巨人(☆8対6★)DeNA =リーグ戦18回戦(2019.08.24)・東京ドーム=
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DeNA
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巨人
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勝利投手:田口 麗斗(1勝3敗1S)
敗戦投手:エスコバー(3勝4敗0S)

本塁打
【DeNA】嶺井 博希(2号・8回表2ラン)
【巨人】丸 佳浩(21号・4回裏ソロ),ゲレーロ(17号・4回裏2ラン),丸 佳浩(22号・6回裏ソロ),石川 慎吾(3号・11回裏2ラン)

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◆巨人がサヨナラ勝利。巨人は1点を追う9回裏、2死一二塁から坂本勇が適時打を放ち、試合を振り出しに戻す。そのまま迎えた延長11回には、代打・石川の2ランが飛び出し、試合を決めた。投げては、8番手・田口が今季初勝利。敗れたDeNAは、救援陣が踏ん張れなかった。

◆巨人高橋、DeNA石田が先発。DeNAは1回に筒香、ロペスの連打で1点を先制した。巨人は3回まで1安打無得点。 巨人が4回に丸の21号ソロ、ゲレーロの17号2ランで逆転に成功。1点差に迫られた6回には丸の22号ソロなどでリードを広げた。 DeNAは8回に嶺井が逆転2ラン。巨人は1点を追う9回に坂本勇の適時打で同点に追いつき、延長に突入した。 巨人は延長11回、代打石川がサヨナラ本塁打を放った。田口が初勝利。DeNAエスコバーが4敗目。

◆巨人丸佳浩外野手(30)が11試合ぶりの21号ソロを放ち、同点に追いついた。1点を追う4回、1ボールからの内角直球を右翼席上段に運んだ。 「久しぶりの感触!!」とコメント。ベンチでは原監督から「丸ポーズ」で迎えられ、ベンチのムードも一気に盛り上がった。

◆DeNA東克樹投手(23)が24日、左肘張りのために登録抹消された。前日23日の巨人戦で8回1失点で4勝目を挙げ、この日も東京ドームで行われた試合前練習に参加していた。 しかし、アレックス・ラミレス監督は「今朝のチェックで左肘に張りがあるということだったので、念のため抹消した。(最短の10日で復帰は?)そうなればいい。様子を見てというところ。張りがあるというのは何日かかるか分からない」と説明した。

◆巨人アレックス・ゲレーロ外野手(32)が、勝ち越しの17号2ランを放った。4回、丸の21号同点ソロで追いつき、なおも1死一塁から、DeNA石田の内角直球を左翼席に運んだ。 「チームにとって、貴重なホームランになったよ。状態イイネ×2」とコメントした。

◆巨人丸佳浩外野手(30)が11試合ぶりの21号ソロを放ち、同点に追いついた。1点を追う4回、1ボールからの内角直球を右翼席上段に運んだ。「久しぶりの感触!!」とコメント。ベンチでは原監督から「丸ポーズ」で迎えられ、ベンチのムードも一気に盛り上がった。 1点差に迫られた直後の6回には、この日2本目の22号ソロを放ち、リードを広げた。「点を取られた後に、すぐに取り返すことができて良かった」とコメントした。

◆巨人が延長を制してサヨナラ勝ちした。5-6の9回2死から坂本勇人の適時打で追い付き、延長11回無死二塁で代打石川の中越えへの2ランで試合を決めた。DeNAは8回に逆転したが救援陣が粘れず、3位に転落した。巨人はマジック20が点灯。

◆巨人原辰徳監督が優勝へのマジックを点灯させた。 接戦をサヨナラ勝ちで制し、同一カードの連敗を5で止めた。苦戦が続いていたDeNA戦に勝利し「今日も苦戦ですよ。本来はすんなり勝ちゲームにしなければいけない。その中で今日は結果的にサヨナラ勝ちを得たというのは大きいと思います」と評した。 マジック点灯については「まあ、もうちょっと小さな数字になったら言いたいこともあるんでしょうが(今は)全くないですね」と話した。

◆あと1死から、勝利を逃した。DeNA山崎康晃投手が1点を守りきれなかった。 9回、勝利を託されたマウンドに上がると2者連続三振で2死。だが、ここから暗転した。重信、代打阿部とフルカウントから連続四球で一、二塁。続く坂本勇に3球続けたツーシームを三遊間にはじき返された。同点にされ、11回に6番手エスコバーが被弾してサヨナラ負け。守護神は「今日は勝ちたかった。チームとしても、個人としても。9回に出て行く人間として、締めたかった」と受け止めた。 シーズン終盤に苦難の時期がやってきた。12日のヤクルト戦で2点を守りきれず、サヨナラ負け。そこから3試合連続の失点となった。チームの連敗などもあり、今回も中6日と登板間隔が空くなど不利に働いた部分もある。それだけにラミレス監督も「あと1人、あと1球だった。ベストなコンディションで、いい投球をしていたが仕方ない。それが野球」とかばった。 3点を追う8回に打線が爆発し、一挙4点を奪って逆転。勝ちきりたかったが右腕は「ネガティブになっても仕方ない。前を向きたい」と切り替える。巨人との直接対決は残り7試合。雪辱を期す。【島根純】 ▽DeNAラミレス監督(巨人にマジック点灯を許し)「巨人はタフなチームだった。巨人にマジックが出たが、終わりではない。直接対決も、7試合残している。1試合、1試合、準備して戦うだけ」 ▽DeNA嶺井(8回に一時逆転の2ラン)「つないでくれた打者の皆さんのいい流れに乗ることができました」

◆巨人坂本勇人内野手が値千金の同点打を放った。1点を追う9回2死から重信、代打阿部の連続四球で作った一、二塁の好機に「何とかしたかった」と2ストライクからのツーシームを左前にはじき返した。 この日は1回に18打席ぶりの安打を放つと、3安打をマーク。延長11回には、石川に「3球振ってこい」と助言し「ああいう場面は難しいので、振って後悔しない方がいいと思った」と話した。

◆巨人丸佳浩外野手が、5月29日阪神戦以来の1試合2発で存在感を示した。1点を追う4回、右翼席上段へ11試合ぶりの21号ソロで同点。1点リードの6回には、左翼席中段へ2打席連続の22号ソロを放った。 「しっかり一振りで仕留められた」と納得の表情。昨季まで在籍した広島ではリーグ3連覇を達成。"4連覇"に向けた優勝マジック点灯に「1つずつ減らしていくのが一番いい方法」と話した。

◆巨人が優勝へのマジックを点灯させた。 接戦をサヨナラ勝ちで制し、同一カードの連敗を5で止めた。 ▼巨人に優勝マジック20が点灯した。2位以下で唯一自力VがあったDeNAは残り全勝で84勝56敗3分け、勝率6割。巨人は残り28試合のうちDeNA戦7試合に敗れても、他カードで20勝すれば85勝56敗2分け、勝率6割3厘でDeNAを上回る。2位以下の5球団に自力Vがなくなり、マジックが出た。M対象は残り全勝で勝率6割の広島とDeNAで、現日程での最短Vは9月6日。 ▼巨人は代打石川の本塁打でサヨナラ勝ち。巨人の代打サヨナラ本塁打は13年6月5日小笠原以来14人、15本目。マジック点灯日にサヨナラ勝ちは15年8月5日ソフトバンク以来になるが、巨人では83年10月1日以来、36年ぶり。83年は2位広島との直接対決で、5-5の9回2死から松本がサヨナラ本塁打を放ってM7を点灯させた。

◆巨人原監督が絶妙な駆け引きでサヨナラ勝ちへと導いた。延長11回。先頭重信が右前打で出塁した。ベンチに残す野手は石川、小林、増田大。代打の手駒は多くはない。無死一塁、10回から登板した田口をそのまま打席に送り、バントの構えをさせて、バッテリーの意識を引きつけた。 「2つの決断があった。その役割という点では田口が役割を終えて、なおかつ2ボールというカウントでバトンを渡したというのがいい感じで回った」 1ボールからの2球目に重信の二盗が決まると、満を持して動いた。2ボールから代打石川を送り、劇的サヨナラ弾へとつなげた。田口の打席で犠打を優先するならば代打小林が妥当。だが、あえて田口を打席に立たせたところに作戦の妙がある。指揮官は「まあまあ、僕の説明は終わり。戦術だからね」と核心は伏せた。 巧みなベンチワークで同一カードの連敗を5で止めた。2位広島と6・5ゲーム、3位DeNAと7ゲーム差でペナントレースを進む。「本来はすんなり勝ちゲームにしなければいけない試合。その中で結果的にサヨナラ勝ちを得たというのは大きいと思います」と1勝をかみしめた。優勝マジック20を点灯させるも「まだ大きすぎる。達観したところで見ておくというところです」と締めた。【為田聡史】

◆巨人重信慎之介外野手が、バットと足で勝利に貢献した。1点を追う9回2死、四球で出塁し、坂本勇の適時打で同点のホームイン。 同点の延長11回は先頭で右前打を放ち、田口への2球目に「いいスタートが切れましたし、うまく集中していけた」と二盗を決め、石川のサヨナラ2ランでホームを踏んだ。

◆劇的弾で優勝マジック20をともした。巨人石川慎吾外野手(25)がプロ初のサヨナラ本塁打となる3号2ランで試合を決めた。 延長11回無死二塁、カウント2ボールから投手田口の代打で登場。フルカウントからDeNAエスコバーの154キロを右中間席へ運び、チームの連敗を2で止めた。。サヨナラ勝ちでの優勝マジック点灯は36年ぶり。原監督の期待に応えたラッキーボーイの一振りで、5年ぶりのリーグ優勝へまい進する。バットを放り投げた。右拳を何度も突き上げた。延長11回無死二塁。石川がフルカウントからDeNAエスコバーの真ん中154キロをたたいた。「外野が前にいたので越えるとは思った」とサヨナラ勝ちを確信し、飛び跳ねた。ぐんぐん伸びた打球は、右中間最前列へ届いた。「入るとは...。本当に奇跡です」。本塁の歓喜の輪に「よっしゃー!」と叫びながら飛び込んだ。ウオーターシャワーでびしょびしょになりながら、原監督と抱き合った。 指揮官の視線に燃えた。無死一塁で投手田口が打席に入り、一走重信が二盗に成功。ベンチ裏で待機していると原監督と目が合った。「これはひょっとしたらなと」。肩を組まれ「思い切って打ちに行け。右に強く打ちに行け」と耳打ちされた。次打者の坂本勇からは「3球振って帰ってこい!」と背中を押された。2ボールからの初球、ストライクを見逃し「勇人さんの顔が見られなかったです...」。それでも頭を整理し、ファウルを挟んで2スイング目で仕留めた。 苦境にも、へこたれなかった。昨秋キャンプでは就任直後の原監督から「スター性もある」と期待を込められ、野手キャプテンに任命された。だが、開幕1軍入りも、代打でのチャンスをつかみきれず、5月中旬から約2カ月、2軍暮らしが続いた。それでも昨季引退したベテランの姿が脳裏を巡り、気持ちをつないだ。「去年脇谷さんの姿をすごく見てきた。やるべきことを真剣に取り組むところを、後輩たちも見ていると思った」。16時開始の2軍戦前も早出で打撃練習を行うなど、牙を研いできた。 休日は漫画「ワンピース」を読み込むインドア派のイケメンが、ヒーローになった。原監督も「非常にきっぷのいい選手。彼らしさが出てよかった」とたたえた。優勝マジック20が点灯。お立ち台で目を赤らめたことを質問されても「見間違いですよ」と"否定"。喜びの涙は頂点に立った時までとっておく。【桑原幹久】

◆DeNAアレックス・ラミレス監督(巨人にマジック点灯を許し) 「巨人はタフなチームだった。巨人にマジックが出たが、終わりではない。直接対決も、7試合残している。1試合、1試合、準備して戦うだけ」

◆巨人先発のドラフト1位左腕・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=は六回途中94球で交代。3-1の状況で先頭の梶谷に中前打で出塁を許し、筒香は空振り三振。1死二塁でロペスを中飛に打ち取ったところで原監督がベンチを出て交代を告げた。  救援した大竹は、ソトに左前適時打を打たれ1点差に迫られたが、伊藤裕は投ゴロに抑えてピンチを断った。  高橋はこの日は立ち上がりにロペスに左前適時打を浴び失点したが、二回以降は落ち着きを取り戻した。「1番はチームが勝つこと。しっかり攻めて行った中で、1つのアウトを取るために必死にやっていきたい」と試合前に誓っていた通り、ルーキーながら気持ちの込もった投球を見せた。

◆巨人・丸佳浩外野手(30)が24日、DeNA18回戦(東京ドーム)に「3番・中堅」で先発出場。1点を追う四回1死から、右翼席上段へ21号ソロをたたき込んだ。  相手の先発左腕・石田が投じた141キロの直球を一閃。弾丸ライナーで突き刺さる一撃に、打った瞬間スタンドインを確信した丸は「久しぶりの感触!!」とうなずいた。8月11日のヤクルト戦(東京ドーム)以来、11試合ぶりのアーチ。だが、この日の丸はこれだけで終わらない。  1点差に詰め寄られた六回1死から、左翼席への22号ソロ。1試合2発は5月29日の阪神戦(甲子園)以来、今季2度目で、2打席連発は移籍後初となり「点をとられた後に、すぐ取り返すことができてよかった」と笑みを浮かべた。

◆巨人が延長を制してDeNAにサヨナラ勝ち。優勝へのマジックナンバー「20」が両リーグを通じて今季初めて点灯した。  巨人先発のドラフト1位・高橋が、一回1死二塁からロペスに先制打を浴びたが、四回に丸の21号ソロとゲレーロの17号2ランで逆転。六回2死三塁からマウンドに上がった2番手・大竹が、ソトに適時打を浴びて1点差とされたが、その裏に丸が2打席連続となる22号ソロ。さらに1死一、二塁から大城も適時打を放ち、5-2と突き放した。  八回に5番手・中川が嶺井に2ランを浴びるなど4点を失ってDeNAに逆転を許したが、九回に2死一、二塁から坂本勇が同点打を放って延長に突入。十一回、無死二塁の場面で代打で打席に立った石川が、右中間スタンドにサヨナラの3号2ランを放った。  劇的な一発で勝利に貢献した石川はお立ち台で、「このところ、チャンスに代打で使ってもらっていたんですけど、なかなかいい結果が出せず、悔しい思いをしていたので、本当によかったと思います」と大喜び。劇的な一発については「奇跡だと思います」と笑った。

◆DeNAは頼みの救援陣が踏ん張れず、ついに自力優勝の可能性が消えた。山崎が九回に1点リードを守れず、最後は今季60試合目の登板だったエスコバーがつかまった。ラミレス監督は巨人戦を7試合残している点を強調し「マジックが出たからと言って終わりではない。一日一日しっかり準備するだけ」と話した。  山崎は2者連続三振で2死を奪いながら2四球を与えて坂本勇に同点打を許し、3試合連続での失点となった。ラミレス監督は「彼はベストを尽くした。巨人がタフなチームだった」とかばった。

◆坂本勇が1点ビハインドの九回2死一、二塁で、山崎のツーシームをしぶとく左前に運ぶ適時打。試合を振り出しに戻した。3安打で打線をけん引し、石川には千金の助言でサヨナラ弾を"アシスト"。「ああいう場面は難しいと思う。振って後悔しないようにした方がいいから、そういう気持ちで、ね」と主将は笑顔。マジック点灯にも「まず明日勝ち越せるように」と気を引き締めた。

◆丸が0-1の四回に、右翼席へ同点の21号ソロ。六回には初球を狙い、22号ソロを放った。「ひと振りで仕留められたのは大事なこと」。1試合2発は5月29日の阪神戦(甲子園)以来で、2打席連続は移籍後初。広島時代から通じ、自身は4年連続となるセ・リーグの頂点へ「大量得点しても今日みたいにサヨナラ勝ちでも同じ1勝。1つずつ(マジックを)減らしていくことが一番の近道」と冷静沈着だった。

◆延長十一回、代打・石川慎吾外野手(26)が中越えの3号2ランを放ち、熱戦を制した。4年ぶりに復帰した原辰徳監督(61)のもと、球界の盟主が実りの秋を迎える。  石川は熱く、明るくチームを盛り上げ、"ダイナマイト"の異名を持つが、私生活は超インドア派だ。趣味は「暇を作ること」。休日は自宅にこもり、映画鑑賞や漫画を読みふける。「基本的には、ぼーっとすることが多いですね。それが一番リラックスできる時間」と明かすが、グラウンドで存分に存在感を示した。

◆あと一球から勝利が逃げた。DeNAが痛恨のサヨナラ負けで3位に転落した。  「あと一人どころか、あと一球だった。山崎もベストを尽くして抑えにいった。巨人はタフなチームだ」  ラミレス監督は首位・巨人の底力を認めた。八回に3点差を逆転し、6-5で迎えた九回だ。抑えの山崎は2死を奪った後、重信にカウント2-2からボールを見極められて四球。代打・阿部にも四球を与えて一、二塁から坂本勇に左前適時打を浴び、同点とされた。延長突入後、エスコバーがサヨナラ弾を浴びた。  「勝ちたかった。九回に出ていく立場として抑えたかった」。3試合連続失点となった山崎が唇をかんだ。ついに巨人にマジックが点灯。だが指揮官は「マジックが出たからと言って終わりではない。直接対決も6試合(実際は7試合)残っている。明日も準備をしてプレーするだけ」と前を向いていた。 (湯浅大) 延長十一回に石川にサヨナラ弾を浴びたDeNA・エスコバー 「一つのアウトをとることに集中していた。機会があれば(巨人に)やり返したい」 4回3失点のDeNA・石田 「本塁打を許した際はコースに投げ切ることができませんでした」

◆セ・リーグ首位の巨人は24日、DeNA18回戦(東京ドーム)に8-6でサヨナラ勝ちし、5年ぶりの優勝へ向けたマジックナンバーが「20」で今季初点灯した。延長十一回、代打・石川慎吾外野手(26)が中越えの3号2ランを放ち、熱戦を制した。4年ぶりに復帰した原辰徳監督(61)のもと、球界の盟主が実りの秋を迎える。  白球が高々と舞い上がる。その瞬間、東京ドームはG党の大歓喜に包まれた。6-6の延長十一回無死二塁。代打・石川がバックスクリーン右へ、サヨナラの3号2ラン。5年ぶりのセ・リーグ優勝へ向けたマジックナンバーが、「20」で今季初点灯した。  「まさか入るとは。奇跡だと思います。優勝に向かっているので乗り遅れないようにしたい」  4万5055人の大観衆が凝視したDeNAとの熱戦。石川はエスコバーが投じた154キロの直球をはじき返し、お立ち台で「奇跡」を繰り返した。後ろに控える坂本勇から「3球振って帰ってこい」と背中を押された打席。「(自身にとっての)初球のストライクを見逃して(坂本)勇人さんの顔を見られなくなりました」。それでも、プロ8年目で初のサヨナラ弾。劇的な勝利に導いた。  勝利の裏には、見事な原采配があった。延長十一回。先頭の重信が右前打で出塁すると、投手の田口をそのまま打席に送った。田口にバントの構えをさせ、2球目に重信が二盗に成功。原監督は盗塁について「戦術だから」と明言を避けたが、2ボールから「代打・石川」のカードを切った。7月末に通算1000勝を達成した名将は、この場面を「2つの決断」と振り返った。  「先頭の重信が出て、思い切ってスチール。あそこが非常に大きかった。田口が役割を終えて、なおかつ2ボールというカウントでバトンを渡したというのがいい感じで回った」  打線は1点を追う九回、2死無走者から相手の守護神・山崎をつかまえ、主将の坂本勇が左前へ同点打。主役と脇役がかみあって、追いすがるDeNAを振り切った。石川を「思い切って打ちにいけ」と送り出した指揮官は「ああいう場面で非常に彼らしさが出ていてよかった。勇人が同点にしたのは大きい」と選手をたたえた。  今季、4年ぶり3度目の現場復帰を果たした原監督。第2次政権時代の2014年以来の優勝へ、また一歩前に進んだ。  「もう少し小さな数字になったら言いたいことがあると思うが、今は全くない。どうぞ、その辺はお騒ぎください」と目の前の戦いに集中する考えだ。最短優勝は9月6日。一つずつ勝利を積み重ね、秋に優勝というゴールテープを切る。 (赤尾裕希) 延長十一回に右前打で出塁し、二盗を決めてサヨナラ劇をおぜん立てした巨人・重信 「何とか塁に出ようという思いだった。盗塁は集中していいスタートが切れた」 延長十一回を3人で抑え、その裏は2球だけバントの構えで打席に立ってサヨナラ勝ちを呼び込み、勝利投手になった巨人・田口 「延長で打席に立ったのは初めて。いいところで投げさせてもらっているので、しっかり応えられるようにと思っていた」 四回に逆転の17号2ランを放った巨人・ゲレーロ 「(マジックが点灯し)自分にとって非常にいい経験ができている」 先発して六回途中2失点の巨人D1位・高橋(八戸学院大) 「なるべくテンポよく、野手が守りやすいリズムで投げていくことを心がけた」

◆セ・リーグ首位の巨人は24日、DeNA18回戦(東京ドーム)に8-6でサヨナラ勝ちし、5年ぶりの優勝へ向けたマジックナンバーが「20」で今季初点灯した。延長十一回、代打・石川慎吾外野手(26)が中越えの3号2ランを放ち、熱戦を制した。4年ぶりに復帰した原辰徳監督(61)のもと、球界の盟主が実りの秋を迎える。  元巨人監督の堀内恒夫氏(71)は25日、ブログで「マジック20が点灯したし これからの勝ち負けはもうトータルで考えていくところに入ってきた。そう言えるだろうね」と評価。「繰り返し言うけど 連敗しないことが大事 トータルで考える。そういう戦い方に入ってきた」と強調した。  マジック対象球団は巨人以外で、全勝時の勝率が最も高い広島とDeNA(ともに勝率・600)。巨人は残り28試合で、マジック対象の1球団との直接対決(広島なら5試合、DeNAなら7試合)に全敗しても、他のカードで20勝すれば勝率・603で上回る。堀内氏は「繰り返し言う 3連敗だけはしない。1勝ずつしかしなくても 縮まるゲーム差を考えていけばわかるよね」と訴えた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
65482 0.575
(↑0.004)
M20
(-)
28552
(+8)
461
(+6)
148
(+4)
68
(+1)
0.261
(↑0.001
3.730
(↓0.02)
2
(1↑)
広島
60563 0.517
(↑0.004)
6.5
(-)
24498
(+5)
487
(+4)
116
(-)
68
(-)
0.254
(↑0.001)
3.560
(↑0.01)
3
(1↓)
DeNA
59563 0.513
(↓0.005)
7
(↓1)
25489
(+6)
488
(+8)
130
(+1)
37
(+1)
0.246
(↓0.001)
3.860
(↓0.03)
4
(-)
阪神
55576 0.491
(↑0.005)
9.5
(-)
25443
(+7)
487
(+4)
82
(+1)
78
(-)
0.250
(-)
3.560
(↓0.01)
5
(-)
中日
51632 0.447
(↓0.004)
14.5
(↓1)
27445
(+4)
466
(+5)
74
(-)
59
(-)
0.262
(↓0.001)
3.930
(-)
6
(-)
ヤクルト
47692 0.405
(↓0.004)
19.5
(↓1)
25541
(+4)
606
(+7)
140
(-)
47
(-)
0.247
(↑0.001)
4.700
(↓0.02)