が不在、マルテも緊急離脱したなか、ベテランが奇跡のCSへ導く!  まだまだ俺は現役バリバリ! そういわんばかりの豪快な一発を、バックスクリーンに放り込んだ。福留が貴重な追加点となる8試合ぶりの10号ソロで、勝利を決定づけた。  「(ホームランが)出てよかったです」  4-0で迎えた七回無死。左腕・高木の139キロをフルスイングし、5年連続2桁本塁打をマーク。42歳での2桁弾は球団では2011年に43歳で12本塁打した"鉄人"金本以来の快挙だ。  甲子園のバックスクリーンへの一発で賞金300万円をゲットしたベテランは「ありがたいですわ」とニンマリ。衰えの知らないパワーに矢野監督も「この歳でしっかり振ってね。センターに放り込むのは本当にすごいと思う」と絶賛した。  今季限りでの引退を決断した巨人・阿部へ-。2009年のWBCでともに戦った盟友に贈る一発でもあった。「きょうの(阿部の)スイングを見ていても、まだまだって思ってしまう。でも本人が決めていることなので、まずはお疲れさんという(気持ち)」。1学年下にあたる後輩だが、長年球界を引っ張ってきた功労者同士、思いも強い。  「(中日、阪神で)相手チームだったけど、本当にいい選手、いいバッターだったし、痛いところでよく打たれているなというイメージしかない」  チームは現在、糸井が左足首を痛めて離脱中。マルテもこの日の試合中に左足の張りを訴えて、途中交代した。中軸不在の打線のなかで、頼れる大黒柱が逆転でのCS進出へ望みをつないだ。  「きょうみたいに、自分のやれることをやって目の前のことを一つずつという、それしかないので。そこをやっていくだけ」  まだあきらめない。不惑の男が残り3試合も、勝利へ導く。 (織原祥平)

◆阪神は巨人との今季最後の伝統の一戦に、5-0で快勝。クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性を残すには1敗どころか引き分けも許されないなか、梅野隆太郎捕手(28)が六回に試合を決めるキャリアハイの9号2ランを放った。守っても、捕手での日本新記録となるシーズン120補殺をマーク。今季限りでの現役引退を決断した巨人・阿部慎之助捕手(40)の前で虎を3連勝に導き、3位広島に再び1・5ゲーム差だ!  移ろいゆく時代のバトンを確かに受け取り、梅野は振り切った。今季限りで引退する巨人・阿部の前で、自己最多となる9号2ラン。今季最後の伝統の一戦。虎の「打てる捕手」が試合を決め、のぞみをつないだ。  「対戦が少ない投手だったけど、逆にチャンスと思って。1球に集中して、それが最高の形になりました」  1-0の六回に糸原の適時打で1点を追加し、なお1死二塁。先発の高橋から鍬原に代わった、その初球。143キロ直球をすくい上げた。左中間スタンドに着弾する一発で4点にリードを広げ、勝負あり。引き分けすら許されない一戦を、最高の形で拾った。  梅野にとって阿部は、幼い頃はテレビ越しに、プロとしてはマスク越しに見てきた憧れの存在。少しでも同じ時代を戦った捕手として、自然と言葉も熱くなった。  「6年間、やられたりやり返したり。裏をかいて見逃し三振をとれたりしたときは気持ちよかった。キャッチャー同士の駆け引きはすごく楽しくできたし、勉強させてもらうことができたので」  九回無死で阿部が代打で登場すると、守護神・藤川と直球勝負。空振り三振に仕留めた。「阿部さんが打席に立つと、すごくオーラがあった」。最後の対戦をかみしめ、バトンを受け取った。少しでも頼もしくなることが、捕手として球界を引っ張ってきた大先輩への恩返しになっていく。  守備でも日本の頂にたどり着いた。九回2死、藤川のフォークで山本を空振り三振に仕留めると、ワンバウンドを体で止めて一塁へ送球。これが今季120補殺目。この日、4補殺で1954年に土井垣武(東映)が樹立した「119」を一気に抜き去った。  補殺はアウト成立の補助。捕手としてワンバウンドのストップや盗塁阻止、バント処理など安定したフィールディングを披露してきた証だ。2試合連続完封も今季初。27日に広島が中日に勝てばCS進出は消えるが、まずはきっちり、カープにプレッシャーをかけた。もちろん、ラスト3試合も勝つだけだ。  「阿部さんも年々、積み重ねたものだと思う。(自分も)こつこつとそういうものを年々、出していけたらと思います」  責任と覚悟を背負い、梅野がまた成長した。シーズンはまだ、終わらせない。 (竹村岳) 梅野の新記録について阪神・藤井バッテリーコーチ 「骨折していたときもずっと試合に出ていたし、本人もうれしいと思う。すごいことだよね」

◆優勝が決まっている巨人は引退が決まった阿部の甲子園ラストゲーム。一方、阪神はもう1試合も負けられない展開。プロ野球では特にシーズン終盤、こうした真剣勝負でありながらイベント的要素を持った、微妙で難しい試合が起こりうる。  その状況で、見どころが凝縮された好ゲームになったことが、プロ野球の一OBとして、喜ばしく、誇らしく感じた。  勝負にこだわった阪神は、最も得意な継投を前面に押し出した。絶対に落とせない試合で、必死で投げる救援投手陣は素直に評価したい。  同時に、今季はここ一番でなかなか飛び出さずに苦労した長打も生まれた。梅野の一発が試合を決めたといっていい。膠着した展開を打破するには本塁打。その重要性も改めて感じてほしい。他球団に比べて劣っていた大きな課題だろう。  本来なら巨人と優勝争いをする中で見せて欲しい試合ではあった。が、それを言っても始まらない。来季につなげる試合にしてもらいたい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
76632 0.547
(↓0.004)
優勝
(-)
2656
(-)
567
(+5)
180
(-)
82
(-)
0.257
(↓0.001)
3.780
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
71673 0.514
(↑0.003)
4.5
(↑1)
2592
(+7)
598
(+1)
161
(+1)
39
(-)
0.247
(↑0.001)
3.900
(↑0.02)
3
(-)
広島
70693 0.504
(-)
6
(↑0.5)
1590
(-)
597
(-)
140
(-)
81
(-)
0.254
(-)
3.680
(-)
4
(-)
阪神
66686 0.493
(↑0.004)
7.5
(↑1)
3522
(+5)
563
(-)
92
(+2)
99
(+2)
0.250
(-)
3.510
(↑0.03)
5
(-)
中日
66712 0.482
(↓0.003)
9
(-)
4544
(+1)
534
(+7)
89
(+1)
63
(-)
0.263
(↓0.001)
3.750
(↓0.02)
6
(-)
ヤクルト
58812 0.417
(-)
18
(↑0.5)
2654
(-)
726
(-)
167
(-)
60
(-)
0.246
(-)
4.760
(-)