楽天(★0対1☆)日本ハム =リーグ戦14回戦(2019.07.06)・楽天生命パーク宮城=
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日本ハム
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楽天
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勝利投手:玉井 大翔(2勝1敗0S)
(セーブ:石川 直也(1勝2敗4S))
敗戦投手:松井 裕樹(1勝4敗24S)
  DAZN
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◆日本ハムは両軍無得点で迎えた9回表、2死一三塁から清水が適時打を放ち、試合の均衡を破る。投げては、2番手・金子が4回無失点7奪三振の好投を見せるなど、6人の継投で完封リレーを飾った。敗れた楽天は7回無失点の先発・美馬を打線が援護できず、8連敗を喫した。

◆楽天嶋基宏捕手(34)が、太田光捕手(22)との入れ替えで1軍に合流した。 腰の張りを訴えて6月7日に登録を抹消されていた。平石監督は「もともと腰に不安があるところがあったが、万全です。(嶋)基宏の次の若い世代のキャッチャーに取り組む課題がある中で、その若い世代に育ってもらうためにも基宏の存在は必要。心強い」と話し、早速スタメン起用する意向を示した。 広島からトレード移籍し、前日の日本ハム戦でデビューした下水流昂外野手(31)についても「いきますよ。やってもらいましょう」と移籍後初スタメンを明言した。

◆楽天美馬は1回2死満塁などピンチをしのぎ、3回まで無失点。日本ハムは2回1安打の堀から金子につなぎ3回まで無失点。 楽天美馬は4回2死三塁も中島を見逃し三振に仕留め、6回まで無失点。日本ハム2番手金子も5、6回と走者を背負うも無失点。 日本ハムは9回に清水が決勝適時打。玉井が2勝目。石川直が4セーブ目。楽天は今季ワースト8連敗で3位転落。松井が4敗目。

◆9回、待望の1点をたたきだした日本ハム清水優心捕手は、両拳を夜空に突き上げた。2死一、三塁から、楽天松井のチェンジアップを左前へ。「なかなか打てる投手じゃないので、必死でいきました。狙い球は違ったけど、(カウント1-2と)追い込まれていたので食らいつこうと」。執念が生んだ決勝打で、相手守護神から1点をもぎ取った。 試合後は、自身の活躍を喜ぶより、味方投手陣をねぎらう言葉であふれた。この日、1人で6投手をリードし「みんな調子が良かった。ピンチもあったけど、しのいでくれた」と、にっこり。栗山監督は「難しい展開だったけど、いろいろな調子の投手がいる中、みんなを引っ張ってくれた」と感謝した。 交流戦明けのトレードで、巨人から左打ちの捕手、宇佐見が加入。石川亮らも交えて激化する正捕手争いで、背番号10の存在が際立った。

◆日本ハムが6投手のリレーで今季8度目の無失点勝利を飾った。宮西が通算300ホールドを記録した4月13日ロッテ戦(札幌ドーム)を皮切りに、有原がチーム唯一の完封勝利を挙げた5月30日ロッテ戦(札幌ドーム)などがあり、これまで5人の継投が3度で、6人は今季最多。 これまでの7戦すべて先発投手は5イニング以上を投げており、堀の2回は最少。球場別の無失点勝ちは札幌ドーム5、東京ドーム1、京セラドーム大阪1で楽天生命パークでは今季初めて。

◆楽天が今季ワーストを更新する8連敗(引き分け挟む)を喫した。先発美馬学(32)が7回4安打8奪三振と好投も、日本ハムが繰り出す6投手の前に打線が散発6安打と沈黙。今季8度目の完封負けで3位に転落した。美馬の粘投も実らなかった。1回、いきなり2死満塁のピンチを迎えるも、清宮をフォークで空振り三振。2回にも2死一、二塁から渡辺を高めの直球で空振り三振に仕留めた。「何とか先制点をとられないようにと思って投げていた」。7回110球無失点も報われなかった。日本ハムは中継ぎの3年目左腕・堀が2回限定の「オープナー」として先発。先頭茂木の二塁打以降は無安打に封じられた。3回から登板の金子には4回3安打7三振。その後もタイプの違う4投手を打ちあぐねた。 敗戦の中にも明るい材料があった。腰痛のため2軍調整となっていた嶋基宏捕手が、6月6日以来1カ月ぶりに1軍昇格し、いきなり先発マスク。美馬を巧みにリードし、存在感を示した。平石洋介監督も「美馬と嶋がしっかり試合を作ってくれた」とバッテリーを評価した。 美馬にとっては、監督推薦で2年ぶり2度目の出場が決まったオールスター前最後の登板だった。もちろん、この日はチームの勝利だけを求めてマウンドに上がっただけに、試合後は無念の表情。「何とか0で終われたので、後半戦に向けて収穫になったと思います」と淡々と振り返った。 今江が右目の中心性漿液性脈絡網膜症を再発、渡辺が右足首習慣性腓骨(ひこつ)筋腱(けん)脱臼、福山が右肘と肩の手術と離脱者が相次ぐ。それでも9日のオリックス戦では、右肘手術からの復活を目指す則本の先発が見込まれる。8連敗も貯金はまだ2。前半戦残り4試合を総力戦で乗り切る。【野上伸悟】

◆日本ハムが、今季新たに導入した「ショートスターター」で初の完封勝ちを決めた。1番手の堀が「ショートと分かっていたので、中継ぎと変わらずに準備をした」と平常心で2回を投げ、1安打無失点。続く金子は前回登板に続き、第2先発を担った。「自分は、どんな場面でもゼロに抑えること」と毎回の7奪三振は今季最多。4回3安打無失点で役目を果たし、勝利への道筋をつくった。 「ショートスターター」は先発投手が打者一巡をメドで交代し、第2先発へ継投してゲームメークする戦術。木田投手チーフコーチは「ファイターズの戦い方。今日はそれぞれが、自分の役割を見事に果たしてくれた」と評価した。5月31日オリックス戦以来のゼロ封勝利で、3位浮上。栗山監督は「誰がじゃなく、それぞれが特長を出してくれた」とチーム一丸となって連勝をつかんだ。 ◆ショート・スターター戦術 日本ハムが今季から多用する投手起用法で、先発投手に短いイニングを託し、第2先発から継投で試合をつくる作戦。メジャーリーグのレイズが18年に本格的に採用した、救援投手に最初の1、2イニングを任せる「オープナー」に似た形で、投手交代をひとまわりごとなど小刻みにすることで被打率を抑える利点があるとされる。派生した戦術に、救援投手だけで継投する「ブルペンデー」がある。

◆日本ハム5番手の玉井大翔投手が3日西武戦(札幌ドーム)に続いて今季2勝目。 0-0の8回2死一塁からマウンドへ。終盤の1点も許されない状況で、3番ブラッシュを右飛に打ち取りピンチを脱した。「低めで空振りを取りたかったけど、抜けてしまった」と反省の弁を並べたが、見事な火消しで勝利の立役者に。「投手陣として理想的な試合ができた」と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

◆2試合ぶりに「6番ファースト」でスタメン復帰した日本ハム清宮幸太郎内野手だったが、2つの空振り三振を含む3打数無安打。9回に代打を送られベンチへ退いた。 これで、20打席連続の無安打。チームは2カード連続で勝ち越しも、もがく20歳に、栗山監督は「試行錯誤しすぎないように、何とかしていかないと」と悩ましげだった。

◆最大10あった貯金は、2まで目減りした。楽天が引き分けを挟んで今季ワースト8連敗で日本ハムと並ぶ3位に後退した。 先発美馬が7回無失点。腰痛から約1カ月ぶりに復帰した嶋とのバッテリーで踏ん張ったが、打線が沈黙した。1回に先頭茂木が三塁打でチャンスメークも銀次とブラッシュが連続三振。2試合連続で4番に据えた浅村も三ゴロに倒れた。連敗中1度もない先制の絶好機を逃し、平石監督は「ちょっと重苦しくなってしまった」。7回の攻撃前には「ちょっと打席で探っている感じ、受け身になっているんじゃないかと。『迷わずいこう』と」。円陣を組み、指揮官自ら鼓舞したが、1点が遠かった。 連敗中のチーム打率は1割9分1厘と低迷し、ウィーラーが2打点、浅村とブラッシュが1打点ずつにとどまる。つながりを欠く中でチームの打点トップ3を誇るポイントゲッターたちが力を発揮しきれていない。ここ6試合は毎日クリーンアップの並びに手を加え、この日は5番に移籍後初スタメンの下水流を起用した。模索が続く平石監督は「ズルズルいったら、上には絶対に行けない。上に上がるための試練。勇気を持って立ち向かう」と必死に前を向いた。【亀山泰宏】

◆楽天松井裕樹投手が決勝打を浴びた。0-0の9回、今季40試合目となるマウンドへ。2死一、三塁から日本ハム清水に対して直球を4球続けて押し込んだ後、浮いたチェンジアップを左前にはじき返された。 4敗目の守護神は「ワンバウンドを投げられれば良かった。僕のミス。思ったように投げられなかった」と自らを責めた。

◆楽天は抑えの松井が踏ん張れず、連敗が8に伸びた。0-0の九回に6月28日以来の登板。2死一、三塁のピンチを招き、清水に左前へ適時打を浴びた。両リーグトップの24セーブを挙げているが、2試合連続の黒星を喫し「思ったように投げられなかった。実力不足」と反省した。  チームは交流戦明けの7試合で勝利がなく、西武に抜かれて3位に後退。平石監督は「ずるずるいったら上位には行けない。勇気を持って立ち向かう」と話した。 嶋(けがから復帰し、5月31日以来の先発出場) 「勝たないと意味がない」 美馬(7回無失点) 「球自体は良かった。ボールが多く、慎重になり過ぎたところがあった」

◆日本ハムの金子が0-0の三回から2番手で4回を投げ、3安打無失点で7三振を奪い勝利に貢献した。毎回走者を出しながらも切れのある直球を軸に本塁を踏ませず「チームが勝てたことが一番。いい感じに試合で投げられている」と手応えを口にした。  オリックスから移籍した今季は先発だけではなく、救援でも活躍している。「自分はどんな場面でもゼロに抑えるだけ」と笑顔で話した。 栗山監督(6投手での無失点リレーに) 「みんなそれぞれが特長を出してくれた」 石川直(4セーブ目) 「あまりいいイメージのある球場ではないが、いい投球ができて自信になる」

◆投手戦に勝ち、楽天に並ぶ3位に浮上した。0-0の九回2死一、三塁で清水が均衡を破る一打を松井から放ち「なかなか打てる投手ではないので、必死にいった」と顔をほころばせた。同じ捕手として、巨人からトレードで加入した宇佐見に負けじと打撃でアピール。細かい継投策が採られる中で6投手をリードして無失点リレーも完成させた。

◆楽天が1分けを挟んで今季ワーストの8連敗。3位タイに後退した。0-0の九回2死一、三塁で清水に左前適時打を運ばれた抑えの松井裕樹投手(23)は、登板した2試合連続で黒星を喫し「自分のミスで実力不足です。しっかり映像を見て修正します」と唇をかんだ。  ただ、決して悲観する内容ではない。先発の美馬が7回4安打無失点と好投し「七回までいけたことはよかった」と好感触を得た。腰痛が完治した嶋も1軍に昇格し、先発マスクをかぶった。  平石監督は「美馬と嶋のバッテリーが、しっかり試合をつくってくれた」とたたえ、34歳のベテラン捕手に「その姿が若手を刺激する。本当に大きな存在」と信頼を寄せた。  試合後には第5回楽天イーグルス花火大会が行われ、本拠地は大いに盛り上がった。昨年8月22日から9月2日以来の大型連敗だが、指揮官は「何とか打開して、強い気持ちを持って立ち向かう」と前を見据えた。(広岡浩二)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
46304 0.605
(↑0.005)
-
(-)
63343
(+6)
297
(+5)
110
(+3)
72
(-)
0.255
(↓0.001)
3.360
(↓0.01)
2
(1↑)
西武
40371 0.519
(↑0.006)
6.5
(-)
65405
(+5)
382
(-)
88
(+1)
84
(-)
0.259
(↓0.001)
4.380
(↑0.06)
3
(1↑)
日本ハム
39374 0.513
(↑0.006)
7
(-)
63342
(+1)
330
(-)
53
(-)
34
(+1)
0.258
(-)
3.840
(↑0.04)
3
(1↓)
楽天
39372 0.513
(↓0.007)
7
(↓1)
65352
(-)
342
(+1)
83
(-)
27
(+1)
0.251
(↓0.001)
4.230
(↑0.04)
5
(-)
ロッテ
36392 0.480
(↓0.006)
9.5
(↓1)
66346
(-)
343
(+5)
94
(-)
51
(-)
0.247
(↓0.001)
4.010
(↑0.02)
6
(-)
ORIX
33415 0.446
(↓0.006)
12
(↓1)
64278
(+5)
345
(+6)
54
(+1)
70
(+2)
0.235
(-)
3.890
(↓0.01)