阪神(★5対11☆)広島 =リーグ戦19回戦(2019.08.09)・京セラドーム大阪=
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広島
000500015111401
阪神
0400000105810
勝利投手:大瀬良 大地(9勝6敗0S)
敗戦投手:髙橋 遥人(2勝4敗0S)

本塁打
【広島】メヒア(4号・4回表3ラン)

  DAZN
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◆広島は4点を追う4回表、バティスタの適時打とメヒアの3ランなどで5点を挙げ、逆転に成功する。その後両軍1点ずつを取り合い迎えた9回には、安部と會澤の連続適時打などで5点を追加し、試合を決めた。投げては、先発・大瀬良が今季9勝目。敗れた阪神は、投手陣が崩壊した。

◆7番左翼でスタメン出場した阪神高山俊外野手(26)が先制の適時二塁打を放った。 2回無死一、三塁から広島大瀬良のカットボールを左翼線に運んだ。高山は「(高橋)遥人が登板の時になかなか勝ちをつけることができていないので、なんとしても先制点を取ってあげたいと思って積極的に打ちに行きました」とコメントした。

◆阪神糸井嘉男外野手(38)が2回の走塁で負傷して3回の守備から島田と交代し、検査を受けるため試合中に大阪市内の病院へ向かった。 糸井は2死満塁から2点適時打で出塁し、大山の2球目で盗塁を企図し、スライディングの際に左足を痛めたとみられる。 盗塁は1度はセーフと判定されたが、広島のリクエストにより覆った。

◆2試合連続スタメンの阪神原口文仁捕手(27)のラッキー打が大量点を呼び込んだ。 0-0の2回。先頭マルテが左前打を放ち無死一塁で打席に立つと、2ストライクから広島大瀬良の143キロをスイング。ふわっと上がった打球は一塁手バティスタの頭上を越えて一塁線に落ちる内野安打になった。 無死一、三塁とチャンスを拡大すると、続く高山が左翼線へ先制の適時二塁打。近本の中犠飛、糸井の2点適時打でこの回、一挙4点を奪った。

◆阪神高橋遥人投手(23)は7回9安打5失点で降板した。 2回に4点リードをもらいながら、4回に5安打を浴びせられて5失点。ダブルスチールが成功しての本盗を許すと、7番メヒアに逆転3ランを浴びた。 その後は粘ったが、「同じチームに同じ点の取られ方をしてしまい、前回の反省を生かすことができませんでした。点を取ってくれた野手の方々に申し訳ないです」とコメント。 1週間前の2日にも敵地マツダスタジアムで広島戦に先発し、6回バティスタに満塁弾を浴びて5回2/3を7失点で降板。中6日の対戦でリベンジを果たせず、悔しさだけが残った。

◆阪神は2回に4連打を含む5安打と犠飛を絡めて4点を先制した。先発高橋遥は3回まで3人ずつで仕留めた。 広島は4回にバティスタの適時打、重盗で2点を返し、なおも2死一、三塁からメヒアが逆転の4号3ラン。 広島は8、9回にも加点して快勝。大瀬良は6回6安打4失点で9勝目。阪神は3カード連続で初戦を落とし、高橋遥は4敗目。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手が自身8月初のマルチ安打で気を吐いた。2回に先頭で打席に入り大瀬良から左前打を放って一挙4点先制への下地を整えた。 2点を追う8回は2死二塁で3番手今村から右中間への適時二塁打。一時1点差とする反撃打だった。チームの逆転負けに「チームのため100%全力でやるだけ。明日も全力で」と切り替えた。

◆広島が2夜連続で鈴木誠也外野手(24)と菊池涼介内野手(29)による重盗を成功させ、4点差逆転勝利を引き寄せた。4点を追う4回、1点をかえしなお1死一、三塁の場面で、絶妙のコンビネーションを見せた。終わってみれば14安打11点の快勝で、首位巨人との1・5ゲーム差、2位DeNAとの0・5ゲーム差を死守。三つどもえの優勝争いは1歩も譲らない。あうんの呼吸だった。4点を追う4回に1点を返しなお1死一、三塁。一塁走者鈴木は、カウント1-2から、阪神先発高橋遥が打者松山を仕留めようと集中する隙をつき、スタートを切る。松山は空振り三振に倒れたが、捕手の二塁送球がそれ中堅に抜ける。その瞬間、スタートを切っていた三塁走者菊池涼が悠々とホームへ滑り込んでいた。 会心の重盗がチームを勢いづける。さらにメヒアの3ランが飛び出し、この回一挙5点で逆転した。4点差以上の逆転勝ちは今季4度目だ。前夜のDeNA戦も重盗で突破口を開いている。しかも同じ鈴木と菊池涼のコンビ。広瀬外野守備走塁コーチは「各選手が思い切ってやってくれている。打つだけじゃなく、いい意識、いい準備でやってくれている」とたたえた。 鈴木は一昨年に右足首の手術を受け、患部を固定するボルトを抜いて初めてのシーズン。リハビリ中のキャンプ前から「走ります」と宣言していた。その趣旨を「けがをしたから、あえて言っているんです」と話したことがある。17年は負傷前まで16盗塁しており、20盗塁できる手応えがあった。だからけがが治れば、チームのためそのくらいは走る。口にすることで自らを追い込んだ。重盗については「サインなんであまり言えないんですけど」と話したが、チームに貢献する思いは変わらない。 菊池涼は試合でベストのパフォーマンスをするため頭をフル回転させている。必要ならどれだけ暑くても走るが、そうでなければ思い切って練習量をセーブし消耗を防ぐ。小麦を取らないグルテンフリーを続け体調管理。研ぎ澄ませた感覚を、ここぞの走塁で発揮した。2試合連続本盗成功は、63年ぶりの快挙だった。 緒方監督は「(重盗は)うちの攻撃の形。ただ、今日は打撃陣がしっかり打ってくれた」と話した。走塁で勝利を引き寄せ、猛打でたたみかける。広島らしい戦いで、首位巨人を追いかけていく。【村野森】 ▽広島メヒア(4回に逆転3ラン)「追い込まれていたのでコンパクトに打ちにいきました。いい反応で捉えることができました」

◆広島大瀬良大地投手(28)が、粘りの投球で9勝目を挙げた。 2回に不運な当たりが続き、4連打を含む5安打1犠飛で4失点。それでも崩れず丁寧にアウトを重ねると、4回に味方が5点を取り逆転してくれた。6回6安打4失点と踏ん張り、勝ち星が転がり込んだ。「2回の連打で4失点してしまいましたが、その後は何とか粘って投げることができた」と話した。 8月9日は大瀬良にとって特別な日だった。故郷長崎に74年前のこの日、原爆が投下された。小学2年まで臨時登校し「平和学習」を受けた。長崎市内の原爆資料館は2度訪れた。「黒こげの遺体の横に子どもが立っている写真とか、(爆発した)11時2分で止まっている時計とか、強烈に記憶に残っています」。この日は11時2分に長崎の方向を向いて黙とうした。 過去8月9日には2度先発しているが、いずれも敗戦投手になっていた。14年阪神戦(京セラドーム大阪)で4回4失点と打たれ、17年中日戦(ナゴヤドーム)は6回途中7失点でKOされた。特別な日に勝てていないことが悔しかった。「勝たせてもらった1勝ですけど特別な日ですし、感謝しないといけない。いろいろ考えさせられる日になった」と話した。 首位巨人に7月18日時点で12ゲーム差をつけられていたが、そこからわずか22日で1・5ゲーム差に迫っている。圧勝もあれば、大逆転勝ちもある。変幻自在の広島を、大瀬良が支えている。【村野森】

◆矢野阪神にトリプルショックだ。投壊とミス連発で今季最大の4点差をひっくり返され、11失点の大惨敗。3位広島との直接対決でゲーム差を今季最大の6・5差に広げられ、CS進出が厳しくなった。自力Vも3度目の消滅。さらに糸井嘉男外野手(38)も2回に盗塁死した際、左足を痛めて病院へ直行。チーム唯一の3割打者が離脱危機に陥った。虎が激流にのみ込まれた。大量4点をリードして迎えた4回。3連打で1点を返され、なお1死一、三塁。5番松山の空振り三振で、一塁走者の鈴木がスタートを切った。すかさず捕手原口が二塁カバーの北條に送球。ところがボールは大きく逸れて外野を転がり、三塁走者の菊池涼は悠々と本塁へ-。屈辱的な重盗を決められた。 3回までパーフェクト投球を続けていた左腕高橋遥も、カープお得意の「足攻め」でグラリと揺れる。続く会沢の中前打で2死一、三塁とされると、7番メヒアには外角高めの145キロをガツン。右翼ポール際に痛すぎる3ランを被弾し、試合をひっくり返された。リーグ3連覇の常勝軍団に染みついた足技が、ボディーブローのように効いた。 虎党が目を覆いたくなるようなシーンもあった。2回に2点適時打を放った糸井が、直後に二盗を狙った際に左足を負傷。その裏の守備からベンチに退くと、試合中に大阪市内の病院へ直行した。診断は左足首の関節炎。10日以降の出場は当日の状態を見て判断する。試合直後の矢野監督は「ちょっと、まだわからない」としたが、チーム唯一の3割打者が離脱となればチームにとって一大事だ。 課題である守備のミスが傷口を広げた。4回、ダブルスチールを決められた直前には無死一、二塁から鈴木の打球を三塁手大山がファンブル。併殺のはずが、2死一、三塁の状況を作り出し重盗につながった。1点差の9回には浜地が1死一塁から投ゴロを二塁へ悪送球。大量5失点につながった。これが昨季に並ぶ12球団ワーストのチーム89失策。ドームにため息が充満した。 CS圏内の3位との差は今季最大6・5ゲーム差に拡大。巨人が勝利したため3度目となる自力Vの可能性も消えた。さらに糸井がいなくなれば...。矢野監督は試合後にナインを集めて緊急ミーティングを実施した。「やっぱり結果で示すっていうのがプロにはある。今すぐに出来ることは胸張って前向いて、今日の悔しさをどう返していくか」。今季最大の逆境をはね返すしかない。【桝井聡】 ▽阪神福原投手コーチ(先発した高橋遥に)「ボールはよかった。ゴロで打たせてましたし。最後の長打だけ。ボール自体はよかったです」 ▼阪神の自力優勝の可能性が消滅した。阪神は残り38試合に全勝しても、最終成績は85勝53敗5分けで勝率6割1分6厘。巨人は阪神戦9試合に全敗しても、他球団との32戦に全勝すれば87勝54敗2分けで6割1分7厘となり、阪神を上回るため。 ▼阪神の今季失策数が89となり、105試合目にして昨年のチーム失策数と並んだ。シーズン換算で121失策ペース。00年101失策以来となる、年間3桁失策を計上することが濃厚だ。なお2リーグ分立後の球団ワーストは50年の197失策。なおセ・リーグ最多は50年西日本の235失策。プロ野球最多は、1リーグ時代40年の南海253失策。

◆阪神新外国人ヤンハービス・ソラーテ内野手が1軍合流13試合目で初めてスタメンを外れた。 首脳陣から休養を与えられたもので、9回代打で四球出塁。「自分では全然疲れてないと思うが、明日はまた気持ち新たにして貢献できるように頑張りたい」と話した。

◆広島が4点差を逆転し、2連勝とした。4点を追う4回に重盗で勢いをつけ、一挙5点を取り逆転。終わってみれば14安打11点の快勝だった。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。   緒方監督 1巡目ちょっとてこずったからね。円陣組んだあとでしょ。狙いが中途半端にならないように、打撃コーチがしっかり指示してくれた。それで3連打が出て、一気にいけたからね。(逆転3ランの)メヒアもよく打った。詰め寄られた後、最後また(打線が)つながって、得点につながった。(大瀬良)大地も状態が悪い中、逆転してもらってやっとエンジンがかかったみたいになった。落ち着いて6回を投げてくれた。あとは中継ぎ陣がよくがんばってくれた。 -4回の重盗が効果的 それはうちの攻撃の一環としてね、今日は打撃陣がしっかり打ってくれた。

◆阪神近本光司外野手は2回1死満塁で中犠飛を放った。 「追加点の欲しい場面だったので、何とかランナーをかえすことができてよかったです」。しぶとく仕事を果たし、糸井の2点打につないだ。試合後は「先頭で塁に出れなかったのは反省です」と、無安打に終わったことを悔やんだ。

◆阪神浜地真澄投手が1点差に追い上げた直後の9回に5失点と炎上し、反撃ムードを壊した。 1死一塁で野間の投ゴロで二塁併殺を狙ったが、慌ててしまった」と悪送球。併殺でチェンジのはずが、一、三塁と傷口を広げて2長短打と犠飛を浴びた。「(アウトを)2つ取る場面だったので申し訳ない。1点差だったし、追い上げてのイニングだったので...。試合を壊してしまった」と猛省だった。

◆-高橋遥は大山が併殺を取れない不運もあった 矢野監督 もちろん悠輔が、ゲッツーを取ってやるようにしていかなアカンし。打たれ方も結局、バッテリーの反省として。同じような打たれ方をしてる。変化球ばっかり打たれるというね。タラレバとか結果論で言えば、いろんなことがあるけど。球際の気持ちとか執念とか。もう1個のアウトを何とかどうやって取るかっていうところを、みんなでやっていかないと。 -2回は打線がつながった 矢野監督 ああやってつながって何とか4点取れたのは、流れの中ではすごく大きな4点やった。だからこそ痛い負けになったけど、もう終わったことをどうこう言っても仕方がない。でも、仕方ないでだけは済まされないような1敗でもある。 -試合後にミーティング 矢野監督 一生懸命やっただけでは俺ら済まされへんと思う。でも手抜いてるやつは誰もおれへんと思う。でも俺らは見に来てくれるファンがいて、プロとアマチュアっていろんなことが違うと思うけど、やっぱり結果で示すっていうのがプロにはあると思うんでね。

◆広島菊池涼介内野手が前日DeNA戦に続き、2試合連続の本盗成功。 シーズンに2度の本盗は今年の4月4日阪神戦、5月1日中日戦で成功した亀井(巨人)がいるが、2試合連続で本盗は、56年7月25日、26日西鉄戦で決めた高野(大映)以来63年ぶり。

◆阪神は9日、広島戦(京セラドーム)で二回に5安打を集中させるなどして4点を先制。しかし糸井嘉男外野手(38)が足を痛めて負傷交代した。  阪神は二回、無死一、三塁から高山の左翼線適時二塁打で先制。さらに1死満塁から近本が中犠飛で追加点を奪うと、その後2死満塁として糸井が右前2点打で4得点。しかしこの後、一走の糸井が二盗を仕掛けると、スライディングした際に顔をしかめた。足首を痛めたようで、トレーナーとともに矢野監督も二塁までかけつけ、そのままベンチへ下がった。  盗塁も広島・緒方監督のリクエストによるリプレー検証で判定が覆り、アウト。糸井は直後の守備から島田と代わって退いた。

◆広島は0-4の四回に5安打を集めて5点を奪い、逆転した。それまで完璧に抑えられていた高橋遥を一気に攻略。円陣を組んで狙い球を徹底したことが奏功し、緒方監督は「攻撃陣がしっかり打ってくれた」と目を細めた。  四回は先頭の西川から3人そろって低めの球を捉える連打で1点。機動力を生かした重盗でもう1点を返し、2死一、三塁からメヒアが逆転3ランを右翼席に運んだ。長打力を存分に示し「浮いた球を狙った。何とか走者をかえしたかった。完璧」と上機嫌に振り返った。

◆嘘やろー!? 三回までわが阪神が4点リード。しかも2年目の若虎、高橋遥が一人の走者も許さない完全投球をしていたのに、四回に一気に5点を奪われて、終わってみれば5-11の大敗って...悪夢や~!!  そのとき俺は、はたと気付いたのだった。日本野球機構(NPB)さん、企てましたなあ。本日のプロ野球はセ・リーグのみ。最近はパ・リーグのイケイケムードに押され気味...そこで目を向けていただこうと...。  阪神の大逆転負けのみならず、巨人-ヤクルトはヤクルトが四回表まで7点をリードしていたのに、終わってみれば延長十回、巨人が亀井の犠飛でサヨナラ勝利って...ありえるか~!!  揚げ句の果てのびっくりは、DeNA! ここも五回に一気に5得点で逆転勝ち? それもそーだけど、筒香のサードって、水島新司先生の『ドカベン プロ野球編』の世界やないか~!?  ということはこの先、日本中が涙の猛虎大逆転ミラクルもあるはず...と期待してまっせ~!!

◆二回に4点を先制された大瀬良は「相手の勢いを止める。もう1点もやらない」と三回以降は安打を許さず、6回4失点で今季9勝目、通算50勝目を挙げた。出身地の長崎はこの日で被爆から74年を迎えた。大阪で試合があったこの日、原爆が投下された時間には長崎の方角を見て黙祷(もくとう)し「特別な日なので。いろいろ考えさせられる」。8月9日に先発したのは3度目で、初めて白星を手にした。

◆--高橋遥は四回だけ  矢野監督 「今シーズン、一番良かったんじゃない。それぐらい球も切れてたと思う」  --四回、大山が併殺を取れていたら。不運な面もあった  「それもあるね。もちろん悠輔が、ゲッツーを取ってやるようにしていかなアカンし。打たれ方も結局、バッテリーの反省としては同じような打たれ方を、変化球ばっかり打たれるというね。たらればとか、結果論で言えば、いろんなことがあるけど」  --二回の攻撃は執念を出した  「何とか4点取れたのは流れの中ではすごく大きな4点やったし、立ち上がりの(高橋)遥人の状態を見ると、すごく良かったのでね。だからこそ痛い負けにはなりましたけど、もう終わったことどうこう言っても仕方がないので。でも、仕方ないでだけは済まされないような1敗でもあると思う」

◆モウコさん? 吉兆があった?  「はい。きょうは心配しないでください。ボコボコ打ちますよ」  トラ番竹村岳から自信満々の電話が入りました。キャップの大石豊佳は「負けると自力優勝の可能性が消滅するケースがある。がんばってほしいです」。鳴尾浜でメッセンジャーを取材した新里公章も「本人は気合満点でしたが、すぐに1軍で投げるのは難しいですからね」。チーム状況から、どうしても弱気だったり慎重になる中、竹村は、なぜこんなに強気なのだろうと思いました。  広島は6カード連続勝ち越し中。しかも先発は前回(2日)の対戦で完封された大瀬良です。カープ担当の柏村翔がこの3連戦は休みのため、代わって臨時コイ番を務めたビヤ樽三木建次も練習を見て「ここ、やっぱり強いわ」とあきれていたくらいだったのです。  「(畠山愛理との)熱愛が発覚した鈴木誠也も『きのう何かありましたっけ?』という顔で練習してる。周りの選手も、全員が好調やから軽くやってる。新人の小園がガンガン打って目立ってたけど、その小園が左腕(高橋遥人)が先発だからスタメンを外れてる。巨人は今、勝ったり負けたり。DeNAはきょう筒香がサードで先発したんやろ。どこもやりくりが苦しい中、ここが一番余裕がある」  ビヤ樽は「たぶん俺、今年も広島の優勝取材の応援にいくんやろな。ホテル、探しとこ」と覚悟を決めたほどです。それでも、竹村の強気の発言は止まりません。  「大丈夫ですよ」  試合前、竹村は阪神の練習取材を終えると京セラドーム前にある「イオン大阪ドームシティ店」に弁当を買いに出かけました。セルフレジで精算し、外に出たところで気付いたそうです。  「いかん、杏仁豆腐を買い忘れた」  暑い日が続いて、さっぱりした甘いものがほしくなり、最近は試合前の食事のときに杏仁豆腐を食べるのがルーティンになっていたのです。店に戻ると、今度はセルフレジに行列が。それで、有人のレジにいったところ20代の男性のキャッシャーがおられたのです。その方のネームプレートを見たら...。  『もうこ(望戸)』。全国に200~300人しかおられない珍しい名前だそうです。京セラドームに戻った竹村は、杏仁豆腐をパクつきながら興奮を抑えられなくなったのでした。  「『もうこ』さんですよ。本来なら忘れるはずのない杏仁豆腐を買いに戻って『もうこ』さんに会うなんて。吉兆でしかないでしょ」  吉兆でした。前回4安打無四球で完封された大瀬良から二回に4点を先行。ところが、あ~、なんてことでしょうか。三回まで完全投球の高橋遥が四回に5失点...。  『もうこ』さ~ん!! ん? 全国に200~300人...のデータの続きを見たらナンと『望戸』には出入口を望むという由来があり、一番多く住んでおられる都道府県が広島でその数、100人以上。山口県に隣接し、瀬戸内海を望む大竹市には『望戸』商店や製パン店などなど『もうこ』さんがいっぱい、いらっしゃいました。  阪神ではなく、広島の吉兆だったのか...。虎の不振の"出口"はなかなか見えてきません。

◆ソラーテは7月26日に1軍昇格後、初のスタメン落ちとなった。5-11の九回2死から代打で登場すると中村恭から四球を選んだ。「移動の疲れも考慮されたのか?」という問いに「自分は全然疲れはないと思っている」と話し「今日はこういう形で出なかったけど、明日は気持ちを新たに貢献できるように頑張る」と力を込めた。

◆交際宣言後、初のタイムリー!! 5-4の八回無死二塁で広島・鈴木誠也外野手(24)が中押しの中前適時打。「甘い球を逃さないように意識していた。結果的にそう(貴重な一打に)なりましたね」と胸を張った。  この日発売の写真誌「FRIDAY」で、元新体操日本代表で現在はリポーターとして活躍する畠山愛理(24)と真剣交際していることが報じられた。前日に「いいお付き合いをさせていただいています」と熱愛を認めつつ、一夜明けると野球に専念したいとばかりに打って、走った。  四回1死一、三塁で一走として、三走・菊池涼との重盗を2試合連続で決めた。自己最多の17盗塁にも「(内容は)サインだから言えない」。六回は中前打を放ち、1点リードの八回に追加点をたたき出した。  チームは4点差を逆転して2連勝。公私ともに充実の主砲が、勢いを加速させる。(三木建次) 0-4からの逆転勝ちに広島・緒方監督 「攻撃陣がしっかり打ってくれた」 四回の逆転3ランに広島・メヒア 「浮いた球を狙った。何とか走者をかえしたかった。完璧」

◆結果で示せ! 広島に逆転負けを喫した阪神・矢野燿大監督(50)は試合後に緊急ミーティング。「やっぱり結果で示すっていうのがプロにはある」とげきを飛ばした。糸井嘉男外野手(38)は二回、盗塁の際に左足首を負傷。直行した病院で関節炎と診断され、10日にも抹消の可能性が出てきた。  情けなさ過ぎる逆転負けに、黙ってはいられなかった。今季最大4点リードから逆転負けで自力優勝の可能性が再消滅。試合後、矢野監督が緊急ミーティングを行った。  「一生懸命やっただけでは、俺らは済まされへんと思う。でも手抜いてるやつは誰もおれへんと思う。でも俺らには見に来てくれるファンがいて、プロとアマチュアっていろんなことが違うと思うけど、やっぱり結果で示すっていうのがプロにはあると思うのでね」  ベンチ裏にナインを集め、約5分間説いたのはシンプルなことだった。  結果を残せ-。  就任1年目。ファンを喜ばせるを合言葉に喜怒哀楽を前面に出してきた。"矢野ガッツ"に代表されるように、ものの考え方、取り組む姿勢こそ、結果を生み出すと考えてきた。しかし、残り38試合という段階で、借金は今季ワーストの6。もう、その段階は卒業したということだ。  この日もミスが相次いだ。四回には鈴木のゴロを大山がファンブルし、併殺がとれず...。記録に残らないほころびで、失点につなげた。九回には浜地の送球エラーでチームとして今季89個目の失策。リーグワーストだった昨季に早くも並んだ。  「一生懸命したんですけど、って言ってても、何も見に来てくれるファンに返せるものないんで。結果もそこにつなげていかなあかん」  Aクラスを争う広島との直接対決で、残酷なほどに差を見せつけられた。二回に5安打を集中して4点を先制。これで大勢が決してもおかしくなかった。しかし鯉は消沈するどころか四回に火が付き、一挙5得点。猛虎打線は1週間前に完封された大瀬良をKO寸前まで追い込んだはずが、1点ビハインドになると一転して、沈黙した。  「球際の気持ちとか執念とか。1個のアウトを何とかどうやって取るかっていうところを、みんなでやっていかないと」  今季最多タイの借金6。3位広島と今季最大6・5差でCS危機だ。  「今すぐできることは胸張って前向いて、きょうの悔しさをどう返していくかってこと」  矢野監督が訴える。勝つことだけだ。 (大石豊佳)

◆勇ましく突き刺した左足を、すぐに押さえた。塁上で患部を気にする糸井のもとへ、次々とベンチから人が飛び出していく。黄色一色の攻撃ムードが、一瞬にして心配の声に染まった。「左足首の関節炎」で糸井が無念の負傷交代。試合中に球場を後にしたが、矢野監督も言葉を失った。  「ちょっとまだわからない。それはまだ言えることは現状ないです」  二回に2点を先制し、なお2死満塁の絶好機で打席へ。大瀬良の内角138キロを振り切ると、右前に弾む2点打。6月4日のロッテ戦(ZOZOマリン)の九回に5点を奪って以来、49試合ぶりに1イニング4得点へと導いた。  なお2死一、三塁。続く大山の2球目にスタートを切り、二塁へのスライディングが"引き金"となった。すぐさま左足首を押さえると、ベンチからトレーナーや指揮官が飛び出す。状態を確認し、足を引きずながらベンチへと引き揚げた。一度はセーフの判定も、広島ベンチのリクエストの結果、アウトに。矢野監督もたまらず島田へと交代を告げた。  糸井は試合中に球場を離れ、チームドクターとともに大阪市内の病院で受診。「左足首の関節炎」と診断された。その後も治療へと向かったと言うが、現状は不透明だ。ここまでチームトップの打率・314。8月に限れば・433と、反攻の中心となってきただけに清水ヘッドコーチも「心配だね...。あしたにならないとわからない。あしたまで待ってほしい」と説明。最悪の場合、10日にも出場選手登録を抹消される可能性が出てきた。  「140試合以上」を目標に掲げ突入したシーズンで、ここまで欠場はわずか2試合。7月31日で38歳になっても、頼もしく虎を背負ってきた。大事に至らないことを祈るばかりだ。 (竹村岳) 負傷した糸井に代わって三回から右翼の守備に。八回には右中間に二塁打を放った阪神・島田 「(三塁まで進めたと思われる打球に)判断ミスもあった。状況判断ができる選手になっていかないと」

◆"世紀の渡米"だ。阪神の球団幹部が9日、来季の新外国人調査のため、渡米したことが明らかになった。広島戦はソラーテが初めてスタメンから外れ、今季最大の4点差逆転負け。借金は今季ワーストタイの6に逆戻りし、自力優勝の可能性が再び消滅した。猛虎復活への第1歩。大物新助っ人、マジで頼むで!  虎党が悲鳴を上げた。これでも、勝てないのか...。四回、広島・メヒアの放物線が右翼ポール際へと吸い込まれた。4点リードをひと振りでひっくり返され、今季最大の逆転負け。まざまざと助っ人の差を見せつけられた。  「ちょっと(ソラーテは)疲れてる感じもあったしね、9連戦もあったし。まぁ、いろんなことを考慮して外しました」  矢野監督が断を下した。この日、打率1割台と低迷するソラーテをスタメンから初めて外した。7月26日の巨人戦(東京ドーム)で決勝2ランを放つなど鮮烈デビューを飾ったものの、その後、打撃は右肩下がり。しかも、内外野可能の守備はミスが目立ち、出場13試合ではや4失策。内野陣全体へのしわ寄せに矢野監督は「ソラーテが来たことで俺自身も難しくなっている部分もある」と嘆いたこともあった。  毎年のように繰り返される緊急補強という一瞬の光と影。奇跡の4連覇を目指す広島に屈辱の大敗を味わった日に、阪神のフロント陣に明らかな動きがあった。球団幹部が渡米したことが判明。国際担当者と来季の新外国人調査のため、日本をたった。球団関係者の話を総合すると、今回は野手に重きをおく方針だという。  より中長期的な視点に立って編成しないといけない時期にきている。福留は来季43歳。この日、欠場したように積極的休養を挟みながらプレーしている。糸井も二回の走塁中に左足首を痛めて、負傷交代。関節炎と診断され離脱危機に立った。  今季、阪神のチーム384得点はセ・リーグワースト。1位巨人の489に大差をつけられている。大瀬良が二回に4失点しながらも、尻上がりに状態を上げ、9勝目をつかんだ。一方で三回まで完全投球だった高橋遥は四回だけの失点で4敗目。つまり、野手が投手を育てるというわけだ。  矢野監督は育成と勝利の二兎を追い、開幕から4番を大山に任せている。常勝を目指す上でそれは理想ではあるが、広島・鈴木、ヤクルト・村上、DeNA・筒香のような怖さはない。来季も路線を継続させるのであれば、大山の負担を軽減するためにも外国人を2人挟むのが近道だ。球界関係者によると、今オフの外国人市場は豊富。つまり、ターゲットは必ずいる。確かな眼力と金があれば獲れる。今回の渡米が虎の命運を握る1歩にしなければいけない。  他球団ではヤクルト・バレンティン、DeNA・ロペスら日本野球に適応し、長く活躍する助っ人たちがいる。来季こそ、開幕から外国人野手2人制へ-。少なくとも夏の失速劇を避けるための得策の一つが外国人戦略。「8・9」。渡米から新たな歴史を作れ-。 ★近年の途中加入助っ人  阪神は毎年のように新外国人をシーズン途中で獲得している。2017年7月に加入したロジャースは右の長距離砲の不足を補うためだったが、40試合で打率・252、5本塁打、23打点と迫力不足。翌18年にはシュアな打撃のナバーロと6月に契約し、66試合で同・276も3本塁打、25打点と長打力不足の解消に至らなかった。

◆随所に野球が甘い。まずは配球面だ。高橋遥の内角真っすぐに対し、広島はまともな打球を飛ばせていなかった。ところが四回は変化球を3連打され、メヒアに外角直球を3ラン。メヒアは1、3打席とも内角直球に見逃し三振だ。あれだけいい球がありながら他の球でやられて5失点は、あまりにもったいない。  痛いミスも絡んだ。無死一、二塁で鈴木の三ゴロを大山が弾いた(二塁封殺)。絶対に併殺をとらないといけない"ここイチ"のプレーだ。さらに重盗での原口の二塁送球も、間に合わないタイミングなのに、投げた。普通に守れば最少失点で防げた回のはずだ。  八回はサインミスでの捕逸、九回は投ゴロ併殺のはずが浜地が二塁悪送球し、失点に直結。五回の左前に落ちた打球を二塁打にした高山や平凡な右飛を冷や冷やで捕った島田...。プロとして寂しいプレーが多すぎる。  打撃も然り。1ストライクとられたら追い込まれたように難しい球に手を出し、最後はボールを振って三振。何を狙っているのか。凡打に内容がない。結局、攻守ともに「勝負師」を感じない。"ここイチ"で守り、意図を持って振り抜く-。そんな「勝負師」の姿を見せて欲しい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
55452 0.550
(↑0.005)
-
(-)
41489
(+10)
419
(+9)
132
(+5)
59
(-)
0.262
(↓0.001)
3.830
(↓0.05)
2
(-)
DeNA
55473 0.539
(↑0.004)
1
(-)
38440
(+10)
411
(+6)
116
(+2)
31
(+1)
0.249
(↑0.002)
3.580
(↓0.02)
3
(-)
広島
55483 0.534
(↑0.005)
1.5
(-)
37447
(+11)
420
(+5)
107
(+1)
64
(+2)
0.253
(↑0.001
3.380
(↓0.01)
4
(-)
阪神
47535 0.470
(↓0.005)
8
(↓1)
38384
(+5)
449
(+11)
71
(-)
70
(-)
0.249
(-)
3.640
(↓0.04)
5
(-)
中日
46561 0.451
(↓0.004)
10
(↓1)
40394
(+6)
417
(+10)
66
(+2)
51
(-)
0.260
(-)
3.970
(↓0.06)
6
(-)
ヤクルト
41622 0.398
(↓0.004)
15.5
(↓1)
38469
(+9)
534
(+10)
119
(+2)
42
(+2)
0.241
(↑0.001)
4.610
(↓0.02)