オリックス(☆3対1★)ソフトバンク =リーグ戦10回戦(2019.05.28)・大阪ドーム=
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ソフトバンク
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ORIX
00102000X31000
勝利投手:山本 由伸(3勝2敗0S)
(セーブ:増井 浩俊(0勝1敗15S))
敗戦投手:二保 旭(0勝1敗0S)
  DAZN
◆オリックスは3回裏、2死三塁から小田が適時打を放ち、先制に成功する。その後は、5回に吉田正の犠飛と中川の適時打でリードを広げた。投げては、先発・山本が7回6安打無失点の力投で今季3勝目。敗れたソフトバンクは、打線が8安打1得点とつながりを欠いた。

◆オリックス山本とソフトバンク二保の投げ合い。オリックスは3回に小田の右前適時打で先制。ソフトバンクは3回まで無得点。 オリックスは5回、吉田正の左犠飛、中川の中前適時打で2点を追加。ソフトバンクは山本を打ち崩せず、6回まで無得点。 オリックスが3点のリードを守りきり、山本が3勝目、増井が15セーブ目を挙げた。ソフトバンクは最後まで得点を奪えず、3連敗で首位陥落。二保が今季初黒星。

◆阪急OBの山田久志氏(70=日刊スポーツ評論家)がセレモニアルピッチに登場した。 この日は「KANSAI CLASSIC 2019」と銘打たれたシリーズ3連戦の初戦。70年阪急時代の背番号25のユニホームを着て、マウンドに上がった。打席には吉田正尚外野手、捕手を伏見寅威が務めた。通算284勝を挙げた現役時代をほうふつをさせるサブマリン投法で、低めにノーバウンドで投げた。「あれが精いっぱいだった。届いてよかったよ」と笑顔で振り返った。 山田氏は68年ドラフト1位で阪急に入団後、プロ2、3年目でこのストライプ柄のユニホームを着用。71年には22勝を挙げ、リーグ優勝に貢献した。「(22勝は)大したことない。当時は20勝はそんなに騒がれなかった。各チーム1、2人は20勝投手がいる時代だったから。ずばぬけてる感じはないな。エースクラスで20勝はざらにいた時代だからね」と語った。 現在チームは最下位に沈んでいる。「全体的には投手は頑張っていると思う。若手も出てきたしね。投手が頑張っている時に援護がなかったり、打線が点数を取ったときに守りきれないであるとか、バランスが崩れている。それがかみ合ったら、そんなに大きな差はないから、上にいくチャンスはある。交流戦前にそういう形ができあがって、交流戦に入っていって、交流戦で勢いつけてほしい」と期待した。

◆ソフトバンク二保旭投手が7年ぶりの先発で、敗戦投手ながら4回1失点と試合をつくった。 「相手の山本君がいい投手なので、何とか粘りたかった。的を絞らせないように投げた。自分の持ち味は出せた」。内角をグイグイ突く強気の投球で68球、4回を投げた。 九州国際大付時代の恩師でこの春勇退した埼玉栄・若生正広元監督に「少しでも恩返ししたい」と話していたが、今季初登板で健在な姿を見せた。

◆ソフトバンク甲斐拓也捕手(26)がオリックス10回戦で右足首付近を痛め途中交代した。 7回1死一、二塁の打席で一塁へドラッグバントを試み、一塁ベースを踏んだ時に故障した。「かかとから踏みにいって衝撃があった。ちょっと痛かったが大丈夫」と試合後は自力で歩きバスへ乗り込んだ。アキレス腱(けん)部分の痛みもあり、29日同戦の出場や病院での検査などは、朝の状態を見て決める。 福田秀平外野手(30)は3回の守りから左脇腹に違和感があり、大事を取って交代した。同じ左脇腹痛を治し、25日に1軍に復帰したばかりだった。

◆ソフトバンクが苦手のオリックス山本を攻略できず3連敗となり、4月26日以来の2位に陥落した。今季3度目の対戦。過去2試合は1安打ずつだったが、この日は6安打と安打数は増えたが無得点。今季3試合で24イニング無得点と完全に抑え込まれている。 工藤公康監督は「いい投手なのは確か。細かいところをしっかりできないといけない」と、2回無死一、二塁では福田が送りバントを決められなかった。ボール球を見逃すと飛び出していた二塁走者デスパイネが挟まれアウト。その後1死二、三塁と攻めたが後続が倒れた。 左足太もも裏に不安を抱える今宮が4試合ぶりにスタメン復帰したが、山本には3打数無安打2三振。「なかなかヒットにするのは難しい。あっさり終わる打席をなくして、球数を投げさせれば甘い球が来ることもある。悔いが残る試合だった」と、3球で終わった1打席目を反省した。 緩いカーブはあるが、150キロを超える直球に140キロ台のカットボール、フォークボールと速い球種が多い。森ヘッドコーチは「内川のように反対方向へ、ああいうスタイルで攻略していかないといけない」。カットボールに逆らわず中前、右前と2安打した内川の打撃をヒントに次回攻略への対策を練る。 交流戦に入るためオリックスとは7月5日からの3連戦まで対戦はない。ここまで7勝2敗1分けと得意にしているオリックスに、山本という天敵をつくるわけにはいかない。【石橋隆雄】

◆オリックス小田裕也外野手が決勝打&今季初猛打賞で打線を引っ張った。 3回2死三塁で二保が投じた低めの変化球をとらえ、右前への適時打で先制点をたたき出した。「なんとかという気持ちで飛んだところがよかった」。今季初の3安打は「うれしいです。ヒットもそうですけど、塁に出ることが仕事。塁に出ていっぱい走っていきたいです」と力を込めた。チームはこの日10安打を放ち、24試合ぶりに2桁安打を記録。試合前に野手全員が早出の打撃練習に参加するなど、努力が結果につながった。

◆力投がようやく報われた。オリックス山本由伸投手(20)が7回6安打無失点の快投で、今季3勝目を挙げた。 ソフトバンク戦では今季2度対戦し、計17回を無失点に抑えたが、打線の援護がなく未勝利だった。鷹相手にプロ初白星で、今季の本拠地初勝利となった。「うれしいです。ピンチもたくさんあったんですけど、粘り強く投げることができてよかった」と喜んだ。 前回先発した16日のロッテ戦後に疲労の蓄積を考慮され、出場選手登録を抹消。リフレッシュ期間を経てマウンドに帰ってきた。安定感抜群の投球を続ける右腕は、大切にしている言葉がある。「良い時こそ謙虚に。悪い時ほど明るく」。中継ぎ右腕の比嘉から伝授された。「比嘉さんはいつも変わらない。もちろん悔しさはあると思うんですけど、打たれてもカリカリしてなくて」。山本が1年目のことだ。比嘉は結果を出しても1軍に上がれなかった。それでも不満を言うことなく、黙々と取り組んでいた。「比嘉さん、何でいつも変わらないんですか?」と思わず聞いた。その答えが「良い時こそ-」だった。「その言葉を聞いて納得しました。本当に尊敬していますね」と山本は言う。 この日もソフトバンクに得点を許さなかった。これで24回連続無失点。登板時では最多となる3点の援護ももらい、勝利にたどりついた。「先に点を取ってもらって、気持ちも楽になりました。これからもっともっと点をとってくれると思うので、自分も頑張っていきます」。今季8試合に先発し、3勝ながら、防御率1・38は千賀を抜き、リーグ1位に浮上。6連戦の初戦を託された20歳の右腕がチームを勢いづけた。【古財稜明】

◆ぶぜんとした表情で腕組みをしていた。ゲームセットを見届けるソフトバンク工藤監督の顔には悔しさがにじんでいた。無理もなかろう。ここまで7勝1敗(1分け)と「カモ」にしていた最下位オリックスに完敗。首位の座から滑り落ちた。黄金週間後は、故障禍にさらに拍車がかかってチームのバランスが取れない。気がつくと今月は10勝12敗。前カードのロッテ戦(ZOZOマリン)から3連敗。もがくほどはまり込んだ砂から足が抜けない。 「関西クラシック」と銘打ったオリックス3連戦。70~71年の南海時代のユニホームに身を包んで挑んだ初戦は、オリックス先発山本に7回無得点。ようやく9回に明石の適時三塁打で一矢報いたものの、打線のつながりも欠き完敗。6回表。三塁側ベンチ前で野手陣が円陣を組んだが、ホームは遠かった。これで今季の対山本は24イニング無得点。カモのはずのオリックスに何とも苦手の「天敵」をつくってしまった。 5月急降下で「混パ」の仕立て役では、何ともむなしい。「まだまだシーズンは長い。大阪で頑張ってもらいたいね」。千葉・幕張での3連戦を見守った王球団会長は、3戦目を落とした試合後、監督室を訪ね工藤監督を激励した。 それにしても、既に離脱している故障組に加え、この日も福田が左脇腹痛のため途中交代。主戦マスクの甲斐も一塁走塁の際に右足首を痛めた。あまりにもケガ人が多すぎる。試合中のケガは全力プレーの裏返しでもあるだけに、しょうがない部分もあろうが「使える」か、どうかの判断は遅れてはならない。上林の骨折でも抹消が遅れ、結果的に中途半端な形で戦列を離れることになってしまっている。苦しい戦いは覚悟の上。「的確」な判断が求められる。まだまだ勝負は長いのだから。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆オリックスの小田が三回2死三塁で先制打を放った。低めの変化球にうまくバットを合わせて右前に運び「追い込まれていたので、何とか食らい付いていこうと思っていた。いいところに飛んでくれた」と必死さを強調した。  左太もも裏痛から19日に復帰し、22日のロッテ戦でサヨナラ打を放つなど好調が続いている。西村監督は「けがをしてから、本人も(取り返そうという)意識が強い」と貪欲な姿勢を褒めていた。

◆昨季痛めた左太もも裏の状態を考慮し、24日から欠場していたソフトバンクの今宮が、4試合ぶりに先発出場した。しかし4打数無安打、2三振に終わり「あっさり終わってしまったので悔いが残るゲームだった」と唇をかんだ。  ここまで打率3割1分3厘、8本塁打、23打点と打線を引っ張っている。首位を明け渡したチームの再浮上には今宮の復調が不可欠だ。「出ている以上は痛いとは言えないし、状態が悪いということはない」と強い責任感を示した。

◆オリックスが4月27日以来、24試合ぶりの2桁となる10安打を放ち、3点を奪った。3番に吉田正を入れるなど日々、打順を入れ替えている西村監督は「久しぶりの2桁安打。乗っていかないといけない」と表情を緩めることなく言った。  これまで山本が先発した試合は援護点が少なく、好投しても勝ち星をなかなか付けられなかった。先制打を放つなど、今季初の3安打をマークした小田は「何とか、という気持ちで試合に入った」と一息ついた。 西村監督(山本に) 「いい投球をしてくれた。週の頭を取ることは大きい」 中川(五回に適時打) 「ランナーをかえすことだけを考えていたので、タイムリーになって良かった」

◆球団OB会会長の山田久志氏が70年までつけていた背番号「25」のユニホームで始球式を行った。ノーバウンド投球を披露し、「あれが精一杯や。届いて良かった」と苦笑い。最下位に低迷する古巣には「交流戦に入れば、勝つ試合は多くなる。今年のセ・リーグは投手が弱い。交流戦で勢いを付けられれば。そこにいい感じで入ってほしい。(福良氏が就任する)GMも決まったしね」とエールを送った。

◆今季2度対戦していずれも無得点だった山本の前に、またもゼロを並べた。二回の先制機を逸するなど、あと一本が出ず。4月27日以来守っていた首位の座を楽天に明け渡した。工藤監督は走塁ミスなどのあった攻撃に「細かいこともしっかりできないと、いい投手は攻略できない」。不調の続く先発投手の再編を迫られている上、けが人が続出。この日は正捕手の甲斐が負傷で途中交代し、29日の出場は不透明となった。

◆ソフトバンク・福田秀平外野手がオリックス10回戦(京セラ)で左脇腹の違和感を覚え、三回の守備から退いた。福田は「試合前から違和感があった。大事を取って。明日(29日)以降は出られるようにしたい」。

◆小田が三回2死三塁から右前適時打。先制点をもたらすと、五回にも右前打、七回には左中間に二塁打と今季初の猛打賞も記録した。「なんとかという気持ちで。飛んだところが良かった」。チームとしても10安打を放ち、23試合続いていた1桁安打に終止符。「(1桁安打は)耳には入っていました。ヒット数というよりは勝てて良かった」と安堵していた。

◆また1つ、球界のエースへの階段を登った。オリックス・山本が7回を無失点。強力鷹打線を相手に24回連続無失点となる圧巻の投球で今季3勝目をつかみ、防御率もリーグトップに躍り出た。  「(ソフトバンクは)得意とかではないんですけど、なんとか抑えられた。自分の気持ちとしては、どこに投げるときも一緒です」  異次元の投球を見せても淡々と振り返った。ソフトバンクは今季2度対戦し、計17回を無失点、被安打2本と完璧に封じていた。この日も最速153キロを計測した直球に、153キロのシュート、150キロのカットボールとレベルの違う変化球を織り交ぜ、7回をゼロ封。試合前でリーグ2位だった防御率は1・380となり、千賀(ソフトバンク)を0・004差で超えて1位だ。  「千賀さんはかなり格上というか、誰もが認める投手。千賀さんみたいになれたら」と恐縮するが、6連戦の初戦にふさわしい快投に西村監督も「いい投球だった。火曜日で週の頭、3連戦の頭を勝てたのは大きい」と評価した。  山本が登板時に援護が少なかった打撃陣も奮起。試合前には全15人の野手が早出特打を敢行するなど異例の調整を行い、10安打3得点。24試合ぶりに2桁安打をマークした。将も「久しぶりに2桁安打を打って、一気に乗っていかないと」とうなずいた。  球団の企画で1970、71年の阪急復刻ユニホームで登板し、同じく70、71年の南海時代の復刻ユニホームを着たソフトバンクを封じた山本。セレモニアルピッチに登場し、春季キャンプで指導も受けた山田久志氏の前で勝ち星をつかみ、「きょうは山田久志さんにいいところを見せたかった」と笑った。まだ20歳。これからどんな成長カーブを描くのか。山本の歩む道のりから、目が離せない。 (西垣戸理大)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
楽天
26221 0.542
(↑0.01)
-
(↓0.5)
94246
(+7)
229
(+2)
60
(+2)
15
(+1)
0.257
(↓0.001)
4.470
(↑0.05)
2
(1↓)
ソフトバンク
25222 0.532
(↓0.011)
0.5
(↑0.5)
94205
(+1)
188
(+3)
61
(-)
47
(+2)
0.260
(-)
3.390
(-)
3
(-)
西武
24231 0.511
(↓0.011)
1.5
(↓0.5)
95254
(+2)
257
(+7)
60
(+2)
60
(+1)
0.257
(↓0.002)
4.680
(↓0.04)
4
(-)
ロッテ
23231 0.500
(↓0.011)
2
(↓0.5)
96206
(+3)
195
(+4)
59
(+1)
37
(+1)
0.242
(↓0.001)
3.710
(↓0.02)
5
(-)
日本ハム
23242 0.489
(↑0.011)
2.5
(↑0.5)
94206
(+4)
202
(+3)
30
(-)
19
(+1)
0.256
(↑0.002)
3.830
(↑0.02)
6
(-)
ORIX
19263 0.422
(↑0.013)
5.5
(↑0.5)
95156
(+3)
202
(+1)
35
(-)
40
(-)
0.223
(↑0.002
3.860
(↑0.06)