ソフトバンク(☆2対0★)ロッテ =リーグ戦22回戦(2019.09.06)・福岡ヤフオクドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ロッテ
0000000000020
ソフトバンク
00001100X2500
勝利投手:千賀 滉大(12勝7敗0S)
敗戦投手:ボルシンガー(4勝5敗0S)
  DAZN
チケットぴあ ソフトバンク戦チケット予約 ロッテ戦チケット予約
◆ソフトバンクは両軍無得点で迎えた5回裏、1死二三塁から甲斐の適時打が飛び出し、1点を先制する。投げては、先発・千賀がノーヒットノーランを達成。133球を投げて12奪三振の力投を見せた。敗れたロッテは、好投した先発・ボルシンガーを打線が援護できなかった。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)は8月17日西武戦から3連敗中。 千賀は通算勝率6割5分4厘と、勝率の高い投手で、シーズン4連敗はリリーフだった13年の1度だけ。先発転向後は4連敗のない千賀だが、今日の結果は?

◆モデルでシンガー・ソングライターのchay(28)が試合前に「君が代」独唱を行った。 「すごく緊張しましたが、心を込めて歌わせていただきました」と笑顔で初めてのドーム球場での独唱を振り返った。 ソフトバンク今宮健太が15年に自身の曲「Twinkle Days」を登場曲に使用していたことを当時から知っていたchayは、今宮と初めて会い「感謝の気持ちを伝えました。すごくガッチリでマッチョでした」と握手をし、記念撮影を行った。

◆ソフトバンク千賀滉大投手がロッテ22回戦でノーヒットノーランを達成した。18年巨人山口俊以来、史上80人目(通算91度目)の快挙。令和では初めての偉業となった。 6回に鈴木からこの試合7つ目となる空振り三振で自身初シーズン200奪三振に到達。4四死球を与えたが、43年別所昭以来の球団史上2人目の偉業を生んだ。

◆ソフトバンク先発千賀はロッテ打線を3回までパーフェクトの立ち上がり。ロッテ先発ボルシンガーも3回まで無失点に抑えた。 ソフトバンクは5回、甲斐の適時打で先制。6回にも敵失で1点を追加した。先発千賀は6回まで無安打無失点に抑えた。 ソフトバンクが逃げ切って5連勝。先発千賀はリーグでは14年西武岸以来、5年ぶりの無安打無得点試合達成で12勝目を挙げた。ロッテ・ボルシンガーは5敗目。

◆ソフトバンク千賀滉大投手がロッテ22回戦でノーヒットノーランを達成した。18年巨人山口俊以来、史上80人目(通算91度目)の快挙。令和では初めての偉業となった。 4四死球を与えたが、最後はロッテ井上をフォークで空振り三振を奪って43年別所昭以来の球団史上2人目の偉業を生んだ。 ▽ソフトバンク千賀の談話「(9回に)ランナーを2人出したので、1発打たれたら逆転される。それだけを考えてマウンドにいたのがよかった。1本打たれたら、スタンドからため息がくると思っていたので...。それだけはと思っていた。(3連敗中で)自分はどうこうでなく、勝ちがなかった。苦しくて。(調子は)普通でした。(要因は甲斐)拓也のリードです。朝起きたら、拓也からお前のために頑張るとラインがきて。がんばろうと思いました。 走者を出していたので、そんな意識はなかったが。みなさんもそうだったと思いますが、ボク自身もそうだった。だから四球を減らすように頑張ります。(意識はいつから)5回終わって、わ、(ヒットが)ゼロだと。あと4回全力で行こうと思った」

◆ソフトバンク千賀滉大投手がロッテ22回戦でノーヒットノーランを達成した。18年巨人山口俊以来、史上80人目(通算91度目)の快挙。令和では初めての偉業となった。千賀お立ち台のコメント -達成した気持ちは 千賀 ランナーを2人出したので、1発打たれたら逆転される。それだけを考えてマウンドにいたのがよかった。1本打たれたら、スタンドからため息がくると思っていたので...。それだけはと思っていた。 -どんな気持ちで投げていた 千賀 自分はどうこうでなく、勝ちがなかった。苦しくて。 -調子はどうでしたか 千賀 普通でした。 -何がよかったのか 千賀 (甲斐)拓也のリードです。朝起きたら、拓也からお前のために頑張るとラインがきて。がんばろうと思いました。 -育成、エース、そしてノーヒットノーランを達成しました。 千賀 走者を出していたので、そんな意識はなかったが。みなさんもそうだったと思いますが、ボク自身もそうだった。だから四球を減らすように頑張ります。 -意識はいつから? 千賀 5回終わって、わ、(ヒットが)ゼロだと。あと4回全力で行こうと思った。 -今後に向けて 千賀 チームに勝ちをもってこれられる投球をしたいと思います。

◆ソフトバンク千賀滉大投手がロッテ22回戦でノーヒットノーランを達成した。18年巨人山口俊以来、史上80人目(通算91度目)の快挙。令和では初めての偉業となった。▼千賀が18年7月27日山口俊(巨人)以来、プロ野球80人、91度目のノーヒットノーランを達成した。パ・リーグでは14年5月2日岸(西武)以来となり、ソフトバンクでは1リーグ時代の43年5月26日別所が大和戦で記録して以来、76年ぶり2人目になる。現12球団で2リーグ制後にノーヒットノーランを達成した投手がいなかったのはソフトバンクと楽天だけ。ソフトバンクの「76年ぶり」は、球団別ノーヒットノーランの最長ブランクだ。 ▼千賀は12三振を奪い、自身初の毎回奪三振もマーク。ノーヒットノーラン試合の最多奪三振は68年9月14日外木場(広島)の16個で、2桁奪三振で達成したのは14人、15度目だが、「毎回奪三振のノーヒットノーラン」はプロ野球史上初の快挙だ。千賀は育成ドラフトで入団しており、育成出身で達成も初めて。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が史上80人目、育成選手では初のノーヒットノーランを達成した。ヤフオクドームでのロッテ戦で許した走者は四死球の4人だけ。球団では1943年(昭18)の別所昭(後の毅彦)以来、76年ぶり2人目の快挙だ。自身3連敗中だったが、茶髪を黒に染め直して復活の12勝目。西武が勝って優勝マジック点灯は再びお預けとなったが、リーグV奪回と3年連続日本一へ最高の弾みをつけた。千賀が渾身(こんしん)のガッツポーズをつくった。9回1死一、三塁のピンチを招いたが、中村奨を二飛。最後の打者井上は空振り三振に斬った。育成出身選手史上初のノーヒットノーランを達成。ヤフオクドームを歓喜の渦に導いた。 チーム4連勝の流れをエースが止めるわけにはいかなかった。3連敗中の右腕が初回から飛ばした。「僕自身、投げている球はトンネルを抜けたかなと思う。あとはストライクゾーンに投げるだけ。全然悪くない」と手応えをつかんでのマウンド。茶髪だったヘアスタイルもこの日の登板に備え黒く染めてきた。 5回井上に死球で初めての走者を出したが、あわてず5番角中から清田、藤岡と3人で片付けた。チームとして負け越している苦手のロッテが相手。千賀もこの試合までに今季4試合で1勝1敗だった。「僕にとってもチームにとっても嫌な相手。そろそろいきたいなと思う」とやり返す闘志をみなぎらせてのマウンドだった。 5回には育成出身バッテリーで仲の良い甲斐が中前へ先制適時安打。甲斐は「追い込まれてしまったので何とか食らいついて打ちにいきました。千賀も良い投球をしているので先制出来てよかったです」と話した。6回にも相手のミスでさらに1点を追加。千賀は後半になるにつれ、さらにギアを上げていった。 これまでは故障で戦列を離れることが多かった千賀だが、今季は開幕ローテーションを守り続けた。工藤監督も試合前に「勝てない時もエースの自覚を持ってやってくれている。1つ1つの登板を大事にやってほしい」と変わらぬ信頼を口にしていた。エース千賀の復調でリーグV奪回をさらに加速させる。【石橋隆雄】

◆ロッテは中堅マーティンが5、6回に平凡な中飛を落球するまさかの2失策。 いずれも失点に結び付き、千賀と緊張感のある投げ合いを演じていた先発ボルシンガーに今季5敗目(4勝)がついた。それでもボルシンガーは「彼が加入してから短い期間だけど何度も守備で助けてもらっている。明日はまた新たな日。切り替えて頑張ってほしい」と、失意のうちに球場を後にしたマーティンをかばった。

◆慎重に、そして攻撃的に。女房役のソフトバンク甲斐拓也捕手が千賀のノーヒットノーランを引き出した。「うれしいです。こんなことなかなか経験できないんで」。ヒーローのお立ち台で汗なのか涙なのか、133球をしっかりと受け止め続けた甲斐は喜びをかみしめた。 強気でエースを引っ張った。最後の打者井上への勝負球は迷わずフォークだった。思惑通り空振りに切った。「1発だけはやっちゃいけない。チームが勝つための戦略」。甲斐はキッパリと言った。伏線は1打席目からあった。2回先頭打席に井上を迎え、甲斐の要求は内角直球。3球とも154キロの速球を懐に投げ込み空振り三振に切った。死球を与えた5回の2打席目も内角を突いていた。 「千賀のために」。試合後、甲斐は何度もこの言葉を使った。5回1死二、三塁からボルシンガーのカーブを中前に運んだ。「何とか食らいついて打った。自分も悔しい思いをしていたし」。ここ2試合はマスクを先輩高谷に譲っていた。好リードで快挙をアシストしたばかりか、先制の決勝点も自らのバットで運んでみせた。3連敗で消沈していたエースの姿は女房役の「痛み」でもあった。「本当に千賀のためにと思った。いい顔が見られてよかった」。ようやく白い歯がこぼれた。【佐竹英治】

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が史上80人目、育成選手では初のノーヒットノーランを達成した。千賀の会見一問一答は以下の通り。   -9回、井上選手を迎えた場面を振り返ってください。 千賀 自分のことはどうでもよくて、1発打たれたら逆転で負けになる。それだけを考えてマウンドにいた。 -あと1球となった時に、マウンド上で何かつぶやいていたように見えましたが 千賀 はっきりは覚えてませんが、確か「1発だけはダメだ」と言っていたと思います。 -最後は三振を意識してましたか? 千賀 最後は全部三振を取るつもりで投げてました。 -育成選手としてノーヒットノーランです 千賀 甲斐と一緒に取れてよかった。 -投球内容を振り返ってください 千賀 ランナーを出していたのですごいことをしている実感はなかった。四球、死球を出していたので、今後は減らしていきたい。 -倉野投手コーチも力みがないという評価でしたが 千賀 力まず投げるのがテーマでもあった。とりあえずチームが勝てるように、それだけでした。 -先制打は甲斐選手でした 千賀 今日はベンチ横にいてくれて、なんかボソッとつぶやいていた。「打ってくるわ」みたいな感じてボソッと言っていたのが印象的でした。 -朝、甲斐選手から来たラインの内容は? 千賀 今日はお前のために頑張るから、お前も同じ気持ちで頑張ろうってそういう言葉でした。 -ウイニングボールはどうしますか? 千賀 今はまだグラブの中にありますが、もう少ししてどうするか考えます。 -8回くらいからベンチでも誰からも声をかけられなかったようでしたが 千賀 ボクもあの光景は笑ってしまいました。あれだけさっきまでしゃべっていたのに、誰もしゃべりかけてこなかった。甲斐が横にいたので、1本打たれないようにしようと、自分から甲斐に話しかけていた。 -これからの投球について 千賀 チームにとって負けられない試合が続く。Bクラスに転落する可能性があるくらい混戦なので、先発としてしっかり試合を作っていきたい。チームが苦しい時に勝てるように、最後までそういう気持ちで投げたい。

◆ソフトバンク千賀滉大投手がロッテ22回戦でノーヒットノーランを達成した。 18年巨人山口俊以来、史上80人目(通算91度目)の快挙。令和では初めての偉業となった。千賀が奪った12個の三振に快挙の理由が詰まっていた。結果球の内訳は直球が8、変化球が4。1~6個目はすべて150キロ台中盤の直球で、7個目以降に変化球を集中させた。球種だけでなくコースの「転調」も巧みで、序盤~中盤で高めを十分に意識させてから、終盤に低めを振らせた。しかもストライクゾーン内の三振が4個しかなく、特徴である高低の揺さぶりに加えて左右の揺さぶりも目いっぱい使い、ロッテ打線を沈黙させた。結果球のうち11球は代名詞の直球とフォークボールで、スライダーは1球。しかし全133球の配分はカットボール、スライダー、その他球種の割合も普段と比較して高い。道中で的を絞らせない捕手甲斐のリードも光った。

◆7日先発予定のソフトバンク和田毅投手は、千賀の大記録を手放しで喜んだ。 「1球目から直球がすごかったし、スライダーも甲斐がミットのアミ部分で取っていたので切れていたんだと思った」と好投を予感していた。 「まだなんか興奮してますね。記録の翌日なんて、先発としてプレッシャーですよ」とちょっぴり複雑な気持ちも口にしていた。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が史上80人91度目、育成選手では初のノーヒットノーランを達成した。 ロッテ22回戦(ヤフオクドーム)で、史上初の毎回奪三振で快挙をアシスト。ホークスでは1943年(昭18)の別所昭(後の毅彦)以来、76年ぶり2人目の偉業だ。自身3連敗中だったが、茶髪を黒に染め直して復活の12勝目。西武が勝ったため優勝マジック点灯は再びお預けとなったが、3年連続日本一へ最高の弾みをつけた。最後は千賀の代名詞、お化けフォークだった。9回2死一、三塁。1ボール2ストライクから外角へのフォークで井上を空振り三振。ノーヒットノーランを達成、甲斐と抱き合って喜んだ。リードは2点。本塁打を浴びれば逆転を許すピンチをつくったことで、逆に冷静になれた。優勝を争う大事な一戦も工藤監督は「記録に挑むことはなかなかできることではない。彼に9回は託すと決めていた」と腹をくくっていた。 千賀は「5回にまだ(被安打が)0か。あと4回全力で抑えようと」と早い段階から意識した。チームメートたちは、あえて千賀に「ノーヒット」の言葉をかけるのを我慢。「みんながすごい、そのワードを出さないから逆に僕が笑いそうになった。2点差の引き締まった試合だったのでできたんじゃないか」とナインの優しさを感じていた。 自身3連敗中だった。「こんなんじゃエースなんかじゃないですって」と、チームが連勝する中、もどかしい思いでいっぱいだった。茶色になっていた髪も黒く染め直していた。 この日朝、甲斐からLINE(ライン)が届いた。「今日はお前のために頑張るから。その気持ちに応える気持ちで投げてくれ」。10年育成ドラフト同期の甲斐との育成バッテリーで大きく成長してきた。「うまく緩い球をと、スラーブをしっかり使った」。カットボールでもフォークボールでもなくドロンと斜めに曲がる球で8回にこの日最速の159キロを出した直球と緩急をつけた。どんなワンバウンドでも止めてくれると甲斐を信じて投げた。 2人だから言いたいことが言える。8月23日のZOZOマリンでのロッテ戦では、ベンチの端で大声で言い合い、隣でカメラマンたちがケンカが起きたのかと心配するほどだった。4戦ぶりの白星でチームトップの12勝目を挙げた。工藤監督は「1年を通して試合の中での立ち居振る舞いなどが変わってきている」と、精神的な成長を認める。メジャー関係者の熱い視線も常に集める。12奪三振で今季目標にしていた200を超える205三振を記録。不調のトンネルを抜けたエース千賀が、3年連続日本一へ導く。【石橋隆雄】

◆ソフトバンク千賀滉大投手を育てた倉野信次投手コーチも投球を絶賛した。「チームが苦しく、1人で勝ってほしいと思って送り出している中、こんな結果で勝ってくれる。中継ぎも休ませられるし、これこそチームを救う投球だった。本当に素晴らしい、そのひと言です」。 前回登板で3連敗を喫した8月30日西武戦後、2人で話した。内容は技術的なことや精神的な部分にも及んだ。「その時、千賀に2つのことを指摘したが、今日はそれができていた。意識だったり、球の使い方だったりです」。"愛弟子"の成長に目を細めた。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が史上80人目、育成選手では初のノーヒットノーランを達成した。許した走者は四死球の4人だけ。球団では1943年(昭18)の別所昭(後の毅彦)以来、76年ぶり2人目の快挙だ。   ▽ソフトバンク千賀の父・直伸さん(愛知・蒲郡市の自宅でテレビ観戦)「今年あたりノーヒットノーランをやるんじゃないかと声をかけていました。2軍でオリックス相手に9回までノーヒットという試合が昔あったんですが、自分で一塁側のゴロに手を出してヒットにしてしまって...。本当にうれしいです。さっき連絡をしたら『ありがとう』とだけ返ってきました」

◆ソフトバンク千賀の今年の目標のひとつに、「真面目に生きよう」がある。これまで以上に、真面目に野球に取り組むことだった。筋肉の本を読んで知識を増やし、サプリメントも学んだ。春季キャンプ時にドラフト2位ルーキーの杉山からサプリメントの取り方などを質問された時も、まず杉山に今どういうものをどう摂取しているかを話させた。「自分の口で説明すれば、自分がどれだけ理解しているかが分かるから」と、まずは杉山の理解度を試し、そこから自分の体験に基づくアドバイスをした。 年賀状に「ご飯に連れていってください」と書いてきた2年目の野手増田を、食事に誘ったこともある。これまでは自分が若手という感覚が抜けなかった千賀が、今季は"大人"になった。高橋礼、甲斐野、高橋純と若い投手陣が1軍ですぐにノビノビとプレーできているのも、千賀が後輩に扉を開いたことも大きい。東浜は「千賀もそういう年代になったということですよ」と、頼もしそうに話す。もう先輩から「野球に集中しろ」と怒られていた姿はどこにもない。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】

◆ロッテのレオネス・マーティン外野手(31)が6日、ソフトバンク22回戦(ヤフオクドーム)で、来日初の「1番・中堅」で起用されたが、五、六回と2イニング続けて飛球を落球。いずれも失点につながった。  まずは五回、無死一塁から松田が放ったやや右中間よりの飛球を落球。無死一、二塁とピンチが広がり、その後、甲斐の先制適時打を許した。  さらに六回2死一塁、内川が放った飛球は中堅やや後方の何でもない飛球だったが、マーティンがまたしても落球。緩めずに走っていた一塁走者のグラシアルが一気に生還し2点目を許した。立て続けのミスに、3アウトチェンジを確信していたボルシンガーはがっくりと肩を落とした。  9月1日に不動の1番・中堅だった荻野が腰痛で欠場、翌日から離脱した。代役として出場してきた岡に代わり、この日中堅に入ったマーティン。7月26日の初出場から37試合目で初めての中堅起用、また、ヤフオクドームでのプレーも初めてだった。右翼では持ち前の強肩で何度もチームを救ってきた助っ人だが、この日は痛恨のミス連発となった。

◆プロ野球ソフトバンクの千賀滉大投手(26)が6日、福岡市のヤフオクドームで行われたロッテ22回戦でノーヒットノーランを達成した。昨年7月27日の巨人の山口俊に続く史上80人目(通算91度目)の偉業で、令和に入って初。育成ドラフト出身選手としては初の快挙となった。  パ・リーグでは28人目(29度目)。速球とフォークボールがさえ、許した走者は4四死球による4人だった。チームは2-0で勝った。  千賀は愛知県出身の右腕。2011年に愛知・蒲郡高から育成ドラフト4位でソフトバンク入り。今季12勝目、通算54勝目だった。

◆ロッテは6日、ソフトバンク22回戦(ヤフオクドーム)に0-2で敗戦。ソフトバンクのエース・千賀に対して、球団では2014年5月2日に当時西武の岸に喫して以来、5年ぶりとなる無安打投球を許した。  中村奨を3番に据えるなど、千賀との相性を考慮して組んだ打順だったが、12三振を喫するなど不発に終わった。四回までは完全投球を許し、五回に井上が死球、六回はマーティンが四球で出塁するのがやっとだった。  引き分けを挟んだ連勝も「3」でストップ。勝率5割に逆戻りとなり、井口監督は「積極的にとミーティングでは話していたが、きょうは変化球の精度もよく、なかなか捉えきれなかった。いつも千賀を攻略するときは、ファーストストライクをしっかり打てていたが、きょうはなかなか積極的にいけなかった」と悔しがった。

◆ロッテのレオネス・マーティン外野手(31)が6日、ソフトバンク22回戦(ヤフオクドーム)で、来日初の「1番・中堅」で起用されたが、五、六回と2イニング続けて飛球を落球。いずれも失点につながった。  まずは五回、無死一塁から松田が放ったやや右中間よりの飛球を落球。無死一、二塁とピンチが広がり、その後、甲斐の先制適時打を許した。  さらに六回2死一塁、内川が放った飛球は中堅やや後方の何でもない飛球だったが、マーティンがまたしても落球。緩めずに走っていた一塁走者のグラシアルが一気に生還し2点目を許した。  9月1日に不動の1番・中堅だった荻野が腰痛で欠場、翌日から離脱した。代役として出場してきた岡に代わり、この日中堅に入ったマーティン。7月26日の初出場から37試合目で初めての中堅起用、また、ヤフオクドームでのプレーも初めてだった。  マーティンは無言で球場を後にしたが、好投むなしく5敗目を喫したボルシンガーは「この試合を見る限りはエラー2つを犯してしまったが、彼が入ってきてからいろんな守備で助けてもらった部分も多い」と、これまで何度も好返球でチームを救ってきたマーティンをかばった。

◆ロッテのマイク・ボルシンガー投手(31)が6日、ソフトバンク22回戦(ヤフオクドーム)に先発。今季最長タイの7回を投げ散発4安打の好投も、マーティンの2つの落球が響き2失点、打線も千賀にノーヒットノーランを許し、援護なく不運の5敗目を喫した。  「前回もよかったが、きょうもしっかり試合をつくれた。後半戦は思うように投げられているので、前半戦とは違う」  強力ソフトバンク打線を相手に着実にアウトを海重ねた。今季は制球に苦しむ試合も多かったが、この日は五回の内川に与えた1死球のみ。しっかりと試合をつくった。  井口監督も「今年一番いいピッチングだと思ったので、何とか勝たせてあげたかった」と評価した。

◆ソフトバンクの甲斐が好リードで、千賀の無安打無得点試合を演出した。千賀とは育成出身の同期。バッテリーを組み「捕手としてこんなにうれしいことはない。一緒に育成で入って汗水を垂らして頑張ってきた。感慨深いものがある」と言葉をかみしめるように話した。球団関係者によると、ベンチ裏では涙を浮かべて喜んだという。  打っては0-0の五回に先制の中前適時打を放った。投手との相性なども考慮されてここ2戦は出場機会がなかったが、復帰しての一戦で攻守に存在感を示した。

◆ソフトバンクの工藤監督は千賀の無安打無得点試合達成に「本当におめでとう。力感もなく落ち着いて、自分を悟ったような感じで投げていた」と少し興奮気味に話した。  現役時代は通算224勝を誇る名左腕も、無安打無得点試合は経験していない。「僕も投手として2度ほどチャレンジしているけれど、両方できなかった。精神的にも肉体的にも充実していないと成し遂げられない」と褒めたたえた。

◆2014年5月2日に西武・岸(現楽天)に喫して以来、ロッテが5年ぶりの無安打無得点で完敗。1分けを挟んだ連勝は3で止まり、勝率5割に逆戻りした。中村奨を3番に据えるなど、千賀との相性を考慮して組んだ打線は12三振を喫した。井口監督は「千賀を攻略するときはファーストストライクをしっかり打てていたが、きょうは積極的にいけなかった」と悔しがった。

◆ソフトバンク・千賀滉大投手(26)が6日のロッテ22回戦(ヤフオクドーム)でノーヒットノーランを達成した。2018年7月27日に山口俊(巨人)が達成して以来、史上80人目(91度目)。パ・リーグでは28人目(29度目)で令和初、育成ドラフト出身者でも初の快挙となった。自身3連敗と苦しんでいたエースの快投で2-0で勝利したチームは、5連勝で2位西武との1ゲーム差をキープした。  あと1球-。3万7520人のどよめきと無数のフラッシュの中での133球目で、12個目の三振を奪った。スタンディングオベーションに包まれて顔を上げ、この日初めて満面の笑み。ノーヒットノーランを達成した千賀は、駆け寄った甲斐を思い切り抱きしめた。  「逆に、あの場面を自分で作ってしまったせいで、試合に入れました」  九回は2四球で1死一、三塁のピンチも、中村を二飛。井上をフォークで空振り三振で歓喜を迎えた。先発では自己ワースト3連敗で迎えた登板で、一回から鬼気迫る表情。五回までの6三振はすべて直球で奪った。  「五回を終わって(安打が)ゼロだったので。残り4回、全力でいってやろうと思いました」  意外に早く記録を意識すると、八回に最速159キロを計時して三者三振など終盤も圧倒した。史上80人目(91度目)の偉業は、球団では南海時代の1943年の別所昭(毅彦)以来76年ぶり2人目。12球団で最長ブランクの快挙を、育成ドラフト出身で史上初というおまけつきで飾った。  朝、SNSのメッセージを受信した。相手は捕手の甲斐。「きょうはお前のためだけに頑張るから」。育成で同期入団、唯一無二の相棒に「気持ちに応えるためにも頑張る」と返した。入念な打ち合わせは日常も、朝からの会話は異例。悔しいときこそ、2人きりでの食事が増える。「ダメなときは、2人でしっかり野球の話をする時間も多くて」。普段は後輩も誘って楽しむ場で、互いに「俺のせい、ごめんな」と何十回も繰り返してきた2人。ともに「人生初」の感動を味わった。  自身3連敗に加え、チームも6勝15敗と苦戦していたロッテ戦だ。優勝争いの大きな山で、工藤監督は「精神も肉体も充実していないとできないこと」と感服。エースはすぐに先を見据えた。  「負けられない試合が続くし、まず先発が試合を作ること。みんなでしっかりやりたいし、自分がそう(見本で)ありたいと思っています」  8日間も2位西武と1ゲーム差以内のデッドヒートが続く。エースの意地による5連勝は、2年ぶりの頂点を目指すムードをぐっと引き上げた。 (安藤理) ★誰も口にせず...  鷹ベンチは誰も最後まで記録のことを口にしなかった。千賀は「誰もそのワード(ノーヒットノーラン)をいわないので。あの光景は笑えました。みんな、すごく話しかけてくれないな...って」と苦笑い。工藤監督は「誰もいわなかったし、僕も口に出さないようにしていました」。九回のピンチも「同点だろうと逆転だろうと、彼に託そうと思っていました」と明かした。

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
69534 0.566
(↑0.004)
-
(-)
17525
(+2)
488
(-)
168
(-)
106
(-)
0.252
(-)
3.550
(↑0.03)
2
(-)
西武
70561 0.556
(↑0.004)
1
(-)
16689
(+5)
636
(+4)
162
(+1)
124
(-)
0.267
(-)
4.460
(-)
3
(-)
ロッテ
62624 0.500
(↓0.004)
8
(↓1)
15564
(-)
542
(+2)
147
(-)
72
(-)
0.247
(↓0.001)
3.840
(↑0.03)
4
(-)
楽天
61624 0.496
(↓0.004)
8.5
(↓1)
16547
(+4)
530
(+5)
128
(+1)
39
(-)
0.251
(↓0.001)
3.880
(↓0.01)
5
(1↑)
日本ハム
57655 0.467
(↑0.004)
12
(-)
16511
(+6)
533
(+2)
86
(+1)
46
(-)
0.252
(-)
3.830
(↑0.02)
6
(1↓)
ORIX
55646 0.462
(↓0.004)
12.5
(↓1)
18480
(+2)
560
(+6)
87
(-)
109
(-)
0.244
(↓0.001)
4.050
(↓0.02)