阪神(☆6対5★)広島 =リーグ戦20回戦(2019.08.10)・京セラドーム大阪=
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広島
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阪神
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勝利投手:岩崎 優(2勝0敗0S)
敗戦投手:フランスア(6勝4敗6S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(12号・9回裏3ラン)

  DAZN
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◆阪神は1点を先制された直後の2回裏、梅野と近本の適時打で逆転に成功する。その後は再びリードを許すも、2点を追う9回に大山が起死回生の3ランを放ち、サヨナラ勝利を収めた。投げては、4番手・岩崎が今季2勝目。敗れた広島は、6番手・フランスアが誤算だった。

◆広島小園海斗内野手(19)が先制タイムリーを放った。8番遊撃で2試合ぶりに先発。 2回1死満塁で、阪神先発西にカウント2-2と追い込まれながら、5球目の140キロの直球を右前にはじき返した。 「追い込まれていたのでしっかり食らいついていきました。チャンスで何とかランナーをかえすことができてよかったです」と話した。

◆阪神が梅野隆太郎捕手(28)の一打で同点に追い付いた。1点を先制された直後の2回裏、1死から大山が四球で出塁すると、3試合ぶりにスタメンマスクをかぶった梅野が、広島の左腕床田から右中間を破る適時二塁打。大山を迎え入れ同点とした。 さらに2死から近本光司外野手(24)の右前適時打で逆転に成功した。

◆ドラフト1位ルーキー近本光司外野手(24)が球団レジェンドに並んだ。2回に右前適時打。今季通算安打数を119とし、53年吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)の球団新人の歴代6位の記録と並んだ。 同点に追いつき、なお2回2死一、三塁。近本は、広島の左腕床田の2球目を鋭く振り抜いた。打球は右前へのクリーンヒット。いったんは勝ち越し打となる今季119本目の安打。「甘かったからいきました。自分の中で打てると思い、タイミングを合わせて打てました」と振り返った。 この日は5打席4打数1安打1打点。今のペースだと最終的に160安打となる計算で、球団新人記録の16年高山の136安打はもちろん、セ・リーグ記録の58年長嶋の153安打をも上回るペースを保つ。 だが、近本の頭には安打数はない。「考えてないですね」と苦笑いする。それよりも「先頭で塁に出ることとか、出塁してチームが勝てるようにすること」に専心している。1番打者として出塁し、攻撃のリズムを作る。6回には四球を選び、1死満塁の好機も作り、3点目につなげた。チームは劇的勝利で、連敗を阻止。笑顔で勝利を祝うため、近本はヒットを放ち続ける。【高垣誠】

◆スターティングメンバーが発表され、阪神が打順を大きく変更した。 阪神大山悠輔内野手(24)が、今季106試合目で初めて4番を外れた。「6番三塁」でスタメン出場。4番はマルテが務める。 またソラーテが「5番左翼」で先発。9日の広島戦での走塁で、左足首を負傷した糸井が10日に出場選手登録を抹消。糸井が守っていた右翼には、福留が就く。

◆阪神西勇輝投手(28)が6回5失点でマウンドを降りた。 2回に広島小園の適時打で先制され、いったんは味方打線に逆転してもらったが、3回にバティスタの適時二塁打など4連打を浴び、この回4失点。4回以降は立ち直ったが、6回の攻撃で代打を送られて交代した。左腕床田との4度目の投げ合い。「床田くんのリズムがいいので、自分もいいリズムで投げられている。そういう相手だからこそ、わずかのミスが得点につながる」と警戒していた。床田は2回2失点で降板。西も自身3連勝はならなかった。

◆4位阪神が3位広島と対決。阪神は西、広島は床田が先発。

◆広島は2回に小園の適時打で先制。1点を追う3回は5長短打を集めて一挙4得点で逆転。先発床田は2回2失点で降板。 阪神は6回1死満塁で糸原の押し出し四球による1点にとどまった。先発西は4回以降立ち直って6回5失点で降板。 阪神は9回無死一、二塁。6番に下がった大山が右越えにサヨナラ3ラン。阪神が広島との対戦成績を五分に戻した。岩崎は2勝目。広島フランスアは4敗目。

◆約1年ぶりに右翼で先発した阪神福留孝介外野手は今季初めて3番に入り5打数1安打だった。 1回に中前打。6回に押し出し四球で2点差としてなおも1死満塁で迎えた打席は、追い込まれてからファウル2球で粘ったものの空振り三振だった。守っては2回2死満塁で西川の右中間への飛球を好ダッシュで捕るなどベテランらしい安定感を示した。

◆広島がまさかのサヨナラ負けだ。2点リードで9回にヘロニモ・フランスア投手が登板する必勝パターンに持ち込んだが、その守護神が打たれた。 先頭マルテに中前打を浴び、続くソラーテは四球。無死一、二塁から、この日6番に下がっていた大山にサヨナラ3ランを浴びた。「投球は悪くなかったけど、打たれる日はある」。失意の左腕はそれだけ話し、迎えのバスに乗り込んだ。 緒方監督の勝負手が決まりかけていた。不調の先発床田を2回で諦めた。3回から登板した2番手遠藤は最速146キロのストレート、フォーク、カーブ、スライダーを投げ分け3回1/3を3安打1失点。プロ初勝利を目前にしていた。 首位巨人、2位DeNAが勝っており、3強で1人負け。首位とのゲーム差は2・5に開いた。緒方監督は「失点しないピッチャーはいない。明日また切り替えてやってくれればいい。今日はそれだけ」と前を向いた。ショックを振り払い、11日の同カードで7カード連続勝ち越しを狙う。

◆阪神ヤンハービス・ソラーテ内野手は今季3度目の左翼で2試合ぶりに先発した。 3回に松山の打球をグラブに当てるなど守備でつまずきはあったが、2点を追う7回は右翼線二塁打で「何か少しでも貢献できればと思った」とヘッドスライディングで仲間を鼓舞。9回はこの試合2つ目の四球を選び、サヨナラ勝ちへつないだ。「それまでいろいろある中で最後は四球でつないで、大山のホームランが出た」と上機嫌だった。

◆阪神は2点を追う9回無死一、二塁から6番に下がった大山が右越えにサヨナラ3ランを放ち試合を決めた。-何という幕切れ 想像はしましたけどね。実際、4番外した日にこういう結果を出してくれたというのは何かあるんですかね。 -大山の意地 そうですね。僕の中でもいろいろ考えて。4番でいきたいという思いもあったんですけど。昨日ああいう負け方で、何かね。チーム全体としても変えていくという。いったん外してね。4番を取ってほしいですね。もう一度。 -西は 西自体が悪いというよりね。全体の守備もあったと思うので。ボールはちょっと高かったなというのはあったけど、西らしいピッチング、その点を取られた後も。西はいつもどんな時でも西らしくピッチングしていると思ってます -岩崎は そうですね。2点負けているところでね。今はもうスグル(岩崎)も僅差、勝ってるところでいくピッチャーなんですけど、どうしてもあの回はゼロでいきたいということでリズムをつくってくれましたね。 -明日は望月 そうですね。先を考える余裕は現状あまりないのでね。あした望月が望月らしい思い切ったピッチングをしてくれたらいいですし、打線も課題もいっぱいありますけど、明日も向かっていきます。

◆9回を3人で斬った阪神岩崎優投手に今季2勝目が転がり込んだ。2点ビハインドで4番手で登板。西川、菊池涼を連続三振で、最後はバティスタも右飛に仕留めた。 前回登板の8日ヤクルト戦では6試合連続ホールドを記録し「ランナーが1人でも出ると流れが変わるので。次も頑張ります」と意欲を示していた。 負け展開でも有言実行で仕事をこなし、能見-島本と救援陣による無失点リレーで勝利への流れを作った。ここまで26試合を投げ2勝12ホールドと左腕は存在感を見せている。

◆球団の第104代4番を務めた阪神ジェフリー・マルテ内野手が、劇的勝利の口火を切った。 9回の第5打席を迎えるまで無安打だったが、広島の抑えフランスアから中前打で出塁。大山の逆転サヨナラ3ランにつながった。マルテは4番について「まったく普段通り。打順が変わっただけで自分は変わらないしね」とサラリ。米国時代も4番の経験はあるという。しばらく4番を任される可能性もあるが「重要だけど、考えすぎてもね。平常心でと思っているよ」とクールに話した。

◆広島が痛恨の逆転サヨナラ負けだ。 2点リードの9回にフランスアが登板。3連勝は目前だったが、安打と四球で走者をため、大山に3ランを浴びた。今季途中から中崎に代わり守護神を務めてきたが、これで3試合連続失点。「投球は悪くなかったけど打たれる日はある」と言葉を絞りだした。佐々岡投手コーチは「簡単に代えられないポジション。ザキ(中崎)がしっかりしてくれたらいいんだけど」と苦しい胸の内を明かした。 ここにきて、救援陣の不安が大きくなった。8回は中崎が2軍から復帰後初めてリードした場面で起用されたが、ファウルで粘られ3つのアウトを取るのに25球を要した。3年連続胴上げ投手の経験でしのいだが、本来の姿ではない。首位巨人、2位DeNAが勝ち、3強で1人負け。首位との差が2・5ゲームに開く中、立て直しが急務だ。 緒方孝市監督は「失点しないピッチャーはいない。明日また切り替えてやってくれればいい」と前を向いた。残り36戦。食らいついていくしかない。【村野森】

◆阪神大山悠輔内野手(24)が悔しさを晴らす劇弾で、窮地に陥ったチームを救った。 糸井嘉男外野手(38)離脱を受け、大幅にオーダー変更が行われた中、大山も今季初めて4番を外れて6番に降格。2点を追う9回無死一、二塁で初のサヨナラ弾となる逆転サヨナラ3ランを放ってみせた。たまっていた鬱憤(うっぷん)も全て、この一打に込めた。6番大山が、2点を追う9回無死一、二塁でフランスアの2球目を振り抜いた。「入ってくれと思って走りました。本当にうれしいの一言です」。右翼スタンドに入る打球を見届けると、大山は右手を振り上げ、激しく両手をたたいた。笑みがはじけた。 19試合ぶりの今季12号は、プロ初のサヨナラ弾。「記憶にないので人生で初めてです」。矢野監督も劇的な1発に感無量だった。「実際4番を外した日にこういう結果を出してくれたというのは、何かあるんですかね。ドラマ的にね、こういう決め方をしてくれたのは、野球の面白いところだし、怖いところ」。 こみ上げるものを抑え、大山は自分の仕事に徹した。「もちろん悔しい気持ちはありましたけど、6番で試合に出てる以上はその打順でしっかりやるだけ」。前夜は4打数無安打。不振が続き、今季106試合目で初めて4番から6番に降格した。浜中打撃コーチから通達されると、大山は宣言したという。 「また取り返すつもりで頑張ります」。 4番を張ってきた意地は消えていなかった。 矢野監督は打順変更の意図を説明した。「総合的。チームが昨日(9日)いやな負け方をして、そのまま何もしないと流れが変わりにくいのかなというのと、そういうふうに自分が思うのであれば、大きくいろいろ変えるタイミングでもあるのかなというところで」。この日、左足首を痛めた糸井が今季初めて出場選手登録を抹消された。チーム唯一の3割打者が離脱するアクシデントも受け、この日は打順と守備位置を大幅に入れ替えていた。 今後の打順は? という問いに、矢野監督は「そんなもん、すぐ変えるか!」と一蹴。「今度は奪い取るべき立場になったのでね。悠輔(大山)もまた明日から前に向かっていけるような1本になったと思う」。指揮官は厳しくも優しく、未来の主砲に期待を込めた。 チームの窮地を救った一打。もちろん、厳しい状況に変わりはないが、大山は「1試合1試合頑張ります」。勝利を積み重ね、苦境を打破していくだけだ。【磯綾乃】 ▽阪神浜中打撃コーチ(大山について)「悔しさは絶対にあるでしょうし、悔しさをバッティングで返した。彼の意地を見ました。もう1度(4番を)取り返す気持ちでやってほしい」 ▼大山がプロ初のサヨナラ本塁打を放った。サヨナラ安打は、今季5月3日DeNA戦10回の二塁打に次ぎプロ2度目。このときは同点のケースで、逆転サヨナラ安打もプロ初。 ▼阪神のサヨナラ勝ちは今季9試合目。サヨナラ本塁打は7月30日中日戦でのソラーテ以来4本目で、77年4本(ブリーデン2、ラインバック、大島忠一)以来42年ぶりで、球団最多タイとなった。

◆阪神は10日、広島戦(京セラ)のオーダーを発表した。  ここまで全試合出場中の大山悠輔内野手(24)が「6番・三塁」で 今季106試合目で初めて4番を外れた。  前日9日の同戦で盗塁時に左足首を痛め、途中交代していたた糸井嘉男外野手(38)が登録抹消。代わりに福留孝介外野手(42)が「3番・右翼」で出場する。

◆阪神・西勇輝投手(28)が10日、広島戦(京セラ)に先発。打線が二回に逆転した直後、一挙4点を失い再逆転を許した。  2-1の三回。先頭の菊池に左前打を浴びると、続くバティスタには左翼フェンス直撃の適時二塁打。同点とされると鈴木も遊撃内野安打で無死一、三塁。ここで松山に左越えの2点二塁打を浴び、勝ち越しを許した。  さらにその後、1死一、三塁からD1位・小園海斗内野手(報徳学園高)の遊ゴロの間に5点目を献上した。5失点は虎ワーストタイ。4連覇を目指す赤い壁が立ちふさがった。

◆阪神-広島戦(京セラ)が10日行われ、阪神は2度の絶好機を逃して試合は終盤に突入した。  3点を追う六回。1死から北條が四球を選び、代打・高山が右前打でつなぐ。さらに近本が四球、糸原が押し出し四球を選び2点差にまで迫った。なお1死満塁で、福留。一番頼りになるベテランだったが、広島の左腕・中村の前に空振り三振。続くマルテも三飛で追い上げることはできなかった。  七回は先頭のソラーテが右翼線二塁打。何度も手をたたきチームを鼓舞すると、大山も右前打で無死一、三塁とした。しかし、梅野が低めの変化球に空振り三振。北條が遊ゴロ併殺に終わり、スタンドはため息に包まれた。

◆阪神・西勇輝投手(28)が10日、広島戦(京セラ)に先発し6回を投げ、今季ワーストタイの5失点で降板。6勝目をつかむことはできなかった。  2-1の二回、バティスタや松山に長打が飛び出すなど5安打を集中され一挙4点を失った。二回には主砲・鈴木に三盗を決められるなど機動力を生かされると、D1位・小園海斗内野手(報徳学園高)に適時打を浴びた。  四回以降は二塁すら踏ませない、要所を締める投球をみせた。五回先頭では鈴木に右前打を浴びるも、素早いけん制球でアウトに。持ち前のフィールディングも披露するなど反撃を待ったが、六回1死一塁の打席で代打を送られ交代。ベンチで野手の奮闘を見守った。  鯉戦には、これまで今季4試合先発し、2勝1敗、防御率1・50。前回登板した3日の広島戦(マツダ)では、6回4安打1失点でチームトップタイの今季5勝目を挙げていた。オリックス時代も含めると8試合に先発し、4勝1敗、防御率1・71とお得意さまだった。試合の主導権を握られながらも、必死に踏ん張った。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が広島戦(京セラ)で逆転サヨナラ3ランを放ち6-5で勝った。3-5の九回無死一、二塁でフランスアから右翼スタンドに運んだ。  今季開幕から4番でスタメン出場していたが、この日は「6番・三塁」。今季106試合目で初めて4番をはずれた悔しさをひと振りで晴らした。

◆広島は3連勝目前で抑えのフランスアがつかまり、サヨナラ負け。2点リードの九回に先頭打者から続けて出塁を許し、大山に3点本塁打を許した。自慢の速球を痛打され「投球は悪くないけど、打たれる日もある」と言葉少なだった。  これで登板3試合連続の失点となったが、緒方監督は「失点しない投手はいない。またあす、切り替えてやってくれればいい」と責めず、佐々岡投手コーチは「ずっと失点しているけど、簡単にかえられるポジションではない」と悩ましげだった。

◆涙、涙、涙の大山悠輔のサヨナラ3ランや~!! いや、俺の涙は決して106試合目にして今季初めて4番から6番に外された意地の一発だけではないのだ!!  今季は『4番大山と心中や!!』と腹をくくった矢野監督だったのに、糸井のけがによる離脱で、断腸の思いで虎の将として勝利すべく、その信念を曲げざるえなかった苦しさ...(それで負けたら倍返しで責められるのは監督なのだ)。それを振り払ってくれた大山の大きなひと振り。たかが1勝されどの1勝は、この先の未来の阪神を変えるスタート地点に必ずやなるはずである!!  涙の師弟物語は本日、笑顔で幕を閉じたが、まるでサーカスの熊さんがボールにじゃれついているような左翼手・ソラーテの守備はどないしますねん?(三回の4失点につながる、2本の左越え二塁打は捕れるかんね!!) うぇ~ん、別の涙があふれてきたわ!!  とにかくわが阪神は毎日が高校野球や。ペナントという地方予選を勝って、甲子園で戦えると思って一球入魂や!!

◆--何という幕切れ  矢野監督「想像はしましたけどね。実際、4番外した日にこういう結果を出してくれたというのは何かあるんですかね」  --大山の意地  「僕の中でもいろいろ考えて。4番でいきたいという思いもあったんですけど。昨日ああいう負け方で、何かね。チーム全体としても変えていくという。いったん外してね。4番を取ってほしいですね。もう一度」  --最後は予感めいたものもあったか  「予感はないけど、送るという選択肢は俺の中であんまりなくて。もちろんホームラン打ってくれたらなあという想像はしていたけど、現実的にはヒットでていうふうに思っていたのがホント、ドラマ的にね。こういう決め方してくれたっていうのはね、野球のおもしろいところだし、怖いところだし。俺の中でもいろいろ反省もあるし。悠輔に助けられた」

◆実は前夜(9日夜)ある場所でヒジョーに重要な会議が開かれました。  出席者は3人...欠席者が1人。なぜ欠席者が出たのか...といえば夕飯をつくるのに忙しかったからデス。場所は大阪府堺市北区...そうです。本日のプロ野球当番デスク澄田垂穂家の首脳会議? であります。  議題は「タイガースをどう立て直すか...」というもので、長女の真歩ちゃん(中1)と長男遼真君(小5)それに休日だった澄田パパです。とにかく真剣...それに真歩ちゃんは一度は"虎断ち"をしたハズなのに...父親のDNAのせいか...またも♪六甲おろちにチャッチョーと...の少女時代がよみがえってきたのです。息子は少年野球チームにはいってすっかり日焼け顔なんです。  で...結構、カンカンがくがくやりあった。その結果は「4番の大山選手にもうちょっと元気な顔で頑張ってもらいましょョ」で全員一致でした。  そして一夜明けて、澄田デスクは出社しても前夜の会議を引きずってか、複雑な顔...。  その頃、阿部祐亮デスクはいそいそと大阪・福島の自宅から地下鉄で京セラドームに向かってました。こちらはトラ番軍団の助っ人要員です。  「それがネ、京セラの入り口付近で小さな男の子がタイガースのユニホームを着て元気よく♪かっとばせー原口ッ! と一生懸命繰り返し歌ってるんですョ。この暑さのなかで...」  阿部は思わずグッと熱いモノがこみあげてきたそうだ。それで球場入りして練習が始まると阿部は原口をつかまえてそのかわいらしいちびっ子が、夢中になって歌っている姿を伝えたそうです。すると原口がニッコリしながら「そうなんですかぁ。うれしいなぁ...」とシミジミといっていたのだ。「だからきょうは原口選手がきっと打ってくれる」というのは...そんなに簡単なものじゃない。  おまけにこの日は頼みの糸井が『左足首関節炎』で抹消されている。別にシニカルな気分でいうわけじゃないが、終戦直後の場末のおネエ様がくわえたばこで濃厚なルージュ♪こんな猛虎に誰がしたぁ...なんて歌ってた(らしいですよ。別に私はその頃はガキんちょで知りませんが...)そんなやるせなさが漂うわけです。  すると試合直前にトラ番キャップ大石豊佳がきまじめに電話をくれまして「エー、大山選手が106試合目でついに4番からはずれました。矢野監督は苦渋の決断だと思いますが、この現状ではあちこちにひずみが出てきて、とりあえず一つ一つ『手当て』をしていかないと...というわけでしょう。3番福留、4番マルテ、5番ソラーテのクリーンアップ...それに期待しましょう」という。  どうしても声のトーンも低いし、もともと大風呂敷をひろげてテキトーなことをいうタイプでないから大石と話しているとなんだか「親類縁者の方にお知らせしておく人がいらしたらどうぞ...」とお医者さんに静かにいわれてるような感じがしないでもないのだが、チト考え過ぎか。  正直いえばこの日の2軍・中日戦(高岡)で先発した藤浪晋太郎は6回8安打4失点というなんか"煮詰まった感"のある内容でした。  京セラでは先手はとったけどなぁ...この夜、あちこちで花火大会。淀川河畔でも派手でどこか寂寥感が漂うのはわれわれの思い過ごしでしょうか...と思っていたら、九回に大山が逆転サヨナラ3ラン。まさに澄田家の首脳会議の結論となりました。

◆106試合目で決断をくだした。矢野監督が初めて大山を4番から外して6番に降格。残り38試合、Aクラス入りへの逆襲に向けたメッセージだった。  「チームが昨日、嫌な負け方があって。そのまま何もしないで何か流れが変わりにくいのかなというのと、そういう風に自分が思うのであれば、大きく色々変えるタイミングでもあるのかなと」  就任1年目、肝入りともいえた聖域だった。「成長」を強調してきた象徴的存在が「4番・大山」で「(4番を)外すのは簡単だから」と、我慢し続けてきた。  「チームにもそうだし、悠輔(大山)自身にもそうだし、どっちにもプラスがあると思って悠輔を4番にして。やっぱり育てたい、チームとしてそういう軸っていうのを作っていきたいというところで発進した」  しかし9日、3位広島との直接対決の初戦に4点リードから屈辱の今季最大逆転負け。大山は4タコで覇気もなかった。今季最多タイの借金6、3位と今季最大6・5差と、クライマックスシリーズがかすむ数字を突きつけられ、まさに崖っ縁の状況。信念を曲げてでも、現状を打破したかった。  試合前、大山本人にも直接言葉をかけて説明した。結果としてはサヨナラ弾というこれ以上ない劇的勝利が待っていたが「俺の中でいろいろ反省もあるし。悠輔に助けられた」。その上で、今後も「そんなすぐ変えるか!」と、4番マルテをしばらく継続することを明言。「今度は奪い取るべき立場になったのでね。でもやることは何も変わらない」と真の4番に成長するよう願いを込めて、ハッパをかけた。  「先を考える余裕は現状あまりないのでね。打線も課題もいっぱいありますけど、明日も向かっていきます」  虎唯一の3割打者の糸井が離脱し、六回には3番福留、4番マルテと続けて満塁で凡退するなど、新打順もすべてがうまくいったわけではない。拙守も相変わらずで、手放しで喜べなかった。それでも矢野虎にとっては、大きな変革があった節目の一戦。浮上の何よりのきっかけにしたい。 (大石豊佳)

◆意地の劇弾や! 阪神・大山悠輔内野手(24)が3-5の九回無死一、二塁から右翼席に逆転サヨナラ3ランを放って、チームの窮地を救った。3位広島相手に連敗を阻止し、再び5・5ゲーム差。開幕から4番でスタメン出場していたが、106試合目で初めて6番に降格。その悔しさをひと振りで晴らした。  主砲の意地とプライドが右拳を突き上げさせ、熱く、ほえた。どう喜んでいいかもわからないまま歓喜の輪に飛び込む。「6番・大山」がプロ初、劇的すぎるサヨナラ3ラン。ウオーターシャワーをぬぐって見上げた景色は黄色一色だった。  「本当にうれしいの一言です。(劇弾は)記憶にないので、人生で初めてです」  今季は前日まで全試合で4番。泥臭く、大山らしく主砲を背負ってきたが、8月打率・161と苦しんだ。残り38試合。1勝がより重くなるだけに矢野監督が託した打順が「6番・三塁」で、4番はマルテ。スタメンが発表されると、どよめきが起きた。  「もちろん、悔しい気持ちもありましたが、6番で試合に出ている以上はその打順でしっかりやるだけなので」  2点を追う九回。先頭のマルテが中前打を放ち、ソラーテも四球。無死一、二塁として「6番・大山」が打席に立った。1ボールからの2球目、外角147キロを振り抜くと、無我夢中で走った。着弾を見送ったときも「あんまり覚えていないです」。7月17日の中日戦(豊橋)以来、17試合ぶりの一発は、3年目で自己最多を更新する12号サヨナラ3ラン。虎をどん底から救いあげてみせた。  七回無死二塁では右前打を放っており、今季31度目のマルチ安打。多くの数字でキャリアハイを出す中で、17失策は12球団最多。酸いも甘いも経験する中で、すべてが成長の糧となっている。  6月15日のオリックス戦(京セラ)。大山が一塁走者として、福留の二遊間への当たりで二塁にスライディングをせずに、アウトになったあの試合だ。指揮官からも「悠輔のプレーが残念でならん。論外」と断罪された。4番として戦う姿勢を示せなかったことをベンチで悔いていると、清水ヘッドコーチから声をかけられた。  「悠輔、いつも一塁までは一生懸命に走っているだろ?」  思わずはっとして、背筋が伸びた。自分が積み上げてきたものは何なのか、一生懸命な姿勢こそ自分らしさだと気づかせてもらった。翌日、矢野監督も大山を呼び直接、声をかけていた。大山の成長こそ、虎の成長。「結果は出ちゃうけど、姿勢だけは、しっかり」という指揮官との約束を胸に、たくましくグラウンドに立ち続けている。  「チームが勝ったので、それだけです。(6番でも)3度得点圏で回ってきているので。どれだけ仕事ができるか。1試合1試合やるだけです」  涙はみせなかった。3位広島とは再び5・5差に迫り、借金「5」。胸に秘め、燃やすプライドが確かにある。4番として味わった悔しさを乗り越え、大山がまた成長した。 (竹村岳) 大山について阪神・浜中打撃コーチ 「悔しさは絶対にあるでしょうから。その悔しさをバットで返したと思う。悠輔ともちょっと話して『4番を取り返せるように頑張る』といっていた。彼の意地を見た、そういう一打だった」

◆大山を6番に下げた新打線が機能したものの、ソラーテの守備力について改めて考えさせられる試合だった。  この日は左翼だったが、三回無死一塁でのバティスタの適時二塁打はフェンスまで打球が届いていない。無死一、三塁での松山の適時二塁打はグラブに当てているだけに捕ってほしかった。仮に福留ならばいずれも捕れていた。捕球のタイミングもズレており、首脳陣の立場からすれば、一体どこで使ったらいいのか、また頭を悩ませるだろう。  糸井が左足首を痛めて離脱。守備力を考えると福留を右翼にまわさなければいけない。1番近本、2番糸原がともに左打者ということも考えると、スイッチ打者のソラーテがクリーンアップを務める方がいい。となれば左翼の守備には多少なりとも目をつぶるしかない。この日も左翼に打球が飛べばハラハラするような感じだったが、左翼で使う以上、打力で周囲を黙らせてもらいたい。  3番に入った福留は結果こそ1安打だったが、初球の変化球を中前打したように狙いはさすがだった。4番マルテも外角球の見極めがよくなり、状態も上がっている。相手にマルテとの勝負を避けさせないためにも、3番ソラーテ、4番マルテ、5番福留の並びがいいのではないかと思う。  大山は6番として、再び4番に戻れるだけの信頼を積み重ねること。矢野監督が、このクリーンアップで再出発を図ることを決断したからこそ、ソラーテの打撃力が浮上のカギを握ることになる。 (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
56452 0.554
(↑0.004)
-
(-)
40497
(+8)
423
(+4)
134
(+2)
59
(-)
0.263
(↑0.001)
3.830
(-)
2
(-)
DeNA
56473 0.544
(↑0.005)
1
(-)
37445
(+5)
415
(+4)
118
(+2)
31
(-)
0.249
(-)
3.590
(↓0.01)
3
(-)
広島
55493 0.529
(↓0.005)
2.5
(↓1)
36452
(+5)
426
(+6)
107
(-)
65
(+1)
0.253
(-)
3.410
(↓0.03)
4
(-)
阪神
48535 0.475
(↑0.005)
8
(-)
37390
(+6)
454
(+5)
72
(+1)
70
(-)
0.250
(↑0.001
3.650
(↓0.01)
5
(-)
中日
46571 0.447
(↓0.004)
11
(↓1)
39398
(+4)
422
(+5)
68
(+2)
51
(-)
0.261
(↑0.001)
3.970
(-)
6
(-)
ヤクルト
41632 0.394
(↓0.004)
16.5
(↓1)
37473
(+4)
542
(+8)
121
(+2)
42
(-)
0.241
(-)
4.640
(↓0.03)