巨人(☆6対5★)中日 =リーグ戦10回戦(2019.06.01)・東京ドーム=
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中日
2200000015911
巨人
000005001X6712
勝利投手:中川 皓太(2勝0敗3S)
敗戦投手:ロドリゲス(0勝2敗0S)

本塁打
【中日】ビシエド(8号・1回表2ラン)
【巨人】ビヤヌエバ(6号・6回裏満塁),阿部 慎之助(1号・6回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人は4点を追う6回裏、ビヤヌエバのグランドスラムと阿部のソロが飛び出し、逆転に成功する。その後は同点を許すも、9回に2死二塁から坂本勇が適時打を放ち、サヨナラ勝利を収めた。投げては、6番手・中川が今季2勝目。敗れた中日は、救援陣が序盤のリードを守れなかった。

◆巨人阿部慎之助捕手が通算400号となる今季第1号を放った。史上19人目の快挙。 5回から代打で途中出場し、同点の6回2死に中日3番手の田島から右翼席へ運んだ。花束と記念ボードを手にファンの大歓声に応えた。初本塁打は1年目の2001年4月13日横浜戦(東京ドーム)で河原から。また捕手の通算400号達成は野村克也氏、田淵幸一氏以来、史上3人目、巨人では王貞治氏、長嶋茂雄氏以来3人目。   ▽阿部慎之助の試合中のコメント「打ったのはシュート。狙ってはいないけど、甘い球が来たらフルスイングすると決めていた。ありがとう!」 ▽お立ち台での阿部慎之助「最高で~す! 本当にありがとうございます。なかなか打てるものではないと思っていた。監督がいいところで使ってくれるので、そう思って準備をしている。(監督は)僕と同じくらいホッとしているのではないか。何より連敗が止まって良かった。いつも代打の時、大きな声援ありがとうございます。これが励みで、まだまだ頑張ろうと思える」 ▽原監督のコメント「見事でしたね。僕らには考えられない数字。しかもキャッチャーというポジションで素晴らしい数字だと思います。まだあともうちょっと打ってほしいですね。私の目の前で打ってほしいですね」 ▽坂本勇人のコメント「阿部さんが400号打ったんで何とか勝って、試合終わりたいなと思ってたんでよかったです。ドキドキしながらしながら打席立ってましたけど、結果出て良かったなとホッとしています。僕も節目のホームランとか、ああいう場面でかっこいいホームランを久しぶりに見たんで、阿部さんより先に言わせてもらいます。最高です!」 <データ> ▼阿部が1日の中日10回戦(東京ドーム)の6回、田島から今季1号を放ってプロ野球19人目の通算400本塁打を達成した。初本塁打は01年4月13日横浜1回戦(東京ドーム)の河原からで、00年以降に入団した選手では最初に記録した。40歳2カ月で達成は山崎の42歳9カ月に次ぐ2番目の年長記録で、出場2211試合は中村紀の2195試合を抜いて最も遅い。 ▼巨人で400本以上は王、長嶋に次いで3人目。阿部は捕手で1666試合出場しており、捕手で1000試合以上出場して400本は野村に次いで2人目。10年には自己最多の44本打ったが、本塁打王は獲得していない。本塁打王なしで400本は5人目。 ▼阿部はローズと並び最多の228人から本塁打を記録。ローズの228人目は462号の09年岸(西武)で、400号時はローズよりも多い。阿部が本塁打を打った試合は268勝91敗10分け、勝率7割4分7厘。400本以上では秋山の7割3分6厘を抑えて勝率が最も高い。捕手で長年プレーした阿部にとっては、多くの投手から打ったことよりも、本塁打試合の勝率が高い方がうれしい記録かもしれない。

◆巨人クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27)が値千金の同点満塁弾を放ち、流れを引き寄せた。 4点を追う6回無死満塁、中日田島の初球を中堅バックスクリーンにたたき込んだ。興奮を抑えきれない原監督から復帰後初のグータッチで出迎えられた。「ひと振りで同点にできて良かった。(阿部の400号の日に)勝って締めくくれて良かった。グータッチできて良かったし、また、グータッチしたいね」と上機嫌だった。

◆巨人阿部慎之助捕手(40)が、史上19人目となる通算400本塁打を達成した。 同点の6回2死、中日田島の142キロを右翼席上段に運んだ。興奮した原監督もベンチを飛び出し、阿部と抱擁。記念ボードと花束を手に、ファンの大歓声に応えた。 阿部 打ったのはシュート。狙ってはいないけど、甘い球が来たらフルスイングすると決めていた。ありがとう! プロ19年目の今季は、原監督に志願し、入団時から定位置だった捕手で再スタートを切った。開幕から代打の切り札として、勝負強さを発揮。この日は5回に代打で出場。一塁の守備につき、この日2打席目、今季通算27打席目で待望のメモリアル弾を放った。 初本塁打は1年目の2001年4月13日横浜戦(東京ドーム)で河原から。また、捕手の通算400号達成は野村克也氏、田淵幸一氏以来、史上3人目の快挙。巨人の生え抜きでは王貞治、長嶋茂雄以来の記録になった。 試合は坂本勇のサヨナラ打で勝利。坂本勇と並んでお立ち台に立った阿部は「最高で~す! 本当にありがとうございます。なかなか打てるものではないと思っていた。監督がいいところで使ってくれるので、そう思って準備をしている。(監督は)僕と同じくらいホッとしているのではないか。何より連敗が止まって良かった。いつも代打の時、大きな声援ありがとうございます。これが励みで、まだまだ頑張ろうと思える」と話した。 ▼阿部が1日の中日10回戦(東京ドーム)の6回、田島から今季1号を放ってプロ野球19人目の通算400本塁打を達成した。初本塁打は01年4月13日横浜1回戦(東京ドーム)の河原からで、00年以降に入団した選手では最初に記録した。40歳2カ月で達成は山崎の42歳9カ月に次ぐ2番目の年長記録で、出場2211試合は中村紀の2195試合を抜いて最も遅い。 ▼巨人で400本以上は王、長嶋に次いで3人目。阿部は捕手で1666試合出場しており、捕手で1000試合以上出場して400本は野村に次いで2人目。10年には自己最多の44本打ったが、本塁打王は獲得していない。本塁打王なしで400本は5人目。 ▼阿部はローズと並び最多の228人から本塁打を記録。ローズの228人目は462号の09年岸(西武)で、400号時はローズよりも多い。阿部が本塁打を打った試合は268勝91敗10分け、勝率7割4分7厘。400本以上では秋山の7割3分6厘を抑えて勝率が最も高い。捕手で長年プレーした阿部にとっては、多くの投手から打ったことよりも、本塁打試合の勝率が高い方がうれしい記録かもしれない。

◆中日は1回にビシエドの8号2ランで先制した。2回は阿部の2点右前適時打で追加点を挙げた。先発清水は3回まで無失点。 巨人は4点を追う6回にビヤヌエバの6号満塁本塁打で追い付くと、阿部のプロ通算400号となる1号ソロで勝ち越した。 中日は1点を追う9回1死三塁から捕逸で同点に追い付いた。巨人はその裏、坂本勇が右越えのサヨナラ打を放った。 巨人中川が2勝目、中日ロドリゲスが2敗目。   ▽巨人阿部慎之助のコメント「打ったのはシュート。狙ってはいないけど、甘い球が来たらフルスイングすると決めていた。ありがとう!」 ▽お立ち台での阿部慎之助「最高で~す! 本当にありがとうございます。なかなか打てるものではないと思っていた。監督がいいところで使ってくれるので、そう思って準備をしている。(監督は)僕と同じくらいホッとしているのではないか。何より連敗が止まって良かった。いつも代打の時、大きな声援ありがとうございます。これが励みで、まだまだ頑張ろうと思える」 ▽原監督のコメント「見事でしたね。僕らには考えられない数字。しかもキャッチャーというポジションで素晴らしい数字だと思います。まだあともうちょっと打ってほしいですね。私の目の前で打ってほしいですね」 ▽坂本勇人のコメント「阿部さんが400号打ったんで何とか勝って、試合終わりたいなと思ってたんでよかったです。ドキドキしながらしながら打席立ってましたけど、結果出て良かったなとホッとしています。僕も節目のホームランとか、ああいう場面でかっこいいホームランを久しぶりに見たんで、阿部さんより先に言わせてもらいます。最高です!」 <データ> ▼阿部が1日の中日10回戦(東京ドーム)の6回、田島から今季1号を放ってプロ野球19人目の通算400本塁打を達成した。初本塁打は01年4月13日横浜1回戦(東京ドーム)の河原からで、00年以降に入団した選手では最初に記録した。40歳2カ月で達成は山崎の42歳9カ月に次ぐ2番目の年長記録で、出場2211試合は中村紀の2195試合を抜いて最も遅い。 ▼巨人で400本以上は王、長嶋に次いで3人目。阿部は捕手で1666試合出場しており、捕手で1000試合以上出場して400本は野村に次いで2人目。10年には自己最多の44本打ったが、本塁打王は獲得していない。本塁打王なしで400本は5人目。 ▼阿部はローズと並び最多の228人から本塁打を記録。ローズの228人目は462号の09年岸(西武)で、400号時はローズよりも多い。阿部が本塁打を打った試合は268勝91敗10分け、勝率7割4分7厘。400本以上では秋山の7割3分6厘を抑えて勝率が最も高い。捕手で長年プレーした阿部にとっては、多くの投手から打ったことよりも、本塁打試合の勝率が高い方がうれしい記録かもしれない。

◆巨人阿部慎之助捕手(40)が、史上19人目となる通算400本塁打を達成した。-400号を打った気持ちは? 阿部 率直にうれしいです -2000安打より達成者が少ない記録。本塁打へのこだわりは 阿部 こだわり...、あまりなかったですけど、ここまで打てたかなという感じ -捕手としては史上3人目の記録 阿部 まだシーズンもあるし、この400号はこだわっていきたい、意識したいと思ってやっと打てたので、少し安心した部分もありますし。周りも、球団の人たちもコソコソ準備をしていたのは見えていたので、やっと解禁になるなと -ベンチではホッとした表情だった 阿部 そうですね。だけど、あのまま終わらないのが野球の難しさだし、打った時はまあまあ自分は持っているかなと思ったけど、まあまあでしたね、やっぱり(笑い) -代打の切り札として出場機会が少なかったがどういう気持ちで1年半過ごしてきたか 阿部 ずっと代打の難しさというのは今でも痛感してますし、その中でチーム事情いろいろありますけど、もう1回打席に立てる喜びを感じてやらせてもらってます -次の目標は 阿部 やっぱりチームが勝って、ビール掛けしたい。もう1回ね。それを目標に自分が、少しでも役に立てればいいです -開幕から50試合目の達成。考えていたより長かったか 阿部 そうですね。この前甲子園で小久保さんと話して、俺は半年かかったと言っていたので、そろそろ出るんだろって冗談で話していたけど、あのプレッシャーがいいプレッシャーになって今日打てたんじゃないかな

◆巨人阿部慎之助捕手が1日の中日10回戦(東京ドーム)の6回、田島から今季1号を放ってプロ野球19人目の通算400本塁打を達成した。 初本塁打は01年4月13日横浜1回戦(東京ドーム)の河原からで、00年以降に入団した選手では最初に記録した。40歳2カ月で達成は山崎の42歳9カ月に次ぐ2番目の年長記録で、出場2211試合は中村紀の2195試合を抜いて最も遅い。 ▼巨人で400本以上は王、長嶋に次いで3人目。阿部は捕手で1666試合出場しており、捕手で1000試合以上出場して400本は野村に次いで2人目。10年には自己最多の44本打ったが、本塁打王は獲得していない。本塁打王なしで400本は5人目。 ▼阿部はローズと並び最多の228人から本塁打を記録。ローズの228人目は462号の09年岸(西武)で、400号時はローズよりも多い。阿部が本塁打を打った試合は268勝91敗10分け、勝率7割4分7厘。400本以上では秋山の7割3分6厘を抑えて勝率が最も高い。捕手で長年プレーした阿部にとっては、多くの投手から打ったことよりも、本塁打試合の勝率が高い方がうれしい記録かもしれない。

◆巨人阿部慎之助捕手が通算400号となる今季第1号を放った。史上19人目の快挙。-同点の場面だったが 阿部 2アウトランナーなしだし、ちょっと狙っちゃおうかなと思って入ったんだけど、そう思っていいことはこれまでなかったから。狙いつつ、狙わないで打席に入れた -感触は 阿部 完璧だった -今年初めてダイヤモンド一周した気分は 阿部 こんな一周って長かったっけ -400本の中で、あえてこれという1本は 阿部 あえて意識して入ったので、この400号は忘れられないホームランになると思います。あまり普段は数字を意識しないですけど、去年の契約更改で十二分に意識したいと言ったので -400本の中で狙って打った本塁打は 阿部 ほとんどない。ヒットの延長がホームランと思っているし、ずっとそれでやり続けてきたので -原監督は負けている劣勢の中で阿部選手を使って流れを変えたいと言っていた 阿部 やっぱり球場が、出ていくだけで地響きのような声援をもらえるし。そういうのでも、それだけでも流れが変わるんじゃないかと思ってくれたら、それはうれしいです -今日は出番が早かった 阿部 今日はもう、早めにあるというのは事前に感じていたので -今のチームの流れで 阿部 そうですね。先発がどうしても踏ん張りきれないところがあるし、とにかく点を取っていかないといけないという部分で、早めにあるんじゃないかなというのは後藤コーチとも話をして、試合前からそういう相談はしていたので -代打から守備について、打席にいった流れという部分は 阿部 やっぱり、代打で1打席で終わって『あーあ、これでもう1日終わった』という日もありますし。だけどもう1回立てる喜びというのも感じながらできたことがホームランにつながったんじゃないですかね -今年は捕手にチャレンジして代打になったが、気持ちの切り替えは 阿部 現実的に練習で体がバリバリになるぐらいだし、こんなきついことやってたのかなと思うぐらいしんどいです。現実的に今のポジションで必要とされているので、そっちに徹しないといけないと思いますし。もちろんキャッチャーの練習もしながら、引退試合に向けて(笑い) -ダイヤモンド一周が長く感じた理由は 阿部 久しぶりに一周したので。普段ファーストまでしかいかないから(笑い)

◆2年目清水達也投手(19)のプロ入り3勝目が霧散した。巨人打線を相手に5回2安打無失点の好投で降板。先輩たちに白星を託したが、2番手小熊から誤算が始まった。 6回先頭丸に右前打を許すと、岡本に四球、大城に右前打で、一気に無死満塁のピンチ。3番手に田島を投入したが、ビヤヌエバに初球をバックスクリーンへの同点満塁弾。2死から阿部に通算400号となる勝ち越しソロまで献上した。9回に捕逸で同点に追いついたが、反撃はそこまで。5人目ロドリゲスが2死から亀井に四球、盗塁を許し、坂本勇に右前サヨナラ打を許し、今季4度目のサヨナラ負けを喫した。 与田監督は「(清水を5回で降板させたのは)理由があって代えた。結果につなげられなかったのはこちら(ベンチ)のミス。長く野球をやっているけど、こういう勝ちも、こういう負けもある」。勝てば3位巨人まで2ゲーム差となっていたが、DeNAに同率4位に並ばれる痛い敗戦になった。

◆巨人原辰徳監督(60)が、ルーキーイヤーから知る阿部のプロ通算400号を祝福した。 「もう僕らには考えられない数字。しかもキャッチャーというポジションで。素晴らしい数字だと思いますね。彼らしい、400号にふさわしいホームランだったと思いますね」 今季2度目の3連敗で迎えた一戦は、4回までに3度無死から出塁したが、3併殺打でチャンスをつぶした。球場に漂う重苦しいムードの中、4点ビハインドの5回2死一塁で切り札の阿部を代打に送った。 通常は試合終盤のチャンスで起用するが、試合を動かすために勝負に出た。「4-0になった時にね。何とか慎之助がナインの中に入ることはできないかと。チームの流れ、ムードを変えてくれないかと」 四球でチャンスを広げるも無得点に終わったが、一塁の守備に就かせた。そして、6回の次打席でメモリアルアーチが生まれた。 400本の本塁打を積み重ねてきた要因とは何か。 「やっぱり心技体という部分で、ものすごくそれぞれが優れていたというところでしょう。僕は彼が1年目の時から知っていますが、感情の浮き沈みというのが、悔しがり方というのがものすごく強くてね。1年目、2年目。バッティングというよりもリード面でね。でも、切り替えという点では見事でしたね。ナイターだったら、その夜はガクーッって、どっか反省するんでしょうね。しかし、次の日にグラウンドに来た時は揚々と来ている姿というのは、非常に鮮明に覚えてますね。体もさることながら、心というのがとても強かったからでしょうね」 卓越した打撃技術に加え、メンタルの強さが大記録を生んだ背景にあった。

◆巨人坂本勇人内野手が今季初のサヨナラ打を放ち、阿部の400号に花を添えた。 同点に追いつかれた直後の9回2死二塁、中日ロドリゲスから右翼頭上を越える劇的な一打で試合を決めた。阿部とともに上がったお立ち台で「節目のホームランをああいう場面で。かっこいいホームランを見たんで、阿部さんより先に言わせてもらいます。『最高で~す』」と沸かせた。 チャンスでの心構えは阿部から学んだ。阿部に誘われ、1年目のオフの08年にグアム自主トレに参加。「チャンスで回ってきたら、『やった、おいしい』って思ったらいいんだ」と金言を授かった。巨人では歴代6位となる10本目のサヨナラ打を放ち「阿部さんが400号を打ったので、何とか勝ちたかったので良かった」と笑みがこぼれた。 「すごいです。初球を1発で仕留めて」と興奮した師匠のメモリアルを飾るとともに、連敗を3で止める大きな一打だった。15年に阿部から主将を引き継ぎ、勝利を最優先する男らしく「チームの連敗を止められて良かった。明日も勝って、中日戦を勝ち越して、交流戦に入りたいです」と意気込んだ。【久保賢吾】

◆巨人阿部慎之助捕手(40)が史上19人目となる通算400本塁打を達成した。4点を追う5回に代打で登場し、四球を選ぶと、6回から守備につき、同点の6回に中日田島から一時勝ち越しの今季1号。巨人の生え抜きでは王貞治、長嶋茂雄以来の大台到達を成し遂げた。新時代の元年に導かれるように、阿部は4年ぶりの捕手復帰を決断した。「老骨にむち打って頑張るよ」。体力の衰えは否めない。1月のグアム自主トレで「元」の1文字を胸に刻んだ。「捕手として元に戻る。体はきつくなってきたけど元気だけは忘れないように。今シーズンは新しい年号の元年だしな」。捕手を知り尽くしているからこそ不安が優先した。「どうすればチームに貢献できるか。そればっかりを毎日考えている。まだ見つからない」。挑戦なくして道はないということも熟知する。 令和元年。平成を生き抜いた大ベテランの平成元年は小学5年の野球少年だった。ゲームボーイが発売され「持っていたけど、ほとんどやっていない。野球のほうが楽しかった」。同年に国民栄誉賞を受賞した大横綱・千代の富士に「勝ったところしか見たことがない。横綱って負けないものだと思っていた」。勝者のメンタリティーは自然に培われた。美空ひばりの国民的大ヒット曲「川の流れのように」がリリースされ「ばあちゃんがいつも聞いていた」と大好きだった天国の祖母の顔が浮かぶ。同じ年、テレビ画面に映っていた巨人もリーグ優勝と大逆転での日本一を達成。「3連敗からの4連勝。すごかった」と先人の離れ業は脳裏に焼き付いている。 プロ19年目、40歳を迎えた。ここまで捕手として出場はなく、コンディションは思うように整わないのが現状。3月中旬には左ふくらはぎの張りで離脱した。「開幕は難しいかな...」。現実を直視すれば当然だった。誕生日の3月20日を過ぎたころ、原監督からのメッセージが届いた。「おまえさんがいないと寂しいよ。1軍に来い」。捕手としての完全復帰を目指せば数カ月は要する。代打の切り札として1軍に合流する決断を自ら下した。プロ通算2211試合目。400号のメモリアル弾を決めた阿部はベンチを飛び出し両手を広げて出迎えた原監督の胸に飛び込んだ。「(原監督も)僕と同じぐらいホッとしてると思います」と指揮官に感謝した。【為田聡史】

◆どりゃ~! と豪快フルスイングで決めた。巨人阿部慎之助捕手(40)が史上19人目となる通算400本塁打を達成した。 4点を追う5回に代打で登場し、四球を選ぶと、6回から守備につき、同点の6回に中日田島から一時勝ち越しの今季1号。巨人の生え抜きでは王貞治、長嶋茂雄以来の大台到達を成し遂げた。尻をグッと沈め、下半身から伝わる力を全身に込めた。フルスイングした阿部が、バットをスパッと手放した。「2アウト、ランナーなしだし、ちょっと狙っちゃおうかなと思って打席に入った。そう思って入ったことはこれまでなかったから。狙いつつ、狙わないで打席に入れた」。目を見開き、顔が躍る。同点の6回2死、中日田島の初球、真ん中低めの142キロを捉え、400号メモリアル弾を確信した。右翼席上段に突き刺す、今季1号で大台到達を決めた。 積み上げた400本のアーチに守られてキャリアを重ねてきた。プロ1年目、ルーキー捕手のリードは未熟そのものだった。桑田、上原ら名だたる先輩投手にサインを出す指が固まった。「緊張じゃない。プレッシャーにプレッシャーが重なって、恐怖だよね」。マウンドとの18・44メートルは不安だけに支配された。「自然と涙が出てくる。なんでか分かんない。でも毎試合だったよね」。試合後にロッカー室に戻るとバスタオルを頭からかぶり勝っても負けても涙した。 プロ8年目の08年。痛打を食らいベンチに戻ると西山バッテリーコーチから「打てばいいんだよ。ソロを打たれたら2ランを打て。3ランだったら満塁弾だ」と尻をたたかれた。プロ19年目まで捕手としてマスク越しに本塁打を1400本以上も浴びてきた。「打てばいいんだよ」。気持ちがスッと楽になった。1年目に13本塁打、2年目以降も2ケタ本塁打を継続。チームの枢軸に成長していく過程で「打てる捕手」としての誇りが自分を支えた。 野球と出会った当初は本塁打なんて途方もなく遠い存在だった。小学時代のあだ名は「カンチャンの慎ちゃん」。3月20日の早生まれで同学年のチームメートよりも体は小さく非力だった。フェンスは、はるかかなたでポテンヒットが代名詞。「中学に入ってからじゃない。それまでは中心選手でもないし、いつも端っこにいたよ」と中学に入ってから少しずつ頭角を現してきた。 シーズン20発以上を量産していた全盛期に西武中村との食事の席での野球談議に衝撃を受けた。「おかわり君もヒットの延長が本塁打なの?」と問いかけると生粋のスラッガーから「本塁打の打ち損じがヒットです」と即答された。「だよね。やっぱり俺はホームランバッターじゃないよな」と大きくうなずき胸にとどめた。 過去に1度、意図して本塁打だけを狙った時期がある。最後に日本一になった12年の終盤戦だった。打率3割4分、104打点はリーグトップを独走。平成に入ってから04年松中(ソフトバンク)だけが達成した3冠王を射程に捉えていた。12試合を残してリーグ優勝を決め、個人記録に挑戦した。「チームとして勝ちたいと思うから打てるもんだと思った。俺の場合は1人の力じゃ本塁打にはならないんだなと」。結果的にノーアーチに終わり、ヤクルト・バレンティンの31本塁打に4本及ばなかった。 目的は自身の本塁打ではない。チームが勝つこと、優勝することしか頭にない。19年のキャリアを重ねてきたから確信がある。「チームが勝ってビールかけをしたい。もう1回ね。それを目標に自分が少しでも役に立てればいい」。本塁打1本が雰囲気を変え、戦況を変える。打ってきたし、打たれてきたから分かる。節目の400号もチームが勝つための1発になった。【為田聡史】

◆大歓声が巨人阿部慎之助を何度でもよみがえらせる。 40歳の肉体は常に悲鳴を上げている。持病の首痛は梅雨時期に入ると痛みを増す。捕手復帰を決めた昨年11月。「もしかしたらと思って。淡い期待をしたけど...」。頸椎(けいつい)ヘルニアで1度は断念した天職。「最近は痛みは大分、落ち着いてきた」と復帰を決め、都内の病院で精密検査を受けた。検査結果は以前と変わらなかった。「ファウルチップを1回でも食らったら終わりだろうね。でもやるしかないから。そんなに先が長いわけでもないし。やれるだけやる」。一瞬の失望を、希望の活力に転換した。 捕手の練習は徐々に再開するも、捕手として出場のメドは立たない。開幕から代打の切り札としての役割が続き「いつもいい場面で使ってもらっている。自分の記録とか考えている余裕はない」。バットを短く持ち、試合の状況の中でチーム打撃に徹してきた。「代打は難しい。ましてや本塁打なんて、なかなかの離れ業だと思うよ」。400号の大台への焦りではない。切り札としての重圧に、若干の戸惑いはあった。 そんな阿部がしみじみ言う。 「あの歓声を聞いたらね。ありがたい。本当にありがたい。毎回、スタンドが盛り上がってくれて、本当にうれしい。『なんとか打ちたい』という気持ちに毎回させてもらっている」 400本の本塁打を放った百戦錬磨の阿部も、代打本塁打に限れば2本だけ。10本の満塁弾を放った男でも代打は難しい。6回2死、中日田島から放った今季1号、通算400本塁打も代打ではなく、この日2打席目での偉業達成だった。開幕から50試合目。阿部の1発で連敗に沈んでいたチームがよみがえった。【巨人担当 為田聡史】

◆巨人阿部慎之助捕手(40)が史上19人目となる通算400本塁打を達成した。4点を追う5回に代打で登場し、四球を選ぶと、6回から守備につき、同点の6回に中日田島から一時勝ち越しの今季1号。巨人の生え抜きでは王貞治、長嶋茂雄以来の大台到達を成し遂げた。 <コメントで振り返る巨人阿部の節目弾> ◆1号 (01年4月13日横浜河原) 「気持ちが入っていたから行ってくれたと思う」 ◆50号 (04年4月11日ヤクルト山本) 「もう、あの、えー、分かんない。うれしい ◆100号 (05年8月10日横浜三浦) 「区切りの数字だけど、あくまで通過点」 ◆150号 (08年5月3日ヤクルト五十嵐) 「納得しちゃダメ。目先の1戦を戦うだけ」 ◆200号 (09年9月18日ヤクルト加藤) 「たくさんの方が支えてくれました」 ◆250号 (11年5月18日楽天永井) 「まだまだ上を目指して頑張ります」 ◆300号 (13年4月21日広島中村) 「今後も1本1本積み重ねていきたい」 ◆350号 (15年7月1日広島戸田) 「区切りの350号を打てたことは良かった」 ◆400号 (19年6月1日中日田島) 「2アウト、ランナーなしだし、ちょっと狙っちゃおうかなと思って」

◆巨人のC・C・メルセデス投手(25)が1日の中日戦(東京ドーム)に先発し、2回持たず降板した。  チームの4連敗阻止を託されて先発したが、一回2死から大島に四球を与え、ビシエドに右中間へ8号2ランを浴びた。  二回も制球が定まらず、2死二、三塁から1番・阿部に右前2点打を浴びた。続く京田に四球を与えたところで、原監督は交代を決断。メルセデスは2番手・宮国にマウンドを譲り、悔しそうな表情でベンチへ下がった。1回2/3で45球を投げ、3安打3四球4失点だった。

◆巨人・阿部慎之助捕手(40)が1日の中日戦(東京ドーム)でプロ入り通算400号本塁打を達成した。史上19人目の快挙となる。  阿部は五回から代打で出場。4-4の同点で迎えた2打席目の六回2死無走者の場面で、中日の3番手・田島の初球、142キロ直球を狙い澄ました。今季1号のメモリアル弾が右翼席に突き刺さると、東京ドームは総立ちの大歓声に包まれた。  阿部の1号本塁打はプロ1年目の2001年4月13日の横浜戦(東京ドーム)。

◆巨人の坂本勇が3年ぶりにサヨナラ打を放った。5-5の九回2死一塁で打席に入った。二盗が決まり、外野が前進したことで右翼手の頭上を越える安打となり「亀井さんが盗塁してくれたし、みんなで勝てた試合」と喜んだ。  六回に先輩の阿部の通算400本塁打で1点を勝ち越しながら土壇場で追い付かれていた。嫌なムードを一掃し「勝って終わりたいと思っていた。どきどきしながら打席に入ったけど、結果的に打てて良かった」と胸をなで下ろした。

◆巨人の阿部慎之助捕手が1日、東京ドームで行われた中日10回戦の六回に田島から今季初本塁打を放ち、プロ野球19人目の通算400本塁打を達成した。40歳2カ月での到達は、金本知憲(阪神)の40歳1カ月を抜き、山崎武司(楽天)の42歳9カ月に次ぐ2番目の年長記録。  主に捕手で達成したのは、南海や西武などでプレーした野村克也、阪神などに在籍した田淵幸一に続き3人目となった。初本塁打は2001年4月13日の横浜(現DeNA)戦で河原から。  千葉県出身。東京・安田学園高から中大を経て、01年にドラフト1位で巨人に入団。1年目から捕手の定位置を獲得し、攻守でチームを支えた。12年には首位打者、打点王、最高出塁率のタイトルを獲得し、セ・リーグ最優秀選手(MVP)に選ばれた。 ソフトバンク・王貞治球団会長の話 「(巨人で通算400号達成の阿部に)捕手というポジションで大変だからね。これで少し気が楽になると思う。もっともっと上を目指して頑張ってほしい」 原監督(通算400本塁打の阿部に) 「僕らには考えられない数字。しかも捕手でという。彼らしい400号にふさわしい本塁打だったと思う」

◆中日の2年目の清水は5四球を与えながらも5回無失点と粘ったが、六回に味方が勝ち越されて3勝目はならなかった。「四球が多いのが反省。減らせればもっと長いイニングを投げられる」と敗戦の責任を背負った。  今季、過去3試合の登板は全て先発して一回に失点していた。4度目の登板で課題の立ち上がりを無難に乗り切り「野手の皆さんに早く点を取ってもらって、伸び伸び投げることができた」と謙虚だった。 与田監督(継投に) 「こっちの判断で使い、結果を出すことができなかった。理由があって代えているが、こちらの判断で結果を出せなかった」 ビシエド(一回に2試合連続となる本塁打) 「練習通り、いいスイングができた」

◆巨人のビヤヌエバが途中出場して来日初の満塁本塁打をマークした。0-4の六回無死で、代わったばかりの田島の初球をバックスクリーンにまで運び「自分の一振りで同点にできて良かった。最終的に試合に勝ててうれしい」と表情を緩めた。  不振で5月6日に2軍落ちし、前日31日に戻って来たばかり。試行錯誤してきたことが好結果につながり「やっていたことが出た」と実感を込める。六回の三塁の守備ではフライを後ろ向きでダイビングキャッチして攻守で勝利に貢献した。

◆巨人・阿部慎之助捕手(40)が1日、中日10回戦(東京ドーム)の六回に今季1号ソロを放ち、史上19人目の通算400本塁打を達成した。球団では王貞治、長嶋茂雄に次ぐ3人目の達成で、捕手としても野村克也、田淵幸一に次ぐ3人目の快挙。試合後の会見は、飾らない"慎之助節"で笑いを呼んだ。--記録達成後の気分は  「率直にうれしいです」  --捕手での達成は史上3人目  「この400号はこだわっていきたいと意識していきたいと思って、やっと打てた。少し安心した部分もあるし、周りの球団の人たちもコソコソ準備していたのが見えたので、やっと解禁になるなと」  --最後はサヨナラ勝ち  「あのまま(5-4で)終わらないのが野球の難しさ。まあ、打ったときは『まあまあ自分は持ってるかな』と思ったけど、"まあまあ"でしたね(笑)」  --代打の役割で、出番は少ない  「代打の難しさというのは今でも痛感しているし、そんな中でチーム事情がいろいろありますけど、もう一回、打席に立てる喜びを感じてやらせてもらっています」  --次なる目標は  「やっぱりチームが勝って、ビールかけでもしたいな。それを目標に、自分が少しでも役に立てればいいかな」  --チームの今季50試合目での達成  「この前甲子園で小久保(裕紀、通算413本塁打)さんと話して『おれは半年かかったから、もうそろそろ出るだろ』と冗談を話していたんだけど、あのプレッシャーがいいプレッシャーになって今日打てたかな」  --同点の場面だった  「2死走者なしだし、『(本塁打を)狙っちゃおうかな』と思って入ったんだけど、そう思って(打席に)入って、いいことはこれまでなかった。狙いつつ、狙わないで打席には入れたかな。(感触は)完璧だった」  --今年初めてダイヤモンドを1周した  「こんな1周って長かったっけなって。久しぶりに1周したので。普段ファーストまでしか行かないから、長く感じるよ(笑)」  --狙って放った本塁打は何本あるか  「ほとんどない。ヒットの延長がホームランと思っているし、それでずっとやり続けてきた」  --監督が阿部を早めに使って流れを変えたいと  「やっぱり、出て行くだけで球場のファンから地響きのような声援をもらえる。それだけでも流れが変わるんじゃないかと思ってもらえたら、それはもう、うれしい」  --代打の後守備に入って2打席目でホームラン  「やっぱり、代打で1打席で終わって、ああもうこれで1日終わったなという日もたくさんありますし、もう1回立てる喜びも感じながらできたことがホームランにつながったんじゃないですかね」  --今季は捕手に復帰したが、今は代打の役割  「(捕手の)練習で体がバリバリ(痛い状態)になるくらいだし、こんなにきついことやってたのかなと思うくらいしんどい。現実的に今のポジション(代打)で必要とされているので、そっちに徹しないといけない。もちろんキャッチャーの練習もしながら、引退試合に向けて(笑)。そういうつもりでね」

◆巨人・阿部慎之助捕手(40)が1日、中日10回戦の六回に今季1号ソロを放ち、史上19人目の通算400本塁打を達成した。  阿部の父・東司さん(63)は浦安市の自宅近くで営む建設会社のテレビで、息子の偉業を見届けた。4点差を追いついた直後に一時は勝ち越しとなる一発に「あいつはお祭り男。打つんじゃないかなと思ったよ」と予感が的中した。試合後に阿部から電話があり、感謝の言葉をもらったという。父は「よかった。ホッとしたよ」と短い言葉でねぎらった。

◆巨人・阿部慎之助捕手(40)が1日、中日10回戦の六回に今季1号ソロを放ち、史上19人目の通算400本塁打を達成した。  会見に臨んだ阿部は狙って放った本塁打はあるかと聞かれ「ほとんどない。ヒットの延長がホームランと思っているし、それでずっとやり続けてきた」と明かした。今季27打席目での1号に、「少し安心した部分もある。球団の人たちもコソコソ準備していたのが見えたので、やっと解禁になるなと」と胸をなで下ろした。今後に向けては「もちろんキャッチャーの練習もしながら、"引退試合"に向けて」とジョークで会場の笑いを誘った。

◆救援陣が4点リードを守れず、逆転負けを喫した。4-0の六回無死満塁で3番手の田島がビヤヌエバに同点弾をバックスクリーンに運ばれると、2死後は阿部に通算400号となる勝ち越し本塁打を浴びた。17年の開幕2戦目でも阿部に逆転サヨナラ3ランを打たれた救援右腕は、「一番打たれちゃいけないのは本塁打というところでちゃんと投げ切れない技術のなさ」と唇をかんだ。

◆巨人・阿部慎之助捕手(40)が1日、中日10回戦の六回に今季1号ソロを放ち、史上19人目の通算400本塁打を達成した。球団では王貞治、長嶋茂雄に次ぐ3人目の達成で、捕手としても野村克也、田淵幸一に次ぐ3人目の快挙を成し遂げた。 サンケイスポーツ専属評論家・野村克也氏 「私を抜く捕手は阿部しかいない! デビュー当時はそう考えていただけに、400号到達は遅すぎる。日本シリーズを何度も経験し、リード面でも捕手として進歩していた。代打や一塁手での出場では物足りない。なぜ、もっとマスクをかぶらないのだろうか。私は阿部くらいの年齢のとき、『50歳まで現役で』と思っていた。捕手は経験すればするほど成長するし、他のポジションと比べて、守備範囲が狭いため、長くプレーできる。400号は通過点。ぜひ捕手に復帰し、もうひと花も、ふた花も咲かせてもらいたい」

◆今季初のサヨナラ勝ち。阿部の大記録に坂本勇が勝利で花を添えた。同点で迎えた九回2死二塁で右越えに自身通算10度目となるサヨナラ打。「何とかしたかったのでドキドキしながら打席に入りました」と笑みを浮かべた。連敗を3で止めた主将は、尊敬する先輩と並んでお立ち台に上がり、「阿部さんより先に言わせてください。最高で~す!!」と叫び、球場を盛り上げた。

◆巨人・阿部慎之助捕手(40)が1日、中日10回戦の六回に今季1号ソロを放ち、史上19人目の通算400本塁打を達成した。球団では王貞治、長嶋茂雄に次ぐ3人目の達成で、捕手としても野村克也、田淵幸一に次ぐ3人目の快挙を成し遂げた。試合は同点の九回、坂本勇人内野手(30)が適時打を放って6-5でサヨナラ勝利。連敗を3で止めた。  豪快なひと振りから放たれた打球が、G党で埋め尽くされた東京ドームの右翼席に飛び込んだ。阿部がプロ19年目で、史上19人目の通算400本塁打を達成。総立ちのファンの祝福を浴びた。  「こんなに一周って長かったっけな。普段はファーストまでしか行かないから。忘れられない本塁打になると思います」  五回に代打で四球を選び、4-4で迎えた六回2死で中日・田島が投じた低めの直球をフルスイング。今季27打席目で節目のアーチを描いた。  近年は右肩などの不安から一塁手に転向。昨年は399号でシーズンを終えたが、もうひと花咲かせるべく、同11月、3度目の就任が決まった原監督に捕手復帰を直談判。電話で思いを伝え、指揮官から「一緒に頑張ろう」と激励された。  だが開幕直前の3月、左ふくらはぎ痛で離脱。代打として今季をスタートさせた。それでも「現実的に今のポジションで必要とされている。そっちに徹しないと」と心に決めている。  5年ぶりの優勝を目指す今季、「若いやつらにビールかけと銀座でのパレードをやらせてあげたい」と阿部はいう。昨年の開幕前。優勝経験のない岡本が「ビールかけをしたことがない」と話すと、「今年1本(本塁打を)打ったら、やってやるよ」と約束した。  昨季の開幕2戦目で本塁打を放った岡本を祝うため、阿部は東京ドームの風呂場でビールを浴びせた。2人だけのささやかな祝勝会。かわいがっている岡本が4番打者に成長してくれ、願いの一つはかなったが、チームメートと優勝の美酒を味わうのが悲願だ。  400号で一時は勝ち越し。九回に追い付かれたが、直後の攻撃で坂本勇が右越えのサヨナラ打を放ち、試合を決めた。  「あのまま終わらないのが野球の難しさ。打ったときは、まあまあ自分は持っているかなと思ったけど、まあまあでしたね」。レジェンドのアーチもあってチームの連敗は3でストップ。巨人が再び上昇気流に乗る。 (谷川直之) 阿部の通算400号にソフトバンク・王球団会長 「捕手というポジションで、とんでもない数字だね。これで気楽になるし、プレッシャーも消えるから、もっと上を目指してほしいね」 巨人・原監督 「彼らしい、400号にふさわしい本塁打。まだもうちょっと打ってほしい。私の目の前でね」 阿部と同じ中大出身の巨人・亀井 「2000安打に400本塁打も、とんでもない数字。偉大としか言えない」 中大出身で、2回無失点に抑えて一時は勝ち投手の権利を手にした巨人・鍬原 「阿部さんと一緒にお立ち台に立てると思ったんですが、そんなに甘くはなかった。次、頑張ります」 阿部を慕う巨人・岡本 「ただただ、すごい。それしか出てこないです」 元中大監督の秋田秀幸氏(64) 「大学生のころから遠くに飛ばす打撃はできていた。東農大の右翼後方に建っているマンションの3階にほうり込んだことが印象に残っている。練習にも妥協しなかった。ぶっ続けで1時間、打撃マシンを相手に打ち込んでもへっちゃら。面倒見がよくて、人を引っ張っていく性格でした」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
33191 0.635
(↑0.008)
-
(-)
90230
(+7)
194
(+2)
55
(+2)
37
(+2)
0.259
(↑0.002)
3.010
(↑0.02)
2
(-)
阪神
28242 0.538
(↓0.011)
5
(↓1)
89209
(+2)
220
(+7)
41
(+1)
33
(-)
0.247
(↓0.001)
3.520
(↓0.03)
3
(-)
巨人
26231 0.531
(↑0.01)
5.5
(-)
93248
(+6)
212
(+5)
69
(+2)
26
(+1)
0.265
(-)
3.880
(↓0.01)
4
(1↑)
DeNA
23280 0.451
(↑0.011)
9.5
(-)
92202
(+7)
211
(-)
57
(-)
16
(+2)
0.245
(↑0.002)
3.780
(↑0.08)
4
(-)
中日
23280 0.451
(↓0.009)
9.5
(↓1)
92192
(+5)
199
(+6)
37
(+1)
31
(+1)
0.260
(-)
3.780
(↓0.05)
6
(-)
ヤクルト
21322 0.396
(↓0.008)
12.5
(↓1)
88241
(-)
286
(+7)
62
(-)
21
(-)
0.237
(↓0.002)
4.740
(↓0.05)