ソフトバンク(★1対3☆)楽天 =リーグ戦9回戦(2019.05.31)・福岡ヤフオクドーム=
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楽天
0100000203911
ソフトバンク
0100000001400
勝利投手:辛島 航(4勝2敗0S)
(セーブ:松井 裕樹(1勝1敗14S))
敗戦投手:千賀 滉大(5勝1敗0S)

本塁打
【楽天】ウィーラー(11号・2回表ソロ)

  DAZN
◆楽天は2回表、ウィーラーのソロで先制する。その後同点とされるも、8回に茂木の適時打と島内の犠飛で2点を挙げ、勝ち越しに成功した。投げては、先発・辛島が7回1失点の快投で今季4勝目。敗れたソフトバンクは、先発・千賀が好投するも、打線が振るわなかった。

◆ソフトバンク中村晃外野手(29)が1軍復帰し、7番・右翼でスタメン出場する。 中村晃は開幕前に自律神経失調症を公表し、ファームで調整を続けてきた。 この日から1軍に合流。試合前にはフリー打撃などで汗を流した。出場選手登録され、さっそく先発出場することが決まった。 工藤公康監督(56)は「まず本人の意思が前を向いてくれたのが何より。ここから先、しっかりフォローしながら考えたい」と話した。

◆ソフトバンク中村晃外野手(29)が1軍復帰し、7番・右翼でスタメン出場する。◆3月9日 右脇腹の違和感を訴えオープン戦のヤクルト戦を欠場。 ◆同13日 MRI検査を受け、右腹斜筋筋挫傷と診断された。 ◆同24日 右脇腹の回復は順調だったが、自律神経失調症の診断を受けていたことを公表。この間、リハビリ組にも入らず自宅などで療養を続けていた。 ◆同31日 福岡・筑後のリハビリ組に合流。 ◆4月27日 3軍戦の四国IL徳島戦で実戦復帰。「2番DH」で先発し2打数1安打だった。 ◆5月2日 2軍広島戦で公式戦に復帰。 ◆同22日 2軍中日戦で初めてビジター戦に出場。名古屋、広島と1週間の遠征をクリア。 ◆同29日 順調な回復ぶりを受け、31日から1軍に合流することが判明。 ◆今季2軍での成績 ウエスタン・リーグに13試合出場し、36打数12安打。打率は3割3分3厘。本塁打は0、打点4。

◆ソフトバンク中村晃外野手(29)が自律神経失調症から1軍復帰し、第1打席で右翼線へ適時二塁打を放った。 1点を追う2回無死二塁。カウント1-2から左腕辛島のスライダーを振り抜き右翼線へはじき返した。 打席に入る前、名前がコールされると、スタンドからは拍手と大歓声が起きた。安打製造機が今季初打席で安打を放った。「今日の試合は開幕戦のつもりで入っていきました。今季の初打席、同点の適時打になってくれてよかった。大きな声援が後押ししてくれました」とコメントした。

◆楽天は2回ウィーラーが右翼スタンドへ11号ソロで先制した。ソフトバンクは2回に中村晃の適時二塁打で同点に追いついた。 ソフトバンクは5回1死一、三塁の好機も今宮、グラシアルが凡退し無得点。楽天は5回、6回と走者を出すが得点できず。 楽天は同点の8回に茂木の中前適時打、島内の右犠飛で2点を奪い勝利。ソフトバンクと同率首位となった。千賀は今季初黒星。 楽天辛島が4勝目、松井が14セーブ。

◆安打製造機の帰還を白星で飾れなかった。自律神経失調症でリハビリを続けていたソフトバンク中村晃外野手(29)が今季初昇格で即スタメン。しかも初打席でいきなりタイムリーを放つ活躍を見せた。楽天との初戦を落とし、同率で首位に並ばれたが、チームの明るい材料になった。 「おかえりー」。大きな拍手と歓声が中村晃を包んだ。1点を先行されて迎えた2回無死一塁で右翼線への鋭いライナー。一時同点の適時打に、二塁ベース上で笑顔のガッツポーズだ。仲間も、ファンも、誰もが手をたたいて喜んだ。中村晃も「今日の試合は開幕戦のつもりで入っていきました。大きな声援が後押ししてくれました」と喜びをかみしめた。 3月下旬に症状を明かしてから、約1カ月実戦を離れた。4月末に3軍で実戦復帰。ようやくたどり着いた1軍の舞台。試合前には円陣の中心で声を出した。「野球ができる喜び、すばらしさをあらためて感じました!」。7回に四球を選び、代走を送られてベンチに下がってからも、仲間のプレーを笑顔で楽しそうに見守った。「あまり久々な感じはしなかったですね。少し緊張したけど、いつも通りに入れた。最初にしては良かった。続けていきたい」。中村晃らしく淡々と振り返った。工藤監督も「すばらしいタイムリーだった。練習から笑顔もあって、明るくやっていて良かった」とうなずいた。 チームは5月を12勝13敗で終え、昨年7月以来の月間負け越しとなった。交流戦まで残り2試合。苦しい戦いの中で、頼れる男が帰ってきた。【山本大地】

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が10戦目で初黒星を喫した。同点の8回無死一塁に辰己の投手強襲のゴロをグラブではじき内野安打。 無死一、二塁とピンチを広げ、茂木の中前適時打などで2点を失った。「グラブを引くか出すか迷った。その分、グラブが打球にかすってしまった。(8回の)大事なイニングに簡単に先頭打者を出して粘りきれなかった。(中村)晃さんの復帰の試合だったので、何とかしたかった」と悔しがった。 前カードのオリックス3連戦は中継ぎの二保、泉が先発する非常事態。総動員した中継ぎ陣を休めるためにも、7安打を許しながら113球で8回まで投げた。8回3失点で昨年からの連勝は「6」で止まった。「黒星がついたことは自分の責任。イニングが増えているのは評価していいが、今日のようにチームに勝ちを持って来られないのが僕の弱さ」とエースの責任感を口にした。 工藤監督は「よかった。気持ちを自分で保ちながらやってくれた」と評価した。腰の張りで離脱していたバンデンハークがこの日から1軍に合流。1日の先発高橋礼に続き、2日にはスアレスが先発する予定。ベテラン和田も1軍復帰間近にまで状態を上げている。交流戦は千賀を柱に先発ローテーションを立て直すメドはついている。

◆楽天辛島航投手がしびれる投げ合いを制してチームトップ4勝目を挙げた。 1点を先制してもらった直後の2回に追いつかれたが、失点はそれだけ。力みなく投げ込むキレのいい直球、巧みに交える変化球とも制球を間違えなかった。 同点の7回には先頭打者へ四球を与えたが、代走周東をけん制で刺し「自分が苦しいところで、うまくアウトを取れた」と振り返った。平石監督も「相手も千賀で1、2点の勝負。素晴らしかった」とたたえた。

◆楽天が難攻不落の相手エースに土をつけ、2日で首位に戻った。同点の8回に茂木栄五郎内野手(25)がソフトバンク千賀から決勝の中前適時打。22日の日本ハム戦で有原から放った決勝ソロアーチに続き、パ・リーグが誇る攻略最高難度の右腕を打ち砕いた。 茂木の心は強くなった。千賀の「お化けフォーク」に2打席連続三振のスタートでも「真っすぐに振り負けないこと」。剛速球投手攻略のセオリーを貫いた。6回の第3打席でフォークに食らいついた中前打が自身18打席ぶりのヒット。8回はフォークを見逃し、直後の真っすぐを仕留めた。いずれも「1、2打席目でフォークに対して振っていけたから」とうなずいた。 下を向かなくなった。「凡退しても、ミスをしても、次に切り替える」。シーズンを前に平石監督に宣言していた。「今までの僕とは違います。見ていてください」。18日のロッテ戦で今季唯一スタメンを外れ、そのまま出場がなかった。蓄積疲労への首脳陣の配慮だったが「僕は悔しかった」。昨季までなら違った。「『ラッキー』と思っていたかもしれない。どこか痛いところを見つけて、休もうとしていましたから」と自戒を込めて振り返る。 FA加入し、チームでただ1人フルイニング出場する浅村の姿に感化された。「試合に出続けることが、どれだけすごいことか思い知った。僕は疲れていても使い続けてもらえる存在じゃない」。たっぷりケアを施すから、引き揚げるのは決まって最後になる。以前は探していた節すらあった痛い箇所をなくすことに余念がない。無安打が続いても「休ませれば調子が良くなると思わせたくない。結果を出し続けるしかない」と歯を食いしばってきた。 平石監督は「僕らにとって(この時期)首位かどうかはどうでもいい」と繰り返すが「倒さなければいけない相手なのは間違いない」というソフトバンク。そのエースに今季初黒星をつけた。1勝にとどまらない価値はある。【亀山泰宏】

◆日本一球団が見せた、一瞬の隙を見逃さなかった。楽天ドラフト1位ルーキーの辰己涼介外野手(22)が、8回に好走塁で貴重な追加点を挙げた。球団初の三重盗に記録が訂正された28日の走塁は自らのミスであることを"告白"しつつ、アグレッシブな姿勢を貫いた。ソフトバンクのエース千賀からもぎ取った1勝で同率首位に並んだ。 その姿は、まさに野球小僧だった。1点を勝ち越した直後の8回1死二、三塁。三塁走者の辰己は、島内の右翼への浅めの飛球に対し、タッチアップの態勢を取った。2、3歩で止まりかけたが、ソフトバンク周東が離塁の大きかった二塁へ返球するのを見て再加速。猛然とホームに滑り込んだ。「二塁に投げるとは思わなかったけど、全力で(二塁に)返すような感じじゃなかった。もう1点が欲しかった場面。先の塁、先の塁という意識に、体が反応した」と胸を張った。 わずか3日前のことを「やらかしました。ホンマにションベン、ちびりそうになりました」と苦笑交じりに振り返る。28日の西武戦の7回。逆転に成功した後、2死満塁でフルカウントが続き、スタートを繰り返していた二塁走者の辰己は「1本で(本塁まで)かえろうという意識が強すぎて」けん制球に反応できなかった。三塁走者の島内が投げた瞬間に本塁へ突入して追加点につながり、31日になって記録も球団初の三重盗に訂正された。「計算通りですね」と笑わせたが、実は肝を冷やしていた。 この日、茂木の中前打で二塁から決勝のホームを踏んだ代走オコエとともに「ビッグな走塁」と褒めた平石監督は、ユニークな視点で辰己をたたえた。「辰己はものすごく野球が好き。だから、走塁だけでなく全てに興味がある。常にチャンスをうかがうという発想、センス...。まず興味がないとできないこと」。貪欲な姿勢は、グラブに刺しゅうして刻む「野球バカ」そのもの。開幕前には「プロに入って、一番難しいと感じています」と話していた走塁面で強烈な存在感を示した。【亀山泰宏】

◆自律神経失調症で戦列を離れていたソフトバンク・中村晃外野手(29)が31日の楽天戦(ヤフオクドーム)で復帰した。「7番・右翼」で先発。今季初打席で、さっそく適時打を放った。  「開幕戦のつもりで入っていきました。今季の初打席。同点タイムリーになってくれてよかったです。大きな声援が後押ししてくれました」  0-1の二回無死二塁で、右翼線に適時二塁打。スライダーをライナーで弾き返した。3月中旬に右脇腹痛で離脱後、病を公表。4月末から2軍戦に出場して、この日から1軍に合流した。工藤監督は「おかえり、これから頼むぞ」と声をかけて「まず本人の意志が前を向いてくれたことが何より」と歓迎した。

◆楽天はしぶとい攻撃で千賀に初黒星をつけた。1-1の八回1死一、二塁で茂木が中前に運ぶ適時打。「次の1点が勝敗を左右する。何とか次の打者につなごうと思った」と喜んだ。  なお1死二、三塁で島内は右飛だったが、右翼手が二塁へ送球する。タッチアップしていた三塁走者の辰己はこれを見て本塁へ突入し、セーフ。辰己は「プレーに集中できていた」と満足げ。平石監督も「ものすごく大きな走塁」と新人をたたえた。

◆エースの千賀が8回7安打3失点で今季初黒星(5勝)を喫した。八回先頭から連打でピンチを招くと、1死一、二塁で茂木に外角速球を中前に運ばれ、決勝点を献上。「大事な回に、簡単に先頭打者を出して粘り切れなかった」と悔やんだ。攻守に精彩を欠き、5月は12勝13敗で負け越し。工藤監督は「良いときもあれば、悪いときもある」と切り替えた。

◆故郷の福岡で楽天・辛島航投手(28)が4勝目。千賀との投げ合いを制した。  「自分が苦しいときに、アウトが取れたり、けん制で刺せたり、流れに乗ることができた」  直球は130キロ台後半ながら、変幻自在の投球でソフトバンク打線を翻弄。7回を3安打1失点、88球で封じた。  "無関心左腕"は何事にも動じない。「誤解を招くかもしれませんが、試合は戦場と同じ。行きたくなくても、けがをしていても、逃げることは許されない」と腹をくくってマウンドに上がる。  シーズン中は生ものを避ける選手もいるが、豪快に刺し身を食べる。「肉よりも断然、魚。無類の魚好きだけど、俺は焼きよりも生派」とどこ吹く風だ。  平石監督は「素晴らしい投球だった」と絶賛。左腕の好投で、ソフトバンクと首位に並んだ。 (広岡浩二) 八回に勝ち越しの中前適時打を放った楽天・茂木 「辛島さんがいい投球をしていたのに点を取ることができなかった。何とか食らいついて振ろうと思った」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
27232 0.540
(↓0.011)
-
(-)
91216
(+1)
197
(+3)
63
(-)
48
(-)
0.259
(↓0.002)
3.370
(-)
1
(1↑)
楽天
27231 0.540
(↑0.009)
0
(↓1)
92250
(+3)
234
(+1)
61
(+1)
18
(+2)
0.256
(-)
4.400
(↑0.06)
3
(-)
西武
26231 0.531
(↑0.01)
0.5
(↓1)
93261
(+3)
260
(+2)
62
(+1)
63
(+2)
0.257
(↓0.001)
4.520
(↑0.09)
4
(-)
日本ハム
26242 0.520
(↑0.01)
1
(↑1)
91224
(+4)
206
(-)
33
(-)
21
(-)
0.258
(-)
3.680
(↑0.08)
5
(-)
ロッテ
23261 0.469
(↓0.01)
3.5
(-)
93212
(+2)
212
(+3)
61
(-)
38
(+1)
0.239
(↓0.001)
3.800
(↑0.02)
6
(-)
ORIX
19293 0.396
(↓0.008)
7
(-)
92162
(-)
216
(+4)
36
(-)
44
(-)
0.221
(↓0.003)
3.770
(↑0.06)