巨人(☆4対2★)阪神 =リーグ戦18回戦(2019.08.17)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:髙橋 優貴(5勝4敗0S)
(セーブ:デラロサ(1勝0敗4S))
敗戦投手:西 勇輝(5勝8敗0S)

本塁打
【阪神】北條 史也(4号・8回表ソロ),福留 孝介(6号・8回表ソロ)
【巨人】坂本 勇人(32号・1回裏ソロ)

  DAZN
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◆巨人は初回、坂本勇のソロで先制に成功する。そのまま迎えた7回裏には、阿部、ゲレーロの連続適時打などで3点を加え、リードを広げた。投げては、先発・高橋が6回無失点の好投で今季5勝目。敗れた阪神は、先発・西が6回1失点と試合をつくるも、打線が援護できなかった。

◆阪神西勇輝投手(28)の今季巨人戦は3試合に登板して0勝1敗、防御率3・00だが、この3試合の援護点は0点、2点、1点の計3点だけ。 今日は味方の援護を受けて、巨人戦初勝利をつかめるか。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が、自己最多を更新する32号ソロで先制点をたたき出した。 1回1死、阪神西の初球の外角スライダーにやや態勢を崩しながらもバットを合わせた。中堅左へ6試合ぶりの1発を放り込んだ。10年にマークした31本塁打を抜き「打ったのはスライダー。タイミングよく、うまくバットにのせることができました」と喜んだ。

◆巨人アレックス・ゲレーロ外野手が来日初の犠打を決めた。1点リードの6回無死一、二塁。初球からバントの構えをするとスタンドがどよめいた。 1度、打席を外して元木三塁コーチから耳打ちされて、打席に戻ると、阪神西の初球の外角スライダーを投前へ絶妙のバントで走者をそれぞれ進塁させた。来日3年目、1059打席目での初犠打を記録した。「バントは初めてだね!! チームの指示だからね! チームが勝つために、いいバントが決められて良かった」とコメントした。

◆阪神西勇輝投手(28)が6回7安打1失点でマウンドを降りた。今季はここまでチームトップタイの5勝をマークしていたが6勝目とはならなかった。 「先制を許してしまったことは反省ですが、内野の声掛けも含めたバックの守備、梅野のリードに助けてもらい、その力をもらってピンチの場面でも粘って抑えることができました」 初回に2番坂本に先制32号ソロを被弾。登板15試合連続で先制点を許してしまったが、試合は作った。

◆巨人高橋、阪神西が先発。巨人は1回に坂本勇が自己最多を更新する32号ソロで先制。阪神は3回まで1安打に封じられた。 巨人は5、6回と満塁の好機をつくるも追加点はならず。高橋は6回2安打無失点で救援陣へバトンを託した。 阪神は8回、北條と福留のソロで反撃も、巨人が逃げ切り勝ちで3連勝。高橋が5勝目を挙げた。阪神西は8敗目。

◆巨人が3連勝した。1回に坂本勇の自己最多の32号ソロで先制し、7回に岡本の犠飛、阿部の適時打、ゲレーロの連続二塁打で3点を加点。高橋は6回2安打無失点で5勝目。阪神は8回に北條、福留のソロで反撃したが及ばなかった。

◆阪神北條史也内野手が意地の1発を決めた。4点を追う8回1死、左腕高木の直球を強振し、左翼席最前列に4号ソロを届かせた。「特に1打席目は仕事ができていなかった。あそこで仕事をできていれば展開は違っていた。悔しかった。(8回は)思いきり行きました」。 1回無死二塁で見逃し三振に倒れるなど、3打席目まで凡退していただけに、思いをバットにぶつけた。

◆阪神能見篤史投手は自身400試合登板を快投で飾れなかった。1点ビハインドの7回に登板。先頭の1番亀井に左中間二塁打を許すと、2者連続四球で無死満塁に。4番岡本に犠飛、5番阿部に適時打を浴びてマウンドを下りた。 1/3回を3失点でチームも2連敗。「自分の状態が問題なので...」と悔しさをにじませた。

◆阪神梅野隆太郎捕手が5回に三盗を決め、目標としていた2ケタ盗塁に到達した。「走塁の意識をもっと、と思って取り組んでいる。1つでも先の塁に進めるように」。 阪神の捕手が年間10盗塁に到達するのは、09年狩野の10盗塁以来、10年ぶり。梅野は「意識を持ってきた結果です」と話して東京ドームを後にした。

◆阪神近本光司外野手が2盗塁で今季の盗塁数を「25」に伸ばした。初回に初球からセーフティーバントを敢行。 「狙っていたわけではなく、そのときの判断で。(三塁手の)守備位置が深かったのもあったので」。うまく転がし、素早く一塁を駆け抜けて内野安打をもぎ取った。次打者の6球目で果敢にスタートを切り、二盗に成功。ソラーテの打席でも好スタートで、三塁を陥れた。それでも「タイミングがうまく取れなかった。(三盗は)100%セーフじゃないとダメなので」と反省を口にした。 これで今季125安打に到達。球団新人歴代記録の4位赤星憲広氏まで、あと3本に近づいた。矢野監督は「今の近本にすれば特別なことじゃないでしょう」と話した。得点力不足の打線を、近本が引っ張る。

◆巨人高橋優貴投手が「虎キラー」ぶりを発揮した。 阪神打線を6回2安打無失点に抑え5勝目。最速149キロの直球を軸に、コーナーを突いた。好投手の西との投げ合いを制し「いい投手の方と投げ合って勝ちがついたことは自信にしたい」。 幼少期に大ファンだった阪神相手には3戦2勝0敗、防御率1・00。抜群の安定感が光り、自身2連勝を決めた。

◆あぁ、また拙攻...。阪神は序盤の逸機が響いて巨人戦3連敗を喫した。 1回は先頭近本が2盗塁で三塁まで進みながら大山が凡退。その後も得点機で打てず、アーチ2発が飛び出したのは4点リードされてから。投打の歯車がかみ合わず、完敗した。8月の東京ドームは通算32勝81敗6分け。勝率2割8分3厘で、とんでもない「鬼門」になっている。打線が上向かない限り、逆転CS進出は夢のまた夢だ。前夜の悪夢はまだ続いていた。重苦しいムードが阪神打線を覆い尽くす。1回から東京ドームのスコアボードは再び「0」だけが並ぶ。8回に北條、福留の連続アーチが飛び出すが時すでに遅し。雌雄が決したあとの一撃は、逆にむなしさが際立っただけだ。三塁側スイングルーム。矢野監督も「同じやね、結局...」と首をひねるしかなかった。 幸先よく仕切り直すはずだった。1回、先頭の近本がセーフティーバントで出塁。立て続けに二盗、三盗を決めた。2死満塁だ。だが、大山が巨人高橋の速球に押されて遊飛...。先制機はついえて、流れを手放してしまった。指揮官は「もちろん苦しい。同じような負け方でプロとして恥ずかしい思いは持って、何とかしたいという思いで戦っている。結果がこうなっている以上はね」と危機感を募らせた。 ルーキー左腕に太刀打ちできない。2回以降は打線が沈黙。得点を刻めず、4月4日のプロ初星に続いて勝利を献上してしまった。浜中打撃コーチは「2段モーションをやめて、真っすぐが速くなっている」と指摘。また、高橋は今回対戦から投手板の立ち位置も一塁から三塁側へ。過去2戦と異なる間合いを測りきれず、敗れ去った。清水ヘッドコーチも「(安打が)2本だからね。それじゃ苦しい」と嘆くしかなかった。 今年も忌まわしいジンクスが生きていた。東京ドームでは88年の開場以来、8月は通算32勝81敗6分けの惨状だ。勝率2割8分3厘の借金49に膨れた。今年も連敗し、今季ワーストタイの借金6に増えた。8月の東京ドームで失速する、そんな"風物詩"などいらない。残り31試合。好投する先発投手を援護できない貧打を打開しない限り、クライマックスシリーズは遠のく一方だ。【酒井俊作】

◆「心技体」の整った巨人坂本勇人内野手(30)が、10年の自己最多を更新する32号決勝ソロを放った。初回1死、阪神西の外角高めスライダーを左中間席最前列へ運び「いい先制点になってよかった」。チームを3連勝&3カード連続の勝ち越しへと導いた。 一線級で戦い続ける肉体を秘密兵器が支える。今季途中に「ノーマテック」と呼ばれる圧縮マッサージ器を自費購入した。両足を黒い袋で覆い、血流を促進させることで疲労緩和効果が得られる。西武時代から愛用する炭谷から借り、効果を実感。1器十数万円するが、佳境を迎える夏場を乗り越えるために、惜しまない。「技術は簡単に落ちるものではないけど、コンディションが悪くなると狂い始める」。培った技術をいかんなく発揮するため、先手を打ち、蓄積疲労がピークに達する夏場も好調を維持する。 1年目から成長を見続ける原監督も「心技体という部分で、非常にいい状態できている。いいコンディションで試合に臨んでいるのが、こういう数字になってる」と称賛する。本塁打数でリーグ単独トップを走る坂本勇は「1本でも多く打ちたい。また明日も頑張ります」と話し、迎え来る試合に備えるために帰途についた。【桑原幹久】

◆阪神のD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が17日の巨人戦(東京ドーム)の一回に2つ盗塁を成功させた。  一回先頭で初球147キロをバント安打。バットをスッと寝かせて絶妙に三塁手の手前に転がし、快足で出塁した。さらに続く北條の6球目でスタートを切り、盗塁成功。左腕・高橋(巨人)の3度のけん制もものともせず、果敢に走った。  さらに2死一、二塁となってからは、ソラーテへの3球目で三盗。1イニング2盗塁はプロ3度目で、試合前時点でリーグ2位のヤクルト・山田哲に並ぶ25盗塁とした。  7日のヤクルト戦(神宮)で2つ決めて以来の盗塁。一回から持ち前の快足を存分に発揮し、好機を演出した。

◆阪神・西勇輝投手(28)が17日の巨人戦(東京ドーム)に先発し、一回1死で坂本勇に先制の32号ソロを献上した。  一回、亀井を内角142キロ直球で見逃し三振に仕留めて上々のすべり出し。しかし1死から続く坂本勇への1球目129キロを、フルスイングでバックスクリーン左へ放り込まれた。西はこれで登板15試合連続で先制点を許している。

◆巨人・坂本勇人内野手(32)が17日、阪神戦(東京ドーム)の一回にバックスクリーン左へリーグトップの32号ソロを放ち、2010年の31本を超え、シーズンの自己最多本塁打数を更新した。  0-0の一回、阪神・西が投じた初球、外角のスライダーを完璧なタイミングで捉え、「タイミングよく、うまくバットに乗せることができました」。打球は阪神ファンが陣取る中堅左のスタンドへ吸い込まれた。10日のヤクルト戦(東京ドーム)以来の一発で、チームに先制点をもたらした。  これでシーズン42発ペースとなり、球団では10年の阿部慎之助(44本)、ラミレス(44本)以来、生え抜きの右打者では1968年の長嶋茂雄(39本)を超える初の大台が現実味を帯びてきた。

◆巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(32)が17日、阪神戦(東京ドーム)で来日初の犠打を記録した。米大リーグ、ドジャースなどに在籍した2014~16年の米国時代も、マイナーを含めて犠打の記録はない。  「6番・左翼」で先発した助っ人は、六回無死一、二塁。打席に立つ前に三塁ベースコーチの元木コーチに耳打ちされ、打席へ。阪神・西が投じた初球のスライダーをきっちり投前に転がし、捕手・梅野が捕って一塁へ送球。見事に走者を二、三塁へ進めた。  後続の若林、代打・石川が倒れ、得点には結びつかなかったが、17年の本塁打王(35本)の絶妙なバントが、ベンチとスタンドを大いに沸かせた。

◆阪神・西勇輝投手(28)が17日の巨人戦(東京ドーム)に先発し、6回7安打1失点の力投も今季6勝目をつかむことはできなかった。  一回に坂本勇にバックスクリーン左へ先制ソロを被弾したが、失点はその1点のみ。五、六回といずれも満塁のピンチを背負いながらも、意地の投球で本塁は踏ませなかった。  最少失点で要所をしのいで打線の援護を待ったが、自身に代打がおくられた七回も得点はなし。七回までで2安打と打線が沈黙し、白星はつかめなかった。

◆巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が17日、阪神18回戦(東京ドーム)に先発。4四球を与えながらも粘りの投球で、6回2安打無失点と先発の役目を果たした。  一回、先頭のD1位・近本(大阪ガス)にセーフティーバントを決められ、さらに2四球などで2死満塁とされたが、大山を遊飛に打ち取ってピンチを切り抜けた。二、三回は三者凡退。四、五回はともに先頭打者に出塁を許したが、ホームにはかえさなかった。六回裏の攻撃で代打を送られて交代。援護は1点だったが、粘りの投球で相手に流れを渡さなかった。  "虎キラー"ぶりを発揮している。試合前の時点で阪神戦は、2試合で12回を投げ2失点(自責点2)の防御率1・50。この日、6回無失点だったことで18回で自責点が2のため、対阪神の防御率は1・00まで下がった。かつて虎党だった左腕が、「伝統の一戦」で力を発揮している。

◆阪神・北條史也内野手(25)が17日の巨人戦(東京ドーム)の八回1死で左翼席へ反撃の4号ソロを放った。さらに、続く福留孝介外野手(42)も右翼ポール際へアーチを架けて2者連続弾とした。  七回までわずか2安打に抑えこまれていた猛虎打線。0-4と突き放された直後の八回の攻撃で反撃に出た。1死からまずは北條。2ボールからの3球目、141キロ直球を振り抜き左翼席へ突き刺した。興奮冷めやらぬ中、さらに福留が初球を一戦。外角低め140キロを右翼ポール際へ放り込み、2-4と点差を詰めた。

◆巨人・高橋優貴(22)が6回2安打無失点の好投で自身連勝となる5勝目(4敗)を挙げた。チームは3連勝で貯金「15」とした。  高橋は一回、2死満塁のピンチを招くも大山を遊直に抑えた。二、三回を3人で終わらすと、四回は先頭のマルテに左前打を許したが後続を断った。五、六回もランナーを背負ったが粘りの投球で得点を許さなかった。  打線は一回、坂本勇が32号ソロを放ち先制。その後六回まで無得点だったが、七回に一挙3点を奪い阪神を突き放した。  ヒーローの高橋は「初回にピンチを迎えたときはどうなるかと思ったけど、大城さんの好リードでよく投げられました」と笑顔。阪神の先発・西との投げ合いについて「すごくいい投手と投げ合いをさせてもらって、こうやって勝てたこと感謝して、これからもやっていきたい」と今後に手応えをつかんだ。  原監督は高橋について「前回同様、真っすぐの走りがいいときには、チェンジアップも有効に使えてる点ではよかった」と評価した。

◆阪神の西は6回1失点で打線の援護がなく8敗目を喫した。一回に坂本勇に先制ソロを浴びたが、二回以降は走者を出しながらも得点を許さず「先制を許したことは反省だが、ピンチの場面でも粘って抑えることができた」と振り返った。  五、六回はともに満塁のピンチで、コーナーを丁寧に突いて後続を断った。今季は好投が勝利につながらず、負けが先行している。「今は前を向いてやるべきことをやるだけ」と言葉に力を込めた。 (西をリード) 梅野「粘って投げられていた。バッテリーとしては良かった」 北條(八回に4号ソロ) 「思い切りいこうと思っていた」 能見(七回に登板し1/3回で3失点) 「自分の状態の問題なので」

◆巨人の坂本勇が自己最多を更新する先制の32号ソロを放ち、勝利に貢献した。一回1死で西の初球のスライダーにやや体勢を崩されながらも、遅らせて出したバットでかぶせるように捉えて左中間席へ運び「あまり得意な投手じゃなかったけど、打てて良かった」と表情を緩めた。  自身初の本塁打王獲得の可能性が現実味を帯びてきたが「興味ない」と目もくれない。「一本でも多く打てるように頑張ります」と5年ぶりのリーグ優勝に向け、気合を入れた。 原監督(坂本勇の先制ソロに) 「いい先制パンチ。しかも初球。目が覚めるようなナイスバッティングだった」 レーロ(六回に来日3年目で初の犠打) ゲ「サイン通り忠実にやることが大事。今チームは首位で、自分以外の中軸にも出ている」

◆「エエ男なんやけどなぁ...それと勝敗とは関係ないヮなぁ...」  そろそろ昼の2時...東京ドームはGT戦プレーボールの直前なのにウンともスーとも電話がない。  ま、何かと直前でトラ番たちは忙しいのだろう...と思ったが、反応の無い電話を眺めて編集局の虎ソナ班で孤独感にさいなまれた。何か起きてるのか!  と、そこに編集委員上田雅昭から「忙しいねん」。やっぱり何かあったのか。「違う、甲子園の智弁和歌山-星稜の今、タイブレークの延長十四回裏なんですヮ」それで...。話が"混線"してるので説明します。甲子園の高校野球「智弁和歌山-星稜」は1-1の延長十四回裏...(タイブレーク=十三回からは無死一、二塁でそのイニングを始める)表に智弁和歌山は0点。その裏、星稜もゼロ。延長十四回、福本が左中間にホームランを放ってサヨナラ勝ちだ。  その幕切れを東京ドームの上田がテレビで見ていて大阪・難波の我が「虎ソナ班」に報告? してきた次第(チトややこしい...)ところで君は何で高校野球を見てるンや...。  「そら智弁和歌山の監督は元阪神捕手の中谷仁(1998年ドラフト1位、2位が井川慶=水戸商)です。春のキャンプで吉田監督(3度目)は我々に『みなはれ、あそこに田淵-江夏のバッテリーがいまっせぇ!』と吉田さんにしては精一杯の派手なパフォーマンスでこの期待のバッテリーを売り込んでました。実際、僕らも期待した...」  だが中谷はプロではなかなか芽が出なかったが、後に名将高嶋仁監督のもとで智弁和歌山の「監督」となりここまで進んできたわけ。その人物の良さは上田もトラ番時代からよく知っていたから...サヨナラ負けはちょっと残念という電話なのだ。  その直後に東京ドームがプレーボール! 一回いきなり近本が俊足巧打ぶりで満塁というチャンスを引きずりだしたものの...不思議にこんな場面で打席が回る「6番大山」は...凡打であっさり0点。西はよく踏ん張った。八回に北條-福留が連続ホームランでおいおい...となったけれどなぁ...ああまたも大山が...。  甲子園と阪神が気になってイソイソと会社にやってきた運動部長大澤謙一郎がドタドタと編集局に駆けつけた時はちょいと阪神反撃ムードだったのに...(なんでやエエとこやのに...)。  その招かざるブチョー大澤は三宮のそごうで、阪神のゲーム中継があれば必ず最後まで...というサンテレビの『開局50周年』のイベントをやっていた(19日午後6時まで)ので、出社前に立ち寄った。ちょうど若手の橋本航介アナのトークショーに静岡から駆け付けたファンがいたのに驚いた。ふと足を止めたのは、瞬間最高視聴率50%を記録した1992年9月1日、阪神-ヤクルト(史上最長試合6時間26分)のノーカットフル放映のブースの前だった。  思わず「八木裕さん(サンケイスポーツ専属評論家)の幻のサヨナラ弾があった試合か...。このまま見ていこかな」だと。大澤はついついあちこちのぞいて愛想もふりまき、時々コロッと出勤途中だということを忘れそうになる。あんた何してんのや...あ、そうやったと社に息せき切って一目散...。  そしたら...ああタイガースはまたしても黒星。これは誰のせいや?

◆能見は通算400試合登板を好投で飾れなかった。0-1の七回から登板も先頭の亀井に左中間二塁打を浴び、坂本勇、丸に連続四球で無死満塁とされると岡本の右翼への犠飛、阿部に右前適時打を浴びたところで降板し、「自分の状態の問題」と唇をかんだ。6日のヤクルト戦(神宮)で1軍に復帰して以降は6試合無失点だったが、踏ん張りきれなかった。

◆--大山は状態が落ちているか  矢野監督 「落ちているというか...。うーん。どうなんやろうね。それは俺には...。そりゃあ(調子が)いいとは言えないけど」  --やはり一回のチャンスが  「まあもちろんね、チャンスで一本出ないというのは変わってないんで。うーんまあ...。誰か一人でね、変わるわけじゃないけど。やっぱり一人一人がそういうこう、自分が変えるぐらいの気持ちでやっぱりやっていかないとちょっと変わらないのでね」  --終盤に連発で反発力は見せたが  「展開的にそうなるんだよね。点差が離れて、向こうもこう、コーナーを突いてとか(ならなくなる)。あの展開の2点っていうのも、もちろん意味はあるけど。やっぱりその前に何とかしていくっていうのが、本当の...。何もないよりは絶対いいし。あそこで打ったっていうのはもちろんあるんだけど、その前のところでいかに点を取っていくかが、うちの課題やから」

◆福留が北條に続く2者連続となる6号ソロを放った。1-4の八回1死。高木の初球、140キロ直球を捉えると右翼ポール際に着弾。前日も3安打と好調のベテランは「先発ががんばっているのに野手が何とかしてあげないと。昨日も打ったけど、1人で何かできる訳じゃない。野手全員がそういう思いでやらないといけない。何か変えないといけない」と厳しい表情で球場を後にした。

◆「2番・遊撃」でスタメンの北條が9試合ぶりの4号ソロを放ったが「結果的によかったが、他の打席で2番バッターとしての仕事をもっとしないと」と反省が口をついた。0-4の八回1死走者なし。2ボールから高木の内角141キロ直球を振り抜き、白球は左翼席へ。この一撃でチーム初得点を刻んだが、一回無死二塁では見逃し三振に倒れて先制機を逸していた。

◆ヒュ~ドロドロ~。真夏の怪談? 虎の先発に2日連続で見殺しの霊が取りついた...くわばら、くわばら~!!  前日は高橋遥が7回2失点と好投しても見殺しの霊が乗り移り、本日は西が6回1失点の粘投を演じるも、またもや見殺しの霊が出た~。  あまりの貧打に記者席でブチ切れる俺。「(FA権を取得した)バレンティンを取りましょう!! 広い甲子園の外野守備が問題だけど、近本が韋駄天ぶりをさらに磨き、レフトとセンターの外野二刀流の誕生ですよ」と半ばヤケクソ気味に言ったら、「取りましょう、バレンティン!!」と虎番歴80年(かなり盛ってます)の上田雅昭記者。  「エーッ、ホントに取ります?」「ええ、阪神には他のチームにない特権があるんですわ」「特権?」「バレンティンは藤浪、青柳のコントロールにびびって欠場するやないですか。同じチームなら対戦がないのでガンガン打ちまっせ」「なるほど、さすが虎番の重鎮。読みが深い!!」。  これが伝統の一戦の裏での、虎の霊に取りつかれた男たちの会話です。

◆西は6回7安打1失点の力投も今季6勝目をつかむことはできなかった。一回に坂本勇に先制ソロを被弾し登板15試合連続となる先制点を献上したが、その後は無失点。「梅野のリードに感謝です。守備もよかったですし」。五、六回には満塁のピンチを背負いながらも本塁は踏ませなかった。巨人にはオリックス時代から8戦目で勝ち星なし。「今はただ前を向いてやるべきかなと思います」と切り替えた。

◆梅野は五回2死から高橋のモーションを盗み、三盗に成功し、今季10盗塁目。阪神の捕手では2009年に狩野恵輔が10盗塁をマークして以来の2桁に到達した。「ピッチャーの特徴とかもつかんで今年トライしていこうと思って。トライして結果を得られればといういう意識と意欲をもって取り組んでいる結果がこうなった」と力強く語った。走れる捕手として攻守でチームを引っ張っていく。

◆D1位・高橋(八戸学院大)が6回2安打無失点で5勝目(4敗)。対阪神は3戦2勝、防御率1・00とした。一回に2死満塁のピンチを招いたが、大山を遊直に打ち取って波に乗った。左腕は「小谷(巡回投手)コーチから『自分で勝てるように』と常々言われていた。1-0で西投手と投げ合えて、勝てたのは少し自信にしていいかな」とうなずいた。

◆先頭が出塁しようが、塁を埋めようが、変わらない。「あと一本」を求め続けたまま、宿敵Gが加速していくのを、見つめることしかできなかった。矢野監督の顔には、怒気にも似た悔しさがあふれた。左翼席はもう、ため息も出尽くした。連日の貧打でGに連敗だ。  「いやいやまあ、おんなじやね、結局ね...」  第一声から嘆くしかなかった。チャンスをモノにできず、好投する先発投手は見殺し。ここ何戦も、いや、今季何度も繰り返してきた敗れ方を、シーズンの佳境で2日続けて見せてしまった。スタメンを変え、打順を替え挑んだが、どうにも打開策が見えない。沈痛に続けた。  「同じような負け方で、プロとしてはもちろん恥ずかしいという思いは持って、何とかしたいというね、思いで戦っているけど。結果がこうなっている以上はね」  一回先頭の近本が、セーフティーバントと2つの盗塁で演出した2死満塁も、大山が遊直に倒れモノにできず。0-4とされた直後の八回に、北條、福留が続けてソロを放ったが、到底及ばなかった。12日からの最近5試合は、ことごとくチャンスで打てない。6連打が出て14日の中日戦は勝ったものの、この5試合の計48イニングで適時打が出たのは2イニングだけ。この間、得点圏では打率・129(31打数4安打)で19打席連続無安打中と、目も当てられない状態だ。  これで今季の巨人との対戦成績は6勝12敗に。ゲーム差も「10・5」と再び大台を超えた。きょう敗れれば、今季ワーストタイの「11・5」に開き、借金は今季ワーストを更新する「7」に。そして、巨人とのカード負け越しも決定してしまう。2007年を最後に、11年間に渡って勝ち越しがない宿敵に、またいいようにやられている。  「明日も試合は来るんでね。前向いて頑張るしかない」。将自ら、必死で前を向いた。意地で、気持ちでぶち破るしか、もう道はない。(長友孝輔)

◆巨人は17日、阪神17回戦(東京ドーム)を4-2で逃げ切り、3連勝。3カード連続勝ち越しを決め、貯金を15とした。主将の坂本勇人内野手(30)が一回にバックスクリーン左へ先制の32号ソロ。2010年にマークした31本を超え、自身のシーズン最多記録を更新した。  少し泳がされたが、両腕をいっぱいに伸ばして捉えた。一回、西の初球、外角のスライダーを阪神ファンが陣取る左中間席へ突き刺した。  「たまたまです。あまり得意な投手ではなかったけど、いい先制点になってよかった。(本塁打は)1本でも多く打てるように頑張ります」  9年ぶりの自己最多記録更新にも普段通り、淡々と振り返った。これでシーズン42発ペース。球団生え抜きの右打者として1968年の長嶋茂雄(39本)を超える初の40発、初の本塁打王のタイトルも夢ではなくなり、「自分でもびっくり」と繰り返す。  仲のいいヤクルト・山田哲が、今月は6本塁打(16日現在)を放ち、4度目の30号に到達した。サンケイスポーツの正月対談で隣に座る4歳下の山田哲に「ホームランは、どうあがいても勝てない」と白旗を揚げていただけに、「あいつは打つやろ」と平然。むしろ、山田哲とタイトルを争う自身に驚いている。  「いい先制パンチ、しかも初球。パッと目が覚めたようなナイスバッティングでした。(9年前の坂本勇は)もちろん覚えていますよ。一回りも二回りも大きくなった」  若き日の姿も知る原監督は、頼もしくなった主将に目を細めた。チームは3カード連続の勝ち越しを決め、貯金15。どちらの勢いも止まりそうにない。 (谷川直之)

◆阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が一回にセーフティーバントを決めると、2盗塁をマーク。今季の盗塁数を「25」に伸ばした。ルーキーが足でチャンスメークしたが得点につながらず、巨人に連敗。今季ワーストタイの借金6に増えた。  貧打に泣いた一戦で、"足攻"で得点をもぎ取ろうともがいた。近本が一回から鮮やかに二盗、三盗を決めて、25盗塁に到達した。  「三盗はもう少し早く決めたかったんですけど、タイミングがうまく取れませんでした。(三盗は)100パーセントセーフじゃないとダメなので」  敗戦の中で光を放ったが、自己評価は辛めだった。まずは一回先頭で初球からセーフティーバント。「試合前から狙っていたわけではないですが、パッと見て守備位置が深かったので。真っすぐを狙っていたので、セーフティーでいけるかなと思いました」。三塁手前に絶妙に転がして出塁すると、その先も次々と塁を盗んでいった。  左腕・高橋のしつこいけん制もものともしなかった。続く北條の6球目で、3度のけん制をかいくぐって二盗に成功。「24」盗塁目で無死二塁と先制機をお膳立てすれば、2死一、二塁となって迎えたソラーテの打席でも魅せた。今度は3球目で果敢にスタート。三塁まで悠々到達で、今季3度目となる1イニング2盗塁を決めた。  一回から持ち味を発揮し突破口を開いた姿も、矢野監督にしてみれば"実力通り"。指揮官は「今の近本にすれば別に、特別なことじゃないでしょう」と驚くことはなかった。  盗塁王も視界にとらえ始めている。25盗塁は新人では1959年の桑田武(大洋)に並ぶセ・リーグ歴代8位。今季も2位の山田哲(ヤクルト)に並び、1位の大島(中日)の27盗塁も視界にとらえた。シーズン換算では31盗塁ペースで、阪神では2005年の赤星憲広氏(39盗塁)以来のタイトルも現実味を帯びてきた。  一回のバント安打は今季125安打目でもあり、赤星氏がルーキーイヤーに放った128安打までもあと「3」に迫った。チャンスに弱い打線の中で、打って走って、塁をかき回す。まだまだ快足を飛ばしてチームを勢いづかせる。(箭内桃子)

◆一回表の攻撃がすべてだった。立ち上がり、近本のバント安打と盗塁で揺さぶって、巨人先発・高橋は極めて不安定。そこで一気に打ち崩せない阪神打線は、あまりにも寂しい。特に北條、マルテの見逃し三振は愚の骨頂。際どいコースでも振っていかないと。空振り三振なら誰も責めない。  阪神打線の傾向として、ストライクの見逃しが目立つ。たとえば一回も6人中、初球ストライクを見逃したケースが3人いた。投手vs打者を考えた場合、どちらが有利なカウントに持ち込むかで、勝敗の大部分は決まる。  ところが、北條や大山はすぐにストライク先行の「投手カウント」になってしまう。すると追い込んでボール気味にも投げやすくなる。初球から振っていく姿勢が伝わって来ないから、投手は簡単にストライクを投げられる状況に。振ってくる姿勢が相手に伝われば、ボールから入る。「打者カウント」になれば、ストライクを投げざるを得なくなり、どうしても甘く入る。そこを仕留めればいい。  福留らは、経験から「打者カウント」に持っていく術を知っている。阪神の選手たちはベンチから、学んでほしい。本来はシーズン中に勉強といっていたら手遅れなのだが、できていない以上、勉強するしかない。そして練習するしかない。(サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
61462 0.570
(↑0.004)
-
(-)
34526
(+4)
437
(+2)
140
(+1)
61
(-)
0.263
(↑0.001
3.740
(↑0.02)
2
(1↑)
DeNA
57523 0.523
(↑0.004)
5
(-)
31476
(+8)
460
(+3)
126
(+3)
34
(-)
0.249
(↑0.001)
3.810
(↑0.01)
3
(1↓)
広島
57533 0.518
(↓0.005)
5.5
(↓1)
30474
(+3)
458
(+8)
112
(+2)
66
(-)
0.252
(↓0.001)
3.500
(↓0.04)
4
(-)
阪神
50566 0.472
(↓0.004)
10.5
(↓1)
31406
(+2)
473
(+4)
75
(+2)
74
(+3)
0.248
(↓0.001)
3.630
(↓0.01)
5
(-)
中日
49592 0.454
(↓0.004)
12.5
(↓1)
33425
(+5)
446
(+7)
72
(-)
55
(+1)
0.261
(-)
3.970
(↓0.04)
6
(-)
ヤクルト
45652 0.409
(↑0.005)
17.5
(-)
31511
(+7)
571
(+5)
135
(+3)
44
(-)
0.244
(-)
4.640
(-)