西武(☆7対6★)ソフトバンク =リーグ戦10回戦(2019.05.21)・沖縄セルラースタジアム那覇=
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ソフトバンク
00010022161201
西武
02002030X7602
勝利投手:十亀 剣(2勝0敗0S)
(セーブ:増田 達至(3勝0敗7S))
敗戦投手:東浜 巨(2勝2敗0S)

本塁打
【ソフトバンク】グラシアル(8号・4回表ソロ)
【西武】栗山 巧(2号・2回裏2ラン),山川 穂高(20号・7回裏3ラン)

  DAZN
◆西武は2回裏、栗山の2ランで先制に成功する。その後は、5回に外崎の適時打などで2点を追加すると、7回には山川に3ランが飛び出し、試合を優位に進めた。投げては、先発・十亀が今季2勝目。敗れたソフトバンクは、終盤に追い上げを見せるも、あと一歩及ばなかった。

◆西武栗山巧が"ちゅんじゅく"バットを振り抜き、先制2ランを放った。 2回2死一塁の場面で、直球を振り抜きバックスクリーン左に運ぶ125メートル2号2ランで先制。ホーム開催ながら、沖縄での試合とあって栗山は「自分のタイミングで、ちゅんじゅく(沖縄弁で強くの意味)スイングできました」と、コメントした。

◆ソフトバンクは2回2死一、二塁のチャンスをつくるも牧原が空振り三振。その裏、西武は栗山の2号2ランで先制した。 ソフトバンクは4回、グラシアルのソロ本塁打で1点差に詰め寄った。西武は5回、外崎の中前適時打などで3点差に突き放した。

◆西武山川穂高内野手が、沖縄出身選手としては初となる凱旋アーチを放った。 1点リードで迎えた7回1死一、二塁。3打席快音なく迎えた第4打席。カウント2-0からソフトバンク4番手松田遼馬の投じた外角高めのスライダーを左越えにたたき込む節目の20号3ランだ。20号は両リーグ通じて一番乗りで、昨年に続く最速到達となった。 左中間最深部の防護ネットに突き刺した特大弾を見るまでもなかった。打った瞬間、山川の手に感触が伝わった。打球が高々と左翼方向へ舞い上がるとバットを持った右手を高々と突き上げた。 ベースラン一周した主砲はホームベースを踏んだ瞬間、口元から白い歯をのぞかせた。一塁ベンチでチームメイトとのハイタッチを終えると指笛と大歓声でわく地元のファンと一緒に"どすこいパフォーマンス"で盛り上げた。 山川は「沖縄の皆さんの前でホームランを見せられるよう頑張ります」と話していたが、有言実行の予告ホームランで沖縄のファンを喜ばせ「打ったのはスライダーです。沖縄のみなさんのために打ちました!鳥肌全開です!!」と興奮冷めやらぬ様子だった。 ◆沖縄出身選手初 沖縄の球場では試合前まで通算22本の本塁打が出ていたが、沖縄出身選手の1発はこれまで1本もなかった。

◆西武が山川の20号などでソフトバンクを下した。1点リードで迎えた7回1死一、二塁。ソフトバンク松田遼馬のスライダーを左越えにたたき込んだ。20号は両リーグ通じて一番乗り。また、沖縄出身選手としては初となる凱旋アーチとなった

◆西武山川穂高内野手(27)が自身初の沖縄凱旋(がいせん)試合で、史上初となる沖縄地元弾を放った。1点リードの7回、追撃の20号3ランを左翼スタンドへ。沖縄出身選手による地元弾はプロ野球史上初、43試合目での20号到達は史上5番目の早さだ。プロ6年目を迎えたホームランキングが、故郷に錦を飾った。沖縄の夜空めがけて飛んでいった地元弾を見届け、バットを放り投げた。山川はベースを踏みながら鳥肌が立っていた。1点差に迫られ迎えた7回の第4打席。スライダーをとらえ、4点差に突き放す3ランを放った。地元・沖縄での1発に「沖縄のみなさんのために打ちました! 鳥肌全開です!!」。打ちたかった沖縄弾で、スタンドをうめつくした島人(しまんちゅ)と一緒に、どすこいパフォーマンスを披露した。 力がみなぎるのも無理はない。プロ6年目にして初めての凱旋試合。2試合で招待予定の友人らは300人。「沖縄に来られてうれしく思う。結果もあるけど、沖縄でやる喜びを感じながらやりたい」。18年間過ごした沖縄。当時は無名だったが、場内アナウンスで山川の名前がコールされると、指笛のピューピューという音とともに歓声が沸き起こった。オリオンビールのCMに抜てきされ、球場にはでかでかと広告が掲げられる。名実ともに沖縄の顔になって戻ってきた。 野球をやれない悔しさと、野球をやれる喜びを知った原点の場所だった。中部商時代、1年生のとき野球の記憶はほとんどない。 山川 1年の時はつらかったですね。雑用とかもあったから、あまり野球ができなかった。でもその1年があったから2年になったときに、野球ができる幸せをかみしめました。授業中もずっと野球のことを考えていましたからね。それが大学に入っても続いて。今はそれが朝から晩まで考えていられる。幸せですよね。あの1年があったからですよ。 地元出身選手による沖縄でのアーチは史上初めて。5番目の早さで到達した20号が、記念すべき1発になった。「チームの勝利のための一撃を目指す。プラス、見に来てくれた沖縄の人たちが楽しめる打席にしたい」と、沖縄では西鉄時代の61年以来58年ぶりの勝利。有言実行の沖縄弾だった。【栗田成芳】

◆ソフトバンク東浜巨投手の故郷沖縄での凱旋(がいせん)登板は4回2/3、自己ワーストタイの6四球で4失点と5回持たなかった。5回2死一、三塁から山川、森に連続四球を与え、交代を告げられた。 マウンドからベンチへ戻る時、球場全体から拍手が起きた。ピンチでは激励の拍手も起きた。08年センバツV腕の人気は絶大なままなことを証明した。「地元の沖縄でマウンドに立つことができ、声援も本当にうれしかった。ただ、結果がすべてです」。思うような投球ができない現状がふがいなかった。 山川との沖縄対決で球場を沸かせた。2回の初対決ではスライダーで三ゴロに仕留めた。3回2死二、三塁では直球勝負で空振り三振を奪い、ほえた。スタンドには両親、知人ら数えられないほどの応援団が駆けつけた。「小、中、高校とすべての監督が見にきます」と、恩師たちの前で全力で腕を振った。 今季は2勝も防御率6・37と先発としての役割を果たせず、中14日での地元登板で2敗目を喫した。チームの連勝は3でストップ。沖縄3試合目でも沖縄初星とはならなかった。【石橋隆雄】

◆ソフトバンク嘉弥真新也もほろ苦い地元登板になった。 1点を追う7回から3番手でマウンドへ。名前がコールされるとスタンドから歓声で迎えられた。だが先頭秋山に中前打され、犠打と四球で1死一、二塁とピンチを招き降板。代わった松田遼が続く山川に3ランを打たれ、嘉弥真に2失点が付いた。約80人の応援団が駆けつけたが「歓声はうれしかった。投げられて良かったけど、結果は良くなかった」と振り返った。

◆ソフトバンクが執念の追い上げで沖縄のファンを沸かせた。 3点を追う7回に釜元の適時打、デスパイネの押し出し四球で1点差に迫る。山川の3ランでまた点差が広がった8回には相手ミスに乗じて2点を奪った。 そして2点差で迎えた9回。西武抑えの増田から先頭今宮が右前打。続くデスパイネは遊ゴロだったが一塁へ猛ダッシュ。アウト判定もリクエストで覆り、併殺崩れで一塁に残った。松田宣が中前打でつなぎ、グラシアルが左中間へ1点差に迫る適時二塁打。さらに明石の高く跳ねたゴロが捕手への内野安打になり満塁。一気に反撃ムードが高まった。牧原が倒れ2死から内川が代打で登場。だが空振り三振に倒れ、及ばなかった。 2試合連発の8号ソロ本塁打を含む、3安打2打点と気を吐いたグラシアルは「(9回は)逆転の可能性が残っていたので、あそこで打てたのは良かった。自分自身は良かったが、試合に負けてしまったのは悔しい結果」と振り返った。

◆ソフトバンク今宮健太内野手(27)が2試合ぶりにスタメン出場した。 左太もも裏の張りのため19日の日本ハム戦(鹿児島・平和リース)を欠場していたが、この日は3番・遊撃で元気に出場した。 9回には西武の守護神増田から先頭で右前安打を放ち1点差に追い上げる9回の打線の粘りを呼び込んだ。工藤監督は「いい粘りを見せてくれた。相手のミスからだったが、しっかり得点して、最後まで何とかするんだというのが出ていた」と野手陣の粘りを評価していた。

◆西武山川穂高内野手がチーム43試合目で20号。47本塁打した昨季は20号が72試合目だったが、今季は歴代5位タイのスピードで到達した。64年に55本打った王や13年に60本打ったバレンティン(ヤクルト)らを上回るペースでの20号となったが、山川はどこまで数字を伸ばすか。 ▼山川は2年連続の両リーグ20号一番乗り。2年以上続けて両リーグ20号一番乗りは02~03年ローズ(近鉄)以来7人、9度目で、日本人では97~98年松井(巨人)以来21年ぶりだ。また山川は10号も2年連続で両リーグ一番乗り。10、20号とも2年続けて両リーグ一番乗りは、66~67年王(巨人)に次いで2人目で、パ・リーグでは初めて。ちなみにこの時の王は、10~40号すべて2年連続で両リーグ一番乗りだった。

◆西武の栗山が2号2ランを放った。0-0の二回2死一塁で東浜の直球を力強いスイングで捉え、バックスクリーン右へ運んだ。開幕2戦目の3月30日以来の一発に「自分のタイミングで強くスイングできた」と手応えを口にした。  中村とともにチームの野手最年長の35歳。今季は主に指名打者で起用され、バットで随所に存在感を見せている。5月に入って状態がやや下降気味だったが、これで4試合連続安打と復調ぶりを示した。

◆西武の十亀が6回1失点の好投で2勝目をつかんだ。立ち上がりからテンポを意識して投げ込み、二回2死一、二塁では牧原を空振り三振に仕留めてピンチを脱した。四回にグラシアルに一発を浴びた以外は無難に抑え「しっかり自分の仕事ができた」と胸をなで下ろした。  那覇の慣れないマウンドにも「苦はなく投げられた」と問題はなかった様子。96球で降板となり「もう1回と思ったけど、監督、コーチの判断なので。次へ前向きに捉えたい」と話した。

◆ソフトバンクの嘉弥真は石垣島の八重山農林高出身で、プロ8年目に初めて沖縄で登板し、5試合連続失点を喫した。3-4の七回、先頭打者の秋山に安打を許し、1死二塁で四球を与え降板。後続が打たれ2失点となり「投げられたのは良かったけど、結果は良くなかった」と悔やんだ。  親戚ら約80人を招いていたが、奮起できなかった。22日も登板する可能性はあり「次は抑えたい」と雪辱を誓った。

◆東浜(沖縄尚学高-亜大)はプロ7年目で初めて出身地の沖縄県で登板し、五回途中まで4安打4失点で2敗目を喫した。チームの連勝も3で止まり「地元でマウンドに立つことができ、うれしかった。ただ、結果が全て」と悔しがった。山川との"沖縄対決"は三回2死一、三塁で空振り三振を奪ったが、五回の同じ場面では四球を与え、続く森への押し出し四球で降板。今季ワーストの6四球と持ち味の制球力が影を潜めた。

◆西武・山川が2年連続の両リーグ20号一番乗りを果たした。西武(前身球団を含む)の選手で2年以上続けて両リーグ最速で20号に到達したのは、西鉄時代の1953-55年(3年連続)の中西太以来64年ぶり2人目。中西はこの3年とも本塁打王に輝いた。  山川は初の本塁打王となった昨年はチーム72試合目で20号を放ったが、今季は43試合目での到達。両リーグ20号一番乗りのスピードとしては、33試合目の巨人・阿部慎之助(2004年)、38試合目の西武・カブレラ(01年)、42試合目の巨人・長嶋茂雄(1968年)、DeNA・ブランコ(13年)に次いで、43試合目の近鉄・マニエル(79年)と並ぶ歴代5位。

◆西武は21日、ソフトバンク10回戦(沖縄セルラー)に7-6で勝利。沖縄・那覇市出身の山川穂高内野手(27)が七回、両リーグ最速で20号到達となる左越え3ランを放った。沖縄出身の選手による沖縄での公式戦本塁打は史上初。47本塁打を放った昨季はチーム72試合目で20号に到達したが、今季は43試合目のスピード。シーズン66発ペースに乗せた。  一塁ベンチ上のスタンドでは母・喜代子さんの故郷、久米島から約100人の私設応援団が駆けつけ「チバリヨー山川穂高」のボードを掲げて声援を送った。代表の宇江城久人さん(52)は「山川くんの活躍は、島でも大変盛り上がっています。去年は有言実行で40発以上を打った。今年も調子がいいので50本塁打を期待しています」。一昨年のオフに野球教室を行った縁もあり「人懐っこくて、子供たち一人一人にサインをしてくれた。ミニキャンプをしてほしい」と"再訪"を熱望していた。

◆西武は21日、ソフトバンク10回戦(沖縄セルラー)に7-6で勝利。沖縄・那覇市出身の山川穂高内野手(27)が七回、両リーグ最速で20号到達となる左越え3ランを放った。沖縄出身の選手による沖縄での公式戦本塁打は史上初。47本塁打を放った昨季はチーム72試合目で20号に到達したが、今季は43試合目のスピード。シーズン66発ペースに乗せた。  ピュ~イ! 山川の豪快な一発が、沖縄セルラースタジアム那覇の左翼席防護ネットに突き刺さる。バットを右手で掲げながら走り出す地元の英雄に、指笛と大歓声、割れんばかりの拍手が送られた。  「沖縄の皆さんのために打ちました! 打った瞬間に鳥肌が立った。今までの野球人生の中で一番うれしいホームランです」  1点差に迫られた七回1死一、二塁。代わったばかりの松田遼のスライダーを捉え、3ランに変えた。沖縄県出身の選手が、沖縄の公式戦で本塁打を放つのは山川が初。球場に詰めかけた1万6745人のウチナーンチュ(沖縄の人)は歴史的なアーチに総立ちになった。  「すごく気持ちよかった。有名人になったんだな」  悲願の一発だった。2017年6月、56年ぶりの沖縄遠征に山川の姿はなかった。同年は開幕1軍入りを果たしたが、不調で5月に2軍落ち。凱旋を果たせなかった大砲は悔しさのあまり、知人から頼まれたチケットの手配を全て断った。炎天下の西武第二球場で練習に打ち込み「1軍に上がったら、この悔しさを晴らす」と逆襲を誓った。  同年は7月に再昇格を果たすと、後半戦だけで19本塁打。昨年は10年ぶりの優勝に貢献する47発で初の本塁打王を獲得。MVPにも選出され、スターダムへと駆け上がったが慢心はない。  「沖縄出身の野球選手は(元広島の)安仁屋宗八さんや(元阪急などの)石嶺和彦さんがいるけど、数としては少ない。圧倒的な数字を残して沖縄人として成功したい」  昨年7月1日のチーム72試合目より29試合、約40日も早い43試合目で20本塁打。2年連続で両リーグ最速での20号一番乗りを果たした。球団では、かつて「怪童」と呼ばれ、通算244本塁打を記録した中西太以来64年ぶりだ。  山川はシーズン前、50発を目標に掲げた。これでシーズン66発ペースとなり、自身の目標どころか、2013年にヤクルト・バレンティンがマークしたプロ野球記録の60発をも上回る。  チームは勝率5割に復帰。昨季のパ・リーグ王者が4位と低調だが「沖縄に恩返しがしたいという気持ちを忘れないようにやっていきたい」。ウチナーンチュの夢を乗せ、白球を飛ばし続ける。 (花里雄太) 山川について西武・辻監督 「一発が打ちたい気持ちが出ていて、見事な本塁打だった。気合が入っていた」

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
24182 0.571
(↓0.014)
-
(-)
99190
(+6)
163
(+7)
57
(+1)
44
(+3)
0.260
(↑0.001
3.290
(↓0.09)
2
(-)
楽天
22201 0.524
(↑0.012)
2
(↑1)
100224
(+13)
206
(+3)
54
(+1)
14
(-)
0.262
(↑0.002)
4.550
(↑0.04)
3
(-)
ロッテ
21201 0.512
(↑0.012)
2.5
(↑1)
101184
(+8)
175
(+4)
50
(+1)
33
(-)
0.246
(↑0.002)
3.740
(-)
4
(1↑)
西武
21211 0.500
(↑0.012)
3
(↑1)
100223
(+7)
231
(+6)
54
(+2)
54
(+1)
0.252
(↓0.001)
4.660
(↑0.01)
5
(2↓)
日本ハム
20212 0.488
(↓0.012)
3.5
(-)
100172
(+3)
170
(+13)
25
(-)
15
(+1)
0.252
(↓0.001)
3.720
(↓0.2)
6
(-)
ORIX
16243 0.400
(↓0.01)
7
(-)
100141
(+4)
189
(+8)
33
(+1)
37
(+1)
0.224
(↑0.001)
3.990
(↓0.05)