ロッテ(★4対12☆)西武 =リーグ戦25回戦(2019.09.24)・ZOZOマリンスタジアム=
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西武
052001400121221
ロッテ
00110101041130
勝利投手:ニール(12勝1敗0S)
敗戦投手:二木 康太(7勝10敗0S)

本塁打
【西武】山川 穂高(43号・3回表2ラン)

  DAZN
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◆西武が2年連続のリーグ優勝を決めた。西武は2回表、秋山の適時三塁打など打者一巡の猛攻で一挙5点を先制する。続く3回には山川に2ランが飛び出すなど、終わってみれば12安打で12得点を挙げた。投げては、先発・ニールが今季12勝目。敗れたロッテは、先発・二木が試合をつくれなかった。

◆西武が2年連続23度目のリーグ優勝を果たした。球団の歴史は以下の通り。 パ・リーグ発足の1950年(昭25)に福岡県で結成された西鉄クリッパースが前身。51年から西鉄ライオンズに改称。三原監督の下、56~58年は3年連続日本一に輝く。黒い霧事件を境にチームが弱体化し、70年代には73~76年太平洋クラブ・ライオンズ、77、78年クラウンライター・ライオンズとチーム名が変わり、78年10月に西武が買収。本拠地を埼玉県所沢市に移した。 広岡監督を迎えた82年から2年連続日本一に。86年から就任した森監督時代には、パ・リーグ初の5連覇を含め9年間で8度のリーグ制覇(日本一6度)を果たし西武黄金時代を築いた。95年から東尾監督が指揮を執り、7年間で2度のリーグ優勝。21世紀になってからは02年にリーグ優勝、04、08年に日本一に輝いている。 西鉄時代5度、西武で18度の合わせてリーグ優勝23度は巨人(37度)に次ぐ記録で、日本シリーズ優勝13度も巨人の22度に次いで多い。

◆西武ザック・ニール投手が6月20日中日戦から11連勝。外国人投手のシーズン11連勝は、64年スタンカ(南海)15年マイコラス(巨人)18年ボルシンガー(ロッテ)に並ぶ史上4人目のタイ記録で、西武では88年郭泰源の10連勝を抜いて最長となった。 なお西武投手の11連勝は83年の高橋直樹以来で36年ぶり4人目(5度目)。

◆ロッテは24日の西武25回戦(ZOZOマリン)の観衆が3万335人となり、今季主催試合の観客動員が166万5891人で球団新記録を更新したと発表した。 これまでは18年の166万5133人が最多だった。

◆西武が2回、栗山の先制打や秋山の3点三塁打などで5点。3回山川の43号2ランで7点リード。ロッテはその裏に1点かえした。 西武が6回に秋山の適時打で8点目。ロッテはレアードの中前適時打などで4回と6回に1点ずつかえしたが、5点差で終盤へ。 12点と猛攻した西武がリーグ2連覇を決めた。先発ニールが11連勝の12勝目。ロッテは3年連続Bクラスとなる4位が決定した。ロッテ二木は10敗目。

◆西武が24日、2年連続23度目のリーグ優勝を果たした。ソフトバンクとの開幕戦はいきなり3連敗を喫し最下位スタートも自慢の山賊打線でチームを立て直した。

◆西武の誇る山賊打線が12安打12得点で楽天投手陣を粉砕し、2年連続23度目のパ・リーグ制覇を果たした。 守護神増田が最後の打者マーティンを空振り三振に仕留めマウンド付近には歓喜の輪ができた。辻発彦監督がゆっくり輪の中に歩を進め、小柄な体が10度、宙に舞った。「今年始まって優勝の目標に向かって出発して中盤苦しかったけど選手がびっくりするぐらい頑張ってくれた。本当にピッチャーもいろいろ言われ、増田や平井がもがいてもがいて頑張ってくれた。野手は長期離脱なく頑張ってくれた。精神力と肉体の強さが2連覇につながった。正直言って今年はしんどいかなと思ったけど選手が主力が抜けても勝てるんだということを見せてくれた」。顔は紅潮していたものの辻監督にとってリーグ優勝は通過点。涙はなかった。 苦しい道のりだった。エース菊池雄星がマリナーズへ、主軸の浅村が楽天、炭谷も巨人へFA移籍するなど主力3選手を失っての船出となった。ソフトバンクとの開幕戦ではいきなりの3連敗。夏場まで3位と4位を行ったり来たりの戦いが続いた。しかし、8月から反攻を開始。首位打者を走る3番森、打点でトップの4番中村、本塁打部門で首位の山川ら3人を中心に苦しい投手陣を補ってあまりある山賊打線がけん引。ソフトバンクの優勝マジックを消滅させ、勢いそのままにゴールテープをきった。 この日、今季を象徴する山賊打線が火を吹き、2回に栗山の先制適時打など打者10人、4安打を集中させ一挙5得点。序盤の先制パンチで試合を決定づけた。3回に43号2ランを放ちダメ押しした山川を筆頭に秋山、森、中村、外崎と日本人の20発以上が5人。日本人5人による20本は、01年巨人(松井、江藤、清原、高橋、仁志)以来18年ぶり。パ・リーグでは初の快挙となった。 西武後藤高志オーナーは今季の戦いぶりに「一時はソフトバンクと8・5ゲーム差。開幕のときは厳しいことを言われたが、ライオンズはそんなヤワじゃない。先を見据えてやってきた辻監督の手腕は立派なモノ」と指揮官を信じていた。 辻監督にとっても雪辱を胸に秘めた1年だった。昨年リーグ優勝を果たしたものの、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでソフトバンクに敗れ、下克上を許した。CS敗退が決まった2018年10月21日、本拠地で行われた試合後のセレモニーでは、17年に父を亡くした時にも人前では涙を見せなかった九州男児が人目をはばからず泣いた。「悔しいです。まさか今日、2018年のシーズンが終了するとは考えてもいませんでした。(2017年2位となった)去年の悔しさを今年、晴らした。今年の悔しさは1つ上のレベル。この悔しさをもってチーム力を上げていかないと」。悔しさをバネに、辻監督が、まずはリーグ優勝の第1関門を突破した。 第2関門は、昨年苦杯をなめたCSファイナルだ。11年ぶりの悲願の日本一へ、辻監督がもう一度手綱を締め直した。

◆西武の連覇を陰で支えた「参謀」馬場敏史作戦兼守備走塁コーチ(54)が、辻監督の横顔を明かした。互いに現役の97年ヤクルト時代から、22年来の付き合い。引退後は別球団でキャリアを積み、17年からタッグを組む。辻監督の性格について「明るいですよ、とにかく」と評した。 まさに"とにかく明るい山賊"の象徴的存在だ。「監督からコミュニケーションをとってくれるんで、選手はすごくありがたいと思います。監督と選手と言えば普通は壁があるけど、監督は自分からバカを言ったりしてくれますから」。 試合前の練習。前日に結果を残せなかった選手に、気さくに声をかけつつ適切な助言を送る。優勝目前の22日には、前夜の楽天戦でリリーフに失敗した平井を「死にそうな顔してんじゃないよ!」と笑顔でいじる一幕もあった。明るさの一方で「怒るときは僕たち(コーチ陣)に怒ります。選手には怒らない。本人が1番悪いと思ってますから輪を掛けて言う必要はない。落ち込んでるところを監督がうまいことフォローするんです」と明かす。 西武でのタッグ3年目。指揮官のスタイルは「全く変わらないです。多分いつまでたっても。それが『西武カラー』じゃないですか。ガーッと言っても、しゅんとなる子は最近多いし。うちはもうイケイケという感じ」。明るいムードを作り、豪快な山賊の持ち味を引き出す。 選手起用はどうか。17年には当時ルーキーの源田を遊撃手で起用し続けた。浅村が楽天に移籍した今季は外崎を二塁手に。「キャンプからずっと基本的なことを監督が後ろについて教えてね。固定してずっと使ってますね」。源田は1年目こそ21失策も、2年目にはゴールデングラブ賞を受賞。今季の外崎も失策は15を数えるが、身体能力を生かした好守で投手を救った場面も多かった。豪快に打ち勝つ野球の裏で、堅実な二遊間を構築しつつある。 常に明るい辻監督だけに、昨年CSファイナルステージで敗れて見せた涙は印象的だった。「見たことなかった。初めてじゃないかな。引退試合でも泣かなかったと思いますし」。 悔し涙から始まった連覇への道。チーム状況が良いときも悪いときも「監督はあまり表に出さないですから。最近怒られたこと? ないですね。愚痴はありますけど(笑い)。それも最近は減ってきました」。 日本一のうれし涙を流すまで、側近としてサポートに徹する。【鈴木正章】

◆西武の誇る山賊打線が12安打12得点で楽天投手陣を粉砕し、2年連続23度目のパ・リーグ制覇を果たした。浅村が抜けても強力打線は健在だった。昨年の得点は史上3位の792点を記録したが、今年も両リーグ最多の755点。2年以上続けて700点以上は49~51年巨人、49、50年阪神、03、04年ダイエー、17、18年広島に次いで5度目だ。7点以上挙げたのが47試合あり、その試合は39勝7敗1分け。今年も打ち勝つゲームが多かった。 リーグ最多の127打点、殊勲安打(先制、同点、勝ち越し、逆転)28本を記録した浅村の穴は森、中村、外崎、木村で埋めた。昨年は右翼での出場が多かった外崎が二塁へ回り、右翼には木村が定着。この4人合わせて昨年より123打点、殊勲安打を36本増やして浅村の数字をカバーした。特に、7月10日以降は森と中村を中心に打ちまくり、平均得点を開幕~7月9日の5・1点から5・6点へ上げ、ソフトバンクとの8・5ゲーム差を逆転した。 100打点以上は昨年の2人から中村、山川、森の3人に増え、この3人がパ・リーグ打点ランクの1~3位。同一球団の100打点トリオは5度目で、過去にリーグの打点上位3傑独占は79年阪急しかない。自身最多の90打点を挙げた外崎を加え史上4度目の90打点カルテットとなり、90得点以上が5人は史上2度目。得点ランクも西武勢が上位を独占している。現在、パ・リーグの部門1位は打率が森、本塁打が山川、打点が中村、安打が秋山、盗塁が金子侑。同一チームでこの5冠独占は過去8度あるが、これまでは2人で5冠が2度、3人で5冠が6度。今回のように「5人で5冠」ならば初の快挙だ。 昨年は最多失点、最低防御率、最多失策で初めて優勝したが、今年もこの3部門はリーグ最下位。最多失点のVは92年ヤクルト、01年近鉄、18年西武に次いで4度目で、最低防御率のVは01年近鉄、18年西武に次いで3度目。2年連続防御率4点台で連覇は初めてとなり、2年連続最多失点、2年連続最低防御率の連覇も初めてだ。昨年まで優勝チームの防御率順位は1位85度、2位36度、3位15度、4位10度、5位5度、6位2度。3位以内が89%を占める中、2年連続で平均得点が5点超えの西武には、防御率順位は関係なかった。【伊藤友一】

◆西武辻発彦監督一問一答 試合後お立ち台 -おめでとうございます! どうもありがとうございます! -連覇です。感想は 今年始まって、連覇という大きな目標に向かって叱咤(しった)して、中盤から本当に選手たちの頑張りには私たちがびっくりした。本当に頑張ってくれた結果だと思います。 -選手に言葉を ピッチャーもいろいろ言われながら、増田、平井を中心になって、もがいてがんばってくれた。野手に関してはレギュラーの選手たちが長期離脱することなく、戦った。精神力と肉体の強さが連覇つながったと思います。 -9回に増田のところへ行った。どんな思いだった 昨年は、試合に敗れて胴上げという形だった。今年は勝利して胴上げできるということは、最後のマウンドは増田しかいないと。マウンドに行って、今年初めて上がりましたけど。この1イニング、優勝投手として楽しみなさいと言いました。 -夏場は苦しかった。どんな指導をした? 私は何もしていません。この3年、夏場に選手たちはものすごい力を発揮してくれます。言わなくても、少しずつゲーム差が縮まってくると、行ける、行ける、行ける、と最後まであきらめずにたたかってくれました。 -成長を感じる点は 全てだと思います。今日は相手チームの結果を見ながら、なかなか終わらないなと思いながら。終わった瞬間に今日勝てば優勝だと、終盤、非常に大事な試合で今井であったり、松本であったり、若い選手がすばらしいピッチングをしたということが、成長につながっていると思います。 -去年とメンバーが大きく替わった。今年の優勝は 正直言って、今年はしんどい戦いになると思っていました。選手たちの心の中では主力が抜けても勝てるんだと意地を見せてくれたと思います。 -次は去年の悔しさを晴らすCS また、ここまで来ることができたんで、さらにチームを1つにして、勝ち抜いて日本シリーズに行けるように全力で頑張ります。 -ファンに一言 今シーズンなかなか勝てない中、メットライフに足を運んでいただき、また今日はビジターですけどこんなにたくさん足を運んでいただきまして、たくさんの歓声の中で勝って優勝を決めることができて本当に幸せです。ありがとうございました!

◆西武が2年連続、西鉄時代から通算23度目のリーグ優勝を決めた。開幕8連勝でスタートした昨年は1日も首位を譲らず、史上5度目となる開幕日からオール1位で優勝したが、今年は開幕3連敗し、5月20日時点でまだ借金1。初めて首位に立ったのが9月11日の130試合目で、7月9日にあった8・5ゲーム差を逆転した。 8・5差以上の逆転Vは16年日本ハム(11・5差)以来10度目で、初首位は08年巨人の131試合目に次いで遅かった。優勝決定までの首位日数はわずか11日で、08年巨人と並んで最少だった。首位日数が「全日程→最少」で連覇した。 就任3年目の辻監督は2位→1位→1位。就任3シーズンで2度以上優勝は13人目となり、就任3年目で247勝は工藤監督(ソフトバンク)に次いで多い。辻監督は今年の10月で61歳になる。60歳以上の優勝監督は、最年長66歳の13年星野監督(楽天)を筆頭に、昨年の辻監督で9人目だが、60代で連覇した監督は60歳の95年、61歳の96年仰木監督(オリックス)に次いで2人目だ。

◆投げるおかわり君こと西武平良海馬投手も優勝に貢献した。19歳、高卒2年目の右腕は終盤にブレーク。8月27日の日本ハム戦では球場計測で158キロをマークした。 98キロの巨漢体形から繰り出す直球で、ブルペンを支えた。この日は7回から2番手で登板し、2死を奪って降板した。「すごく貴重な経験をさせてもらってます。投げる機会を与えてもらったら全力で準備しています」とCSでも力いっぱい腕を振る。

◆西武秋山翔吾外野手が連覇をかみしめた。 2回に走者一掃の3点適時打を放つなど5打点の大暴れ。優勝の瞬間は中堅守備で迎え「センターから行くのは遠かった(笑い)」とマウンドでできた歓喜の輪に少しだけ遅れて参加した。 昨年は試合に敗れての優勝だっただけに「集まっている景色を見ながら輪に加わるのは悪くなかったです」と喜びもひとしおだった。

◆西武の36歳コンビが存在感を示した。栗山巧外野手は先制打を含む3安打1打点で勝利に貢献。「何とか点を取りたいといい結果になりました。連覇は信じられない。夢みたい」と喜んだ。 中村剛也内野手は9回2死から打者マーティンの打ち上げた三塁ファウルゾーンへの打球を捕球できず。勢い余って転んでしまい、ナインが思わず笑ってしまう珍プレーとなった。「捕れなかった。行きすぎたわ(笑い)。でも最後は三振の方がかっこよくない?」と増田の空振り三振締めに胸をなで下ろしていた。

◆西武金子侑司外野手が足で存在感を見せた。8回に快足を飛ばしてダイビングキャッチ。広い守備範囲で何度も投手の危機を救ってきた。 派手なキャッチだけでなく「2つ(二塁打)行かれるところを、1つ(単打)で止めることも大事にしている」と地道なプレーも忘れない。盗塁数はリーグトップを独走中。 「今年の目標は『優勝して盗塁王を取りたい』だった。それに向かって1年やってきたので、終わった時にとれればいい」とタイトル獲得にあらためて意欲を示した。

◆西武の誇る山賊打線が12安打12得点でロッテ投手陣を粉砕し、2年連続23度目のパ・リーグ制覇を果たした。最後に締めくくったのは、守護神の増田達至投手だった。9回。マウンドで辻監督から「楽しめよ」と直接ボールを受け取り、締めくくりを託された。最後の打者マーティンを150キロ直球で空振り三振に仕留めると両手を広げ、飛び込んできた捕手森を受け止めた。「楽しめたか分かんないけど、いつも通りマウンドに向かい、いつも通り投げることができた」。冷静だった。 あのたくましさを見ていたら、自然と勇気が湧いてくる。13年に長男が誕生。体重は718グラムだった。低出生体重児として生まれ「本当に小さいんですよね。大丈夫かなって、不安にはなりました。でも僕以上に奥さんが大変ですから。本当に感謝しかありません」。NICU(新生児集中治療室)から2カ月で退院できた。大きく、そしてたくましく育ち、走り回る姿に「僕が元気もらってますよ」。頑張れないはずがなかった。 不本意な数字に終わった昨季。秋季キャンプでフォームから見直した。小野投手コーチから「間がない」と指摘され、軸足に乗せてからのタメを修正。「1、2、3ではなくて、1、2の、3。その間をつくれるようになってから真っすぐが伸びるようになった。もともと球種が少ないタイプ。真っすぐあってのピッチャーなんで」。直球で押しながら、スライダーを曲げ、フォークを落とす。防御率1点台を維持し続け、自己最多30セーブを挙げた。 平井との継投リレーは、山賊の必勝パターン。11日ソフトバンク戦では通算100セーブ目をマークし、今季初の首位浮上に導いた。胴上げ投手になった頼れる選手会長。山賊には心優しき守護神がいる。【栗田成芳】

◆西武外崎修汰内野手が攻守で自信を深めた。「前半は不安との戦いでしたが、立て直すことができました。終わって見れば優勝に貢献できたかな」。 今季から二塁にコンバートされ、守備の負担が増す中で本塁打、打点ともにキャリアハイをマーク。「最初は慌てなくていい場面で急いで送球ミスもあったけど、今はだいぶ、めりはりがつくようになった」。守備安定に伴い、一時は打率2割台前半に落ち込んだ打撃も向上。「まずは昨年、CSで悔しい思いをしたので、そこからですね」と先を見据えた。

◆ロッテが最後に力尽きた。西武相手に12失点、3失策と守備が崩壊した。 逆転CS進出に望みをかけた最終戦で、4位と3年連続のBクラスが決定。目の前で胴上げを見せられた。 二木が2回もたなかった。2回1死満塁で秋山に走者一掃の右中間三塁打を許すなど5失点。2番手では涌井を6年ぶりとなる中継ぎで投入したが、山川に2ランを被弾した。10連勝中だったニールからは取り返せない点差が開き、借金1で終戦。だが最後まで3位を争い、消化試合は1つもなかった。 井口資仁監督は「CSは逃したが、いい経験ができた。1位と4位の差を感じた試合だった。まだ優勝には大きな壁が立ちはだかる。来年こそ」と話し、昨季からの進歩を認めた。

◆西武源田壮亮内野手が堅守と犠打で連覇に尽力した。「うれしいです。今年の方がもつれた分だけ、昨年より緊張感があった」。 主に2番としてリーグトップの25犠打。昨季ゴールデングラブ賞を獲得した守備力も向上の一途だ。1年目に21失策も今季はここまで9。「ミスはもう考えない。1年目は引きずっていたけど、今はその日で終わりです」と精神面で成長した。入団から3年連続で30盗塁、3年間の通算安打数も468で史上最多と、すべてに安定した成績を収めた。

◆優勝へのマジックナンバーを「2」としていた西武がロッテに12-4で大勝し、2位ソフトバンクが楽天に2-4で敗れたため、西武の2年連続23度目(前身の西鉄時代を含む)の優勝が決まった。西武がリーグ2連覇するのは1998年以来21年ぶり。 セ、パともにCSは10月5日に開幕する。ファーストステージ(3試合制)はセがDeNAと3位チームが横浜スタジアムで、パは2位ソフトバンクと3位楽天がヤフオクドームで対戦。優勝した巨人と西武は9日に始まるファイナルステージ(6試合制)から出場する。

◆西武の誇る山賊打線が12安打12得点でロッテ投手陣を粉砕し、2年連続23度目のパ・リーグ制覇を果たした。移籍2年目の左腕小川龍也投手が、キャリアハイの55試合に登板してブルペンを支えた。3番手として7回2死から8回1死までの2/3回を無失点。今季は4勝1敗15ホールド1セーブ、防御率2点台の安定感で「長かったっす。優勝できてうれしい」。ブルペンでは年長の28歳は「みんなでつないでいこうという気持ちはあります」と一体感を強調。2年前の中日からの移籍会見で「小川獅子也になります」と宣言した「龍也」は「溶け込めてきてると思います」と笑顔だった。

◆西武の誇る山賊打線が12安打12得点でロッテ投手陣を粉砕し、2年連続23度目のパ・リーグ制覇を果たした。 公式会見のやりとりは以下の通り   -優勝した気持ちは 辻監督 連覇というのは、わがチームしか成し遂げられない。現実を見ますと戦力的にも、投手が抜け、センターラインが抜け、どう戦っていかなきゃいけないのか不安が大きかったです。昨年の方が、開幕してから首位を走ってきて、1度も2位に落ちることがないという状況。昨年の方がここまで来たら優勝しなきゃというプレッシャーが強かったです。 -今年の印象は 辻監督 一言でいうと強力打線。その中で一番心配したのは、キャッチャーが心配で。炭谷が抜け、森ができるのかなと。岡田がカバーしながらと思っていたら、その岡田が靱帯(じんたい)痛めた時に、トモヤ大丈夫なのかなとショックな出来事でした。 -連覇に向けてはどうだった 辻監督 本当に今年も他球団との力が均衡している、8月に入った頃から、Aクラス大丈夫かなと上下していたので、そこからの巻き返しはすごいものがありました。本心から言いますと優勝はしんどいなという心境でした。 -連覇は難しい? 辻監督 本当に難しいと思います。私の時代も1回しましたけどね。今はクライマックスというシステムがあって、そういう戦い方が難しくなっていると思います。 -連覇の要因は? 辻監督 選手の頑張りとしか言いようがありません。手綱を引くこともありませんし、ウマなりにノビノビとやったのが優勝した原因だとおもいます。   -優勝の思いを 秋山 キャプテンになったからということでないが、個人の成績として苦しいシーズンだったので、その分、喜びがあります。 -連覇と記録を達成 中村 優勝は本当にすごくうれしいです。記録はもう終わったんで、どうでもいいです。 -何度も優勝を経験 中村 何度もっていいますけど、そんなにですよ? 数えるほどです。 -去年との優勝の違いは 中村 ないです。全部が全部、優勝はうれしいですし、そこに差はないです。 -今日も最終回を任された 増田 やっぱりうれしいですし、1年間使っていただいたことに感謝して、楽しく投げようとマウンドに上がりました。みなさんに感謝して、正直うれしかったです。 -去年との優勝の違いはあるか 山川 僕も中村さんと一緒で、一緒ですね。正直、今日のホームランはうれしかったですし、点差が開いていたんで守りは楽に守れたんで、そこが一番良かったと思います。 -去年との技術的な違いは 山川 ホームランを狙って、去年はヒット打ててた。今年はホームランを狙ったら当たらなくなっちゃったんで、短く持って。 -今日も投げた 平井 ここまで使っていただいた監督、コーチに感謝したいです。今年1年、いろいろありましたし、終盤打たれる場面が多くて、野手の皆さんに迷惑をかけて申し訳なく。優勝できてホッとしてます。 -捕手として貢献した 森 しんどかったですね。途中岡田さんが抜けて、「どうしようかな」と思って。それでもずっと使ってもらって、何とか結果出したいなと思ってました。 -打撃で結果を残し続けた 森 守りと打撃と、全く別の物。別のスポーツと思う気持ちでしっかりできたんじゃないかなと思います。 -印象に残った試合は 秋山 今日の試合が印象に残ったと思います。ホークスが勝って、ウチが負けたら逆マジック。試合数とマジックが一緒は、マジックじゃない。余裕がない中で1週間くらい戦ってきた。それが終わって、勝って胴上げできたんで、印象的です。 中村 僕も今日の試合ですかね。最後ファウルフライがきて「よっしゃ、来た」と思ったら思いの外スピードが出てた。ウイニングボール、捕れなかったです。でも優勝の時は三振の方がいいんでね。良かったなと思います。 増田 今日ですね。 山川 沖縄(の試合)と、子どもが生まれた日にホームラン打ったのは同じくらいうれしいですね。 平井 僕も今日ですね。優勝が決まった日に、きっちり失点するのが僕らしいなと思います。 森 あまり思い浮かばなかった。自身初の1試合3本塁打を打って、しっかり負けましたけど...。 -優勝を意識した試合は 辻監督 ソフトバンク-楽天戦が4-1になった時ですかね。でも9回に入って、全然終わらない。後ろで「ノーアウト満塁です」と言われて、終わったと知った時にそうだと思いました。みんな一緒じゃないですか。

◆2年連続パ・リーグ優勝を果たした西武が歓喜のビールかけに酔いしれた。 辻監督、秋山主将らが出席した共同会見終了後に優勝祝勝会が25日の深夜零時25分過ぎから始まった。 辻監督は「みんなおめでとう。そしてありがとう。私からは感謝しかありません。今日は思う存分暴れてください」とあいさつ。その後、球団社長、秋山主将らによる鏡開きが行われた。 増田選手会長が「2連覇獲ったぞ~」のかけ声で、歓喜のビール掛けが始まった。 栗山は「苦しいシーズンだったが最後の最後にうれしい思いができた。何とか日本シリーズにいけるように頑張りたい」。4番で打点を稼いだ中村はビールの染みたTシャツ姿で「おいしっすね。これは。何回もやりたいっすね。本当にうれしい。何とか終盤4番を打たせてもらったけど貢献できたかなと思う」とビールの"おかわり"を求めていた。 記念Tシャツを着た選手たちは、ビールをお互いに掛けあい、用意された3000本がわずか約30分で泡と消えた。

◆西武の2連覇は、この男なくして成しえなかった。森友哉捕手(24)が、攻守両輪の活躍でチームをけん引した。 山賊打線の中核に座り打率リーグトップ、100打点超え。先発マスクはこの試合で126試合目と、シーズン通して扇の要を担った。辻監督のもと正捕手として成長。平成の「打てる捕手」巨人阿部に代わるように、令和元年、「打てる捕手・森」が誕生した。優勝を決める空振り三振の1球がミットに収まると、マウンドに向かって走りだした。扇の要として歓喜の瞬間を迎えた森。増田の胸に飛び込んだ。優勝を喜び、そしてかみしめた。「一番うれしいのは勝って優勝できたこと。本当に大変でした。正直、優勝できるとは思っていなかった。口では言っていたものの」。捕手では、菊池が抜けた投手陣をけん引。打者では主軸。両輪で戦い続けた。 「守りは守り、打撃は打撃。違うスポーツ」 今季、炭谷という大きな存在が連覇を目指すチームからいなくなった。「主力が抜けても勝たないといけない。ましてや銀さん(炭谷)が抜けた。その穴を何としても埋めたいとずっと思ってやってきた」。守備でのミスを打席で引きずることが大きな課題だった。だから正捕手として迎えた今季、考え方を変えた。 正捕手・森に大きく動きだしたのは3年前。辻監督が就任したときだった。それまでは打撃を生かすためにDHや外野コンバートもあった。秋元1軍バッテリーコーチから意思を確認され「キャッチャーで勝負したい」と伝えた。しかしその年の開幕直前、キューバ戦で死球を受け左肘頭(ちゅうとう)骨骨折。復帰まで半年かかった。10年ぶりに優勝した昨季、同監督は「友哉を日本一のキャッチャーにする」と、スタメンマスクで74試合に起用。土台ができた。 捕手と主軸打者。一人二役。負担も倍だった。試合後の選手ロッカー室では、頭も体も疲れ果てて天井をあおぐ日々。頼りにしていた同じ捕手で大阪桐蔭の先輩の岡田が8月に負傷離脱した。アニキ役がいなくなり、自覚と責任と同時に、負担も増したが岡田から言われた言葉を思い出す。「黙っているだけじゃ、なんも分からんぞ」。投手との対話の大切さ。そのためには自分が冷静でないといけない。打たれても、ミスをしても、投手の目を見て話しかけた。 今季初めて首位に浮上した直後の12日ソフトバンク戦、岡田がスタンドにいることを知ると、打席で岡田の登場曲「それが大事」を流した。「来てるって聞いたんでね。ずっと一緒にやってきましたから。みんなに思い出してもらえたらと思って」。二人三脚だったことに感謝の気持ちを示した。 信条はフルスイング。ただ失いかけたときがある。結果が出なくなると知らぬ間に顔を出す、小さく当てにいくスイング。「しっかり振れとったのに、プロのピッチャーを見ているとスイングが小さくなってしまう」。すると悪循環に陥る。「それで結果が出るかもしれないけど、自分のスタイルじゃなくなるのが怖い。活躍する選手はバットが振れている。すぐに結果が出るよりも、長い目で見た方がいい」。調子を落とすと、打撃練習ではスローボールで意識的に大きくフルスイング。あえてホームランを狙うことでフォームの崩れを防ぎ、好不調の波を最小限に抑えた。 扇の要とクリーンアップ。打てる捕手として開花した6年目。MVP級の活躍が、2連覇の原動力になったことは言うまでもない。令和元年森時代。新たな時代が幕を開けた。【栗田成芳】

◆西武がやった! 新黄金時代の到来だ!! 西武が辻発彦監督(60)のもと、パ・リーグ2連覇となる23度目の優勝を果たした。 最大8・5ゲーム差からの大逆転劇。最後は食らいつくソフトバンクを振り切った。連覇は97、98年以来21年ぶり。個性豊かな山賊たちを率いて強力打線を構築。手腕を発揮した。次なる目標は昨季敗れたクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ突破、そして08年以来11年ぶりの日本一だ。最後のボールは自ら託した。9回のマウンド。辻監督が向かっていく。増田に告げた。「楽しめよ」。心中も同じ思いだった。2死から三塁ファウルゾーンへの飛球を中村が捕り損ねると、ベンチから笑った。みんな笑った。連覇を託し、信じ続けた選手たちとともに2年連続パ・リーグ制覇。「今年はしんどい戦いになると思ってましたが、主力が抜けても勝てるんだと意地を見せてくれた。肉体と精神の強さが連覇につながった」。大逆転優勝をもたらした。 首位在位日数はわずか11日。「全然苦しくなかったよ、本当に。試合になったらいつも通りよ。昨年と比べれば、天と地ぐらい」。1度も1位を譲らなかった昨季のように、追われるプレッシャーはなかった。8月8日時点の順位は4位。「Aクラスに入ることしか考えられなかった」。追うしかない反攻の夏は、「決断」から始まった。 8月11日ロッテ戦。4番中村。打撃コーチが用意したラインアップに「よし、それでいこう」と即答した。同時にこれは、精彩を欠く山川の降格を意味する。我慢の7月。腹案を練っていた。「本当にチームをずっと支えていく真の4番にはまだ足りない。だからアイツに俺から何か言うことはない。まだまだだよ、というところ」。起用に情は入れない。打順組み替え後の勝率は、7割1分8厘。開幕前に掲げた1番金子侑・3番秋山も、5月に崩した。意地はあっても、執着はしない。「最後までお客さんが帰らない面白い野球をやる」。その信念があるから、勝負師になれる。 決断の土台は観察にある。試合前練習はノックバットを握り、ジッとフリー打撃を見つめる。目を配り、時に耳を傾け、現状を把握する。試合日の日課のランニング後は、相手先発の映像チェックに時間を割く。ペンを走らせながら、攻略のイメージを練り上げる。 勝つための選択の結果、レギュラーメンバーはほぼ固定され、8選手が規定打席に到達した。しかし、同時に各選手の体への負担は大きくなる。シーズン終盤は、トレーナーからコンディションを聞く日々。「あんまりこっちが『行け行け』とも言えないしね」。休養と途中交代を巧みに使い、やりくりした。 代えがきかないのは選手だけではない。春季キャンプでは打撃投手やトレーナーらを「みんなでメシを食ってこい」と送り出した。支払いだけで、その場には行かない。「話しづらくなるやろ」。10度、夜空に舞った胴上げ。その輪にいなかった、裏方の支えに感謝を忘れたことはない。 座右の銘は「人生、タイミング」。西武の黄金時代を担い、95年オフに戦力外となった。複数球団から誘いがあったが「俺は最初にオファーをくれたところに行くって決めているから」と、1番手で声を掛けてくれた野村監督のヤクルトを選んだ。現役引退後、06年に侍ジャパンのコーチのオファーを受けたときも同じ。直後に楽天の監督に就任する野村監督からコーチの要請がきたが、信念を貫いた。「野村さんには今でも言われるよ。俺の誘いを断りやがったって」。恩師からであっても、自分を曲げるわけにはいかなかった。 試合前の君が代斉唱では、天に向かい、心の中で言う。「おやじ、見てる? 楽しんで。俺は今日も頑張るから」。監督就任1年目の17年2月1日に亡くなった父廣利さんに、勝利を願うことはない。勝つことは、つかみ取るもの。昨季、涙で終えたCSファイナル。「また、ここまで来ることができた。さらにチームを1つにして、勝ち抜いて日本シリーズに行けるように全力で頑張ります」。もう2度と、優勝ペナントを悔し涙でぬらすわけにはいかない。【栗田成芳】

◆西武の誇る山賊打線が12安打12得点でロッテ投手陣を粉砕し、2年連続23度目のパ・リーグ制覇を果たした。社会人で開花した遅咲き右腕の西武平井克典投手が、歓喜の涙を流した。8回1死から、今季81度目の登板。優勝の瞬間、感無量の表情で目を潤ませた。「しんどかった。無我夢中で走ってきて、最後の方は打たれて、優勝できなかったらどうしようと重圧もあった。いろんなものから解放されました」。 高校、大学時代は大舞台と無縁だった。社会人1年目のサイドスロー転向が飛躍の転機で「心機一転、再スタートのきっかけがつかめた」。愛知産大4年の5月下旬。進路未定の中、都市対抗予選が行われていた愛知・岡崎市民球場へ足を運んだ。試合に敗れたホンダ鈴鹿の甲元訓(さとる)監督(48=現統括GM)に「ここでやりたいです!」と入部を直談判。この熱意が採用の決め手となったが、現実は厳しかった。1年目の9月に同監督から「このままじゃ社会人で通用しない。ましてプロなんて」と言われサイド転向を決心。変則右腕が手薄だったこともあって登板機会が次第に増え、実戦を重ねることで制球力も安定した。さらに大学時代から「キャッチャーが捕れないほどキレていた」(甲元氏)というスライダーの威力もアップ。3年目にはエースに成長し、プロの扉が開いた。そしてプロ3年目。「神様、仏様、平井様」と呼ばれるまでになった。 甲元氏は、成長した教え子の姿に「気が強くて投手の素養があり、人懐っこくて謙虚で律義」とべた褒め。平井は「甲元さん、話を盛り過ぎますからね」と苦笑しながらも、感謝を忘れない。リーグ連覇を支えた27歳。次は、昨年果たせなかった日本一の吉報を恩師に届ける。【鈴木正章】

◆西武V2の最大の原動力には、12球団NO・1の破壊力を持つ強力打線が挙げられる。確かに1番から6番までを打った打者の顔ぶれには、そうそうたるメンバーが並ぶ。1~6番の平均打率は2割8分1厘の好数字。一方で、7番以下を打った打者の平均打率は2割3分4厘に沈む。その中でチームを救ったのが、8月11日から7番に座った山川の存在だった。 「7番山川」の成績は、26試合で打率2割7分4厘、7本塁打。山川の力を考えれば、抜き出た数字ではない。しかし、西武打線の特徴として8、9番には守備と走塁を重視した木村、金子侑が並ぶことが多い。2選手の打率は木村が2割2分2厘で、金子侑が2割5分1厘。木村は長打率こそ3割4分6厘だが、101三振で出塁率は2割7分3厘。金子侑はリーグトップの41盗塁も、長打率はパ規定打席到達者で、1人だけの2割台(2割9分2厘)。「打つ」だけにこだわるなら、とてもレギュラーと呼べる数字に及ばない。特に外野手は打撃優先とされるポジションだけに、物足りなさは残る。 当然、相手バッテリーは8番、9番が打てないのだから、7番打者にはのびのびと、際どいコースを狙いながら攻められる。選球眼の悪いタイプは特に苦しみ、7番時の中村は打率1割7分4厘(23打数4安打)で、メヒアは1割6分7厘(12打数2安打)。持ち味を発揮できなかった。 その中で山川は結果を示した。今季は40発100打点超えの一方で、4番時の打率は2割4分5厘。全試合4番だった昨季(2割8分1厘)を下回った。しかし、7番で力を発揮。打線のウイークポイントをカバーし、勝利につなげた。「7番山川」試合は20勝6敗。シーズン終盤のソフトバンク猛追、そして逆転Vに大貢献した。【小島信行】

◆西武ニールが大一番で自身の連勝を11に伸ばす力投をみせ、外国人投手のシーズン最多連勝記録に並んだ。6回を8安打3失点(自責1)にまとめ12勝目。打線の大量援護に守られての勝利に「今日は苦しいピッチング。野手のみんなが守備でも打撃でも頑張って助けてくれた」と感謝した。 この日までに、球団は同投手に対し契約延長オファーを出す方針であることが判明。来日1年目の今季は、序盤こそ日本の野球に苦戦するも、6月以降は負け知らずで勝利を重ね、チーム勝ち頭として逆転優勝の立役者となった。球団幹部は「もちろん延長したいと思っている」と認め、複数年契約を含めて残留交渉に臨む可能性もある。一方で米メジャー複数球団も右腕の獲得に興味を示している。巨人からカージナルスに移籍したマイコラスが活躍していることから「第2のマイコラス」と注目を集めており、日米での争奪戦となる可能性もありそうだ。 ▼ニールが6月20日中日戦から11連勝。外国人投手のシーズン11連勝は、64年スタンカ(南海)15年マイコラス(巨人)18年ボルシンガー(ロッテ)に並ぶ史上4人目のタイ記録で、西武では88年郭泰源の10連勝を抜いて最長となった。なお西武投手の11連勝は83年の高橋直樹以来で36年ぶり4人目(5度目)。

◆西武の秋山が二回に3点三塁打を放った。2-0としてなおも1死満塁で1ボールから二木の低めへの直球を完璧に捉えて中越えへ運んだ。走者一掃の一打で三塁まで到達すると腕を突き上げ「みんながつないでくれた場面で打てたことが良かった」と安堵した。  今季は得点圏に走者を置いた場面で思うような結果を出せていなかった。「技術が足りないところはある」と悩み続けたシーズンだったが、大事な試合で快音を響かせた。  今年は主将としてシーズンを戦った。熾烈な優勝争いの中で「一本の安打とか、守り切った時の一体感はこの時期になって高まっている。今年一の組織力になっている」とチームの成長を感じながら、プレーでけん引している。

◆西武が2連続23度目(前身の西鉄時代を含む)の優勝を飾った。  熾烈な優勝争いを西武が制した。マジック2で迎えた西武が二回に打線が爆発。1死一、二塁から栗山が中前先制打、なおも満塁で金子侑が左前適時打を放つと、続く秋山が中越の適時三塁打を放ち、この回一挙5点を奪った。さらに三回、無死一塁で山川が左スタンドへ43号2ランを放ちリードを広げた。  投げては先発のニールが6回8安打3失点と粘りの投球を見せると、最後は増田が試合を締め胴上げ投手となった。   優勝を決め10回中を舞った辻発彦(60)は「今年始まって、連覇という大きな目標に向かって選手たちと出発して、(シーズン)中盤は本当に苦しかったんですけど、選手たちの夏場からの頑張りは、私たちがビックリするぐらい頑張ってくれた」と連覇を喜んだ。

◆西武の山川が本塁打王争いを独走する43号2ランを放ち、優勝を引き寄せた。5-0三回無死一塁で涌井の高めの速球を逃さず、西武ファンの待つ左翼席にたたき込み「大事な試合でホームランが打てて良かった。うれしい」と顔を上気させた。  不振で8月11日に4番打者を外れた。「4番には戻りたい」とこだわりを口にしつつ、中軸の後を打って調子を取り戻し、貢献した。

◆パ・リーグは24日、優勝へのマジックナンバーを「2」としていた西武がロッテに12-4で大勝し、2位ソフトバンクが楽天に2-4で敗れたため、西武の2年連続23度目(前身の西鉄時代を含む)の優勝が決まった。西武がリーグ2連覇するのは1998年以来21年ぶり。  辻監督が就任3年目の今季は前半戦を3位で終えるなど苦しんだ。だが、中村、山川、森と3人が100打点を超えるなど強力打線を武器に最大で8・5ゲーム差つけられていたソフトバンクに追い付き、終盤の競り合いを制した。 ソフトバンク・工藤監督 「西武は打線の爆発力・得点力の高さ・粘り強さが特徴。その勢いを止められなかった。ホークスは若手が台頭し、満身創痍でも全力プレーなど、選手は精いっぱいやってくれた。勝たせてあげられなくて申し訳ない」 楽天・平石監督 「打線がつながるチーム。昨年もそう、今年もそうだが打線がいい。どんなにこちらがリードしていたとしても、どこ(の打順)で火が付くか分からないし、嫌だった」 ロッテ・井口監督 「西武は点を取らないと勝てないチームだった。交流戦の時期は故障者が出て苦しかった。大きな連敗もなく、一歩ずつ成長してきた。過程となるシーズンになったが、目標はそこではない」 日本ハム・栗山監督 「全員一丸で攻撃的な野球を貫き通していた。投手も含めて素晴らしいチーム力だった。今季は悔しい思いをしながら、いろいろ学ばせてもらった」 オリックス・西村監督 「切れ目のない打線が印象的。下位打線も強力で、ビッグイニングを平気でつくれる打線は何点リードしていたとしても気が抜けなかった。走攻守、全てにおいて素晴らしかった」

◆西武のニールが6回を8安打3失点で粘り、自身11連勝で12勝目を挙げた。一、二回を三者凡退に抑えて打線の援護を呼び込むと、その後は打たせて取り「苦しい投球だったが、何とか3点で抑えられて良かった」と胸をなで下ろした。  来日1年目で黒星が付いたのは4月9日の楽天戦だけ。驚異的な勝率で貢献し「長いシーズン、いい時もあれば悪い時もある。野手のみんなが守備でも打撃でも頑張って助けてくれた」と感謝した。

◆ロッテは最終戦に大敗して4位が確定し、クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消えた。西武の胴上げを目の前で見せつけられ、3年ぶりの勝率5割以上も逃した。井口監督は試合後のセレモニーで「まだまだ優勝するためには大きな壁がある。来年こそは、優勝をつかみたい」と話した。  二木が二回につかまり、1回2/3を投げて5失点でKOされた。大一番で今月9日以来の先発だったが、リーグワーストの10敗目を喫し「大事な試合でこういう展開にしてしまい、本当に申し訳ない」と肩を落とした。

◆西武の栗山は二回1死一、二塁で中前へ先制適時打を放ち、チームに勢いを呼んだ。大一番での価値ある一打を「みんな緊張していたと思うけど、何とか点を取りたいという気持ちがいい結果につながった」と喜んだ。  西武一筋18年目で、今季は球団の通算最多安打記録を更新した。大逆転でのリーグ連覇に「信じられない。夢を見ているような気分」と感無量の様子だった。

◆西武の増田が8点リードながら九回を任され、最後はマーティンを直球で空振り三振に仕留めて歓喜を呼び込んだ。両手を挙げてガッツポーズをつくり「今まで経験したことがなかったので本当にうれしかった」と駆け寄ってきた森と抱き合った。  マウンドに上がった際には辻監督から直々にボールを託され「楽しんでこい」と声を掛けられた。1年間、抑えの座を守り抜き、自己最多の30セーブを挙げる。「チームに貢献したいという一心だった。最後まで自分の球を投げられた」とはじけるような笑顔を見せた。

◆西武の中村は8月11日から4番に座って打線を引っ張り、30本塁打、123打点で連覇に貢献した。4本の満塁本塁打を放つなど勝負強さを発揮し「ほぼ一年間できたし、しっかり貢献できた」とうなずいた。  九回2死の守りでは三塁側ファウルグラウンドへの飛球に滑り込んだが、勢い余って落下点を通り過ぎ、優勝を決めるウイニングボールを捕り損ねた。直後に増田が空振り三振を奪って締めくくっただけに、「三振の方がかっこよくない?」と照れ笑いした。

◆パ・リーグは24日、優勝へのマジックナンバーを「2」としていた西武がロッテに12-4で大勝し、2位ソフトバンクが楽天に2-4で敗れたため、西武の2年連続23度目(前身の西鉄時代を含む)の優勝が決まった。西武がリーグ2連覇するのは1998年以来21年ぶり。  辻監督が就任3年目の今季は前半戦を3位で終えるなど苦しんだ。だが、中村、山川、森と3人が100打点を超えるなど強力打線を武器に最大で8・5ゲーム差つけられていたソフトバンクに追い付き、終盤の競り合いを制した。 西武・後藤高志オーナーの話 「今年は主力が抜け、苦しい戦いを余儀なくされたが、最終的に優勝争いに絡んでくると確信していた。辻監督は素晴らしい監督。143試合を見据えて戦っていた。今年は是非、去年取り損なった日本一を奪回してほしい」 外崎 「前半は打撃で迷惑を掛けたけど、自分なりに考えて立て直すことができた。いい経験ができた」 金子侑 「ここを目標にしてやってきた。去年もうれしかったけど、今年はもっとうれしい」 平良 「こういう試合に投げさせてもらってありがたかった。CSでまた頑張る」

◆西武の森がウイニングボールをつかんだ。直球がミットに収まって優勝が決まると、増田に飛び付いて喜んだ。「主力が抜けた中での2連覇。正直なところ夏場までは優勝できると思っていなかった。取りあえずほっとしている」と言葉に実感を込めた。  首位打者争いでトップを走り、強力打線の中核を担った。それでも「バッテリーとしての課題がたくさんある。短期決戦は2年連続で負けているので勝てるようにやらないと」と正捕手としての自覚を口にした。

◆西武の救援陣を支えた平井が八回途中から登板した。2安打を浴びて1失点したものの、自身が持つパ・リーグ記録を更新する81試合目の登板を飾った。歓喜の輪に加わり「いろいろなものから解放された気持ちになった」と自然と涙がこぼれた。  自他共に認める"投げたがり"で、同点でも、追う展開でも、喜んでマウンドに向かった。「打たれる試合が多くて申し訳ない気持ちもある」と四つの黒星を気にかけたが、辻監督は「増田とともにブルペンの中心になってやってくれた」とねぎらった。

◆西武は千葉市内のホテルで祝勝会を開催した。辻監督の「思う存分暴れてください」とのあいさつに続き、増田が「最高のビールかけをしたいと思います」と乾杯の音頭をとり、歓喜のビールかけがスタート。用意された3000本のビールが次々と泡と消えた。

◆西武が昨年に続く、通算23度目(前身球団を含む)のパ・リーグ優勝を決めた。巨人の46度(1リーグ時代の9度を含む)に次いで2番目で、パでは最多(2位はソフトバンクの18度)。  西武のリーグ連覇は1997、98年以来21年ぶり6度目。球団最多は90-94年の5連覇。  ソフトバンクと最大8.5あったゲーム差を逆転し優勝。8.5差以上からの逆転優勝は、2016年の日本ハム(最大11.5差)以来3年ぶり10度目で、西武では98年(同10差)以来21年ぶり4度目。  今季は開幕から3連敗し、チーム130試合目の9月11日に初めて首位に立った。130試合目でシーズン初首位は、08年の巨人の131試合目以来で、パでは01年の西武の129試合目を上回り最も遅かった。優勝決定までの首位の日数は11日で、08年の巨人と並ぶ最少日数。  辻監督は就任2年目から2年連続でリーグ優勝。監督1年目から3シーズンで2度以上優勝した監督は広島・緒方孝市(15-17年=4位→1位→1位)に次いで13人目。西武では森●(=衣へんに氏)晶(86-88年=1位→1位→1位)に次いで2人目。

◆大逆転Vだ!! 西武が24日、ロッテ最終戦(ZOZOマリン)に12-4で大勝し、2位・ソフトバンクが楽天に敗れたため、2年連続23度目(前身の西鉄時代を含む)の優勝が決まった。  祝勝会を開催した。辻監督の「思う存分、暴れてください」とのあいさつに続き、選手会長の増田が「2連覇、取ったどー!!」と乾杯の音頭を取り、ビールかけがスタート。熊代が森と中村のものまねで会場を盛り上げた後、「CSも日本シリーズでもビールかけできるように頑張っていきましょう!」と大きなかけ声で締めた。用意された3000本のビールは25分で泡と消えた。 (千葉市)

◆最終戦に大敗して4位が確定し、クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消えた。先発の二木が二回途中5失点で降板。計12失点と投手陣が踏ん張れなかった。西武の胴上げを目の前で見せられ、3年ぶりの勝率5割以上も逃した。井口監督は試合後のセレモニーで「力不足です」と謝罪。「来年こそは優勝をつかみたい」と3年契約の3年目となる来季を見据えた。

◆平井は八回1死から、自身の持つパ・リーグのシーズン最多登板記録を更新する81試合目の登板。2安打を浴びて1点を許し、「無我夢中で走ってきたけど、最後の最後に打たれた試合が多くて申し訳なかった」と苦笑いした。ブルペン陣を支えた3年目右腕は「まだ優勝の実感がない。いろいろなことから解放された感じ」と、気持ちを切り替えてポストシーズンに臨む。

◆守護神の増田は、今季初めてマウンドへ足を運んだ辻監督からボールを手渡され、8点リードの九回を三者凡退。2死からマーティンを空振り三振に仕留めると、両手を夜空に突き上げた。今季は30セーブ。「楽しめたかどうか分からないけど、自分の投球はできた。皆さんに感謝です」と充実感に浸った。

◆秋山が2安打5打点。二回1死満塁で、中越えに走者一掃の三塁打を放ち「みんながつないでくれた場面で打てたことが良かった」。六回に適時打、七回は押し出し四球で追加点をもたらした。初めて主将で迎えた今季、3番を務めた開幕直後から好機で打てずに深く考え込み「自分の形が見えなくなった」。それでも立て直し、179安打と112得点はリーグ1位。優勝の立役者の一人になった。

◆天国と地獄を味わってきた山川穂高内野手(27)が、最後に栄光をつかんだ。5-0の三回無死一塁で涌井の144キロの直球を捉え、左翼席に43号2ラン。海沿いのスタジアムに「どすこい!」の絶叫が響いた。  「ぼく自身、苦しんだ1年。きょうのために必死に頑張ってきた。報われますよね」  「シーズン50本塁打」の目標を掲げた今季は開幕から本塁打を量産し、43試合目で早くも20本塁打に到達。5月15日には第1子となる長女の真央ちゃんが誕生し、公私ともに充実した日々を送っていた。  しかし、交流戦で厳しい内角攻めに遭い、成績は下降線をたどった。8月11日のロッテ戦からは4番を外れた。優勝を争う終盤戦では「ホームランよりも勝ち」と一発狙いを封印すると宣言。チーム打撃に徹してきたが、V決定試合では持ち味を発揮した。  2年連続の本塁打王君臨は確実。日々、自らと向き合いながらリーグ連覇に貢献した。

◆この男の存在なくして、逆転優勝はありえなかった。プロ18年目の中村剛也内野手(36)は、リーグトップの123打点。復活した打棒でリーグ連覇に導いた。  この日は5打数無安打に終わったが、"見せ場"は作った。九回2死から三塁ファウルゾーンに上がった打球に滑り込んで捕球できず、「(優勝決定は)三振の方がかっこよくない?」と照れ笑い。「貢献できた。普通にうれしかったです」と、ひょうひょうと喜びを表現した。  満塁で無類の強さを発揮した。昨季までにプロ野球記録となる17本の満塁弾を放っていた大砲は、今季はさらに3本を上乗せ。8月11日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2年ぶりに4番に座ると、勝負の9月にも2本の満塁弾を放ち、辻監督も「打つと思っていたよ」と繰り返した。  赤田打撃コーチは「手が動くようになって、しっかりボールとの距離が取れるから外の球にもスッと(バットが)出る。右方向に打てるようになって打席の内容がよくなっている。中村の姿を見て山川も勉強していますよ」とたたえる。  「皆さんが思っている以上に、小さい頃からホームランを打つ練習をしてきた。まだまだ打てる」と変わらぬ自信をのぞかせる36歳。2008年以来の日本一に向け、当時を知る頼もしい4番がいる。(中田愛沙美)

◆大一番でも粘りの投球が光った。ザック・ニール投手(30)が8安打を許しながらも、6回3失点(自責点1)の好投。わずか1敗で12勝目を挙げた。  「きょうは苦しいピッチングだった。野手のみんなが守備でも打撃でも頑張って助けてくれた」  三回までに7点の援護をもらったが、三回に初失点。続く2死一、三塁のピンチでマーティンの右中間への飛球を右翼手・木村が好捕した。四回にも1点を失った後、続く1死満塁では田村を三ゴロ併殺打に仕留め、大崩れはしなかった。  6月20日の中日戦から11連勝とし、球団のシーズン最多連勝記録を更新。昨年のボルシンガー(ロッテ)ら外国人の最多連勝記録に並んだ。  辻監督の優勝インタビューをベンチから笑顔で見つめていた右腕には、ポストシーズンでも"負けない男"の期待がかかる。 (松尾雅博)

◆西武・森友哉捕手(24)が攻守で大きな飛躍を遂げ、リーグ2連覇に貢献。昨季の74試合を大きく上回る126試合でスタメンマスクをかぶり、投手陣を引っ張った。打撃では打率.329がリーグトップで、23本塁打と105打点は自己最多。得点圏打率.411の勝負強さが光り、MVPの最有力候補だ。  抑えの増田がマーティンから空振り三振を奪う。九回2死。V2が決まった瞬間、森はマスクを脱ぎ、マウンドへ突進。守護神と抱き合い、歓喜の輪に加わった仲間にもみくちゃにされた。  「とりあえず、ホッとしています。正直、優勝できると思っていなかったけど、できてよかった」  "打てる捕手"として揺るぎない地位を築いた。昨オフ、長年、正捕手を務めた炭谷が巨人にFA移籍。開幕時点で23歳だった森の双肩に連覇が託された。  年間を通してリードに頭を悩ませた。投手陣の大黒柱だったエースの菊池(現マリナーズ)が抜け、昨季16勝で最多勝の多和田、同11勝の榎田も2軍調整が続いた。自分より若い高橋光や今井、D1位・松本航(日体大)らを懸命に引っ張ったが、チーム防御率はリーグワーストだった昨季(4・24)より悪化する4・33。「ずっと、しんどかった」と本音を隠さなかった。  一方で「打撃は好不調の波が少なかった」。得点圏打率はリーグトップの・411。8月28日から4試合連続本塁打を放ち、逆転優勝への道を切り開いた。正捕手の重責を担いながら、162安打、23本塁打、105打点は自己最多を大きく更新した。  開幕前から「首位打者を取れよ」と、森に指令を送っていた山川が「(森が)バットを振ればヒットになる」と驚くほどのバットコントロールの持ち主。新人の頃から指導する秋元バッテリーコーチは「序盤は『体が張った』ということも多かったけど、後半は体の状態が安定してきた。投手としっかりコミュニケーションを取って、考えながらやっている。それでいて首位打者(打率でリーグ1位)。たいしたもんだよ」と賛辞を惜しまない。  打率・329。捕手での首位打者を獲得すれば、1965年の野村克也(南海)、91年の古田敦也(ヤクルト)、2012年の阿部慎之助(巨人)に次いで4人目。優勝とともに、その輝きは一層増す。 (花里雄太)

◆大逆転Vだ!! 西武が24日、ロッテ最終戦(ZOZOマリン)に12-4で大勝し、2位・ソフトバンクが楽天に敗れたため、2年連続23度目(前身の西鉄時代を含む)の優勝が決まった。2連覇は1998年以来21年ぶり。最大で8.5ゲーム差をつけられていた鷹を大逆転し、就任3年目の辻発彦監督(60)は昨季に続く栄冠を手にした。チームは日本一を目指し、10月9日に始まるクライマックスシリーズファイナルステージ(6試合制)から出場する。  奇跡の逆転Vだ。西武がリーグ2連覇。辻監督は鍛え上げた獅子たちの手で10度、幕張の夜空に舞った。  「勝って優勝を決めることができて幸せです。8月に入った頃までは、3位以内というところまでしか目標に挙げられなかった。終盤の頑張りは私たちがびっくりするぐらい」  優勝へのマジックナンバー「2」で迎えたロッテ戦。二回に「獅子おどし打線」が爆発した。栗山の先制打を皮切りに5点を先行。三回に山川の43号2ランが飛び出すなど得点を重ねた。辻監督は九回、今季初めてマウンドに向かう。守護神の増田に白球を手渡し「この1イニング、優勝(胴上げ)投手として楽しみなさい」と激励。先に2位・ソフトバンクが楽天に敗れていたため、勝てば優勝が決まる状況で増田は3人で料理。ドラマを完結させた。  悲劇の10・21-。あの悔し涙から連覇への挑戦が始まった。昨季は10年ぶりの優勝を果たしながら、CSファイナルステージでソフトバンクに敗退。日本シリーズへの道が断たれた。本拠地のファンを前にシーズン終了のあいさつに立った辻監督は両手で頭を抱え、号泣。40秒近い沈黙の末に発した言葉は「悔しいです...」。99年にヤクルトで現役を退いた際も涙はなかった指揮官が男泣き。「ベンチでウルウルきていたけど、まさかだよね」と自身でさえ驚くほど、敗戦のショックは大きかった。  逆襲を誓った令和元年のシーズン。V1メンバーから菊池(現マリナーズ)、浅村(現楽天)、炭谷(現巨人)と主力級が抜け、開幕前の下馬評は低かった。7月9日の時点で4位。首位・ソフトバンクに最大8・5ゲーム差をつけられた。  「このままじゃ勝てない」  大きな転機は8月11日のロッテ戦。残り40試合のタイミングで、昨季から不動の4番だった山川を7番に降格させ、代わって中村を据えた。昨季47本塁打の山川は今季も開幕からアーチを量産したが、7月に入って不振に。辻監督はもがく姿を見ながら交代のタイミングを探った。  「山川だけはずっと代えないつもりでいたけど、あいつらしさが出ていなかった」。1カ月以上悩んだ末に出した結論だったが、本人には4番を外す理由や意図は伝えなかった。「本当にチームを支えていく真の4番にはまだまだということ」。悔しさを乗り越え、誰からも認められる4番になれとのメッセージを打順変更に込めた。  山川をあえて厳しく突き放した半面、60歳の指揮官は息子ほど年齢が違う選手との一体感を大切にした。象徴的だったのが130試合目となった9月11日のソフトバンク戦(メットライフ)。緊張感が漂う首位争いの中、試合前の円陣にムードメーカーの熊代が辻監督のお面をかぶって登場。昨季のCS敗退時に流した涙とセリフを再現したのだ。  笑いに包まれた西武ナインはこの試合に勝ち、今季初めて首位に浮上した。辻監督は怒るどころか、帰りの駐車場で熊代を見つけると「(年俸は)10万円アップだな」とニヤリ。イジられても選手が戦いやすい環境を整えればいい。礎となっていたのは自身の経験だ。  名二塁手として西武の黄金期を支えた現役時代。優勝を争っていた、あるシーズンの終盤戦だった。辻監督は大事な局面でバントを失敗。帰宅後も眠れぬ夜を過ごした。すると一本の電話が鳴った。「ここまで一生懸命やってきたんだ。誰も文句なんて言わないよ」。電話の主は当時の森祇晶監督。愛情が身に染みた。  「今までの言葉で一番効いた。野球観が変わった」。自身が指導者となってからは自分の家族のように選手と接し、距離感を縮めてきた。  辻野球の結晶ともいえるV2を果たし、「さらにチームを一つにして日本シリーズに行けるように頑張ります」と誓った。そこに涙はない。まだ夢の続きがある。 (花里雄太) ★亡き両親に優勝を誓った  辻監督は今年1月、2017年2月1日に86歳で亡くなった父・広利さんの三回忌法要で「今年も頑張るよ。優勝するから、おふくろと仲良く見ていてね」と約束した。首位に立っていた9月18日。プロ2年目の1985年に亡くなった母・フミさんの命日には、心の中で「"頑張るよ"って言っただけ。お願いすることじゃないからね」。昨季は母に「勝たせて」とお願いしたが、今季は選手の底力を信じた。 ★辻監督・昨季の涙のあいさつ  10月21日のCSファイナルステージ第5戦(メットライフ)。九回に1点差に詰め寄ったが、ソフトバンクに5-6で敗戦。日本シリーズ進出を逃した。試合後のセレモニーで涙ながらに言葉を詰まらせ、「来年は必ず日本一を勝ち取るために一丸となって、これから、もう来年にスタートしたいと思います」と雪辱を誓った。 ★西武球団史  パ・リーグが発足した1950年、福岡市を本拠地に誕生した西鉄クリッパースが前身。翌年から西鉄ライオンズに改称した。黒い霧事件を境にチームが弱体化。親会社が72年に球団経営を手放し、チーム名は太平洋クラブ、クラウンライターと変わり、78年10月に西武が買収。本拠地を埼玉県所沢市に移した。  広岡監督を迎えた82年から2年連続日本一に。86年から指揮を執った森監督の下、9年間で8度のリーグ優勝(うち日本一6度)を果たし、黄金時代を築いた。  95年からは東尾監督となり、7年間で2度のリーグ制覇。2002年に就任した伊原監督は1年目でリーグ優勝を果たした。伊東監督が就任した04年はプレーオフを制してリーグ優勝し、日本一に。08年から指揮を執った渡辺監督も1年目にリーグ優勝して日本シリーズを制した。球団オーナーは後藤高志氏。

◆投打の柱、菊池と浅村が抜けての連覇。正直なところ予想はできなかった。素直に祝福し、敬意を表したい。  忘れられないのは、開幕前のテレビ番組。辻監督が開幕オーダーを発表したとき、中村が8番! 私は驚いたし、中村も「えっ!?」という表情だった。辻監督にすれば、クリーンアップを2つつくりたかったのだろう。  それが見事に当たり、発奮した中村も4番の座を奪い返して以降、MVP級の活躍。そうした活性剤と変遷があった分、打線はますます強力な形へと進化したと思う。  これだけ多くの強打者がいながら「2番最強説」に流されることもなかった。9番・金子侑から1番・秋山、2番・源田へと、足の使える打者でチャンスメークし、中軸へとつなげる。黄金期の西武野球そのままの攻撃で、得点力に拍車をかけたことも見過ごせないポイントだ。  投手陣をカバーして余りある打力と機動力。野球本来のオーソドックスな攻撃。西武の優勝には、辻監督の経験と信念がたっぷり詰まっている。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
80611 0.567
(↑0.003)
優勝
(-)
1755
(+12)
688
(+4)
173
(+1)
134
(+1)
0.266
(-)
4.330
(↑0.02)
2
(-)
ソフトバンク
76614 0.555
(↓0.004)
2
(↓1)
2578
(+2)
556
(+4)
182
(+1)
113
(-)
0.252
(-)
3.630
(↑0.01)
3
(-)
楽天
70684 0.507
(↑0.003)
8.5
(-)
1607
(+4)
577
(+2)
139
(+1)
46
(+2)
0.251
(-)
3.750
(↑0.02)
4
(-)
ロッテ
69704 0.496
(↓0.004)
10
(↓1)
0642
(+4)
611
(+12)
158
(-)
75
(-)
0.249
(-)
3.900
(↓0.04)
5
(-)
日本ハム
64725 0.471
(↑0.004)
13.5
(-)
2555
(+3)
580
(+1)
92
(-)
48
(-)
0.251
(-)
3.790
(↑0.02)
6
(-)
ORIX
59746 0.444
(↓0.003)
17
(↓1)
4530
(+1)
628
(+3)
100
(+1)
120
(+1)
0.244
(-)
4.110
(↑0.01)