巨人(☆16対4★)阪神 =リーグ戦16回戦(2019.07.28)・東京ドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
11000101041121
巨人
70220401X161613
勝利投手:桜井 俊貴(5勝1敗0S)
敗戦投手:岩田 稔(3勝3敗0S)

本塁打
【阪神】福留 孝介(5号・2回表ソロ)
【巨人】ゲレーロ(9号・1回裏満塁),炭谷 銀仁朗(4号・3回裏2ラン),炭谷 銀仁朗(5号・6回裏満塁)

  DAZN
チケットぴあ 巨人戦チケット予約 阪神戦チケット予約
◆巨人が大勝。巨人は先制を許した直後の1回裏、ゲレーロの満塁弾などで一挙7点を奪い、逆転に成功する。その後も、3回に炭谷が2ランを放つなど攻撃の手を緩めず、終わってみれば16安打で16得点を挙げた。投げては、先発・桜井が7回3失点で今季5勝目。敗れた阪神は、投手陣が崩壊した。

◆巨人桜井俊貴投手(25)は先発で3勝しているが、白星を挙げた球場は楽天生命、メットライフ、甲子園とすべて敵地。 東京ドームでは救援で1勝しているものの、先発ではまだ勝っていない。本拠地で先発初勝利を目指す。

◆巨人炭谷銀仁朗捕手(32)が、5号満塁本塁打を放ち、リードを12点に広げた。8点リードの6回2死満塁、阪神浜地の初球の直球を左中間席に運んだ。 3回の4号2ランに続き、この日2本目のアーチ。満塁本塁打はプロ1年目の06年3月29日ソフトバンク戦のプロ1号以来2度目。6打点も同戦以来2度目で記録づくしの大活躍だった。

◆37歳の誕生日を迎えた巨人亀井善行外野手が、2安打1打点と躍動した。1回に一塁内野安打を放ち、7点リードの4回には適時三塁打で2ケタ得点に乗せた。 「打ったのはストレート。勝ちたい一心。一生懸命走りました」とコメントした。チームが9点をリードし、5回表の守備からベンチに退いた。

◆巨人炭谷銀仁朗捕手(32)が4号2ランを放ち、リードを7点に広げた。 5点リードの3回無死一塁、阪神岩田のツーシームを左中間席に運んだ。6月13日西武戦以来の1発に「今日は絶対に勝たないといけない試合なので、打ててよかった。いい感触で打てました」とコメントした。

◆阪神福留孝介外野手(42)が2回に5号ソロを放ち、NPB通算1000得点に到達した。 6点を追う2回、先頭で打席へ。フルカウントから右翼席にたたき込んだ。鮮やかな弾道に、巨人ナインは1歩も動くことができず。ゆったりとダイヤモンドをまわった。 ▼通算1000得点=福留(阪神) 28日の巨人16回戦(東京ドーム)の2回に得点して達成。プロ野球42人目。初得点は中日時代の99年4月3日の広島2回戦(ナゴヤドーム)。42歳3カ月で達成は13年稲葉(日本ハム)の40歳10カ月を抜く最年長。

◆阪神岩田稔投手が3回8安打9失点(自責8)で降板した。 初回にはゲレーロに満塁弾を浴びるなど7失点。3回にも炭谷に2ランを浴びた。 16日の中日戦(ナゴヤドーム)以来、中11日でのマウンドに「(登板間隔が)空いてる期間でうまく練習できた。それを証明するために結果を出したい」と意気込んでいたが、結果を残すことができなかった。

◆巨人アレックス・ゲレーロ外野手(32)が、来日初の満塁本塁打を放ち、大量リードした。1点を先制された直後の1回、1点を勝ち越し、なおも1死満塁から、中堅バックスクリーン9号本塁打を左へたたき込んだ。 「打ったのはストレート。満塁のチャンスで、いいコンタクトできました。バモス!」とコメントした。 昨季は15本塁打を放ったが、ソロが11本で2ランが4本。本塁打王を獲得した中日時代もソロが多く"ソローロ"とも言われたが、豪快な1発で連敗中の重苦しいムードも消し去った。

◆阪神近本光司外野手(24)が初回に右翼線三塁打を放ち、新人100安打に到達した。16年高山以来、球団史上7人目。 直後の2番糸原の右犠飛で生還。俊足を生かして先制点を奪った。

◆阪神が1回、糸原の犠飛で先制した。巨人は1回に丸の同点適時打、押し出し四球で勝ち越し、ゲレーロの満塁弾で突き放した。 巨人が4回、亀井、岡本の適時打で2点を追加。6回には、炭谷のこの日2本目のアーチとなる満塁弾でリードを12点に広げた。 巨人が、6月9日ロッテ戦以来の2ケタ得点で連敗を4で止めた。先発の桜井は7回3失点で5勝目。阪神は連勝が2で止まった。阪神岩田は3敗目。

◆巨人が大勝して連敗を4で止めた。0-1の1回、ゲレーロの来日3年目で初の満塁本塁打などで一挙7点を奪った。その後も炭谷の満塁を含む2本の本塁打などで加点した。桜井が7回3失点で5勝目。阪神は投手陣が総崩れした。

◆巨人桜井俊貴投手が、東京ドームでの先発初勝利を挙げた。 打線の大量援護に背中を押され、7回3失点で5勝目。先発での過去3勝はビジターだったが、3戦目で本拠地初勝利を飾った。コンビを組んだ炭谷とお立ち台に立ち「すごく気持ちがいいです。野手の方に助けられたのが一番。感謝しています」と話した。

◆完敗ゲームで阪神近本光司外野手(24)が希望を見せた。初回に右翼線三塁打を放ち、シーズン100安打に到達。阪神新人選手の100安打は16年高山以来、球団史上7人目だ。 「今日一日、一打席目をテーマとしています。一打席目に自分の仕事ができてよかったです」 2球目、内角にきた桜井の139キロカットボールに対応した。「ここ2試合、内角を攻められていたので、そのあたりも頭に置きながら」。一塁線を破ると、自慢の快足を生かしてグングン加速。二塁を蹴って一気に三塁を奪った。直後、2番糸原の右犠飛で生還。プレーボールわずか6球で先制点を奪った。 95試合目での100安打については「自分の仕事ができれば、ヒットの本数は関係ないです」と控えめに言った。だがシーズンで換算すると驚異の150安打ペースで、16年新人王の高山がマークした球団新人記録の136本を上回る勢い。1958年(昭33)に長嶋茂雄がマークしたセ・リーグ新人最多の153安打超えも夢ではない。 バットでは存在感を示したが、課題も残った。4回の中堅守備では亀井のライナー性の当たりを後逸。三塁打にしてしまい、失点につながった。「勝負して捕れなかった。練習します」。9回には左腕に死球を受けた。痛がるシーンもあったが試合後は「大丈夫です」と堪えた。多くのことを体で覚えながら前進する。30日からは甲子園に帰り、長期ロード前最後の中日3連戦。仕切り直して、再び逆襲をけん引する覚悟だ。【真柴健】

◆巨人アレックス・ゲレーロ外野手が、来日初の満塁本塁打を放った。1回、1点を勝ち越し、なおも1死満塁から中堅バックスクリーン左に運んだ。 昨季は15本塁打を放ったが、ソロが11本で2ランが4本。本塁打王を獲得した中日時代もソロが多く"ソローロ"とも言われたが、初の満塁弾に「とても気持ちいい」とご満悦だった。

◆巨人岡本和真内野手が、3安打2打点で勝利に貢献した。 同点の1回1死満塁から押し出し四球を選び、勝ち越しに成功。3打席目からは3打席連続安打で5月10日ヤクルト戦での4安打以来の3安打を放った。 状態が上がらず、4番を外れた27日の同戦は7番、この日は6番での出場だったが、前夜の4四死球に続く奮起に、原監督は「そりゃ、いい選手ですから」と評した。

◆いぶし銀が強烈な輝きを放った。巨人炭谷銀仁朗捕手(32)が自己最多タイの6打点と暴れた。3回に中押しの4号2ラン、6回には5号満塁弾でとどめを刺した。 グランドスラム、1試合6打点は、ともに新人イヤーの06年3月29日ソフトバンク戦以来。湿りがちだった打線もスカッと16安打16得点の猛打で連敗を4で止めた。梅雨明けを告げる快勝は原辰徳監督(61)の通算999勝目となり、大台に王手をかけた。下半身からの力が乗り移った。太もも周り63センチの炭谷が、坂本勇から拝借したツートンカラーのバットをブン回した。5点リードの3回無死一塁。阪神岩田の甘く入ったシュートを一振りで捉えた。「早めに追加点を、と思っていた。チームの流れもあるし、何点あっても気を緩めないように」と相手先発を一撃で沈めた。8点リードの6回2死満塁でも、阪神浜地の146キロ直球を左中間席に運び勝利を決定づけた。 06年のプロ1号以来となる満塁弾で1試合6打点も当時以来だ。お立ち台に招かれ「もう忘れました。今日はできすぎ。帰り道で事故をしないように気をつけて帰ります」と本音とジョークを織り交ぜた。4連敗中でベンチ前3カ所に盛り塩をしていただけに「どんな形でも勝つことだけを考えていた」と1戦必勝にこだわった。 繊細さと大胆さを兼ね備える。先発桜井を「チェンジアップとカットボールがいつもほどじゃなかった」と察すると、序盤はカーブを多投させた。コーナーを丁寧に突く配球で若手右腕を好リードした。一方で前カードのヤクルト3連戦中では遠征先の大阪市内の美容室を早朝8時から貸し切って散髪した。「もやもやしてたし、何かを変えたかった。無理を言って、朝早くから開けてくれたことに感謝しています」と頭をスッキリさせた。 監督通算999勝を積み上げた原監督も打棒に敬服した。中押し、ダメ押しの2発に「もう、すごいです。ゲームを支配していくことが大事」と8番打者の攻守の働きを評価。1000勝の大台に王手をかけ「(意識は)全くないですね。明日のジャイアンツの1勝が一番いいですね」としたが、炭谷は「足踏みせず、すぐに決めたい」。2位DeNAとのゲーム差を4・5に広げた1勝を、間髪入れずにメモリアル勝利へとつなげる。【為田聡史】

◆チームトップの打率3割3厘を誇る阪神糸井嘉男外野手(37)が、28日の巨人16回戦(東京ドーム)を欠場した。27日の同カードで6回に右上腕部に死球を受け、7回守備から交代。患部の治療に専念するため午前中に帰阪した。 病院には行っていない。矢野燿大監督(50)は「火曜日から行くつもりではいるけど。それはまた火曜日にならないと分からない」と慎重に話したが、30日の中日戦(甲子園)は出場する見込みという。

◆阪神新助っ人ヤンハービス・ソラーテ内野手は来日3戦目で初めて無安打に終わった。 前日の死球の影響で欠場した糸井に代わり、3番遊撃で出場したが、右腕桜井の前に左打席で内野ゴロ4個。26日の1軍デビュー戦で決勝2ランを放ったが、いまだ左打席は快音がない。それでも「(巨人3連戦は)楽しみながら全力でやれた。しっかり(日本の投手に)対応して、これからいいモノを見せていきたい」と調整過程を強調した。 5回裏からの2イニングは日本で初めて二塁に就き、前日の左翼と合わせて早くも3ポジションを守った。30日からの中日戦は甲子園。大暴れデビューに期待が高まる。

◆阪神が伝統の一戦で屈辱的な大敗を喫し、再び自力Vが消滅した。先発岩田稔投手(35)が初回7失点の大乱調も中継ぎ陣の登板過多で3回まで引っ張らざるを得ず、その後投入した飯田、浜地、高野の3投手も全員打ち込まれた。巨人戦の満塁被弾2本は球団初で16失点も今季ワースト。首位を3連倒して6・5差に迫り、セ・リーグを面白くしたかっただけに矢野燿大監督(50)もがっくりだ。巨人ファンの凱歌が背後から突き刺さる。大敗後、35歳の岩田が責任を一身に受け止めた。東京ドームの階段を上る足取りは重い。「自分をコントロールすることができなかった。ただただ情けない。チームが連勝していた流れを止めてしまって申し訳ない」。中11日の先発は、今季安定していた立ち上がりに失敗。大誤算の初回7失点で早くも勝負は決まってしまった。 プレーボールから27分後の悪夢だった。1回、先制したがすぐに同点と戻され岡本への押し出し四球で勝ち越されて、なおも1死満塁。梅野は内角に構えたが速球は外寄りへ。ゲレーロに逆球を強振されるとバックスクリーン左に届く。痛恨の満塁被弾...。矢野監督も白旗を揚げるしかない。 「よーいどんで7点。しんどすぎた。2つ取ったからこそ今日はウチとしては何としても取りたい試合。あれだけいかれるとね...。なかなか打者も『いくぞ』という形にはなりにくい。その後、また2点取られたんかな。しんどかったね」 前夜は7投手で継投する延長戦を制していた。最近は救援陣をフル回転させ、なるべく温存したい事情がある。岩田は1回に7点を失ったが不用意にリリーフをつぎ込めない。指揮官は「難しいよ」と嘆く。岩田を今季最短の3回9失点であきらめても、まだ仕打ちが待っていた。飯田が2点を失い、浜地もつかまる。6回、炭谷に満塁アーチを浴びた。巨人戦で1試合2発の満塁本塁打を献上するのは、球団史上初めてだ。G戦16失点も01年以来、18年ぶり...。再び自力優勝の可能性が消えてしまい、歴史的な屈辱大敗になった。 7月は8勝11敗1分けで2カ月連続の月間負け越しも決まった。指揮官は「どうしようもない。打つのを待つしかないし、あれだけ点数がある。策って何もできるわけじゃないからさ」とお手上げの黒星だった。不振のメッセンジャーが前日27日に米国へ帰国。先発陣が手薄になり、岩田は次回も先発する方向だ。悔しさをバネにはい上がるしかない。【酒井俊作】 ▽阪神福原投手コーチ(岩田について)「コントロールに苦しんだ。自分の投球が出来ていなかった」 ▽阪神金村投手コーチ(岩田について)「今日は苦しかったけど、次のカードのことを考えても岩田は必要な戦力。切り替えてやってもらうしかない」 ▼阪神の1試合16失点は今季最悪で、14年9月13日広島戦17失点以来、5シーズンぶり。なお巨人戦に限れば01年3月30日17失点以来18年ぶりで、球団史上単独ワースト4位。 ▼阪神の1回の1イニング7失点は、5月17日の広島戦9回、6月8日の日本ハム戦7回の各7失点と並び、今季最多。巨人戦での1イニング7失点は、15年8月19日5回の12失点以来。初回の7失点は、16年8月30日中日戦7失点以来。巨人戦に限ると、98年4月25日の1回表9失点以来、21年ぶりの屈辱となった。

◆42歳の阪神福留孝介外野手が史上最年長でNPB通算1000得点を達成した。 5番左翼で2試合ぶりにスタメン出場。2回第1打席で巨人桜井のチェンジアップを右翼席に運ぶ5号ソロを放った。これが大台到達の一撃で史上42人目。42歳3カ月で達成は13年稲葉(日本ハム)の40歳10カ月を抜く最年長記録となった。「自分だけで出来ることじゃない。周りの人たちがいてくれるからこそ」と感謝を口にした。 4月6日の広島戦(マツダスタジアム)ではNPB通算1000打点を記録しており、「ダブル1000」となった。いずれも本塁打で達成しているところが、勝負強い福留らしい。この日は4回、6回と鋭い打球で右前打を放ち、今季3度目の猛打賞もマーク。矢野監督も「記録のところをホームランで決めたのもさすが。すべての打席で内容も良かった」と最敬礼だ。大敗のなかでベテランの仕事ぶりが光った。【桝井聡】

◆完敗の中、阪神高山俊外野手が2安打1打点で意地を見せた。福留が復帰したが、糸井が前日の死球の影響で欠場したため7番右翼で出場。5回の中前打に続き、12点を追う8回にはクックから左前タイムリーを放った。 「こういう試合でしたけど、僕にとっては大きな1本だった。(試合に)出たときは結果を出すしかない」。 前日は10回サヨナラ負けのピンチで炭谷の大飛球を背走しながら曲芸キャッチ。存在感を高めている。

◆阪神浜地真澄投手は満塁弾を浴び、アピールに失敗した。9点ビハインドの5回から登板。1イニング目は完全投球したが、続投した6回2死満塁から8番炭谷に痛恨の1発を食らった。 併殺崩れから追い込まれ「しっかり投げきらないといけない。あの場面は満塁だったのに簡単にいき過ぎました」と厳しい表情だった。

◆阪神は巨人ゲレーロ、炭谷から1試合2本の満塁本塁打を喫した。 今季4月13日中日戦で、球団史上初の1試合満塁本塁打2本被弾(京田、堂上)を記録したばかり。巨人戦では初の屈辱となった。

◆阪神が伝統の一戦で屈辱的な大敗を喫し、再び自力Vが消滅した。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -27日に投手を多く使った。継投も難しかった うん、難しいよ。 -2、3回の続投はそういう部分も もちろん。 -福留が気を吐いた すべての打席で内容もよかった。続けていってくれたらうれしい。 -糸井の状態は 火曜日(30日中日戦)から行くつもりではいるけど。それはまた火曜日にならないと分からないけどね。 -大事を取った 本人的にもしんどいということやった。それやったら治療して、火曜日から出られる方がいい。

◆巨人アレックス・ゲレーロ外野手が1回、炭谷銀仁朗捕手が6回に満塁本塁打。チーム1試合2本の満塁本塁打は今年の4月13日中日以来で27度目のプロ野球タイ記録。 巨人では06年4月30日中日戦で二岡が2本打って以来2度目となり、1試合で2人は球団史上初めて。ゲレーロは7番、炭谷は8番で出場。打順が7番以下の2人が打ったのは、51年8月15日大洋(9番二塁の宮崎と8番投手の高野)64年3月22日大洋(8番捕手の伊藤と7番左翼の重松)に次いで55年ぶり3度目。 ▼炭谷の満塁本塁打は、プロ1号だった西武時代の06年3月29日ソフトバンク戦以来、13年ぶり2本目。満塁弾のブランクとしては、00年→13年松井(楽天)に並び最長となった。

◆42歳の阪神福留孝介外野手が史上最年長でNPB通算1000得点を達成した。 ▼通算1000得点=福留(阪神) 28日の巨人16回戦(東京ドーム)の2回に得点して達成。プロ野球42人目。初得点は中日時代の99年4月3日の広島2回戦(ナゴヤドーム)。42歳3カ月で達成は13年稲葉(日本ハム)の40歳10カ月を抜く最年長。また、福留は通算1024打点。プロ野球史上28人目の「1000得点&1000打点」ダブル達成となった。

◆阪神の新外国人、ヤンハービス・ソラーテ内野手(32)=前マーリンズ3A傘下=が28日の巨人戦(東京ドーム)に「3番・遊撃」で先発出場。  1軍昇格した26日には決勝2ランを放つと、前日27日にも左翼線への二塁打を放ち、阪神の新外国人では2004年のブラゼル以来となる1軍デビューから2試合連続安打を記録した。  右翼には前日の試合で死球を受け、治療のため帰阪した糸井に代って高山が「7番・右翼」で先発出場。高山は前日の試合で延長十回1死一、二塁のサヨナラのピンチで好守をみせ、チームを救っていた。

◆阪神のD1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が28日、巨人戦(東京ドーム)に「1番・中堅」で出場し、一回に右翼線三塁打を放ち、今季100安打をマークした。  一回、先発・桜井の2球目、甘く入った139キロ変化球を引っ張り、右翼線へ。快足を一気に飛ばし、三塁に到達した。続く糸原の犠飛で生還し、先制のホームを踏んだ。

◆巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(32)が28日、阪神戦(東京ドーム)の一回に来日初となる9号満塁本塁打をマークした。  今カード初戦の29日に昇格した日本球界3年目の大砲は、「7番・左翼」で6月12日以来のスタメンで出場。1点を追う一回、丸の右前適時打、岡本の押し出し四球で逆転した流れに乗り、阪神・岩田がカウント0-2から投じた外角への143キロ直球をバックスクリーン左へほうり込んだ。ゆっくりとダイヤモンドを1周したゲレーロは「満塁のチャンスで、いいコンタクトができました」とコメントした。  昨季は15本塁打を放ったが、ソロが11本で2ランが4本。その割合から「ソローロ」ともいわれたが、今年3月の日本ハムとのオープン戦(甲府)に続くグランドスラム。汚名返上の一発となった。その後、若林にも中前適時打が出て、一回を終わって7-1と大量リードを奪った。

◆阪神・岩田稔投手(35)が28日、巨人戦(東京ドーム)に先発し、一回に満塁本塁打を被弾するなど6安打2四球7失点と炎上した。  1点を先制した直後の一回裏、先頭の若林に遊撃内野安打を許し、犠打で送られると、3番・丸に低めの125キロ変化球を中前にはじき返され、失点。その後も連打を浴び、満塁のピンチを背負うと、岡本には押し出し四球を与えた。続くゲレーロには外角の直球をバックスクリーンに運ばれ、満塁弾を浴びた。その後打者一巡し、中前適時打を打たれ、7失点目を喫した。  今季、一回の最多失点は4月16日のヤクルト戦(松山)でガルシアが記録した5失点。1イニング7失点は今季最多タイで6月8日の日本ハム戦(甲子園)で記録して以来、3度目となった。

◆阪神の福留孝介外野手(42)が28日、巨人戦(東京ドーム)で通算1000得点を達成した。史上42人目。  1-7の二回。先頭で打席に向かうと、カウント3-2から桜井の真ん中にきたフォークを右翼スタンド中段まで運んだ。5月15日の巨人戦(東京ドーム)以来となる今季5号本塁打で大記録を達成した。

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が28日、阪神戦(東京ドーム)で今季最長の13試合連続安打を記録した。  2試合連続で4番に座った主将は、1-1の同点で迎えた一回1死一塁で岩田から中前打。その後のゲレーロの9号満塁本塁打を呼び込んだ。  7-2の大量リードで迎えた二回にも中前打を放ち、打率は・311に上昇。7月10日の阪神戦(甲子園)以降、全試合で安打を放っている。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が28日、巨人戦(東京ドーム)に「4番・三塁」で出場し、三回にセ・リーグワーストの17個目の失策を記録した。  三回無死走者なしでゲレーロの平凡な打球を捕球ミス。急いで拾って一塁に送球したが、間に合わず。直後の炭谷の2ランの引き金となった。  チームの失策数も試合前時点でセ・リーグ1位の77個と課題が浮き彫りになっている。

◆阪神・岩田稔投手(35)が28日、巨人戦(東京ドーム)に先発し、3回78球8安打3四球9失点(自責8)で今季最短KOとなった。  一回にゲレーロに満塁弾を浴びるなど、一挙7失点。三回にも味方の失策で走者を背負うと、炭谷に左中間へ2ランを許した。  阪神の投手が一回に7失点したのは2016年8月30日の中日戦(ナゴヤドーム)での藤浪以来。先発投手が9失点したのは昨年7月3日の中日戦(甲子園)でのメッセンジャー(10失点)以来だ。  今季は前回対戦した5月15日の同戦(東京ドーム)でも3回2/3を投げ、8安打4失点と試合序盤に降板していた。

◆巨人・炭谷銀仁朗捕手(32)が28日、阪神戦(東京ドーム)で4号2ランを放った。  一回にゲレーロの来日初の9号満塁本塁打が飛び出す展開。三回無死一塁で岩田の甘く入った速球を左中間へほうり込み、「きょうは絶対に勝たないといけない試合なので、打てて良かった。いい感触で打てました」とコメントした。  FAで移籍して1年目の今季は、この日がチーム92試合目で、自身は44試合目の出場。本塁打のシーズン最多、西武時代の2014年に記録した7本(125試合)の更新も狙えるペースだ。評価の高い守備面に加え、バットでも貢献している。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(28)が28日、巨人戦(東京ドーム)に「8番・捕手」で3試合ぶりにスタメン出場し、6月20日の楽天戦(甲子園)以来、1カ月ぶりにマルチ安打を記録した。  二回に先発・桜井から中前打を放つと、2-11の六回には2死一、二塁の好機で外角低めをとらえ、中前適時打にした。  タイムリーは7月23日のDeNA戦(甲子園)以来9打席ぶりだ。

◆巨人は2本の満塁本塁打が飛び出すなど16安打16点で阪神に大勝。先発の桜井俊貴投手(25)が7回3失点で5勝目(1敗)を挙げた。チームは連敗を4で止め、原辰徳監督(61)の通算1000勝に王手をかけた。  ヒーローの桜井は「とにかく攻める気持ちだけは忘れず投げました。悪い流れが続いていたので、ここで断ち切れてよかった。(今後も)強気のピッチングをしていきます」と意気込んだ。

◆阪神の福留が二回に5号ソロを放ち、通算1000得点を達成した。桜井の130キロの変化球を狙い澄ましたように振り切り、右翼席へ運ぶ豪快な一発。プロ野球史上42人目の快挙にも「現役でいる以上は通過点でしょう」と淡々と振り返った。  42歳のベテラン。「自分だけでできることではない。感謝したい」とかみしめるように話した。四回に右前打、六回にも右翼フェンス直撃の安打を放ち、今季3度目の1試合3安打をマーク。それでもチームの大敗に笑顔はなかった。

◆巨人の桜井は緩急を巧みに使って要所を締め、7回3失点で5勝目を手にした。9安打を許しながらも四球は与えず「やっぱり大量得点で余裕が出たのが無四球につながった」と援護してくれた打線に感謝した。  投手陣がぴりっとしない中で柱になりつつある。チームの連敗を4で止めた投球に、宮本投手総合コーチは「3ボールになってから粘り強くなった。変化球でストライクを取って、打ち取る粘り強さがある」と称賛した。

◆--岩田は  矢野監督「よーいどんでね。7点やったっけ? というのはちょっとしんどすぎたし、2つ取ったからこそきょうは、うちとしては何としても取りたい試合だったので。あれだけいかれるとね、なかなかバッターも『いくぞ』という形にはなりにくいんで。その後もまだ2点取られたからね。しんどかったね」  --策も  「どうしようもないでしょ。打つのを待つしかないし、あれだけ点差があるんだから。策って何もできるわけじゃないからさ」  --きのう(27日)あれだけ投手をつぎ込んでいると、二回と三回のスイッチも難しい  「難しいよ。もちろん」  --福留が通算1000得点を達成  「1000得点もすごいことやし、内容もしっかりしたものがあった。そういう記録のところでホームランで決めるというのもさすがやと思うし。全ての打席、内容がよかったので。続けていってくれたらうれしいです」  --糸井の状態は  「火曜日(30日、中日戦)からいくつもりではいるけど、それもまた火曜日にならないとわからないけどね」  --ローテーションに空きがあるが、藤浪含めた2軍の力が必要になる  「もちろん、もちろん」

◆ガーン! 4-16って...。この2試合はなんやったんや!!  「一回に満塁ホームラン付きの7点も取られた岩田が悪いー!!」と怒るのは小学生でもできる。東京ドームの記者席で、俺は岩田のKOにこんな空想を巡らせていたのだ。  202X年。阪神ベンチにメッタ打ちを食らった若虎投手が下がってきた。  「ハ~ア、俺もう終わりです」  「何言うとるねん。ここからスタートや!」  「慰めはいいです。阪神のローテ投手だった岩田コーチにボロ雑巾のような気持ち、分かりませんよ!」  「フッ、やられたな~。首位・巨人に2連勝した後の大事な試合の一回に7点奪われ試合を壊してもうたわ」  「岩田コーチが?」  「おい、その試合で俺も満塁本塁打を浴びとるでぇ!!」  「えー!! 今や虎の大エース・浜地さんも...。俺、もう一度立ち向かいます!!」  やがて、その若手投手は球界を代表するエースに成長したのだった...。ク~泣けるぜ。  本日は、そんな未来のドラマのプロローグだったと思い、許したるわ。ドラマ完成のために、岩田も浜地も活躍しまくってくれ-!!

◆こういうタイガースを昔からよく知っている。  宿敵巨人に敵地東京ドームで2連勝して、さあいくぞ、という3戦目にボッコボコにされてしまう。でも限度を超えてるぞ、16失点はない。勢いもどこかへ吹っ飛んでしまった。  前々日、前日と中継ぎ投手陣を総動員して、みんな休ませてあげたいと思っている時に、先発投手が一回に大量失点。またまた出動せざるを得なくなってしまう...。これも"阪神あるある"だけど、岩田よ、ちょっと情けないぞ。  デキの悪い息子のようだとか、そういう脇の甘いところが可愛いんだとか。ファンが虎を甘やかすから、いつまでたっても同じようなことを繰り返すんだ。そう叫んだって、終わった試合が"なかったこと"にはならない。現実をしっかり見つめよう。  満塁本塁打が2発。野球で一番得点が入る"最高の方法"を2度も食らったんだから、仕方ないのかも。  記者席のすぐ隣にいた入社2年目のヤング虎番・菊地峻太朗はクールを装いつつも、複雑な表情をしていた。東京ドームでのプロ野球取材は初めてだから嬉しいのか? それとも阪神が大敗して悲しいのか? どちらでもなかった。  聞けば巨人ファンだとか。高橋由伸が大好きだという。横浜の実家のすぐそばに慶大のグラウンドがあって、現役時代の由伸選手はそこで自主トレをしていて、何度も見に行ったらしい。  東京ドームの右翼スタンドから声を枯らしたことも何度も。昨年10月の由伸監督ラストゲームも甲子園に駆け付けた。たまたま仕事がオフだったとか。  「甲子園の左翼スタンド前まで最後の挨拶にきてくれた由伸監督に感激して。同じ試合で、岡本が3割30発100打点を決めたシーンも焼き付いています」  相当な巨人ファンみたいだ。  「東京ドームの外野席は、スタンドの一番上に座っていても本塁打は飛んできます。それも楽しいんですよ」  この日の巨人ファンの気持ちまで代弁してくれた。じゃ、このボロ勝ち、嬉しいんだな?  「いえ、応援に来た時は巨人ファンですが、今は阪神担当ですから」  だから、複雑な顔だったわけだ。  それにしても、改めて「東京ドームのG党を喜ばせる本塁打」の威力を見せつけられた試合だった。  ふと思うのは来シーズン。先日発表された来季日程によると、東京五輪で横浜スタジアム、神宮球場が使用できない時期の試合が代替球場で開始される。阪神はDeNA戦が3試合、ヤクルト戦が6試合、東京ドームで行われる予定。もちろん、巨人戦12試合も東京ドーム開催だから、来季143試合のうちの21試合が、この日戦った舞台となる。こうなると、東京ドーム対策は最優先事項だ。  この3連戦、阪神が放った本塁打は3本。この日が福留。前日がマルテ。初戦はソラーテ。若手がいないんだよなぁ。来季も同じ助っ人コンビなのか、それとも新助っ人が来るのか。とるなら飛ばすヤツをとってこい。何なら打者3人助っ人打線だっていいかも。  来年のことを考えてしまう、東京ドーム3連戦だった。

◆炭谷が六回、高卒1年目の2006年に放ったプロ1号以来の満塁弾となる今季5号を左中間席にほうり込んだ。三回の左中間への2ランと合わせて2発、6打点の大暴れに「出来過ぎだと思うので、帰りに事故しないよう気を付けます」と笑った。前日から坂本勇にバットを借り、2試合連続で安打をマークと絶好調だ。

◆何度も何度も自らの太ももをたたいた。必死に冷静さを取り戻そうとした。だが、状況は悪化するばかり...。先発の岩田が一回にいきなり7失点するなど、自己ワーストの9失点。制球が定まらず、何とか投げたストライクは、簡単に外野にはじき飛ばされた。  「自分をコントロールすることができず、ただただ、情けないです」  プロ14年のキャリアの中でも、経験のない大炎上だった。一回1死二塁から丸の先制打を含む3連打。さらに満塁から岡本に押し出し四球を与えると、ゲレーロにはトドメの満弾を献上だ。  一回から6安打2四球に2暴投も絡んで、7失点。あまりに悲惨な内容に、二回2死一塁の攻撃でそのまま打席に立つと、左翼席を埋めた虎党からは、激しい怒号が飛び交うほどだった。  三回に炭谷に2ランを浴び、結局3回78球、8被安打で壮絶KOだ。前日は延長11回、8投手での執念リレーで接戦を制し、2連勝。この日は先発が踏ん張らなければいけない状況だったが...。ベテランの乱調は"歴史的投壊"に直結した。  救援登板した3投手も全員失点し、5年ぶり、巨人戦では18年ぶりとなる16失点。3番手の浜地が六回に炭谷に満弾を浴び、伝統の一戦で1試合に2本のグランドスラムを許すのは、球団史上初の屈辱となった。  岩田は4月中旬から先発ローテを守り、試合前まで登板3試合連続でクオリティースタート(6回以上を3失点以内)を達成するなど抜群の安定感をみせてきたが...。前回16日の中日戦(ナゴヤドーム)から中12日と間隔が空いての登板に難しさもあったのか。ただ、メッセンジャーが27日に一時帰国するなど台所事情は苦しく、金村投手コーチは「これまで(の投球内容)を考えても、次のカードのことを考えても、必要な戦力。切り替えてやってもらうしかない」と、次回も先発を託すことを示唆した。  「チームが連勝で来ている流れを止めてしまったので申し訳ないです」  険しい表情で言葉を絞り出し、敗戦の責任を背負った。このままでは終われない。ローテ通りなら次は8月4日の広島戦(マツダ)。本来の岩田の姿を見せて欲しい。 (箭内桃子) 岩田について阪神・福原投手コーチ 「コントロールに苦しんで、自分のピッチングができなかった」

◆ベテランの不屈の闘志に続け! 阪神は首位巨人に今季ワーストの16失点で大敗。同一カード3連勝を逃し、自力優勝の可能性は再び消滅した。それでも福留孝介外野手(42)が二回に5号ソロを放ち、NPB通算1000得点を史上最年長で達成。一方的な展開の中、今季3度目の猛打賞でナインを激しく鼓舞した。  その心は、決して折れない。魂を込めた一撃で福留が大きな節目に到達した。42歳となっても変わることのない美しく、強い放物線で、ナインに戦う姿勢を示し続けた。  「全員が、こういう試合をしたいと思っているわけじゃないので」  2本の満塁弾を浴びるなど今季ワースト、巨人戦では暗黒時代の2001年以来、18年ぶりの16失点。屈辱的な大敗で自力優勝の可能性も再び消滅したが、試合後は前を向いて言葉を紡いだ。  1点を先制した一回に岩田が7失点。矢野監督が「なかなか打者も『いくぞ』となりにくい」と話すほど、重いムードが漂う二回。先頭だった。主軸の糸井を死球の影響で欠くなか、2試合ぶりに先発出場した42歳が、フルカウントから桜井のフォークを一閃した。  右翼・亀井は一歩も動けない。5月15日以来の特大5号ソロ。ホームベースをゆっくりと踏み、史上42人目のNPB通算1000得点だ。ベンチ前でパネルを受け取り、左翼席の阪神ファンに掲げた。思えば4月6日の広島戦(マツダ)、NPB通算1000打点も2-10の八回に1号ソロで決めた。チームが苦しいときこそ雄弁になる。それが福留のバットだ。  「(得点は)自分だけではできることじゃない。周りの人たちがいてくれるからこそ、そういう人たちに感謝したい」  42歳3カ月での到達は稲葉篤紀(日本ハム)の40歳10カ月を更新する最年長記録。真っ先に感謝の言葉が出てくることも、福留らしかった。  言動の全てが手本であり、道しるべとなる。ふくらはぎの痛みが再発し、6月22日に抹消。今月23日の再昇格までの1カ月間、若虎と汗を流した。4日の鳴尾浜での残留練習。ブルペン投球を行う青柳に対し、おもむろに打席へと立った。  「内角のボールゾーンからストライクになったら(左打者は)内角のボール球も打ちにいかないといけないから、嫌なボールになるんじゃない?」。主に左打者の外角に投じていたシュート系のツーシームを内角にも投げられれば、投球の幅が広がると伝えた。「ありがたいことです」と青柳。いつ、どこにいても虎を成長させる責任を、胸に秘めている。  ワンサイドゲームの中で四回に右前打、六回にも右翼フェンス直撃の安打を放ち、2カ月ぶり、今季3度目の猛打賞。矢野監督も「内容もしっかりしたものがあった。記録のところでホームランで決めるというのもさすが」と最敬礼した。  「野球を続けている以上、(1000得点も)通過点にしたいです」  連勝は2で止まり、2カ月連続の月間負け越しも決定。借金は4、残り48試合で巨人とは再び8・5ゲーム差。だが、あきらめない。可能性がある限り、不屈の男は走り続ける。(竹村岳)

◆巨人は28日、阪神16回戦(東京ドーム)に16-4で大勝し、連敗を「4」で止めた。アレックス・ゲレーロ外野手(35)が、一回に来日3年目で初となる9号満塁本塁打を放つと、六回には炭谷銀仁朗捕手(32)も左中間席への5号満塁弾で、2006年以来、13年ぶりの1試合2本のグランドスラムが飛び出した。原辰徳監督(61)は通算999勝目。史上13人目の大台到達に王手をかけ、2位・DeNAと4・5ゲーム差に広げた。  大歓声と観衆の視線をかみしめるように、ゆっくりとダイヤモンドを1周した。一回、岡本の押し出し四球で2-1と勝ち越した逆転した直後の1死満塁。ゲレーロが阪神先発・岩田の甘い143キロ直球をバックスクリーン左へ運んだ。  「ベリーグッド!! ショートスイングで芯に当てることを心がけたよ」  中日時代の2017年に本塁打王(35本)に輝いた大砲が4連敗中のチームを救い、16得点の猛攻に号砲を鳴らした。  来日3年目で初の満塁本塁打だ。昨季は15本塁打のうち11本がソロ。勝負強さを欠き、ネット上では「ソローロ」とも揶揄(やゆ)されていたが、これで汚名返上だ。  カード初戦の26日に昇格し、この日は「7番・左翼」で6月12日の西武戦(メットライフ)以来のスタメンだった。起用に応えた助っ人に、原監督も「ゲレーロのホームランが大きい」と賛辞を贈った。就任早々の昨秋に米国滞在中のゲレーロへ「アドバイスがある」とメールを送り、2月の宮崎キャンプ初日には鏡のある部屋で個別指導を行った。気にかけてきた助っ人の活躍で、2012年の楽天・星野仙一監督(故人)以来13人目の通算1000勝に王手をかけた。  六回には炭谷にも5号満塁弾が飛び出し、2016年以来、13年ぶりの1試合2本の満塁弾などで、今季4度目の2桁得点で阪神を粉砕した。24日のヤクルト戦から始まった連敗を4で止めた。  指揮官は母校の後輩たちにも刺激された。母校・東海大相模が日大藤沢に24-1で大勝。自身の高校時代(1976年)に作った神奈川大会決勝の最多得点を塗り替え、4年ぶりとなる夏の甲子園出場を決めた。  高校時代に4度、聖地の土を踏んだ指揮官は「やっぱりこのシーズンは、母校の活躍を誰もが望んでいる」と喜び、「わが軍も東海大相模ほどは取れなかったけど、きょうは東海大相模にあやかってね」と、打線爆発にご満悦だった。  2位・DeNAとのゲーム差は4・5。30日からは、19-21日に3連敗を喫した広島との3連戦(東京ドーム)だ。最近9試合で1勝8敗と失速していたムードを吹っ飛ばす快勝で、原巨人は勢いづく。 (谷川直之)

◆敵地での巨人戦同一カード3連勝を、大敗で逃した阪神。通算465本塁打で、西武、中日などでコーチを歴任した土井正博氏(75)=サンケイスポーツ専属評論家=は、新外国人のヤンハービス・ソラーテ内野手(32)を2番に固定しての巻き返し策を提案した。そのココロは「ジックリと日本野球に慣れてもらうため」だ。  ちょっと残念な大敗だったが、巨人3連戦で新外国人のソラーテがいい滑り出しをしたのは収穫だろう。この日はノーヒットだったが、左右打席ともに目線がブレない。上体が突っ込んでいくこともない。前で球を拾える。これだけをみても、マルテよりかなり上の成績が見込める。  内外野どこでも守れるスイッチヒッターということで、左右の打撃はどうか、各ポジションでの守りがどのレベルか、見極めるポイントが通常の助っ人より多いのは事実。しかもシーズン途中の補強で時間もない。3連戦で毎日、打順が変わり、守備位置も3つのポジションを守ることになった。  ただ、ここからはまずは打順は固定すべきだ。いい滑り出しをしたのは事実だが、まだ日本の投手に慣れていない。相手も研究してくる。未知の世界に飛び込んできたわけだから、落ち着いて、考える時間を持ちながら打席に臨ませたい。そのための固定。私なら2番を薦める。  糸井の死球の影響、福留の休養日など、気になる要素もあるが、得点力不足に苦しむ阪神が浮上するには、攻撃的な打線を組むしかない。バントのない2番として、今のソラーテなら対応してくれそうな雰囲気はある。矢野監督にも攻撃的に戦ってもらいたい。  そういう意味で惜しまれたのはこの日の二回2死一塁。岩田に代打を送らなかった点だ。救援投手を酷使できないなど、チーム事情は理解する。ただ、岩田の状態があまりに悪かったこと。巨人先発・桜井も決して良くなかったことなどを考慮して、攻めて欲しかった。巨人に連勝して勢いが付いていただけに、もったいない。  攻めの姿勢を忘れなければ、まだ十分に巻き返せる。 (サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
52391 0.571
(↑0.004)
-
(-)
51446
(+16)
369
(+4)
120
(+3)
56
(-)
0.266
(↑0.002
3.730
(-)
2
(-)
DeNA
48443 0.522
(↓0.005)
4.5
(↓1)
48396
(+2)
375
(+4)
109
(+1)
28
(-)
0.247
(↓0.001)
3.590
(-)
3
(-)
広島
48453 0.516
(↑0.005)
5
(-)
47390
(+12)
385
(+5)
94
(+1)
56
(+2)
0.250
(↑0.002)
3.460
(↓0.02)
4
(-)
阪神
43475 0.478
(↓0.005)
8.5
(↓1)
48348
(+4)
391
(+16)
63
(+1)
63
(-)
0.248
(↑0.001
3.510
(↓0.11)
5
(-)
中日
42510 0.452
(↑0.006)
11
(-)
50352
(+4)
368
(+2)
54
(-)
49
(+2)
0.259
(-)
3.880
(↑0.02)
6
(-)
ヤクルト
37562 0.398
(↓0.004)
16
(↓1)
48418
(+5)
489
(+12)
101
(+1)
38
(-)
0.239
(-)
4.710
(↓0.08)