ソフトバンク(☆3対2★)楽天 =リーグ戦21回戦(2019.09.03)・福岡ヤフオクドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
楽天
0000000202702
ソフトバンク
01020000X3802
勝利投手:高橋 礼(11勝3敗0S)
(セーブ:森 唯斗(2勝3敗28S))
敗戦投手:岸 孝之(2勝5敗0S)

本塁打
【楽天】辰己 涼介(3号・8回表ソロ),小郷 裕哉(1号・8回表ソロ)
【ソフトバンク】今宮 健太(14号・2回裏ソロ),内川 聖一(12号・4回裏2ラン)

  DAZN
チケットぴあ ソフトバンク戦チケット予約 楽天戦チケット予約
◆ソフトバンクは2回裏、今宮のソロで先制する。そのまま迎えた4回には内川聖一の2ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・高橋礼が8回途中2失点の力投で今季11勝目。敗れた楽天は、打線が終盤に1点差まで追い上げるも及ばず、連勝は3で止まった。

◆福岡出身のお笑い芸人、なかやまきんに君(40)が、試合前にセレモニアルピッチを行った。終盤戦のスローガン「V奪Sh!(ダッシュ)」が筋骨隆々の腕のデザインからゲストとして呼ばれた。 「過去3、4回投げたことがあるが、久しぶりに投げたのに今までで一番よかった」とノーバウンドで真ん中へ投げ込み、マウンド上でガッツポーズをつくった。胸の筋肉の左右を動かす筋肉ルーレットでは「左が出たらホークスが優勝」とスタートし、左でストップ。筋肉をぷるぷる動かすしぐさにベンチで準備をしていた中村晃らも笑った。 なかやまきんに君は「筋肉に任せているので負ける(優勝できない)が出ることもあった。筋肉ルーレットは正直外れたことが1度もない。優勝するんだということです」とリーグV奪回すると話した。 福岡市出身で小さなころから平和台球場へ通った。「バナザードとかアップショーの時代。福岡が地元とあまり知られていないのでこの機会に覚えていただければ」と笑い「柳田選手の腹斜筋を見てみたい」とギータに興味津々だった。

◆楽天岸孝之投手(34)の3勝目が遠い。 勝負どころで生命線が明暗を分けた。初回は29球を要しながら1死満塁を切り抜けたが、2回に今宮に先制被弾。4回は内川に2ランを浴びた。ともに追い込んでから内角を狙った直球が真ん中に入った。「2本目が余計ですね」。持ち味である直球の制球が乱れた場面を悔やんだ。 5回6安打3失点。球数は110球とかさんだ。2度の離脱を経験した今季、6月8日の中日戦で挙げた2勝目を最後に白星から遠ざかる。自己ワーストは西武時代の15年の5勝。残り20試合を切った。

◆ソフトバンクは2回、今宮が左越えの14号ソロを放って先制。楽天は3回まで毎回先頭打者を出しながら無得点。 ソフトバンクは4回、内川が左越えに12号2ランを放って2点を追加。先発高橋礼は楽天打線を6回まで無失点に抑えた。 ソフトバンクが逃げ切って連勝を決めた。高橋礼は8回途中2失点で11勝目。森が28セーブ目。楽天は猛追及ばず、連勝は3で止まった。岸が5敗目。

◆ソフトバンクの高橋礼は8回途中まで投げ4安打2失点で11勝目を挙げた。9回を抑えた森が28セーブ目。打線は2回に今宮が先制ソロ、4回は内川の2ランで加点した。楽天は8回に2本のソロで追い上げたが、連勝が3で止まった。

◆ソフトバンク今宮健太内野手がシーズン自己最多に並ぶ14号ソロを放った。 2回1死で楽天岸の直球を捉え、左翼席中段まで届く大きな1発。先制点となり「打った自分が一番びっくりです。今年の初めに20本を目標にしてきた。1本でも多く打ちたい」と振り返った。昨季痛めた左太もも裏の影響で約1カ月の離脱もあった中、17年に14本を打った年間623打席よりはるかに少ない、今季358打席目で14号を刻んだ。

◆ソフトバンク高橋礼投手が千賀に並びチームトップタイの11勝目を挙げた。 7回まではわずか2安打でスイスイと0を並べた。だが続投した8回1死から辰己、小郷に連続でソロを浴び降板した。 「森さんと今宮さんにプレッシャーをかけられていたので、最後までいくつもりでいた。1本目(の本塁打)は仕方ないとしても、2本目は切り替えていかないといけなかった。実力不足です」と好投にも反省を忘れなかった。

◆楽天のルーキーコンビが一矢報いた。8回1死、散発2安打で完封ペースのソフトバンク高橋礼からドラフト1位辰己が直球を右翼席にたたき込んだ。 チームNO・1の外野守備で1軍に欠かせない戦力となった一方、試合前時点で打率2割1分7厘。6月14日以来となる3号ソロを含む今季5度目の猛打賞に「いろいろ助言をもらって、フリー打撃でやっている形を出せた」と手応えをつかんだ。 ドラフト7位小郷も6月13日以来のスタメン起用で「真っすぐを待ちながら対応できた」とシンカーを拾って2者連続アーチ。難敵をマウンドから引きずり降ろした。 辰己、渡辺佳、太田と大卒同期が1軍に生き残る一方で7月に2軍降格し「悔しかった」。その辰己が、プロ初本塁打を自分のことのように喜んでくれたのがうれしかった。1点を追う9回は渡辺佳と辰己の連打後に三振に倒れ「最後、向こうの一番いい投手(森)を打てなかった。まだまだ」。4連勝を逃すも、若い力が意地を見せた。

◆ソフトバンク内川聖一内野手(37)が復調の1発だ。1点リードの4回無死一塁で楽天岸の内角球をさばき、12号2ランを左翼席へ。 当たりが出ていなかった主軸が8月21日以来のアーチで快音を響かせ、チームの連勝を呼び込んだ。優勝マジック点灯は4日以降にお預けとなったが、V奪回へバットで導いてみせる。内川の技術が詰まった本塁打だった。4回。楽天岸の内角直球をさばき、ポール際の左翼スタンドへ突き刺した。主導権を握る12号2ラン。1回の2死満塁では二飛に抑えられていた。本塁打の2打席目では「1、2球目のファウル、空振りで力みを感じた」とコンパクトに振ることに切り替えていた。これで今季岸には7打数6安打、2本塁打、3打点。「打てる原因が分かればどんな投手でも打てる。まあ、相性でしょうね」と本人も不思議そうだった。 前2カードでは6試合で21打数4安打、0打点。デスパイネが戻り打順はクリーンアップから6番へと下がっていた。チームは連勝も、2位西武が勝ったため優勝マジック点灯は4日以降にお預け。工藤監督も「どこも上位が狙えるパ・リーグはこれからもこういう戦いは続くと思う」と残り20試合、激戦が続くと気を引き締めた。だが、そんな勝負の最終盤で、主軸に快音が戻ったことがなにより大きな意味を持つ。 8戦ぶりの本塁打で、前回8月21日オリックス戦は観戦に来ていた父一寛さんの前で放った。一寛さんも「一塁と三塁(松田宣)のベテランが元気だとホークスは強いな」とメールで励ました。故障続きで17年は73試合出場、18年は71試合出場にとどまっていたが、37歳の今季は一塁のレギュラーとして123試合中117試合に出場している。昨年はリハビリ中で優勝争いに加われなかった内川は「しびれる状況の中でプレーできるのは幸せ。今年も70試合を超えて(体が)しんどいなと思ったが、もう1回ここを乗り越えて1年戦った証しを残したいなと思う」と、目を輝かせた。 前監督の秋山氏の通算安打2157にあと2本と迫った。「子どものころスタンドで見ていた選手と名前を並べてもらえて。本塁打の数は雲泥の差ですけどね」と申し訳なさそうに笑った。現代のレジェンド内川の本塁打で本拠地ヤフオクドームでの7連戦初戦を白星でスタートさせた。【石橋隆雄】

◆楽天は8回にルーキー辰己と小郷が連続本塁打。新人の2者連続本塁打は、89年9月11日に中日の6番大豊と7番山口がヤクルト戦の3回に記録して以来となり、ドラフト制後(66年以降)は2度目。 これで楽天の新人は辰己3本、太田1本、渡辺佳1本、小郷1本と4人が本塁打をマーク。新人が4人以上本塁打を打った球団は71年西鉄(米山4本、片岡3本、小松2本、伊原2本、高橋二1本)以来、48年ぶり。こちらもドラフト制後は2度目だ。

◆ソフトバンクが本拠地・ヤフオクドームに戻って勢いを取り戻した。今宮の先制弾に内川の12号2ラン。先発高橋礼が終盤に2発を浴びたとはいえ、きっちり逃げ切った。V奪回へ向けてマジック点灯だ、何だと周囲は騒がしくなるが、残り20試合。すべて必勝のトーナメント戦の気概で戦えばいい。それにしても4回に飛び出した内川の1発は見事だった。初球ファウル、2球目は空振り。あっさり2球で追い込まれた後、2つのボールとファウルで粘り6球目の内角球を左翼席へたたき込んだ。文字通り「技あり」の1発だった。「追い込まれた後、潜むというか、力まず球を待ちました。自分でもうまく打てたと思います」。試合後、ヒーローインタビューを終えた内川は笑顔で言った。 一流は一流を知るという。京都から所沢へ移動した8月29日。都内で元フットサル日本代表でもあり、Fリーグ7連覇達成の実績を持つ北原亘氏と出会った。競技は違うが、北原氏の言葉に「ハッ」とさせられた。ボールキックとキックボクシングの足の出し方の違い。力みなく最大限のパワーを発揮する「静」から「動」の動き。前回の西武戦から打席の中で、意識しながらボールを待った。 「どうしても力が入るんです。でも、今日はうまくできたんじゃないですかね。(6回の遊ゴロも)アウトになったけどいい感じで打てました」。 昨年まで務めたキャプテンは外れたが、意識は昨年以上の気持ちでペナントを駆け抜けている。柳田、中村晃、デスパイネが復帰して打線は開幕以上の顔ぶれとなった。ラストスパートの9月戦線。やはりベテランの力は頼りになる。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆楽天ドラフト1位ルーキーの辰己涼介外野手(22)が、初の2試合連続アーチを放った。 初回2死満塁の好機を逃した直後に、エース則本昂がいきなり2被弾で3点を奪われる苦しい展開。2回1死からソフトバンク・ミランダの直球をバックスクリーンにたたき込んだ。 プロ4本目で左腕からは初。「センターから逆方向を意識していました。真っすぐをしっかり仕留められました。考えていたことを実行できてよかったです」とうなずいた。ルーキーの1発から反撃に転じる。

◆楽天の2枚看板が連日の1発攻勢に苦しんだ。 前日は岸孝之投手(34)が2発を浴び、チームの連勝が3でストップ。エース則本昂大投手(28)も初回から流れにのみ込まれた。 ソフトバンクの先頭牧原を左前打で出すと、続く中村晃に2ボールから真ん中に入った150キロを右翼テラス席にたたき込まれて先制点を献上。1死後もデスパイネに143キロのカットボールをスタンドへ放り込まれた。 3回に右肘クリーニング手術後最速となる155キロを連発してデスパイネを三振に仕留める場面もあったが、4回には2死から松田宣に高めのスライダーを完璧に捉えられ、自己ワーストの1試合3被弾。6回6安打4失点でマウンドを降り「前回(2回8安打4失点)より状態は良かったです。でも初回の入りが悪かったですね。それが全てです」と振り返った。

◆楽天は反撃及ばず連勝は3で止まった。3点を追う八回に辰己の3号、小郷のプロ1号と、新人による連続ソロ本塁打で1点差に迫る。九回は抑えの森から1死一、二塁の好機をつくったが、小郷は三振、足立も三ゴロに倒れた。  首位ソフトバンクとのゲーム差は5・5に広がり、4位ロッテとは1差に縮まった。それでも平石監督は「苦しい展開だったけど、最後まで粘り強くやってくれた」と前向きに話した。

◆ソフトバンクの高橋礼は八回途中2失点で、チームトップの千賀に並ぶ11勝目を挙げた。それでも八回に2連続ソロを浴び、1点差に迫られての降板に「八回のマウンドに上がったからには本塁打を打たれてはいけない。まだまだ仕事は果たせていない」と自己評価は厳しかった。  三回まで毎回先頭打者を出したが、2併殺などで切り抜ける。四~七回は無安打。テンポよく投げて味方の援護を呼び込んだ。雨天中止の影響で8月21日以来と、登板間隔が空いた影響を感じさせず、工藤監督も「しっかり緩急を使っていた。相手も打ち崩せていなかった」と高く評価した。

◆ソフトバンクの今宮が二回に先制の14号ソロを放った。岸に対し、3球続けて外角球を見送り、1ボール2ストライク。一転、内角へ投じられた4球目の速球をしっかり捉え、左翼席中段まで運んだ。「いい投手なので大振りしないことを意識した。芯に当たってくれた」と白い歯をのぞかせた。  痛めていた左脚の状態を考慮されて欠場する試合もあるが、この試合を含め6戦続けて先発出場し、そのうち5試合で安打をマーク。勝負の終盤戦で好調をアピールし「今日も途中で代わっている。出ている中では仕事をしたい」と言葉に力を込めた。

◆1点差の試合も、一進一退のペナント争いも、ソフトバンクが一歩前をキープだ。貴重な一発を放ったベテランの内川が集中力を発揮した。  「全員がその打席のベストを尽くすことが、相手へのプレッシャーになる。9人の1人として、その打席でチームのプラスになれるように」  1-0の四回無死一塁で、岸の内角直球をさばいた。左越えの12号2ラン。最後は3-2で、この2点が効いた。岸には今季7打数6安打で2本塁打。カウント2-2からの一発は百戦錬磨の技だ。  「追い込まれて逆によかった。もっとコンパクトに打とうと思えた」  二回の今宮の先制ソロに始まり、両軍の全得点は本塁打(4発)だった。9月3日は、王球団会長が世界記録を更新する756号を放った「ホームラン記念日」と呼ばれる日。ふさわしい決着に、王会長は「手も、どこも(756号の感触を)覚えていないけど」と笑顔。「接戦をものにすることが大事」と勝利を喜んだ。唯一、走者を置いて放った背番号1は恐縮した。  「僕らが考えるより、それだけの本数を打つプレッシャーはすごいと思う。数字をみたくないですね。同じ日に打たせてもらったことは光栄ですが、それ以外は(語るのが)申し訳ないです」  西武が勝ち、1ゲーム差のまま優勝へのマジックナンバー点灯は逃したが、4日に再び「17」が点灯するチャンスだ。前のカードのミーティングで、工藤監督は「ボールは1球しかない。その1球に集中」と一球入魂を強調したが、内川も呼応した。  「そうだなと思った。他チームのことを考えていつも以上のことができるわけじゃない。周りに惑わされず、僕らができるのは目の前の試合」  全チームが上位を諦めない混戦で、残り20試合。ライバルを振り払う方法は一戦必勝のみだ。 (安藤理) 二回に自己最多タイの先制14号ソロを放ったソフトバンク・今宮 「打った自分がびっくりしました。失投だと思うけど、一発で仕留められてよかったです」 ★ホームラン記念日  1977年9月3日。巨人・王貞治はヤクルト戦(後楽園)の三回に鈴木康二朗から右翼席へ通算756号を放ち、ハンク・アーロン(ブレーブスなど)が持っていた当時の米大リーグ記録を抜き、本塁打の世界記録を樹立した。王は2日後の9月5日に初の国民栄誉賞を受賞。これにちなみ毎年9月3日は「ホームラン記念日」とされている。

◆中12日の高橋礼は八回途中2失点。チームトップタイの11勝目を挙げた。「相手も初球から打ってきたので、すべて勝負球のつもりで投げました」。一、二回は併殺で切り抜け、四回から七回は無安打。八回1死から2者連続被弾で降板したが「90球を超えて打たれていては並の投手。実力不足」と貫禄たっぷりの反省だ。先週の登板は雨天中止。西武との直接対決での起用も可能だったが、カードの初戦を任された。

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
66534 0.555
(↑0.004)
-
(-)
20515
(+3)
485
(+2)
163
(+2)
105
(+1)
0.252
(-)
3.610
(↑0.02)
2
(-)
西武
67561 0.545
(↑0.004)
1
(-)
19667
(+5)
627
(+1)
157
(+1)
123
(-)
0.266
(↓0.001)
4.490
(↑0.03)
3
(-)
楽天
61594 0.508
(↓0.005)
5.5
(↓1)
19540
(+2)
517
(+3)
125
(+2)
39
(-)
0.253
(-)
3.860
(-)
4
(-)
ロッテ
61614 0.500
(↑0.004)
6.5
(-)
17560
(+2)
538
(-)
145
(-)
71
(-)
0.249
(-)
3.880
(↑0.04)
5
(-)
ORIX
55616 0.474
(↓0.004)
9.5
(↓1)
21473
(+1)
537
(+5)
85
(-)
109
(-)
0.244
(-)
4.000
(-)
6
(-)
日本ハム
56645 0.467
(↓0.004)
10.5
(↓1)
18503
(-)
527
(+2)
85
(-)
46
(-)
0.252
(-)
3.850
(↑0.01)