ソフトバンク(☆2対1★)日本ハム =リーグ戦7回戦(2019.05.18)・リブワーク藤崎台=
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日本ハム
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ソフトバンク
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勝利投手:千賀 滉大(5勝0敗0S)
(セーブ:森 唯斗(1勝3敗11S))
敗戦投手:上沢 直之(3勝2敗0S)
  DAZN
◆ソフトバンクが投手戦を制した。ソフトバンクは1点ビハインドで迎えた5回裏、デスパイネの犠飛などで2点を挙げ、逆転に成功する。投げては、先発・千賀が7回1失点9奪三振の力投で今季5勝目。敗れた日本ハムは7回2失点と好投した上沢を打線が援護できなかった。

◆ソフトバンクは初回2死一、三塁のチャンスをつくったが無得点。両チーム先発の好投で3回まで試合に動きはなかった。 4回に日本ハムが王柏融の適時打で1点先制。4回終了後に1時間中断。5回にソフトバンクが相手ミスなどで2点を奪い逆転。 ソフトバンクは7回1失点の千賀のあとをモイネロ、森が抑えて逃げ切り。千賀はリーグトップに並ぶ今季5勝目を挙げた。森が11セーブ目。日本ハム上沢が2敗目。

◆日本ハム王柏融が左太もも裏の張りから復帰後初打点も、勝利にはつながらなかった。4回1死二塁、難攻不落のソフトバンク千賀の154キロ直球を捉え、先制の中前適時打とした。 「フォークの落差も大きいし、真っすぐも強い。日本のスーパーピッチャーから、良いところでタイムリーを打てて良かった」。再昇格後8打席目でのタイムリーも、逆転負けに無念の表情だった。

◆波乱含みの黒星だった。ソフトバンクとの首位攻防第1戦は、4回に日本ハムが王柏融外野手(25)の先制中前適時打で1点をリードしたものの、雨天による1時間の中断が明けた5回、守りが乱れて逆転負け。悪コンディションの中、粘り強く投げた先発の上沢直之投手(25)を助けられず、今季初の貯金3を逃した。順位は変わらず2位のままも、首位とのゲーム差は2・5に広がった。雨によるグラウンドコンディション不良で1時間に及んだ中断は、日本ハムにとって凶と出た。ぬかるんだグラウンド。外野の芝は、水分をたっぷりと含んでいた。試合再開となった5回の守備。エースが3者連続三振でリスタートしたソフトバンクに対して、日本ハムは立て続けに守備が乱れた。 1死二塁から左前打を処理した近藤が、本塁へ悪送球。カバーした捕手の清水が送球をはじいたのを見て、二塁走者がゆっくりと同点のホームを踏んだ。「抜けちゃいました」とうなだれた近藤は「雨による影響は、なかったかなと思う。捕球態勢が(打球に)刺されて、僕が力んだんです」と猛省だ。 災難は、これで終わらなかった。なお1死二塁から、清水がまさかの捕逸。走者を三塁へ進めてしまい、右犠飛で勝ち越しを許した。それまで、粘り強く先発の上沢をリードしていた若武者は「1年の中でも、(そうは)ないプレー。ああいうところを、しっかりやって行きたい」と、悔しさをにじませた。 そもそも、試合前の練習から、波乱の予感は漂っていた。朝から降り続く雨のため、投手と野手に分かれて球場近くの室内練習場などで体を動かしたが、球場へ戻るバスが試合会場周辺の渋滞に巻き込まれて立ち往生。先発投手やスタメン選手の移動を優先したため、控えの野手を乗せたバスや、ブルペン陣が最も被害を受けた。ベンチ入りの全選手がそろったのは、なんと当初の試合開始予定時刻の10分前。ドタバタで試合に突入した。 逆転負けで、今季初の貯金3を逃した栗山監督は「難しかったけど、それはお互いさま。野球が始まってしまえば関係ないから。言い訳にしちゃいけない」と、きっぱり。19日の首位攻防第2戦へ、気持ちを切り替えた。【中島宙恵】

◆熊本出身のEXILE、NESMITHが始球式を行った。トルネード気味のフォームからノーバウンド投球を披露し「グローブを森選手にお借りして、何とかストライクゾーンに投げられて良かった」と笑顔。 また、同じく熊本出身の歌手Leolaは「君が代」を独唱し「貴重な機会に歌わせてもらえて良かった。少しでも熊本を元気にできれば」と話した。

◆ソフトバンク千賀滉大投手(26)が、雨にも負けず7回1失点で自身5連勝を飾り、満員の熊本のファンに白星を届けた。 負ければ2位・日本ハムに0・5差に迫られる大事な一戦で、エースが貫禄の投球を見せた。防御率(1・26)、勝利数(5勝)、奪三振(80個)と3つの部門でパ・リーグトップに立った。3者連続三振で、試合の流れを呼び込んだ。4回終了時から雨による1時間の中断を経て、千賀はマウンドへ。「ここで試合の流れが変わるのが見えた。狙って全部三振を取るつもりでいった。グラウンド状況もあったので、前には飛ばさせないつもりだった」と、砂がまかれ、ぬかるんでいたグラウンドに打たせまいと三振を狙った。 先頭中島には1、2球と直球が高く抜けたが、5球すべて150キロ超の直球を続け、空振り三振。続く西川には4球すべてフォークで空振り三振。大田はフォーク2球で追い込むと最後は155キロの低め直球、で空振り三振を奪った。魂を込めた13球で3連続三振。工藤監督は「あの投球がみんなのリズムをよくして逆転につながった。みんなも何とかしようと感じたと思う」と、その裏に2点を奪った逆転劇への一番の勝因に挙げた。奪った2点がゴロでの内野安打、相手の失策と雨の影響を受けただけに、1球も打球をグラウンドに飛ばさなかった千賀の投球に価値があった。 受けた甲斐は「千賀の力。集中力はさすが」と舌を巻いた。中断の1時間、まずベンチで休養し、その後ブルペンでいつ始まるか分からない状況の中で準備。マウンドへ行く前に甲斐が「気持ちは分かるけれど頑張れ。(雨、中断と)うっとうしいかもしれないけれど、しっかり仕事をしよう」と声をかけたが、今年の千賀に心配は無用だった。 熊本・リブワーク藤崎台は13年5月12日にプロ初勝利を挙げた場所。6年ぶりにお立ち台に上がり「こっち(スタンド)の景色を見て足が震えていたのを思い出しました」と笑った。当時は救援だった。通算47勝目の白星は今季負けなしの5勝目。防御率、奪三振と3部門すべてでリーグトップに立った。チームは熊本で3連勝し、19日は現在8連勝中の鹿児島で試合を行う。球団移転30周年記念の「WE=KYUSHU」ユニホームを着た千賀が、日本を代表するエースに成長した姿で熊本のファンを喜ばせた。【石橋隆雄】

◆日本ハム中田翔内野手(30)が18日、ソフトバンク7回戦(熊本)で途中交代した。 豪雨によるグラウンド整備のため1時間の中断明け直後、5回の守備から杉谷と代わってベンチへ退いた。16日楽天戦(東京ドーム)で左膝に自打球を当てた影響や、悪コンディションでのプレー続行を不安視されたことなどから大事を取ったとみられる。19日同戦(鹿児島)の出場は、当日の状態を見て判断される。

◆ソフトバンク森唯斗投手が、15日西武戦でのセーブ失敗以来初となる11セーブを挙げた。 1点リードの9回、小雨の降る中、5番王柏融からを3人で抑えた。前回登板の16日西武戦では4点差で逃げ切ったが「どの点差でも気持ちは入っていますし、そこはあまり変わらない」と冷静。 「ずっと打たれてばっかりだったので、ゼロで帰ってこられて良かったですし、チームが勝てたのが一番良かった」と胸をなでおろした。

◆日本ハム上沢直之投手が天候を味方に出来ず、今季2敗目を喫した。 降雨によるグラウンド整備で1時間の中断を強いられ「もう1回、肩をつくらないといけなかった」。中断明け直後、1点リードの5回に味方守備の送球ミスなどから逆転を許した。 7回7安打2失点で自責0だった。「先発としての役割は果たしたけど、チームに勝ちを付けられなかったので」と責任を痛感していた。

◆日本ハムの上沢はぬかるむマウンドで7回7安打、自責点なしの2失点にまとめたが、打線の援護に恵まれず2敗目となった。「先発の役目は果たしたが、チームに勝ちをつけられなかった」と肩を落とした。  反省点に挙げたのは降雨による60分の中断後、1-0の五回に失策も絡んで2点を失い、逆転された場面。「中断は嫌だった。もう一度肩をつくる感じ。でも(相手の千賀も)条件は同じなので」と悔しがった。

◆ソフトバンクの甲斐が1点リードの終盤に盗塁を2度刺した。七回1死一塁では矢のような二塁送球で、三振と盗塁阻止の併殺を完成させる。八回1死一塁でも、エンドランを仕掛けようと二塁へ走った近藤を悠々とアウトに。強肩を発揮し「自分の形で投げられて良かった」と手応えを口にした。  リード面では育成出身の同期でバッテリーを組む千賀の好投を引き出した。雨天中断後だった五回の3者連続三振については「千賀の力、集中力はさすが」と賛辞を贈った。

◆当初の試合開始予定時間は午後1時だったが、日本ハムのチームバスの到着が渋滞の影響で開始直前になったこともあり、13分遅れでのプレーボールとなった。朝からの断続的な雨で試合前の練習は両チームともに近辺の屋内練習場で行ったが、日本ハムが球場に戻る際に大渋滞に巻き込まれたという。栗山監督は「野球なのでこういうこともある」と気にしていなかった。

◆1時間の中断の直後の五回、圧巻の投球で流れが変わった。雨にも負けず、5勝目を挙げたソフトバンク・千賀がリーグ4冠だ。  「(五回は)ここでしっかり投げれば流れがくると思いました。全部三振をとるつもりでした。グラウンド状態も良くない。ゴロを打たれるよりも、前に飛ばさせないことを考えました」  五回先頭の中島卓からオール直球で空振り三振を奪うと、続く西川にはフォークの連投。大田は155キロでしとめ、三者三振でベンチに戻ると、味方が逆転した。  試合開始すら危ぶまれた天候で13分遅れのプレーボール。難しい条件で7回4安打1失点の右腕を、工藤監督は「みんなを奮い立たせる投球だった」と絶賛した。白星と同時に、防御率1・26、80奪三振、勝率10割もリーグトップ。年に一度の熊本で、エースらしい快投だ。 (安藤理)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
23172 0.575
(↑0.011)
-
(-)
101180
(+2)
154
(+1)
53
(-)
41
(+1)
0.259
(↑0.001
3.220
(↑0.05)
2
(-)
日本ハム
20192 0.513
(↓0.013)
2.5
(↓1)
102167
(+1)
153
(+2)
25
(-)
14
(-)
0.252
(↓0.002)
3.470
(↑0.07)
2
(-)
ロッテ
20191 0.513
(↓0.013)
2.5
(↓1)
103171
(+4)
161
(+6)
46
(+2)
33
(+1)
0.246
(↑0.002)
3.580
(↓0.01)
4
(-)
楽天
20201 0.500
(↑0.013)
3
(-)
102201
(+6)
198
(+4)
51
(+3)
14
(-)
0.258
(-)
4.580
(↑0.01)
5
(1↓)
西武
19211 0.475
(↓0.012)
4
(↓1)
102207
(+1)
222
(+2)
50
(-)
52
(+4)
0.249
(↓0.002)
4.710
(↑0.11)
6
(-)
ORIX
16223 0.421
(↑0.016)
6
(-)
102134
(+2)
172
(+1)
32
(-)
35
(-)
0.225
(-)
3.820
(↑0.07)