DeNA(★2対3☆)阪神 =リーグ戦10回戦(2019.05.24)・横浜スタジアム=
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阪神
0001011003700
DeNA
2000000002911
勝利投手:守屋 功輝(2勝0敗0S)
(セーブ:ドリス(2勝1敗11S))
敗戦投手:今永 昇太(5勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】筒香 嘉智(11号・1回裏2ラン)

  DAZN
◆阪神が接戦を制して4連勝。阪神は1点を追う6回表、マルテの犠飛で同点とする。続く7回には、2死三塁から大山が適時打を放ち、勝ち越しに成功した。投げては、2番手・守屋が今季2勝目。敗れたDeNAは9回に一打同点の場面をつくるも、あと一歩及ばなかった。

◆阪神糸原健斗内野手(26)が、4回の守備から途中交代した。 直前の4回に右肘付近に死球を受けており、その影響があったとみられる。 糸原は前日23日のヤクルト戦(甲子園)でサヨナラ打を放ち、ヒーローとなっていた。

◆DeNAが先制。1回2死一塁で筒香が阪神西から11号2ランを放った。先発今永は3回まで無安打無失点の立ち上がり。 阪神が4回、無死満塁から福留の犠飛で1点を返した。6回には1死満塁からマルテの左犠飛で同点とした。 阪神は7回に2死三塁から大山が勝ち越しの適時二塁打。逆転勝ちで貯金は今季最多の4に。DeNA戦は7連勝となった。 阪神守屋が2勝、ドリス11セーブ目。DeNA今永は2敗。

◆阪神近本光司内野手(24)が自慢の快速を飛ばした三塁打で、勝ち越しの道を切り開いた。 同点の7回。先頭で打席に立つと、左腕今永の初球を振り切った。「自分の中では2、3打席目と悪いイメージはなかった。(5回の打席では)いい空振りができていたので、初球から(球に)負けないようにいった結果です」。気持ちで運んだ打球が右翼線の内側にポトリと落ちると、背番号5は迷わず一塁、二塁と蹴った。三塁に悠々到達すると、ポンッと手をたたき、三塁側へ笑顔でガッツポーズを向けた。2死から4番大山の二塁適時打で、決勝の本塁を踏んだ。 9回にも快足で内野安打をもぎ取り、3戦連続マルチ。3戦全て内野安打を記録し、持ち味を存分に発揮している。横浜スタジアムは4試合で17打数8安打、打率4割7分1厘と最も得意とする。4月25日同カードでも、初対戦となった今永から2打数2安打。9回には、2死から守護神山崎を打ち崩す起死回生の逆転3ランも放った。チームの好相性そのままに、近本も相性の良さを見せつけた。 三塁打は広島野間と並んでリーグトップタイの4三塁打となった。打席を振り返り「(右翼手の)ソトがセンター寄りで右翼線が空いていたので」。盗塁でも、相手バッテリーの動きを見ながら、企図を止める時もある。打席でも冷静に野手の位置を確認し、瞬時の判断で1つでも先の塁を陥れる。 虎を引っ張る若きリードオフマンが、自慢の足とバットでチームを4連勝に導いた。【奥田隼人】

◆DeNAは対阪神戦7連敗となった。 初回に筒香の11号2ランで先制したが、得点は1発だけ。相手を上回る9安打を放つも、9残塁と打線がつながらなかった。 ラミレス監督は「何回かチャンスはあったけど、残塁がね」と表情を曇らせた。

◆わずか1点を鉄壁のリリーフリレーで守り抜いた。3-2の9回、最後にマウンドに立ったのは、阪神守護神ドリスだった。先頭の大和に右前打を許し犠打で1死二塁。1打同点のピンチにも動じなかった。神里を140キロスプリットで投ゴロに。バットは縦に割れ、グラウンドに飛んでいった。最後に宮崎を遊ゴロに仕留めると、梅野とクールにグラブを合わせた。 ドリスは、21日のヤクルト戦(甲子園)から4連投だった。17年8月29日から9月1日以来、約2年ぶりの大仕事。疲れもたまっているはずだが「ダイジョウブ」と試合後は頼もしく話した。「ブルペンみんなで助け合っていて、それがうちの強み」。リリーフ陣が総力戦で守り抜いた勝利だった。 2-2と同点に追いついた6回から守屋が登板。回またぎもいとわずに、1回1/3無安打無失点。最速152キロをたたき出す気迫を見せた。7回1死で代打乙坂が送られると、左腕能見がマウンドに。1安打を許したが得点は与えなかった。8回を守ったのは3連投となった藤川。「みんな助け合い。目の前のことに全力で取り組む、それを常に思いながらやっている」。3番ソトから始まる中軸に真っ向勝負し、2四球を出しながらも無失点で切り抜けた。 この勝利で今季1点差試合は8勝2敗。接戦を制した数は12球団でトップだ。4試合連続1点差勝利も12年ぶりで、強固なリリーフ陣がいてこその4連勝だ。前日23日まで3連投だったジョンソンを休養させることにも成功。矢野監督は「球児もこれで3連投目になったんかな。守屋がぴしゃっと行ってくれて、能見も責任を果たしてくれて」と頼もしいリリーフ陣をたたえた。「手汗を1リットルかいたわ。めちゃめちゃ手汗をかいたわ。こういう試合がうちの試合となってくるような。これを強みにみんなでしていけるようにね」。手に汗握る3時間半が、価値ある勝利をもたらした。【磯綾乃】

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手が6回に同点犠飛を放った。 「みんなつないでくれたチャンスだったから、チームのために何とか1点取ることができて良かったよ」 糸井、大山の連続四球でもらったチャンスを助っ人がものにした。

◆これぞ4番の仕事だ! 阪神大山悠輔内野手(24)がリーグ3冠左腕のDeNA今永を撃ち、今季最多タイの4連勝&2年ぶりの貯金4を導いた。同点の7回2死三塁で、左翼線へ執念の決勝タイムリー二塁打。2点ビハインドを跳ね返す逆転勝利を完結させた。首位広島は連勝を10に伸ばしたが、猛虎も2・5差で食らいつき、鯉の尻尾を離さない。大山は迷いなく振り切った。狙いは初球-。バットをかぶせるように。うまく上からたたく。打球は左翼線に鋭いライナー。フェアか、ファウルか...。勝利を決める運命の打球がフェアゾーンで弾んだ。 「終盤のチャンスの場面だったので、初球から思い切って打ちにいきました。チーム全員で取った1点だと思います」 ここぞの場面でヒットが出た。同点の7回2死三塁。今永が投じた初球、内角低め140キロスライダーを引っ張った。「(フェアゾーンの)ギリギリだったので、とにかく切れるなと思って走りました」。二塁ベースに到達すると、険しい表情が笑みに。重圧を乗り越え、4番に求められる結果を出したからだった。 今永は投手部門3冠をいくリーグを代表する好左腕だが、実はお得意様だ。入団から3年間で13打数7安打の打率5割3分8厘。侍JAPANではチームメートだった1学年上の「ライバル」を相手に結果を残している。「あれだけのピッチャー。追い込まれてから打てる投手ではないので、思い切っていこうと」。 初球の鬼と化している。今季ここまで初球を打てば、23打数14安打で打率6割9厘。狙いを澄まして打席に入る。集中を高めているからこそ、ミスショットは減っている。「ああいうところで打たないと、信頼は得られない。もっとたくさん打てるようにしていきたい」。相性の良い横浜の地で、輝きを増している。昨季は横浜スタジアムで7戦4発。打率も4割3分5厘と暴れ打ち。この日も、相性通りの活躍をみせた。 矢野監督は「やっぱり勝負どころで(打席が)まわってきて。向こうは(ゾーンを)広くいきたいところ。それを拾えたのは4番の仕事。悠輔自身もああいうところで打って、と思っていると思う」と若き4番をたたえた。 チームは今季最多タイの4連勝で、貯金を2年ぶりの4に増やした。対DeNA戦は7連勝の好相性だ。春はもうすぐ終わり、夏がくる。だが、大山にはオールシーズン牙をむく覚悟がある。もちろん、春だけでは終わらない。【真柴健】

◆阪神梅野隆太郎捕手も充実の4試合連続1点差勝利だ。先手を奪われたが、大量失点を許さず、救援陣の無失点投球も引き出した。「守り勝つ野球ができている。バッテリーとしても、チームとしても辛抱強く、粘り強くやれている」。 ワンバウンドした球を何度も止めるなど、リードを含めた好守で大きく貢献した。

◆阪神糸原健斗が4回の守備から途中交代した。 直前の4回の打席で右肘付近に死球を受けた。病院には行くことなく、本人は「めっちゃ痛い。大丈夫です。また明日頑張ります」。矢野監督は「(交代は)大事をとって。(明日については)今の段階ではハッキリと分からない。ガードがないところに当たっている」と語り、25日の試合出場は当日の状態を確認した上で決められる。

◆阪神能見篤史がが150キロを計測するなど無失点で継投のバトンをつないだ。 7回1死から3番手で登板。1安打を許すも0封で流れを渡さなかった。「守屋がしっかり頑張ってくれてたので良かった」。神里への4球目には150キロを計測。「(球速表示は)球場で変わるので」と150キロには苦笑いだったが、39歳左腕はまだまだ健在だ。

◆阪神西勇輝投手が粘り強い投球で、チームの勝利に貢献した。初回に筒香に2ランを許したが、その後は無失点。 5回6安打2失点、球数111球でマウンドを救援陣に託した。「初回に先制点を与えてしまいましたが、野手の方々がもり立ててくれたので、悪いなりにも最少失点で抑えることができました」。矢野監督は「状態が良くなかったのに、ああやって頑張って試合つくってくれた」とカード頭を任せた右腕に感謝した。

◆阪神守屋功輝が気迫の好リリーフで2勝目を手に入れた。 同点の6回から2番手で登板し、1回1/3を無安打に抑えた。「前回は1死も取れなかったので、絶対今日は抑えようといった。いいパフォーマンスができて良かった」。17日の広島戦(甲子園)では、4安打を浴びるなど1死も取れずに降板。悔しさをぶつけて、勝利を呼び込む力投を見せた。

◆阪神途中出場の上本博紀が二塁守備で好判断だ。 1点リードの8回無死一塁。一、二塁間に抜けそうな筒香のゴロを倒れながら捕ると視線は二塁へ。代走桑原が三塁に向かってオーバーランしているのを見ると矢のような二塁送球。桑原が帰塁する前に刺した。矢野監督は「セカンドで止めて、あれを殺してくれた。あのプレーも大きかった。勝った要素は1個じゃない」と高く評価した。上本も「一塁は間に合わないと思った。一、三塁にはしたくなかったので」と振り返った。

◆阪神は7回、糸井の適時打などで2点を勝ち越し、2連勝。藤川が今季2勝目を挙げた。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -継投でしのいだのが大きかった みんな、本当によく頑張ってくれた。守屋、能見、球児、ドリスと本当にみんなね。もちろん出ていく投手はみんな抑えたいと思っているけどなかなかそうなりにくい展開。ゼロで帰ってきてくれたのは何より。ナイスピッチングでした。 -8回の継投はジョンソンは選択肢にあったか あるよ、あるけど、球児も走者を出しながら、状態は悪くなかった。1年間のなかでいろいろありえる。(藤川は)経験もあるし、今日は迷いなく行った。 -西は不調だが抑えた (6回に打席が)回ってこなかったら、まだ行く気持ちでいた。でも最後(5回)、力を振り絞って筒香に行ったところはさすが。今日の西は一番、状態が悪かった。球種も使える球が今日は少なくなってしまっていた。それでも、この球場で2点は御の字だよ。 -5回は梅野が筒香相手に好リードで抑えた 西とうまく2人で抑えに行っている部分はある。ヤクルト戦は、すごくリュウが引っ張っているところがある。こういう試合を乗り越えられると、捕手はすごく成長する。僅差の試合で(サインを出す)指が出なくなるというか。びびりながらやって勝てたとなればすごく自信になる。そういう試合が続いている。

◆阪神が4試合連続で1点差ゲームを制し、4連勝で貯金4とした。9回、マウンドに立ったのは守護神ドリス。1死二塁としても動じず、最後は宮崎を遊ゴロに仕留めると、梅野とクールにグラブを合わせた。21日のヤクルト戦(甲子園)から4連投も「ダイジョウブ。ブルペンみんなで助け合っていて、それがうちの強み」。リリーフ陣の総力戦だった。 同点に追いついた6回から、西に代わって守屋が登板。1回1/3を無安打に抑えた。7回1死で代打乙坂が送られると、左腕能見がマウンドへ。1安打無失点でつなぎ、8回にバトンを受けたのは3連投の藤川だった。「みんな助け合い。目の前のことに全力で取り組む、それを常に思いながらやっている」。3番ソトから始まる中軸から要所で三振を奪い、1点を守ってドリスへつないだ。 4試合連続1点差勝利は12年ぶり。3連投していたジョンソンを休養させることにも成功した。矢野監督も「球児もこれで3連投目になったんかな。守屋がピシャッといってくれて、能見も責任を果たしてくれて。手汗を1リットルかいたわ。こういう試合がうちの試合となってくるような。強みにしていけるようにね」。今季1点差試合は8勝2敗。接戦を制した数は12球団でトップだ。【磯綾乃】

◆阪神・西勇輝投手(28)が24日のDeNA戦(横浜)に先発。一回2死一塁から筒香に左翼へ11号ソロを浴びた。  一回、先頭の神里に四球で無死の走者を背負ったが、続く宮崎を遊ゴロ併殺に仕留めて2死に。しかし今度はソトに左前打を浴び、2死一塁。筒香にフルカウントからの6球目、144キロ直球を振り抜かれ左翼席中段へ放り込まれた。  西が初回に失点するのは3日のDeNA戦(甲子園)以来。被弾は10日の中日戦(甲子園)で高橋に浴びて以来で、今季3被弾目となった。

◆阪神・糸原健斗内野手(27)が24日のDeNA戦(横浜)の四回に今永から死球を受け、四回裏の守備から退いた。  四回先頭で打席に入り、2球目が右肘付近に直撃。その場にしゃがみ込んだが、少しして立ち上がり、一塁へと向かった。  糸原はこの日を含め今季48試合全試合に出場。昨季もチームで唯一全試合出場を果たしていた。前日23日のヤクルト戦(甲子園)では九回にサヨナラ打を放つなど、勝負強さを発揮していた主将。離脱となれば虎にとって大きな痛手となる。

◆阪神・西勇輝投手(28)が24日のDeNA戦(横浜)に先発し、今季最短となる5回6安打2失点で降板した。  「初回に先制点を与えてしまいましたが、野手の方々が盛り立ててくれたので、悪いなりにも最少失点で抑えることができました」  一回2死一塁から筒香に先制の2ランを被弾。手痛い一発を浴びたが、その後は走者を背負いながらも粘りの投球で無失点。特に3番ソトには3打席連続で安打を許すなど苦戦を強いられた。打線が六回表に2-2の同点に追いついたため、勝ち負けはつかず。5回で111球を要する苦しいピッチングだったが、何とか要所を締めた。  西はこれまで4月27日の中日戦(ナゴヤドーム)の6回7安打5失点での降板が最短だった。

◆阪神・大山悠輔内野手(24)が、24日のDeNA戦(横浜)の七回2死三塁で左翼線へ勝ち越しの適時二塁打を放った。  2-2で迎えた七回。先頭の近本が右翼線へ三塁打を放ち、一気にチャンスメーク。上本、糸井が凡退し2死三塁で、大山が魅せた。初球内角低め140キロスライダーを鋭くスイング。打球は左翼線ぎりぎりを弾み、勝ち越しの適時二塁打となった。

◆阪神は24日、DeNA戦(横浜)に3-2で勝ち、4連勝とした。貯金「4」は今季最多。  先発・西が一回にいきなり筒香に11号2ランを浴びたが、今季ここまですでに5勝を挙げる先発・今永相手にジリジリと盛り返した。  四回1死満塁でまず福留の中犠飛で1点。六回1死満塁ではマルテの左犠飛で同点に追いついた。七回は先頭の近本が三塁打で出塁。上本、糸井は凡退したが、大山が左翼線へ二塁打を放ち、勝ち越しに成功した。  先発・西は一回の2失点のみで、二回以降は粘りの投球で5回2失点。その後、守屋、能見、藤川、ドリスとつないで逃げ切った。  2位巨人が首位広島に敗れたため、これで巨人とのゲーム差は「0・5」に縮まった。

◆阪神は24日、DeNA戦(横浜)に3-2で勝ち、4連勝とした。貯金「4」は今季最多。七回2死三塁で左翼線へ勝ち越しとなる二塁打を放った大山悠輔内野手(24)は試合後のヒーローインタビューで喜びを語った。  --七回に決勝打。2死だったが、どんな気持ちで打席へ  「もうランナーをかえすことしか考えていませんでした」  --打ったときの感触は  「(左翼線)ギリギリだったので、とにかく切れるなと思って走りました」  --ヒットになったときの気持ちは  「うれしかったです」  --六回裏は守屋投手が三者凡退に抑えて、いい形で攻撃につないだ  「ピンチもあったけど、チーム全員で乗り切れた。だから、なんとか1点が取りたかった。チームみんなで取った1点です」  --これでDeNA戦は7連勝。やはりファンの大歓声のおかげ?  「たくさんのファンが来てくださって、力になっている。一戦一戦、必死に戦うだけ。まずは明日の試合。先のことではなく、明日の試合に勝つことに集中したいです」

◆DeNAはセ・リーグ防御率トップの今永で敗れ、阪神戦は7連敗となった。自身5連勝を狙い、本調子ではない中でも六回まで2失点。しかし同点の七回2死三塁から苦手の大山に初球を左翼線に運ばれた。4月5日以来の2敗目を喫し「ファウルになる球を投げなくては。自分の弱さが出た」と唇をかんだ。  ラミレス監督は「全く悪い球ではない。大山が完璧なスイングをした」と奮闘したエースをかばった。25日は昨季から7連敗を喫している難敵メッセンジャーを迎えるが「勝ったり負けたりするのが野球だ」と自らに言い聞かせた。

◆いよいよ日本中がホットプレートのように"燃え上がる"日がきます。  国賓として米国のトランプ大統領が来日する。今、世界でいちばんホットドッグなVIPです。それになんと日本列島は昨日からほとんど30度をこえて猛暑日です。  おまけに対DeNAに6連勝中のハードボイルド・タイガースが横浜に上陸しました。やたら盛り上がってますヮ。  ちょっとスケールが小さくなりますが、大阪・難波の某新聞社のメチャクチャに阪神ファンの野球デスクがこれまた随分と鼻息が荒い。名前は澄田垂穂...(だんだんスケールが小さくなるのはガマンしてください。当事者は必死なんです...)その澄田がいうのです。  「今日は阪神がスッスッといってサッサと仕事を片付けて...息子の遼真(小5)が明日(25日)は運動会なんですョ。僕は早起きして学校へ行き、観覧席取りという重大な任務があるのです。炎暑ですから日陰のイイ場所を確保しないと、父親のコケンにかかわります。今夜の横浜はスイスイッといってくれないとダメなんです」だと。  その横浜スタジアムから、トラ番菊地峻太朗記者が電話をかけてきた。菊地はこの日はまず鳴尾浜の2軍練習をのぞき...藤浪晋太郎投手の顔を見てから新幹線に飛び乗り、横浜へ一目散です。  「先輩ッ、実は僕はトラ番になって、これが初めての横浜出張なんですョ」。司令塔役のサブキャップ長友孝輔によると「菊地がトラ番になったので、みんなで歓迎会をやろうと思っていましたが、ついつい流れてしまって...今度が初の横浜出張なので、阪神がDeNAをチョチョイのチョイと片付けて...今夜こそ中華街にでも出かけようゼ...と話はまとまってますので、虎ソナの取材も早めに片付けてください。お願いします...」というのだ。わかってらい。それならチョチョイのチョイと勝てよなぁ...といったら...肝心の主賓? 菊地が小声で言うのだ。  「あの...実は...僕は横浜生まれの横浜育ちなんスよ...。それに子供の頃から横浜スタジアムで僕がDeNAの観戦をすると、負けたことがないんですよ...」。コラコラ、菊地。そんなことデカイ声で口走るな。ボコボコにされても知らんぞ! といったら、罰当たりなことをこうぬかした。  「だってホントにそうなんですから...」  一回表、阪神は今永にタッタ8球で三枚におろされた。その裏、西は31球も投げて筒香に2ランを打たれた。しかし...西は粘る。力投した。阪神タイガースは元々投手力におんぶにだっこの伝統がある。それを覚悟した上での忍耐投法で、5回で111球と魅せた。  六回にやっと今永の乱れにつけ込み、マルテの同点犠飛で追いついた。まさに薄氷を踏む思いの緊迫感。これが矢野阪神の若さのほとばしりなのだとすると...もうそろそろ盆踊りを踊りながらの大量点というヤツを期待したい。心臓が縮みそうだ。気象庁の長期予想が波乱の夏と出たこの日...1日早い給料日だろ。気楽にドンチャン騒ぎをしてみたいヮ...。ふとTVを見ると七回に近本の三塁打! それを大山がやっと勝ち越しの一打で実らせた。ガッツポーズも板についてきたぞ。  ハマの夜風は不気味な生ぬるさを漂わせていたけれど...やっぱり虎の投手陣はしたたかだった。ハマ育ちの菊地の"伝説"は虎の粘りでやっと...やっと...。

◆西は一回1死一塁から筒香に外角高めのシュートを左翼席に運ばれ、2点の先制を許したが、二回以降は粘りの投球。五回2死一、二塁では筒香を空振り三振に斬り、ガッツポーズだ。直後の六回2死満塁で代打・中谷を送られ、5回111球、2失点で降板も「3連戦の頭なので、外ばかりだと(後に投げる)中継ぎや明日以降につながらない。僕なりに攻めることができた」と納得の表情。「中継ぎの方には申し訳なかったですが、連勝を伸ばせたので良かった」とうなずいた。

◆ジョンソンが"休養"した中で、守護神のドリスは3-2の九回にマウンドへ。先頭の大和に右前打を許したが、1死二塁から神里を投ゴロ、宮崎を遊ゴロに打ち取り、11セーブ目を挙げた。今季初の4連投となったが「ダイジョウブ!」と日本語でにっこり。「(4連勝は)ブルペン陣みんな、しっかり仕事が出来ている証拠。それがうちの強さだ。続けていきたいね」と頼もしかった。

◆猛虎軍団、めちゃナイスゲーム!! 勝利、防御率ともにリーグ1位の今永から2犠飛と4番・大山のタイムリーで3点をもぎ取り、守っては西、守屋、能見、藤川、ドリスの5投手が耐えに耐えてのマウンドで、全て1点差の4連勝!! ついにわが阪神は『野球の匠』となったのだ!!  ただし、好事魔多し。25日はいよいよ米大統領のトラブル...いやトランプ氏が来日するのだ。大相撲の千秋楽を観戦するらしいが、わがままな...いや活動的な大統領のこと、元MLBの選手だったラミレス監督率いるDeNAの試合を突然観戦することがあるかも?  「ソト、ロペス、ペラペラ...(元MLBのソトやロペスは活躍しとるのか?)」「ペラペラペラ(はい。ソトは昨年の本塁打王で今年も14本打って、ロペスはNPBで一塁手の連続無失策記録を作っています)」「OK! マルテ、ペラペラ(阪神のマルテは?)」「ペラペラペラ(7番を打って打率2割で...)」「Oh、No! ペラペラー(阪神は育てられないのか、切れ)」で阪神とMLBの関係は断裂...なんてことはないだろうけど、マルテよ、大統領歓迎の一発を打ってくれ~!!

◆--継投でしのいだ  矢野監督 「みんなホントよう頑張ってくれた。西も今日はたぶん状態良くなかったのにね。頑張ってゲームをつくってくれたし。その後も守屋、能見、(藤川)球児ね、ドリスとホントにみんなね。ナイスピッチングでした」  --連投が続く中でジョンソン、ドリスは極力出したくなかった  「1年間戦う上で、いろんなことがやっぱりあるし。球児もこれで3連投目かな? そういうなかで守屋なんか、ピシャッと行ってくれて。能見も責任果たしてくれて。手汗は1リットルかいたわ(笑)。めちゃめちゃ手汗かいたわ!」  --八回はジョンソンという選択肢は  「そらあるよ。あるけど、球児もね、ランナー出しながらも別に状態は悪くなかったし。まあ言ったように1年間の中ではいろいろあり得るんでね。経験もあるし。まあもうそこは、きょうは迷いなく行ったけど」

◆5月6-8日のヤクルト戦(神宮)以来、今季2度目の3連投となった藤川は八回を無失点。2四球などから2死一、二塁のピンチをつくったが、最後は石川を空振り三振でガッツポーズ。「(3連投は)前もやっているし。身体の状態としても、できてきていると思う」。接戦での勝利が続いているが「とにかく勝ち星を取れるときに全力で守っていくこと」と表情を引き締めた。

◆一回に筒香の11号2ランで先制したが、二回以降は9残塁と拙攻続き。4月23日から阪神に7連敗となり、ラミレス監督は「阪神にはリードしていても、追い上げられて逆転されるパターンになる」と嘆き節だ。1点を追う八回無死一塁では、筒香の内野安打で一走・桑原が二塁から三塁へ向かいかけて戻れずに憤死。指揮官は「その積極性は悪くない」とかばった。 一回の11号2ランにDeNA・筒香 「アウトコースのボールに対して素直にバットを出せて、力強く捉えることができた」

◆阪神・糸原健斗内野手(26)が24日、DeNA戦(横浜)の四回に右肘付近に死球を受け、その裏の守備からベンチに退いた。試合後は「めっちゃ痛いです」と話しながらも「大丈夫です。あした(25日)も頑張ります」と表情は明るかった。矢野監督は「当たりどころがあまり良くなかったので、大事を取って(交代させた)。あす(の出場)は今の段階でははっきり分からない」と状態を見る構えだ。

◆鬼の形相だった。手に残る感触を頼りに、迷わず二塁を蹴る。大好きなハマスタの黄色い声援も後押し。三塁ベースに到達すると、表情を緩ませて右手を突き上げた。D1位・近本光司外野手(大阪ガス)が、リーグトップタイの4本目の三塁打で決勝点をお膳立てしてみせた。  「(四球の)2打席目、(死球の)3打席目も悪いイメージはなかった。初球からストレートに負けないように振りにいった結果」  2-2の七回無死、今永の低めスライダーに反応すると打球は右翼線ギリギリのところで弾んだ。「右翼線が結構空いて、そんなに速い打球でもなかったので」。球場の特徴と守備位置、打球を瞬時に判断。快足を飛ばし、一気に三塁へ。大山の適時二塁打で、決勝のホームを踏み4連勝に大きく貢献した。  三回には四球を選び、五回も死球で出塁。九回には叩きつける打球で投前内野安打にすると、エスコバーの悪送球で二塁へ。3試合連続のマルチ安打で、4度の出塁。調子も再び上昇中で、打率も・295まで上げた。  敵地だが横浜スタジアムは、まさに近本の"ホーム"だ。この日の2安打で17打数8安打、1本塁打、6打点で、驚異の打率・471と大の得意としている。今永とも4月25日に対戦し2打数2安打、この日で4打数3安打と、こちらもお得意様。ハマスタ&今永と好相性を生かし、暴れた。  準備に多くの力を注いでいるからだ。盗塁をイメージし、オープン戦から「ここまでは大丈夫、ここからはアウトになる」と、球場ごとのアンツーカーの感触などを研究。そういった努力があるからこそ、ビジターでも力を発揮できる。  出塁してチャンスメーク。大山が4番の仕事なら、こちらは1番の職務を遂行し、「それが自分の仕事ですから」。当然とばかりに言い切るルーキーに、風格が漂い始めた。 (菊地峻太朗)

◆危機を脱するたび、何度も何度も、ナインと一緒に拳を突き上げた。次々と大胆な手を打っていった矢野監督だったが、その"手の内"は実はグッショリぬれていた。3連投でこの日を迎えていた絶対的リリーフエース、ジョンソンを温存せざるを得ない状況で、見事に勝ち切った。  「1年間戦う上でね、いろんなことがやっぱりあるし。球児もこれで3連投目になって、そういうなかでアレやし。守屋なんかね、ピシャっと行ってくれて。能見も責任果たしてくれて。手汗は1リットルかいたわ。めちゃめちゃ手汗かいたわ!」  先発の西が一回に失った2点以降、見事に8つの「0」を並べて逆転勝ち。これでヤクルト3連戦(甲子園)から、4日間で4戦連続1点差勝利だ。2007年9月にも「1点差5連勝」があったが、そのとき以来、実に12年ぶりの"接戦への強さ"といえる。  同点に追いついた直後の六回、将が送り出したのは守屋だった。矢野監督に背中を押されて一気に花開いた右腕は、最速152キロの鬼気迫る投球で六回を三者凡退に斬ると、1点のリードを奪った七回も1死まで奮投。「リズム良くいけた。前回1つもアウトを取れなかったので」と胸を張った。17日の広島戦(甲子園)で、打者5人に4安打1四球だった悔しさを見事に取り返した。  ブルペンの大黒柱、ジョンソンは3連投しており、温存しておきたかった。守屋から能見、藤川とつなぎ、ドリスに至っては4連投を解禁。将は全員に感謝だ。  「みんなホントよう頑張ってくれた。そういう形(日替わり救援)にやっぱりしていかないとなかなか1年間、苦しいんで。まあまあでも、明日は打ってもらいましょう」  苦しくても、これが強さでもある。ぬれた手をぬぐい、全員、満面の笑みでハイタッチした。 (長友孝輔) 1点リードの七回1死で登板し、左打者3人を1安打無失点に抑えた阪神・能見 「守屋がしっかり頑張ってくれていたので」

◆これが4番の仕事や! 阪神・大山悠輔内野手(24)が、七回に勝ち越し二塁打を放ち、接戦にピリオドを打った。今季2度目の4連勝で、最多の貯金4。DeNA相手に2014年以来の7連勝。2位・巨人と0・5差と肉薄。お得意様相手に、虎の快進撃はまだまだ加速していくで~!  これぞ4番! 初夏の薫りが漂うハマスタに駆けつけた虎党を一振りでお祭り騒ぎにした。思いのこもった打球が左翼線に弾み、六甲おろしがこだまする。大山が決勝の適時二塁打。殊勲打を放ち、二塁ベース上で充実の笑みを見せた。  「(今永は)あれだけの投手なので、追い込まれたら打てない。とにかく思い切っていこうと思いました」  モヤモヤを吹き飛ばすかのような一打だった。2-2の七回、先頭のD1位・近本光司外野手(大阪ガス)が右翼線三塁打でチャンスメーク。2死後、打順は大山に巡ってきた。先発・今永の初球、低めの変化球に反応して引っ張ると、白球は左翼線の上を弾んだ。「ギリギリだったので、とにかく切れるな、と思って走りました」。実に30打席ぶりの長打は、値千金の決勝打。試合前時点で得点圏打率・237だった男が試合終盤に意地を見せた。  開幕から不動の4番に据える矢野監督も「やっぱり勝負どころで回ってきてね。アレ、チェンジアップだったんかな? 分からんけど。それを拾えたというのは4番の仕事だと思うし。悠輔自身もああいうところで打って、というふうに思っていると思うんで」と賛辞を惜しまなかった。  これから到来する過酷な夏場を乗り切るため、オフから現在まで走り込みを続けている。今年も母校の白鴎大を訪れて、自主トレを行った。野球の練習をするよりも、まずは走り込んで下半身を強化し、シーズンを戦い抜けるボディーを作りあげていった。恩師の黒宮寿幸監督(48)も「後輩たちよりも走っていたよ。本人も『6月から8月はきつい』と言っていたのでね」と目を細める。  さらに食事面での妥協も許さない。同じく母校で汗を流していた5つ先輩の楽天・岡島豪郎外野手(29)に食生活や体作りについてアドバイスを求めた。このオフに退寮し、一人暮らしで生活環境が変わっても自己管理のために勉強をかかさない。夏場に調子を落とした昨年と同じ轍は踏まない-。強い信念のもと、シーズン中も試合前練習でポール間ダッシュを繰り返し、走り込みは続けている。  難敵左腕に土をつけ、チームは今季最長タイの4連勝。貯金は今季最多の4。DeNA戦7連勝も2014年8月1日以来。2位・巨人とも0・5ゲーム差と肉薄だ。  「たくさんのファンが来てくださって、力になっている。一戦一戦、必死に戦うだけ。先のことではなく、明日の試合に勝つことに集中したいです」  鳴り止まない虎党の歓声に帽子を取って笑顔で応えた。"4番・大山"が打てば、チームも勝つ。もっと打ちまくって、頂きを目指す。 (織原祥平)

◆苦しい試合だったが、勝因には西の粘り腰を挙げたい。5回で111球を要し、勝ち星はつかなかったが、調子が悪い中で試合を作ったのは、非常に評価できる。豊富な経験と、梅野のリードがうまくかみ合った。  立ち上がりからボールが高く、制球が乱れた。一回に外角高めに浮いたシュートを筒香にとらえられ、どうなることかと思ったが、そこで気持ちを入れ直し、好調なDeNA打線に対して球数をかけてでも、決して投げ急がなかった。  勝負どころの1球も間違わなかった。筒香との2、3打席目。三回1死一、二塁ではフルカウントから外角スライダーで見逃し三振。五回2死一、二塁では外角直球で空振り三振。一回は失投した外角に、きっちり決めたのは見事だ。  六回から登板した守屋も光った。真っすぐ系で抑えたのは自信になる。矢野監督に使ってもらってきた経験が生きてきた。JFK時代も、同点やビハインドで奮闘したSHE(桟原、橋本、江草)がいてこそ。守屋がそういう存在になれば、大きな戦力になる。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
広島
27181 0.600
(↑0.009)
-
(-)
97184
(+8)
171
(+3)
45
(+4)
27
(+2)
0.247
(↑0.002)
2.970
(-)
2
(-)
巨人
24191 0.558
(↓0.013)
2
(↓1)
99223
(+3)
176
(+8)
57
(+3)
24
(-)
0.268
(-)
3.670
(↓0.08)
3
(-)
阪神
25212 0.543
(↑0.01)
2.5
(-)
95181
(+3)
199
(+2)
32
(-)
29
(-)
0.245
(-)
3.590
(↑0.03)
4
(-)
ヤクルト
21252 0.457
(↓0.01)
6.5
(↓1)
95218
(+1)
230
(+6)
53
(+1)
20
(-)
0.243
(↓0.001)
4.280
(↓0.01)
5
(-)
中日
20250 0.444
(↑0.012)
7
(-)
98158
(+6)
169
(+1)
28
(-)
29
(+2)
0.258
(↑0.002)
3.680
(↑0.06)
6
(-)
DeNA
18270 0.400
(↓0.009)
9
(↓1)
98176
(+2)
195
(+3)
55
(+1)
13
(+1)
0.243
(↑0.001
3.970
(↑0.03)