西武(☆5対4★)広島 =交流戦1回戦(2019.06.04)・メットライフドーム=
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広島
0004000000004911
西武
040000000001X51100
勝利投手:マーティン(1勝3敗1S)
敗戦投手:菊池 保則(1勝1敗0S)

本塁打
【広島】バティスタ(16号・4回表ソロ)

  DAZN
◆西武がサヨナラ勝利。西武は2回裏、金子侑と秋山の適時打などで4点を先制する。その後は同点とされるも、延長12回に無死満塁の好機で中村が適時打を放ち、試合を決めた。投げては、7番手・マーティンが今季初勝利。敗れた広島は、打線が5回以降3安打と沈黙した。

◆球団2位タイだ。広島西川龍馬内野手(24)が4回無死一塁で西武今井から左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、連続試合安打を26に伸ばした。 広島では84年山崎に並ぶ球団2位。次なるターゲットは球団記録で、日本記録でもある79年高橋慶彦の33試合連続安打となる。

◆広島打線が4回に爆発した。4本の長打を集めて一挙4点を奪い、同点に追いついた。4点を追う4回表の前に、一塁ベンチ前で円陣を組んだ。 先頭のサビエル・バティスタ外野手(27)が3回まで1安打に抑えられていた西武今井のチェンジアップを捉え、左翼席上段に突き刺した。「浮いてきたところをしっかりと自分のスイングで捉えることが出来ました。いい感触だったね」。チームトップ16号ソロが反撃ののろしとなった。 左前打で出塁した鈴木を二塁に置いて、西川が26試合連続安打となる適時二塁打で続いた。さらに磯村、田中広の連続適時二塁打で2点を加え、試合を振り出しに戻した。

◆西武は2回に相手の適時失策で先制し金子侑の適時打で追加点。なおも1死二、三塁で秋山が2点適時打を放ち4点リードを奪う。 4点を追う広島は4回、先頭のバティスタが16号ソロ。さらに4本の長短打を集中させ、この回一挙4得点で同点に追いついた。 西武は終盤に再三の好機をつくるも1本が出ない。広島は強固なディフェンスで得点を許さず、そのまま延長戦に入った。 西武は延長12回無死満塁、中村が左前へサヨナラ打を放った。貯金は2。マーティンが今季初勝利。広島は終盤以降粘ったが、最後に力尽きた。菊池保則が今季初黒星。

◆広島は序盤の4点ビハインドを4回の集中打で追い付きながら、延長12回にサヨナラ負け。5月1日までの3連敗以来となる連敗で、交流戦黒星発進となった。広島緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -交流戦初戦から延長12回の死闘 緒方監督 タフな試合になったね。 -4点差の4回にソロを含む5長短打で同点に追いついた 緒方監督 いいつながりがあった。いい攻撃だったね。 -先発野村は四球と守備のミスが絡んで1イニング4失点 緒方監督 アウェーでやり慣れていないグラウンドだからミスにつながる。 -中継ぎが粘って勝機もあった。 緒方監督 しっかり戦えている。最後の接戦をものにできるか。また、明日。

◆広島が延長12回、7番手の菊池保則投手が無死満塁から中村にサヨナラ打を浴びた。序盤に最大4点ビハインドを背負いながら、4回にソロを含む5長短打で一度は追いついた。同点の9回無死満塁も無失点で切り抜けるなど執念を見せたが、最後の最後で力尽きた。緒方監督は「タフな試合だったね。しっかり戦えてる」と死力を尽くした選手をたたえた。3連敗を喫した5月1日以来の連敗で、交流戦黒星スタートとなった。

◆広島西川龍馬内野手は記録更新よりも、好機凡退を悔やんだ。4回無死二塁から左中間フェンス直撃の適時二塁打を放ち、連続安打を26試合に伸ばした。広島では84年山崎に並ぶ球団2位の記録となった。だが、試合後は敗戦に「(安打が)1本出ただけ。その後の打席の方が大事。あそこで1本打てていれば勝てていた」と5回1死一、二塁で併殺打に倒れた打席を悔やんだ。

◆西武中村剛也内野手(35)が、ラミちゃんに並んだ。延長12回、前打者の森への申告敬遠を見届ける前から、予感はしていた。「森は今、パ・リーグで一番打っているバッター。敬遠は当たり前。満塁のシチュエーションは頭の中で整理していました」。この試合、2度目の無死満塁。サヨナラの絶好機を逃すわけにはいかない。カウント1-1から3球目。自身4度目のサヨナラ打を左前へ運び、歓喜のシャワーを浴びた。 交流戦183打点は元DeNAラミレス(現監督)に並ぶ歴代トップ。05年から始まり、15年目を迎えた交流戦。「初年度からやってますから、試合数も多いんで」と積み重ねた打席の分だけ経験値もある。「普段と変わらない。(投手が)初見といってもほとんど戦っている。そんなに何も考えていませんよ」と自らの感覚に比重を置く。 この試合でも5打席の凡打の中で、自身にしか分からない手応えをつかみとっていた。8回の第3打席、レグナルトの150キロを中堅最深部まで運んだ。ベンチで「あの球をあそこまで運べた。感じは悪くない」。ぶれることなく6打席目に殊勲打。プロ18年で培った引き出しは、後輩たちにも還元する。山川に低めの打ち方を聞かれ「体を下げれば真ん中になるだろ?」と左膝を折りながら伝授。通算393本塁打で6度の本塁打王に輝いたアーチストは、かげりを知らない。 その中村も、交流戦優勝はまだ1度もない。「打てて本当によかった。僕のサヨナラヒットで勝ったので、いい流れでいけると思う」とちゃめっ気たっぷりに言い切った。【栗田成芳】

◆最後はサヨナラ負けを告げる打球が左前に転がり、4時間24分に及んだ死闘に幕が下ろされた。 それでも広島は窮地に立たされても、はい上がる粘りをみせた。昨年のセ・パ王者対決。序盤の4点ビハインドをはね返し、同点の9回裏無死満塁の大ピンチも切り抜けた。ナインは延長12回でもあきらめず、戦い抜いた。 劣勢の序盤も泰然自若だった。先発野村祐輔投手は守備の乱れと自らの2四球から4失点しても、ブルペンでは誰も準備しなかった。2日後の先発に向けて山口が調整の投球を行っただけ。試合前からある程度の乱打戦を覚悟し、勝負どころをうかがっていた。攻撃前に円陣を組んだ4回が反撃の合図。先頭のバティスタが16号ソロで口火を切ると、4番鈴木を二塁に置き、西川の26試合連続安打となる適時二塁打で加点。さらに磯村、田中広の連続適時二塁打などで一気に追い付いた。試合の流れを大きく変えた。 今季は開幕ダッシュに失敗し、借金は一時最大8まで膨らんだ。それでも緒方孝市監督は動じなかった。「すぐにうまくいくとは思っていない。バタバタする時期じゃない」。3連覇した自信と選手の力を信じ、地に足をつけた采配を振った。わずか11日で勝率を5割に戻し、貯金を13まで増やしてセ・リーグ首位で交流戦を迎えた。 慣れない指名打者制での試合や、移動距離のある日程が続く。指揮官は厳しい戦いを覚悟していた。「(勝率)5割で十分。厳しく、難しい戦いになる」。選手に過度な重圧は与えず、先を見ずに1戦1戦を戦う。交流戦となっても、スタイルは変わらない。初戦で示した反発力と粘り強さこそ、リーグ4連覇を狙う広島の底力だ。【前原淳】

◆  昨年のセ・パのチャンピオンチームが交流戦の初戦で対戦。ここまでFA移籍した丸の穴を埋めている広島はセ・リーグ首位で、同じくFA移籍した浅村の穴を埋められない西武は4位。明暗を分けているが、強いはずの広島は"大好きな前進守備"にはまり、勝てるはずの試合を落とした。 延長12回裏無死満塁。前進守備の広島内野陣をあざ笑うかのように、中村の放った打球は三塁手の横を抜けた。同点の9回無死一、三塁では秋山を申告敬遠して満塁策。内野は前進守備を敷き、遊直でピンチをしのいだが、2度目の満塁策での前進守備で奇跡は起きなかった。 悔やまれるのは最初の前進守備で失った2回の3失点だった。失策も絡んで1点を失い、なおも1死二、三塁。打席は9番の金子侑。長打力もなく前進守備を取ったが、まだ序盤で焦る必要はなかった。結果的に打球は一、二塁間を抜けて適時打。定位置であれば、1点は失っても二ゴロで2アウト目を取れていた。 前進守備は大量点を失うリスクが伴う。続く秋山の打席は再び1死二、三塁となって前進守備。左前への2点適時打を許した。前進守備を取ると、二塁走者はけん制のリスクがなくなり、リードが大きく取れる。守っている外野手もホームで刺殺を狙えないため、前では守りにくくなる。精神的にも、1点をやらないつもりで2点を失うのは辛くダメージも大きい。 広島は強力打線で、西武は中継ぎ陣に不安がある。序盤でどっしりと「1点はやるよ」という余裕があれば、延長戦にもならなかった。【小島信行】

◆広島の西川が四回に適時二塁打を放ち、26試合連続安打をマークした。無死二塁で外角球を強振し、打球は左翼フェンスを直撃。「チャンスだったので、後ろにつなぐ気持ちでいった。(二塁走者の鈴木)誠也がよく走ってくれた」と振り返った。  セ・リーグで過去に26試合以上連続で安打を重ねたのは、1979年にプロ野球記録の33試合連続をマークした高橋慶彦(広島)ら9人だけ。「気にしていない」と記録には興味を示さないが、令和となった5月1日から始まった連続記録がどこまで続くのか注目される。

◆西武・辻監督の元へ同じ佐賀県出身の広島・長野があいさつに訪れた。報道陣に会話の内容を問われた指揮官は「あいつは東京出身だと言っているらしいんだ。『この裏切り者~』と言ってやった。いつものやり取りだよ」と笑顔。広島との対戦は就任以降、一昨年がホームで1勝2敗、昨年はビジターで2勝1敗。勝ち越して勢いをつけたいところだが、「まず1勝したい。今の広島は強いからね」と今季も首位を走る相手に気を引き締めていた。

◆緒方監督はサヨナラ負けにも、昨季のパ・リーグ王者とがっぷりと胸を合わせた展開に「タフなゲームだった。しっかりと戦えている」と前向きに捉えた。二回に4点を先制されたが、四回に5長短打で一気に追い付いた。その後は一岡やフランスアら救援陣が強力な西武打線に延長十一回まで得点を許さず、指揮官は「接戦をものにできるように」と気持ちを切り替えた。

◆先発の今井は7回4失点。昨季に並ぶ5勝目は4試合連続でお預けとなり、「チームに勢いのつく試合にしたかったが...」と首をひねった。乱れたのは四回だけ。先頭のバティスタに本塁打を浴びると続く鈴木に左前打。ここから西川、磯村、田中広にいずれも適時二塁打を許し、「本塁打を打たれた後をしっかり抑えなくてはいけなかった」と悔しがった。

◆4時間24分の激闘を制す打球が三遊間を抜けた。プロ18年目となる西武の"交流戦男"中村剛也内野手(35)は右手を突き上げた。  「三振しないように、前に飛ばそうと思っていた。(最後は)勝ったー、抜けてよかったなーと思いました」  延長十二回は先頭の外崎が中前打で出塁。山川も中前打で続いて一、三塁とし、5番・森は申告敬遠で歩かされた。本塁打王に6度輝いたスラッガーは「絶対に敬遠だと思っていた。(森は)パ・リーグで打率が一番(・356)なので当たり前」と平常心で打席へ。ここまで5打数無安打だったが、さすがの勝負強さでチームを交流戦の開幕戦勝利に導いた。  この一打で、交流戦通算183打点とし、1位のラミレス(現DeNA監督)に並んだ。本塁打は2位の阿部(巨人)に14本差をつけて断トツの72本塁打だ。交流戦2冠王は「(2005年の)初年度からやっていて、試合数が多い。たいしたことじゃないです」と謙遜していたが、辻監督は「いろいろ考えずに最後は自分のスイングを貫いてくれた」と殊勲の一打を手放しで褒めた。  西武は交流戦で10年の2位が最高成績。これに中村は「賞金ほしいですね。3000万円いいっすね。優勝してみたい」とニヤリと笑った。昨年のリーグ覇者同士の"開幕戦"で、獅子が劇的なスタートを切った。 (花里雄太)

<交流戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
100 1.000
(-)
-
(-)
1711
(-)
3
(-)
3
(-)
3
(-)
0.390
(-)
3.000
(-)
2
(-)
ソフトバンク
100 1.000
(-)
0
(-)
176
(-)
4
(-)
4
(-)
1
(-)
0.344
(-)
3.000
(-)
3
(-)
DeNA
100 1.000
(-)
0
(-)
173
(-)
1
(-)
1
(-)
0
(-)
0.333
(-)
1.000
(-)
4
(-)
日本ハム
100 1.000
(-)
0
(-)
177
(-)
6
(-)
2
(-)
2
(-)
0.324
(-)
3.600
(-)
5
(-)
西武
100 1.000
(-)
0
(-)
175
(-)
4
(-)
0
(-)
2
(-)
0.250
(-)
3.000
(-)
6
(-)
巨人
100 1.000
(-)
0
(-)
173
(-)
2
(-)
2
(-)
0
(-)
0.250
(-)
2.000
(-)
7
(-)
楽天
010 0.000
(-)
1
(-)
172
(-)
3
(-)
2
(-)
0
(-)
0.250
(-)
3.000
(-)
8
(-)
広島
010 0.000
(-)
1
(-)
174
(-)
5
(-)
1
(-)
0
(-)
0.205
(-)
1.640
(-)
9
(-)
ヤクルト
010 0.000
(-)
1
(-)
176
(-)
7
(-)
2
(-)
0
(-)
0.211
(-)
6.520
(-)
10
(-)
ORIX
010 0.000
(-)
1
(-)
171
(-)
3
(-)
1
(-)
0
(-)
0.278
(-)
3.000
(-)
11
(-)
中日
010 0.000
(-)
1
(-)
174
(-)
6
(-)
1
(-)
0
(-)
0.097
(-)
6.750
(-)
12
(-)
ロッテ
010 0.000
(-)
1
(-)
173
(-)
11
(-)
0
(-)
0
(-)
0.188
(-)
10.000
(-)