阪神(★2対3☆)楽天 =交流戦3回戦(2019.06.20)・阪神甲子園球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
楽天
00002010031000
阪神
1001000002821
勝利投手:石橋 良太(4勝3敗0S)
(セーブ:松井 裕樹(1勝2敗23S))
敗戦投手:髙橋 遥人(1勝2敗0S)

本塁打
【阪神】梅野 隆太郎(7号・4回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 阪神戦チケット予約 楽天戦チケット予約
◆楽天が同一カード3連勝。楽天は2点ビハインドの5回表、茂木の適時打で2点を挙げ、同点とする。そのまま迎えた7回には、島内の適時打で勝ち越しに成功した。投げては、先発・石橋が8回途中2失点の好投で今季4勝目。敗れた阪神は守備の乱れが響き、痛い敗戦を喫した。

◆阪神が1回に1点を先制した。1死から糸原が右越え二塁打で出塁し、続く糸井が右前への適時打。楽天は3回まで無得点。 阪神は4回に梅野の7号ソロで加点。楽天は5回1死満塁から茂木の中前適時打で2点を挙げ、同点とした。 楽天が7回、島内の適時打で勝ち越し。石橋が4勝目、松井が23セーブ目。阪神は8回2死満塁の絶好機を生かせず、2年ぶりの6連敗を喫した。高橋遥が2敗目。

◆侍ジャパンの稲葉篤紀監督(46)が阪神高橋遥人投手の特殊能力を高評価した。 20日、阪神-楽天戦を視察。プロ通算3勝左腕と実績は少ないが、7回途中3失点の粘投以上に内容に着目した。「代表候補の中でもゴロアウトが取れる投手で今日もヒットが全部単打。長打を打たれないというのは、非常に魅力的。建山コーチとジャパンに入るなら、どこで使っていくという話もしながら、見させていただいた」。奪三振能力も高く、伸びしろもある新星がリストに加わった。

◆阪神藤原崇起オーナー(67)は2年ぶりの6連敗にも前日同様に「我慢します」と柔らかい笑みを浮かべた。 前日は「濁っている水も(時間がたてば汚れが)沈んできれいになる」と語っており「まだ少し水が清らかになっていないかな。まだまだ試合は続くので(ミスを)自覚して、そういう練習をすると思います」と泰然自若としていた。

◆阪神梅野隆太郎捕手の不敗神話弾は12試合目でストップした。1点リードの4回にバックスクリーン左へ7号ソロ。 「攻撃で迷惑をかけていた部分もあったので、日を改めて気持ちを切り替えて。いい追加点にはなった」。前日19日は満塁機に凡退など5打数無安打。すぐにバットで取り返した。侍稲葉監督も「バッティングに魅力がある」と評価。リード面やキャッチングを含めても「いい姿になってきた。(代表)候補の1人です」と話した。一方でチームが逆転負けを喫し、悔しい結果に。昨季から続いていた、本塁打を放てば負けない記録も12試合目で止まった。梅野は「1つのアウトに執念、集中していかないと、もらえるものももらえない」と振り返っていた。

◆敗れはしたが、阪神の先発高橋遥人投手(23)は、視察に訪れた侍ジャパン稲葉篤紀監督(46)も高評価する力投だった。7回途中8安打3失点で降板。2敗目を喫し「ミスがあった時こそカバーしないといけない。ものすごく悔しいです」と唇をかんだが、粘り強さを見せた。 2-0の5回、味方の連続失策から茂木に2点打を許し、同点に追いつかれた。だが、なおも2死一、三塁で迎えたのは3番浅村。際どいボールを続け、最後は思い切り腕を振った。渾身(こんしん)の135キロツーシームに、浅村のバットは豪快に空を切った。 7回2死一塁から連打で勝ち越しを許し、無念の降板。それでも侍指揮官は、高橋遥の投球にほれ込んだ。今回の目的は、今秋に行われるプレミア12の候補メンバーチェック。球団関係者によると、高橋遥が視察の大きな目的の1つだったという。 チェックを終え、稲葉監督は絶賛の言葉を並べた。「代表候補の中でも、ゴロアウトの取れる投手。今日も全て安打は単打で、長打を打たれないのも魅力。どの球も制球されていて、素晴らしいなと思って見ていました」。「今日も建山コーチと、選んだらどこで使うかという話をした。これからも見ていきたい」と、すでに戦力として計算するほど23歳左腕を評価した。 高橋遥は「ミスはあるし、自分が四球を出しても誰も怒らないし、励ましてくれる、ああいう時に抑えるのがいいピッチャー」と下を向いたが、持ち味を出した124球。ポテンシャルの高さをあらためて示したマウンドだった。【磯綾乃】

◆楽天石橋良太投手が攻守に躍動した。投げては8回途中7安打2失点にまとめ、4勝目。攻撃では同点の7回2死一、二塁で、二走として島内の中前打で果敢に本塁へ突入。スライディングで捕手のタッチをかわし決勝のホームを奪った。 「島内さんが打ってくれたので、全力で走りました。スライディング? (野手兼任だった)大学以来、10年ぶりくらいじゃないですか? 高校(明徳義塾)の時、しっかり練習しておいて良かった」と笑顔を見せた。

◆虎がついに貯金を吐き出してしまった。「日本生命セ・パ交流戦」楽天3回戦(甲子園)は先手を奪いながら、5回に失策が重なって追いつかれた。1点ビハインドで迎えた8回には無死一、三塁と反撃機をつかんだが、三走・木浪の走塁ミスなどもあって得点できなかった。引き分け挟んで6連敗。阪神にとっては交流戦での最長連敗で、交流戦同率最下位となった。温厚な矢野監督が鬼になった。2-3と1点を追う8回だ。無死一、三塁とチャンスを作ると、1番近本のたたきつけた打球は三塁前に大きくはずんだ(結果は三ゴロ)。終盤の土壇場に同点...。ところが三塁走者の木浪はスタートを切ることが出来ず。タイミング的には十分セーフに見えたが、本塁突入をちゅうちょした。「いけるやろ...」-。ベンチに座る指揮官の口元は、そうつぶやいたように見えた。 消極的なプレーに矢野監督の怒りは収まらなかった。直後、打者糸原がカウント1-1になったところで、三塁の代走に江越を送り、木浪をベンチに下げる明らかな「懲罰交代」。その後も目の前に呼び寄せると激しく叱責(しっせき)した。テレビに大写しになった「公開説教」は、数十秒間も続き、木浪のつぶらな瞳はみるみる涙目になった。 試合後の矢野監督は努めて冷静に話した。「いつもと同じことになっちゃうけど、これ(ミス)は返ってこないんでね。聖也(木浪)のあれでかえって来られないということを、どうしていくか。そこをしっかり考えていきます」。積極的なプレーを良しとする矢野野球に反するプレー。これだけは許せない。指揮官の表情は怒気を含んでいるようだった。 チームは引き分けを挟んで今季ワーストの6連敗で貯金を吐き出した。5回には先頭ウィーラーのゴロを一塁手原口が捕球できず。続く辰己の飛球を中堅手近本がグラブの土手に当てて落球するという目を疑うようなプレーが続いた。この2連続失策から同点に追いつかれ、7回に力投の高橋遥が力尽きるという結末。チグハグなプレーの連発で楽天に悪夢の3連敗。パ・リーグとの対戦で4勝9敗2分けと大きく負け越し、広島と並ぶ交流戦最下位に転落した。【桝井聡】 ▽阪神木浪(8回の走塁について)「完全に自分の準備不足です」 ▽阪神藤本内野守備走塁コーチ(8回、三走・木浪の走塁について)「高いバウンドだった。(三塁コーチの)僕も指示しましたけど、行動に移せなかったのは僕の責任。(木浪は)判断をしっかりすることがこれからの課題」 ▼阪神が楽天に競り負け、1分けをはさみ6連敗を喫した。阪神が6連敗したのは、17年6月17~30日に8連敗して以来、2年ぶり。17年から18年にかけて交流戦で6連敗したことはあるが、シーズンで交流戦6連敗は球団初だ。これまでは5連敗が3度(16年、12年、09年)あった。

◆パ・リーグ首位楽天の切り込み隊長、茂木栄五郎内野手(25)が甲子園での「日本生命セ・パ交流戦」阪神戦で大暴れ。今季2度目となる1試合4安打の固め打ちで2打点をマークし、3-2の勝利に貢献した。 チームは阪神を相手に3連勝。交流戦ではV可能圏の3位につけており、優勝を目指して21日からDeNA戦に臨む。茂木の安打ショーのはじまりだ。第1打席。二塁前への高いバウンドのゴロで俊足を飛ばし、内野安打とした。「気持ちが楽になりました。(高橋遥は)いいピッチャーという情報は入っていた。何とか1打席目にヒットだったり、塁に出たいと思っていたので」。第2打席も中前へ抜けようかという二塁内野安打。そして2点を追う5回1死満塁で打席が回ってきた。 茂木はフルカウントから高橋遥の141キロカットボールを中前へはじき返した。「前進守備だったので前に飛ばせば何か起こるかなと思った。粘って、最後は甘い球を1球でセンターにはじき返せたのが良かった」。試合を振り出しに戻すと、7回にも右前打で好機を広げ、島内の決勝適時打につなげた。 5月4日の西武戦に続き、今季2度目の1試合4安打。通算では6度目となる固め打ちだ。島内から「茂木が打ち過ぎなので少しひいてます」と冗談を飛ばされるほど、バットが振れている。昨季は開幕前に右肘クリーニング手術を受けて出遅れ規定打席に届かず。打率(2割4分7厘)と打点(24打点)は自己ワースト。本塁打(7本)もワーストタイだった。その悔しさが今の活躍につながっている。「我慢して使ってもらった監督に本当に申し訳なかった。今年はもう1回レギュラーを取り直すと思って始まったシーズン。今もアピールしていることに変わりないですし、使い続けてもらえるようにまだまだアピールしたい」という。 平石監督も茂木の決意は感じ取っている。「内面的なことも含めて成長を感じます。(茂木の)コンディションは考えてあげないといけないし、無理させるのは絶対ダメ。でもレギュラーをはるのであれば(出続ける)強さも必要。その自覚も見えます」。茂木が万全で出場を続ければ、それだけ楽天の優勝が近づくのは間違いない。【千葉修宏】

◆阪神・糸井嘉男外野手(37)が20日の楽天戦(甲子園)の一回1死二塁から右前適時打を放った。  「初回から先制できてよかったです。もっと取れるように頑張ります」  一回1死から糸原が右翼フェンス直撃の二塁打を放ちチャンスメーク。カウント1-1からの3球目、137キロフォークを振り抜き、右翼へ転がした。チームは現在1分けを挟んで5連敗中。連敗脱出へ、幸先よく先制に成功した。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(26)が20日の楽天戦(甲子園)で四回に左中間席へ7号ソロを放った。  四回2死で打席に入り、カウント2-1からの4球目だった。外角137キロを一閃。打球は高々と上がって左中間席へ飛び込んだ。四回まで2安打と好投を続ける先発・高橋遥を、女房役が力強いアーチで援護した。

◆楽天は茂木が0-2の五回1死満塁から中前に2点打。連続失策に乗じてつくった好機で「打ったのはカットボールだと思う。満塁のチャンスでしっかり仕事ができた」と汗を拭った。  19日の第6打席で右翼線に2点二塁打。一夜明けて一、三回は内野安打で出塁し、七回は右前に運んだ。平石監督から「去年までの(茂木)栄五郎とはちょっと違う。内面的な部分も含めて成長を感じる」と高く評価される25歳のリードオフマンが、チームをけん引している。

◆阪神は20日、甲子園での楽天戦に2-3で敗れ、今季ワーストの連敗は1分けを挟んで「6」に。最大6あった貯金もすべてはき出した。  一回に糸井の適時打で先制。四回に梅野の7号ソロで2-0としたが、五回に守備が乱れた。無死から一塁・原口、中堅・近本の連続失策で好投の高橋遥の足を引っ張ると、その後、1死満塁から茂木の2点打で同点。七回に島内の適時打で勝ち越された。  1点を追う八回無死一、三塁の絶好機では、近本の高いバウンドの三ゴロで三走・木浪が本塁へ突っ込まず、自重。矢野監督は直後に三塁へ代走・江越を送ると、ベンチ内で木浪に直接、注意を与えた。  結局、この回は痛恨の無得点。試合後、矢野監督は「あの打球でね。もちろんホームに行けるプレーだし。これは俺らの指導のね。また勉強というか。そういうのもあるし」と硬い表情。「いつも同じことになっちゃうけど、これは返ってこないんでね。今後、どうしていくかという俺らの考えと、あいつ自身もね。エラーしている選手もそうだしね。聖也(木浪)のあれ(あの打球)でかえってこられないということを、どうしていくかということしかないんでね。そこをしっかり考えていきます」と話した。

◆楽天は茂木が4安打と光った。0-2の五回1死満塁では中前に同点の2点打。連続失策に乗じてつくった好機で「打ったのはカットボールだと思う。満塁のチャンスでしっかり仕事ができた」と汗を拭った。  19日の第6打席で右翼線に2点二塁打。一夜明けて一、三回は内野安打で出塁し、七回は勝ち越しにつながる右前打を放った。勢いに乗る25歳のリードオフマンは「1打席目が内野安打になって気持ちが楽になった。まだまだチームの勝利に貢献していきたい」と力強く話した。 平石監督(茂木に) 「内容がいい。よく打ってくれた」 島内(七回に勝ち越し打) 「勝ち越すことができて良かった。茂木が打ち過ぎなので少し引いている」

◆交流戦の負け越しが決まった阪神。期待の両ルーキーには悔しさが募る敗戦となった。  近本は五回の中堅守備で、兵庫・社高の後輩、辰己の飛球をグラブに当てながら落とした。この回2点差を追い付かれ「イージーエラー。そういうところが駄目なところ」。打っても4打数無安打で「エラーをしても自分のプレーをやらないと」と反省しきりだった。  木浪は先頭で右前に運んだ八回に三進後、近本の弾んだ三ゴロで本塁に突っ込まなかった。同点機をふいにし「完全に自分の準備不足」と視線を下げた。 阪神・藤本内野守備走塁コーチ(木浪の走塁ミスに) 「指示を出したのに行動に移せなかったのは僕の責任でもある」 原口(五回に一ゴロを後逸) 「チームの勝ちを消してしまった。申し訳ない」 視察に訪れた日本代表の稲葉監督(梅野に) 「これだけ打っている。いい姿になってきた。候補選手の一人」

◆--高橋遥はエラーもありながら  矢野監督「勝てるというか、そういう内容やったし。2つのエラーからの失点やからね。遥人には本当に...前回もね、いいピッチングしていたけど。ボール自体とか内容っていうのは遥人らしいボールを投げていたと思うし。最後はちょっと球数が増えたところでね、あの1本っていうのはある意味仕方がないかなって言う部分もありながらだったんだけど」  --八回の木浪の走塁はいってほしかったところ  「いやいや、まぁね。まぁ、あの打球でね。もちろんホームに行けるプレーだしね。これは俺らの指導のね。また勉強というかね。そういうのもあるし。いつも同じことになっちゃうけど、これは返ってこないんでね。今後、どうしていくかという俺らの考えと、あいつ自身もね。エラーしている選手もそうだしね。聖也(木浪)のあれでかえってこられないということを、どうしていくかということしかないんでね。そこをしっかり考えていきます」

◆いよいよ2020年東京五輪のチケット申し込みの抽選結果が発表されました。おぎゃぁと生まれてから、くじ運とヨメ運の悪さ...ゴホゴホ...つまりご町内の福引きなんかも必ず参加賞しか当たらなかった私めとしてはいさぎよくあきらめていたから(申し込みをしてない)サバサバしてマス。コレって男らしい判断(どこがじゃ)だと思いました。なぜなら申し込まないと...くやしい思いもしなくて済むし...。  フトみると本日の編集総括席の運動部長大澤謙一郎も何やらセカセカと電話をかけている。ハハン、こういう時はヤツも抽選にハズレたな...イヒヒと思いつつマジメな顔で「どやった」といったら「僕ですか。当たるわけないでしょ...」だと。イヒヒ...そうこなくっちゃ...。  運動部のサブデスク席でツルンとした顔の阿部祐亮は、いつもくじ運はある。忘年会でも何かデカイ袋を必ず抱えている。それでどうやった? と聞いたら...ニコッと白い歯。ああこれだから神様は不公平だ...と口をとんがらせたら「そのかわり先輩、女房運は...」。そこまでッ。あんなテキパキとした女房と結婚できて、どこに文句がある。俺への嫌みか...。まぁみなさまの職場でもここかしこで「五輪チケット悲喜劇」で話がはずんだと思います。  と、そこにトラ番紅一点の箭内桃子記者から電話だ。彼女は母上と2人で出雲大社にプチ親孝行旅行をしてきたらしい。  「それが糸原選手が島根出身で以前、取材にいったときに出雲大社にお参りしたんです。そのときにしめ縄が意外に小さいのでアレ...と思った記憶があるんです。それが今度は母といって...初めてあの縁結びの大しめ縄はその本殿のすぐ横にあるんだとわかりまして...今度はきちんとお願いしておきましたヮ...ウフフ」と意味深な笑い。  ま、とにかく桃子記者は元気いっぱいで記者席。彼女は「高橋遥人投手も試合前の練習でとてもキリッとしてました。期待してください」という。  たしかに高橋遥人は楽天打線にまさに孤軍奮闘のピッチングを展開していった。こういっちゃなんだが楽天はいつの間にこんな"重量打線"を製造? するスカウト陣をそろえたのか。まざまざとその背後にあの太い眉をキリリとさせて眉間に皺をよせた鬼の形相の星野仙一というやんちゃなプロデューサーが、まだ天国から怒鳴っているような気がしてならない。  五回に阪神はディフェンスにほころびが出た。このところ毎試合のようにどこかで出る。歯がゆさ...。39歳で初めて中日の監督になった星野仙一はいつも"怒り虫"だった。真夏の空にも...暑いと怒鳴った。そして彼の周囲は5メートルの丸い空白がいつも出来た。緊張感。迫力があった。実は鬼の先輩にあたるV9巨人の監督川上哲治のそれがエキスだった。  試合は皮相的にとらえるなら接戦かもしれないが...随所に最近の阪神上げ底ぶりがのぞいた。それは矢野監督が何度もベンチで天を仰ぎ、哀しそうな顔をのぞかせたことからもわかる。拙守...またしても力投の高橋遥人は阪神投手陣の皮肉な伝統"孤高のマウンド"で立ち往生となった。  昨年のちょうど今頃に金本監督は覇気のない打者を即2軍におとしている...。ミスをしておいて白い歯をみせるな。相手の楽天にはそれがなかった...。  日本の梅雨にはあじさい(紫陽花)が似合う。正岡子規は血を吐く思いでそれをこう詠んだ。  紫陽花や きのふの誠 けふの嘘...

◆阪神・矢野監督の血圧が心配やー!  1点を追う八回先頭の木浪がヒットで出塁すると代打の「神様、仏様、福留様」のヒットで無死一、三塁の大チャンスをつくったのだ。「よっしゃ!! これで連敗も5でストップ。さっさと逆転したってーな!!」。  そして、次打者・近本の当たりは高く弾んだ三塁へのゴロ。「よっしゃ!! まずは同点。ご苦労さん、ホームへの全力疾走で息が切れたやろ。スポーツドリンクでも飲んでひと休みしてやー!!」と木浪にねぎらいの声をかけたら...。  アラ!? ベンチに木浪の姿が見当たらない。木浪を探したら...。三塁ベースにいるやんけ~!!  連敗中なのに、この消極的すぎる走塁。カッカッカッー!! 血圧が急上昇したはずの矢野監督は木浪に代走・江越を送ったが、走塁ミスが響いて6連敗となったのだ。  守備にもミスが出て...。2点リードの五回に原口と近本のエラーから同点にされるとは...。半世紀以上、阪神を見ているけど、勝敗より監督の血圧を心配したのは初めて!! 猛虎ナインよ、監督の血圧を下げる『トクホ野球』で勝ってくれー!!

◆糸井が一回1死二塁、石橋の変化球を右前へ弾き返す先制タイムリー。4試合ぶりの打点に、広報を通じて「初回から先制できてよかったです。もっととれるように頑張ります」とコメントした。前日19日には今季初の4安打を放つなど上昇気配だ。試合前には侍ジャパンの稲葉監督と言葉を交わして刺激も受けた様子。頼れる男が連敗ストップへ虎をけん引する。

◆15日のオリックス戦(京セラ)以降、先発から外れている福留が代打で2試合ぶりに登場。八回無死一塁で石橋のフォークを右前に運び、16日の同戦以来のヒットを放った。だが、得点には結びつかず「こういう日もあります。投手に負担をかけているので、攻撃陣が頑張らないと。切り替えて頑張ります」と前を向いた。右ふくらはぎ筋挫傷から11日に1軍に復帰。自身の体調については「ぼちぼちです」と語った。

◆先発した高橋遥は、6回2/3を8安打3失点(自責1)と粘投したが、今季2勝目をつかむことはできなかった。  「ミスはつきものですし、ああいうのが出たときに抑えるのが本当にいいピッチャーなので。なんとしても抑えたいと思ったんですけど、悔しいです」  2-0の五回。味方の2つの失策などで1死満塁とピンチを背負うと、茂木に2点打を許して同点に。2-2の七回にも3本の安打を浴びて、勝ち越し点を献上した。  それでもパ・リーグ首位の楽天打線から毎回の8奪三振。交流戦通算5試合で未勝利だが、視察に訪れた日本代表・稲葉監督は「どのボールも自分の投げたいところに操れているのはすばらしい。建山コーチとも、ジャパンに入るならどこで使っていくかという話も。これからも見続けていきたい」と絶賛した。 (織原祥平)

◆石橋が懐かしの甲子園でプロ最長の八回途中まで投げ、2失点で4勝目を挙げた。高知・明徳義塾高時代の2008年春の選抜大会で、野手としてサヨナラ打を放った舞台。プロ入り後初の聖地での登板を飾り「地元も関西なので、すごくうれしかった。一生の思い出」と感慨に浸った。七回の攻撃では送りバントに失敗したが、二進後に島内の中前打で全力疾走。「10年ぶりくらい」というスライディングで本塁を陥れ、勝ち越し点を奪った。

◆あまりにもお粗末だった。2点リードの五回、目を覆いたくなる連続失策から同点に...。マウンドで奮闘する高橋遥をもり立てられず、足を引っ張る結果となった。  「先頭で、大事にいかないといけないところだったんですけど...。自分のミスで迷惑をかけて、申し訳ない気持ちでいっぱいです」  悔しさをにじませ言葉を絞り出したのは、五回先頭ウィーラーの一ゴロを後逸した原口だ。梅野の7号ソロで2-0と突き放し、その直後の守備。前進しながら捕球を試みた打球はグラブに収まらず、右前へ転がっていった。  無死一塁となり、さらに負の連鎖は続いた。辰己の左中間へのフライを、今度はD1位・近本光司外野手(大阪ガス)が落球。浜風に流された打球に追いついていただけに、「イージーミスです。そういうところがダメなところです」と猛省。その後の同点2点打につながってしまった。  ノーモア守乱を目指して迎えたシーズンのはずだった。最下位に沈んだ昨季はリーグワーストの89失策を記録。しかし今季は70試合ですでに64失策に到達し、シーズン換算すると130失策ペース。甲子園でこうもミスが続いては、勝てる試合も勝ちきれない。  悔しいミスに泣いた敗戦に、「また次に向けてしっかり準備して頑張りたいと思います」と原口が前を向けば、近本も「エラーしたとしても、その後しっかり自分のプレーができるようにしていかないと」と力を込めた。今を正念場として、もう一度手綱を引き締める。1つ1つのアウトを確実に奪い、白星をつかみ取るしかない。 (箭内桃子)

◆不敗神話が、負の連鎖に飲み込まれてついにとぎれた。梅野が栄光のアーチをかけても、投手陣を必死にリードしても勝利には届かなかった。空砲に終わった7号ソロを厳しい表情のまま振り返った。  「攻撃で迷惑を掛けているところがあったので、日を新たにきょうこそはという気持ちで挑みました。いい追加点になったとは思います」  一回に糸井の先制打で幸先良く得点したが、二回、三回と追加点が奪えず迎えた1-0の四回。先頭の大山、原口が凡退し得点機がしぼみかけた場面でドカンといった。  好投していた石橋のど真ん中137キロを振り抜くと、打球は一直線に中堅左へ吸い込まれた。12日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来7試合ぶりの7号ソロに、虎党も一度は勝利を確信。矢野監督も笑みを浮かべてベンチへ迎え入れた。  背番号44が本塁打を打った試合は、昨年6月27日のDeNA戦(横浜)から11連勝中だった。連敗ストップへ最高の"ジンクス"だったが野手に失策が重なり、八回無死一、三塁の絶好の得点機に消極的な走塁も...。  女房役は今季24度目のマルチ安打となる2安打1打点と奮闘したが、これでは勝利の女神もほほえまないか。ただ、バックネット裏で大きくうなずいていたのが、この日の一戦を視察に訪れた侍ジャパンの稲葉監督だ。  「(梅野は)バッティングも非常に魅力がありますし、捕手としてもショートバウンドをしっかり止めるうまさを持っていますしね」と技術面に太鼓判。さらに「投手を引っ張っていく姿も、いい姿になってきましたよね。ピンチでも声かけたりしてましたし」と高い評価を口にした。侍ジャパンでみたい選手かと問われ「もちろん」とラブコールを送った。  「なんとか野手が(投手を)見殺しにしないように、もり立てていかないといけない。負けが込んだときに取り返す1勝はなかなか難しいですが、切り替えてやっていかないといけない」と梅野は顔をあげた。侍の正捕手へ名乗りをあげた男の奮起がチームを覆う"暗雲"を吹き飛ばす。 (新里公章) ★稲葉監督、気持ち強い選手求む  日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督(46)が20日、阪神-楽天(甲子園)に建山義紀投手コーチ(43)や井端弘和コーチ(44)らとともに視察に訪れた。  矢野監督とは2008年北京五輪では日本代表としてともに戦った間柄で、試合前練習時に言葉を交わす場面も。「気になった選手の名前あげていろんな話をさせていただいた。北京も一緒にやった仲で、経験してる監督なので」と話した。  11月のプレミア12や2020年東京五輪へ求める選手像を聞かれると「勝負強さだったり修正する能力。あとはジャパンに対する思い、気持ちの強さ。そういう選手を集めていきたい」と語った。

◆怒りの公開説教! 阪神は楽天に3戦連続逆転負けを喫し、1分けを挟み今季ワーストの6連敗となった。矢野燿大監督(50)は、八回の得点機に超消極的な走塁をみせたドラフト3位・木浪聖也内野手(25)=ホンダ=をベンチで直接指導。貯金もついになくなり、広島と並ぶ交流戦最下位に転落だ。  珍しく怒りをあらわにした。試合中にベンチで木浪に矢野監督が"公開説教"する姿が、テレビにも映し出される。時間にして十数秒だったが、ルーキーの瞳がみるみる潤んでいっているようにみえた。  「あの打球でね。もちろんホームに行けるプレーだしね」  何よりも消極的な姿勢が許せなった。1点を追う八回だ。先頭の木浪、代打・福留の連打で無死一、三塁。絶好の同点機で、D1位・近本光司外野手(大阪ガス)がたたきつけた打球は大きく跳ね上がった。いける-。しかし期待を抱いた歓声とは裏腹に、三走・木浪は数歩進んだところで自重してストップ。タイミング的にはセーフにも見えたが、本塁に突入しなかった。  露骨に眉間にしわを寄せた将だが、怒りは収まらない。続く糸原の打席で3球目が投じられる前という異例のタイミングで、代走・江越をコールした。三塁から木浪をベンチへ呼び戻しての厳重注意。いけいけムードは一気にしぼみ、そのまま力なく敗れた。  2軍を率いて昨季「超積極」を掲げ、1軍監督となった今季もその思いは変わらない。チームの勝ち負けよりも、勝つために失敗を恐れないプレーを評価。だからこそ「積極的にいったミスはOK、そこからどう成長するか」と何度も、何度も強調する。しかしこのプレーは誰が見ても、恐れ、消極、ネガティブさしか感じられない。だから許せなかった。  木浪は「完全に自分の準備不足です」と涙目で反省した。2試合連続マルチ安打で打棒に上がり目が出てきただけに、あまりにももったいなかった。矢野監督も選手の責任にするばかりではなく「これは俺らの指導のね。また勉強というか、そういうのもあるし」と自らを戒めるように言葉を絞り出した。  しかし成長の糧とするには痛すぎる1敗。一回にさい先よく先制し、不敗神話を誇っていた梅野の本塁打が出ながら逆転負け。しかも五回、2連続エラーが失点に直結するという最悪の内容。そこにとどめの消極走塁...。これまで矢野虎を支えてきたものが崩壊しかねない敗戦だ。  「これは返ってこないんでね。今後、どうしていくかという俺らの考えと、あいつ自身もね」  2年ぶりとなる6連敗(1分けを挟む)で、交流戦3試合を残して2年連続の負け越しが確定。広島と並んで交流戦最下位に転落した。21日からは、4連勝中の西武が甲子園に乗り込んでくる。崖っ縁の虎だが、セ・リーグ3位を守っていることはわずかな救い。貯金0となった今こそ、超積極的に再スタートするしかない。 (大石豊佳) 木浪の走塁について阪神・藤本内野守備走塁コーチ 「すごくもったいない。指示を出しましたけど、行動に移せなかったのは僕の責任でもある。判断をしっかりするというのはこれからの課題」 阪神・清水ヘッドコーチ 「考える準備の量が少なすぎる。流れがこっちに来てるのにそれを断ち切っちゃっている。もっと積極性を持って、"一息つく"ような変な癖はなくさないと」

◆勝ち越された七回よりも、追いつかれた五回をポイントに挙げたい。  先制点を奪ったが、楽天の先発・石橋は尻上がりに調子を上げていて、簡単に追加点が取れそうにない状況。しかし、四回に梅野が失投を見逃さずにソロ。流れは阪神に来た。ところが、五回先頭のウィーラーの打球を一塁・原口が捕球ミス。せっかく流れがきたところだったのに...という失策になった。続く辰己の打球も中堅・近本が捕球ミス。同点に追いつかれて、流れも手放した。  どちらも、何も慌てなくていい場面だった。原口は一塁ベースの近くにいたので、腰を落として、それこそ膝をついて捕っても打者走者をアウトにできた。近本は捕球して一塁に投げようとしたのか、こちらも慌てたプレーにみえた。先発・高橋遥が好投していただけに、競った試合になることが予想された。それだけに、五回はしっかり守ってほしかった。  野球にミスはつきものとはいえ、今季は失策数が多い。減らすにはキャッチボールやノックなど、とにかく練習するしかない。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
942 0.692
(↑0.025)
-
(-)
360
(+6)
50
(+5)
27
(+2)
14
(-)
0.233
(↑0.005)
3.040
(↓0.13)
2
(-)
巨人
1050 0.667
(↑0.024)
0
(-)
374
(+4)
51
(+2)
21
(+1)
13
(-)
0.259
(↓0.006)
3.140
(↑0.08)
3
(-)
楽天
950 0.643
(↑0.028)
0.5
(-)
460
(+3)
54
(+2)
11
(-)
5
(+1)
0.262
(↑0.001
3.710
(↑0.14)
4
(2↑)
西武
960 0.600
(↑0.029)
1
(-)
387
(+2)
65
(+1)
16
(+1)
11
(-)
0.277
(↓0.001)
4.100
(↑0.22)
5
(1↓)
DeNA
861 0.571
(↓0.044)
1.5
(↓1)
357
(+4)
57
(+8)
19
(+1)
4
(+1)
0.248
(↑0.001)
3.760
(↓0.3)
6
(1↑)
日本ハム
861 0.571
(↑0.033)
1.5
(-)
362
(+8)
63
(+4)
12
(+4)
9
(+1)
0.260
(↑0.003)
3.810
(↓0.01)
7
(2↓)
ORIX
761 0.538
(↓0.045)
2
(↓1)
450
(+2)
53
(+4)
5
(-)
15
(+1)
0.253
(-)
3.710
(↓0.05)
8
(-)
ロッテ
690 0.400
(↓0.029)
4
(↓1)
365
(+6)
80
(+7)
15
(-)
11
(-)
0.250
(↑0.007)
4.910
(↓0.16)
9
(-)
ヤクルト
590 0.357
(↓0.028)
4.5
(↓1)
466
(+5)
72
(+6)
16
(+3)
5
(-)
0.245
(↑0.001)
4.660
(↓0.11)
10
(-)
中日
5100 0.333
(↓0.024)
5
(↓1)
360
(+1)
72
(+2)
5
(-)
6
(-)
0.247
(↓0.003)
4.800
(↑0.2)
11
(-)
阪神
492 0.308
(↓0.025)
5
(↓1)
360
(+2)
65
(+3)
9
(+1)
12
(-)
0.230
(-)
3.290
(↑0.15)
12
(-)
広島
491 0.308
(↑0.058)
5
(-)
448
(+7)
67
(+6)
11
(+3)
10
(-)
0.213
(↑0.007)
4.050
(-)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
37281 0.569
(↑0.006)
-
(-)
77325
(+4)
264
(+2)
92
(+1)
39
(-)
0.263
(↓0.001)
3.650
(↑0.03)
2
(-)
広島
37292 0.561
(↑0.007)
0.5
(-)
75283
(+7)
268
(+6)
66
(+3)
47
(-)
0.250
(↑0.001)
3.280
(↓0.01)
3
(-)
阪神
33334 0.500
(↓0.008)
4.5
(↓1)
73276
(+2)
290
(+3)
51
(+1)
47
(-)
0.246
(-)
3.450
(↑0.03)
4
(-)
DeNA
31351 0.470
(↓0.007)
6.5
(↓1)
76261
(+4)
273
(+8)
77
(+1)
20
(+1)
0.246
(↑0.001)
3.750
(↓0.07)
5
(-)
中日
28390 0.418
(↓0.006)
10
(↓1)
76253
(+1)
274
(+2)
42
(-)
37
(-)
0.255
(↓0.001)
4.000
(↑0.03)
6
(-)
ヤクルト
27412 0.397
(↓0.006)
11.5
(↓1)
73312
(+5)
360
(+6)
79
(+3)
26
(-)
0.238
(-)
4.680
(↓0.02)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
楽天
38281 0.576
(↑0.007)
-
(-)
76320
(+3)
294
(+2)
74
(-)
24
(+1)
0.258
(-)
4.200
(↑0.03)
2
(-)
ソフトバンク
36294 0.554
(↑0.007)
1.5
(-)
74282
(+6)
257
(+5)
94
(+2)
63
(-)
0.251
(↑0.001)
3.340
(↓0.02)
3
(-)
日本ハム
35304 0.538
(↑0.007)
2.5
(-)
74302
(+8)
282
(+4)
49
(+4)
31
(+1)
0.259
(-)
3.750
(↓0.01)
4
(-)
西武
35311 0.530
(↑0.007)
3
(-)
76356
(+2)
341
(+1)
80
(+1)
75
(-)
0.261
(-)
4.500
(↑0.05)
5
(-)
ロッテ
31351 0.470
(↓0.007)
7
(↓1)
76293
(+6)
300
(+7)
81
(-)
49
(-)
0.244
(↑0.002)
4.050
(↓0.05)
6
(-)
ORIX
26365 0.419
(↓0.007)
10
(↓1)
76225
(+2)
285
(+4)
45
(-)
60
(+1)
0.227
(-)
3.790
(↓0.01)