オリックス(☆6対4★)阪神 =交流戦1回戦(2019.06.14)・京セラドーム大阪=
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阪神
0200002004710
ORIX
20000004X6711
勝利投手:エップラー(1勝2敗0S)
(セーブ:増井 浩俊(1勝1敗18S))
敗戦投手:西 勇輝(3勝6敗0S)

本塁打
【オリックス】ロメロ(8号・1回裏2ラン)

  DAZN
◆オリックスは初回、ロメロの2ランで幸先良く2点を先制する。その後は逆転を許すも、8回裏に福田と西野の適時打などで4点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、4番手・エップラーが来日初勝利。敗れた阪神は、7回に2点を勝ち越すも、痛い逆転負けを喫した。

◆オリックス成瀬善久投手(33)がヤクルト時代の17年6月13日以来の交流戦登板。成瀬の交流戦はロッテ時代に20勝、ヤクルト時代に1勝で通算21勝。今日の阪神戦で勝利すれば3球団で交流戦勝利となる。 過去に3球団で交流戦勝利は16年スタンリッジ(ロッテ)まで7人だけ。阪神戦は通算4勝5敗と負け越しているが、白星をつかんで3球団勝利なるか。

◆オリックスのステフェン・ロメロ外野手が元同僚の阪神西から2戦連発となる先制の8号2ランを放った。4番DHで出場。 2死から吉田正が左前打で出塁し、2死一塁で迎えた打席で、2ボールからの3球目。昨季までチームメートだった西が投じた真ん中低め140キロ直球をたたき、バックスクリーンへ運んだ。 「打球は少し上がり気味だったけど、しっかりと捉えることができたよ。なんとかスタンドまで届いてくれて良かったね!」 前日13日中日戦では7回に反撃の口火となる7号ソロを放ち、9回には劇的サヨナラ打を放った。この日の本塁打で交流戦5発目。助っ人が序盤に勢いをもたらした。しかし、2回に同点に追いつかれ、試合を振り出しに戻された。

◆阪神が先制を許した直後に同点に追いついた。初回2死一塁で4番ロメロに先制2ランを献上。直後の2回表1死に5番原口文仁捕手(27)が左前打で出塁。6番梅野隆太郎捕手(27)が左翼線二塁打を放った。 原口は本塁へヘッドスライディングの激走。微妙なタイミングにアウトと判定されたが、矢野監督のリクエストでセーフに覆った。続くジェフリー・マルテ内野手(27)の三ゴロの間に、三塁走者の梅野が生還し、打者3人で同点に追いついた。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(27)が勝ち越し適時打を放った。 2-2の7回。先頭の原口が右前打で出塁すると、梅野が犠打をきっちり決めて1死二塁。マルテが比嘉の初球、125キロスライダーをとらえ、左前適時打を放った。「自分の打てるゾーンに来たら、全部打つ気持ちだった。しっかりランナーをかえすことが出来てよかったよ。チームに貢献することが出来て最高だね」。2点を追う2回も原口が出塁し、梅野、マルテと続いて同点に追いついた。原口を起点にチャンスで打線がつながった。 さらに1死二塁から高山が左前適時打を放ち、代走木浪の激走で1点を追加した。「何としても追加点のほしい場面だったので、命がけで打ちました」と気合で追加点を奪った。

◆先発したオリックス成瀬善久投手が6回3安打2失点の粘投も16年7月8日以来1071日ぶりの白星はお預けとなった。 スライダーやチェンジアップ主体でリズムよく低めに制球し、凡打の山を築いた。連打などで2点を失った2回以外は、3者凡退の回を3イニング作るなど、二塁を踏ませなかった。味方打線は初回にロメロの8号2ランで先制した後は沈黙が続き、力投した成瀬を援護することができなかった。 成瀬は「今日は先発として最低限の仕事はできたと思います。ただ、全体的に低めに丁寧に集めることができていただけに、チームが先制点を取った直後に失点を許してしまったところは反省しなければいけませんし、悔しいです」とコメントした。

◆好投を続けていた阪神西勇輝投手(28)が8回途中で降板した。初回にロメロに先制2ランを浴びたが、直後に味方が同点に追いつくとその後は安定した投球。4回からは4イニング連続で3者凡退に抑えた。 しかし2点リードの8回に代打後藤から3連打を浴び1点をかえされ、犠打で1死二、三塁となったところでマウンドを降りた。その後、同点に追いつかれ、古巣からの勝利を逃した。勝てば、11球団目の白星だった。

◆先発はオリックス成瀬、阪神西。オリックスは初回、ロメロの8号2ランで先制。阪神は2回、梅野の適時打などで2点を返した。 阪神は3回以降成瀬を打ち崩せず、0点が続く。オリックスは2回以降、元同僚西を攻略できず追加点はなし。成瀬は6回で降板。 阪神は7回に連打で2点を勝ち越し。オリックスは8回、西野の右翼越え2点適時打などで逆転。阪神は連敗。西が6敗目。オリックスは連勝。エップラーが今季初勝利、増井が18セーブ目。

◆オリックス・エップラー投手が来日初勝利を飾った。 2点ビハインドで迎えた8回の無死一、二塁で4番手として登板。大山を三ゴロ併殺に、代打鳥谷を149キロ直球で中飛に打ち取り、チームに流れを呼び込んだ。「5球で1勝目をとれてうれしかった。阪神ファンばっかりだと思ってましたけど、その中でもオリックスファンの声援でアドレナリンがでました」。ウイニングボールについては「自分で持って帰ります」と笑顔をみせた。

◆阪神原口文仁捕手が2度の得点シーンの起点になった。2点を追う2回1死。左前打で出塁。梅野の左翼線二塁打で、一塁から激走を見せた。三塁ベースを迷いなく蹴り、本塁に気迫のヘッドスライディング。際どいタイミングだったが、判定はアウト。 「タイミングが微妙だったので、1番早い方法を選びました。(セーフの自信は)ありました」。すぐさま矢野監督はリクエストを要求した。リプレー検証で判定は覆り、セーフ。スタンドが沸いた。 7回にも先頭打者で右前打を放ち、2得点を呼んだ。2安打はいずれも攻撃の起点になった。この日は福留が休養日でスタメンを外れた。代役の5番で役割を果たした。「今日は得点に絡めた。こういう機会を増やしていって、チームが勝てるようにやっていくだけです」。13日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では、1軍復帰後初めて一塁で先発起用されたがノーヒットに終わった。試合に敗れたが、今季2度目のマルチ安打。1軍復帰8試合で、打率は3割7分5厘と結果を残している。原口の躍動が、チームに勇気を与える。【真柴健】

◆オリックスが連夜の逆転劇で「関西ダービー」初戦を制した。ヒーローは途中出場の西野真弘内野手。2点ビハインドで迎えた8回。1点差とし、さらに2死満塁で打席が巡ってきた。3球目に相手の暴投で同点に追いつき、二、三塁での6球目だった。藤川の内角変化球を捉え、右翼頭上を越す決勝の2点三塁打。「みんながつないでくれたチャンスだった。本当になんとかという気持ちだった」と振り返った。 三塁に到達すると、ガッツポーズで喜びを爆発させた。「悔しい思いもいろいろしてきたので、ちょっと(拳が)出ちゃいました」。今季開幕2軍スタート。1軍と2軍を行き来する日々を送っていた。お立ち台ではサプライズでウオーターシャワーを浴びた。「寒いですけど、初めてだったのでうれしかった」と笑顔をみせた。 元同僚の西を相手に打線が中盤苦しめられたが、終盤に意地をみせた。連日の逆転勝利に西村監督は「もっと早くたくさん点を取っていればよかったんですけど、みんなが執念をみせてくれた」とナインをたたえた。この日の勝利で交流戦の貯金が1つ。シーズンの借金は10に減らした。【古財稜明】

◆阪神が頼れる2人の右腕でまさかの逆転負けを喫した。西勇輝投手(28)が昨年まで在籍したオリックス戦に先発。古巣から勝利目前の8回につかまり、ピンチで降板。2番手藤川球児投手(38)も踏ん張れず、試合をひっくり返された。西は8回途中5失点で6敗目。11球団白星も逃した。右翼へ飛んだ打球は、糸井が伸ばした手の先を越えていった。4-3の8回2死満塁、藤川が西野の内角低めに投じたフォークは暴投に。同点に追いつかれると、6球目の真ん中に入ったフォークを右翼へ運ばれた。「何十回、何百回と結果を出しても、1回ダメだったら、責任を負うポジションに変わりはない」。18戦連続で無失点に抑えていたベテランも、流れを止められなかった。 まさかの8回だった。「力不足。ただそれだけです」。先発の西は、短い言葉に悔しさを込めた。初回にロメロに先制の2ランを被弾するも、その後はピンチすら作らなかった。4回からは4イニング連続で3者凡退。しかし終盤につかまった。8回に先頭の小田に左前打を許すと、そこから3連打を浴び1点差に。犠打で1死二、三塁とされたところで、藤川にマウンドを譲った。「今日に限っては自分の力不足です。粘り切れなかった」。敗戦の責任を背負った。 慣れ親しんだグラウンド、かつてのチームメートとの対戦。昨年まで在籍したオリックスが相手だった。「(やりにくさが)ないことはない。ほぼ年下の子ですし。こういう経験はなかなかないですし、いい風にとらえてやっていければいいかなと思います」と率直な思いを口にした。ここまでNPB10球団に勝利。勝てば12球団制覇に王手をかけるところだったが、それも幻に消えた。 矢野監督は思わぬ逆転負けにも誰も責めなかった。「俺が1個ぐらい遅れたかな。継投が遅れたかなというのは俺の反省の中ではある」。救援の藤川についても「疲れもあるやろ。そらあんな厳しい場面で俺が出しているんだから」とかばった。 西はこれで3勝6敗。好投を続けるも、5月10日の中日戦から約1カ月勝利が遠ざかる。「終盤が課題なので、自分の中で乗り切れるように、いいイメージをしながら次のマウンドに上がりたい」。右腕は前を向いたが、チームにとっては痛い連敗となった。【磯綾乃】

◆阪神は攻めの代走攻勢で2点をもぎ取った。7回。先頭原口が右前打で出塁すると、矢野燿大監督は代走に荒木を選択。 続く梅野の送りバントで二塁まで進み、マルテの左前適時打で生還した。さらにベンチは送球間に二塁まで到達したマルテに代えて木浪を投入。その木浪が高山の左前適時打でホームを踏んだ。指揮官は「特別なことではないと思う。取れるところでチャンスの広がるような形でどんどん出していった」と攻めの交代を説明した。

◆阪神の適時二塁打を放った梅野隆太郎捕手が次戦へ気持ちを切り替えた。2点を追う2回1死一塁で走者原口をかえすタイムリー二塁打。 7回の打席では送りバントのファウルが顔面に直撃するハプニングもあった。終盤に相手打線の勢いを止められず、先発西を勝利に導くことができなかった。好調オリックスに対して「明日の勝ちを取るか取らないかは大きな試合。先に点をあげないことをテーマにやっていけたら」と見据えた。

◆阪神マルテが勝負強さを発揮した。2回に三ゴロの間に走者が生還。 6日のロッテ戦(ZOZO)以来となる打点を記録すると、7回には一時勝ち越しとなる左前適時だ。「変化球がくるかなというのはあった。うまくヒットにつながった」。2打点の働きに「全力で結果につながるようにやっている」と話した。

◆阪神のリードオフマン近本光司外野手が直近5試合で21打数1安打と元気がない。この日も、2点リードで迎えた7回2死二塁の場面で三ゴロに倒れるなど4打数無安打。指揮官は「違うところで頑張ってくれている」と前置きしつつ、「やっぱり、チカ(近本)と悠輔(大山)が機能しないと。相手にとって嫌なのはチカが出て悠輔が打ってというのが、こっちとしてはある程度、理想」と話した。

◆阪神・西勇輝投手(28)が14日、オリックス戦(京セラ)に先発。一回2死から吉田正に左前打を浴びると、続くロメロにバックスクリーンへ先制2ランを浴びた。  昨年まで10年間在籍していた古巣との対決。温かい拍手とともにマウンドに上がったが、手痛い一発で先制点を許した。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(28)が14日のオリックス戦(京セラ)の二回1死一塁で左翼線へ適時二塁打を放った。  0-2で迎えた二回。1死から原口が左前打で出塁すると、続く梅野が左翼線へ落ちる適時二塁打。原口が全力疾走で三塁を回り、本塁へ気迫のヘッドスライディング。一時はアウトの判定も、矢野監督のリクエストが実り、セーフの判定になった。1点を返し、なおも1死三塁からマルテが三ゴロを放ち、同点に。先発・西を援護した。

◆オリックス・成瀬善久投手が14日、阪神戦(京セラ)に先発。6回を投げ、3安打2失点と好投するも、今季初勝利はお預けとなった。  阪神との関西ダービーは初経験で、登板前には「関西対決で阪神ファンがたくさん来ると思うので、雰囲気に飲まれないようにしたい」と警戒。2-0の二回に2失点し、同点とされたが、その後は勝ち越し点は許さなかった。  勝てば、ヤクルト時代の2016年7月8日の中日戦(神宮)以来、1071日ぶりの白星だったが、オリックスは2-2の七回から2番手、比嘉にスイッチ。白星は次戦以降に持ち越しとなった。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(27)が14日のオリックス戦(京セラ)の七回1死二塁で勝ち越しの左前適時打を放った。  「自分の打てるゾーンに来たら、全部打つ気持ちだった。しっかりランナーをかえすことができてよかったよ。チームに貢献することできて最高だね」  先頭の原口がこの日2安打目となる右前打で出塁。梅野の投前犠打で1死二塁とすると、マルテが決めた。初球の外角低め125キロスライダーを鋭く振り抜くと、打球は三遊間を転がり左前へ。勝ち越しに成功した。  さらに、左翼・吉田正の悪送球も絡んでマルテが二塁に進塁し、なおも1死二塁。今度は高山が左前適時打を放ち、1点を追加した。4-2とリードを広げ、好投の西を援護した。

◆阪神は14日、オリックスに4-6で敗れ、2連敗となった。  2点リードの八回、快投を続けていた西が崩れた。先頭・小田、後藤、福田に3連打を許し、1点差にされると、犠打で1死二、三塁。ここで阪神ベンチは藤川を投入したが、吉田正を歩かせ、満塁。ロメロを空振り三振に仕留めたが、西野に走者一掃の右越え三塁打を浴び、逆転された。  疲労の蓄積により、2軍調整中のジョンソンは最短となる18日の楽天戦(倉敷)から復帰する見通し。西の続投策が裏目となり、関西ダービーに敗れた。

◆阪神は八回に4失点。2番手で登板した藤川は暴投で追い付かれ、西野に右越えの2点三塁打を浴びた。藤川は「勝負で向こうが勝ったということ」と振り返った。  中継ぎエースのジョンソンを欠く。藤川はこの試合前まで、18試合連続無失点と救援陣を支えてきたが、流れを止められなかった。矢野監督は「今まで苦しいところを何回も抑えてくれた。俺の中でやることはやった」と話した。

◆なんで、そんなに落ち着いてんの?  「こういうこともありますよ。最近、打撃好調でしたから」  エンゼルスの大谷翔平選手がメジャーで日本選手初のサイクル安打を達成。昼前の編集局が大騒ぎになったとき、ひとり泰然自若としていたヤツがいました。当番デスク(CD)澄田垂穂です。  「最近、ビックリすることばかり起きるんです。多少のことでは驚きません」  澄田は、前回当番デスクだった9日、日本ハム戦で原口選手がサヨナラ打。「今年一番感動した一日を過ごしました」。興奮しすぎたせいか、直後に携帯電話が"フリーズ"。ヘンな表示画面になったまま、うんともすんとも言わなくなったらしい。  「修理に持っていったけど原因不明です。仕方ないので、別の携帯電話を使っています。きょうがあの日以来の当番デスクなんです。それに...」  ん? 「それに...」ナニ? なぜかそこは、モゴモゴと口ごもってごまかされました。  一方、ソフトバンク3連戦を1勝1敗1分けで終えてチームとともに帰阪してきたトラ番たちにも、落ち着いた空気が漂っていました。  「交流戦前の貯金5をキープできているので、ここからの後半9試合も今のいい感じでいってほしいです」  キャップ大石豊佳はそう言って一息ついていました。試合前の練習中には、高橋遥人投手を矢野監督が呼び止め、"熱血指導"。捕手出身の指揮官は、「迷いがあるのが一番ダメ。思い切って投げろ」とアドバイスしたそうで、トラ番織原祥平は「次の日にも直接こうやって話をして、若い選手を育てていくんだなあ」と感じ入っていました。  今年の関西ダービー第1戦は西投手が一回に先制2ランを許すまさかの展開。しかし、澄田はここでも「ま、野球にはこういうこともある」。どうした。何があった? さっき言ってた「それに...」って何なんだ? しつこく追求すると、衝撃の事実が判明しました。  「実は、この前の休みにゴルフにいって、初めてスコアカードに『1』と書き入れたんです」  へ~、そうなんだ。え~!? 聞けば、まったく色気を持たないまま打って、ポコンと入っちゃったらしい。  「139ヤードのショートホールで、自分の飛距離なら8番アイアンだなと思ったんです。ところが8番がない。午前中にどこかのホールに置き忘れていたんです。しようがないから7番アイアンで軽めに振ったら、ワンバウンドしてそのまま...。8番があったら、入ってないですわ」  原口の劇的なサヨナラ打から、携帯電話の謎の故障。そしてホールインワン。数日の間にこれだけのことが続いて、「何が起きても俺はもう驚かない」という心境になったのだそうです。  試合は、二回に追いつき、七回にマルテと高山の適時打で勝ち越して4-2。しかし、八回にオリックスの猛反撃を食らって...。  「うわ~!! どうしてこんな」  泰然自若デスクが悲鳴を上げました。阪神の勝ち負けの衝撃は、ホールインワンのそれにも勝るのです。

◆先発した成瀬は6回を投げ、3安打2失点と好投。2-2の七回から降板し、今季初勝利はお預けとなったが「チームが勝ったんでよかった。それが一番」と笑顔。西村監督は「きょうは本当によかった」と評価し、左腕も「粘り強く低めに制球できた。(今季)先発したなかで一番よかった」と手応えのあるマウンドとなった。

◆--西もよかっただけに代え時が難しかった。  矢野監督 「同じことやけど、みんな一生懸命やってくれた結果やし、勝負しているんやから。それが勝ったり、負けたりいろんなことが起こりうるから。それは受け止めていかんとあかんと思うし。同じことになるけど、反省としては俺が遅れたというのが結果的にそういうふうなことがあるんじゃないかなと自分自身で思っている」  --七回の攻撃は  「まぁまぁ。特別なことでも全然ないと思うけど。取れるところで、チャンスの広がるような形でどんどん出していっただけ」  --藤川は疲れも  「疲れもあるやろ。そらあんな厳しい場面で俺が出しているんだから。同じことになっちゃう。球児には今まで延長で苦しいところを何回も抑えてくれたり、それでサヨナラになったりっていう試合をね、演出してくれているわけだから。俺も勝負に行ってる場面で球児を出して、俺の中ではやることをやっているんだけど。同じことになっちゃう、話が」

◆痛ててててー!! よもやの逆転負けで、交流戦負け越しになっちまった...。しかも、この痛さが腹立たしいのは誰も責められないところなのだ!!  七回を終わってわが阪神の2点リード。そこまで一回にロメロに2ランを許したけど、その後、ピシャリと封じて3安打の西を交代させられまっかァ?  本日の試合前まで防御率はリーグ3位なのに打線の援護に恵まれず他チームの投手が5、6勝しているのにまだ3勝。しかも95球じゃ「自分で白星をつかんだれ!!」で代えられないでしょう!!  八回、1点差に追い上げられての1死二、三塁の場面でマウンドに上がり逆転を許した藤川もイニングの頭からなら、ともかく...。責められないよなあ。  さらに、2-2の同点の七回の矢野采配なんて、原口のヒットから始まって梅野のバントにマルテのヒットで代走・荒木の好走塁!! おまけに代走・木浪が高山のヒットで見事に生還し(藤本三塁コーチも好判断や!!)何ひとつ問題がなかったのだ。  それで負けたんだから、タンスの角に足の小指をぶつけたみたいで怒りたいけど怒れねーよ。ま、長いペナントそんなこともあるさー!! と、切り替えましょう!!

◆西は7回1/3を6安打5失点で6敗目(3勝)を喫した。昨季まで10年間在籍した古巣を相手に七回まで3安打2失点に抑えていたが、急変。八回に3連打で1点差に迫られ、1死二、三塁で降板し、「力不足です」と唇をかんだ。「(試合の)終盤を乗り切れるように、いいイメージをしながら、次のマウンドに上がっていきたい」。これで5試合連続勝ちなし。FA右腕が苦しんでいる。

◆これまで虎打線を引っ張ってきた2人に一本が出なかった。D1位・近本光司外野手(大阪ガス)が4打数無安打。2試合連続で快音なしに終わり、チームも2連敗を喫した。  「やっぱり、チカ(近本)と悠輔(大山)が機能してこないと。まぁまぁ逆にいうとね、違うところが頑張ってくれてる部分はあるんだけど」  試合後、矢野監督は虎の絶対的な"リードオフマン"と"4番"へ、あえて愛のムチ。今後の奮起に期待した。  近本は勝ち越しに成功した直後、七回2死二塁のチャンスで3番手・海田の初球、真ん中よりの変化球をとらえきれず、三ゴロ。先頭で打席に立った一、六回も成瀬の前に凡退した。  ここ5試合で21打数1安打、打率・048。5月30日の時点で・312あった打率も、・288となり、下降気味。これまで全試合で4番に座っている大山も2試合安打なし。八回無死一、二塁で三ゴロ併殺に打ち取られ、好機をいかすことができなかった。  「相手にとって嫌なのは、やっぱりチカが出て悠輔が打ってっていうのが、こっちとしては理想の部分でもあると思う。そこに期待したいかなと思うけど」  誰にでも調子の波はある。相手からのマークも厳しくなっている部分もある。だからこそ、誰よりも虎将は2人の巻き返しに期待している。

◆ど根性ヘッドや! 阪神・原口文仁捕手(27)が「5番・DH」で3戦連続スタメン出場し、2度目のマルチ安打をマーク。二回には一塁から本塁へ激走し、最後はヘッドスライディングをみせた。オリックスに逆転負けを喫して2連敗も、大腸がんから復帰した男の全力&気迫プレーが、希望の光や!  まさに必死のパッチだった。疲れる足も何の。目の前に見えてきたホームベースに、必死の形相で飛び込んだ。絶対セーフになってやる-。強い思いから、本能で両手を伸ばす。原口が激走&気迫のヘッドスライディングで、得点をもぎ取った。  「タイミングが微妙だったので一番早い方法を選んだ。一度戻りかけたので全力で藤本(三塁)コーチだけを見て走りました」  2点を先制された直後の二回1死から左前打で出塁。続く梅野がフルカウントから左翼線への大飛球。ボールが落ちたのを確認すると、二塁を蹴った。本塁へは際どいタイミングも、判定は「アウト」。「(セーフだという自信が)ありました」と両手を広げてアピール。矢野監督のリクエストが実り、セーフに判定に覆るとレフトスタンドに詰めかけた虎党からの大きな歓声に包まれた。  原口らしい全力のプレーで得点を奪い、チームも盛り上げるとこの直後に同点に追いついた。その後、七回に右前打を放ったところで代走・荒木を送られ交代。その荒木が一時勝ち越しとなるホームを踏み、2得点に絡む活躍。3試合連続でのスタメン起用に応えた。  虎党の期待に応える姿は、グラウンドだけじゃない。まだ、1月の大腸がんの手術から実戦復帰を目指して鳴尾浜で必死に練習をしていた頃。練習が終わると、自発的に即席のサイン会を実施した。時間が許される限り、ペンを走らせた。時には声をかけ、2軍の練習にまで足を運んで応援してくれる人々を笑顔にしていった。そういった姿勢がファンの心を打ち、エールとなって原口を支えている。  「今日は得点に絡んでいけた。チームが勝てるようにやっていくだけ」と力を込める。2試合ぶりのマルチ安打で打率は・375と打撃も好調。関西ダービーの初戦で敗れ、チームは2連敗も希望の光はまばゆいばかり。打って走って、原口が結果とその姿で、今度は勝利へと導く。 (菊地峻太朗)

◆白球が右翼・糸井の頭上を越える。スタンドを黄色に染めた虎党の悲鳴を上回る、大歓声が京セラドームに響いた。関西の主役は俺たちだ。三塁ベース上で、オリックス・西野が右手を突き上げた。連夜の逆転劇。お立ち台で浴びるウオーターシャワーは格別だった。  「寒いです...。でも、初めてだったので、うれしいはうれしいです。みんながああやって来てくれたことは、なかなかないので」  ヒーローインタビューを受ける西野、来日初勝利のエップラーの背後にナインが忍び寄り、突然、ペットボトルの水をぶっかけた。仕掛け人は湊球団社長。前夜のサヨナラ勝ち同様に、チームは大盛り上がりだった。  古巣斬り目前だった西相手に執念を見せたのは2-4の八回だ。先頭の小田が左前打で出塁し、反撃開始。1点差に迫り、マウンドから引きずり下ろすと2死満塁で西野に打席が回ってきた。2番手・藤川の暴投で同点とし、なお二、三塁。「楽にはなったけど、勝ち越さないと意味がない場面。集中した」とフォークをとらえ、右越えに決勝の2点三塁打だ。  終盤に粘りを見せた打線に、西村監督は「あそこは野手陣が執念を見せてくれた」と笑顔。昨季まで同僚の西に七回までは3安打と封じられたが「七回まではそうでしたけど、野球は九回までだから」とうなずいた。  「勝負事なんでこんなこと言っていいかわからないですけど、(西と)戦っているのは楽しかった」と、右腕と同学年の西野。西撃ちで関西ダービー初戦をとり、通算対戦成績は28勝27敗2分けと一歩リード。勢い付いてきたオリ打線が残り2戦も虎を狩り、上昇気流に乗る。 (西垣戸理大) 2-4の八回無死一、二塁から登板し、1回無失点で来日初勝利を挙げたオリックス・エップラー 「5球で1勝目を取れて、5球で3アウトを取れてうれしい。(記念球は)自分で持って帰ります」

◆まさかの逆転負け! 阪神は2点リードの八回、先発・西勇輝投手(28)が3連打を浴び、代わった藤川球児投手(38)もリードを守り切れず、一挙4失点。オリックスとの関西ダービーの初戦を落とした。ベテランの連続無失点も18試合で止まり、チームも2連敗。矢野燿大監督(50)は「継投が遅れた」と自身のタクトを猛省した。  ホーム上でクロスプレーの後、そのまま藤川は起き上がることができなかった。八回に1点差とされてなお2死満塁から、自らの暴投で同点を許した。2点のリードを守り切れず、逆転負け。矢野監督は、自らの采配を責めた。  「みんな一生懸命やってくれた結果やし。何とかしようというのは見せてくれたので、それは仕方ない。あるとすれば、俺が一個ぐらい遅れたかな。継投が遅れたかなというのは俺の反省の中ではある」  西が突如の異変だ。八回無死から、8番・小田、代打・後藤の下位に連打を浴び、続く1番・福田には左前へ適時打。交代すべきタイミングを、指揮官は具体的には言わなかったが、後手を踏んだのは間違いない。  1死二、三塁と逆転の走者を得点圏に進めた後では、さすがの藤川にも酷だった。1点もやれない重圧に、吉田正に四球を与えた。暴投で同点とされると、西野に勝ち越しの2点三塁打を浴びた。連続無失点が18試合でストップした藤川も「何十回、何百回とよくても、一度ダメなら責任を負うポジションなので。明日以降、チームも自分も強くなっていくことが大事」と責任を背負い込んだ。  フリーエージェントで獲得した西が古巣相手に先発し、お互いのプライドをかけた関西ダービー初戦。この日のスタメンの平均年俸は阪神が9830万円、オリックスが5458万円。相手エース級を引き抜き、名実ともに重量さで勝りながらも、ライバルを圧倒することはできない。七回までリードを保ちながらも、屈辱の逆転負け。通算27勝28敗2分けと負けが先行した。  「勝ったり負けたり、いろんなことが起こりうる。それは受け止めていかんとあかんと思う」  交流戦も折り返し、4勝5敗1分け。就任1年目の虎将は成功も失敗も受け止め、実りの秋への力に変える。 (大石豊佳)

◆西はパ・リーグ時代と明確に投球内容を変えている。オリックスの時は、とにかく1回1回を全力で、というスタイル。パの強打線に対し、イニングは考えずに目の前の回を抑えることに力を注いでいた。  阪神に来てからは、140キロを超えるぐらいの速球に変化球をまじえた制球勝負。これは少しでも長いイニングを投げてチームに貢献しようという思いから。間違っていないし、この日も「阪神の西」の投球は十分にできたと思う。  惜しまれるのは八回。下位打線から始まる攻撃だったからなのか、それとも疲れからなのか。決して抜いたとは思わないが、見る側には抜いたように映った。小田の左前打はやむを得ないとして、代打・後藤の右前打はスライダーがど真ん中に入ってしまって痛打された。上位につながれての4失点は、もったいない。  試合前に「やっぱり投げにくいですよ」と古巣との対戦への心境を漏らしていた。球数以上に神経を使った結果が、蓄積して疲労に結びついたのかもしれない。  とはいえ、一回のロメロの一発以降、丁寧に投げていたし、八回の続投も当然。責めることはできない。好投しながら勝ち星に恵まれないが、打線との巡り合わせもある。「阪神の西」の投球を我慢して貫いてもらいたい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
日本ハム
721 0.778
(↑0.028)
-
(-)
840
(+5)
34
(+4)
7
(+1)
6
(+2)
0.270
(↑0.001)
2.790
(↓0.13)
2
(1↓)
ソフトバンク
631 0.667
(↓0.083)
1
(↓1)
840
(+4)
33
(+5)
18
(+3)
11
(+2)
0.235
(↓0.007)
3.130
(↓0.2)
3
(-)
巨人
640 0.600
(↓0.067)
1.5
(↓1)
848
(+4)
34
(+5)
14
(-)
9
(+1)
0.270
(↓0.002)
3.310
(↓0.23)
4
(1↑)
楽天
640 0.600
(↑0.044)
1.5
(-)
841
(+11)
41
(+2)
9
(+7)
2
(-)
0.266
(↑0.016)
3.940
(↑0.22)
5
(1↓)
DeNA
640 0.600
(↑0.044)
1.5
(-)
838
(+5)
37
(+4)
11
(+2)
3
(-)
0.262
(↓0.006)
3.720
(↓0.03)
6
(1↑)
ORIX
540 0.556
(↑0.056)
2
(-)
933
(+6)
35
(+4)
5
(+1)
8
(-)
0.235
(↓0.002)
3.830
(↑0.1)
7
(1↑)
西武
550 0.500
(↑0.056)
2.5
(-)
849
(+11)
48
(+1)
9
(+1)
10
(-)
0.277
(↑0.012)
4.550
(↑0.39)
8
(2↓)
阪神
451 0.444
(↓0.056)
3
(↓1)
844
(+4)
40
(+6)
6
(-)
9
(-)
0.244
(↓0.002)
3.360
(↓0.32)
9
(1↑)
中日
460 0.400
(↑0.067)
3.5
(-)
843
(+4)
37
(+1)
5
(+1)
3
(+1)
0.250
(↓0.007)
3.630
(↑0.31)
10
(1↓)
ヤクルト
360 0.333
(↓0.042)
4
(↓1)
942
(+1)
43
(+11)
8
(-)
5
(-)
0.237
(↑0.008)
4.400
(↓0.91)
11
(-)
ロッテ
370 0.300
(↓0.033)
4.5
(↓1)
835
(+1)
56
(+4)
7
(+1)
5
(-)
0.228
(↓0.004)
5.360
(↑0.27)
12
(-)
広島
271 0.222
(↓0.028)
5
(↓1)
832
(+2)
47
(+11)
7
(+1)
6
(+1)
0.198
(-)
4.150
(↓0.79)