楽天(☆4対3★)ソフトバンク =リーグ戦20回戦(2019.08.15)・楽天生命パーク宮城=
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ソフトバンク
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楽天
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勝利投手:ブセニッツ(3勝2敗0S)
敗戦投手:髙橋 純平(2勝1敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】甲斐 拓也(11号・3回表ソロ)
【楽天】島内 宏明(8号・5回裏2ラン)

  DAZN
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◆楽天が劇的なサヨナラ勝利。楽天は1点を追う8回裏、ウィーラーの適時打で同点とする。試合はそのまま延長戦に突入すると、11回に1死満塁から銀次が適時打を放ち、試合を決めた。投げては、4番手・ブセニッツが今季3勝目。敗れたソフトバンクは、8番手・高橋純が誤算だった。

◆ソフトバンク松田宣浩内野手(36)は楽天美馬学投手(32)を打てるか。両者の対戦成績は60打数11安打、打率1割8分3厘。対戦50打席以上では成瀬(オリックス)の1割6分3厘に次ぐ低打率で、今季も8打数0安打と抑えられている。

◆ソフトバンクは3回に甲斐の11号ソロで先制。先発二保は2回1死一、二塁をしのぎ、3回は先頭に安打も後続を抑えて無失点。 ソフトバンクは5回に甲斐の適時打で1点を追加。楽天は直後に2死から茂木が四球を選び、続く島内の8号2ランで追いついた。 ソフトバンクは7回に中村晃の適時打で勝ち越し。楽天は8回にウィーラーが同点打も9回2死満塁を生かせず、延長戦に入った。 楽天は延長11回1死満塁から銀次の適時打でサヨナラ勝ち。連敗を2で止めた。ブセニッツが3勝目。敗れたソフトバンクは連勝が6で止まった。 高橋純が初黒星。

◆ソフトバンク甲斐拓也捕手がサイクル安打に王手をかけた。 3回の第1打席では送りバントを空振り。二塁走者牧原がアウトになった。その失敗を取り戻す右翼への11号先制ソロ。5回の第2打席は左前適時安打。7回の第3打席では中越えフェンス直撃の二塁打を放った。 捕手では今季4月9日に阪神梅野が達成。パ・リーグでは04年に西武細川が達成している。チームでは昨年4月21日柳田以来となる。

◆ソフトバンク中村晃外野手が2試合連続の適時打を放った。 同点の7回2死三塁。抑えられていた楽天美馬から鮮やかに左前へはじき返し、一時勝ち越しとした。「落ちて! と思いながら走っていました。2アウトだったし、ここで仕事をするしかないと思っていたので、いい仕事ができて良かったです」と、前日に続いての適時打を振り返った。

◆楽天銀次内野手が5月9日ソフトバンク戦以来、通算5本目のサヨナラ安打。楽天で5本のサヨナラ安打は松井、嶋に並ぶ球団タイ記録。銀次は17年9月18日ロッテ戦でサヨナラ死球があり、四死球、犠飛を含む6度のサヨナラ打点は球団最多。 ▼試合時間は5時間1分で、楽天は3日ロッテ戦5時間9分、8日西武戦5時間2分に次いで今月3度目の5時間試合。5時間以上の試合が月間3度は、14年8月日本ハムに並びプロ野球最多となった。

◆楽天は2-3の8回にウィーラーの適時打で同点とすると、延長11回、1死満塁で銀次が適時打を放ってサヨナラ勝ち。4番手のブセニッツが3勝目。ソフトバンクは7回に勝ち越したが救援陣が粘れず、連勝が6で止まった。

◆ソフトバンク甲斐拓也捕手がサイクル安打を逃したが、今季3度目の猛打賞をマークした。 チームが苦手とする楽天美馬から、3回に右越え11号先制ソロ。直前に送りバントを試みたが、空振り。二塁走者の牧原が飛び出し、アウトになるミスがあったが挽回した。5回には1死二塁で左前適時打、7回にも中堅への二塁打と固め打ちしたが「負けちゃったので意味がない。勝ちに貢献できるようにしたい」と殊勝だった。

◆ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手(33)が楽天20回戦(楽天生命パーク)を欠場した。 試合前の打撃練習を行ったあとに、腰の違和感を訴えた。工藤監督は「休み明けにトレーナーの報告を聞いてから」と話し、今後については状態を見て判断する。

◆ソフトバンクが今季4度目のサヨナラ負けを喫した。連勝は6でストップ。 延長11回1死三塁のピンチになると、工藤公康監督(56)は浅村、辰己と連続申告敬遠を指示。一、三塁では辰己のセーフティースクイズもあると考えての満塁策だ。 しかし8番手高橋純がフルカウントから銀次に中前へ運ばれ、ゲームセット。今季32試合目でプロ初黒星に「しゃべれないです」とバスに乗り込んだ。指揮官は「銀次君なら内野ゴロで本塁併殺プレーが取れると考えた。ベンチの責任です」と悔しさを隠せなかった。 必勝の継投で逃げ切れなかった。1点リードの8回に5番手モイネロがウィーラーに同点タイムリーを浴びた。「相手の打者にうまく打たれた。自分自身、改善するところはある」と反省した。国際大会から再来日して、復帰登板した10日から6戦で4試合に登板。疲れを見せずにフル回転しているが、7月2日楽天戦以来7戦ぶりの失点を許した。 午後5時1分プレーボールだったが、試合終了は午後10時過ぎ。5時間1分の激闘だった。今季4度のサヨナラ負けのうち、仙台・楽天生命パークで3度目。工藤監督は「ヤフオクに戻って切り替えてまた頑張ります。終わったこと。反省して次へ向けていく」と気持ちを切り替えた。17日からは2位西武を本拠地ヤフオクドームに迎えて3連戦。最短で19日に優勝へのマジックが点灯する。【石橋隆雄】 ▽ソフトバンク二保(先発で5回途中2失点)「野手の方が取ってくれた2点を、簡単に追いつかれる結果になってしまって、本当に申し訳ないです」

◆楽天銀次はモニターに映し出される自身のサヨナラ打にじっと見入った。「いや、素晴らしいバッティングでしたね」と笑った。 延長11回1死、申告敬遠2つで塁は埋まっていた。「前進守備だし、コンパクトにストライクを打ちにいけば、ヒットになる。自分の中で確信があったから冷静になれた」。低めの変化球2球を悠然と見送って優位に立ち、フルカウントからの直球をはじき返した。 球場最多を更新する2万8351人を動員した一戦を、夏休み中の子どもたちも数多く観戦していた。「速い球を投げる。それを打ち返す。プロ野球のレベルの高さを見せたい」。少年時代、オリックス-日本ハム戦を見るために地元普代村の小学校を「早退して」盛岡に向かった。「やっぱりイチローは打つんだ」。その試合でイチローが放った右前打が、プロ野球への憧れを大きくした原風景。時を経て、お手本のような右前打で試合を決めた。 同一カード3連敗を阻止し「とにかく、勝てて良かった」。今季2本目のサヨナラ打となったソフトバンク戦では打率3割8分7厘とめっぽう強い。頼もしい主将のバットに導かれ、6・5ゲーム差の首位を追う。【亀山泰宏】

◆守護神が、魂を込めて流れを引き寄せた。楽天松井裕樹投手(23)がソフトバンク戦で今季4度目のイニングまたぎで2回を無失点。9回2死から4者連続三振を奪うなど、1人の走者も許さない圧倒的な投球で今季6度目のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。今月3度目となる5時間超のロングゲームに競り勝って同一カード3連敗を阻止し、チームは3位をキープした。松井は平然と言った。「今日の中継ぎの人数を考えたら、2イニングいくつもりだったので」。高梨、青山、小野が2連投しており、辛島も前日56球を投げている。延長12回までもつれる可能性を考慮すれば、誰かがイニングをまたぐことが理想だった。ブルペン担当の森山投手コーチは「(登板前にイニングまたぎの可能性を)伝えようとしたら、本人は既にその心構えができていた」と頼もしさに目を細めた。 覚悟を決め、明確な狙いを定めて9回のマウンドへ上がった。「1イニング目の球数をどれだけ減らせるか」。牧原を3球で遊ゴロ、3安打2打点と当たっていた甲斐は1球で左飛。全てストライクをそろえ、早め早めの勝負にこだわった。福田への初球スライダーが、この日初めてのボール。さらにスライダーを3球続けて追い込み、最後は148キロの直球で空を切らせた。楽天戦で打率3割6分8厘をマークしている難敵に粘ることを許さなかった。 わずか9球で終えると、圧巻は2イニング目の延長10回。上林はボールゾーンに消えるスライダーを振らせ、内川には150キロの直球で3球勝負。対左投手の打率が4割近い川島もスライダーでバットにかすらせず、前のイニングから4者連続三振に仕留めた。「結果的に、そう(連続三振でチームに勢いをつける投球に)なって良かった」とうなずいた。 2年ぶりの30セーブに王手をかけてから、4試合連続となるセーブのつかない場面での登板。「チームが勝ったので良かったです」。守護神がフォア・ザ・チームを体現する。【亀山泰宏】

◆ソフトバンクの甲斐が三回に先制の11号ソロを放った。無死二塁から3球目にバントを空振り。飛び出した牧原がタッチアウトになった。しかし、5球目の外角高めの速球をたたくと、打球は右翼席へ飛び込んだ。「送りバントでミスをしてしまったので、何とか取り返そうと思って打った。先制点になって良かった」と喜んだ。  五回は1死二塁で左前へはじき返し、2打席連続の打点、七回は二塁打をマークして3点目のホームを踏んだ。14日は疲労を考慮され欠場したが、先発に戻り躍動。「芯で捉えられた」と納得の表情だった。

◆楽天の美馬は7回3失点で降板した。2-2の七回2死三塁で中村晃に外角への変化球を拾われ、左前適時打で勝ち越された。ただ味方が八回に追いつき、5月17日以来の黒星は免れた。  ソフトバンク戦は八回までパーフェクトに抑えた7月19日以来。今季ワーストの9安打を浴びながらもコースを突いて、踏ん張った。先発としての役割は果たしたが「最後の七回、あそこで粘れなかったのが悔しい」と淡々と話した。

◆楽天は同一カード3連戦3連敗を免れるサヨナラ勝ち。十一回、代わったばかりの高橋純を攻めた。先頭の茂木は左中間への浅い当たりで思い切りよく二塁を陥れる。続く太田が犠打を決めると、浅村、辰己がともに申告敬遠。1死満塁となり、「センター返しを心がけて打席に入った」という銀次がフルカウントから右前にはじき返し、勝負を決めた。  0-2の五回に島内の2ランで追いつき、2-3の八回はウィーラーの適時打で同点とした。平石監督は試合前「きょうは絶対に取りたい」と意気込んでいた。首位ソフトバンク相手にようやく本拠地で意地を見せた。

◆3-2の八回に5番手・モイネロ、延長十一回に8番手・高橋純が失点してサヨナラ負け。連勝が6で止まった。十一回は1死三塁とされると、工藤監督は浅村、辰己を続けて申告敬遠として満塁策を取ったが、フルカウントからの6球目の速球を銀次に右前へ運ばれた。指揮官は「ピッチャーは指示に従って頑張ってくれた。結果的にはベンチの責任」と高橋純をかばった。 サヨナラ打を浴びてプロ初黒星のソフトバンク・高橋純 「しゃべれないです」 八回に同点打を浴びたソフトバンク・モイネロ 「相手がうまく打ったという印象。自分自身の改善しないといけないところと両方ある」 五回途中2失点のソフトバンク・二保 「調子が悪くなかっただけに五回2死からの四球に悔いが残る」

◆5時間を超える接戦は、楽天・銀次内野手(31)の一振りで決着した。3-3の十一回に浅村、辰己が連続の申告敬遠で1死満塁。ここで銀次が速球を右前に運んでサヨナラ勝ち。同一カード3連戦3連敗を免れた一打に「打った瞬間に安打だと分かった」と笑みを浮かべた。  首位・ソフトバンクの連勝を6で止めた。五回に島内の2ランで追いつき、2-3の八回はウィーラーの適時打で同点。試合を決めた銀次は4打数3安打で、今季のソフトバンク戦の打率は・387。相性の良さを発揮した。  この日、楽天生命パークには2万8351人の観衆を集め、本拠地での史上最多を記録した。首位と6・5ゲーム差の3位。平石監督は「きょうの勝ちはすごく大きい。よくやってくれた」と表情を緩ませた。 五回の8号2ランに楽天・島内 「甘い球をしっかり仕留めることができた。奇跡の一発」

◆プロ野球の鉄則、それは8、9、10月を制するチームがペナントレースを制すということだ。後半戦に強いとはつまり、選手にもチームにも『体力』があるということ。球団の方針として徹底的に鍛えて練習させるソフトバンクはその王道だ。  中村晃、福田、川島ら離脱組が戻り、柳田も復帰間近。この日の先発の二保はトミー・ジョン手術から復活した。選手生命を左右する大きな故障から第一線に戻れるスピード感、体の強さも球団の特長。ドラフト段階から、練習量をこなしても潰れない選手を探し、1位だろうと育成だろうと遠慮なく鍛え上げる姿勢はここにも現れている。  厳しい練習を当然にしてきた選手は、打てなければ悔しいし負ければ悔しい。求めるものが高いソフトバンクはもはや、負ける方がおかしいといえるほどだ。さて、選手層が厚く「勝ち方」のバリエーションも豊富なソフトバンクに、楽天、西武はどう対抗するのか。  投手陣が安定している楽天は、この日のように粘り、少ないチャンスを確実に得点に結びつける。西武は猛打で圧倒する道だろう。おのおののチームのテッパンの「勝ち方」の確率を上げること。王道の強さを誇るソフトバンクを圧するのは並大抵のことではない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
61464 0.570
(↓0.005)
-
(-)
32469
(+3)
419
(+4)
147
(+1)
95
(+2)
0.251
(↓0.001)
3.440
(-)
2
(-)
西武
56511 0.523
(↓0.005)
5
(-)
35572
(+8)
550
(+20)
132
(+4)
109
(-)
0.263
(↑0.001)
4.510
(↓0.13)
3
(-)
楽天
54523 0.509
(↑0.004)
6.5
(↑1)
34471
(+4)
460
(+3)
109
(+1)
38
(-)
0.252
(-)
3.930
(↑0.02)
4
(-)
ロッテ
53533 0.500
(↑0.005)
7.5
(↑1)
34500
(+6)
473
(-)
132
(-)
68
(-)
0.250
(-)
3.980
(↑0.03)
5
(1↓)
日本ハム
52544 0.491
(↓0.004)
8.5
(-)
33448
(-)
461
(+6)
75
(-)
42
(-)
0.252
(↓0.001)
3.870
(↓0.02)
6
(-)
ORIX
48565 0.462
(↑0.006)
11.5
(↑1)
34419
(+20)
489
(+8)
77
(+4)
97
(+2)
0.243
(↑0.002)
4.080
(↓0.04)