ソフトバンク(☆6対4★)中日 =交流戦3回戦(2019.06.06)・福岡ヤフオクドーム=
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中日
0002100104901
ソフトバンク
20100102X61202
勝利投手:大竹 耕太郎(3勝2敗0S)
(セーブ:森 唯斗(2勝3敗16S))
敗戦投手:ロドリゲス(0勝3敗0S)

本塁打
【中日】武山 真吾(1号・8回表ソロ)
【ソフトバンク】グラシアル(12号・1回裏2ラン),デスパイネ(17号・3回裏ソロ)

  DAZN
◆ソフトバンクは初回、グラシアルの2ランで先制する。その後同点で迎えた8回裏には、グラシアルが今度は2点適時打を放ち、勝ち越しに成功した。投げては、先発・大竹が8回4失点で今季3勝目。敗れた中日は、打線が2度追いつく粘りを見せるも及ばなかった。

◆中日山井大介投手(41)が5回3失点で交代した。初回1死一塁で、グラシアルにチームとして3戦連発となる被弾でソフトバンクに先制を許した。 3回にも2死からデスパイネに17号ソロを浴びた。味方打線の援護で同点に追いつき、山井も粘りの投球で4、5回には塁上に走者を置きながらも、無失点で切り抜けた。同点での交代で3勝目はつかめず。「あとはチームを応援します」と中継ぎ陣の健闘を祈ったが、6回に勝ち越された。

◆ドーム球場で、傘をさして観戦する珍現象が起きた。ヤフオクドームは毎年恒例の「ルーフオープン」と題して、中日3連戦を屋根を開いて開催している。 この日は夜に雨の予報は出ていたが、予定通りに開いて開催していた。ところが7回表の中日攻撃中に、雨がポツリポツリ。屋根が開いている外野席では傘を差して観戦していた。恒例の7回裏、ソフトバンクの攻撃前の風船飛ばしは、傘も交じるなかで行われた。 なお、7回表から屋根を閉じ始め、通常開催よりやや早めに屋根を閉じたことになった。 初戦の4日は雨だったため、最初から屋根を閉めて開催。2戦目の5日は7回まで開いた状態で行われた。

◆中日武山真吾捕手の起死回生の1発が、8回に飛び出した。1点を追う展開で左中間スタンドへ2年ぶりの本塁打。 2死から大島も右翼フェンスを直撃する当たりを放った。はね返った打球の処理にソフトバンク守備陣がもたつく間に一気に本塁をつくも、タッチアウト。与田監督がリクエスト要求も判定は覆らず、左翼スタンドのドラゴンズファンから大きなため息がもれた。

◆ソフトバンクが主導権を握った。初回1死一塁からグラシアルが3戦連発の12号2ラン。3回にデスパイネの17号ソロで加点した。 中日は4回に2点、5回に阿部の適時打で同点としたが、2番手谷元が不調。6回1死満塁から押し出しで勝ち越しを許した。 ソフトバンクは8回に同点とされたが、直後に2点を挙げ勝負を決めた。チームは3連勝。先発大竹が3勝目を挙げた。中日ロドリゲス3敗目。

◆中日加藤球団代表は、ソフトバンク3回戦(ヤフオクドーム)の8回に大島の本塁突入がアウトになった判定について、セ・リーグに連絡したことを明かした。 1点を追う展開で、先頭打者武山のソロで追いつき、2死から大島が右翼フェンス直撃の当たりを放った。ソフトバンクの守備陣が打球の処理にもたつくのを見た三塁コーチの奈良原コーチは手を回し、大島も一気に本塁をついた。だが判定はタッチアウトで勝ち越しはならず。 与田監督はリクエストを要求し、審判が協議する間、ヤフオクドームには大島が捕手の高谷のタッチをかいくぐったかに見える映像が流れた。それを見た左翼の中日応援団は「セーフ! セーフ!」の大コール。だがリプレー検証の結果、判定通りアウトになった。 判定に関する意見書は提出できないが、加藤球団代表は「映像を見る限り、空タッチに見える。納得がいかないので」と説明。勝敗を左右する場面だけに、7日以降に再度、セ・リーグに何らかの対応を求める可能性も明かした。

◆ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」で2年連続の開幕3連勝発進。首位楽天に並んだ。ジュリスベル・グラシアル内野手(33)が初回に3戦連続となる12号2ランを放ち、8回には勝ち越しの2点タイムリーで試合を決めた。3戦で10本塁打と打線が爆発し、中日を圧倒した。「ルーフオープン」で開いていた屋根も閉じた8回裏。試合を決めたのはグラシアルだ。2死一、二塁から意表を突くダブルスチールで二、三塁。次打者は途中出場でプロ無安打の九鬼が控えていた。勝負を避けられてもおかしくない場面だが、雑念なく打席に立った。「歩くとかは考えてなかった。集中していた」。頼れる助っ人はフルカウントから甘く入ったカットボールを中前へ。2人の走者をかえす決勝タイムリー。2年連続の交流戦3連勝発進をもたらした。 開いた屋根から日が差し込んでいた初回には、バックスクリーンへ3戦連発となる先制12号2ランを放っていた。来日2年目で初体験の交流戦で、3戦13打数5安打の3発7打点と猛威を振るう。「事前の情報は少ないけど、グラウンドの中でどれだけ情報を集められるかがカギになる。試合中にも1球1球を見ながら、情報収集しています」。決勝打を打った左腕ロドリゲスにも「いいストレートを投げるのはベンチから分かっていた。準備はできた。自分に自信を持っていけた」。勤勉な姿勢と優れた嗅覚で、見知らぬ相手を苦にせずに打っている。 相棒デスパイネも3回に17号ソロを放ち、2戦連続のアベック弾。2人の本塁打そろい踏みは今季6度目で、昨年から無敗の7連勝となった。打線も3戦10本塁打と中日を圧倒。工藤監督は「本当に、グラシアルとデスパイネがよく頑張ってくれている。そこに回そうというチーム内の雰囲気がある」と助っ人コンビの活躍に目を細めた。 3連勝で楽天に並び、5月31日以来の首位に戻った。チームはこれまで12球団断トツの7度、最高勝率に輝いている。「交流戦の鬼」は今年も健在だ。指揮官は「最後まで息のつけない3試合。いい3連勝ができた」。勢いに乗ったまま、昨年日本一を決めた地、広島に乗り込む。【山本大地】 <ソフトバンク昨季の交流戦開幕3連勝VTR> ▼5月29日 甲子園で阪神との開幕戦。マメをつぶした千賀に代わって急きょ先発の岡本が4回無失点。その後も嘉弥真らブルペン陣を動員して無失点リレー。メッセンジャーを攻略できなかったが、9回にドリスから決勝点を奪った。加治屋がプロ初勝利。 ▼同30日 2点をリードされるが、4回に3点を奪い逆転。1度は追い付かれるも、6回に塚田の1号と今宮の2ランで3点取り逃げ切った。先発石川が5回3失点で7勝目。 ▼同31日 先発中田が8回途中まで2失点の好投。阪神秋山に7回1得点と抑えられたが、8回に2番手岩崎らをとらえ一挙4点。最後は森が締めて10セーブ。3連戦3連勝を飾った。

◆ソフトバンク大竹耕太郎投手が今季初の連勝で3勝目を挙げた。打線の援護をもらいながら2度追いつかれたが、8回4失点の粘投を見せた。8回に勝ち越し、白星が舞い込んだ。前日5日は早大の先輩で憧れの和田が復帰。ベンチ裏で見つめていた大竹は「続きたいという気持ちだった。和田さんの投球はすごい参考になるし、負けないようにと思っていた」。バトンをしっかりつなぎチームを連勝に導いた。

◆もう40年以上も前になる。頭頂部に「666」の文字が刻まれた悪魔の子が引き起こす「オーメン」というホラー映画があった。なぜか印象深く、6月6日になるといつもこの映画のことを思い出す。 交流戦が始まって工藤ホークスは快調。この日も勝利を飾って3連勝を手にした。勝負が決まった8回の攻防。中日は途中出場の捕手武山の先頭弾で同点に追いつき、2死に大島が右翼フェンス直撃の打球を放った。ホークス守備陣の連係のゆるさを突いて一気にホーム突入したがアウト。微妙な本塁クロスプレーに中日与田監督は「リクエスト」を要求した。場内に流れる映像では大島の手が早かったかに見えたが約5分の検証後、判定通りアウトとなった。検証後の判定は覆ることはない。8回にロドリゲスが痛恨の2失点。今宮の本塁突入のリクエストも判定通りセーフ。勝負は決まった。さきほどの映画の話だが「オーメン」とは「よくないことの前兆」の意らしい。3連敗を喫した中日にとってこの「8回」はまさに悪夢となってしまった。 リクエスト制度が施行されて、この手の「後味の悪さ」がなかなか改善されないのも事実だ。12球団本拠地球場の映像設備に差異があったり、統一された「正確性」を担保できていないのが現状でもある。リプレー検証中はファンサービスもあってプレー映像を何度も流している。スタンドの反応とジャッジが相反することもしばしば見かける。制度は導入したら終わりでなく、さらに精度を上げなくてはならない。NPBには大いに取り組んでもらいたい課題と思う。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンクのクリーンアップを担うキューバ出身の2人が絶好調だ。一回にグラシアルが先制の12号2ランを放つと、三回もデスパイネが左翼席へ豪快にたたき込み、2戦連続のアベック弾となった。特に3試合連続本塁打のグラシアルは「自分のスイングでしっかり高めの球をたたけた」とうなずいた。  5月は自身月間最多となる11本塁打を記録したデスパイネは、6月もしっかり好調をキープ。「甘く浮いた球をしっかり振り抜けた。いい状態でスイングができている」と胸を張った。

◆ソフトバンクの大竹が8回4失点で3勝目を挙げた。八回にソロ本塁打を浴びるなど、リードを2度追い付かれ「大事な一球が悪い方に出ちゃった。4点目はいらなかった」と反省の言葉を並べた。  前回登板で投球時の体の開きが気になったといい、この1週間は膝を固定するサポーターや平均台を用いて投球フォームを固める練習を春季キャンプ以来、久々に取り入れた。「投げている感じは断然良かった。カーブでしっかりカウントを取れた」と収穫も口にした。

◆中日の八回の攻撃では微妙な判定があった。大島がホームにヘッドスライディングしたプレーにリクエストした結果、タッチアウトが覆らなかった。試合後、責任審判の小林二塁塁審は「全員の判断だった。変更に値する映像がなかった」と説明した。  中日の加藤球団代表はこのプレー後、セ・リーグ統括に確認の電話を入れたという。「かなり勝敗を決めるところになる。映像を見た限りはセーフだと思った」と話した。

◆今季初の5連敗。武山のソロで同点にした八回、微妙な判定に泣いた。大島が2死から右翼フェンス直撃の打球でランニング本塁打を狙い、ホームに向かってヘッドスライディングしたが、判定はアウト(記録は三塁打)。与田監督のリクエストも実らなかった。大島は「セーフかなとは思ったが、審判がアウトといえばアウト」と言い、与田監督は「覆らないプレーだが重たい大事なプレーだったと思う」と残念がった。

◆ソフトバンクが交流戦3連勝スタートだ。4-4の八回2死二、三塁。2年目の助っ人、ジュリスベル・グラシアル内野手(33)が勝ち越しの2点中前打を放った。  「相手投手(ロドリゲス)の情報はなかったが、自分を信じて打ったよ。勝ててよかった」  一回に3戦連発となる12号2ランを放つなど3安打4打点。三回はデスパイネにも2戦連発の17号ソロが飛び出し、キューバ出身の2人が2試合連続&今季6度目のアベック弾をマークした。しかも、昨季から通算7度目でチームは全勝。不敗神話にグラシアルは「いいこと」と笑った。  開閉式のヤフオクドームでは「ルーフオープンシリーズ」として、前日5日から屋根を開放。この日の試合終盤に雨が降り、スタンドで傘が目立つ珍しい光景となったが、交流戦で過去14年、7度の勝率1位と圧倒的な強さを誇る鷹は動揺しなかった。  交流戦の直前の楽天戦で3連敗を喫して3位に転落したものの、中日3連戦で計10本塁打をお見舞いして首位タイに浮上。工藤監督は「選手たちに、しっかりと勝つんだという気持ちが出ていた3連勝だった」とニンマリ。今年もセ・リーグを踏み台にして貯金を増やす。 (三木建次)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
300 1.000
(-)
-
(-)
1517
(+6)
10
(+4)
10
(+2)
4
(+3)
0.298
(↑0.036
3.000
(↓0.5)
2
(-)
阪神
210 0.667
(↑0.167)
1
(-)
1519
(+4)
11
(+3)
3
(-)
5
(-)
0.319
(↓0.036)
3.330
(↑0.38)
3
(2↑)
ORIX
210 0.667
(↑0.167)
1
(-)
159
(+3)
5
(+2)
1
(-)
1
(+1)
0.308
(↑0.009)
1.670
(↓0.17)
4
(6↑)
西武
210 0.667
(↑0.167)
1
(-)
1515
(+9)
15
(+2)
6
(+5)
3
(+1)
0.291
(↑0.051)
4.500
(↑1.07)
5
(2↑)
巨人
210 0.667
(↑0.167)
1
(-)
157
(+2)
7
(+1)
4
(+1)
0
(-)
0.238
(↓0.016)
2.420
(↑0.76)
6
(3↑)
日本ハム
210 0.667
(↑0.167)
1
(-)
1510
(+3)
12
(+1)
2
(-)
3
(+1)
0.250
(↑0.023)
3.210
(↑1.05)
7
(3↓)
ヤクルト
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓1)
1512
(+1)
10
(+3)
3
(-)
2
(-)
0.225
(↓0.018)
3.040
(↑0.34)
8
(2↓)
楽天
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓1)
157
(+1)
7
(+2)
2
(-)
0
(-)
0.226
(↓0.041)
2.330
(↑0.17)
9
(6↓)
広島
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓1)
1515
(+2)
15
(+9)
3
(-)
1
(+1)
0.202
(↓0.026)
3.860
(↓2.51)
10
(2↓)
DeNA
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓1)
155
(+2)
9
(+3)
2
(+1)
1
(+1)
0.273
(↑0.027)
2.880
(↑0.3)
11
(-)
ロッテ
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓1)
1511
(+3)
19
(+4)
1
(-)
1
(-)
0.210
(↑0.004)
5.460
(↑1.54)
12
(-)
中日
030 0.000
(-)
3
(↓1)
1510
(+4)
17
(+6)
3
(+1)
0
(-)
0.224
(↑0.024
6.380
(↓0.19)