巨人(☆5対4★)広島 =リーグ戦11回戦(2019.05.26)・東京ドーム=
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広島
10000030041300
巨人
30010001X5902
勝利投手:澤村 拓一(1勝1敗1S)
(セーブ:中川 皓太(1勝0敗3S))
敗戦投手:フランスア(4勝2敗0S)

本塁打
【巨人】岡本 和真(9号・1回裏3ラン),ゲレーロ(8号・4回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人は1点を追う1回裏、1死一二塁から岡本の3ランが飛び出し、逆転に成功する。その後同点を許すも、8回に重信が犠飛を放ち、再びリードを奪った。投げては、5番手・澤村が今季初勝利。敗れた広島は、9回に一打同点の好機をつくるもあと1本が出ず、連勝は11で止まった。

◆広島西川龍馬内野手(24)が先制の左犠飛を放った。5番左翼で先発。1回1死満塁で、巨人先発山口のカウント1-1からの3球目を、うまくバットに乗せた。 「打ったのはストレート。チャンスだったので思い切っていきました」と話した。

◆巨人が、1分けを挟んで5連敗中の広島戦の連敗ストップに向け、新オーダーを組んだ。 1番には今季初めて亀井善行外野手(36)を起用。5番には大城卓三捕手(26)を一塁手でスタメン起用した。 早速、新打線が機能し、1点を先制された直後の1回1死一、二塁から岡本和真内野手(22)が左翼席へ逆転の9号3ランを放った。

◆巨人岡本和真内野手(22)が、逆転の9号3ランを放った。 1点を先制された直後の1回1死一、二塁から広島アドゥワのスライダーを左翼席中段に運んだ。5月10日ヤクルト戦以来、12試合ぶりの1発。広島との今カード2戦は8打数無安打とブレーキだったが、3戦目に目覚めた。「何とかしたいという気持ちしかなかったです。ヒットでも、ホームランでもなんでもいいです。とにかく、逆転できて良かったです」とコメントした。

◆巨人アレックス・ゲレーロ外野手(32)が、リードを広げる8号ソロを放った。2点リードの4回1死、広島アドゥワの外角直球を右中間席に運んだ。 2試合連続の1発に「いいスイングができました。いい追加点になったね。バモス!」とコメントした。

◆広島長野久義外野手(34)が同点打を放った。1-4の7回に1点返し、なお1死満塁の場面に代打で登場。 投手が左の戸根から右の田原に代わる中、カウント2-2からの6球目を中前にはじき返し、2者を迎え入れた。「打ったのはストレート。みんながつないでチャンスをつくってくれたので、打ててよかったです」と話した。

◆巨人は山口、広島はアドゥワが先発した。広島が1回、西川の左犠飛で先制したが、巨人はその裏、岡本の9号3ランで逆転した。 巨人は4回、ゲレーロの2試合連続の8号ソロで1点を追加した。先発の山口は6回7安打1失点と好投した。 広島が7回に同点に追いついたが、巨人が8回に重信の犠飛で勝ち越した。広島戦の連敗を5で止め、広島の連勝は11で止まった。 巨人沢村が1勝目、中川が3セーブ、広島フランスアが2敗目。

◆巨人が広島を5-4で破り、首位広島とゲーム差を2に縮めた。巨人は4-4で迎えた8回に重信の犠飛で勝ち越した。広島戦の連敗を5で止め、広島の連勝は11で止まった。

◆広島アドゥワ誠投手は5回を投げ、今季ワースト4失点で降板した。高めに浮いたところを岡本とゲレーロにスタンドまで運ばれた。 5回を3者凡退に抑えた後、6回の打席で代打を送られた。勝ち負けはつかず「先制点を取ってもらったのに...。球が高かった。同じことを繰り返さないようにしたい」と話した。佐々岡投手コーチは「持ち味は低めに集めるところだからもったいなかった」と話した。

◆「ポリバレント・クローザー」の巨人中川皓太投手が、1点を守り抜いた。 9回に登板し、先頭鈴木に中前打、犠打を挟んで小窪に右前打で2死一、三塁。ピンチを招いたが、最後は田中広を遊ゴロに打ち取った。「1点差は初めてだったので緊張しました。8回に点が入ったので予定が変わりましたが、いつでもいける準備はしていました」と振り返った。

◆巨人元木大介コーチの嗅覚がさえわたった。決勝点は浅めの中犠飛でギリギリのプレーだった。三塁走者に本塁突入を指示し「(中堅手の野間が)落下地点に入ってなくて、動きながらの捕球だった。同点だったし、かけるしかなかった。俺よりも、(岡本)和真がよく走ってくれたし、いいスライディングだった」。 原監督も「元木コーチのいい、かぎ分けたところ。においをね」と好判断をたたえた。

◆巨人が必死のパッチで王者にぶつかった。劣勢をはね返すべく、原辰徳監督は攻撃的にかじをきった。今季初めて1番に亀井を据え、大城は公式戦で初めてとなる一塁でスタメン起用した。 亀井については「相手が嫌がるバッターを置きたい」。打撃に期待して5番に配した大城には「キャンプの時も、秋も含めて、やっていたし、サインプレーも含めて準備周到の形で、今日出た」と勝負をかけた。 指揮官の熱に呼応して選手も士気を高め、戦いに挑んだ。試合前の円陣でベテラン阿部慎之助捕手が「やるのは俺たちだ。監督、コーチがプレーするわけじゃない。状況をちゃんと把握して、俺たち選手の力で打破しよう!」と呼びかけ、拳を突き上げゲームに入った。チーム一丸で手を取り合い、広島から重い1勝をもぎとった。【為田聡史】

◆巨人山口俊投手が6回1失点と粘り、試合を作った。初回に先制を許すも2回以降は要所を締め、勝利投手の権利を持って降板。 チーム6戦ぶりのクオリティースタート(6回自責3以内)を達成した。「状態は悪くなかった。もう1イニングいければ中継ぎも楽になっていたと思う」。抹消中のエース菅野と並ぶ投手陣の柱として最低限の役割を果たした。

◆泥だらけの主砲が広島の連勝を11で止めた。巨人岡本和真内野手(22)が、1回に12試合ぶりとなる一時逆転の9号3ラン。 同点の8回1死満塁では浅めの中飛で三塁からタッチアップし、タッチをかいくぐってスライディング。リプレー検証の末にセーフが確定する決勝点をもぎ取った。4番がバットと足で貢献し、1分けを挟み5連敗中だった宿敵に競り勝ち、再び2ゲーム差とした。浅めの飛球が左中間に上がった瞬間、岡本の耳に「いくぞ」と元木三塁ベースコーチの声が聞こえた。中堅野間の捕球と同時にスタート。送球がやや右にそれた。捕手会沢の動きを見極め、体を左に逃がしながら滑り込んだ。リクエストでも判定は変わらず決勝点をもぎ取った。お立ち台で重信から「最高の中間走とスライディング」と称賛され「重信さんがすごくかえりやすい外野フライを打ってくれたので、楽々かえれた」と笑いを誘った。 沈黙していたバットも目覚めた。先制された直後の1回1死一、二塁。12試合ぶりの9号3ランを左翼席中段にぶちこんだ。4打数無安打の前日は、大勢の報道陣に囲まれ「明日頑張ります」と一言。重圧に苦しむ姿に見えたが、一夜明けると「(昨日の姿は)あえてです」とケロリとし「今日は打ちます」と宣言。1発で有言実行した。 "メジャー対決"を制した。4月17日の広島戦の試合前練習。坂本勇は16日の同戦で強烈な1発を放った広島鈴木に「(エンゼルス)トラウトやん」とメジャー屈指の強打者に例えて声をかけた。隣でやりとりを見つめていた岡本は、その輪に加わった中島から「こっちは(タイガース)ミゲル・カブレラやな」と自身も憧れるMVP2度のスラッガーに例えられた。しのぎを削り合う若き大砲2枚。第3ラウンドで地力を見せつけた。 守備でも6回のピンチでジャンピングキャッチで失点を阻止し、広島戦の連敗を5で止めた。「いつもやられっぱなしだとダメですし、何とか勝ててよかった」と言った。原監督から「非常に攻撃的ないいスライディングをして、柔らかさ、センスを感じた。まさにギリギリのところで勝負しているのが集約された」と評価され「ありがたく受け止めます」と言った。1日の結果で一喜一憂しているようでは、巨人軍の4番は張れない。不動心で大仕事をする。【久保賢吾】

◆首位広島が、負けても強しを印象づけた。巨人に1点差で敗れ、連勝は11で止まったが、7回に3点差を追いついた。その一時同点打は代打長野久義外野手(34)だ。1点返した後の1死満塁で、田原の直球を中前に弾ませた。「みんなでつないでくれたチャンスだったんでね」。4月27日ヤクルト戦以来、自身1カ月ぶりのタイムリーだった。 昨年までの本拠地東京ドームで存在感を見せつけた。3連戦初戦の24日、試合前の打撃練習中、巨人側スタッフの計らいで昨年の登場曲が流された。9回に代打で登場すると、巨人ファンからも声援が飛んできた。中前打で応え「ありがたかった」と話した。この日の同点打を含め東京ドームは2打数2安打。水を得た魚のように活躍している。 5月から上位打線がほぼ固定され、快進撃が始まる中、出番が激減した。代打要員となり、ベンチを温める試合も増えた。一時は打率が2割を切った。11年に首位打者、12年に最多安打のタイトルを獲得した実績からすれば、不本意というしかない。それでも周囲に感情の揺れを見せず、毎試合準備を進めてきた。 代打というスペシャルカードで1度は同点に追いつき、ベンチ裏に敗戦ムードはなかった。84年の球団記録に並ぶ12連勝は逃したが、緒方監督は「いつも通り一丸となってしっかりと戦えた。勝てなかったことは悔しいけど、週明けからまた6連戦。1戦1戦戦うだけ」と前を向いた。猛反撃の勢いをそのままに、赤ヘル軍団は4連覇へ突き進む。【村野森】

◆首位広島の連勝が11で止まった。3点を追う7回に連打で1点返し、さらに代打長野が同点タイムリーを放ったが、8回に勝ち越されて敗れた。 それでも、ライバル巨人に冷や汗を流させたのは大きな収穫。投、攻、守の充実ぶりを、改めて証明した。最下位が定位置だった開幕直後を経て、チームはどう変わったのか。「進撃の5月」について検証した。広島が際どいプレーで決勝点を取られた。8回1死満塁から重信の中飛で、三塁走者岡本がタッチアップ。中堅野間の返球を受けた捕手会沢が体を投げだしてタッチしたが及ばず、生還を許した。リプレー検証でも判定はそのまま。7回に3点差を追いついたが、1点差で敗れた。それでも会沢は「最後まであきらめないカープの野球ができた」と充実感を漂わせた。 開幕直後は最下位に低迷したが、4月17日からの8連勝で持ち直し、5月2日から引き分けをはさんで4連勝、同11日から11連勝。守備が乱れ、投手陣が踏ん張れず、攻撃もつながらなかったかつての姿は見られず、投、攻、守の歯車ががっちりとかみ合っている。 ◆投手陣 開幕から大瀬良、床田、野村が3本柱を形成したが、ここに昨季中継ぎだったアドゥワ、復調したジョンソンが加わった。5本柱となったことでローテの谷間がほぼなくなり、いずれの試合も中盤まで試合をつくれるようになった。中継ぎでは左腕レグナルトが、5月24日巨人戦まで19戦連続自責0。20戦目に自責1が記録されたが、中盤以降を引き締め、勝つ確率を高めている。 ◆攻撃陣 ベストオーダーを求め毎日のように打順を変更していたが、4月29日からバティスタを3番に固定。5月1日から不振の田中広を下位に下げ、1番に野間を入れた。懸念だった5番には打ってよし、小技もよしの西川を起用。野間、菊池涼、バティスタ、鈴木、西川の上位がほぼ固まった。3、4月のチーム打率はリーグ最悪の2割2分5厘だったが、5月は1位の2割8分4厘。緒方監督は「まだベストじゃない」と話すが、強力クリーンアップを中心に、多彩な攻撃ができるようになった。 ◆守備陣 左翼に西川、一塁にバティスタが固定されたことで締まった。開幕当初は不安定だった西川の左翼守備も持ち前のセンスで向上。広瀬外野守備走塁コーチは「高いレベルを要求できるようになった」と話す。バティスタはここまで無失策だ。3、4月のチーム失策数はリーグ最多の25だったが、5月は12に激減。走力、守備力重視の布陣が機能している。 高ヘッドコーチは「だれもあきらめず、今日も3点差を追いついた。きっかけがあればまた、連勝していけると思う」と手応えを語った。広島はまた、走りだす。【村野森】

◆巨人元木大介コーチの嗅覚がさえわたった。決勝点は浅めの中犠飛でギリギリのプレーだった。三塁走者に本塁突入を指示し「(中堅手の野間が)落下地点に入ってなくて、動きながらの捕球だった。同点だったし、かけるしかなかった。俺よりも、(岡本)和真がよく走ってくれたし、いいスライディングだった」。 原辰徳監督も「元木コーチのいい、かぎ分けたところ。においをね」と好判断をたたえた。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が26日、広島11回戦(東京ドーム)に「4番・三塁」で先発出場。1点を追う一回1死一、二塁から左翼席中段へ9号3ランをたたき込んだ。  「なんとかしたいという気持ちしかなかったです。ヒットでも、ホームランでもなんでもいい。とにかく逆転できてよかったです」  相手先発・アドゥワが投じた124キロのスライダーを一閃。5月10日のヤクルト戦以来、12試合ぶりとなる一発で、広島に行きかけた流れを、戻した。

◆巨人のアレックス・ゲレーロ外野手(32)が26日、広島11回戦(東京ドーム)に「6番・左翼」で先発出場。2点リードの四回1死から、右翼席ぎりぎりに飛び込む8号ソロを放った。  「いいスイングができました。いい追加点になったね。バモス!」  相手先発・アドゥワが投じた139キロの外角直球を捉えた。2試合連続となるアーチで、貴重な追加点をもたらした。

◆巨人・山口俊投手(31)が26日、広島11回戦(東京ドーム)に先発。6回107球を投げ、7安打1失点で8三振を奪った。  四回以外は毎回走者を背負ったが、要所を締めた。一回、先頭・野間に右前打を許すと、バティスタの三塁内野安打、鈴木の死球などで1死満塁。西川の左犠飛で先制を許した。  だが、その裏の攻撃で、岡本が12試合ぶりとなる9号3ランを放って逆転。その後は、走者を背負っても最速150キロの直球とフォークを多めに配球し、広島に追加点を与えなかった。  前日25日は、メルセデスが四回途中5失点で降板。24日はヤングマンが5回4失点、23日は今村が五回途中3失点、22日はD1位・高橋(八戸学院大)が4回3失点と、今週に入ってから先発陣が試合を作ることができていなかったが、この日は山口がしっかり役目を果たした。

◆広島は七回に代打長野の2点適時打など打者9人の攻撃で3点差を追い付く粘りを見せたが、八回にフランスアがつかまり、12連勝はならなかった。日本一となった1984年の球団記録に1勝届かず、緒方監督は「一丸となってしっかりと戦えた。勝てなかったのは残念だけど、週明けから一戦一戦戦うだけ」と気持ちを切り替えた。  決勝打となった犠飛は中堅への浅い飛球だったが、野間の本塁送球がそれて三塁走者に生還を許した。野間は「あそこで走られているようでは駄目」と自分を責めた。 アドゥワ(5回4失点) 「球が高かった。同じことを繰り返さないようにしたい」 長野(七回に代打で2点打) 「みんながつないでチャンスをつくってくれたので打てて良かった」 フランスア(八回に犠飛で勝ち越され) 「コンディションは悪くなかった。また頑張る」

◆巨人の山口は6回7安打1失点と踏ん張り勝機をつないだ。七回に救援陣が追い付かれて4月23日以来の5勝目はならなかったが「長いイニングを投げようと思っていた。何とかもう1回行ければ中継ぎも楽だった」と同僚を思いやった。  五回2死一塁では、球速149キロをマークして鈴木から空振り三振を奪うなど直球が走った。スライダーもうまく決まり「いい方向にはいっていると思う」と手応えを口にした。

◆巨人の沢村が今季初勝利を手にした。4-4の八回を完璧に抑えて2三振を奪うと、その裏に味方が勝ち越し「後ろから行く投手で負けるわけにはいかない。チームが勝ったから良かった」と喜んだ。  今季は先発に挑戦してスタートしたが、5月に中継ぎに再転向した。「言われたところで抑えるのが仕事。もちろん不安だったり自信だったりはあるが、しっかり自分を疑うことなく試合に入れた」とうなずいた。 原監督(1点差勝利) 「まだ大きなことは言えないが、1点差で勝てた。プラスにしていきたい」 中川(3セーブ目) 「(走者を出しても)切り替えて1個ずつアウトを取ろうと思っていた」 亀井(今季初の1番で2安打) 「気負うことなく、やるべきことをやろうと考えていた」 大城(プロ初の一塁で先発出場) 「緊張した。ミスなくできて良かった」

◆2年目捕手の大城が、どちらもプロ入り初の「5番・一塁」で先発出場。アマチュア時代に経験のなかった一塁守備に「緊張しました」と振り返ったが、無難にこなした。バットでは3打数無安打、1犠打。「次に5番で使っていただいたら打ちたい」と雪辱を誓った。

◆長野が古巣相手に初めて適時打を放った。2点差に追い上げた七回、なお1死満塁で代打で登場すると田原の142キロの直球を中前へ弾き返し、2者を迎え入れた。「みんながつないでチャンスをつくってくれたので、打てて良かったです」。今回の3連戦が丸の人的補償で広島に移籍後、初めての東京ドーム。両軍のファンから温かい声援が沸き起こるなか、24日の1戦目の中前打に続いて恩返しの一打を見舞った。

◆先発の山口が6回1失点。救援陣が追い付かれて5勝目はならなかったが、勝機をつないだ。試合前から捕手・小林とスライダーの割合を多くしようと話し合い、両コースに制球した。ここ4試合は先発投手が6回以上を投げておらず「長いイニングを投げようと思っていた。何とかもう1回行ければ中継ぎも楽だった」と同僚を思いやった。

◆途中出場の重信も原監督の起用に応えた。同点の八回1死満塁で決勝の中犠飛。ベンチには阿部、中島らベテランが控えていたが、指揮官は「重信も速いボールに非常に適応能力がある。(代打を)考えるところはなかった」と送り出してくれた。俊足が売りの26歳外野手は、岡本と並んだお立ち台で「僕のセールスポイントを、和真が発揮してくれた」と、にっこり。「僕のしようもない外野フライで、『行け!』と言ってくれた元木さんと和真に感謝したい」と胸をなで下ろした。

◆あと一歩及ばなかった。広島の連勝はついに11でストップしたが、緒方監督はナインの奮闘を称えた。  「勝てなかったことは悔しいけど、きょうもチーム一丸で戦うことができた」  1-4の七回に2安打などで1死一、三塁とし、鈴木が右前適時打を放つと、西川が死球でなおも1死満塁と好機を広げ、代打・長野が中前へ同点の2点打を放った。八回にフランスアが重信に中犠飛を浴びて1点差で負けたものの、2番手のアダメスら逃げ切りを図って登板してきた救援陣を相手に粘りをみせた。  11日のDeNA戦(マツダ)から前日25日の巨人戦(東京ドーム)まで11連勝で一気に首位に浮上。この日も勝てば日本一に輝いた1984年に記録した球団タイの12連勝だったが、小休止となった。  「あさってからまた一戦一戦やっていきたいと思います」と指揮官。2位・巨人とのゲーム差は2で貯金は9。試合内容にも、チームが置かれている状況にも、悲観する材料は何もない。 (柏村翔)

◆巨人・岡本和真内野手(22)が26日、広島11回戦(東京ドーム)の八回1死満塁で中堅への浅めの飛球で三走として本塁へ激走。タッチをかいくぐる"神走塁"で、決勝のホームを踏んだ。一回に10日のヤクルト戦(東京ドーム)以来、12試合ぶりとなる9号3ランを放つなど、不動の4番が走攻で活躍した。チームは5-4で勝利。広島の連勝を「11」で止め、同カードの連敗も5でストップした。  アウトか、セーフか-。リプレー検証を待つ東京ドームは静寂に包まれた。山本貴球審の手が横に広がり、巨人ベンチは大興奮だ。八回1死満塁、重信が放った浅めの中飛で、タッチアップした三走・岡本が巨体を揺らし、間一髪で生還した。  「重信さんが(本塁に)かえりやすい外野フライを打ってくれたので、楽々かえれました」  打球が上がった瞬間に三塁コーチスボックスの元木内野守備兼打撃コーチから「行くぞ! 行くぞ!!」と声が聞こえた。「ホームだけ見て走ろう」と必死に腕を振り、会沢のタッチをわずかに交わす"神走塁"で11連勝中の広島を止めた。  50メートル走5秒7の重信が犠飛を放ち、巨体の岡本が生還する立場逆転の決勝点。4番の走塁を以前は「もう少し、軽やかに走らないといけない。何かを引っ張っているような走り」と評していた原監督も、「あのくらいの距離がいいかもしれない。(塁間の)25、6メーター。非常に柔らかさ、センスを感じさせたね。あのスライディングは」と笑顔でたたえた。  自慢の打棒も調子を取り戻してきた。ここ10試合で40打数7安打(・175)と不調に陥っていたが、1点を先制された直後の一回1死一、二塁に広島先発、アドゥワのスライダーを捉えて、左翼席中段に飛び込む9号3ラン。10日のヤクルト戦以来、12戦ぶりの一発となった。  首位攻防の3連戦。2連敗を喫し、負けられない状況で指揮官は、1番に好調の亀井を入れ、大城を初の「5番・一塁」で先発出場させた。それでも中心に座ったのは岡本。「いつもやられっぱなしじゃ駄目」と4番は奮い立った。チーム一丸の勝利で広島とのゲーム差を「2」で踏みとどまった。  「この3日間もちょっとずつ、いいなと思うところもあって、それが結果となって出てよかった。もうすぐ交流戦なので、全勝できるように頑張ります」と岡本。28日からは3位阪神との3連戦(甲子園)。主砲が、原巨人に逆転Vへの流れを呼び込む。 (赤尾裕希) 岡本のタッチアップに巨人・元木内野守備兼打撃コーチ 「(中堅手が)動きながらの捕球だったから、行けるかなと。和真がよく走ったし、スライディングもうまかった。俺は行けと言っただけ」 ★犠飛といえば...  岡本は23日のDeNA戦(東京ドーム)の四回1死満塁の場面で大貫から右犠飛を放った。「なんとかランナーをかえそうと思っていたので、とりあえずはよかった」と岡本。実はこれがプロ5年目、通算882打席目の初犠飛だった。試合後に事実を知った原監督は「どういうこと? それは褒めるべきじゃないね」と笑った。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
28191 0.596
(↓0.013)
-
(-)
95195
(+4)
181
(+5)
47
(-)
29
(+1)
0.252
(↑0.002
3.060
(↓0.05)
2
(-)
巨人
25201 0.556
(↑0.011)
2
(↑1)
97233
(+5)
187
(+4)
62
(+2)
24
(-)
0.268
(-)
3.730
(↓0.01)
3
(-)
阪神
26222 0.542
(↑0.01)
2.5
(↑1)
93193
(+7)
205
(-)
37
(+4)
31
(+2)
0.246
(↑0.001)
3.570
(↑0.07)
4
(-)
中日
22250 0.468
(↑0.011)
6
(↑1)
96178
(+10)
180
(+8)
33
(+4)
29
(-)
0.263
(↑0.002)
3.710
(↓0.05)
5
(-)
ヤクルト
21272 0.438
(↓0.009)
7.5
(-)
93229
(+8)
250
(+10)
59
(+3)
21
(-)
0.243
(-)
4.490
(↓0.11)
6
(-)
DeNA
19280 0.404
(↓0.009)
9
(-)
96182
(-)
207
(+7)
55
(-)
13
(-)
0.241
(↓0.002)
4.040
(↓0.04)