DeNA(☆3対2★)ヤクルト =リーグ戦10回戦(2019.05.31)・横浜スタジアム=
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ヤクルト
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DeNA
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勝利投手:今永 昇太(6勝2敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(1勝1敗8S))
敗戦投手:ブキャナン(1勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】ソト(15号・1回裏ソロ)

  DAZN
◆DeNAは初回、ソトの15号ソロで先制する。そのまま迎えた7回裏には、柴田と伊藤光の連続適時打で2点を追加した。投げては、先発・今永が7回無失点11奪三振の力投で今季6勝目。敗れたヤクルトは打線が終盤に追い上げを見せるも、あと一歩及ばなかった。

◆DeNAの先発はここまでリーグトップタイの5勝を挙げている今永昇太投手(25)。 DeNAの投手が5月までに6勝を挙げると14年井納以来。 左腕に限れば大洋時代の75年間柴以来、球団44年ぶりとなる。

◆ヤクルトはウラディミール・バレンティン外野手の二塁打で、2点を返した。 3点を追う8回2死二、三塁、5番に入ったバレンティンは、DeNA3番手パットンの初球138キロのスライダーをとらえた。一塁手ロペスのグラブをはじき、ボールが転々とする間に2点が入った。 ヤクルトにとっては、29日広島戦(神宮)の初回に村上が3ランを放って以来、25イニングぶりの得点となった。

◆先発はDeNA今永とヤクルト・ブキャナン。DeNAは1回にソトの15号ソロで先制。ヤクルトは3回まで無安打無得点。 両先発が好投し、ヤクルトは6回まで散発2安打で無得点。DeNAも2回以降は二塁を踏めず、ロースコアで終盤に。 DeNAが7回に2点追加し、逃げ切って3連勝。ヤクルトは8回バレンティンの2点打で1点差に迫ったが、15連敗で月間20敗。 勝利投手は今永で6勝目、山崎が8セーブ。負け投手はブキャナンで2敗目。

◆最下位ヤクルトは屈辱の15連敗を喫した。DeNAは初回にソトの15号ソロで先制。7回には柴田、伊藤光の連続適時打で2点を加え、最後は守護神山崎で締めくくった。DeNAは3連勝。

◆最下位ヤクルトが敗れ、15連敗になった。チームワースト16連敗を喫した70年以来49年ぶりの屈辱。月間でも球団ワーストの20敗になった。 3点を追う8回にバレンティンの2点適時二塁打で追い上げたが、あと1点が遠かった。

◆"欲しがらず"偉業達成だ。DeNA今永昇太投手(25)が、5月最後の日を好投で締めくくった。ヤクルト打線を7回3安打無失点で圧倒し、リーグ単独トップの6勝目を手にした。5月までに6勝は、球団では14年井納以来、左腕に限れば、大洋時代の75年間柴以来44年ぶりの快挙となった。今永は雄平に3ボールとした。1点リードの7回2死一、二塁。連勝を願うDeNAファンの願いと勝利を欲するヤクルトファンの悲鳴のような声援が交錯する。一打出れば、同点の場面でもエースは冷静だった。「フォアボールとしても満塁」と腹をくくった。そこまで3球全てスライダーの勝負から一転。直球を続け、フルカウントに。「調子がいいからこそ、あえて丁寧に。いつもは強引にいくところ」と今度はスライダーで高めに誘い、空振り三振。ガッツポーズで球場を沸かした。 「調子がいい」の言葉通り、4回まで無安打の投球。三振も開幕戦以来の2桁となる11個を記録した。その上で、丁寧を心掛けた理由-。今永は「昨日の東の投球を見て、参考にしました」と5月30日の中日戦(ナゴヤドーム)に先発した東の投球映像を注視した。「東は調子があまり良くなかったと思う。その中で丁寧に直球、変化球の投げ分けをしていた。ボールにするところはして、無理にストライクを欲しがらないところ」を自身に投影した。 ブルペンから調子は良かった。その上で「謙遜心」を忘れなかった。「直球の走りも、変化球のキレも良かった。いつもはそういう時に力んでしまう。あえて、あえてですね。丁寧に」と"欲しがらず"に7回無失点の内容で、結果的にヤクルト打線を退け、勝利も手にした。 5月最後の日に、ハーラートップに躍り出た。5月までに6勝の数字は、球団の左腕では44年ぶりだ。ラミレス監督は「自分自身でリーグベストのピッチャーと認識している。それだけの自信がある」と安心して委ねる一方で、今永は控えめ。「まだまだ積み重ねていかなければいかないので、小さな1勝にしたい」と最後まで"欲しがらず"先を見据えた。【栗田尚樹】

◆ヤクルトの試合観戦に訪れた衣笠球団社長兼オーナー代行は、無言のまま球場を後にした。 49年ぶりの15連敗を受け、試合後は報道陣からの問いかけには反応せず、車に乗り込んだ。5月30日の広島戦後には「こういう時に、体制を動かしても失うものが大きい」と首脳陣への信頼を口にしていた。

◆DeNA打線が好調だ。初回にソトが先制の15号ソロ。7回には柴田竜拓、伊藤光の連続適時打。上位、下位打線と関係なく、小刻みに追加点を挙げた。 これでチームも3連勝。ラミレス監督は「ソトの1発は非常に大きかった。柴田もなかなかチャンスがない中、我慢して待ちに待って、しっかり結果を残してくれた」と評価した。

◆ヤクルトが14日広島戦から15連敗。15連敗以上したチームは98年ロッテ(18連敗)以来で、セ・リーグでは70年にリーグワーストの16連敗を記録したヤクルト以来2度目だ。5月は5勝20敗1分け。 月間20敗以上は14年8月の中日以来でプロ野球10度目。ヤクルトの月間20敗は国鉄時代の53年5月、62年8月に並ぶ球団ワーストタイとなった。首位広島からは11・5ゲーム差。明日2日にも自力V消滅の可能性が出てきた。

◆ヤクルトはブキャナン、DeNAは今永が先発。一回、DeNAはソトがソロ本塁打で先制すると、七回に柴田と伊藤の適時打でリードを広げた。ヤクルトは八回にバレンティンが2点適時打を放つも反撃はそこまでだった。ヤクルトは49年ぶりの15連敗となった。

◆ヤクルトのブキャナンは6回3安打1失点で2敗目を喫した。一回2死でソトに外角の落ちる球を完璧に捉えられ、右翼席中段へ先制ソロを運ばれた。その後は丁寧に打たせて取り「早い段階でミスはあったが、やるべき仕事はできた」と淡々と振り返った。  チームの連敗は15に伸びた。「不幸にもまた負けてしまったが、好ゲームだった。野手には守備でたくさん助けてもらったし、悪い方向には向かっていない」と努めて前向きに話した。

◆DeNAはこのヤクルト3連戦で「YOKOHAMA GIRLS☆FESTIVAL 2019」と銘打ち、女性向けの恒例イベントを開催。女性の来場者には特別仕様のユニホームも配布された。イベント効果もあり、3万1983人の観衆のうち、女性の来場者比率は60.6%と発表。今永は「きょうはお肌のお手入れをして寝ましょう!」と呼びかけて笑わせた。1日にはNHKの番組から生まれた人気キャラクター「チコちゃん」が登場する。

◆お立ち台に上がった今永&柴田の同期コンビは、5月30日に発売したばかりのサンケイスポーツ特別版「BAY☆スタ」第13号のインタビューに登場している。圧巻の投球で6勝目を挙げた今永は、表紙&巻頭を飾っている同紙を手に「これからもBAY☆スタさんの表紙に載れるように頑張ります」と笑顔。貴重な適時打など2安打で貢献した柴田は、自分ではなく今永のページを熟読し、「うちのエースの記事を読んでください」と"PR"していた。

◆先発のブキャナンは6回3安打1失点と好投したが、2敗目(1勝)を喫した。「両チームともいい野球ができたけど、負けてしまった」。失点は一回にソト浴びたソロによる1点だけ。「自分がやるべきことはやれた。守備も素晴らしくて助けられた」と無失策の野手陣に感謝した。

◆ヤクルトはDeNAに2-3で敗れ、1970年8月以来、49年ぶりとなる15連敗を喫した。リーグタイ記録の月間20敗目(5勝1分け)は、球団では62年8月以来、57年ぶりの屈辱。八回に2点を返したが、七回の攻防が明暗を分けた。1日にプロ初先発するドラフト1位・清水昇投手(22)=国学院大=に連敗阻止を託す。  気負い、焦り、疲労。悪循環を突き破れなかった。球団ワーストの16連敗を記録した70年8月以来の15連敗。5月を5勝20敗1分けで終え、小川監督は声を絞り出した。  「終盤の失点が痛かった。(マクガフは疲労の影響も)もちろんあるとは思う。終盤追い上げただけに、とにかく明日につなげていくしかない」  0-1で迎えた七回の攻防が明暗を分けた。2死から一、二塁と好機を作ったが、6回3安打1失点と好投していたブキャナンの代打・雄平が空振り三振。直後に27試合目の登板となったマクガフが柴田に適時三塁打、伊藤光に適時二塁打と2失点したのが響いた。  ただ、光明は感じさせた。前日30日の試合後には全体ミーティングを開き、指揮官が「勝敗の責任は俺にある。自分たちの責任だと感じすぎず、皆で打破していこう」と呼びかけていた。八回には青木、山田哲の連打で好機を作り、不振のバレンティンが右翼線に2点二塁打と打線本来の粘りをみせた。青木は「こういう試合を続けていきたい。今まで競った試合を勝ってきたわけだから。今日のような粘りを続けたい」と前を向いた。  1日はD1位右腕・清水が先発。プロ初登板で荷が重い状況だが、新人に連敗ストップを託す。清水は「チームは勝てていないけれど、選手や先輩たちは本当に前向きに戦っている。自分も見習って続いていきたい。新人らしくやることが一番」と表情を引き締めた。 (長崎右)

◆DeNAは31日、ヤクルト10回戦(横浜)に3-2で勝ち、3連勝。先発の今永昇太投手(25)が7回3安打無失点の好投で、ハーラー単独トップに立つ6勝目(2敗)をマークした。防御率も1・47でリーグ1位を守った。チームは月間12勝11敗として、3年ぶりとなる5月の勝ち越しに成功。借金を「6」まで減らした。  勝負の世界に、情けは無用。球界を代表する左腕となった今永が、極上の投球で大型連敗中のヤクルト打線を制圧した。  「(試合前の)ブルペンから真っすぐが走り、変化球も切れがよかったので、すんなり試合に入っていけました。野手の方の好プレーもあり、援護してもらって、全員で勝ち取った勝利です」  一回からこの日最速の150キロを計測するなど飛ばした。五回先頭のバレンティンに中前打を許すまでは無安打。若き4番・村上とは3打席の対戦で2三振と中飛で、格の違いを見せつけた。七回2死一、二塁のピンチで迎えた代打・雄平も空振り三振で切り抜けた。  今季自己最多タイの11奪三振のうち、投手のブキャナン以外は最後の球が変化球。前日30日の中日戦で7回10奪三振で3勝目を挙げた東の映像を参考にした。「調子が悪いなかで丁寧に投げていた。直球の(コース)投げ分け、変化球はストライクからボール。僕は調子が悪いときは真ん中に集まりがち。きょうは調子がいいからこそ、(丁寧に)投げ込んだ」。後輩から学び、実践した。  「今のうちにエースがいると思うか? いないやろ」。今季就任した三浦投手コーチが、開幕前にこぼした。2年、3年と続けて活躍する投手がいない先発陣を厳しく評価した。そのなかで昨季4勝11敗の今永を初の開幕投手に指名し、さらなる能力を引き出した。  その三浦コーチは「きょうは本当によかった。本来の今永昇太という姿を一歩ずつ作り上げている。2、3年後にどうなっているか。いい階段を上っていると思うよ」。元エースとして、後継の筆頭候補をたたえた。  ハーラー単独トップの6勝目を挙げ、防御率、奪三振、勝率もリーグ1位。だが今永は「もっと積み重ねて、(6勝目を)小さな1勝にしないといけない」と、通過点だと強調した。チームも自分も、ゴールはまだまだ先。25歳の左腕は、先頭を走り続ける。 (湯浅大) 今永についてDeNA・ラミレス監督 「自信に満ちあふれていた。(ハーラートップは)期待通りで驚くことではない」

◆分岐点になったのは七回の攻撃。0-1の2死一、二塁で6回1失点のブキャナンに代打・雄平を送った。球数は89。難しい判断だったが、連勝中なら先発を引っ張っていたところ。連敗中という苦しさが出た。  結果的に、リードされている状況でもマクガフとハフをつぎ込むことになった。2人はいずれも27試合目の登板。連敗を脱出したとしても、中継ぎの登板過多が心配だ。  負の連鎖は打線にも言える。防御率リーグトップの今永を打ち崩せなかったのは仕方ない。守備面や、チームに刺激を与える意味で動くことが逆効果になっている面もある。  三塁で失策が多い村上を一塁に置かざるを得ないことから、坂口や雄平の起用法が限られ、2人の状態は上がりづらくなる。5月29日の広島戦ではバレンティンを控えに回したが、守備に難があるのは今に始まったことではない。  若い投手の起用はある程度、仕方ない。しかし、打線は得点力があるのだから、時期的に若手を使う発想はまだ早いし、仕掛けようとしすぎない方がいいのではないか。連敗中はいろいろと外野の声が聞こえてくるが、泥沼は動けば動くほどはまるもの。動かないのも一つの作戦だ。  監督として14連敗を経験した2017年は故障者が多く、現状の戦力で最善を尽くすことに集中しようと考えた。あの年は連敗を脱出した後にも連敗が待っていた。当時よりは故障者が少なく、状況は悪くないはず。まず先発投手が奮起するしかない。1日に先発するルーキーの清水には、考えすぎないで思い切った投球を期待したい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
32191 0.627
(↑0.007)
-
(-)
91223
(+2)
192
(+1)
53
(-)
35
(+1)
0.257
(↓0.001)
3.030
(↑0.05)
2
(-)
阪神
28232 0.549
(↓0.011)
4
(↓1)
90207
(+1)
213
(+2)
40
(-)
33
(-)
0.248
(-)
3.490
(↑0.04)
3
(-)
巨人
25231 0.521
(↓0.011)
5.5
(↓1)
94242
(+3)
207
(+7)
67
(+1)
25
(+1)
0.265
(↓0.001)
3.870
(↓0.04)
4
(-)
中日
23270 0.460
(↑0.011)
8.5
(-)
93187
(+7)
193
(+3)
36
(+3)
30
(+1)
0.260
(-)
3.730
(↑0.02)
5
(-)
DeNA
22280 0.440
(↑0.011)
9.5
(-)
93195
(+3)
211
(+2)
57
(+1)
14
(-)
0.243
(↓0.001)
3.860
(↑0.04)
6
(-)
ヤクルト
21312 0.404
(↓0.008)
11.5
(↓1)
89241
(+2)
279
(+3)
62
(-)
21
(-)
0.239
(↓0.001)
4.690
(↑0.02)