阪神(☆3対1★)DeNA =リーグ戦20回戦(2019.08.21)・京セラドーム大阪=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:秋山 拓巳(4勝3敗0S)
(セーブ:藤川 球児(4勝1敗8S))
敗戦投手:上茶谷 大河(6勝5敗0S)

本塁打
【阪神】高山 竜太朗(2号・3回裏ソロ)

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◆阪神は3回裏、高山がソロを放ち先制に成功する。続く4回には、マルテの適時打でリードを広げた。投げては、先発・秋山が5回1失点。その後は4投手の継投で逃げ切り、秋山は今季4勝目を挙げた。敗れたDeNAは、打線が相手を上回る10安打を放つも、つながりを欠いた。

◆阪神梅野の登場曲「Life」や中谷の登場曲「Trust」を歌う、シンガー・ソングライターのBigfumi(ビッグフミ)が始球式を行った。 「正直(光景を)見る余裕が無くて、バッターがいたかも覚えていないです」と話したが、大きな体から豪快なフォームで投げ込んだ。左手にはめたグローブは黄色と黒の虎カラー。梅野も使用するSSK社に、自ら特注し購入したものだ。 梅野は福岡大の先輩。「梅野さんと中谷さんの登場曲を歌っている縁でさせていただいた」と大役を喜んだ。始球式が決定した当時、中谷は2軍だったが「俺が始球式をする時、1軍にいてくれよ」と連絡すると「頑張るよ」と返ってきたという。梅野も「思い切り楽しんで来い」とエールをくれた。 始球式の前には梅野と中谷から「絶対ウケは狙うなよ」と"アドバイス"ももらった。「一緒にこの時間を共有できて、楽しかったです」と笑顔で振り返っていた。

◆阪神高山俊外野手(26)が、先制のアーチを放った。3回、先頭打者で打席に入ると、DeNA上茶谷の2球目のストレートをとらえ、バックスクリーン右に打ち込む2号先制ソロ。 高山にとって、5月29日の巨人戦で、代打サヨナラ満塁本塁打を放って以来の1発だった。高山は「先頭バッターだったので、何とか塁に出ようと心掛けた結果がホームランになってくれて良かったです。まだ序盤なので、もっと援護できるように頑張ります」と話した。

◆DeNAドラフト2位ルーキー伊藤裕季也内野手が、貴重な打点を挙げた。 17日広島戦(横浜)以来のスタメンは、プロ初の「9番」で出場。2点を追う5回無死一、三塁の場面で左犠飛を放った。ラミレス監督から「彼はスラッガー。ルーキーだけど、物おじしていない」と評価される1年目が、存在感を示した。

◆阪神が3回に先制。先頭の7番高山が中越えの2号ソロを放った。先発秋山は3回を3安打無失点とまずまずの立ち上がり。 DeNAは5回に伊藤裕の犠飛で1点差に。阪神は6回、マルテの犠飛で再び突き放した。両軍とも6回から継投策に出た。 阪神が継投で逃げ切り、2連勝を飾った。秋山は5回1失点で4勝目。DeNA上茶谷は5回2失点で5敗目となった。

◆DeNA打線がつながらず、首位を追う中で痛い2連敗となった。ここ3戦でわずか2得点。 首位巨人とは7ゲーム差に広がり、3位に転落した。この試合も2点を追う5回無死二塁の好機をルーキーの先発上茶谷の中前打でつなげ、ルーキー伊藤裕の犠飛で挙げた1点のみ。相手を上回る10安打を放つも、得点に結びつかなかった。ラミレス監督は「いろいろ考えないといけない」。打線の組み替えなど、検討する考えだ。

◆阪神藤川球児投手がが今季8セーブ目を挙げ、日米通算セーブ数を235とした。 名球会入りの投手の条件は200勝または250セーブで、藤川はあと15セーブ。今季チームは残り28試合で、フル回転すれば不可能な数字ではない。なお阪神生え抜き投手の名球会員は村山実(222勝)だけで、藤川が抑え投手として入会すれば球団初となる。球団生え抜き野手では、藤田平(2064安打)と鳥谷敬(2080安打)の2人が名球会入りしている。

◆阪神ルーキー木浪聖也内野手が2安打2得点と勝利に貢献した。 2番遊撃で出場し、4回に左翼線二塁打。6回にも左翼線に二塁打を放った。いずれも先頭で打席に立ち、本塁に生還した。守っても8回にDeNAソトの痛烈な打球を好捕。初めてホームのお立ち台に登った木浪は「先頭だったんでどうしても塁に出たかった」と笑顔。8月6日に再昇格してから9試合で23打数10安打、打率4割3分5厘と際立っている。

◆阪神の4番ジェフリー・マルテ内野手が2打点の活躍だ。 1点リードの4回、1死二塁から左翼線へ適時二塁打。1点差に迫られた6回には、1死三塁から2番手三嶋から右翼へ犠飛。貴重な追加点を挙げた。お立ち台では「サイコーです!」「(明日も)オレがヤル!」と日本語でファンをわかせた。日本語はチームメートらに教えてもらうなど猛勉強中。「いい試合を見せられてよかった。日本語も覚えてきているので、使って(ファンに)喜んでもらいたい」と笑顔を見せた。

◆最後も渾身(こんしん)のストレートだった。阪神藤川球児投手は一息つくと、1球に力を込めた。内角低めに決まった144キロ直球に、柴田のバットは出なかった。「いい勝ち方だった。今日はいい展開でしたし、明日以降もいい流れでいけるように」。目指す逆転CSへ、チーム一丸の戦いを最後にビシッと締めた。 魂の8セーブで、積み上げてきたセーブ数は233。歴代4位で現役最多を誇るソフトバンク・サファテの234セーブにあと1と迫った。「全く興味はないです。そのへんの役回りなので、チームに貢献することがやりたいこと」。それでも大リーグ時代の2セーブも加えると、名球会入り条件の250セーブにあと15。残り試合28試合だが、チームが白星を重ね続ければ今季中の達成も夢ではない。阪神の救援投手では球団初の偉業だ。 この日はドリスの復帰後、守護神藤川につなぐ新勝利の方程式が鮮やかに決まった。先発秋山の5回1失点を受け、1点リードの6回は2番手岩崎が登板。2死一、三塁のピンチにも動じず0封した。連続試合無失点も12戦に伸ばし、防御率は0・76と驚異の安定感を誇る。7回はドリスが3人で、8回はジョンソンが中軸を3者凡退に抑えた。 ドリスが1軍に再合流した前日20日。金村投手コーチは「最後30試合、みんなで頑張ろう」とリリーフ陣に話したという。今年の春季1軍キャンプの最終日。藤川も投手の円陣の中で団結を呼びかけていた。「みんなで切磋琢磨(せっさたくま)というよりは、協力し合って、なんとか去年の悔しさを晴らしましょう!」。39歳の守護神は、精神的にもブルペンの柱だ。 矢野監督は藤川の抑えについて「外す理由があるわけでもない。球児らしい球を投げられているし、経験も豊富な投手なので任せています」と変わらぬ信頼を口にした。藤川も「厚みに甘えず自分のやるべきことをやるだけです」と気合十分。鉄壁の新方程式で逆転CSを目指す。【磯綾乃】

◆5回1失点で4勝目の阪神秋山拓巳投手(28)が投球を反省した。 5回のピンチを1失点で切り抜けたが「結果的にチームが勝ったのでよかったが、もっと長いイニングを投げたかった」と悔やんだ。直球の感覚が悪く「今は変化球でしのげているけど、もっとまっすぐをよくしたい」と課題を挙げた。ただ、最近3試合はすべてチームが勝っており、自身も2勝。「それをプラスにとらえてしっかり調整したい」と前を向いた。

◆阪神高山俊外野手(26)が3回に先制決勝の2号ソロをバックスクリーンにたたき込み、会心の2連勝を導いた。左足負傷の糸井嘉男外野手(38)が離脱中で代役筆頭を務めるが、3割打者の先輩が帰ってきてもポジションは渡さない意気込み。逆転CSへ3位まで4・5差と半歩迫り、ネバーギブアップで戦い続ける。研ぎ澄ませた嗅覚で、高山がロックオンした。「真っすぐ1本(狙い)でいきました」。16年新人王のヒットマンが狙いを絞って強振。「行ってくれ!」。願いも込めて舞った打球はグンと伸びた。バックスクリーン右への着弾を確認すると、強く拳を握った。 3回先頭。上茶谷の2球目、真ん中に来た141キロ直球を逃さなかった。5月29日巨人戦の延長12回、劇的な代打サヨナラ満塁弾を放って以来3カ月ぶりの2号ソロ。今季2敗を喫している新人に、ドラフト1位の先輩が意地を見せた。「ああいう弾道を打っても甲子園だったら、アウトなので...。京セラで良かったと思います」。甲子園で何度も浜風に泣かされてきた男が、ニヒルに笑った。 お立ち台では先輩いじりも出た。「きのう糸原さんが(今季)2本目のホームラン打って、さすがに糸原さんにホームランで負けたらヤバイなと思ったんで。狙ってはなかったですけど、2本目が打ててよかった」。巧打者のイメージが強い1学年上の明大の先輩には負けられない。半分本気の? トークも絶好調だ。 20日DeNA初戦は糸原、マルテ、梅野の3発が出て8-0で快勝。だが途中出場の高山は代打で三振に倒れ、心からは喜べなかった。この日は早出特打を敢行。「(前日の)三振もあまり良い形ではなかったので修正したい部分もあった」とバットを握った。左足負傷で離脱中の糸井の代役筆頭で左翼を任されるが、左投手がくれば前日のように控えに回ることもある。だが、訪れたチャンスは逃したくない。糸井が復帰しても、その座を譲らない気迫をバットに込めた。 ただ、矢野監督はちょっと手厳しい。「今日の1本じゃ、俺も満足できない。あいつ自身もそう思っていると思う。やっぱりチャンスで。もう1個プラスアルファは、俊自身も求めている」と期待が大きいゆえの注文を出した。もちろん、高山も承知だ。「(後の)2打席は凡退していますし、見栄えも悪い。反省していきたい。明日はもう少し格好いいところを見せられるように頑張りたい」。 目指す逆転CSへ、3位DeNAに4・5差と半歩接近。あふれる思いは結果で示す。【真柴健】

◆阪神高山が3回に先制決勝の2号ソロをバックスクリーンにたたき込み、2連勝を導いた。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -救援陣が安定 ウチの強みでもありますし、みんな、いつも通りの投球で、期待通りでした。 -4番マルテに2打点 あそこで(福留)孝介が三塁に進める打撃をしての犠飛。1点差でいくと、中継ぎ陣がどうしても苦しい展開になる。ああいう点の取り方ができてくるとウチらしくなってくる。孝介の進塁打とマルちゃんの3点目、大きかった。 -木浪がいい形で起点になった。守備でも好守 そうやね。1回ファームに落ちて(1軍に)来てもスタメンは少なかったけど、もう1回、少ないチャンスから自分がつかんでのもの。今日もそういうふうに絡んでチャンスメークしてくれたのも大きかった。ショートゴロも、あのプレーも間違いなく熱盛なんじゃないの?(笑い)。出るでしょ、熱盛。出るでしょ? -秋山の続投は悩んだ 行こうかな、行こうかな、行こうかなと思いながらね。すごく難しかった。でも、アキ自身がロペスにカウントを悪くしながらも最後、粘っていってくれた。あの1人、あの1球がチームにとってもアキにとっても今日のゲームを分けるようなところ。よくフミ(原口)と意識して、何とか低いところにいってくれた。あの1球が、あの回が大きかった。

◆阪神-DeNA戦(京セラ)が21日に行われ、福留孝介外野手(42)が守備でみせた。左翼から本塁へのレーザービームで、先発の秋山拓巳投手(28)を救った。  0-0の二回、佐野とソトの連打などで1死一、二塁。大和の打球は三遊間を破って福留のもとへ。42歳はこれを素早く本塁へバックホーム。ワンバウンドの好返球で、二走・佐野を憤死させた。ゴールデングラブ賞5回の名手が、健在の守備力でチームを救った。

◆阪神の高山俊外野手(26)が21日、DeNA戦(京セラ)で先制の2号ソロを放った。  「先頭バッターだったので、何とか塁に出ようと心がけた結果がホームランになってくれてよかったです」  三回、先頭で打席に向かう。カウント1-0からの2球目、上茶谷の141キロ直球を振り抜くと中越えの本塁打となった。5月29日の巨人戦(甲子園)で、代打サヨナラ満塁弾を放って以来となる2号ソロで先制した。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(28)が21日のDeNA戦(京セラドーム)で2打点の活躍。4番の存在感を見せた。  まずは四回1死二塁。DeNAの先発でD1位・上茶谷から粘ると、7球目の140キロ直球を弾き返した。三塁線を破る適時二塁打はリードを2点に広げる貴重な一打となった。  さらに六回。先頭のD3位・木浪が左翼線にポトリと落ちる二塁打で出塁すると、福留の一ゴロで1死三塁。ここでもマルテがきっちり右犠飛を放ち、追加点をあげた。2試合連続の複数打点で、虎党を沸かせた。

◆阪神の秋山拓巳投手(28)が21日のDeNA戦(京セラ)に先発し、5回7安打ながら粘り強く投げ、1失点に抑えた。  「初回からストレートの走りが悪く苦しい投球となってしまい、反省しかありません。次回はその反省点を踏まえて、ストレートの精度を改善できるようにしっかりと練習していきたいと思います」  そう反省の言葉を口にした秋山は五回、先頭の大和に右中間への二塁打を許すと上茶谷にも中前打を打たれ、無死一、三塁。続く伊藤裕に左翼への犠飛を打たれ、1点を失った。そこから2死一、三塁とされるも、ロペスを左飛に打ち取り、最少失点で切り抜けた。  8日のヤクルト戦(神宮)以来、今季4勝目の権利を持ってマウンドを降りた。

◆阪神が3-1でDeNAに2連勝。2カードぶりに勝ち越しを決めた。  三回、高山が先頭でD1位・上茶谷の141キロ直球を振り抜き、中越え本塁打。5月29日の巨人戦(甲子園)で代打サヨナラ満塁弾を放って以来となる2号ソロで先制すると、マルテが四回1死二塁で三塁線を破る適時二塁打を放ち、リードを広げた。六回にはマルテの犠飛で追加点。先発の秋山が5回7安打ながら1失点に抑え、8日のヤクルト戦(神宮)以来の今季4勝目を挙げた。

◆阪神のルーキー木浪が2二塁打で2得点と勝利を支えた。「2番・遊撃」で先発し、先頭打者として四、六回、ともに左翼線に運んで好機を演出。試合後はお立ち台に上がり「チャンスをつくる場面だったので、何としても出てやるという気持ちがヒットになった」と顔をほころばせた。  これで3試合続けて複数安打と絶好調だ。守っても八回にソトの中前に抜けそうな強烈な打球を横っ跳びでつかみ、遊ゴロとし、「守備が一番大事。いいプレーをすると、チームの雰囲気も良くなる」と気持ちよさそうだった。

◆阪神が3-1でDeNAに2連勝。2カードぶり勝ち越し決めた。  三回、高山が先頭でD1位・上茶谷の141キロ直球を振り抜き、中越え本塁打。5月29日の巨人戦(甲子園)で代打サヨナラ満塁弾を放って以来となる2号ソロで先制すると、マルテが四回1死二塁で三塁線を破る適時二塁打を放ち、リードを広げた。六回にはマルテの犠飛で追加点。先発の秋山が5回7安打ながら1失点に抑え、8日のヤクルト戦(神宮)以来の今季4勝目を挙げた。

◆ドリスは2点リードの七回に3番手で1軍復帰後2試合連続登板。無失点でジョンソンにつなぎ、「ブルペン陣の一角としてやれることをやって、勝ちにつなげられるようにしたい」と話した。通算96セーブを誇る助っ人は役割が変わっても、変わらぬ剛球を投げ込んでいく。

◆4番手で八回に登板したジョンソンは、3番ロペスからの強力クリーンアップを三者凡退に仕留めて藤川につなげた。「先発の秋山が5回を投げきったからね。チーム全体でいいゲームだった」。リーグ単独トップの36ホールドポイントで防御率1・15。ドリス復帰で再編された新勝利の方程式でも変わらぬ存在感を放ち続ける。

◆--中継ぎ陣が安定している  矢野監督「外国人枠の関係でソラーテが一回下に行く、ドリスが帰ってきたというところでは、そういうこともできる環境になったというのもある。優(岩崎)も安定したピッチングをしてくれているんでね。何の迷いもなくいけるというのは、そういうみんながいてくれるというのは大きい」  --守護神の藤川も安定してる  「もちろん。外す理由があるわけでもないしね。球児らしいボールが投げられているし、経験も豊富なピッチャーなんで任せてます」  --試合前練習中には大山が小久保裕紀氏と話していた。振るときに顔が前に行かないように、というようなことか  「悠輔(大山)も迷っているし、俺も何回かやけど、伝えてはいるんだけど。今までの悠輔の感覚とは違うと思うし。侍でも一緒にやっていたしね、小久保とは。俺も小久保もイメージとか考え方って一致しているのよ。やっぱりこうだよなって」

◆D3位・木浪が攻守で勝利に貢献した。四、六回はともに先頭で左翼線二塁打を放ち生還。3試合連続マルチ安打をマークすると、遊撃の守備では八回にソトの中前に抜けそうな打球に飛びつき安打を阻止した。好守に矢野監督は「間違いなく『熱盛』なんじゃないの?」とべた褒め。ホームゲームでは初のお立ち台に上がったルーキーは「京セラもいいですけど、やっぱり甲子園でやってみたい」と誓った。

◆開幕から115試合目。大山は変わらずスタメンだった。タテジマで唯一の全試合スタメンを継続中。前日(20日)の完全なボール球の空振り三振を見ていると、そろそろ矢野監督もスタメン外しを考えるのかなぁと想像を巡らせもしたが、「決断」は下されないままプレーボール。  試合前の練習中の厳しい表情。伏し目がち。いま、大山は高校時代、大学時代にあれほど大好きだった野球が楽しめているんだろうか...。他人事とはいえ、心配しながらの試合開始だった。  対照的なほどに、まぶしい笑顔が満開となったのは、阪神の練習終了後に行われた「ファンクラブKIDS会員」を対象とした親子キャッチボール。40組80人の親子が、京セラドームのグラウンドに散らばって、夏休みの思い出づくり。未来の高校球児、プロ野球選手もいるかもしれない。ベンチ入りの阪神ナインもほぼ全員が参加だ。  「福留さんは、ワンバウンドやゴロを投げて、実戦的なキャッチボールでした。お父さんの表情でしたね。ドリス、マルテは両膝をついて、子供と同じ目線になって。こちらも優しさを感じました」  虎番・織原祥平は、子供の頃のお父さんとのキャッチボールを思い出していた。  「父は陸上の110メートルハードルの選手で、自宅にはトロフィーがいっぱい並ぶアスリートだったみたいです。そんな父に『お前は野球のセンスはない』と言われてしまって。だから、僕はバスケットボールの道を歩みました」  それでも、親子のキャッチボールは忘れがたい思い出だ。  グラウンドには矢野監督の姿も。このイベントが始まって10年以上。当たり前のように感じるが、監督自らが参加したのは初めてではないか? 関係者も記憶にないとささやき合っていた。  「ファンを喜ばせるって言い続けてきた矢野監督ですからね。当然というか、監督らしいな、という感じですね」  もちろん、チビっ子は大喜びだ。  サンケイスポーツ専属評論家でもある江本孟紀氏が最近出版した「高校野球が10倍おもしろくなる本」。101回目の夏を迎えている高校野球の秘密あり、自身の高校時代の思い出あり、プロアマの歴史あり、そして高野連への提言あり。かつて「プロ野球を10倍楽しく見る方法」という大ベストセラーを世に出したわれらがエモやんが、ついに高校野球の"トリセツ"を公開している。  その中に、今、最も世間をにぎわしている球数問題にも触れている。  『やれ球児の健康問題がどうの、と言って投球数制限を訴えていますが、私に言わせれば、連投しても大丈夫なピッチャーを育てろ、正しいフォームで投げれば連投しても大丈夫なんだから、指導者の腕次第でどうにでもなるんじゃないか』  そう訴えておられます。さらに深い話はぜひ、ご一読を。  楽しい中に厳しい練習を耐え抜いた選手が、甲子園で活躍し、プロになってくれれば...。エモやんもそう願ってます。  最高の思い出キャッチボールを終え、スタンドで声援したチビっ子の前で、高山がドカンと一発(まだ2号というのが寂しいけれど)。木浪&マルテのコンビで2得点。野球を満喫する夏の日々。忘れないでしょう。  そして、22日は高校野球決勝戦。阪神を押しのけて?サンスポの1面を飾る名勝負、期待しましょう。

◆うえ~ん(涙)、悔しいよ~! ルーキーの木浪が2本の二塁打でチャンスを作れば、4番マルテがきっちりと2打点。投手陣は1失点の好リレー!! それだけじゃなくて、前日は3本塁打と完封リレーで8-0の大勝。これで2連勝だってんだから実に悔しい~!! な、なんでもう少し早く、こーいう試合ができなかったんや~?!  いや、今からでも決して遅くはない。残り28試合もあるのだ!! ここからは石にかじりついても、勝つことだけを求めて野球をやるのだ!!  1番の俊足、近本は全打席でセーフティーバントで出塁するくらい、腹をくくれ!! 木浪は「俺がレギュラーや」と大風呂敷を広げて攻撃的な野球をしてくれ~!! 大ベテランの福留さまには、今さら何も申しません。マルテ~、打ちまくって来季も日本球界で稼いだれ~!! そしてわが阪神の命運を握る最大の虎は...大山悠輔君だ~。  プロ野球の不思議の一つに「終わりよければ全て良し」があるのだ。ここから君のバットで阪神が奇跡の日本一になったら、永遠に虎のヒーローとして語り継がれるんやでェ~!!

◆岩崎は2-1の六回に2番手で登板。2安打を許して2死一、三塁のピンチを招いたが、代打細川を二ゴロに仕留めた。厳しい場面での登板が続くが「出たところで頑張ります」ときっぱり。これが16ホールド目で、2017年の自己最多を更新。「試合は残っているので、まだまだいきたいと思います」と頼もしかった。

◆虎のためにも、己のためにも結果を残すしかない。マルテが2日連続となる2打点の活躍で連勝に貢献。お立ち台では日本語でファンの声援に応えた。  「サイコーデス! (明日も)オレガヤル!」  1-0の四回1死二塁で打席に立つ。カウント2-2から2球ファウルで粘ってからの7球目。上茶谷の140キロ直球を捉えた。鋭い打球は左翼線へ転がる適時二塁打となった。さらに1点差に詰め寄られた六回には1死三塁から右犠飛。2度まわってきたチャンスでしっかり結果を残した。  8月10日の広島戦(京セラ)から4番に座ると10試合で打率・323(31打数10安打)、5打点、1本塁打。開幕こそ右ふくらはぎの張りで出遅れたが、途中加入のソラーテが2軍降格。このまま4番としてアピールを続けていけば、来季の残留も見えてくる。矢野監督も「3点目かな。ああいう点の取り方ができてくるとウチらしくなってくる。孝介(福留)の進塁打とマルちゃん(マルテ)の3点目、大きかった」と目を細めた。  お立ち台でも日本語を披露したマルテ。「日本語も覚えてきているので、使って喜んでもらえたら。みんなに教えてもらっているし、自分も何かあれば質問している」。異国の地のファンを楽しませようと野球だけじゃなく努力。プレーでも言葉でも日本に馴染んできた。  「いつも集中して毎打席、毎打席立っているので、今はいい結果が出ている。チームとしても自分としても良い結果がついてきている」。チームを勝利へと導く快音で、自身の未来も切り拓いていく。(菊地峻太朗)

◆打線がつながらない。DeNAは阪神を上回る10安打を放ちながら、1点どまりで2連敗。広島と入れ替わって3位に転落した。前日20日は8安打で無得点。苦しい戦いが続いている。  「きのうと同じで、チャンスを作っても点が入らなかった」  試合後、ラミレス監督は気持ちを落ち着かせるかのように、ペットボトルの水を口に含んだ。  二回無死一、二塁は無得点。五回無死一、三塁はD2位・伊藤裕(立正大)の左犠飛で1点を奪うのがやっとだった。  指揮官は打線の組み替えなど打開策について、「何かをやらないといけない」。この日で阪神戦は7勝12敗1分けとなり、5試合を残して6年連続でカード勝ち越しなしが決定。今季も"虎アレルギー"に悩まされている。 (湯浅大) 5回2失点で5敗目(6勝)のDeNAのD1位・上茶谷(東洋大) 「先制点(三回)や追加点(四回)を許した場面は簡単に点を与えてしまった」

◆粘りの投球で4勝目をつかんだが、満足はできなかった。秋山は5回7安打1失点であげた白星に悔しさをにじませた。  「結果的にチームが勝てたのでよかったですけど、粘れたというよりイニングを食いたかった」  一回は三者凡退に仕留めたもののギアはなかなか上がらず。二回1死一、二塁からは福留の好返球で本塁タッチアウトを奪い、助けられた。2点リードの五回に犠飛で1点差に詰められるも、なお2死一、三塁のピンチではロペスを低めのフォークで左飛。最大のピンチをしのいだ。  裏の攻撃で代打を送られ、81球と余力を残しながら降板。矢野監督は「行こうかなと思いながら、すごく難しかった」と振り返った。「でも最後のロペスで粘ってくれた。あの1人、あの1球がゲームを分けるようなところだった。あの1球が、あの回が大きかった」と勝負どころを制した右腕をねぎらった。  「今は変化球でしのいでる。真っすぐがよくなる努力をしていきたい」  最後まで反省ばかりが口をついた。それでも約2カ月ぶりとなった先発投手の2試合連続白星は、チームが上向いてきた証だ。(大石豊佳)

◆捕手の構えたところにキレのある直球がズバっと決まると、何万もの黄色いジェット風船が舞った。藤川が三者凡退で締めて今季8セーブ目。NPB通算233セーブとし、現役最多のソフトバンク・サファテの234セーブに王手をかけた。  「いい展開でしたし、明日以降もこのいい流れで戦っていきたい」  先頭の代打・桑原には高めの直球を2球連続で投げて空振りを誘い、早々と追い込むと、最後は147キロを外角低めにズドン。見逃し三振に斬ると、この日3安打の大和も外角の直球で右飛に打ち取った。3人目の代打・柴田は内角低めの直球に手も足も出ず。見逃し三振で任務を完了させた。  7月末にそれまで守護神を務めていたドリスが登録抹消。代わって、藤川が抑えに任命され、それ以降は登板6試合連続でセーブを挙げ、救援陣の中心として支えてきた。ドリスが復帰した今でも、がっちりとその座を守り続けている。  日米通算でも235セーブとし、名球会入りの250セーブまであと「15」。阪神在籍時に入会した投手は村山実(222勝)がいるが、抑え投手では初となる。今季残り28試合だが、不可能な数字じゃない。それでも、本人は「(記録に)興味はないです。そういう役回りだし、チームに貢献することが(自分の)やりたいことなので」と淡々と語った。  本拠地の甲子園では、高校球児たちが激闘を繰り広げている。そんな自分の息子ほど年齢の離れた高校生から、目標の投手として名前を挙げられる。「そんなふうに思ってもらえるのは本当にありがたいこと。中途半端なプレーはできないし、いつか引退した後もそういう子らに誇れる生き方をしていかないと。野球は年齢の関係のないスポーツだから。それをこれからもグラウンドで示し続けていきたい」と意気込む。  「(救援陣に)厚みのあることに甘えず、一人一人が自覚を持ってやっている。自分の仕事をしっかりやることが大事」  記録の向こうに、名誉も視野に入る。来年7月で40歳になるが、虎の守護神として、まだまだマウンドに仁王立ちし続ける。(織原祥平) ★名球会入りの条件  投手が通算200勝以上、または同250セーブ以上。打者は同2000安打以上(いずれも米大リーグでの成績を合算)が入会条件。藤川はメジャーで1勝(1敗)2セーブで、日米通算では60勝(35敗)、235セーブ。抑え投手にとってはハードルが高く、勝利数も合算してはという意見もある。

◆まだまだ諦めん! 阪神・高山俊外野手(26)が三回に先制の2号ソロ。これが決勝打となり、2連勝で3カードぶりの勝ち越しを決めた。3位に転落したDeNAと4・5ゲーム差。2軍で調整する糸井の代役がみせた執念は、逆転クライマックスシリーズ進出の力になる。  力いっぱい合わせる両手に、思いがあふれた。大黒柱を欠くからこそ、成長するには今しかない。決意表明のように、力の限り振り抜いた。高山が先制の2号ソロ。クールな仮面は、お立ち台には必要なかった。  「きのう糸原さんが2本目のホームランを打って、さすがに糸原さんにホームランで負けたらやばいなと思っていたので。2本目が打ててよかったかなと思います」  前日20日に明大の1年先輩の糸原が右翼席へ2号。小技が持ち味の主将はプロでは1年後輩だけに、本塁打で負けたくなかった。0-0の三回先頭、1ボールから141キロ直球を振り切る。息をのみ、見守った白球は中堅の最前列に着弾した。5月29日の巨人戦(甲子園)、あの代打サヨナラ満塁本塁打以来、実に46試合184打席ぶりの2号ソロ。このときは福留を「右ふくらはぎの筋挫傷」で欠いていたが、今度は糸井を欠く中で貴重すぎる先制弾だ。  近本と福留が埋めている外野陣の競争は、今もなお熱い。高山も好機での凡退に「見栄えも悪い。そこは反省したいです」。四回2死一、二塁で空振り三振。六回2死一、三塁では二ゴロに倒れた。矢野監督も「チャンスで。そこのもう1個プラスアルファというのは、俊自身も求めてると思う」と奮起を促した。  糸井を「左足首の関節炎」で欠く中だが、高山にとってはチャンスに他ならない。DHが使用できる交流戦期間中には「野球人生がかかっているくらいの気持ちで」と燃える思いを口にしていた。熱い輝きを放ってきたからこそ、もう悔しさを味わうつもりはない。糸井が復帰しても、この座を渡したくない。  昨年の夏、高山は灼熱の鳴尾浜にいた。もがき、きっかけを探す日々の中で、母校・日大三高の小倉全由監督(62)と食事へ出かけた。昨夏の甲子園で4強入りした母校が関西にいる期間で恩師、コーチらとともに杯を交わし「頑張れよ」と背中を押してもらった。鳴尾浜に隣接するグラウンドで、日大三高が練習したことも。1軍の舞台で輝く姿を、何としても見せたかった。  今夏は西東京大会8強で敗退したが、テレビ解説で甲子園を訪れた恩師は「厳しいのはわかっているけど、自分からアピールするしかない」とエールを送った。今でも「あいつはこうだった、こんな練習をしていた」とミーティングでも教え子に話すという恩師。2011年に夏の甲子園を制した高山の姿は、今もなお憧れとして後輩たちの目に焼き付いている。  「残りの2打席、チャンスで凡退しているので。あしたはもう少しかっこいいところを見せられるように」  残り28試合で3位DeNAとは4・5差。大逆転CSへ。栄光も挫折も味わった男の執念が、大きな力になる。 (竹村岳) 先制弾を放った高山について阪神・浜中打撃コーチ 「引っ張ってというか、久しぶりに右中間に飛んだ。練習も悪くなかったし、いつか出ると思っていました」 ★高山1号満塁弾VTR  5月29日の巨人戦(甲子園)。中継ぎ陣が踏ん張って、4-4で迎えた延長十二回1死満塁。代打・高山が右翼ポール際へサヨナラ満塁ホームラン。自身にとっても昨年6月12日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来、351日ぶりの一発。4時間半を超える死闘を締めくくり、巨人と入れ替わって2位に浮上した。

◆最後はジョンソン、藤川がともに三者凡退に抑えて、「これぞ阪神」という勝ち方だったが、相手に傾きかけた流れを食い止めた岩崎を「投」のヒーローにあげたい。  2-1の六回に登板。2安打を許して2死一、三塁とされたが、代打・細川を直球で二ゴロに打ち取った場面だ。ピンチで動揺することはなかった。リリーフ陣がやってはならないのが無駄な四球。攻撃のリズムが悪くなるからだ。ヒットを何本、打たれても失点をしなければヨシである。  岩崎は12試合連続無失点。真っすぐは140キロ前後だが、球持ちがよくて、打者の手元で伸びるからスピードガンよりも速く見えてしまう。最大の武器でもあるが、今季はリリーフとしての地位を確立し、意気に感じて投げている感じだ。  中継ぎのコマ不足に頭を抱える球団が多い中で、阪神は左腕だけでも岩崎、島本、能見と3人。右ではドリス、守屋。質量ともに12球団トップだ。この日の秋山のように、先発が最少失点で5回を抑えれば、勝つ可能性は高くなる。それが証明された一日でもあった。(サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
64462 0.582
(↑0.004)
-
(-)
31539
(+5)
443
(+2)
143
(+2)
67
(+2)
0.262
(-)
3.690
(↑0.02)
2
(1↑)
広島
59543 0.522
(↑0.004)
6.5
(-)
27488
(+5)
471
(+4)
115
(+2)
68
(+2)
0.253
(↑0.001)
3.520
(-)
3
(1↓)
DeNA
58543 0.518
(↓0.005)
7
(↓1)
28478
(+1)
471
(+3)
127
(-)
34
(-)
0.249
(↑0.001
3.810
(↑0.01)
4
(-)
阪神
52576 0.477
(↑0.005)
11.5
(-)
28420
(+3)
480
(+1)
79
(+1)
74
(-)
0.249
(-)
3.600
(↑0.02)
5
(-)
中日
49622 0.441
(↓0.004)
15.5
(↓1)
30430
(+2)
456
(+5)
72
(-)
57
(+2)
0.262
(↑0.001)
3.950
(↓0.01)
6
(-)
ヤクルト
46672 0.407
(↓0.004)
19.5
(↓1)
28526
(+4)
587
(+5)
139
(+1)
46
(+1)
0.245
(-)
4.650
(↓0.01)