阪神(☆4対2★)広島 =リーグ戦25回戦(2019.09.21)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:西 勇輝(9勝8敗0S)
(セーブ:藤川 球児(4勝1敗14S))
敗戦投手:菊池 保則(1勝3敗0S)

本塁打
【広島】菊池 涼介(13号・1回表ソロ)
【阪神】北條 史也(5号・8回裏2ラン)

  DAZN
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◆阪神は2-2で迎えた8回裏、1死二塁から北條の2ランが飛び出し、勝ち越しに成功する。投げては、先発・西が8回5安打2失点の快投。最後は藤川が三者凡退で締めて、西は今季9勝目を挙げた。敗れた広島は、打線が3回以降2安打と振るわず、4連敗を喫した。

◆広島クリス・ジョンソン投手(34)は今季阪神相手に3戦3勝。18イニングを投げて1失点だけで、防御率は0・50に抑えている。 甲子園での登板も今季の1勝を含めて通算5試合で4勝0敗、防御率0・81と負け知らず。

◆広島菊池涼介内野手(29)が先制の13号ソロを放った。 1回1死走者なし。阪神先発西の外角スライダーを、左翼ポール際に運んだ。クライマックスシリーズ進出に向け負けられない一戦で、値千金の1発。「芯に当たってくれました。いい先制点になってよかったです」と話した。

◆広島がスクイズで2点目を奪った。1-0の2回1死一、三塁から、8番石原慶幸捕手(40)が一塁側に絶妙のバントを決め、三塁走者を迎え入れた。 1回に菊池涼介内野手(29)の13号ソロで先制し、追加点が欲しい局面だった。

◆阪神近本光司外野手(24)が6回2死から左前打を放ち、今季155安打目を記録した。 新人歴代3位・源田(西武)の155本に肩を並べた。積み上げる1本1本が、新人王の獲得にもつながる。

◆広島は1回、菊池涼のソロで先制。2回1死一、三塁から石原のセーフティースクイズで加点。先発ジョンソンは3回まで無失点。 阪神は6回、広島先発ジョンソンの2つの暴投で同点に追いつく。序盤に2失点の先発西は立ち直り、6回まで追加点を許さず。 阪神は8回、途中出場の北條が決勝5号2ラン。負ければCS進出の可能性が消滅する一戦を制し、同カードの勝ち越しも決めた。西が9勝目、藤川14セーブ目。広島菊池保は3敗目。

◆広島が阪神に逆転負けし、2カ月ぶりの4連敗となった。好投のクリス・ジョンソン投手(34)が6回に2暴投で同点に追いつかれ、2番手菊池保則投手(30)が2イニング目の8回、北條に決勝2ランを浴びた。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。   -ジョンソンの2暴投が痛かった 緒方監督 いい投球をしていただけに、あそこはね。 -切り抜けられればもう少し長く投げられた 緒方監督 選手は全力を出してやってくれている。接戦を勝ちきる采配ができていない。 -中日戦が厳しい戦いになる 緒方監督 1試合1試合全力を出し切る気持ちは変わらないよ。

◆阪神藤川球児投手が今季14セーブ目を挙げた。2点リードしての9回表に登板。 松山を遊ゴロ、長野を左飛で2死。最後はメヒアを空振り三振に仕留めた。「得点の仕方、展開...、ファンの力じゃないですか。ファンの熱気が(勝つ)空気をつくるというか。それが(選手)みんなの力になるのでは」。4万6753人を集客した一戦。チームを後押しした熱気に応える快投で締めくくった。

◆阪神梅野隆太郎捕手が攻守で勝利に貢献した。 2点を追う6回に先頭打者として四球で出塁し、同点に追いつく足がかりをつくった。8回にも先頭で二塁打を放ち、勝ち越しへの流れを築いた。「(6回は)何とかしたいという気持ちが四球になった。(8回も)粘ってのヒット。仕事ができたかな。西さんのリズムがどんどんよくなったし、バッテリーとしてうれしい」。守備でも西の好投を引き出し、会心の逆転勝利だった。

◆まだ終われない、終わらない。阪神北條史也内野手(25)が同点の8回、決勝2ランを放った。 負ければCS進出の可能性が消滅し、矢野阪神1年目のBクラスが確定した崖っぷち。新人木浪に遊撃を譲る背番号2が、男の意地でチームを救った。奇跡へ負けられない試合が続くが、わずかでも望みがある限り諦めない。負けられない思いが乗った打球は、赤と黄色が入り交じる左中間席に届いた。座席に当たってグラウンドにはね返った打球を目で追った北條は、二塁手前まで全力疾走。本塁打の判定が出ても勢いそのまま、本塁を駆け抜けて一塁側ベンチへ飛び込んだ。矢野監督や選手らとハイタッチを交わし、最後は熱投を続けた先発西と熱い抱擁で喜んだ。 北條 やり返すイメージでいきました。絶対、打ってやろうという気持ちで。 同点の8回1死二塁。広島2番手菊池保の初球、内角寄りの136キロシュートを振り抜いた。決勝の5号2ラン。「外野が前だったので、芯に当たったら超えていくかなと」。今季4打席無安打の相手にコースを広く使う特徴を頭に入れ、前回打ち取られた同じシュートを完璧に仕留めた。新人木浪に遊撃を譲る形で控えが多く、この日も6回の代打から途中出場。限られた打席で男の意地を見せた。打てば先発西に9勝目の権利が付く場面。「ここしかない」と思いを乗せた。 甲子園の一塁側ベンチに北條が刻んだ"足跡"があった。いつも北條が座る最前列のシートは、立ち上がって激しく喜ぶ際に登るスパイクの跡で破れ、穴だらけになっていた。試合で活躍する選手を横目に「声を出すしか(貢献できることが)ないんで」と漏らしたこともある。だが、決して腐らなかった。控えのベンチでも仲間を鼓舞しつつ出番に備えて前のめりに。そんなひたむきさを野球の神様も見ていたのだろう。 指揮官は木浪に代わって北條を代打起用にしたことについて「そういう(ガッツを出す)選手がこういう結果を出してくれるのは、何か変わる要素になりえると思った」とうなずいた。金本前監督らが何度も痛い目に遭ってきた広島戦の5年ぶり勝ち越しも決めた。逆転CS進出へ、残り6試合の全勝が最低条件で迎えた一戦。試合前の円陣ではナインから「トーナメントと思って」という言葉も出た。北條も「負けたら終わりなので。そういう気持ちしかないです」と力を込めた。奇跡の逆転CS進出へ、崖っぷちの戦いは続く。残り5試合も一戦必勝。まだ、シーズンを終わらせたくはない。【奥田隼人】 ▽阪神浜中打撃コーチ(北條につて)「インサイドを狙い打ちだったと思います。見事。(直前西が送りバントを失敗し)ミスをカバーしてくれた一打になった」

◆阪神西勇輝投手(28)が2年連続、タテジマでは初の2桁勝利に王手をかけた。勝利の瞬間、誰よりも熱くベンチで手をたたいた。 「チームから負けたら終わりと聞いていたんですけど、本当に負けられない試合で先発させてもらって。無事、長いイニングを消化出来て良かったです」 初回、菊池涼に先制ソロを浴びたが顔色一つ変えず。打者を抑えれば、激しくガッツポーズを見せた。負ければCS進出消滅の一戦で、8回5安打2失点。気迫の104球だった。 2-2同点の8回無死二塁。勝ち越しの好機で西はそのまま打席に立った。矢野監督は「西の姿を見て、野手がどう気持ちが変わってくれるかを期待して、ずっと続投してもらっていた」と意図を説明。三塁へ送ることは出来なかったが、続く北條が勝ち越しの決勝2ランを放った。「正直、泣きそうでした」と喜ぶ西の気迫が打線に伝わった。 オリックスからFA加入1年目。期待通りチームトップの9勝を挙げ、今季167回1/3登板は、13年の166回を抜きプロ最長となった。それらの数字以上にチーム内での存在は大きい。 6日の広島戦。高橋遥が4回で降板し、ベンチで矢野監督から"公開説教"を受けた。目を赤くした後輩を、西は翌日も気に掛けていた。「ちょうど朝ご飯が一緒で、何か悩みがあるなら聞こうと思っていたけど、意外とケロッとしてたから大丈夫かなと思った」。前日20日の練習中にも、2人で話し込む姿があった。「あいつ、1人で背負っているように見えた。ピッチャー全体で戦えばいい、と」。ここ4試合勝ち星が遠い高橋遥の重荷を、優しい言葉で下ろそうとした。 次回は28日のDeNA戦(横浜)が濃厚。レギュラーシーズン最終登板になる可能性が高く、10勝をかけた1発勝負になりそうだ。「監督が次行けと言えば行きますし、チームの兼ね合いもある。クライマックスシリーズの権利が残っているなら行きたいです」。逆転CSを信じ、背番号16も準備を整える。【磯綾乃】

◆広島が阪神に逆転負けし、2カ月ぶりの4連敗となった。好投のクリス・ジョンソン投手(34)が6回に2暴投で同点に追いつかれ、2番手菊池保則投手(30)が2イニング目の8回、北條に決勝2ランを浴びた。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。   -ジョンソンの2暴投が痛かった 緒方監督 いい投球をしていただけに、あそこはね。 -切り抜けられればもう少し長く投げられた 緒方監督 選手は全力を出してやってくれている。接戦を勝ちきる采配ができていない。 -中日戦が厳しい戦いになる 緒方監督 1試合1試合全力を出し切る気持ちは変わらないよ。

◆阪神-広島戦(甲子園)が21日、行われ、広島が先制。先発の西勇輝投手(29)が菊池涼介内野手(29)に左翼席へ13号ソロを浴びた。  一回1死、変化球で泳がせるも乾いた快音とともに打球はポール際へ。左翼席を真っ赤に染めた鯉党に手招きされ、着弾した。  西の広島戦は今季7試合目。防御率2・66と安定感をみせていたが、立ち上がりに捕まった。

◆阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が21日の広島戦(甲子園)で今季155安打目を放った。新人では歴代3位タイとなった。  2打席無安打で、2点を追う六回1死三塁。2球目の変化球が暴投で三走・梅野が生還。2死走者なしとなり、4球目の141キロを三遊間へ弾き返した。続く福留の右前打で三塁に到達すると、マルテへの3球目が暴投となり近本が同点のホームを踏んだ。今季79得点目を記録し、同数で並んでいた2006年の梵英心(広島)を抜き去った。  安打数も17年の源田壮亮(西武)並び、歴代3位タイ。56年に180安打を放った佐々木信也(高橋)、1リーグ制だった48年に160安打を放った笠原和夫(南海)に続く記録となった。

◆阪神は21日、広島戦(甲子園)に4-2で逆転勝ちした。0-2の六回に広島・ジョンソンの2暴投で同点に追いつくと、八回に北條が勝ち越し2ラン。西が8回2失点で9勝目を挙げた。負ければクライマックスシリーズ進出の可能性が完全消滅する崖っぷちで踏みとどまった。  お立ち台で西が北條の決勝本塁打に「泣きそうになった」と振り返ると、北條は「泣きそうやったら泣いてほしかった」と笑わせた。

◆阪神は西が粘りの投球で9勝目。一回に菊池涼に先制ソロを喫し、二回はスクイズを決められた。それでも「何とか長いイニングを」と集中し、三回以降は追加点を許さず、逆転を呼び込んだ。「梅野のリードも良かった。リズム良くいけた」と汗を拭った。  三回にはチーム初安打の二塁打。投打で2年連続6度目の2桁勝利への執念を感じさせた。矢野監督は「西の姿を見て野手の気持ちがどう変わるかに期待した。勝ちにつながってうれしい」と目を細めた。

◆広島は4連敗で貯金がなくなった。2点を先制したが、好投していたジョンソンが六回に2度の暴投で追い付かれ、緒方監督は「いい投球をしていただけに、あそこはね」と声を落とした。  ジョンソンは「きょうは何もありません」と言葉少な。打線も三回以降は振るわず、同点の八回に菊池保が北條に勝ち越しの2点本塁打を許した。監督は「一試合一試合、全力を出し切る気持ちは変わらない」と絞り出した。

◆ネバー、ネバー、ネバーギブアップ~!! 八回、北條の決勝2ランで阪神CS進出にクビの皮一枚残ったア!!  残り5試合、全勝して広島が中日に連敗したら奇跡の逆転やー!!  ふ~っ...。しかし、阪神が勝ったのが信じられない本日なのだ。五回まで広島先発のジョンソンに対し、投手の西のツーベース1本ポッキリ...。  そもそも、今季も苦手のジョンソンに阪神打線は0勝3敗。試合前の時点で防御率は0・50(計算上2試合で1得点)。手も足もどころか、ウ○コも出ない状況だったのだ(朝から汚くてスミマセーン)。  それが六回、ジョンソンがワイルドピッチもあって自滅。こういうのは、打ったよりも来季の対戦にイライラが残るのでは? 都合良く考え、ニンマリです。  長嶋さん超えを果たしたセ新人最多安打男の近本も155本目のヒットを放ったし、あとは盗塁王に向かって突っ走れー!!

◆♪赤い花なら曼珠沙華 オランダ屋敷に雨がふる...。  この日はMBSテレビが阪神-広島を中継していた。タイガースはもっと息苦しい状態で、もはや"点滴"を受けながらの日々。おまけにまた来なくてもいいのに台風17号がのぞきこんできてあっちへいけ! と自然現象にまで八つ当たり。  それにサ、やっとこさ夏が過ぎてこれから季節がマイルドになって、ソノ気になってどこかの高原を散策しながら「もっとこっちにこいョ...」てな気分になるハズの秋はどこに消えたんだョ。  で、甲子園のスタンドをみますと、どないだ。4万6753人の大観衆。しかも左翼スタンドは虎の黄色を圧倒する真っ赤っか...赤い花なら曼珠沙華だろうが。不思議だなぁ...秋分の日がくるとどこでかぎつけたのか彼岸花が咲く。こっちは"ヒガミ花"だ。  しかも...試合はまた例によって彼岸花が先手を絶妙に取って...今宵もまた♪濡れて泣いてるジャガタラお虎...かとそんな気分のところに運動部長大澤謙一郎から電話です。不思議なヤツです。こっちが滅入ってる時に限って電話がかかる。  「きょうの始球式はFMのCOCOLOで朝の顔を務め、MBS『ちちんぷいぷい』(木曜日)でも人気のDJヒロ寺平(てらだいら)さんが登板する...。ヒロ寺平さんといえば1985年の阪神日本一のアノ頃からDJを長くやり、僕ら世代のカリスマ。おまけに猛烈な阪神ファンや...」  ふむふむ。「その寺平さんがきょうは始球式。そして9月30日の放送を最後にDJを引退されるやて...。何しろ、僕もちょうど感受性の強い学生時代にヒロさんのテンポのエエDJにワクワクした青春時代をすごしたものですから...」。  つまり部長大澤にしてみればその青春=ヒロ寺平のDJとが妙につながって、しかも寺平さんの引退放送日が鳥谷敬選手のタイガースの最後の日となる9月30日と重なるから、ちょっとセンチメンタルな気分になり、ぜひ書いておいて欲しいという。  そりゃあ今じゃむくつけきゴホゴホ...部長大澤だがその昔は青春があったらしいのである。  だが...試合はあいかわらずの貧打。ハラハラドキドキの展開。ついに「CS進出消滅」の日となるのか...と思ったら六回に近本のヒットや広島らしからぬ拙守も絡んで2点。八回には北條の決勝2ランが左中間に突き刺さって...こうなると藤川球児の出番。満員のファンも大興奮でした。  実はこの日のMBSの中継席では阪神でも4番をつとめた新井貴浩氏がサワヤカ解説。覚えていますか。昨年のこの9月21日はマツダスタジアムで広島-阪神。41歳の彼がトドメの三塁打で、27年ぶりの地元広島でのゴールにグッと近づいた。  もうひとつふれておくと、さる9月19日のヤクルト戦で近本は長嶋茂雄(巨人)のセ・リーグ新人最多安打「153」を超える「154」を放ってファンを喜ばせてくれたが...実は、その長嶋さんのルーキーイヤーの1958年9月19日の広島戦(後楽園)の五回に左中間に大ホーマー(28本目)を放った。が一塁ベースを踏み忘れてアウト!  「なぁにまた打ちますから...」と翌20日にミスターは今度は阪神戦で渡辺省から九回に28号を打った。イフ・エニィ(もし...ならば...)前日の失敗がなければ...近本の19日の新記録はこの21日になるけど。ま、とにかく...虎が首の一枚で残ったんだからいいや! 夜には巨人が優勝。虎がやり返すには、とにかくCSに出場しないと!

◆近本が六回、ジョンソンの暴投で1点を返した直後、左前打で再チャンスメーク。新人安打で2017年の源田(西武)に並ぶプロ野球3位の155安打目を放った。「2死三塁で(三走が)かえってきてからの出塁というのは、投手に対して嫌なプレッシャーを与えられると思うので。何としても出たいなと」。福留の右前打で三進し、再び暴投で今季79得点目の同点ホームイン。球団新人記録を伸ばし、セ・リーグでは1958年の長嶋茂雄(巨人、89)に次ぐ単独2位となった。

◆(試合直後)  --決勝弾は北條  矢野監督「(無死二塁で)西がバント失敗して、開き直ったというかね。ランナー三塁だと、より硬くなったかもしれない。そこで思いきりの良さにつながったと。いつもベンチで一番、声を出してる選手がああいうところで打ってくれるとうれしい」  --多くのファン(4万6753人)が来た  「結果的にこういう形(勝利)になって、タイガースファンの皆さんにも喜んで帰ってもらえる。こういう試合を明日以降も続けられるように頑張ります。こういう気持ちをしっかりつなげていって、残り5試合、全力で戦っていきます」  --六回、木浪に代打・北條を送った  「何か状況は、じっとしてても変わらないかなと思ったんで。動いてみてどうなるのかなというところがあったり」  --結果は最高  「それはいつも俺らは結果だから」  --北條は姿勢を  「そういう選手が結果を出してくれるというのは、何か変わる要素にはなり得ると思った。北條もそう思って使ったし、西の続投も。今の苦しい展開の中で自分が投げて、自分が打って。その姿を野手がどう見るかとか。そういうので何か変わればなと思って」  --広島に5年ぶり勝ち越し。成長過程のチームには自信になる  「結果的に、それはうれしい材料ではあるけれど、1個2個っていうよりはもっと勝ち越したときに初めて自信とかになってくると思う。手放しに喜べるっていうところまで、まだ俺らが来てるっていうこととはまた違うと思うのでね」

◆六回に木浪の代打で登場した北條が、同点の八回1死二塁で、菊池保から決勝5号2ラン。お立ち台で西が「(北條のアーチに)正直、泣きそうでした」と話すと「泣きそうになるんやったら、泣いてほしいと思いました」と返し、球場を沸かせた。西に白星をつけるには「ここしかないという気持ちでした」。矢野監督はベンチで誰よりも声を出すなど準備を怠らない北條の姿勢に「賭けてみようと思った。(代打は)じっとしていても(状況は)変わらないかなと」と目を細めた。

◆2点リードから逆転負けを喫し、4連敗となった。緒方監督は「選手は全力を出してやってくれている。勝ち切る采配ができていない」と反省。今季の阪神戦は12勝13敗で2014年以来5年ぶりのシーズン負け越しとなった。22日からの中日2連戦(マツダ)で1つでも勝てばCS進出が決まる。

◆背水の一戦で魂の投球-。阪神・西勇輝投手(28)が広島戦に先発し、8回2失点の好投で9勝目を挙げた。2年連続6度目の2桁勝利に王手をかけ、投球回数はキャリアハイの167回1/3に。負ければクライマックスシリーズ(CS)進出が消滅する一戦で今季4度目の鯉斬り。チームの5年ぶりの広島戦勝ち越しも決めた。  まさに熱投-。鬼気迫る投球で耐え、西が勝利を呼び込んだ。チームが追いついた直後の七回2死一、三塁のピンチ。代打・坂倉を外角低めの136キロで二ゴロに料理すると、甲子園の中心でほえながら、グラブを右手でバシッとたたいた。  「負けたら終わりと聞いていたので。負けられない試合で先発させてもらい、何とか長い回をと思っていました」  一回、二回と失点したが、ここからが真骨頂。「向こうが早打ちだったので、流れに身を任せるじゃないですけど、(自分も)そのリズムの方がいいかなと思った。それがうまくはまって球数も少なくいくことができてよかった」。抜群の制球力で8回を5安打、104球で2失点。自身4連勝で9勝目を挙げ、2年連続6度目の2桁勝利へリーチをかけた。  FA移籍1年目からローテーションを守り、投球回もキャリアハイの167回1/3に到達だ。負ければCS進出が完全消滅する一戦を託した矢野監督は「西の姿を見て、野手がどう気持ちが変わってくれるかなっていうところを期待して続投してもらっていた。西の気持ちがみんなにつながって、勝ちにつながったのはうれしい」と、打ってもチーム初安打と奮闘した右腕に、最大級の賛辞を送った。  勝利の後の晩餐(ばんさん)がパワーの源だ。8月3日、マツダスタジアムで5勝目を挙げた夜は寿司に舌鼓を打った。「今はお魚の気分。好きなものを食べるとリフレッシュにもなるからね」。特に気に入ったのは焼いた銀ムツ。脂身の多い白身の高級魚を食し、たっぷり英気を養った。「(栄養は)あまり意識していないかな。体が欲しているから」。大好物が血となり、肉となり、野球への活力になる。  この日も鯉をペロリと"完食"し、対カープは今季4勝目。チームの5年ぶりの広島戦勝ち越しにも大きく貢献した。  残り5試合。「チームの兼ね合いもあるけど、次いけといわれればいく。CSの権利が残っているのだったら、いきたい」。CS進出へ望みはわずかだが、可能性がある限り、決してあきらめない。 (織原祥平)

◆クライマックスシリーズ(CS)でやり返す。そして来季こそ-。巨人が5年ぶり37度目のリーグ優勝を決めた21日、阪神・矢野燿大監督(50)は「うちが貯金を作らせてしまった」と悔しさをにじませた。この日は敗れればCS進出が完全消滅する広島戦に、4-2で逆転勝ち。対カープ5年ぶりの勝ち越しを決めてゲーム差を「2」に縮め、CSへ可能性を残した。  9ゲーム差-。遠く離れていた宿敵が、ゴールテープを切った。広島に意地の逆転勝ちでCS進出の可能性をつなぎとめた矢野阪神だが、その4時間15分後、横浜で原監督が舞った。結果的に巨人の引き立て役となった現実に、矢野監督が悔しさを押し殺した。  「成績を見れば、うちが貯金を作らせてしまった。もっといい勝負をしないといけなかった」  就任1年目。恩師の故星野仙一氏のようにG倒に燃え「巨人を倒すと喜んでもらえる。伝統の一戦を受け継いだ戦いをしていきたい」と臨んだ。  しかし開幕から2カード連続3タテで6連敗。Gに1シーズン4度の同一カード3連敗は1963年(5度)以来56年ぶりの屈辱だった。24日に甲子園で最後の直接対決を残しているが、9勝15敗ですでに8年連続の負け越しは決まっている。  この日、広島に5年ぶりに勝ち越し、DeNAには14勝8敗1分け。2、3位に勝ち越し、巨人にセ5球団で最も貯金を与えていては...宿敵を走らせる要因となったと言われても仕方ない。  「打線ですよね。本塁打数は急には増えないけど、得点力に一番、差を感じた」  新人の近本、木浪の活躍はあったが、高山、北條、中谷ら期待の若手は覚醒には到らず、福留、糸井頼りの打線には明らかな戦力差があった。チーム総得点はリーグワーストの514。巨人はトップの644で、本塁打も90-176。  「丸が入ったことで2、3番が固定された。坂本、丸の相乗効果が大きかった。それプラス、選手層の厚さですね。右投手相手の打線、左投手相手の打線を組めていた。外国人選手の調子が下がったところで入れ替えたりしていた」  虎は左投手に打率・222、右投手に打率・266と左アレルギーは解消されず。外国人も緊急加入のソラーテが1カ月で解雇という珍事を起こし、巨人のように助っ人を"ターンオーバー"させる余裕などなかった。  「原さんの経験値、勝負手もありましたし、経験は大きかった」  自らの経験不足を受け止め、続けた。「うちは結局、課題は(攻守)両方。巨人相手に(守備などで)ミスをしたら勝ちにくい。うちの投手力が対等に抑えても、得点を取れていない。打線の厚み、得点力をあげてリベンジしたい」。CSへの望みはつないだ。やり返す舞台は残っている。今年、そして来年へ。屈辱を逆襲への力にする。 (大石豊佳)

◆失点しても複数失点にしない。一、二回に1点ずつ許しても、三回以降八回までゼロを並べられる。西の能力の高さを示した試合だ。  一回の菊池涼のまさかの本塁打、二回の石原のセーフティスクイズはともに投手が「しまった」と動揺する失点の仕方。ところが、西はそこからすぐに切り替えられる。後続打者を少ない球数で抑えてしまう。  粘り強さ、気持ちの強さなどを併せ持っているからだろう。FA移籍1年目でローテーションを守り通せたのも、このハートの部分が大きい。もちろん、その前提として圧倒的な制球力があるからだが。  ここ数年、苦しみ続けてきた広島相手に勝ち越せたのも西のおかげ。1人で広島戦4勝目。苦手とするマツダスタジアムで3勝を挙げている点でも、ハートの強さが伝わってくる。  どうすれば広島に勝てるか。西がその答えをマウンドの上で示してくれている。岩貞、青柳、高橋遥ら若い先発陣は、模範がすぐそばにあることを認識してほしい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆2点リードから逆転負けを喫し、4連敗となった。緒方監督は「選手は全力を出してやってくれている。勝ち切る采配ができていない」と反省。今季の阪神戦は12勝13敗で2014年以来5年ぶりのシーズン負け越しとなった。22日からの中日2連戦(マツダ)で連勝ならCS進出が決まる。  元広島投手の北別府学氏(62)は22日、ブログで「カープ、今年はここぞという時にアグレッシブさが足りていなかった 実力がありながら人が良すぎて出しきれない そんな試合が多過ぎました」と嘆いた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
75612 0.551
(↑0.003)
優勝
(-)
5644
(+3)
547
(+2)
176
(-)
82
(+3)
0.258
(↓0.001)
3.710
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
70663 0.515
(↓0.004)
5
(↓1)
4585
(+2)
594
(+3)
160
(+1)
38
(-)
0.247
(-)
3.930
(↑0.02)
3
(-)
広島
69693 0.500
(↓0.004)
7
(↓1)
2586
(+2)
594
(+4)
140
(+1)
79
(-)
0.254
(-)
3.690
(↓0.01)
4
(-)
中日
66692 0.489
(↑0.004)
8.5
(-)
6540
(+14)
523
(+2)
87
(+4)
63
(-)
0.264
(↑0.001)
3.730
(↑0.02)
5
(-)
阪神
64686 0.485
(↑0.004)
9
(-)
5514
(+4)
563
(+2)
90
(+1)
94
(-)
0.251
(-)
3.560
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
57802 0.416
(↓0.003)
18.5
(↓1)
4639
(+2)
714
(+14)
164
(+1)
60
(+1)
0.245
(-)
4.730
(↓0.06)