阪神(☆8対0★)DeNA =リーグ戦19回戦(2019.08.20)・京セラドーム大阪=
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DeNA
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阪神
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勝利投手:青柳 晃洋(6勝8敗0S)
敗戦投手:濵口 遥大(6勝5敗0S)

本塁打
【阪神】糸原 健斗(2号・6回裏ソロ),マルティネス(11号・7回裏2ラン),梅野 隆太郎(8号・8回裏ソロ)

  DAZN
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◆阪神は5回裏、福留の適時二塁打などで一挙4点を先制する。その後は、糸原、マルテ、梅野に本塁打が飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・青柳が6回途中無失点で今季6勝目。敗れたDeNAは、先発・濱口が試合をつくれず、打線も8安打無得点とつながりを欠いた。

◆阪神大山悠輔内野手(24)が途中交代した。6回2死一、二塁で先発青柳が降板。 マウンドに内野手らが集まると、大山は一塁側ベンチにダッシュ。青柳から岩崎への投手交代と同時に、三塁手も交代。代わって北條が三塁を守った。 大山はこの日、初回の先制機に空振り三振。5回に回ってきた追加点の好機でも空振り三振に倒れていた。

◆阪神福留孝介外野手(42)が5回2死満塁で、追加点となる走者一掃の適時二塁打を放った。 「追い込まれていたので、食らいついていきました。青柳も頑張っていたし、何としても援護したいと思っていたので打つことができて良かったです」 2番木浪が押し出し四球を選び、先制点を奪った直後、ベテランが意地の一振りを見せた。頼れる存在が、虎を奮い立たせる。

◆阪神先発の青柳は2回1死満塁のピンチを招くも連続三振で切り抜けた。DeNA先発の浜口は3回まで1安打無失点。 阪神は5回2死満塁から押し出し四球で先制し、続く福留が走者一掃の適時二塁打。DeNA浜口は5回途中4失点で降板した。 阪神は3本塁打を含む8得点。投手陣も無失点リレーを続け連敗を3で止めた。DeNAは好機で1本が出ず、浜口が5敗目。

◆DeNAが鬼門で完敗した。6月5日オリックス戦以来の完封負け。"虎キラー"の浜口が、2戦続けてKOされた。 4回まで1安打に抑えるも、5回先頭に四球を与えてリズムを崩した。2死二、三塁から近本に申告敬遠。満塁策を敷いたが、次打者の木浪に押し出し四球。先制点を献上し、続く福留に右中間へ走者一掃の適時二塁打を食らった。 ラミレス監督は「近本は左に強い。あそこがターニングポイント。流れが向こうに行ってしまった」と渋い表情だった。 ▽DeNA浜口(1回7失点KOの前回登板に続き、4回2/3を4失点)「点を取られたイニングの先頭打者への四球が不要でした。1つ1つの精度を上げられるよう、練習から意識して取り組んでいきたいです」

◆阪神矢野燿大監督(50)が、非情采配で勝利をたぐり寄せた。4点をリードして迎えた6回の守備。2死一、二塁となった場面で動いた。サードを守る大山が、先発青柳とともにベンチに下がった。 目を覆いたくなるような打席が続いた。5番三塁でスタメン出場した大山は1回2死二、三塁の先制チャンスで空振り三振。5回にも2死一、二塁で空振り三振を喫するなど、この時点で3打数無安打と精彩を欠いていた。 矢野監督は交代の理由について「内容が良くなかったのもあるし、スグル(岩崎)も次の回も行く予定というか、可能性もあったところ。そういう意味で代えました」と説明。ケガなどのアクシデントではなく打席の内容と、投手起用との兼ね合いだったことを明かした。開幕から4番を任された大山の途中交代は、4月12日中日戦以来4カ月ぶり。だが6回での交代は今季最短。これまでになかった交代が暗示させることは...。 今月10日には106試合目で初めて4番から外れたが、前カードの巨人3連戦で11打数1安打と浮上の気配がない。残り29試合。目指す逆転CS進出のために、残された時間は多くない。大山は試合後厳しい表情で、報道陣の問いかけに無言のまま、帰りの車に乗り込んだ。若き大砲がスタメン落ちの危機に陥った。【桝井聡】

◆阪神梅野隆太郎捕手がダメ押しの8号ソロを放った。 「なんとか打ちたいという気持ちがあって、いい1発になった」。8回1死走者なしから左翼席へ運んだ。守っても、5回1死一塁で神里の二盗を阻止。 「ヤギが空振りを取れるボールを投げてくれた」と好リードで青柳の好投を引き出した。

◆阪神福留孝介外野手(42)が、連敗を3で止める走者一掃二塁打を放った。1点を先制した5回、なお2死満塁。3点打を右中間へ運んでリードを4点に広げ、完全にゲームを支配した。これが歴代14位の日米通算2372安打で、中日時代の監督、落合博満を超える節目の1本。19日に球界最年長となる来季の契約更新が判明したベテランが、逆転CSへネバーギブアップで引っ張る。福留が貫禄の一撃で試合の流れを引き寄せた。5回2死満塁。木浪が押し出し四球を選び、先制に成功した直後だった。 「"青柳さん"が一生懸命に頑張っていたので、何とか追加点をと。1点だけじゃなく、どんな当たりでもヒットをと思いました」 浜口の116キロチェンジアップを捉えた打球は右中間へ。一走木浪までもが決死のヘッドスライディングで本塁にかえると、二塁ベースで両拳を強く握った。 プロ入りした中日で星野、山田、落合の3監督と出会い、常勝軍団の礎をたたき込まれた。このヒットで日米通算歴代14位の2372安打目。通算安打で選手落合を越えた。その監督のもとで4年間学んだ落合野球について、こう語ったことがある。「派手さはない、魅せる野球ではないけど、勝つことにトコトンこだわった。チームが勝つなら、(走者三塁では)ゴロを打って三塁走者がかえってくればそれでいい。それで点が入る。チームも勝てる。そういう野球だった」。ストイックなまでに勝利一徹。教わった野球道は今もブレることなく、勝利を追求する姿は変わらない。 リーグ最年長野手の42歳。ベンチでは若手の横に座って「カウンセリング」を行うことも少なくない。チーム力を底上げするために、悩める若手を徹底サポート。先発した青柳にも、左打者目線で日ごろから的確なアドバイスを送り、課題克服をアシストしてきた。 この日は試合開始7時間前の午前11時にグラウンド入り。黙々とポール間を走った。途中からは近本も参加。言葉以上に、背中でも若手を引っ張る。試合後は「負けが続いていたので、大阪に帰ってきて頭が取れたのはよかった」とサラリ。矢野監督は「やっぱり孝介だよね。あれが1番大きい。追い込まれてのあの1本は、今日のポイント」と絶賛した。3位広島とのゲーム差は5のままだが、逆転CSへ最後まで諦めない姿は心強いシンボルだ。 球団は球界最年長となる43歳の来季も、コーチ兼任でなく選手として契約する方針を固めている。強さの秘訣(ひけつ)を伝達して、勝利の喜びを分かちあう-。虎にはまだまだ、福留の力が必要だ。【真柴健】

◆阪神金村投手コーチは、抑えを藤川球児投手に任せることを明言した。 この日ドリスが再昇格したが「(抑えは藤川で)変えないよ。ドリスには一番しんどいところをやってもらうと思う」と8回ジョンソン、9回藤川が基本線。この日は点差も開き、ドリスが8回に登板したが、今後は6、7回での起用になる方針。金村コーチは、リリーフ陣に「最後30試合、みんなで頑張ろう」と話をしたと言う。「矢野監督がこのタイミングでドリスを上げたのは、そういうメッセージだと思う」と思いをくんだ。

◆1軍に合流した阪神ラファエル・ドリス投手が新たな役割を担い、再スタートした。 8回に登板し2番筒香を空振り三振に仕留めると、ロペス、佐野も抑えて3者凡退。「ストライクを投げることだけをシンプルに考えて投げました。感じは良かったし、久々のこの雰囲気を楽しめました」。今後は6、7回での起用が基本となるが「自分の仕事をするだけなので、自分のやることは変わらない」と話した。

◆2カ月半ぶりに1軍に昇格した阪神中谷将大外野手が、5回に左翼線二塁打を放ってチャンス拡大に貢献した。 「自分の中でも1本出たのは、次につながる。毎日、結果を出せるようにやっていきたい」。7番右翼で昇格即スタメン起用され、首脳陣の期待に応えた。

◆福留だけではない。この日は3発も飛び出し、痛快な連敗脱出となった。その中心に4番、ジェフリー・マルテ内野手(28)の豪快弾があった。 約1カ月ぶりの待望弾が飛び出した。5点リードの7回2死一塁。主砲がダメを押した。4番手笠井の高めの変化球を振り抜いた。打球は高い放物線を描いて、左翼スタンドまで届く11号2ラン。8月7日ヤクルト戦(神宮)以来の1発は、4番での初アーチ。「自分の2打点も大きかったし、チームも勝てて大きかった」と振り返った。 前日19日には、新加入のソラーテが成績不振で出場選手登録を抹消された。共演した「ソラマル」コンビはわずか1カ月で解体となった。新しく加入してきた相方と行動を共にし、チームを明るく盛り上げてきた。ソラーテが三振を喫してイニングを終えると、マルテが帽子とグラブを持って相方の元へ向かう姿も。共にサポートし合いながら、戦ってきた。1軍にマルテ1人となった今、相方ソラーテの悔しさを晴らすかのように、快音を響かせた。 18日の巨人戦(東京ドーム)では、試合中に左胸を痛めて途中交代。状態が心配されたが4番として先発メンバーに名を連ね、しっかり役割を果たした。患部の状態については「大丈夫。これから試合が続くので、100%に近い状態でやっていきたい」と力強く話した。 3連敗を喫した前カードの巨人戦で計6得点だった打線も、中軸を中心に活性化。6回に糸原が2号ソロ、8回に梅野が8号ソロを放って今季5度目の1試合3発。矢野監督は「チームが乗っていくためには、やっぱりみんなが打っていくというところでムードも上がってくる。そういうところでは、ホームランも出たりヒットも出たりという形で勝てたので大きいと思う」とたたえた。ソラーテもナバーロも2軍で野手助っ人は1人でしかも4番。責任感が増す助っ人砲が、その打棒でチームを引っ張っていく。【奥田隼人】

◆阪神青柳晃洋投手(25)が6月12日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来、約2カ月ぶりの6勝目を挙げた。 「絶対勝つことだけを考えて、先発マウンドに上がりました」。チームにとっても連敗を3で止める、大きな白星となった。 2回1死満塁のピンチを招くも連続三振で切り抜けるなど、6回途中6安打無失点。これで前回の13日中日戦(ナゴヤドーム)から12回2/3イニング連続無失点だ。「いいピッチングが続いたのが、うれしいところです」と喜んだ。 この日はTORACO DAY。お立ち台では「女性ファンの方が多いので、僕のためにありがとうございます」と笑いを誘った。糸原から「女性人気は青柳に負けるんですけど、もっと女性のファンを増やしていこうかなと思います」とイジられたが、「女性ファンは僕のほうが多いんで、糸原さんもうちょっと頑張ったほうがいいかなと思いますね」とお返し。さらに福留からは「なんかお立ち台の右端におっさん2人が立ってて、ちょっと申し訳ないなという気もしてますけど」とイジられ、球場をさらに盛り上げた。 大事なカード頭での好投。チームにいい雰囲気と流れをもたらした。

◆虎のキャプテンが、本塁打攻勢の口火を切った。 阪神糸原健斗内野手は4点リードの6回に、先頭打者で右翼へ2号ソロ。「自分が1番ビックリした。出塁することだけ考えていたが、最高の結果になった」。 本塁打は7月6日広島戦(甲子園)以来。「残り試合、全員で前を向いて戦うだけ」と次戦へ表情を引き締めた。

◆阪神の2番木浪聖也内野手が2試合連続のマルチ安打で気を吐いた。 4回に先制となる押し出し四球を選ぶと、7回、8回と立て続けに中前打を放った。この日も2度の生還で勝利に貢献するなど、6日の再昇格から存在感を発揮している。「まだまだです。打つ方もですけど、守備も」と浮かれることなく、表情を引き締めた。

◆阪神岩崎優投手がナイス救援で連続無失点を11試合に伸ばした。4点リードの6回2死一、二塁で青柳を救援。代打細川を138キロの真っすぐで見逃し三振に斬った。 「2アウトだったので、バッターに集中できた。(残り試合も)1試合1試合、頑張りたいと思います」。登板30試合で防御率は驚異の0・78。連日の大仕事にもクールで謙虚だ。

◆20日の阪神戦(京セラ)には中5日でDeNA・浜口が先発する。前回14日のヤクルト戦(神宮)では1回7失点。「ストライクを取りにいきすぎてしまった」という左腕は、気持ちを切り替え巻き返しを期す。19日、先発投手陣は甲子園球場の室内練習場で調整。カード初戦に勝ち、5ゲーム差で追う巨人にプレッシャーをかける。

◆阪神・福留孝介外野手(42)が20日、DeNA戦(京セラ)に「3番・左翼」で出場し、五回に3点打を放ち、4点差に広げた。  五回、押し出し四球で1点を先制すると、なおも2死満塁で福留が打席へ。先発・浜口の4球目、外角低めの116キロ変化球を右中間へはじき返して、走者一掃の3点二塁打にした。  これで18日の巨人戦(東京ドーム)から2試合連続となる適時打。3打点を記録したのは、4月30日の広島戦(甲子園)以来だ。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(28)が20日のDeNA戦(京セラ)でダメ押しの11号2ラン。特大の一発で、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。  5点リードの七回2死一塁。笠井の138キロをすくい上げると、打球は大きな放物線を描いて左翼席に着弾。7日のヤクルト戦(神宮)以来のアーチでさらにリードを広げてみせた。この日、ソラーテが登録抹消となり助っ人野手は再びマルテひとりとなったが、持ち前の長打力で崖っぷちの虎を救った。  「TORACO DAY」と銘打たれたこの日、マルテもピンク色のテーピングを左手首に巻いて試合に出場した。黄色い声援に応える、頼もしく大きなホームランだった。

◆DeNAは20日の阪神戦(京セラ)に0-8で完敗した。  試合後、ラミレス監督が勝敗のターニングポイントに挙げたのは五回の守備だった。そこまで無失点投球だった浜口が2死二、三塁のピンチを招くと、そこまで2打席凡退(三振、一ゴロ)の近本を申告敬遠で満塁策を選択した。しかし、浜口は続く木浪にストレートの押し出し四球を与え、福留には右中間への3点二塁打を浴びて降板した。  近本との勝負という選択肢もあるなか、指揮官は「ウチの左投手に対して5割以上打っていた。そこまで2打席ヒットがでていなかったので、そろそろ出るころだと考えた。木浪への押し出し四球は想定していなかった。申告敬遠がターニングポイントになった」と説明した。  緻密な制球力で勝負するタイプではない浜口に対して、満塁策を指示することにリスクも伴うが「近本に打たれて2点以上入ってしまうよりも、リスクをおかしてでも勝負を避けた方がいいと思った。結果的には2点以上取られてしまいましたが」と語った。

◆DeNAは申告敬遠が裏目に出た。0-0の五回2死二、三塁で迎えた近本はこの日無安打ながら、ラミレス監督は満塁策を選択。すると好投の浜口がリズムを乱してしまう。4球で押し出し四球を与え、福留には3点二塁打を浴びて一気に大差をつけられた。  DeNAは申告敬遠が導入された昨季から故意四球が圧倒的に多く、昨年はリーグ最多56、今季もこの日で45個目とリーグ断トツだ。監督は「近本はつい先日までうちの左投手を8割近く打っていた」とデータに基づく策だと説明。その上で「あの押し出しで流れが変わった」と浜口の投球を残念がった。 ラミレス監督(零敗に) 「あれだけチャンスをつくって点を取れなければ、必然的に流れは相手チームにいく」 浜口(五回に4点を奪われてKO) 「福留選手に打たれた場面は勝負を急いでしまった。冷静になる必要があった」

◆阪神は青柳が六回途中まで得点を許さず、8三振を奪う力投で6月12日以来の6勝目。「連敗している時に勝てたのはチームとしても大きい」と笑顔を見せた。  二回は先頭から連打を浴びたが、戸柱を投ゴロ。その後の1死満塁から浜口、神里を連続三振に仕留めた。四回は柴田を併殺打にするなどして切り抜けると、五回に打線が一挙4得点。矢野監督は「序盤に苦しい場面はあったが、粘れたのは良かった」とねぎらった。  八回途中まで投げた13日の中日戦に続く無失点投球。制球難から崩れる不調を脱したことを印象づけ、青柳は「いい投球が続いたということがうれしい。次につながると思う」と手応えを口にした。 マルテ(七回に11号2ラン) 「自分の2打点も大きかったし、チームも勝てた。みんなで勝てた試合」 ドリス(この日昇格し、八回を三者凡退) 「ストライクをどんどん投げていくことを意識した。自分の仕事に集中したい」 梅野(八回に8号ソロ) 「何とか打ちたい気持ちだった。残り試合もチームを助けられるような打撃をしたい」

◆阪神が20日のDeNA戦(京セラ)で8-0で快勝。連敗を3でストップした矢野燿大監督は「福留の3点タイムリーで一気に流れを持ってこられた」と、五回に福留が放った3点二塁打をポイントに挙げた。  --連敗ストップの快勝  「うれしいです」  --福留の一打が大きかった  「本当に、あの1点だけでは流れがこっちにこないところだったので、本当に孝介(福留)のタイムリーで一気に流れを持ってこれましたね」  --その後の3本塁打で追加点も大きい  「チームが乗っていくためにはね。孝介のタイムリーはすごく大きかったですけど、やっぱりみんなが打っていくというところでムードも上がってくるんでね。そういうところではホームランも出たり、ヒットも出たりという形で勝てたので大きいと思います」  --大山途中交代の意図は?  「意図はいろいろありますけどね」  --青柳の投球をどう見た?  「調子はそんなに悪くはなかったと思いますしね。序盤は苦しい場面もありましたけど。そこを粘れたというのが良かったと思いますし、リュウ(梅野)もしっかり引っ張っていってくれたかなと思います」  --交代のタイミングは?  「点取った後だったんで、あそこはどうしても0でいきたかったんで。続投でもどうかなというところだったと思うんですけど、しっかりゼロで抑えて流れを留めておきたいということで代えました」  --久しぶりの1軍復帰のドリスが三者凡退  「元気でしたね。いいボールいってましたし。(外国人)枠の関係でちょっと下に行ってという形になりましたけど、またチームの戦力になってくれるなっていうピッチングを見せてくれた」  --今後の起用法は?  「現状はそのまま。球児(藤川)を抑えにいきますし。ドリスをどこで使うかっていうのはその場面、試合によってかわってくるかなと思います」  --明日は秋山が先発。明日に向けて  「チームの流れをね、今日の青柳みたいに粘って何とかこっちに流れが来る形で、打線が今日みたいに援護していけるように。そういう試合をしたいと思います」

◆阪神は20日のDeNA戦(京セラ)で8-0と快勝。借金状態から抜け出せず、ヤキモキさせる試合が続いている中、福留の3点打や、糸原、マルテ、梅野の一発などで虎党を大喜びさせた。  お立ち台で糸原は「女性の心をつかもうと思って打ちました」とリップサービス? したが、この日は女性ファンをターゲットにした「TORACOデー」。女性の来場者全員に特製ユニホームをプレゼントするだけではなく、フォトスタンプラリーやトラ耳ヘア体験ブースなど、球場外にも、さまざまなイベントを用意していた。  花柄で見た目も涼しげな「TORACO」ユニホームがスタンドでも目立っていたが、6年目の今回、観衆3万5961人の半数以上を女性で占めたのだった。これには球団幹部もびっくり。「普段は多くても男性6割、女性4割ぐらいだったんですよ。しかも、お盆を過ぎた平日ですし」。ソフトバンクが5月中旬に開催した「タカガール?デー」の8割には及ばないが、京セラドームでの営業戦略には毎年苦しむ。もともと阪神は老若男女を問わず根強いファンがいることを考えると、プロモーション大成功といえるだろう。  なぜ、TORACOは増えるのか。球団関係者は「鳴尾浜でもカメラを手に応援してくれる女性ファンも増えました。インスタグラムなどSNSの普及もあるのでは」と分析しながらも、"草の根"の営業努力を続けていることを説明した。  この日、新たな仕掛けがあった。阪神の練習開始時間、一塁側のフィールドシートでは「TORACOデー」イベントの一環である練習見学会が行われていた。選手がグラウンドに姿を見せる。すると球団広報が先導し、"即席ハイタッチ会"を開催したのだった。  もちろん、TORACOからすれば練習見学会としか通知されていなかったため、大喜び。営業関係者は「事前告知できればよかったのですが、選手のスケジュールによっては変更しなければいけないときもありますので。ゲリラ的にやりました」とニヤリ。選手はベンチ裏で「僕、そういうの苦手なんですよね」などと苦笑いを浮かべていたが、サプライズというのがうれしい。女性の心をまたつかんだわけだ。  2017年には観客動員300万人を超えるなど、球界屈指の人気を誇る阪神。球団の地道な姿勢がそれを支えている。

◆--カード、週の頭をとれたのは大きい  矢野監督「もちろんもちろん。なかなかそういう形がね、できてなかったと思うので。先発が勝ちついて、こうやってたくさん点取ってってこともなかなかできにくかったので。初戦でね、いい勝ち方できたと思います」  --福留は(これまで)負けているときに野手を鼓舞する姿もあった  「それはね。孝介も、そういうこともちろんわかってくれてるし。若い選手にも助言だったり、そういう姿勢だったり含めて、やっていってくれているし。体にある意味ムチうちながら、そういう部分もしっかりやってくれているので。頼もしいなと思います」  --久しぶりの1軍復帰のドリスが3者凡退  「元気でしたね。いいボールいってましたし。またチームの戦力になってくれるなっていうピッチングを見せてくれた」

◆京セラドームに行く前にトラ番キャップ大石豊佳はちょっと甲子園をのぞいてみた。別に最近の阪神はちょっと借金がたまってしまって...閑古鳥が鳴いているというわけではない。  なにしろこの日の京セラドームは満員札止めなのだ。「本当に阪神ファンはありがたいデス。それにきょうは『TORACO DAY』で女性用のおしゃれなプレゼントがありまして、スタンドはパッと明るいんです」  だったら何故に甲子園に"途中下車"をするのかといえば、ちょいと高校野球のアノ空気感を味わってみたかったらしい。  「僕はもともとオリックス担当の時(2014年)などはチームが強く(2位)て、京セラドームでは余裕しゃくしゃくでした。だからきょうはその空気感を阪神で相性のいいDeNAですから、先輩もアテにしてください」  つまり大石は、まぁそんなにガツガツするなというのであるが、いつもすきっ腹って何なのだ。  独の生物学者ヤーコブ・フォン・ユクスキュル(1864~1944年)は「生物を生物から見た世界」をマジメに研究した。例えば「ダニはダニにとって世界をどう考えているのか。彼らダニは木の枝の上で(人間の物差しでいえば)その下を通る哺乳類を待ち伏せて、何も食わずにジッと18年も待ち続けることができる」のだそうだ。  それから比べりゃ虎党の皆さま...少々打てなくてもジッとホンの数時間"待つ"ぐらいドーってことないでしょうが。え、これ...涙じゃないデス。きょうは時々、雨も降ったので...濡れてるんです。秋雨デスヮ(私は何を言ってるんだろか...)  大石が何気なく「高校野球の空気感」を求めて甲子園をのぞいたわけですが、実は21年前の8月20日は、高校野球史上『極上のドラマ』といわれる第80回夏の甲子園の準々決勝、横浜-PL学園の延長十七回、3時間37分のドラマが演じられた日なのです。  9-7で横浜が勝利。松坂大輔が"怪物"といわれる由縁の試合。彼は17回、延べ70人のPL学園の打者を250球で11三振、四死球5で自責7点。最後の打者を三振にとったとき、松坂はニコリともせずある種の"虚脱感"につつまれていたのです。  壮絶な戦い...とはこういうものをいうのであります。  なぜこの若き日の「松坂大輔、執念の250球」にふれたかといえば、それほど大げさなものではなかったけれど、この夜の京セラドームでは、青柳の粘投にその香りが漂っていたと思う。前半はアップアップしていたが、粘った。  五回に無死二、三塁とやっと巡ってきたチャンスに阪神は梅野、青柳が続いてスクイズ失敗した。この"意表をつく"矢野作戦は、いかにこれまでの阪神打線の拙攻ぶりが重く指揮官の背中にのしかかっていたことか...を露呈していた。  記者席に駆けつけた阿部祐亮デスクは、試合前の練習中に胸キュンとなった。  「矢野監督がフッと打撃ケージを離れて外野に一直線...。みると昇格したドリスをつかまえて肩をもみもみしながら、何かを二言三言語りかけてました。その心遣い...ジンときましたョ」  そこからのガマン比べだが、浜口が先に自滅して...福留が長打を放ち...打者9人。待てば海路の日和とやら...の4点。  そして六回には糸原のソロ。七回はマルテの2ラン! ご近所のスーパーだって「閉店間際の大サービス」はいまじゃ"阪神の名物"じゃござんせんか。  ダニだって文句いわずに18年も微動だにせず待つのです。それって我々に『人生』を教えてくれているんです。

◆阪神先発・青柳が6月12日以来の6勝目! 大ベテラン、福留様の走者一掃ツーベースに阪神らしからぬ糸原、マルテ、梅野の3アーチで8-0の大勝利! バンザ~イ...だけどプロ野球ファンとしては首位・巨人を追うDeNAのふがいなさにガックリ! そこで本日は『虎の通信簿』に代わり『ハマの通信簿』じゃん!  コラー! 先発・浜口。五回、阪神が2者連続スクイズ失敗のミスをしているのに左対左で、しかもルーキーの木浪にストレートの四球で押し出し。駄目じゃ~ン!  わが阪神が2番・筒香と対戦するのは初めてだったけど、やはり優勝を狙う球団としては迫力がなーい! 横浜名物・崎陽軒のシウマイ弁当を開けたときに蓋の裏に米粒が張り付いていないような...というか。  4番・佐野も2安打と好打者なのは分かるけど、やはり横浜といえば崎陽軒に、ありあけのハーバーに、筒香のクリーンアップ。でなきゃ、ハマっ子は燃えないじゃ~ん! と勝手に思った夜だったのだ。

◆勝負の分かれ目は0-0で迎えた五回の申告敬遠だった。2死二、三塁から、そこまで無安打の近本を歩かせて満塁策を選んだが、浜口が木浪に4球で押し出し四球を与え、福留に3点二塁打を浴びた。ラミレス監督は「近本は、うちの左投手から打率5割以上打っていた。その後の押し出しは想定していなかったが」と悔やんだ。昨季はリーグ最多56、今季も45個目と故意四球が圧倒的に多いが、この日はこれが裏目。首位・巨人とのゲーム差は6に広がった。

◆梅野が自己最多に並ぶ8号ソロ。八回1死、内角145キロ直球を左中間席にたたき込み、トドメを刺した。6月20日の楽天戦(甲子園)以来、2カ月ぶりの一発で昨季の8本に並び「何とか打ちたい気持ちはあったけど、まだまだこれから」と表情を引き締めた。五回1死一塁の守備では、一走・神里の二盗を阻止。攻守で存在感を示した。

◆糸原がダメ押しの2号ソロ。4点リードの六回無死、141キロ直球を右翼席へと運び去った。「先頭だったので、出塁することだけを考えていました。それが最高の結果になりました」。これまで通算3本塁打はすべて甲子園で放っていた。五回先頭でも四球を選び、一挙4得点を演出。「残り試合、全員で前を向いて戦いながらチーム一丸となって頑張ります」と意気込んだ。

◆1軍昇格したドリスは八回に登板。筒香から空振り三振を奪うと、三者凡退で切り抜けた。「ストライクに投げることだけを意識して、深く考えずにシンプルにいきました。久しぶりでしたけど楽しめました」。今季19セーブを挙げている右腕だが金村投手コーチは「変わらないです」と守護神は藤川であることを明言。盤石のブルペンを全員で支えていく。

◆マルテが5点リードの七回2死一塁で左翼席への11号2ラン。18日の巨人戦(東京ドーム)では左胸への痛みを訴えて途中交代していたが、不安を一掃した。「(体は)大丈夫。これからも試合が続く。100%の状態でやるだけだ。チームが勝てたのが大きいね」。ソラーテが不振で2軍落ち。野手の外国人は1人制に戻っただけに、さらなる奮起が求められる。

◆阪神・福留孝介外野手(42)が1-0の五回2死満塁から走者一掃の3点二塁打。今季自己最長7戦連続安打となる貴重なタイムリーで打線を勢いづけた。  福留の貴重な3点二塁打は今季自己最長の7戦連続安打。日米通算2372安打とし、中日時代の監督で、NPB通算安打数2371安打の落合博満を抜き、単独15位となった。「そうなんですか!?」と驚きつつ、「こうやって長い間やらしてもらっているので、そういう記録になったのかなと。それはそれでよかったです」と声を弾ませた。

◆波に乗りきれなかった若き主砲に、荒療治が施された。「5番・三塁」で先発した大山がわずか3打席で六回の守備の途中からベンチへ。これまで大事に育ててきた矢野監督が、ついに"非情采配"を振るった。  「内容もよくなかったのもあるし、優(岩崎)も次の回もいく予定というか、可能性もあったところやから。そういう意味で代えました」  一回からブレーキになった。一回2死から福留の四球とマルテの左翼線二塁打で先制のチャンスを迎えたが、大山は外角のワンバウンドした変化球に手を出して空振り三振。さらに虎党を落胆させたのは五回だ。福留の3点二塁打に続いてマルテが四球を選んでつなぐも、またしてもバットは外角の同じようなスライダーに続けて空を切り三振。大歓声が一気にため息に変わった。  続く六回の守備で青柳が2死一、二塁のピンチを背負い、継投に入ったところで非情なアナウンス。「大山に代わりまして、ピッチャー岩崎」-。今季3度目の途中交代。3打席では最短。間違いなくもう1打席まわってくる状況での交代は初めてだった。  直近の巨人3連戦では11打数1安打の大不振で3連敗の一因になったばかり。そして、この日も3打数無安打2三振。大山を見切った形だ。背番号3は試合後、室内で悔しさを振り払うようにバットを振り、約1時間後に球場を後に。報道陣の問いかけに「お疲れさまでした」と力なく答えるだけだった。  定位置だった三塁には今季初めて北條が送られ、矢野監督は「ジョー(北條)もそこ(三塁)を奪いにいけばいいやろうし、もちろんショートでも競争してるし。あそこらへんみんな年齢も同じなんでね。そうやって切磋琢磨してやってくれたら」と話した。大山は21日にも今季初めてスタメンを外れる可能性がありそうだ。  「青柳みたいに粘って、何とかこっちに流れが来る形で、打線がきょうみたいに援護していけるように。そういう試合をしたいと思います」  残り29試合で3位広島とは5ゲーム差。同じ轍を踏んでいては差が縮まらないことは、将自身がわかっている。 (大石豊佳) 途中交代させた大山について阪神・清水ヘッドコーチ 「悔しい気持ちもあると思う。悔しさが出たら、新しい大山悠輔がみられると思う。(今後は)使うのは使うと思うし、ダメだとレッテルを貼ったわけではないので」 大山に代わって三塁の守備に就き、八回には右前打を放った阪神・北條 「自分のいいパフォーマンスができるように」 ★阪神・大山の途中交代VTR  4月12日の中日戦(甲子園)に「4番・三塁」で先発出場。0-6から近本の適時打などで2点差に迫った七回2死満塁、谷元の1、2球目の外角低めの変化球を空振りすると、3球目の内角直球に詰まって力負けの三ゴロ。矢野監督は八回の守備から4打数無安打の大山を交代させた。試合は4-9で敗れた。

◆絶対にホームを踏ませんとばかりに、懸命に右腕を振った。青柳がハマ打線を無失点に封じて、自身8試合ぶりとなる今季6勝目をゲット。投球だけでなく、トーク力でも球場に駆けつけた"TORACO"をメロメロに、とりこにした。  「(外角に)投げ切れたことで苦しい時に空振りを取れたり、凡打にできた。梅野さんと話した通りにできた結果、ゼロで抑えることができたと思う」  最大のピンチは二回。先頭の佐野に中堅フェンス直撃の二塁打を許すと、ソトには右前に運ばれて一、三塁。続く戸柱を投ゴロに打ち取ったが、なおも一、二塁から柴田に右前打を浴びて満塁とされた。だが、ここから粘りを見せた。浜口、神里を2者連続の三振に斬り、先制点を与えず。5回2/3を投げ、6安打無失点で登板2試合連続のゼロ封だ。  マウンドの外でも"舌好調"だった。この日は女性ファンが楽しめるイベントが行われた「TORACO DAY」。これにちなんで、ともにお立ち台に上がった糸原から「女性人気は青柳に負けるんですけど」と話を振られると、青柳は「(女性ファンは)僕の方が多いので、イト(糸原)さんはもうちょっと頑張ったほうがいいと思いますね」と返答。絶妙な返しで"黄色い"笑いを誘った。  先発投手に白星がつくのは、8月8日のヤクルト戦(神宮)で秋山が勝利して以来、10試合ぶり。「もちろん勝ったのはうれしいですけど、それよりもチームが連敗しているときにこうやって勝てたのはチームにとって大きい」と満面の笑みを浮かべた。  「いいピッチングが続いたというのがうれしい。2試合ずっとゼロで抑えられていることが次につながると思う」  シーズン終盤戦は、チームトップ6勝の右腕を中心に加速していく。 (織原祥平)

◆逆転CSあきらめん!! 阪神・福留孝介外野手(42)が1-0の五回2死満塁から走者一掃の3点二塁打。今季自己最長7戦連続安打となる貴重なタイムリーで打線を勢いづけた。チームはDeNAに快勝し、連敗を3でストップ。3位広島とは5ゲーム差のままだが、必死に食らいついていく。  口を真一文字に結び、両手で小さくも力強いガッツポーズを二塁上で握った。打球は大歓声でビリビリと震える空気を切り裂くように、低い弾道で右中間へ。こんな痛快な一撃がみたかった。福留が満塁で勝利を呼び込む3点打。先発の青柳、糸原とともに上がったお立ち台で胸を張った。  「青柳"さん"が一生懸命がんばっていたので。なかなか勝ちをつけてやれなくて、野手が迷惑をかけていたので。大阪に帰ってきて、(カード)頭をとれたのは大きいと思います」  女性ファンが多く詰めかけた「TORACO DAY」で3連敗中の嫌な流れを振り払った。0-0の五回無死二、三塁から梅野、青柳が続けてスクイズ失敗...。近本が申告敬遠で塁が埋まり、木浪が押し出し四球を選んで先制点をもぎとると、なおも満塁で背番号8の出番だ。カウント1-2から浜口のチェンジアップをとらえ、3戦連続打点となる走者一掃の右中間3点二塁打で一気に突き放した。  「(スクイズ失敗は)ミスしたことは終わっている。自分は自分のことを、と思って打席には入っているので」とサラリと振り返ったが、チームとして満塁でのタイムリーは11日の広島戦(京セラ)で六回に梅野が右前へ放って以来、7試合ぶり。その後は8度の満塁機で一度も安打が出ていなかった(犠打1)。この試合まで今季満塁でのチーム打率は・158。勝負を決めきれない打線のモヤモヤも吹き飛ばした。  どこにいても、いつ何時でも役者が違った。両ふくらはぎ痛の影響で2度目の抹消中、甲子園で行われたウエスタンの試合前練習で、阪神園芸関係者をビックリさせる一言を放った。「エアレーションやってるんですね」。芝生に穴を開け、通気性を増す専門的な手入れ法だが「他の選手からいわれたことはない。みる場所が違う」と"神整備"で支える同関係者もうなるしかない。日米通算21年目。周囲の環境の変化を敏感に感じ取る百戦錬磨の経験値が、今季満塁打率・333(9打数3安打8打点)にもあらわれる。  矢野監督は「やっぱり(福留)孝介だよね。あれが一番大きいよね。あれがあるからピッチャーも代わって、むこうも勝ちパターンを出せないわけだから」と最敬礼。ベテランの一打で3位広島に5ゲーム差で食らいつき、まだまだCSへの夢はあきらめない。  「(つなぐ意識が)きょうできた、それでいいやじゃなくて、きょうはこれで終わった。またあした、1人1人がそういう気持ちでグラウンドでプレーできればいい」と福留。もう次の1勝しか見えていない。夏の終わりから始まる大反攻を引っ張っていく。 (新里公章) 福留について阪神・浜中打撃コーチ 「最高の形で打ってくれました。あの一打で勝てたようなもの。チェンジアップを空振りして、次(同じ球)を仕留めるのはさすが。悠輔(大山)とかも見習ってほしいし、勉強になる一本でした」

◆大山を4番に育てるために監督がいるのではない。我慢して使うことも大事だが、1つでも多く勝つことが仕事。今の状態を考えると残り29試合、スタメンから外すという選択肢も十分ある。  大山は1球目から追い込まれているような印象を受ける。象徴的な場面は五回2死一、二塁での第3打席。カウント1-1から藤岡の外角スライダーを2球連続で空振りし、三振。狙い球を定めて投手と駆け引きできるどころではない。空振りしたチェンジアップを続けられて3点打を放った福留とは対照的だった。  矢野監督の采配がきゅうきゅうとしているのも事実だ。0-0の五回無死二、三塁。相手の内野守備陣は後ろに下がり、転がせば1点という状況だったにも関わらず、梅野にスクイズのサインを出した(ファウルのち、二飛)のは寂しい。梅野も青柳もスクイズできる球を決められず、練習不足といわれても仕方がないが、負けが込むことで作戦も消極的になる。今こそ首脳陣の手腕、懐の深さが試される。 (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
63462 0.578
(↑0.004)
-
(-)
32534
(+2)
441
(+1)
141
(-)
65
(+2)
0.262
(↓0.001)
3.710
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
58533 0.523
(↓0.004)
6
(↓1)
29477
(-)
468
(+8)
127
(-)
34
(-)
0.248
(-)
3.820
(↓0.04)
3
(-)
広島
58543 0.518
(↑0.004)
6.5
(-)
28483
(+9)
467
(+8)
113
(+1)
66
(-)
0.252
(-)
3.520
(↓0.03)
4
(-)
阪神
51576 0.472
(↑0.005)
11.5
(-)
29417
(+8)
479
(-)
78
(+3)
74
(-)
0.249
(↑0.001
3.620
(↑0.03)
5
(-)
中日
49612 0.445
(↓0.005)
14.5
(↓1)
31428
(+1)
451
(+2)
72
(-)
55
(-)
0.261
(-)
3.940
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
46662 0.411
(↓0.003)
18.5
(↓1)
29522
(+8)
582
(+9)
138
(+3)
45
(-)
0.245
(-)
4.640
(↓0.02)