ロッテ(☆6対1★)日本ハム =リーグ戦25回戦(2019.09.23)・ZOZOマリンスタジアム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
日本ハム
0000001001910
ロッテ
31101000X61200
勝利投手:石川 歩(8勝5敗0S)
敗戦投手:堀 瑞輝(4勝4敗1S)
  DAZN
チケットぴあ ロッテ戦チケット予約 日本ハム戦チケット予約
◆ロッテは初回、鈴木、井上、清田に適時打が飛び出し、3点を先制する。続く2回裏には井上が再び適時打を放ち、序盤から試合を優位に進めた。投げては、先発・石川が今季8勝目。敗れた日本ハムは、投打ともに精彩を欠いた。なお、引退試合を迎えたロッテの福浦は、7番・DHでスタメン出場。9回にはファーストの守備につき、最後の勇姿を見せた。

◆ロッテ福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が昨季2000安打を達成した8月22日の西武戦以来の1軍合流。引退セレモニー実施日のこの日、日本ハムとの最終戦に先発出場する。 多くの報道陣が集まる中、午前10時18分にグランドに姿を現した。アップを済ませた後、ノックで軽快な一塁守備を見せると、打撃練習は40スイング中1本の柵越えを放った。「正直さみしい気持ちが強い。バッティングピッチャーの一生懸命投げてくれた球で詰まっている。試合は不安です」としながらも「何とかチームが勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。 井口監督は「福浦が入って、チームが1つになってこの2試合勝てたらと思う。基本的にはフルで(出場を)考えている」とスタメン起用を明言した。

◆ロッテ福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が、自身の引退セレモニー実施日に「7番指名打者」で先発出場した。 福浦を勝利で送りだそうと言わんばかりに、打線は1回からつながり3点を先制。1回1死一、二塁で第1打席へ入った。2ボールからの3球目の初スイングは139キロをファウル。もう1球ファウルを挟んだカウント2-2から、142キロの直球をたたき、遊ゴロに倒れた。 第2打席は3回の先頭。カウント1-2から144キロの直球を捉えたが、投ゴロに倒れ出塁ならず。 第3打席は5回無死一塁。右翼応援席からは美爆音で有名な母校習志野高校の「レッツゴー習志野」の福浦バージョン「レッツゴー福浦」の応援。2ストライクから2球粘った後の5球目、139キロの直球を捉え打球は右中間へ。大きな歓声が上がるも右翼手の守備範囲。右飛に倒れた。 第4打席は7回の先頭。スタンドからは割れんばかりの「福浦コール」。1ボールからの2球目129キロを高々と打ち上げた打球は風に戻され捕飛となった。7回終了で4打数無安打。

◆ロッテ福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)の引退セレモニー実施日で、福浦の小学5年生の次男が始球式を行った。 打席には福浦。投球前に帽子が飛ぶほどの強風で、電光掲示板には風速18メートルが表示される中、内角へ投じた球はワンバウウンドで捕手田村のミットに収まった。福浦次男は「緊張したけど、お父さんがバッターだったから投げやすかった。お父さんはいつも優しいし、かっこいいです。今日もヒットを打ってほしいなって思います」と言葉を弾ませた。

◆ロッテ福浦の引退セレモニー実施日。ロッテは初回、鈴木の適時打などで3点。2回は井上が適時打。日本ハムは3回まで無得点。 日本ハムはロッテ先発石川を攻略できず、6回まで4安打無得点。ロッテは5回、藤岡の適時打で加点。6点リードで終盤戦へ。 日本ハムは7回に1点を返すも及ばず。ロッテは福浦の引退を白星で飾り3位楽天に0・5差に迫った。石川が8勝目。日本ハム堀は4敗目。

◆ロッテ福浦和也内野手の引退セレモニーが行われた。この日、7番指名打者でフル出場した福浦は4打数無安打に終わったが、守りでは9回日本ハム平沼の一、二塁間を襲う強烈なライナーを横っ飛びのファインプレーで好捕し、ウイニングボールをつかんだ。 試合後の引退セレモニーでは井口監督らから花束が手渡された。 高橋由伸前巨人監督、巨人上原、元同僚のベニー・アグナヤニ、里崎、小林雅、大松、渡辺俊、今江、西岡、岡田、サブローからビデオメッセージで26年間のプロ生活にねぎらいの言葉がおくられた。 福浦は引退のあいさつの冒頭、セレモニーを企画してくれたロッテや日本ハム球団関係者へ感謝の言葉をつづった。「ロッテに入団して26年が経ちました。自分の力ではここまでこれませんでした。井口監督、今岡監督、コーチ、ともに戦った選手、これまで戦ってきた監督、コーチ、選手、同期、たくさんの人に支えられいい経験をさせていただき、ここまでこれた」と話した。 小学1年から野球を始め、丈夫な体を授けてくれた親や家族にも感謝しきりだった。 サブローらから花束を受け取り、場内一周では紙吹雪が舞う中、福浦コールに手を挙げて応えた。最後はチームメイトから背番号9と同じ9回の胴上げで千葉の夜空に舞った。

◆日本ハム栗山英樹監督が、ロッテの粋な計らいに感謝した。 福浦の引退試合が終了した直後、今季限りで現役引退する田中賢へ元同僚の岡とレアードが花束を贈った光景に「同じ野球人が敬意を持ち合うのは素晴らしい」と胸を熱くした。福浦には「(対戦相手としては)やっぱり嫌だった。技術的に本当に高いものがあった。(現役)26年はすごい。本当に、お疲れさまでした」とねぎらった。

◆今季限りで現役を引退する日本ハム田中賢介内野手が、日本での通算1500安打まであと4本とした。 関東でのラストゲームに6番DHでフル出場。7回先頭の第3打席で右翼線へ二塁打を放った。ロッテ福浦の引退試合と重なったが「本当にロッテのファンの方も毎打席声援をくれて、感謝しています。うれしかったですね」。 試合後には元同僚の岡とレアードから花束を受け取った。

◆日本ハム清宮幸太郎内野手が偉大な球界の先輩のラストゲームを胸に刻んだ。 ロッテ福浦の引退試合にフル出場。いつにも増した大歓声の中で打っては1安打、守っては強風に流された邪飛をスライディングキャッチするなどハッスル。「僕も、ああいう愛されるような選手になりたい」と気持ちを新たにしていた。

◆ロッテ福浦和也内野手が引退試合で4打数0安打に終わり、通算安打が2000本で現役を引退した。 00年駒田徳広(横浜)が9月6日に通算2000安打を達成し、通算2006本で引退したが、2000本ちょうどで引退するのは初めてだ。ちなみに、投手では藤本英雄(巨人)が55年10月11日広島戦で通算200勝を達成し、この登板を最後に通算200勝87敗で引退している。

◆ロッテが3位楽天とのゲーム差を0・5に縮め、逆転でのCS進出へ望みをつないだ。初回からチーム一丸となり3点を先制するなど打線がつながり6得点。 投げては先発石川が7回1失点でチームトップタイの8勝目を挙げた。井口監督は「初回からみんなしっかりいってくれたし、石川も丁寧に投げてくれた。明日は全員で1つの勝ちにこだわっていきたい」と力を込めた。

◆ロッテ福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)の引退セレモニーが23日に行われた。

◆千葉の誇りが26年間の現役生活に幕を下ろした。ロッテ福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が23日、1年ぶりの1軍戦となる日本ハム25回戦(ZOZOマリン)にフル出場。7番指名打者で先発し、9回にはDH解除で一塁守備に。ライナーをダイビングキャッチして勝ち試合を締めた。引退セレモニーでは9度宙を舞い、長年熱い声援を送り続けた千葉のファンへ、感謝の言葉をつづった。福浦コールが鳴りやまない。背番号9と同じ数だけレジェンドは舞った。引退決意から8カ月。紡ぐ言葉は同僚への感謝。そしてスタンドを埋めた、あるいはテレビの向こうから祈ったファンへの思いだった。「声援が力となり、勇気をもらい、今日まで僕の体を動かしてもらいました」。全方位に深々と頭を下げた。 出るつもりはなかった。1軍戦は1年間遠ざかる。前夜、電話が鳴った。井口監督だ。「明日スタメンね」。1度は断った。だが、球場で念押しされた。打撃練習後、緩んだ肘当てを締め直した。ぎりぎりまで最高の状態を模索。「4打席も立たせてもらった。CSがかかった大事な試合で。応えなきゃいけないけど、これが実力」。2001安打目はならず。でも向けられる視線は優しかった。 朝9時の球場入りからファンが迎えてくれた。第3打席では母校の名物応援歌、レッツゴー習志野がかかった。横っ跳びの華麗な一塁守備でゲームセットとすると、両ベンチから拍手が起こった。「足を引っ張ってしまったけど、勝てたことが本当にうれしい」。 2日間で3度、泣きそうになった。前日の浦和での胴上げ。妻と愛息2人からの手紙を読んだ朝。そして9回、益田がけん制を入れてくれた時。過ぎ去る一瞬一瞬を大切に刻み込んだ。 紙吹雪の舞うグラウンドを1周し、右翼スタンドに差しかかったころ。何度背を押されたか分からない、あのメロディーが流れた。 ♪俺達の福浦 一打に全て込めて 不屈の闘志を見せてくれ 千葉の誇り胸に 「これが最後なんだなあ」。ロッテ一筋26年。「ドラフト最下位からここまで来られて、たくさんの皆さんに送っていただいた。幸せな野球人生でした」。悔いは、ない。【鎌田良美】

◆多くの遺産を残しレジェンドが去る。通算2000安打のロッテ福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が現役を引退した。今季初の1軍は7番DHで先発し、4打数無安打もフル出場。DH解除で就いた一塁守備では美技を披露し、ロッテ一筋26年間の現役生活を締めくくった。チームは負ければCS進出が完全に消滅する可能性もあった一戦。福浦効果でチーム一丸となり、CS争いに踏みとどまった。一塁ミットを高く突き上げた。福浦は9回から一塁守備に就いた。2死一塁の15球目。一、二塁間を抜けそうなライナーをダイビングキャッチ。巧打者ながらゴールデングラブ賞3度の名手は、ウイニングボールを右手に収めた。「最高の野球人生だった。最後は体が勝手に反応した。もう少し打てると思ったが甘くなかった。これが今の実力かな」。4打数無安打。それでも試合後9度、宙に舞った男に悔いはなかった。 ZOZOマリンや2軍のロッテ浦和球場では、練習で意図的にポップフライを上げる選手が目立つ。福浦の教えだ。02年から取り入れ、いまだ続けるルーティン。「ずっと前だね。まだ高畠さんが生きている時だから」。そう振り返ったのは高畠導宏氏(享年60)。ソフトバンク小久保やオリックス田口らを育てた名コーチ。初めて打率3割を達成した翌年の02年にロッテで打撃コーチを務めた。「しっかり見るのが1つだし、下半身を使わないと上がらない。(打撃の)修正方法で一番足を使いたい時はそれをするね」。同氏はロッテを1年で退任。04年に膵臓(すいぞう)がんで亡くなった後も、教えを守り続けた。 初回に先制打を放った鈴木も、この練習の継承者。今年の石垣島キャンプ。調整期間として2軍で福浦と長く練習する時間があり取り入れた。今でも試合後の室内練習場で繰り返す。鈴木は「今日はやっぱり福浦さんのためにという思いもあった。すごい風が吹いていたが、あまり感じることなくできたのは、そういう思いがあったからだと思う」。最大風速18メートルの風にも全員が集中力を切らさず、3位に0・5差と迫った。 26年の現役生活を終えた福浦は「自分がかなえられなかったことは、リーグ優勝と井口監督の胴上げ。後は若い選手に任せたい」。築いた財産は、後輩たちに受け継がれた。こうしてロッテの歴史は続いていく。【久永壮真】 ○...チームメートの粋な計らいが目立った。あらかじめ決まっていた監督、コーチ、選手が「背番号9」を背負うだけでなく、野手はみな福浦と同じオールドスタイル。普段はロングパンツスタイルの清田、井上、マーティンらも「福浦流」で臨んだ。自主トレをともにする田村は登場曲をSMAPの「ありがとう」に変更し感謝を伝えた。

◆今季限りで現役を退く日本ハム田中賢介内野手(38)が、日本での通算1500安打に残り4本に迫った。 23日のロッテ25回戦(ZOZOマリン)に、6番指名打者で先発フル出場。7回先頭の第3打席で右翼線に二塁打を放ち、大台へ、また1歩前進した。石井の左前適時打で一矢報いる得点も刻み、関東では自身最後となる試合を笑顔で締めくくった。 この日は同じく今季限りで引退するロッテ福浦の引退試合。3万343人のファンで球場が埋め尽くされた。功労者をねぎらう「福浦デー」だが、田中賢も両チームのファンに後押しされた。「田中賢介」とコールされて打席へ向かう度に、拍手と大声援。「本当にロッテのファンの方も毎打席声援をくれて感謝していますし、うれしかったですね」。敵地で受けた敬意に、心の底から感謝した。 試合後は日本ハムで同僚だったロッテの岡、レアードから花束を渡された。岡とはシーズンオフの自主トレをともにするなど、親交のある間柄。感慨深い思いを胸に、抱き合った。「(岡が)号泣していたから、もらい(泣きし)そうになった。かわいがった後輩の1人なので、ぐっとくるものはありましたね」。今季出場は、86試合。この日までに12球場でプレーし、「さよなら」を告げたのはZOZOマリンで10球場となった。 チームはクライマックスシリーズ(CS)進出が断たれ、2年ぶりのBクラスが確定。だが、成績とは違う観点でのプロ野球の素晴らしさを日々、感じる毎日だ。節目の記録を目前にし「どうなるかわからないけど、とにかく変わらず、残りの試合もファンの人にしっかり見せられるように、全力でやりたいと思います」。残り3試合、力を全て振り絞る。【山崎純一】 ▼日本ハムは今季ロッテとの最終戦を敵地で戦い、デーゲーム全日程を終了した。24勝35敗3分けで、勝率は4割7厘。12年就任の栗山監督のワーストは13年の勝率3割6分5厘(19勝33敗1分け)で、勝率5割以下は4度目。

◆ロッテ福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が23日、引退試合にフル出場。7番指名打者で先発し、9回にはDH解除で一塁守備に。ライナーをダイビングキャッチして勝ち試合を締めた。ロッテナインや関係者が引退を惜しんだ。▽サブロー氏(球団OB)「知り合って25年。若い頃、毎晩ぼくの寮の部屋に来ていた。ロッテという球団への貢献度は誰よりもある。ロッテを強いチームにしてほしい」 ▽里崎智也氏(球団OB)「福浦さんは、弱いときから強いときまでずっとやってきた。18連敗から31年ぶりの日本一を経験した最後の人。ロッテの歴史を変えた人。一緒に練習して自分もレベルアップできたと思う」 ▽日本ハム栗山監督「2000安打まで努力で積み上げてきた姿は、メディアにいた頃から見てきた。(対戦相手としては)やっぱり嫌だった。技術的に本当に高いものがあった。26年はすごい。本当に、お疲れさまでした」 ▽ロッテ小野2軍投手コーチ(同期入団)「いろいろな思い出がある。いい思い出でいうと一緒に入って、優勝をマウンドで一緒に喜べたこと。つらい思い出は入ってすぐお互いケガして、雑用やトレーニングしかできなかったり。いい思い出でもあるけどね」 ▽ロッテ根元内野守備・走塁コーチ「練習で僕が福浦さんにノックするなんて。実感が湧かなかった。同じユニホームを着て立ち会えたこと、感謝しかありません。常に背中を見させてもらい、準備の大切さを学びました。伝えていきたい」 ▽ロッテ福嶋打撃投手(近鉄で現役引退後、スタッフとして福浦と同じ94年に入団)「体も細く強い方じゃなかったけど、努力して体を作り上げた。2000本も打ち、大したもの。今日、久しぶりに福浦に投げられて、楽しかったです」 ▽ロッテ細谷(今年ともに自主トレ)「見ていて学ぶことが多い。一緒に自主トレをさせてもらったのは1回だけだったけど、濃い時間だった。時間は戻せないけど、若いうちからもっと聞いておけばよかった」 ▽ロッテ香月(2年前から自主トレ)「今まではただやみくもにフルスイングしていた。一緒に練習するようになってからは全力で振る中でも、1つ1つ考えるようになった」 ▽ロッテ田村「一番の思いでは沖縄での自主トレやな。5年も一緒にやってたから1日1日が思い出だった。直接見てないのに調子を落としてるときにアドバイスくれたり、本当にすごかった」 ▽小学5年生の福浦の次男(始球式を務め)「緊張したけどお父さんがバッターだったから投げやすかった。お父さんはいつも優しいしかっこいいです」

◆多くの遺産を残しレジェンドが去る。通算2000安打のロッテ福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が現役を引退した。今季初の1軍は7番DHで先発し、4打数無安打もフル出場。DH解除で就いた一塁守備では美技を披露し、ロッテ一筋26年間の現役生活を締めくくった。チームは負ければCS進出が完全に消滅する可能性もあった一戦。福浦効果でチーム一丸となり、CS争いに踏みとどまった。 一塁ミットを高く突き上げた。福浦は9回から一塁守備に就いた。2死一塁の15球目。一、二塁間を抜けそうなライナーをダイビングキャッチ。巧打者ながらゴールデングラブ賞3度の名手は、ウイニングボールを右手に収めた。「最高の野球人生だった。最後は体が勝手に反応した。もう少し打てると思ったが甘くなかった。これが今の実力かな」。4打数無安打。それでも試合後9度、宙に舞った男に悔いはなかった。 ZOZOマリンや2軍のロッテ浦和球場では、練習で意図的にポップフライを上げる選手が目立つ。福浦の教えだ。02年から取り入れ、いまだ続けるルーティン。「ずっと前だね。まだ高畠さんが生きている時だから」。そう振り返ったのは高畠導宏氏(享年60)。ソフトバンク小久保やオリックス田口らを育てた名コーチ。初めて打率3割を達成した翌年の02年にロッテで打撃コーチを務めた。「しっかり見るのが1つだし、下半身を使わないと上がらない。(打撃の)修正方法で一番足を使いたい時はそれをするね」。同氏はロッテを1年で退任。04年に膵臓(すいぞう)がんで亡くなった後も、教えを守り続けた。 初回に先制打を放った鈴木も、この練習の継承者。今年の石垣島キャンプ。調整期間として2軍で福浦と長く練習する時間があり取り入れた。今でも試合後の室内練習場で繰り返す。鈴木は「今日はやっぱり福浦さんのためにという思いもあった。すごい風が吹いていたが、あまり感じることなくできたのは、そういう思いがあったからだと思う」。最大風速18メートルの風にも全員が集中力を切らさず、3位に0・5差と迫った。 26年の現役生活を終えた福浦は「自分がかなえられなかったことは、リーグ優勝と井口監督の胴上げ。後は若い選手に任せたい」。築いた財産は、後輩たちに受け継がれた。こうしてロッテの歴史は続いていく。【久永壮真】

◆福浦にしか分からない"孤独"だった。17年1月。那覇の自主トレを取材した時だ。「去年、大松もサブローもいなくなって。メンタルに来たよ。分かんないだろう!? 俺より先にやめるなよ...寂しいよ。後輩、同期がどんどんいなくなる」。大ベテランゆえの苦悩、心の叫びを聞いた。 やめる後輩たちは、口をそろえたように「2000本、打って下さい」と言う。応えたい気持ちはあっても、簡単なことではない。結局、そこから2シーズンかかってしまった。現役の終盤は、周りの期待、託された思いとも戦っていた。 誰からも好かれる。人の良さ、優しさからだろう。ただ、それゆえ後悔したこともある。16年4月、元ロッテ監督の山本功児氏が亡くなった。1年目に投手から野手へ転向を勧めてくれた恩人との最後の会話を逃した。「こんなに早いとは。電話しておけば良かった」。前年秋、同氏の長男武白志がDeNAにドラフト指名されたが、育成だった。お祝いの電話をしようとしたが「テレビで(同氏の)あの顔を見たらね。支配下なら、したけど」。複雑な心中を思い、かけられなくなった。そのまま、永遠の別れを迎えてしまった。 聞かれなくても「こう打ったら」と悩める後輩に助言を送るのはしょっちゅうだった。ラストゲーム。ウイニングボールがミットに収まったのは、後輩たちの恩返しに思える。【15~17年ロッテ担当=古川真弥】

◆今季限りで現役を引退するロッテの福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が23日、日本ハム25回戦(ZOZOマリン)に「7番・DH」で現役最後の試合に臨んだ。  試合前には「正直寂しい気持ちは強いけど、この舞台を用意してもらって、ここまでやってきてよかったなと。感謝しかない。一生に残る一日になると思う。チームの大事なときに使ってくれた井口監督、チームに応えられるように、自分が打って勝てれば一番いい」と感謝すると共に、気合を入れた。試合前のフリー打撃では、40スイングで1本の柵越えを放った。  チケットは完売。大歓声に包まれながら打席に向かった。おなじみのルーティン、聞き慣れた「♪俺たちの~福浦~」の応援歌を背に力いっぱいバットを振った。  3-0とリードされて迎えた一回1死一、二塁の第1打席は遊ゴロ。三回先頭の第2打席は投ゴロに倒れた。

◆ロッテの福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が23日、日本ハム25回戦(ZOZOマリン)に「7番・DH」で現役最後の試合に臨んだ。  試合前には小学5年の次男が始球式を行った。左打席に立った父に向かってワンバウンド投球。大観衆の拍手に包まれた。大役を務めた次男は「緊張したけど、お父さんがバッターだったから投げやすかった。お父さんはいつも優しいし、かっこいい。きょうもヒットを打ってほしいなって思います」と語った。

◆ロッテの福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が23日、現役最後の試合となる日本ハム25回戦(ZOZOマリン)に「7番・DH」で先発出場した。  3年ぶりのクライマックスシリーズ進出を争うシーズン終盤の重要な一戦。今季1軍出場なしのレジェンドをスタメンで起用した井口監督は試合前に「福浦が入ることで、またチームが1つになる」と話していたが、その言葉通りにチームは一丸となった。  一回から先頭の荻野が中前打で出塁。続く鈴木の左翼への飛球が風に乗って左翼手・近藤の頭上を越える適時二塁打となり、1点を先制した。選手会長の鈴木は試合前に「きょうは絶対に勝ちます。福浦さんのため、千葉のために」と力強く誓っていた。  さらに無死一、二塁から井上、清田の連続適時打で一回に3得点。二回は再び井上の適時打、三回も暴投で1点ずつを加え、三回までに5-0とした。

◆今季限りで現役を引退するロッテの福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が23日、日本ハム25回戦(ZOZOマリン)に「7番・DH」で現役最後の試合に先発出場。4打数無安打で、史上初となる通算2000安打ちょうどでバットを置いた。  3打席凡退で迎えた七回の第4打席は先頭で捕飛。満員のファンの前で安打は出なかったが、守備では最後の雄姿をみせた。6-1の九回、DHが解除され、慣れ親しんだ一塁の守備位置へ。2死一塁から平沼の痛烈なライナーを横っ飛びで好捕した。自身の引退試合でウイニングボールをつかむ美技で、大観衆を喜ばせた。

◆ロッテの石川は15メートルを超える強風が吹く中、7回を6安打1失点と粘り、自身5連勝でチームトップに並ぶ8勝目を挙げた。「絶対に負けてはいけない試合だった。精神的にもなかなか厳しかった」と、クライマックスシリーズ(CS)進出に望みをつないだことを安堵した。  6年目の経験をもってしても「とにかく風がすごかった。今までで一番」と振り返るほどの悪条件だった。制球が定まらない中、真ん中を狙って投げた。相手の淡泊な攻撃にも助けられ「打ち損じてくれて良かった」と息をついた。

◆ロッテの石川歩投手(31)が23日、日本ハム最終戦(ZOZOマリン)に先発。7回6安打1失点、5奪三振の好投でチームトップタイの8勝目を挙げた。  「きょうは絶対に負けちゃいけない試合なので、精神的にもなかなか厳しかった。とにかく風がすごく、コントロールも思ったところにはなかなかいかないので、真ん中に狙って投げた。打ち損じてくれてよかった」  最大20メートル近く吹き荒れた強風をもろともせず、一回から安定した投球。三回までに5得点の援護も味方に、テンポ良く投げ抜いた。  6年目の今季は開幕投手を務めたが、状態が上がらず大量失点を喫するケースも目立ち、後半戦からは中継ぎに配置転換された。しかし、8月13日の先発復帰後は、これで全7試合で6回以上を投げて自責点3以下のQS(クオリティ・スタート)を達成した。  6月までに9勝を挙げながら、7月以降未勝利に終わった昨季とは一変。今季は終盤に無傷の5連勝を飾り、レギュラーシーズンを締めくくった。

◆福浦と自主トレをともにする"まな弟子"の田村は、登場曲をSMAPの『ありがとう』に変更して臨んだ。2016年の試合で3三振に終わった夜、電話越しに1時間半に渡る打撃指導を受けた翌日に3安打。そのまま初の月間MVPまで受賞した"神指導"が、今でも印象に残っている。「ネクストサークルで見ていても、やっぱりかっこよかった」。この日は捕手として九回に、左打者の内角球を投手に要求し続け、最後の打球を一塁・福浦の元に飛ばす"神リード"で、感謝を伝えた。

◆今季限りでの現役引退を発表している田中賢が七回に右翼線二塁打を放ち、通算1500安打まであと4本とした。「ロッテファンからも毎打席、声援をもらった。本当に感謝している」。この日は福浦の引退試合だったが、試合後には元同僚の岡とレアードから花束を受け取った。「岡が号泣していたので、もらい泣きしそうになった。かわいがっていた後輩の一人なので」と感慨深そうだった。

◆先発の堀が一回に死球を挟んで4連打を浴び3失点。打線は9安打を放ちながら、1得点に終わった。二回に4試合ぶりの安打となる右前打を放った清宮は、福浦の引退試合を目の当たりにし「愛される選手になりたいと思いました」と決意を新たにした。

◆パ・リーグ4位のロッテは23日、日本ハム最終戦(ZOZOマリン)に6-1で勝利。今季限りで現役を引退する福浦和也内野手兼2軍打撃コーチ(43)が「7番・DH」で出場した引退試合を白星で飾り、3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出へ望みをつないだ。24日に西武と当たる今季最終戦(ZOZOマリン)に勝ち、楽天がソフトバンクに敗れれば、逆転でのCS進出が決まる。  レジェンドが飛んだ。6-1の九回2死一塁。この回から一塁で現役最後の守備に就いた福浦が、自身の右を襲った痛烈なライナーに飛びついた。自らの引退試合、そして奇跡の逆転CS進出へ望みをつなぐ大きな1勝をつかみ取り、とびっきりの笑顔を見せた。  「とにかく試合に勝ってくれてうれしかった。まさか最後飛んでくるとは...。体が勝手に反応した」  今季1軍出場のない本人が一度は固辞した、チームが激しいCS争いをするシーズン最終盤でのフル出場。「福浦が入ることで、またチームが一つになる」という井口監督の"男気起用"に、ナインは奮い立った。指揮官を含め全員が背番号9のユニホームを着用。野手はストッキングも福浦流のオールドスタイルで臨んだ。 「福浦さんに1打席でも多く、守備にも就くと聞いていたので、なるべくいい展開にしたいと思っていた」と選手会長の鈴木。一回無死二塁で先制の適時二塁打を放ち、口火を切った。  "福浦チルドレン"も輝いた。2試合続けて当たりのなかった4番・井上が2打席連続適時打を含む3安打2打点。「昨日も打てていない。福浦さんの引退試合だし、勝ちたかった」。主砲は今季、開幕直後に大不振で2軍落ち。そのとき、救いの手を差しのべたのが福浦だった。「下だよ、下」。短い言葉だったが、打撃における下半身の意識を見つめ直すと復調。持ち前のパワフルな打撃を取り戻し、昨季に並ぶ自己最多の24本塁打をマークした。  福浦は4打数無安打に終わり、史上初のジャスト2000安打でバットを置いた。それでも、最後の雄姿を見ようと詰めかけた本拠地今季最多3万343人の大観衆とナインが一つになった。負ければCS進出が絶望的となる一戦に、12安打6得点で勝利した。  福浦が「悔いはない」と言い切った26年に及ぶ現役生活。だが、果たせなかった夢はある。「リーグ優勝と井口監督の胴上げ」。24日のレギュラーシーズン最終戦に勝てば、胴上げの可能性は残っている。夢は、後輩たちに託された。『選手・福浦』と戦う最後のシーズン。まだ終わらせるつもりはない。 (浜浦日向) ロッテ・井口監督 「福浦の引退試合だったし、CS進出も懸かっている。最後は神様がいた。(24日の西武戦に)自分たちができることを全てぶつけたい」 九回を締めたロッテ・益田 「低く投げる意識しかなかった。きょうはエンターテインメント感がすごかった」 引退試合の福浦に日本ハム・栗山監督 「この世界でここまでやるのは本当にすごいこと。お疲れさまでした」 ★同率ならロッテが3位  レギュラーシーズンの順位は勝率によって決定する。同率の場合、パ・リーグは(1)当該球団間の対戦勝率が高い順(2)リーグ内対戦成績(各球団125試合)の勝率が高い順(3)前年度順位の上位-の順で決定。ロッテが残り1試合に勝ち、楽天が残り2試合を1勝1敗だと勝率.504で並ぶが、ロッテが楽天に13勝10敗2分けと上回っており、ロッテが3位になる。なおセ・リーグは同率の場合、(1)勝利数の多さ(2)当該球団間の対戦勝率が高い順(3)前年度順位の上位-の順で決める(2球団が同率の場合)。

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
西武
79611 0.564
(↑0.003)
M2
(↑1)
2743
(+5)
684
(+3)
172
(-)
133
(+2)
0.266
(-)
4.350
(↑0.01)
2
(-)
ソフトバンク
76604 0.559
(↑0.003)
1
(-)
3576
(+8)
552
(-)
181
(+2)
113
(+1)
0.252
(↑0.001)
3.640
(↑0.03)
3
(-)
楽天
69684 0.504
(↓0.003)
8.5
(↓1)
2603
(+3)
575
(+5)
138
(+2)
44
(-)
0.251
(-)
3.770
(-)
4
(-)
ロッテ
69694 0.500
(↑0.004)
9
(-)
1638
(+6)
599
(+1)
158
(-)
75
(-)
0.249
(↑0.001
3.860
(↑0.02)
5
(-)
日本ハム
63725 0.467
(↓0.003)
13.5
(↓1)
3552
(+1)
579
(+6)
92
(-)
48
(-)
0.251
(-)
3.810
(↓0.01)
6
(-)
ORIX
59736 0.447
(↓0.003)
16
(↓1)
5529
(-)
625
(+8)
99
(-)
119
(-)
0.244
(-)
4.120
(↓0.03)