阪神(☆1対0★)広島 =リーグ戦15回戦(2019.07.07)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
00000010X1500
勝利投手:髙橋 遥人(2勝2敗0S)
(セーブ:ドリス(3勝3敗18S))
敗戦投手:床田 寛樹(5勝5敗0S)
  DAZN
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◆阪神が同一カード3連勝。阪神は両軍無得点のまま迎えた7回裏、無死一塁から大山が適時二塁打を放ち、試合の均衡を破る。投げては、先発・高橋遥が8回無失点の快投で今季2勝目。敗れた広島は、先発・床田が好投するも打線が援護できず、泥沼の8連敗を喫した。

◆阪神大山悠輔内野手(24)の今季広島戦は59打数13安打、打率2割2分。同一リーグ内ではカード別最低打率で、広島戦は6月2日から10打席連続で安打が出ていない。今日は苦手相手から安打を放って、チームの連勝に貢献できるか。

◆阪神の4番大山悠輔内野手が送りバントの指令後に意地の先制打を放った。 両チーム無得点で迎えた7回無死一塁。初球、2球目と送りバントのサインが出たが、ともにファウルで失敗。それでも最後はフルカウントから左中間に適時二塁打を決めた。 「打ったのはツーシーム。本来はしっかりバントを決めなければならない場面でしたが、切り替えて目の前のボールに集中しました。(高橋)遥人も頑張ってくれているので、先制することができてよかったです」と振り返った。

◆阪神は1回に無死一、二塁としたが糸井が併殺打、大山が三振に倒れ、3回まで1安打無得点。広島は3回まで毎回安打も無得点。 阪神の先発高橋遥は6回まで4安打、広島の先発床田は6回まで3安打。ともに長打と連打を許さず、両軍無得点で終盤に入った。 阪神は7回に大山の適時二塁打で均衡を破り、継投で1点を守りきって3連勝。高橋遥人は2勝目。広島は打線が振るわず8連敗。床田は5敗目。

◆広島がかみ合わない。先発床田が7回1失点と好投した阪神戦で、今季4度目の完封負け。5年ぶりの8連敗となり、DeNAと入れ替わりで5月11日以来の4位に転落した。 高橋遥の迫力満点の投球に歯が立たなかった。5月の快進撃を支えた野間を1番に復帰させ、菊池涼を本来の2番に戻したが、打順の問題以前に安打が出ない。菊池涼が1安打、小窪が2安打、投手床田が1安打の計4安打。緒方監督は「ある意味、自分の中では理想とするところのオーダー」と話したが「これだけ安打が出ていないことももちろんだけど、つかまえきれなかった」と話した。 球宴休みまで残り3戦。立て直しのめどだけは立てておきたい。4打数0安打の野間は「一丸となって勝てるようにやっていきたい」と語った。落ち込んでいる暇はない。すべてをかけ、目の前の中日戦に臨む。

◆阪神ラファエル・ドリス投手が9回を3人で片付け、広島3連戦を3連続セーブで締めた。「いつもの仕事をするため先頭を出さないよう集中した」と先頭の野間を遊ゴロに打ち取り、菊池涼と西川はともに空振り三振に仕留めた。 リーグ最多18セーブの守護神は、チーム最多37試合登板とフル稼働中。今後に向けて「腕の状態を保ちたい」と涼しい顔で、巨人戦も頼りになりそうだ。

◆広島がBクラスに転落した。先発床田寛樹投手(24)が7回5安打1失点と好投しながら、打線が阪神先発高橋遥に抑え込まれ、今季4度目の完封負け。5年ぶりの8連敗となり、DeNAと入れ替わりで4位に後退した。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。   -高橋遥がよすぎた 緒方監督 これだけ安打が出ていないことももちろんだけど、つかまえきれなかった。下位のところで安打が出た場面もあったけど、そこでコントロールを乱さなかった。 -打順の問題ではない 緒方監督 ある意味、打線的には、自分の中では理想とするところのオーダー。ただ、選手の状態だとかそういうところも考えて、こっちが今日の結果に対してしっかり反省して...。戦いはまた、続くんだから。 -床田が粘投 緒方監督 粘って投げていた。集中力を切らさず、最小失点で投げきってくれた。ナイス粘り、ナイスピッチング。

◆阪神は走塁の判断ミスで追加点の好機がつぶれた。7回、大山の適時二塁打で先制し、なおも無死二塁。 マルテの打球を投手床田が捕球し、飛び出した二塁走者大山が挟まれてアウト。その間に二塁を狙ったマルテも中途半端な走塁でタッチアウトに。矢野監督は「まずは悠輔が。ノーアウトなんで。ワンアウトだったらいいんですけど。難しい判断なんですよ。マルテは中途半端に行くなら、行かないといけないし。判断が良くなかった」と振り返った。   阪神筒井外野守備走塁コーチ(7回のマルテの走塁について)「(大山が二塁へ帰塁するかどうかを)ジャッジメントする位置が遠かった。(走塁について)もっと話していきます」

◆阪神梅野隆太郎捕手が左手甲を痛めて、ヒヤリとする場面があった。7回2死で床田の直球をファウルした後、治療でいったんベンチに下がった。その後は打席に戻り、三ゴロ。以降も交代することなく、最後までマスクを被った。 痛めた場面に「(バットを持つ手が)滑ってひねった」と話した。矢野監督は今後の起用について「明日はちょっと、現状ではまだ分からない。まだ試合中は『行く』って言ってたんだけど」と、慎重な姿勢だった。

◆阪神糸井嘉男外野手が激走で決勝のホームを踏んだ。7回、先頭打者として中前安打。続く大山の左中間の当たりで、スタート切っていた糸井は一気に三塁を蹴って生還した。 4回にも中安を放っておりマルチ安打の活躍。試合後は好投の左腕をねぎらって「今日は(高橋)遥人でしょ」とコメントを残した。今カードは12打数6安打5打点と存在感を示し、3連勝に貢献した。

◆阪神近本光司外野手が今季23本目の内野安打で5試合連続安打とした。 初回、床田の直球をたたきつけると打球は二塁左へ。快速を飛ばして一塁を駆け抜けた。「(出塁が)自分の仕事なので。(今後も)ヒットだけじゃなくていろんな形で出塁していきます」。6回の打席は一ゴロとなったが、鋭い当たりに復調気配を感じさせる。首位巨人との3連戦に向けては「しっかり自分のやることをやっていきたい」と力を込めた。

◆G迎撃の態勢は整った! 阪神高橋遥人投手(23)が広島打線から9三振を奪い、8回4安打無失点に抑えた。同一カード3連勝に貢献し、5月30日巨人戦以来の2勝目。チームは2位を守った。8日から首位巨人を甲子園に迎え、前半戦最後のカードに臨む。宿敵の独走は許さない。心から楽しんだ114球だった。甲子園のマウンドで、高橋遥が躍動した。自己最長となる8回を投げ、4安打無失点。無四球9奪三振と会心の投球で、広島打線を封じた。「先頭を出さないこと、ツーアウトになっても気を抜かないこと。ランナーを出してからも粘るという意識を、いつもしている。それができたから、こういう結果になったと思います」。 力のある直球に、スライダーを中心に変化球をコーナーに散らした。5月30日以来となる今季2勝目。「何よりも、8回を114球で無四球だったのが1番良かったです」とお立ち台で笑みがはじけた。 長くつらい時期を乗り越え、こうつぶやいたことがあった。「自分なんて、まだまだ。でも、やっぱりマウンドで投げられるのは楽しいです...。(昨年に)ケガした時に思ったんです。ああ、野球できるっていいな。うらやましいなあ...って」。プロ初登板初先発した昨年4月11日広島戦(甲子園)で7回無失点に抑えて初勝利を挙げた。最高のデビューだったが、思わぬアクシデントが待っていた。同6月10日ロッテ戦(甲子園)で敗戦投手になったが、この試合中にマウンド上で異変が起きていた。「投げた瞬間に、肘からミシって音がしたんですよね。あ、やっちゃったな...って。ここでマウンドを降りたら、次のチャンスがもらえないんじゃないかと焦ってしまって...」。 プロ1年目は左肩のコンディション不良や左肘痛とケガに泣いた。鮮烈デビューから一転し、リハビリ生活。鳴尾浜球場でキャッチボールする投手陣を横目に、1人グラウンドを走るだけ。ボールを投げることができない状態で、下半身強化に取り組むしかなかった。ふと思った。「投げられないってことが、こんなにつらいなんて。人生で初めて知りました。腕を上げるだけで引っかかる感覚があって、怖かったんです」。今は、怖いモノはない。「(梅野さんから)思い切って攻めてこいって。絶対に逃げるなよとも言われたので思い切って投げました。100点です!」。耐えて、道が開けた。若き左腕は先発ローテーションに欠かせない存在になった。【真柴健】

◆矢野阪神の代名詞とも言えるガッツポーズは出なかった。7回無死一塁。阪神大山悠輔内野手(24)が左中間を破る決勝のタイムリー二塁打を放った。ベース上で、厳しい表情を見せた。 「本来は、しっかりバントを決めなければいけない場面。ミスを取り返す気持ちで、なんとか食らいついて打ち返しました」。4番が見せた意地の一打だった。 決勝打の直前、甲子園にどよめきが起きていた。先頭打者の糸井が中前打で出塁。続く大山の初球だ。バットを寝かせて、バントを試みた。ファウルで失敗。2球目も同様だ。矢野監督が今季初めて4番大山に送りバントの指示を出した。「4番やから打たせたい。でも遥人にも勝ちをつける。チームにも勝ちをつけるためにはバントで送るということが大事だと思った。これからもそういう場面があれば、そういうこともある」。指揮官は平然と言い切った。6日には先発青柳を4回途中で非情交代。前半戦の最終盤で、勝利にこだわるタクトを連発した。 大山は2度、送りバントに失敗した。しかしフルカウントから快音を響かせる。そこに4番の悔しさと意地が交錯していた。「バントが出た瞬間は悔しい気持ちもあった。サインが出たときは、しっかり決めないといけない。ミスは減らさないと...」。そして二塁ベース上で、厳しい表情を崩さなかったことを問われると、「次のプレーに集中していたので...。(ミスを)取り返せたのはプラスになる。その気持ちを忘れてはいけない」と心中を語った。 ロースコアの接戦を制し、8日から首位巨人との3連戦。矢野監督は言った。「2勝1敗と3連勝じゃ全然違う。ジャイアンツも突っ走っているんで。うちらしい戦いをするだけですし、3つ全部勝つつもりで、明日から頑張っていきたい」。若き左腕が好投し、4番が決めた。広島に3連勝し、最高の形で球宴前最後のカードに臨む。【真柴健】 ▼阪神の先発4番打者が送りバントを記録していれば、17年6月15日西武戦10回の福留以来だった。もっとも福留はセーフティーバントを試みて結果が犠打に。サインによる犠打となると、12年8月23日中日戦8回に新井良が決めて以来となるところだった。

◆広島床田寛樹投手がまた勝ちに見放された。阪神を7回1失点に抑えたが、援護なく5敗目。6月20日ロッテ戦、同30日DeNAはいずれも勝利投手の権利を持って降板しながら救援が打たれ、勝ちが消えている。不運が際立つが「チームが勝たないと意味がない。ゲームはつくれたけど接戦で抑えられるようにしないと」と自らを責めた。佐々岡投手コーチは「7回1失点は責められない」とかばった。

◆阪神高橋遥が広島打線から9三振を奪い、8回4安打無失点に抑えた。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -投手戦を制した 矢野監督 今日はどうしても勝ちたかった。遥人にもね。あの投球なんで、勝ちがつきましたし。3連勝して、明日からジャイアンツを迎えられる。結果的に最高の形になりました。 -高橋遥は自己最長の8回 矢野監督 ずっと勝てるような投球をしてくれてたし、気持ち的には最後まで行かせたい思いはあったんですけど...。球数も増えてしまったんでね。これだけ一定の間隔で投げるのも初めてだし、内容も素晴らしい投球で。良かったです。 -球数次第では完投を 矢野監督 もちろん、俺は行きたいなって思ったんだけど。後ろのピッチャーも連投にもなっていたし、もちろんドリスも連投なんだけど、そういうところでは気持ち的には任せたいと思った。ただ球数も増えていたし、気持ち的にも目いっぱいでいっている感じだったんで、迷ったんだけど、代えました。 -大山にバントを指示 矢野監督 悠輔にはね。大事なところでは、クライマックスや日本シリーズでも、そういう場面はもちろんあるし。俺もバント出すよということは伝えているんでね。僕にとってはびっくりすることじゃないんだけど、初めてのことなのでね、みなさんはびっくりしたかもしれませんが、その後ね、よく取り返してくれました。

◆広島・床田寛樹投手が阪神戦に先発し、七回5安打1失点で5敗目(5勝)を喫したチームは零封負けで引き分けを挟んで8連敗。借金は「2」となり4位に転落した。広島の8連敗は2014年6月に9連敗して以来5年ぶり。  先発の床田は 六回まで無失点の好投。しかし0-0で迎えた七回、無死一塁から大山に左中間へ適時二塁打を浴び先制点を許した。  打線は阪神先発の高橋遥を攻略できず、散発4安打で左腕を援護することが出来なかった。

◆投手戦による均衡を破ったのは阪神の4番大山だった。0-0の七回、床田から左中間に二塁打を運び、一塁から糸井が生還した。10打席連続無安打で迎えたこの回、初球から2球続けてバントを試みて失敗。それでもフルカウントに持ち込み、快打を放った。  意地を見せても塁上で笑顔はなく、「本来はしっかりバントを決めなければならない場面だったが、切り替えて目の前のボールに集中した。先制することができて良かった」と振り返った。

◆2014年6月以来、約5年ぶりの8連敗(1分け挟む)で4位に転落した。先発の床田が7回5安打1失点と奮闘も、打線が阪神先発、高橋遥の前にわずか4安打で5月7日以来の零敗。緒方監督は「結果に対して、反省するところは反省してやっていく」と必死に前を向いた。 7回5安打1失点の好投も5敗目を喫した広島・床田 「いい投球をしてもチームが勝てないと意味がない」

◆『勝ってかぶとの緒を締めサバ?』というコトで、リーグ3連覇中の広島にわが阪神が、よもやの3連勝をしたけれど、俺はキュウキュウ締めるのだ!! と、言っても8回を被安打4で無失点ピッチングをした若虎・高橋遥人の好投には脱帽。次こそプロ初完封を決めてくれ!!  さ、では締めたろうかア!! 七回、0-0の無死一塁で4番・大山に矢野監督は送りバントのサイン。さあ、全国の虎党の皆さん、これを結果はともかく、どう思いました? 〔1〕4番にバントをさせるような小さなチームをつくってどないすんねん!? 〔2〕4番だろうが打線が弱いんだからバントは当たり前!? さあ、皆さんの答えはいかに? では、俺のファイナルアンサーは「4番を任せるって言ったんだから打たせんかい!!」と大山はバットマンとして怒れー! ただし、キチンとバントを決めてからや。バント失敗の後の虎の子の決勝二塁打はうれしくないと言ったらウソになるけれど、本日はたまたまだと思わないと...。気が付けば、2年連続の最下位になるでェ!! 一番、野球がヘタッピ(昨年最下位)なことを忘れずに基本&チャレンジや!!

◆1点あれば十分!! 阪神・高橋遥人投手(23)が広島戦に先発し、プロ最長の8回を投げて4安打無失点。二回以降、二塁を踏ませない圧巻の投球で5試合ぶりとなる今季2勝目を挙げた。  高橋遥の父・智太郎さん(59)は静岡市の自宅でテレビ観戦。家族とともに愛息の投球を見守った。5試合ぶりとなる勝利に「よく頑張ってくれたと思う」とねぎらうと、続けて「たいしたもんだよ」と大喜び。勝利の美酒に酔いしれた。

◆ムシ暑い! 当たり前のグチをいうなと思われるでしょうが...どうしても口をついて出るセリフは暑い!  このところ高校野球は地方大会が始まり、着々と甲子園に向かって球児たちの青春が新しいページをかき込んでいく。何しろ1回戦ボーイだったから我が母校なんかは自慢じゃないが甲子園のコの字も話題にならなかったもんなぁ...。ま、文句いわず黙ってシコシコときょうも編集局の窓際で「虎ソナ」を書こう...それにしちゃあ序盤にカープにペースをあわせてトホホなゼロ行進ですヮ。何を遠慮しとるんや...え。  この日は高校野球担当の須藤佳裕記者から電話が入った。須藤は滋賀の近江高で軟式野球部にいた。当然ながら阪神ファンで龍谷大からサンスポに飛び込んできたから、現在はあちこちの高校野球を取材しながらタイガースが気になって仕方がない状態なのである。  「昨日はセンバツ優勝の東邦を愛知で取材してまして、きょうは九州の飯塚に移動して本日は福岡大会で近大福岡の2回戦を取材してマス...」  つまりこれもまた大澤運動部長の「働き方改革」の流れでもうフル回転なのですが、実はこの近大福岡高には城島健司捕手(阪神でも2010年から3年間活躍)の息子さんがいるというので須藤記者はかけつけた次第なのだ。  「これがアノ城島さんにそっくりの大型内野手なんですが...」とそこで少し口ごもった。詳しくは須藤の記事をよんでいただきたいのですが、何しろ城島捕手といえば大型捕手でたくましかったから...そっくりならばワクワクしてきたのですが...「実は息子さんは将来は♪包丁1本さらしにまいて...つまり野球にはすすまないらしいのです...」とのこと。エッ、そんなもったいない...と思った。パパ城島氏もそのへんは了解事項? らしくて、貧打にあえぐ我が虎には"城島2世"がノッシノッシと...なんてことをチラッと夢をみてドキドキしたんだけど...残念。  もうなんでもかんでも『強打』に結びつけるのはだれでもいいから虎に集まれ! という"飢餓状態"が深刻なんです。  とにかく高校野球を取材しながら須藤にはナントか2世というDNAをもった素材をビシバシにさがしてくれい。  滋賀出身といえば竹村岳記者。彼の親友で役者を目指している青森出身の奈良敬一郎さん(24)がこの日、所属劇団が決まったらしい。「『劇団空白ゲノム』というところです。共通の憧れている人を通して知り合って、同じ志を持つ仲間なんですよ。あいつなら大丈夫です。自分も負けないよう、もっといい原稿を書かないと。おめでとう、敬一郎!」という。その話を竹村としていた時は試合は0-0で七回、糸井がヒットで出て4番大山に打席が回り、なんと矢野監督はバントのサイン...それほど床田に苦しんでいた。  この4番のバント...の背負ったものはズシリと重い。だが大山はそのバントを失敗して...追い詰められてから...左中間に先制二塁打! 糸井がやっとホームを踏む。  やった! それまでどれだけイライラがたまっていたことか...イッキにいけとおもったらそのあとのマルテの凡打と大山の走塁も...結局タッタの1点。"拙走"あって消化不良の1点...この"燃え残り感"がどうもひっかかる。  この日、球団はトレードで獲得の高野圭佑投手の入団会見。それに新外国人ソラーテ内野手の補強も発表した。  気がつくと高橋遥人の快刀乱麻にしびれ、矢野さい配に驚いたこの夜は「七夕様」...竹村はイの一番に55歳になった清水雅治ヘッドに「おめでとうございますッ」とお祝い。清水ヘッドはちょっと驚いたけどニッコリ...実は竹村の母・京子さんと同じ年なので彼は絶対に清水ヘッドのソノ日は忘れないわけだ。おめでとう!

◆--大山にバントを指示  矢野監督「悠輔(大山)にはね。大事なところでは、クライマックスや日本シリーズでも、そういう場面はもちろんあるし。俺はバント出すよ、ということはもちろん伝えてるんでね」  --その後のエンドランが決まった  「それは悠輔がしっかり打って、嘉男(糸井)が走ったことだけなんで。エンドランと言うより、作戦と言うより。あまり関係ないかな。そこは」  --マルテは走塁ミスが  「まあ~ねぇ。まずは悠輔が。ノーアウトなんで。ワンアウトだったらいいんですけど。難しい判断なんですよ、速い打球で。まずは悠輔が。マルテは中途半端にいくなら、いかないといけないし。判断が良くなかったかなと思います」

◆糸井が激走で決勝のホームを踏んだ。七回先頭、中前打で出塁すると、大山の左中間を破る打球で一気に生還した。四回1死にも中前打を放ち、3試合連続の複数安打で7月は打率・360。絶好調だった6月の勢いそのままに、調子をあげている超人。「きょうは(高橋)遥人でしょ、遥人」とヒーローを称え、クラブハウスへと引き揚げた。

◆聖地が一瞬静まりかえった。梅野が七回の攻撃で2死走者なしから3球目をフルスイング。すると顔をしかめてしゃがみ込んだ。左手首をひねったようで、ベンチに下がって治療してから再出場。試合後、「すべって捻った感じです」と説明した。矢野監督は「明日はちょっと現状ではまだ分からない。試合中はいくっていったんだけど」と心配そうな顔を浮かべ、巨人戦の出場の可否は当日の判断となりそうだ。

◆マルテが"拙走"で流れを止めてしまった。七回、大山の適時二塁打で先制し、なお無死二塁で打席へ。投ゴロを放つと大山が二、三塁間で挟まれた。マルテは二塁を狙うが、途中で足を止めると、最後はスライディングすらせず二塁でタッチアウト。一気に2死となった。筒井外野守備走塁コーチは「判断したのが手前すぎた。いってよかったけどね。また話し合います」。藤本内野守備走塁コーチも「止まるのが早かった。一気にいってほしかった」と振り返った。

◆聖地のスタンドから一斉に勝利のジェット風声が舞い上がった。1点差の九回は守護神・ドリスがきっちり締め、3試合連続セーブ。お立ち台に上がり、日本語で雄たけびだ。  「サイコーデス!」  無失点の高橋遥から受け取ったバトン。集中力を高めた。まずは先頭の野間に対し、ファウルと空振りで追い込むと1球ボールを挟んで4球目。高めの155キロの直球で遊ゴロに打ち取った。  「いつもの仕事をしっかりとするために、まず先頭バッターを出さないように集中しながらいった」  続く菊池涼は141キロのスプリットで、西川は内角への156キロの直球で連続空振り三振。三者凡退で1点のリードを守りきった。  3連投を避けるため、この日が"休養日"のジョンソンとは対照的に、広島との3連戦すべてでマウンドに上がった。打者10人に、被安打は前日6日に野間に許した中前打のみ。6月は2度セーブに失敗し、2セーブに終わったが、7月は早くも4セーブ目。勝負の夏場へ向けて安定感が増し、リーグ単独トップの18セーブだ。  「自分の仕事をしっかりするために体調を整えて、腕の状態を保っていきたい」  チーム最多の37試合に登板。フル回転でブルペン陣を支えてきた。頼りになる守護神がこれからも勝利を守り抜く。 (菊地峻太朗)

◆主砲として味わう全てが糧となることをわかっていても、拳を掲げられるはずがなかった。先制の絶好機で出た大山に出たサインは、バント-。結果的に決勝打を放っても表情が緩めないことが、意地だった。  「バント(のサイン)が出た瞬間は悔しいというか...。でも個人競技ではないし、チームとして点を取らないと勝てないので」  0-0の七回、先頭の糸井が中前打で出塁。大山がバットを寝かせると、甲子園がどよめいた。ファウル、ファウルで追い込まれると、ヒッティングに切り替え、フルカウントに。131キロのツーシームを捕まえると、白球は左中間を真っ二つ。スタートを切っていた糸井が一気に生還し、勝負ありだ。  「(ガッツポーズしなかったのは)中押しやダメ押しなら感情も出たと思うんですけど。まだ1点で、無死でしたし、次のプレーに集中していました」  シビれる投手戦を制した。サインを送った矢野監督は「点を取らないと勝てないし、(高橋)遥人にも勝ちをつけたいし」と意図を説明。サインを通して送ったメッセージに「悠輔自身がどう感じるのもあるし。悔しいのか、失敗したから何とかしてやろうという気持ちで出たのか。これからもそういう場面があれば、そういうこともある」と尻を叩いた。大山の成長こそ、虎の成長。味わった悔しさが、主砲をまた少し大きくさせた。  「ミスをした後に取り返すというのは大事ですし、その気持ちを忘れちゃいけないと思います」  リーグでただひとり、全試合4番を務める若き主砲。前だけを見て進み、ここからまた成長する。 (竹村岳) 大山について阪神・浜中打撃コーチ 「(バントは)ここ一番ではあると言っていた。成功できるようにしないといけない。何とかしよういう意識がああやって最高の結果になった。4番の意地だね」

◆1点あれば十分!! 阪神・高橋遥人投手(23)が広島戦に先発し、プロ最長の8回を投げて4安打無失点。二回以降、二塁を踏ませない圧巻の投球で5試合ぶりとなる今季2勝目を挙げた。チームは2週間ぶりの貯金1で2位キープ。3連勝の勢いで、8日からの球宴前最後の3連戦(甲子園)で首位巨人を倒す。  虎党の声援を背に受けながら迷いなく、左腕を振った。先発の高橋遥が今季初対戦の鯉相手に8回4安打無失点に封じる快投。自己最長イニングを投げきり、チームの3連勝に貢献した。  「(今までは)後半に失点することが多かったので、そういった意味では8回を投げられたのは自信になりました」  今季2度目のお立ち台に上がると「100点です!」と満面の笑みだ。  一回2死二塁で4番の鈴木を見逃し三振。四回にも鈴木から空振り三振を奪った。試合終盤にさしかかると、さらにギアを上げた。  「六回からピンチになる(ことが多い)ので、『絶対点をとらせないぞ』って気合を入れました」。六回以降は無安打に抑え、二回以降は二塁すら踏ませなかった。力強い直球と大きく曲がる変化球を駆使して9つの三振を奪い、与四死球も「0」。広島の先発・床田との投手戦を制し、5試合ぶりの今季2勝目を挙げた。  広島の東出打撃コーチは「全盛期の井川さんを思い出した」と脱帽した。2003年に20勝を挙げるなど阪神で2度のリーグ制覇に貢献した井川慶と同じ背番号29。勝ちに恵まれなくても黙々と投げ続ける姿は偉大なエースを彷彿させる。  5月30日の巨人戦(甲子園)で今季初勝利を挙げて以来、白星がつかめなかった4試合でマウンドに上がっている間の援護は5点。また勝てないのか-。不安や緊張に襲われるときもある。それでも、周囲の支えがあるから、臆することなく左腕を振ることができる。  「いつも気さくに話かけてくださいます。『しっかり投げれば大丈夫だから』と。そうやって言われるとやっぱりすごい自信になりますね。とてもありがたいです」  同じ左腕で経験豊富な能見や岩田ら先輩たちの言葉に勇気づけられてきた。だから、心は折れない。規定投球回数に到達していないが、2戦連続無失点で防御率1・80。矢野監督も「勝ちが1個つくつかないっていうのは大きな違いなんで。これを自信にしてもらって、また後半戦期待できるピッチャーなんで。楽しみが増えましたね」とうなずいた。  チームはカード3連勝で貯金1として2位キープ。首位巨人と6・5差に縮め、きょうからの本拠地での直接対決3連戦に臨む。  「3連勝して、明日からジャイアンツを迎えられる。結果的に最高の形になりました。なんとかね、この3つ全部勝つつもりで明日から頑張っていきます」  指揮官は気合を入れ直した。高橋遥が作った反撃への大きな流れ。奇跡の逆転Vへ、球宴前最後の伝統の一戦で一気に差を詰める。 (織原祥平)

◆七回の大山の決勝二塁打を褒めないわけにはいかない。ただ、その直前に2球続けてバントをファウルしたことは猛烈に反省してもらいたい。  開幕から大山に4番を任せてきた矢野監督が、あの場面(無死一塁)で、どんな思いで送りバントのサインを出したか。均衡した展開で、何が何でも1点が欲しい。走者を二塁に進めたい。勝ちにこだわる監督の要求に、大山は応えられなかったわけだ。  3球目からサインはヒッティングに変わったが、私はスリーバントでもいいと感じた。二塁打で"取り返した"形になったが結果論だ。  4番に相応しい打撃をしていれば、バントのサインは出ない。直後の、投ゴロで二塁から飛び出して挟殺されたプレーも、有り得ない。何をしているんだと言いたい。  大山は誰もが期待する選手。真の4番に成長するためにも「野球脳」をもっと養ってもらいたい。期待しているからこそ、厳しく指摘する。  高橋遥、床田ともに素晴らしい投球を見せた。ただ、投手戦というより貧打戦という印象を受けた。両チームともに攻撃にメリハリを感じなかった。上位をうかがうなら、ファンが楽しめる、覇気を感じる攻撃を見せてもらいたい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
45311 0.592
(↓0.008)
-
(-)
66380
(+4)
306
(+6)
105
(+2)
47
(-)
0.263
(↑0.001)
3.650
(↓0.03)
2
(-)
阪神
39384 0.506
(↑0.006)
6.5
(↑1)
62309
(+1)
329
(-)
54
(-)
57
(-)
0.248
(↓0.001)
3.420
(↑0.04)
3
(1↑)
DeNA
38392 0.494
(↑0.007)
7.5
(↑1)
64320
(+6)
314
(+4)
97
(+1)
25
(-)
0.246
(↑0.001)
3.640
(↓0.01)
4
(1↓)
広島
38403 0.487
(↓0.007)
8
(-)
62311
(-)
330
(+1)
72
(-)
51
(+1)
0.244
(↓0.001)
3.430
(↑0.03)
5
(-)
中日
34430 0.442
(↑0.008)
11.5
(↑1)
66295
(+7)
304
(+1)
46
(+1)
40
(-)
0.259
(↑0.001)
3.850
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
32472 0.405
(↓0.005)
14.5
(-)
62352
(+1)
411
(+7)
91
(+1)
29
(+1)
0.237
(-)
4.610
(↓0.04)