日本ハム(★4対5☆)ソフトバンク =リーグ戦10回戦(2019.06.29)・札幌ドーム=
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ソフトバンク
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日本ハム
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勝利投手:髙橋 純平(1勝0敗0S)
(セーブ:甲斐野 央(1勝1敗2S))
敗戦投手:石川 直也(1勝2敗2S)

本塁打
【ソフトバンク】明石 健志(2号・4回表ソロ),上林 誠知(6号・9回表2ラン)
【日本ハム】渡邉 諒(6号・4回裏3ラン)

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◆ソフトバンクは2点を追う5回表、高田の2点適時打で同点とする。再びリードを許して迎えた9回には、上林のランニングホームランで2点を奪い、土壇場で逆転に成功した。投げては、3番手・高橋純がうれしいプロ初勝利。敗れた日本ハムは、8番手・石川直が誤算だった。

◆日本ハム渡辺諒内野手(24)が逆転の1発を放った。 先制された直後の4回1死一、二塁の絶好機に先発左腕大竹の初球、甘く入った116キロスライダーをとらえ、左中間スタンドへと運ぶ6号3ラン。「チャンスだったので、初球から甘いボールが来たら打ちに行こうと思っていました。しっかりと捉えることができました」。6月8日の阪神戦(甲子園)以来となったアーチは、4連敗中と苦しむチームに流れを呼び込む大きな一打となった。

◆日本ハム大田泰示外野手(29)が、勝ち越しの犠飛を放った。 同点とされた直後の5回1死三塁の好機に先発左腕大竹の130キロ直球を、左翼フェンスギリギリまで飛ばす大きな一打。「先頭が出て(西川)遥輝が送って、いい流れだったので、スリーボールからでも思い切って打ちにいきました。最低限の仕事はできたと思います」と話した。

◆ソフトバンク大竹耕太郎投手の24歳のバースデー登板は白星で飾ることはできなかった。1点リードの4回、渡辺に初球スライダーを中堅左へ逆転の6号3ランを食らった。 味方が5回に同点に追いついたが、その裏に大田に1死三塁、3ボールから左犠飛で再び勝ち越された。「勝負どころで長打を打たれてしまったことが反省点。四球も多くて守備のリズムも悪くなってしまった」と肩を落とした。 7回に1死二塁としたところで降板した。誕生日登板は中学2年時に格上の強豪中学に完封して以来2度目だった。

◆ソフトバンクが3連勝。3-4の9回2死一塁から上林のランニング本塁打で逆転した。3番手の高橋純が4年目でプロ初勝利。甲斐野が2セーブ目。日本ハムは抑えの石川直が打たれ、今季初の5連敗で勝率5割となった。

◆日本ハム杉浦は好守備にも助けられ、上々の滑り出し。ソフトバンク大竹は制球に苦しみながら要所を締め、ともに3回無失点。 日本ハムは4回に1点を先制されたが、直後に渡辺が逆転の6号3ラン。5回に同点とされるも、その裏、大田の犠飛で勝ち越し。 ソフトバンクは9回2死から、内川が右前打で出塁。続く上林が逆転の6号ランニング2ランを放ち、再び試合をひっくり返した。高橋純平がプロ初勝利、甲斐野が2セーブ目を挙げた。日本ハム石川直也が2敗目。

◆ソフトバンク上林誠知外野手が9回に逆転のランニング2点本塁打。ランニング本塁打は18年9月27日DeNA戦の大山(阪神)以来となり、ソフトバンクでは99年8月20日小久保が日本ハム戦の2回にランニング満塁本塁打をマークして以来、20年ぶりだ。 16年8月25日茂木(楽天)がソフトバンク戦で4-5の9回1死から逆転のランニング3点本塁打を記録しているが、ソフトバンクの逆転ランニング本塁打は2リーグ制後初めてだった。

◆ソフトバンク先発大竹耕太郎投手は誕生日を白星で飾ることはできなかった。 この日は24歳のバースデー。敵地ながらスタンドから大きな拍手も沸き起こったが、投球は苦しんだ。1点をプレゼントしてもらった直後の4回裏。1死一、二塁から渡辺に逆転3ランを被弾。「安易にど真ん中にカーブを投げてしまった」。同点となった5回にも大田の犠飛ですぐさま勝ち越された。「先頭打者への四球など無駄な走者を出してしまって」。 それでもチームは9回逆転勝ちし、「負けなくてよかった」とホッとした表情だった。

◆ソフトバンク内川聖一内野手が上林の逆転2ランをアシストした。 1点を追う9回2死走者なし。内川はしぶとく右前に運んだ。「最後の打者にならないことだけを考えた。上林も調子が上がってきていたし、つなげば何か起きると思っていた」。 5球目のフォークボールを右前安打とした。この日は5回にも中堅フェンス直撃の二塁打を放っており「いい当たりも出ているし、そうじゃない当たりもヒットになってくれれば(調子が)上がってくる気がする」と笑顔だった。

◆ソフトバンク明石健志内野手が先制の2号ソロを含む2戦連続のマルチ安打で気を吐いた。 4回、先頭で杉浦の初球直球を右翼席へ運び去った。「甘く来た球を1球で仕留めることができました」。 28日は決勝三塁打を含む猛打賞。本塁打がなく、惜しくもサイクル安打はならなかったが、1日遅れで1発が出た。北海道出身の明石にとって北の大地は、復調へ最高の場所となったようだ。

◆日本ハム宇佐見真吾捕手が巨人からのトレード移籍後初めて先発出場した。 背番号30のユニホームが間に合わず、前日と同様に90番の実松2軍育成コーチ兼捕手のものを借りて出場。3回の第1打席で空振り三振に倒れるなど2打数無安打。「守備だけではなくて、打撃でも結果を残せるようにしたい。必死に1本出せればいいと思う」と先を見据えた。

◆"中田バット"の効果は?4-5の9回1死走者なしから、代打で出場した日本ハム清宮幸太郎内野手だったが、ソフトバンク甲斐野の前に空振り三振に倒れた。 「バットが出ていない感じがあったので」と、この日、中田のバットを拝借。10打席連続無安打と不振にあえぐが「振っている感じは悪くはないので、あとは1発で仕留められるかというところ」と、前向きに話した。

◆日本ハムは2度のリードも、実らなかった。3-3の5回1死三塁から、一時勝ち越しとなる左犠飛を放った大田泰示外野手は「最低限はできたけど...」。チーム最多の中田に、あと1つに迫る49打点。 勝利にはつながらず、チームは今季初の5連敗となった。「攻撃も悪くないし、投手も抑えている。でも、勝てない。チームとしてかみ合っていない感じがする。ここをどう切り抜けるかが大事」と、口元を引き締めた。

◆狙い通り、初球の甘い変化球を捉えた。1点を追う4回、日本ハム渡辺諒内野手が一時、逆転の6号3ラン。 「チェンジアップを狙っていたけど、そのままのタイミングで打てた」とスライダーをすくい上げ、左中間席へ運んだ。8回にも左翼線二塁打と絶好調だ。これで、13試合連続安打。「1日1本を最低限の目標にしている」と、まだまだ記録を伸ばすつもりだ。

◆ソフトバンク15年ドラフト1位の高橋純平投手(22)がプロ4年目で、念願の1勝目を挙げた。今季12試合目、この日も1点ビハインドでの出番だった。7回1死一、三塁の厳しい場面で登場し、2球で大田を遊併殺に仕留めた。8回2死二、三塁では、中島をフォークで空振り三振。グラブをパ~ン! とたたいた。この日は札幌白石高校のブラスバンド演奏が球場を盛り上げた。高校野球のような雰囲気の札幌ドームで、県岐阜商時代ドラフトの目玉だったころのような輝きを放った。 「ここで点を取られるわけにはいかないとギアが上がった。9回2死まで負けていたので勝ち星は予想していなかった。内川さん、上林さんに感謝です」と、笑顔で答えた。昨年は1軍出場なし。投球フォームを4回変えるなどもがき続けてきた。3年間で1軍はわずか1試合。「今思えば甘さがあったと思うが、圧倒的に技術が追いついていなかった」と振り返った。 母奈穂子さんからは「思い切りやってダメなら、岐阜に帰っておいで」と言われ、父康二さんからは「とにかく頑張れ」と言われ続けた。そんな両親の潤滑油でもあり、遠い福岡でファーム暮らしだった高橋純の気持ちを支えてきたのが、小学6年から飼ってきた愛犬ゆう。小さな柴犬のメスで、常に家族の話題の中心だった。 ゆうは6月はじめに膵炎(すいえん)のため13歳で亡くなった。「悲しみは大きいですが、5月下旬の2軍の名古屋遠征時に、実家で会うこともできた。母ともゆうが守ってくれているんだねと話します。僕の中では今は守り神ですね」。ウイニングボールは、ゆうの墓前に届ける。心身ともに成長した高橋純が、大事な終盤戦では、さらに頼れる存在になりそうだ。【石橋隆雄】

◆日本ハムはソフトバンク10回戦(札幌ドーム)で逆転負けを喫し、今季ワーストの5連敗となった。1点リードの9回2死一塁の場面で、上林に逆転2点ランニング本塁打を打たれた。連敗脱出まで、あと1死と迫りながら土壇場で暗転。4カード連続負け越しが決まった。最多8あった貯金も尽きて、5月29日以来1カ月ぶりに勝率5割へ逆戻りした。日本ハム・ナインの足が止まってしまった。1点リードの9回2死一塁の守備。上林が放った打球は高く、勢いよく、滞空時間も長かった。左翼手の近藤は追いながら、フェンス直撃以上を確信。クッションボールに備えて、打球の軌道の下で、本塁を背に構えた。 近藤 あっちに跳ねたということは、完全に入ったと思った。(三塁塁審が)セーフってやっていて、びっくりした。 打球は直線的ではなく、中堅方向へ跳ねかえった。フェンスを越えてしまったと確信する判断材料も、三塁塁審はセーフのジェスチャー。フェンス最上部に当たった安打で、本塁打ではないという判断だった。 中堅手の西川も1度は、跳ね返った打球を追いかけることを止めた。 西川 普通、あんな跳ね方はしない。入ったと思ったけど、審判がホームランじゃないとしていた。僕らの方が審判より近くで見ていましたからね...。 右中間寄りだった守備位置から、疑念を持ちながら、懸命に追いかけたが、捕球した時には上林は三塁を回っていた。いずれにせよ、逆転弾という結果は変わらなかったかもしれないが、後味の悪さだけが残ってしまった。 連敗脱出まで、あと1死のところから抜け出せなかった。今季ワーストの5連敗で、貯金は底をついた。栗山監督は「悔しい試合ですけど、自分たちがやったことなので」と言葉を絞り出した。試合の流れをつかみきれず、得意な接戦の展開でも勝ちきれない試合が続く。「今は1つ1つ、みんなで我慢して勝っていくしかない」。まずは1つ、どんな形でも勝ちたい。【木下大輔】

◆ソフトバンク上林誠知外野手(23)が、9回2死から逆転決勝6号ランニング2ランを放った。左翼フェンス最上部に当たりグラウンドに戻ってきたと判定された打球に、上林は本塁打と決めつけず全力で本塁まで駆け抜けた。今季3度目の猛打賞と、復調のきっかけとなる1戦となった。チームは3連勝で2位楽天に1・5ゲーム差をつけた。札幌ドーム満員のハム党の悲鳴の中、上林が左翼へ大きな飛球を放った。1点を追う9回2死一塁。左翼席ギリギリに着弾したかに見えた打球に、左翼近藤、スタンドのファンもショックを隠しきれなかった。 上林は「左翼手の動きを見て入ったかと思ったけれど、打球が戻ってきたのは見えた。(三塁コーチの)村松さんが腕をグルグル回していたので、一生懸命走った」と全力疾走で駆け抜けた。村松コーチは「(柳田)三塁塁審が(インプレーであるという意味の)セーフとしていたので、自分で(本塁打と)判断せずに、やれることはやっておいてよかった」と説明した。フェンス最上部に当たって跳ね返ったと判定された打球は、中堅方向へ弾んでグラウンドへ落ち、転々としていた。記録はランニング本塁打となった。工藤監督も「向こうはあきらめていたが、上林は最後まで走っていた」とほめた。 交流戦終了時の上林の打率は1割7分3厘。4月17日ロッテ戦で右手甲に死球を受け、その後骨折が判明。1カ月離脱した。1軍が休みの25日からのウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)に参加。そこでバットを構える位置を少し下げた。今も右手には違和感は残り、後ろの左手が強くなってしまう現状で、バットを出しやすいように変えた。 首脳陣は球宴前の12試合で結果を残せなければ、2軍降格も考えている。その中で2試合で4安打、3打点と食らいついている。「(14日に)1軍に戻ってきてから、貢献できていなかったので、前半戦の分も頑張っていかないと」。柳田、中村晃が不在の中、レギュラー上林の復活は何よりも心強い。【石橋隆雄】 ▽柳田三塁塁審「フェンスのトップに当たってインプレーだと思ったので手を広げた。結果的に、それ以上(両球団からリクエストも)何も起こらなかったので、私たちも(リプレー検証は)起こさなかった。映像も見たんですけど、角度が2つしかなかった。(検証していたら)判断は分かれるような気がします」

◆ソフトバンク上林誠知外野手(23)が、9回2死一塁から逆転決勝6号ランニング2ランを放った。左翼フェンス最上部に当たりグラウンドに戻ってきたと判定された打球に、上林は本塁打と決めつけず全力で本塁まで駆け抜けた。今季3度目の猛打賞と、復調のきっかけとなる一戦となった。チームは3連勝で2位楽天に1・5ゲーム差をつけた。 札幌ドーム満員のハム党の悲鳴の中、上林が左翼へ大きな飛球を放った。1点を追う9回2死一塁。左翼席ギリギリに着弾したかに見えた打球に、左翼近藤、スタンドのファンもショックを隠し切れなかった。 上林は「左翼手の動きを見て入ったかと思ったけれど、打球が戻ってきたのは見えた。(三塁コーチの)村松さんが腕をグルグル回していたので、一生懸命走った」と全力疾走で駆け抜けた。村松コーチは「(柳田)三塁塁審が(インプレーであるという意味の)セーフとしていたので、自分で(本塁打と)判断せずに、やれることはやっておいて良かった」と説明した。フェンス最上部に当たって跳ね返ったと判定された打球は、中堅方向へ弾んでグラウンドへ落ち、転々としていた。記録はランニング本塁打となった。工藤監督も「向こうは諦めていたが、上林は最後まで走っていた」と褒めた。 交流戦終了時の上林の打率は1割7分3厘。4月17日ロッテ戦で右手甲に死球を受け、その後骨折が判明。1カ月離脱した。1軍が休みの25日からのウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)に参加。そこでバットを構える位置を少し下げた。今も右手には違和感は残り、後ろの左手が強くなってしまう現状で、バットを出しやすいように変えた。 首脳陣は球宴前の12試合で結果を残せなければ、2軍降格も考えている。その中で2試合で4安打、3打点と食らいついている。「(14日に)1軍に戻ってきてから、貢献できていなかったので、前半戦の分も頑張っていかないと」。柳田、中村晃が不在の中、レギュラー上林の復活は何よりも心強い。【石橋隆雄】 ◆柳田三塁塁審 フェンスのトップに当たってインプレーだと思ったので手を広げた。結果的に、それ以上(両球団からリクエストも)何も起こらなかったので、私たちも(リプレー検証は)起こさなかった。映像も見たんですけど、角度が2つしかなかった。(検証していたら)判断は分かれるような気がします。 ◆日本ハム・川名外野守備走塁コーチ アウト、セーフを決めるのは審判だから、自己判断はしないようにしないと。けど、100%確実に入っていたと一番近くで見ていた人が、審判を見るのは難しい。 ◆ソフトバンク上林 左翼手の動きを見て入ったかと思ったけれど、打球が戻ってきたのは見えた。(三塁コーチの)村松さんが腕をグルグル回していたので、一生懸命走った。 ◆日本ハム左翼手近藤 完全に入ったと思った。 ◆日本ハム中堅手西川 審判より近くで見てた。 ▼上林が9回に逆転のランニング2点本塁打。ランニング本塁打は18年9月27日DeNA戦の大山(阪神)以来となり、ソフトバンクでは99年8月20日小久保が日本ハム戦の2回にランニング満塁本塁打をマークして以来、20年ぶりだ。16年8月25日茂木(楽天)がソフトバンク戦で4-5の9回1死から逆転のランニング3点本塁打を記録しているが、ソフトバンクの逆転ランニング本塁打は2リーグ制後初めてだった。

◆ソフトバンクが敵地・札幌で連勝を飾った。上林の逆転ランニングホームランでクロスゲームにケリをつけたが、1点を追う7回の攻撃と守りは印象深いものがあった。 7回表。先頭上林が右前打で出塁。続く8番甲斐に送りバントはなく二飛に終わる。続く9番高田は一ゴロ併殺打に倒れた。しかし、5回に高田は同点となる2点タイムリー中前打を放っていた。「前に飛ばせば何とかなると思っていました。うれしい気持ちとホッとした気持ちですね」。高田にとって9日の広島戦(マツダスタジアム)以来、3週間ぶりの快打だった。高田は今宮が左太もも裏痛で戦列離脱してから先発で遊撃を守る。V奪回を目指すチームにあっては「攻守」での活躍が求められる。久々のヒットは安堵の一打でもあっただろう。 7回裏には守備で「明暗」があった。1死二塁の場面で西川のゴロをエラーし一、三塁としてしまった。「(西川は)足も速いし、確かに(捕球まで)迷いがあった。前に出るか、待つか迷いました」。続く大田に一打出れば、試合が決まっていたかもしれない。だが、大田の打球は二塁ベース寄りへの強烈なゴロ。高田はうまく処理し併殺打に取った。 「ショートは守りの要。プロに入ってさらに難しさを感じています。だから(今宮)健太はスゴイなと」。12球団でもNO・1といわれる男の不在を埋めつつ、高田自身も「控え」に甘んじるわけにもいかない。「1試合でも多く試合に出たい。より強い気持ちを持ってチームを引っ張るくらいの覚悟でやりたい」。無口な男にしては珍しく言葉に力を込めた。 「センターラインの固定」は必勝の条件。高田が貪欲な姿勢を持続できればチームのV軌道も安定する。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンクの高橋純がプロ初勝利。3-4の七回1死一、三塁で登板し、大田を遊ゴロ併殺に仕留めると、続投した八回も2死二、三塁とされながら無失点で切り抜け、逆転を呼び込んだ。「こういう試合で(初勝利を)プレゼントしてもらって自信にもモチベーションにもなる」と破顔した。  県岐阜商高からドラフト1位で2016年に入団。1軍登板のなかった昨季はフォームを何度も修正したという。今季は12試合でわずか2失点と安定感が光る。「去年の自分だったら想像もできなかった」と充実感を漂わせた。 工藤監督 「(上林は)2軍戦で何かつかんだかもしれない。(プロ初勝利の高橋純は)頑張ってきたご褒美がこういう形で表れて良かった」 大竹(29日が24歳の誕生日。七回途中4失点で勝敗つかず) 「フォアボールで、自分で苦しくした。(誕生日に)負けなくて良かった」 明石(四回に先制の2号ソロ) 「甘く来た球を一球で仕留める事ができた」

◆1点リードの九回2死一塁から抑えの石川直が、上林に左翼フェンス最上部に直撃するランニング本塁打を浴び、2点を献上して逆転負け。今季初の5連敗を喫した。あと1死からの暗転に栗山監督は「悔しい試合。勝ち切れなかったのはこっちの責任」と唇をかんだ。交流戦の途中は首位に立つこともあったが、最近10試合は1勝9敗。最大8あった貯金がなくなった。 九回に逆転を許し、2敗目を喫した日本ハム・石川直 「走者に集中しすぎた。(救援に)失敗してしまい申し訳ない」 巨人からトレードで加入後初めて先発出場し2打数無安打だった日本ハム・宇佐見 「対戦する投手はみんな、いいので食らいついていきたい」

◆上林が3-4の九回に逆転の2点ランニング本塁打。「久しぶりに勝利に貢献できてよかった」と声を弾ませた。九回2死一塁で外角高めの直球を振り抜き、打球が左翼フェンス上部に当たって大きく跳ねる中を全力で走りきった。4月に投球を受けた右手は、その後剥離骨折が判明。今月14日に復帰したが「右手の感覚は全然違う」と違和感が残る。打率1割台に低迷するが「(復調の)きっかけにしたい」と強い覚悟を示した。

◆ソフトバンク(前身球団を含む)の両リーグ40勝一番乗りは2017年(同年リーグ優勝)以来2年ぶり16度目(前後期制だった1973-82年は除く)。過去15度のうちリーグ優勝したのが9度で優勝確率は60%。  上林がランニング本塁打。昨年、ヤクルト・青木宣親(6月14日の西武戦、初回先頭打者)と阪神・大山悠輔(9月27日のDeNA戦)が記録。球団では99年8月20日の小久保裕紀(対日本ハム、満塁)以来20年ぶりで、ランニング弾が勝利打点となったのは55年8月21日の堀井数男(対トンボとの第2試合)以来64年ぶり。

◆ピンチで気迫が表に出た。ソフトバンク・高橋純平投手(22)が4年目でプロ初勝利だ。  「こういう試合で(初勝利を)プレゼントしてもらって自信にもモチベーションにもなります」  3-4の七回1死一、三塁で登板し、大田を遊ゴロ併殺に仕留めると、続投した八回も2死二、三塁とされながら無失点で切り抜け、逆転を呼び込んだ。  「去年の自分だったら初勝利はない。やっと、打者と勝負できるようになったと思います」  県岐阜商高からドラフト1位で2016年に入団。1軍登板のなかった昨季はフォームを4度も変えた。直球で押す投球を取り戻し、この日は最速151キロの直球とフォークボールを中心に相手打者を封じた。  今季は救援で12試合に登板し、防御率0・93。昨秋に参加したプエルトリコ・ウインターリーグで精神面に変化が生まれた。読書に「野球をやめても役に立つビジネスなどの本を」選んでいた青年は、海外の選手の気さくな人柄に触れ「チームメートはビジネスパートナーのような存在だと思っていたけど違う。少しくらい生意気に、自分の雑な面も出した方が吸収できることも多い」と感情を解放した。  首位を守った工藤監督は「全て面で良くなった。今まで出せなかった勇気や度胸もついた」と評価。高橋純は、監督に就任した2015年秋のドラフト会議で3球団競合の末に獲得した秘蔵っ子でもある。チームで今季5人目のプロ初白星。また一人、将来有望な若鷹が大きな一歩を踏み出した。 (安藤理) 24歳の誕生日に登板したが七回途中4失点で勝ち負けが付かなかったソフトバンク・大竹 「四球で、自分で苦しくした。(誕生日に)負けなくてよかった」 四回に先制の2号ソロを放ったソフトバンク・明石 「甘く来た球を一球で仕留めることができた」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
40304 0.571
(↑0.006)
-
(-)
69309
(+5)
277
(+4)
102
(+2)
66
(+1)
0.251
(-)
3.390
(↓0.01)
2
(-)
楽天
39322 0.549
(-)
1.5
(↓0.5)
70340
(+2)
319
(+2)
78
(+2)
24
(-)
0.255
(-)
4.210
(↑0.01)
3
(-)
西武
37341 0.521
(↑0.007)
3.5
(-)
71375
(+7)
359
(-)
83
(+1)
79
(+1)
0.262
(↑0.003)
4.420
(↑0.07)
4
(-)
日本ハム
35354 0.500
(↓0.007)
5
(↓1)
69318
(+4)
312
(+5)
52
(+1)
31
(-)
0.257
(-)
3.900
(↓0.01)
5
(-)
ロッテ
34362 0.486
(-)
6
(↓0.5)
71323
(+2)
320
(+2)
90
(-)
50
(-)
0.248
(-)
4.040
(-)
6
(-)
ORIX
31375 0.456
(↓0.007)
8
(↓1)
70252
(-)
303
(+7)
49
(-)
67
(-)
0.229
(↓0.001)
3.710
(↓0.05)