オリックス(★0対4☆)日本ハム =リーグ戦9回戦(2019.05.31)・大阪ドーム=
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日本ハム
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ORIX
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勝利投手:加藤 貴之(2勝4敗0S)
敗戦投手:山岡 泰輔(4勝2敗0S)
  DAZN
◆日本ハムは5回表、1死一三塁から相手のけん制悪送球の間に三塁走者が生還して先制する。そのまま迎えた8回には、平沼の犠飛などで3点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・加藤が8回途中無失点で今季2勝目。敗れたオリックスは打線が2安打と沈黙した。

◆日本ハム加藤貴之投手(26)が令和初のノーヒットノーラン達成を逃した。 7回まで2四球と自らの失策による3人の走者を許したのみで無安打投球も、8回先頭のオリックス山足に中前打を浴びた。直後に栗山英樹監督(58)が交代を告げて降板した。

◆序盤は両チーム無得点。日本ハムは2回無死二塁で清宮が右前打を放つも、右翼からの好返球で二塁走者は本塁でアウトになった。 日本ハムが5回1死一、三塁で、オリックス山岡の一塁けん制悪送球の間に三塁走者が生還。オリックスは6回まで無安打無得点。 日本ハムは8回に平沼の犠飛などで3点を挙げ、5連勝。加藤が2勝目。オリックスは8回に山足がチーム初安打を放つも3連敗で借金10。山岡が4敗目。

◆日本ハム清宮幸太郎が右手有鉤(ゆうこう)骨骨折のケガから復帰後初めて、一塁の守備で先発フル出場を果たした。 7度の守備機会を難なくこなし「やっぱり野球は守備があってのスポーツだと思うので、やっと野球できたなという感じです」と安堵(あんど)の表情を見せた。打撃では2試合連続安打をマークし「チームのための打撃なので、そこは失わずにできていると思う」と話した。

◆日本ハム加藤貴之が大記録は逃すも、殊勲の好投で2勝目を挙げた。 7回まで無安打投球。8回先頭の山足に中前打を浴びて降板したが、今季最長の7回0/3を1安打無失点に抑え「テンポよく、打たせることを心掛けた。(ノーヒットノーランは)頭になかった」と振り返った。中田をスタメンから外して休養を与えながら5連勝を飾った栗山監督は「加藤さまさまです」と左腕に最敬礼だった。

◆大記録まで、あと少しだった。日本ハム加藤貴之投手(26)がオリックス9回戦(京セラドーム大阪)で、7回までノーヒットノーランを継続する珠玉の投球で2勝目を挙げた。8回の先頭打者に初安打を許し降板したが、今季最長の7回0/3を同最多となる88球で投げきった。「ショート・スターター」などさまざまな役回りをこなしながら献身的に投げ続ける左腕の、一世一代の好投で、チームは今季初の5連勝をマークした。加藤の表情は崩れなかった。「いつか打たれると思って、何とも思ってなかったです」。8回先頭の山足への2球目だった。外角への133キロ直球をとらえられた打球は、自身の頭上を通って中前に弾んだ。無表情で打球の行方を見つめると、悔しそうに苦笑いする西川が打球を捕っていた。あと6アウトでノーヒットノーランの偉業達成。それでも「自分の投球をすることだけしか頭になかった」。引き揚げた三塁側ベンチでは拍手で労われた。 この1週間で課題として取り組んだ成果を発揮した。「前回の西武戦はボール先行だったけど、今日はストライク先行でいけて良かった」。前回登板は制球が定まらず、カウントを悪くして痛打を喰らい、5回途中5失点。フォームや意識的なことも含めて「修正できた部分」と振り返る。 後手に回った反省を生かしたからこそ、ストライクゾーンで大胆に勝負できた。「速い球があるわけでもなく、三振を取れるボールがあるわけでもないので、打たせて取ることを心がけた」。この日の最速は137キロ。スライダーやフォークに、スローカーブも織り交ぜたが、投球の軸は真っすぐ。キレが抜群で、球速以上に速く感じさせた。21個のアウトのうち10個がフライアウト。オリックス打線を手玉に取った。 「自分は任せられたところを頑張ってやっていきます」。ヒーローインタビューでは、気丈に話した。そんな献身的な4年目左腕に「シーズンが終わったら、謝るよ」と話すのは栗山監督。「あいつには、苦労をかけっぱなし」。今季はショート・スターターとして投手起用の新戦術を託すほか、第2先発や通常の中継ぎとしても起用してきた。「何でもできる加藤の良さを使わせてもらおうを思っている」。 一人一役では激戦のパ・リーグは勝ち抜けない。多彩な役回りをこなせる加藤がいるから、安定感が出てきた今の投手陣がある。指揮官も「本当に加藤サマサマです」と感謝。加藤の力投でチームは5連勝。5月の勝ち越しも決めた。順位は4位だが、首位までは1ゲーム差だ。【木下大輔】

◆オリックスは3試合連続失策で3連敗し、借金は10となった。 0-1で迎えた8回。1死満塁で清宮のゴロを一塁・白崎がファンブル。捕っていれば併殺を取れたケースで、好投の山岡の足を引っ張った。攻撃面でも加藤の前に7回まで無安打無得点。山足の安打で23年ぶりの屈辱は免れたが、今季7度目の完封負け。 西村監督は「8回は併殺を取れているわけですから。打つ方も工夫していかないといけない。相手をどう攻略するのか」と厳しい表情。1日に福良新GMが編成トップに就く。立て直しは急務だ。

◆日本ハム栗山英樹監督が、中田翔に休養を与えた。 今季は大田とともに全試合スタメン出場させてきたが、長いシーズンを見据えて「休ませる人は休ませる」と、初めて欠場させた。主力を"温存"しながら、相手のミスにもつけ込んで貯金を2に戻したが「それは全然関係ない。交流戦までの、あと2試合がすごく大事」と気を引き締めていた。

◆オリックスはわずか2安打に終わり、零敗を喫した。日本ハムの加藤に抑え込まれ、八回に先頭打者の山足が中前打を放つまで、無安打だった。八回の好機でも得点を挙げられなかった。  3連敗で、借金は10に膨らんだ。西村監督は「投手にどう対応していくか、工夫をしないといけない」と表情は暗かった。

◆日本ハムの平沼が好判断で先制点を奪った。五回に先頭打者として中前打で出塁。三塁まで進塁し、一塁へのけん制が悪送球になった隙を見逃さずに、一気に本塁を突いた。「当たり前のプレーを当たり前にすることが大事」とうなずいた。  八回には犠飛で追加点。「最低限の仕事はできた」と及第点を付けた。福井・敦賀気比高時代は投手として選抜大会優勝を果たし、2016年のプロ入りからは内野手としてプレーする成長株が、少ない機会でアピールした。

◆オリックスの山岡は八回途中、8安打4失点で2敗目。  0-1で迎えた八回に、追加点を奪われて降板となった。清宮を打ち取ったが、一塁手の失策で得点を許した。「三塁走者も足が速かったし、何とか三振を取りたかった」と悔やんだ。

◆右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折から復帰7試合目の清宮が、今季初めて一塁で先発出場。ミスなしで試合を終え、「野球は守備あってのスポーツ。やっと野球ができたという感じ」と充実感を漂わせた。前日5月30日に今季1号をマークした打撃では、一回に右前打を放つなど3打数1安打1四球。5連勝に貢献し、「チームのための打撃。そこは見失わずにいきたい」と表情を引き締めた。

◆オリックスは3日続けて、守りから崩れた。0-0の五回1死一、三塁。先発の山岡が一塁にけん制するも、白崎が捕球できず(記録は山岡の失策)に1失点。1点を追う八回にも1死満塁で白崎が本塁併殺を狙えたゴロをはじき、適時失策に。流れを止められず、0-4で今季7度目の完封負け。借金は今季ワーストの「10」となった。  勝敗を分けた守備のミスに、西村監督は「ここ何試合かミスでの失点がね...。最初の失点も(白崎が)捕ってあげないと。八回のも併殺とれていれば全然違った」と指摘。3試合連続で計6失策だけでなく、打線は七回まで無安打。野手陣に対し「3試合続けて投手の足を引っ張っている。交流戦に向けてそこをいい形にしていかないと」と奮起を求めた。  試合後には攻守に精彩を欠いているマレーロの2軍降格を決定。交流戦までになんとか立て直したい。

◆あと6人で令和初のノーヒットノーランは逃したが、日本ハム・加藤貴之投手(26)が、今季最長の7回0/3を投げて1安打無失点。抜群の投球術で今季2勝目を挙げた。  「意識はなかったです。いつか打たれると思っていた。何とも思わなかったです」  テンポのいい投球でアウトを重ねた。八回先頭の山足に唯一の安打となる中前打を許したが、マウンドと同じく敵地のお立ち台でも冷静だった。  開幕直後は先発で短いイニングを投げる"オープナー"の役割を担い、3カード連続の先発も経験した。フル回転する4年目左腕に栗山監督は「きょうは加藤さまさまです」と感謝した。  千葉・南房総市育ち。実家は牧場の加藤は「任されたところで頑張ります」ときっぱり。チームは今季初の5連勝。首位を追うチームで、背番号14の存在が頼もしい。 (中田愛沙美)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
27232 0.540
(↓0.011)
-
(-)
91216
(+1)
197
(+3)
63
(-)
48
(-)
0.259
(↓0.002)
3.370
(-)
1
(1↑)
楽天
27231 0.540
(↑0.009)
0
(↓1)
92250
(+3)
234
(+1)
61
(+1)
18
(+2)
0.256
(-)
4.400
(↑0.06)
3
(-)
西武
26231 0.531
(↑0.01)
0.5
(↓1)
93261
(+3)
260
(+2)
62
(+1)
63
(+2)
0.257
(↓0.001)
4.520
(↑0.09)
4
(-)
日本ハム
26242 0.520
(↑0.01)
1
(↑1)
91224
(+4)
206
(-)
33
(-)
21
(-)
0.258
(-)
3.680
(↑0.08)
5
(-)
ロッテ
23261 0.469
(↓0.01)
3.5
(-)
93212
(+2)
212
(+3)
61
(-)
38
(+1)
0.239
(↓0.001)
3.800
(↑0.02)
6
(-)
ORIX
19293 0.396
(↓0.008)
7
(-)
92162
(-)
216
(+4)
36
(-)
44
(-)
0.221
(↓0.003)
3.770
(↑0.06)