広島(★3対7☆)阪神 =リーグ戦23回戦(2019.09.07)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
11500000071201
広島
00110001031201
勝利投手:西 勇輝(7勝8敗0S)
敗戦投手:薮田 和樹(0勝2敗0S)

本塁打
【阪神】高山 竜太朗(3号・3回表3ラン)
【広島】小園 海斗(3号・3回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 広島戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆阪神は初回、福留の適時打で先制する。2点リードとなって迎えた3回表には、高山の3ランと近本の2点適時打で5点を挙げ、序盤から試合を優位に進めた。投げては、先発・西が8回3失点の好投で今季7勝目。敗れた広島は、先発・薮田が6失点と誤算だった。

◆広島薮田和樹投手(27)が3回途中6失点でKOされた。1回に福留に先制の適時二塁打を浴び、2回は木浪の適時打で2点目を失った。 3回に高山に3号3ランを浴び、さらに大山に四球を出したところで交代となった。「福留さんとマルテの前に走者をためないことが一番」と話していたが、思うように投げられなかった。

◆阪神木浪聖也内野手(25)が追加点をもたらした。 1点リードの2回2死一、二塁。1番木浪は先発薮田の低めカーブをすくい上げ、右翼フェンス直撃の適時打。リードを2点に広げた。 「昨日打てなかった悔しさがあったので、絶対にやり返してやろうと思っていました。まだ序盤なので、もっと打てるように頑張ります」 前日6日の同カードは4打数無安打に終わり、連続試合安打は13でストップ。同期近本の持つ球団新人の連続安打記録更新はならなかった。 一夜明けたこの日は、初回の第1打席で8球粘った上に14球目を中前安打。2打席連続安打で早くもマルチ安打となった。

◆阪神福留孝介外野手(42)が先制の二塁打を放った。 初回、1番木浪が追い込まれてから8球ファウルで粘り、14球目を中前安打で出塁。1死後、3番福留が広島先発薮田の真ん中直球を右翼越えの二塁打とし木浪が一塁から一気に生還、先制に成功した。福留は「木浪が良い形で塁に出たので、チャンスを広げようと思っていました。初回から先制できて良かったです」と振り返った。 阪神は逆転でのCSに向け、3位広島を3・5差で追う。チーム最年長の一打で、大事な直接対決第2ラウンドの先手を奪った。

◆阪神高山俊外野手(26)が豪快な3ランで追加点を挙げた。 2点リードの3回1死一、三塁。カウント2-1からの4球目、真ん中145キロ直球を完璧に捉えた。打球は逆風を切り裂き、右中間席に飛び込む3号3ラン。高山は「チャンスだったので、なんとかランナーを返したいと思っていました。積極的にスイングしにいった結果、甘い球を逃さずに打つことができました」。広島を一気に突き放す貴重な1発となった。 この回、2番近本にも2点適時打が飛び出し、打者11人で一挙5得点。3回まで毎回得点で、先発西に大量援護をプレゼントした。

◆広島小園海斗内野手(19)が3号ソロを放った。7点を追う3回先頭の打席で、阪神先発西のカウント3-1からの137キロの外角シュートを右中間スタンドに運んだ。 7月28日にヤクルト大下から記録して以来の1発。「強いスイングを心がけて打席に入りました。いいポイントで捉えることができました」と話した。これまでの2発はいずれも神宮球場で、マツダスタジアムでは初アーチとなった。

◆阪神は2点リードの3回に高山の3号3ランなど4長短打と4四球などで5点を追加した。広島は3回に小園の3号ソロで反撃。 広島は4回に長野の適時打で1点を返したが、5回無死一、二塁の好機では西川が併殺打、菊池涼が三振に倒れた。 阪神が先発野手全員安打で快勝。西は7勝目。広島は8回に松山の適時打で1点を返すも、序盤の7失点が響いた。薮田は2敗目。

◆広島小園海斗内野手(19)が3号ソロを放った。 ▼小園が3号含む3安打。広島の高卒新人で3本塁打は50年紺田に並び最多となった。小園は本塁打を打った試合の安打が4、3、3本で、猛打賞も3度目。 高卒新人で3度の猛打賞は88年立浪(中日)以来となり、広島では50年紺田の2度を抜いて最多。1発含む猛打賞を3度も記録した高卒新人は86年清原(西武=5度)以来、33年ぶりだ。

◆広島は序盤の大量失点に泣き、連勝が2で止まった。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -西から何度もチャンスをつくった 緒方監督 序盤からこの展開になってしまったけど、打者は粘り強くヒットの数も打ってくれた。苦しめられたとは思うけど、序盤の失点が痛かった。 -先発薮田が3回途中6失点 緒方監督 前回そこそこの球の力を認めた上で(先発起用)。コントロールの甘さもあったし、2回目は通じなかった。 -赤松が引退発表 緒方監督 昨日、永川が引退発表して、今日は赤松。2人とも選手時代からともにプレーしたし、さみしさを感じる部分はある。何とかいい形で送り出してやりたい。

◆阪神近本光司外野手が3回に中前適時打を放ち、6試合連続安打をマークした。 今季140安打で、新人安打記録はリーグ3位の98年高橋由伸(巨人)に並んだが「(記録は)意識していない。1日1本、いいところで打つこと」と表情を引き締めた。 残り16試合。リーグ記録である58年長嶋茂雄(巨人)153安打の"ミスター超え"なるか注目される。

◆阪神原口文仁捕手(27)が、今季限りで現役引退する広島赤松真人外野手(37)に感謝の気持ちを語った。 原口は昨年末に大腸がんと診断され、今年1月末に公表。自身も胃がんから復帰した赤松から、その際に「見つかったというのが一番だと思う。まずは治療に集中してほしい。ゆっくり焦らずにやってほしい。僕にできることがあれば力になる。相談にも乗る」と、できる限りのサポートを約束されていた。 原口は当時を思い出し「僕が発表した時に、コメントをいただいて本当にうれしかったですし、赤松さんが元気に野球をやられているのを見て、すごく励みになった。自分も、もう1回前向きになれた1つの理由になった方。2軍でも気さくに声をかけていただいて、本当にありがたかったです」と感謝の気持ちが尽きなかった。 原口は懸命にリハビリに励み、6月上旬に1軍復帰。「1軍の舞台で野球ができることが幸せなことだと改めて思うので、これからも僕が頑張ることが恩返しになると思う。自分自身頑張っていきたいですし、お疲れさまでしたという気持ちです」と気持ちを新たにしていた。

◆広島小園海斗内野手(19)が待望の「マツダ1号」を放った。7点を追う3回先頭で、阪神先発西のシュートを右中間スタンドに運ぶ3号ソロ。5回に二塁内野安打、7回に左翼へ二塁打を放ち、三塁打が出ればサイクルの打ちっぷりでチームをもり立てた。連勝は2で止まったが、3連敗となった2位DeNAとの2ゲーム差は変わらず。最後まで全力プレーを続ける。打った瞬間、柵越えを確信した。7点を追う3回先頭。小園は阪神先発西の甘く入ってきたシュートを、右中間スタンドに運んだ。7月28日に神宮でヤクルト大下から放って以来、110打席ぶりの3号ソロ。マツダスタジアムが一瞬で沸き上がる中、軽快な足取りでベースを回った。「本拠地では初めてなんでうれしかった」と振り返った。 大量ビハインドを背負っても、あきらめずに安打を重ねた。5回先頭で二塁内野安打。7回2死走者なしでは左翼に二塁打。三塁打ならサイクルの9回は「対戦できて光栄」と話す藤川に空振り三振に仕留められ、悔しさをあらわにした。「(7月26日ヤクルト戦に続き)サイクルは2回失敗しているので、次はがんばりたい」と貪欲だった。 7月15日に再昇格してから1軍同行を続ける。口には出さないが疲れはたまり、1日1日体調が変わる。痛恨の適時失策も経験し、1軍の怖さを知って眠れなくなることもあった。それでも前に進むしかない。6日は東京から始発の新幹線で移動し、早出特打でナイターに備えた。がむしゃらな姿勢を貫いている。 元チームメートの奮闘が励みだ。U18W杯に日本代表として参加している星稜・奥川恭伸投手は、昨年の高校ジャパンの同僚。ストライクゾーン、判定、食事、宿舎など、普段と異なる環境で戦う国際試合の難しさをともに味わった。出発前には「がんばれよ」とLINEを送っている。5日のスーパーラウンド・カナダ戦で7回18三振を記録する姿を見て「すごいですね」と話していた。負けていられなかった。 泣いても笑っても、ペナントレースはあと12試合。小園はチームのため、ファンのため、力を振り絞って戦う。【村野森】 ▽小園は赤松の引退を惜しんだ。1月の合同自主トレ初日に、声をかけてくれた先輩。報徳学園の大角健二監督が、赤松の立命大時代の先輩ということを話してくれたという。2軍戦でもべンチで盛り上げ、誰にでも優しく接する姿を目の当たりにしており「さみしいですね」と話した。

◆阪神西勇輝投手(28)が、かわいい後輩の涙に燃えた。広島打線相手に打たせてとる投球で、8回11安打3失点。 「ヒットを打たれても、そこまでピンチに感じることなく、長いイニングを投げることが出来ました」。3併殺を奪うなど持ち味を発揮し、チームトップタイの7勝目を挙げた。 「昨日(高橋)遥人が(カード)頭でいって、悔しい思いをしていた。遥人がずっと頑張っているのを見てきたし、涙もあって、火が付いた。連敗にならないようにとずっと思っていました」 前夜は高橋遥が4回6失点で降板。ベンチでは目を赤くする姿があった。普段から西は高橋遥ら若手投手に助言を惜しまず、自身も「刺激になっている」と活躍に影響を受ける存在。そんな後輩の涙に燃えないはずがなかった。 熱い太陽が照りつけるデーゲーム。「何回か、つりました」と振り返ったが、危ないそぶりを見せなかった。矢野監督も「いい時も悪い時も、ちゃんと試合を組み立ててくれるのは素晴らしい」と称賛。「遥人も涙を無駄にしないように、これからも頑張っていけたらいい」。また互いに切磋琢磨(せっさたくま)していく。【磯綾乃】 ▽阪神梅野(8回の鈴木を含めて広島打線から3併殺を奪うなど西を好リード)「8回はたたき込まれそうな嫌な雰囲気があっての(鈴木)誠也。打球が上がる打者だけどうまくゴロでゲッツーを取れた」

◆阪神打線がソラーテショックを払拭(ふっしょく)する、先発野手全員安打の猛攻を見せた。 初回、先頭木浪が8球ファウルで粘った後に14球目を中前安打。1死から3番福留の右越え適時二塁打で先制した。2回にも木浪の適時打で追加点を挙げると、3回のビッグイニングで流れをガッチリとたぐり寄せた。四球と安打で1死一、三塁。6番高山が先発薮田の直球を完璧に捉え、右中間席へ運ぶ3号3ラン。この回、2番近本にも2点打が飛び出し、打者11人5得点の攻勢で試合を決定づけた。 試合前の時点で残り17戦で17勝がCS進出確定に必要な状況だった。自力でCS進出を決めるには瀬戸際で踏みとどまり、勝利を重ねることが不可欠。そんなタイトな局面で、2試合ぶりの先発野手全員安打で12安打7得点。8日の第3戦に向け、矢野監督は「今日、みんなで(1勝を)取れた。本当に総力戦で。明日、うちはもういくしかないんでね。思い切って、全員でいこうかなと思います」と、総力戦の構えを示した。新助っ人の力は借りずとも、シーズンを戦ってきた戦力で広島をとらえてみせる。 ▽阪神高山(3回に3号3ランを放つも、5打数1安打に終わり)「(本塁打は)甲子園だったらただのヒット。(自分は)ホームランバッターではないので、あの1本で終わっているというのは100点満点でいう0点です」

◆広島は序盤の大量失点に泣き、連勝が2で止まった。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -西から何度もチャンスをつくった 緒方監督 序盤からこの展開になってしまったけど、打者は粘り強くヒットの数も打ってくれた。苦しめられたとは思うけど、序盤の失点が痛かった。 -先発薮田が3回途中6失点 緒方監督 前回そこそこの球の力を認めた上で(先発起用)。コントロールの甘さもあったし、2回目は通じなかった。 -赤松が引退発表 緒方監督 昨日、永川が引退発表して、今日は赤松。2人とも選手時代からともにプレーしたし、さみしさを感じる部分はある。何とかいい形で送り出してやりたい。

◆阪神打線がソラーテショックを払拭(ふっしょく)する、先発野手全員安打の猛攻を見せた。 矢野燿大監督は「今日、みんなで(1勝を)取れた。本当に総力戦で。明日、うちはもういくしかないんでね。思い切って、全員でいこうかなと思います」と、総力戦の構えを示した。 その他一問一答 -西は安定している 1年間投げると、どうしても疲れが絶対に出る。そういうタイミングに当たったときは、やっぱり苦しい投球になる。それは誰にでも出てくる。でも苦しいなかでも投球ができる。今日もそんなに調子はいい感じじゃなかったと思うけど、結果的に長いイニングを投げてくれる。中継ぎ以降、みんな助かる部分。 -1回に先頭木浪が粘って出塁して先制した 聖也はずっといいしね。内容も中身もあった。いきなり先頭打者でああいうふうに粘られて、結果的にヒットで出るのはバッテリーにとってすごく嫌なこと。本当に内容のある打撃だった。その後もいい打撃をできていた。このままいってくれたらと思います。 -序盤の攻撃が効いた つないでみんなで点を取るのはウチの野球。この前の横浜では7、8、9回でいい点の取り方をできたけど、まだ点の取れそうなところで取れていないのは気持ち悪さが残る。全員のムードがもっともっと乗るというところでは、そういう1点を取りたかった。 -高山は本塁打の後か そうそう。あの後、打ってほしい。こっちのレベルとしては高いところを求めている。あの本塁打1本だけで「俊、良かったな」とは。場面としては大きいけどもっと上を目指したい。 -広島戦は1勝1敗。8日が大事な総力戦だ 全員でね。昨日、嫌な負け方をして、今日も負けてしまうとさらに嫌なムードで明日に臨むことになっていた。今日みんなで取れたので、本当に総力戦で。明日、うちはもういくしかないんでね。思い切って全員でいこうかなと思います。

◆阪神の守護神藤川球児投手が貫禄の投球だ。 4点リードの9回に登板。1死一塁で、三塁打を放てばサイクル安打を達成する小園と対戦した。オール速球勝負で空振り三振を奪うなど広島打線を寄せつけなかった。 「点差があるように見えたなら、いい投球をできたということでしょう」。9月1日巨人戦以来、中5日のマウンド。セーブはつかなかったが相変わらず安定感は抜群だ。

◆阪神の高山俊外野手(26)が7日の広島戦(マツダ)で3号3ラン。リードを5点に広げる一発をぶち込み、存在感を示した。  2-0の三回1死一、三塁。先発・藪田の145キロを振り抜くと、白球は右中間席に着弾。8月21日のDeNA戦(京セラ)以来の一発で広島を突き放した。前日6日は無安打だったが、3位を争う大一番での貴重なアーチとなった。  本塁打を打てば昨年6月12日の日本ハム戦(札幌ドーム)からチームは3連勝中。頼もしい一発が、逆転CSを手繰り寄せる。

◆阪神・木浪聖也内野手(25)が7日の広島戦(マツダ)の二回2死一、二塁で右翼フェンス直撃の適時打を放ち、2-0と点差を広げた。  「きのう打てなかった悔しさがあったので、絶対にやり返してやろうと思っていました。まだ序盤なので、もっと打てるように頑張ります」  今季27度目のマルチ安打で先発の西を援護した。一回先頭では14球粘って中前打を放ち先制のホームを踏むと、二回にも魅せた。2死一、二塁で打席に入り、2球目の117キロを振り抜き右翼フェンス直撃の適時打に。前日6日には8月18日の巨人戦(東京ドーム)から続いていた連続試合安打が「13」でストップしたが、一夜明けて再び快音。得点に絡む2安打で存在感を放った。

◆阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が7日の広島戦(マツダ)で2点中前打。今季の安打数を「140」とし、リードを7点に広げた。  5-0の三回2死満塁で打席に入ると、広島・中田の144キロ直球を弾き返した。打球はゴロに二遊間を抜ける2点適時打。得点圏での安打は8月10日の広島戦(京セラ)以来、17打席ぶりだった。  新人での140安打は1998年に巨人・高橋由伸がマーク。58年の巨人・長嶋茂雄の153安打、16年に中日・京田陽太が記録した149安打に続きリーグ3位タイとなった。

◆4位阪神は7日、広島戦(マツダ)に7-3で勝利した。一回1死一塁から福留が先制の適時二塁打。2-0の三回1死一、三塁では、高山が3号3ランを放ち、リードを広げた。先発の西は8回3失点で今季7勝目。「一戦も負けられないなかで勝ててよかった。(味方の)守備がよくてリズムよく投げられた」。逆転でのクライマックスシリーズ進出に向けた3位広島との勝負の3連戦。前日6日の初戦を落としていただけに、再び2・5ゲーム差に戻して安堵の表情を浮かべた。

◆阪神は序盤に猛攻を仕掛けた。2-0の三回は一挙5点。3号3ランの高山は「積極的にスイングをしにいった結果、甘い球を逃さずに打つことができた」と息をついた。さらに梅野の左越え二塁打などで2死満塁と攻め立て、近本が中前に2点打を運んだ。  「ああいうところでしっかりヒットを打てたことは良かった」と振り返ったルーキーはこれで今季140安打とし、1998年の高橋(巨人)に並んでセ・リーグの新人では歴代3位に浮上した。

◆♪タラララララ~タラララララ~ララ~(手品のBGM『オリーブの首飾り』)  「虎党の皆さん、ウエスト(西)マジックショーへようこそー! まずお見せするのは、この1つの赤いアウトのボール、これを空中にポイッと投げればアラ~、不思議。アウトが2つになりましたァ!!」  「本日の二回、五回、八回のノーアウトのピンチでゲッツーマジックでしたァ!!」(大拍手)  「続いてのマジックは数字を移動させちゃいます! 前日6日、広島戦の三回に5点を奪われたのは悔しかったでしょう! ならば、その『5』を同じ三回の阪神のところに...。ハイ!!」  移動したァ!? どーして? 何で? お楽しみいただけましたか?  では、次回は近日中に鯉と虎を入れ替える(順位)マジックで必ずお会いしましょう!!  西の8回102球、3併殺の巧みな投球! 高山の3ランを含む先発野手全員安打の7得点(四-九回の無得点がちょっと心配だけど)。さあ、第3戦も勝って残り試合で矢野マジックを見せてくれー!!

◆--西は打たせて取る投球だった  矢野監督 「併殺もしっかり取ったりというのが、西の投球やと思うし。粘り強く。いつも通りの(投球だった)」  --安定している  「1年間投げると、どうしても疲れは絶対出るし。そういうタイミングに当たったときは、やっぱりこう苦しい投球っていうのは誰でも出てくるし」  (続けて)  「でも、苦しい中でも投球ができるとか。きょうもそんなに調子は良いという感じじゃなかったと思うけど、結果、長いイニングを投げてくれるというのは、中継ぎ以降みんな助かる部分でもあるし。そういうのは、良いときも悪いときも、ちゃんと試合を組み立ててくれるっていうのは素晴らしい」  --一回の先頭木浪が粘って出塁した  「聖也はずっと良いしね。内容も中身もあったし。いきなり先頭バッターでああいうふうに粘られて、結果的にヒットで出るというのはバッテリーにとってすごい嫌なことだから。本当に内容のある打撃やったし。その後もね、いい打撃をできていたんで。このままいってくれたら」  --攻撃を通して  「点の取れそうなところで取れていないのは気持ち悪さが残るんで。また全員のムードがもっともっと乗るというところで、1点を取りたかったなというのはある」

◆「モチベーション(行動を起こす動機)が上がらない」と言ったソラーテの退団が決まった。  冗談ではない。出社して「今日はモチベーションが上がらないので家に帰ります」が通用するかってんだ。  このギスギスした気持ちを救ってくれたのはマツダでのデーゲームで快勝の阪神。序盤の7点先行で、これまで先発して好投しても援護が少ない西が喜々として力投。打線が7点。三回は高山の本塁打が効いたし、近本の2点打も光った。西投手は「絶対勝つぞ! という気になった」という。今更ながら勝利は美しい...。これでCSがグイッと現実味を帯びてきた。また酒量が増えて肝臓がだまっちゃいないのだが...。  さて、そのデーゲームのあいだウルサかったのはわが編集局長畑恵一郎だ。職場では顔さえみればソフトだが、実はゾクリとシビアな部分をついてくる。ところが本日は実にニコヤカな顔で接近してきた。  「虎ソナが5000回か...」(そうですョ...と身構えたら)「これもサンスポの読者、それに阪神や球界関係者の皆さんのおかげやなぁ...。ちゃんと紙面でお礼をいうといてや。感謝を忘れたらアカンで」だと。もしもし亀よ、ハタさんよ...あなたこそ、何か忘れてはいませんかってんだ。なんでウチの上司はこんな時にはみんなモノ忘れがひどいんだ...。  と、彼はまたすぐ戻ってきて「あ、サンスポ吉川達郎代表(産経新聞社執行役員)からこの『虎ソナ』5000回の表彰があるから、顔でも洗ってまっててや...」だと。  そうなのです。読者の皆さま。本当にありがとうございます。振り返れば15年前2004年のシーズンオフに当時運動部長植村徹也の「何かオッという連載を10回ほど...」というので、そいじゃ...と10月27日に始まった『冬のソナ...』違う『虎のソナタ』がどこでどうなったか...本日で5000回! はじめのうちは週イチで休みもありましたが皆さまや関係者、阪神ナインの間で「どんなヤツが筆者なのか」となりました。そのうち休み無しのコラムとなりまして、執筆スタッフも編集局のウルサイのやひねくれ者にあやしい編集委員も加わり、こんなにもロングランとなりました。まさに「読者の皆さまのおかげ」です。そして...代表吉川達郎は表彰でこういったのです。  「いいか、英の登山家G・マロリーはなぜエベレストに挑むのか...と問われて『山がそこにあるからだ』といったように、そこにタイガースが存在し、ファンや読者が支持してくれるかぎり『虎のソナタ』も挑み続ける覚悟を忘れるなョ」  とにかくご愛読いただいた皆さま、本当にありがとうございます。

◆4点リードの九回にマウンドに立ったのは藤川。1死から会沢に右前打を許したが、安定の投球で後続を断った。守護神に復帰した7月26日以降、セーブシチュエーション以外での登板は2度目(8月13日は0-0の延長十二回裏)。楽しそうだった? という問いかけに「まあ、点差もあったし、そう見えたんでしょ」とニヤリ。サイクル安打のかかった小園には全球直球勝負(空振り三振)。球児らしさ全開だった。

◆D1位・近本が17打席ぶりに得点圏で快音。三回2死満塁で打席に入ると、中前への2点打でリードを広げた。得点圏での安打は8月10日の広島戦(マツダ)以来。「いいところで1本、毎試合1本という気持ち。何とか打ちたいという意識で打席に入った」。今季140安打目で1998年の高橋由伸(巨人)に並び、新人ではリーグ3位。58年に長嶋茂雄(巨人)が残したセ・リーグ新人記録の153安打も視界にとらえている。

◆西のバッテリーを組んだ梅野は「点を取られたところはカウント不利になってしまった。相手が迷うようにしていかないと」と振り返った。バットでは5打席立ち、2年連続の規定打席に到達。阪神の捕手では2003年から4年連続で到達した矢野燿大(現監督)以来。攻守で存在感を示し、チームを引っ張る。

◆福留が一回1死一塁から右越えへ先制の適時二塁打。NPB通算393本目の二塁打で、谷繁元信(元横浜、中日)と並び歴代16位タイ。現役では最多だ。虎の上空を漂う暗雲をひと振りで吹き飛ばした。「きのうのこともあったし、一回から点が取れてよかった。あんまり先のことは考えず、目の前の1つ1つという気持ちでいけば、その先にCSも見えてくる」。ベテランの言葉は重みも、説得力もある。

◆ファウル、ファウル、またファウル。プレーボール直後の"ファウルショー"が、崖っぷちの虎に勇気とパワーをもたらした。主役は木浪。1番打者が粘って粘って14球目を中前打。カープ先発薮田はガックリだ。1死後、福留の右越え二塁打で一気に先制のホームを踏んだ。  「絶対に初回から出てやるという気持ちが強かったので、ああやって粘って球数を費やさせて塁に出られたのはよかったです」  一回の「かえる男」が二回には「かえす男」に。2死一、二塁から貴重な追加点となる右越え適時打で今季27度目のマルチ安打。虎新人最長タイまで伸ばした13戦連続安打は前夜(6日)に途切れた。が、元気一杯再スタートだ。  「きょうは何としても勝つという声がチームの中でもあったので。あしたが大事になると思うので、あした勝つために自分ができることを一生懸命やるだけです」  ルーキーが試合を重ねるごとに、1番打者らしくなっている。 木浪について阪神・浜中打撃コーチ 「粘って粘って、ああいうヒットはチームも勢いに乗る。(木浪)聖也の一打で勢いをつけてくれたし、あれでいけるかなという雰囲気になった」

◆敗れた広島はドラフト1位・小園海斗内野手(19)=報徳学園高=が本拠地初アーチとなる3号ソロを含む3安打と気を吐いた。  三回は右中間席に白球を運び「しっかりとスイングできた」。シーズン3発は球団の高卒新人で最多タイ。五回は二塁内野安打。七回は左前に落ちる当たりで快足を飛ばし、二塁を陥れた。  三塁打が出ればサイクル安打となった九回は三振を喫したが、今季3度目の1試合3安打。ドラフト制後(1966年)、3度の猛打賞を記録した高卒新人は1986年の西武・清原和博(9度)、88年の中日・立浪和義(3度)に次いで31年ぶり3人目だ。  薮田が三回途中6失点でKOされ、一方的な展開になりかけたが、追い上げムードをつくった小園。最近、打撃で苦しんでいたルーキーは「ずっと練習でやってきたことが出せてよかった」と控えめに喜んだ。 三回途中6失点の広島・薮田 「真っすぐの精度と勢いがなかった。打者が嫌がっている感じがなかった」 3安打の小園に広島・東出打撃コーチ 「今はいかに自分のスイングをするか。内容もあるし、結果もいい」

◆大粒の汗を拭い、真っ赤に染まったマツダの真ん中で懸命に腕を振った。西がチームトップタイの7勝目。鯉打線を一人ずつ打ち取り、もらった7点の援護を守った。  「きのう、遥人が頭で行って、すごく本当に悔しがっていましたし。ずっとあいつが頑張っているのは見ていたので、自分も『火がついた』じゃないですけど。何とか連敗にならないようにと」  後輩の涙に燃えた。前日6日に高橋遥が4回6失点で負け投手に。途中、ベースカバーを怠ったことからベンチで厳しい叱責を受け、目に涙を浮かべる場面もあった。悔しい思いをした後輩の分も-。気合十分の投球で、8回で11安打を浴びながらも3失点。7つ目の白星をつかんだ。  「チームからしたら7点も取ったら勝ったという雰囲気がある。長いイニングは考えず、きょうは『中継ぎ』じゃないですけど。ヒットを打たれても次のバッターを抑えるという気持ちでした」  この日の最高気温は32度超、暑さで何度か足がつる場面もあった。8イニングで先頭に出塁を許したのは5度。それでも二、五、八回は併殺を奪って切り抜け、「思い通りの配球ができました」と胸を張る。スライダーをはじめとする変化球で的を絞らせなかった。  多彩な変化球の原点は海の向こうのレジェンドだった。まだ指が短く、握力も未熟だった三重・菰野高1年時。初めて本格的に覚えた変化球がスライダーだった。「カーブは握れないし、フォークはしっかり挟めないし...」。たくさんの名投手の変化球が図解されたバイブル本を買い、隅から隅まで熟読。自分でも投げられそうな球がなかなか見つからない中、唯一しっくりきたのが、メジャー通算303勝のランディ・ジョンソン(元ダイヤモンドバックスなど)の握りだった。「今思うと、よくあんなんで放れていたな」と笑って振り返るが、あの頃のたゆまぬ努力は必ず、今につながっているはずだ。  「ここからまた、とかそんなことを言っている場合ではない。1試合も落とせない試合が続くので、何とかみんなでやっていけたらと思います」  虎でのルーキーイヤーも大詰め。気迫の投球でチームを鼓舞する。 (箭内桃子) 西について阪神・福原投手コーチ 「低めで、ゴロとかゲッツーも取れていたし、点を取られた後に最少失点で行けたのが良かった」 ★高橋遥の涙VTR  前日6日の広島戦。先発した高橋遥は三回1死一塁で西川の一ゴロに対し、ベースカバーが遅れ、ピンチを拡大。4回6失点でKOされた。降板直後に待っていたのは矢野監督、福原投手コーチからの大説教。指揮官は「スタートを切っていないっていうのが、まずプロとして恥ずかしい」と一刀両断し、高橋遥は「悔しい。申し訳ない」と三塁ベンチで涙をポロポロと流した。

◆打つしかない! 勝つしかない! 阪神・高山俊外野手(26)が三回に3号3ラン。3位広島との直接対決に完勝し、再び2・5ゲーム差に迫った。前日6日に「モチベーションが上がらない」と1軍昇格前に帰阪したヤンハービス・ソラーテ内野手(32)の解雇が確実に-。お騒がせ助っ人はもうゴメン! ここからは、若虎たちがやりまっせ!  捕まえた鯉の尻尾は、もう離さない。前代未聞のソラーテ騒動から一夜明け、虎は揺らがなかった。3位という赤い壁をブチ破ろうと、高山が豪快に右翼席にほうり込んだ。意識もモチベーションも高い。クールな表情ながら、バチバチと自らにムチを入れていた。  「積極的にスイングしにいった結果、甘い球を逃さずに打つことができました。(広く、浜風がある)甲子園だったら、ただのヒットでした」  2-0の三回1死一、三塁。内角に入ってきた薮田の145キロ直球を振り抜いた。8月21日のDeNA戦(京セラ)以来の3号3ラン。本塁打を放てば今季3戦全勝(昨季からは4連勝)。3位広島との直接対決で、2・5ゲーム差に戻した。  「チャンスだったので、何とかランナーをかえしたいと思っていました」  前日6日、1軍に昇格するはずだったソラーテが「モチベーションが上がらない」と球場入りして即、帰阪。解雇が確実となった。CS争いに水を差されるような"事件"だったが、もがき苦しんだ2016年の新人王にとっては今が大事だった。  「ホームランバッターじゃないので、あの1本で終わるというのは...。100点満点でいうと、0点です」  矢野監督も「あの後を打ってほしい」と厳しかった。7-3の九回無死一、三塁で浅い右飛に倒れるなど、他の4打席では凡退。プロ通算18発。求められるのは放物線だけじゃない。ヒットであり、四球であり、とにかく塁に出ること。この粘っこさを見せてほしい。今の虎に必要だった。  食うか食われるかがプロの世界。もう、独り立ちしなければいけない。  先日、掛布オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザーの今季限りでの退団が発表された。忘れられない言葉がある。16年6月。内角攻めなどでプロの壁にぶち当たり、1軍に帯同しながら、当時2軍監督だった掛布氏の下へ派遣されたときのことだった。  「数字が残っていないのに、なんで僕は1軍にいるんでしょうか?」  そう質問すると「お前はドラフト1位。特別なんだから」と諭されたという。D6位から上り詰めた掛布氏だからこそのメッセージだった。今も昔も共通しているのは重圧に勝てたものが生き残るということ。結果がすべてだ。新人球団記録だったシーズン136安打も近本に抜かれた。強い柱になることが掛布氏に対しての恩返しになる。  今季10度目の先発野手全員安打。虎将は「本当に総力戦で。あした、うちはもう、行くしかないんでね。思い切って全員で行こうかな」と力を込める。残り16試合。8日、負ければ自力CS進出の可能性が消滅する。高山も虎も気力を振り絞る。もう、止まらない。 (竹村岳)

◆殊勲者は木浪。一回の先頭打者として、ファウルで粘りに粘って14球目をヒットに。相手投手が最もガックリくるパターンだ。しかも、味方はその間に様々な球種をみてしっかり準備できる。勢いもつく。これが理想的な1番打者の仕事だ。  打線の基本は1番と4番。この2箇所がしっかりすれば、攻撃は安定する。今、阪神は木浪が固定されている。この打席のように、いかに粘っこく、しつこく、相手投手の投球に食らいつけるか。調子がいい時はできるが、悪い時にも、ファウルで粘れるようになってもらいたい。  うまく打とう、きれいに打とう、と誰もが思うが、うまく打てる打者なんてほんのひと握り。大半の打者はできない。そこで粘っこく食い下がる姿勢が求められる。私が教えてきた打者でいえば辻(西武監督)、秋山(西武)。この2人は粘る打者から一流へ駆け上がっていった。  阪神にこのタイプが少ないことが、得点力不足の要因の1つ。そこに木浪、近本という候補者がでてきた。この新人2人は辻、秋山クラスになる可能性を秘めている。楽しみだ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
69562 0.552
(↑0.004)
-
(-)
16597
(+10)
505
(+6)
161
(+3)
74
(-)
0.259
(↑0.001)
3.710
(↓0.01)
2
(-)
DeNA
66603 0.524
(↓0.004)
3.5
(↓1)
14535
(+3)
539
(+8)
143
(+2)
37
(-)
0.245
(↓0.001)
3.860
(-)
3
(-)
広島
65633 0.508
(↓0.004)
5.5
(↓1)
12547
(+3)
548
(+7)
130
(+1)
75
(-)
0.255
(↑0.001
3.650
(↓0.02)
4
(-)
阪神
59626 0.488
(↑0.005)
8
(-)
16475
(+7)
517
(+3)
84
(+1)
86
(+2)
0.251
(-)
3.540
(-)
5
(-)
中日
59652 0.476
(↑0.004)
9.5
(-)
17497
(+8)
495
(+3)
81
(-)
60
(+1)
0.265
(↑0.001)
3.850
(-)
6
(-)
ヤクルト
52762 0.406
(↓0.003)
18.5
(↓1)
13589
(+6)
663
(+10)
150
(-)
56
(-)
0.243
(↑0.001)
4.680
(↓0.04)