阪神(★2対10☆)広島 =リーグ戦7回戦(2019.05.17)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:九里 亜蓮(1勝3敗0S)
敗戦投手:西 勇輝(3勝4敗0S)
  DAZN
◆広島が5連勝。広島は1-2で迎えた8回表、菊池涼とバティスタの連続適時打で2点を挙げ、逆転に成功する。続く9回には、會澤の3点適時打など打者一巡の猛攻で一挙7点を奪い、試合を決めた。投げては、3番手・九里が今季初勝利。敗れた阪神は、投手陣が崩れた。

◆広島鈴木誠也外野手(24)が強肩で同点を阻止した。 1-0の4回裏2死一、二塁の守り。梅野の右前打をグラブで捕球し、素早く反動をつけ本塁打へダイレクト返球。会沢翼の好タッチもあり、二塁走者をアウトにした。

◆広島西川龍馬内野手(24)が先制打を放った。4回2死一、二塁で、2ナッシングからの4球目を中前にはじき返し、二塁走者を迎え入れた。 「後ろにつなぐ気持ちでいきました。うまくバットに乗せて打つことができました。バティスタがよく走ってくれた」。西からは、完封負けした4月7日の前回対戦でも2安打しており、相性のよさを発揮した。

◆阪神はこの日の広島戦で「機動戦士ガンダム」とのコラボナイターを実施した。 試合中の場内アナウンスの一部が主人公アムロ・レイの声になるなど、ガンダム仕様に。「阪神タイガース、行きまーす!」の決めぜりふでナインの背中を押した。また、入場者全員に限定クリアファイルをプレゼントした。

◆広島先発の床田寛樹投手(24)は6回途中2失点で降板となった。 6回に2四球と右前打で1死満塁のピンチを招き、6番梅野に左前へ同点打を許した。続くマルテの左前打で勝ち越され、ベンチに退いた。 大阪・箕面学園時代に届かなかった甲子園での初マウンドは、悔しい結果となった。

◆阪神梅野隆太郎捕手が6回に同点となる左前適時打を放った。 1点を追う6回1死満塁。広島先発床田の2球目136キロスライダーをとらえた。 「みんながつないでくれたチャンスだったので、かえすことができて良かったです。西さんもずっと頑張ってくれていたので、打つ方で援護できて良かったです」 マルテも続いた。1死満塁で2球目145キロ直球をはじき返した。「チームのために、ファンのみんなのために打つことができて良かったよ。西選手に勝ちをつけられるように頑張るよ」。勝ち越しとなる左前適時打に、一塁ベースでベンチに向かい、左拳を握った。

◆阪神先発の西はストライク先行の投球で3回を無安打無失点投球。広島先発の床田も3回まで2安打無失点。投げ合いが続く。 広島は4回2死一、二塁で5番西川が先制の中前適時打。阪神は1点を追う6回、6番梅野、7番マルテの連続適時打で逆転した。 広島は1点を追う8回、2番菊池、3番バティスタの連続適時打で逆転。9回も加点して5連勝を飾り、今季最多の貯金4とした。 広島九里が1勝目、阪神西が4敗目。

◆広島が同率2位対決を制した。1点を追う8回に菊池涼、バティスタの連続適時打で逆転に成功。9回には7点を加えて、5連勝で単独2位に浮上した。敗れた阪神先発の西は8回3失点と粘投も4敗目。チームも9回にリリーフ陣が7失点を喫するなど連勝が2でストップし、3位に後退した。

◆阪神近本光司外野手が得意の広島戦で無安打と抑えられた。試合前まで広島戦で打率4割と好相性だったが、5打席立って快音は聞かれず。 「いつも打てるわけじゃない。また練習からやっていけたら」。守備では4回2死一、二塁の場面で、西川の中前安打を前にチャージし、本塁へ送球するも、惜しくも二塁走者をアウトにできなかった。6回にバティスタの左中間の当たりにダイブするも、打球はグラブをかすめた。

◆広島が終盤の猛攻で阪神先発西を攻略し、3試合連続逆転勝ち。5連勝で単独2位に浮上し、1ゲーム差の首位巨人を照準に捉えた。 緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。   -西を攻略 緒方監督 最後の最後でね。キクが勝負強い打撃でね。8、9回の攻撃は最後までしっかり集中して、お見事のひとこと。すごいね。 -菊池涼が勝負強さを発揮 緒方監督 今年は去年の反省からか、しっかりとタイミング的なもの、打撃フォームの改造に取り組んできた。彼のいいときの状態になっている。悪いときは強引さが目立つ。

◆再逆転を狙ってマウンドに上がったリリーバーが火だるまになった。3-2と逆転されて迎えた9回。1点差とまだ試合が決していない状況で、ベンチは左腕島本を投入した。 まだ1点差。阪神矢野監督は「あそこで何とか1点差で迎えられてたら大きなチャンスはあったと思う」と、必死の継投で流れを呼び込もうとした。 ところが、その島本が先頭会沢の中前打から2死二塁とピンチを招いて降板。続いてマウンドに上がった守屋も押せ押せムードのカープ打線を食い止めることができない。代打磯村の左前打から四球を挟んで4連打を浴びて5失点とまさかの大炎上だ。15日巨人戦の好リリーフでプロ初勝利を挙げた右腕がまさかの背信投球。スイッチした石崎も会沢に3点打を浴びた。9回だけで打者一巡の攻撃で7安打7失点と打ち込まれた。 快進撃を支えてきたのは紛れもなくブルペン陣。だからこそ矢野監督は「あそこで勝てる勝てないっていう部分のあと1つのアウトっていうのが大事になってくる。こういう場面で成長できてくると思う。今日やられたことは仕方ないんで。次取り返してくれたらと思う」と、3投手を責めることはなかった。【桝井聡】

◆阪神西勇輝投手(28)がプロ入り初めて広島戦で敗れた。8回6安打3失点で今季4敗目。6回に打線が2-1と逆転したが、8回1死走者なしから四球と3連打で再逆転を許した。試合前で広島には5試合で3勝0敗、同じく甲子園では抜群の防御率1・54。そんな西の好データは生きず、救援陣も打ち込まれる大敗。直前の巨人戦連勝がかすみ、3位タイに後退。今季甲子園で8勝11敗と虎がもがいている。西が広島を相手に陥落した。まさかのシーンは8回だった。1点リードで1死から代打松山に四球。そこから野間、菊池涼、バティスタに3連打を浴びて逆転された。結果は8回6安打3失点で今季4敗目。「客観視したらゲームを作れたみたいになるんですけど、最後の場面で...。任された中で結果を出すのが一番よかったんですけど。自分自身、全力でやった結果だったので、切り替えて次の試合に臨みたい」と語った。 不運も重なった。8回1死一塁。野間への強い打球を打たれたが、一塁正面。打ち取った...かと思ったが、一塁マルテが捕球できず。マルテのミットからこぼれたボールを、慌てて全力ダッシュで西が拾うもオールセーフ。リズムに乗れなかった。 「自分の中で(8回を)投げきりたかった。長打というよりも単打、単打だったので。(松山への四球は)勝負した結果だった。しっかりコースを突いた結果でした。攻めた中での四球。あそこで一番ダメだったのは本塁打だったので」 さらに試合中にはマウンドの土が気になり、左足の着地点を確認。何度も踏み出す足を気にするそぶりを見せていた。カード頭を任されたマウンドとあり、チームを白星に導きたかったが、うまくかみ合わなかった。試合後、矢野監督は「西らしいピッチングをしてくれていた。う~ん。一番苦しいところで悔しいし、勝ちたいけど、勝負している中で仕方ない部分もある」と思いやった。 過去広島戦には5試合投げて3勝無敗だった。4月7日には敵地マツダスタジアムで完封勝利を挙げていた。好相性をキープしたかったが、同率2位で並んで迎えた一戦で、黒星を喫した。「本当はカード頭を取りたかったんですけど...」と、悔しさは募る。その思いを晴らす舞台は、まだ十分にある。【真柴健】

◆広島菊池涼介内野手はポーカーフェースできばをむく。1点を追う8回1死一、二塁。3打席凡退させられた西から、内角シュートを鮮やかに左前に運ぶ同点打。 3球目にハーフスイングをとられた球を「またくるかな」と狙い打ち、バティスタの勝ち越し打も呼んだ。9回2死満塁ではとどめの2点右前打。この回7点の猛攻のきっかけとなり、3戦連続逆転勝ちで5連勝をもぎ取った。 得点圏打率を4割1分4厘に上げ、リーグトップをキープした。チーム状態がどん底を脱した4月、得点圏打率の高さについてこう話している。「得点圏に走者がいれば、いつもかえしてやろうと思ってますけどね」。そして、こう加えた。「勝てないと、絶対かえさないと、と焦りが加わる。勝っていれば、かえしてやろう、と前向きになれる」。打線が上向き、菊池涼の勝負強さが最大限に発揮される状態になってきた。 前回4月7日の対戦で完封負けした西を攻略した。緒方監督は「最後の最後にね。キクが勝負強い打撃でね。8、9回の攻撃はしっかり集中して、お見事のひとこと」と話した。一時は借金8を背負った王者が単独2位に浮上。1ゲーム差の首位巨人を、しっかりと照準に捉えた。【村野森】

◆阪神の女房役の梅野隆太郎捕手は、逆転を許した8回の四球を悔やんだ。1点リードの8回、西は1死走者なしから代打松山に四球を与え、その後3連打で逆転を許した。 「慎重になる部分もあるが、(松山への)四球が響いてきた。あの場面、『大丈夫』などと西へ自分のやれることをもっとやれたら」。ただ、4番鈴木を無安打に抑えるなど8回3失点の内容には「長いイニングを投げるのは簡単なことじゃない。粘り強くいけた」と収穫も口にした。打っては6回の同点打を含む2安打で「得点圏でなんとか打ってやろうと。今後も集中してやっていきたい」と前を向いた。

◆阪神は巨人戦連勝の勢いを持ち込めず、3位に後退した。再逆転を狙ってマウンドに上がったリリーバーが火だるまになった。2-3と逆転されて迎えた9回。1点差の状況で、ベンチは左腕島本を投入した。矢野監督は「あそこで何とか1点差で迎えられてたら大きなチャンスはあったと思う」と、必死の継投で流れを呼び込もうとした。 ところが、島本が2死二塁とピンチを招いて降板。続く守屋も押せ押せムードのカープ打線を食い止めることができない。四球を挟んで4連打を浴びて5失点とまさかの大炎上だ。15日巨人戦の好リリーフでプロ初勝利を挙げた右腕がまさかの背信投球。石崎も会沢に3点適時打を浴びた。9回だけで打者一巡の攻撃で7安打7失点となった。 快進撃を支えてきたのは紛れもなくブルペン陣。だからこそ矢野監督は「やられたことは仕方ないんで。次取り返してくれたら」と3投手を責めなかった。

◆阪神は、17日の広島戦(甲子園)で今年40周年を迎えた大人気アニメ「機動戦士ガンダム」とのコラボナイターを開催。主人公のアムロ・レイが応援団長として場内アナウンスに登場する他、入場者全員に「機動戦士ガンダムコラボナイター限定クリアファイル」のプレゼントや、コラボグッズの販売が行われる。  アムロ・レイが試合前の場内アナウンスを担当し、広島を「赤いユニホーム?シャアじゃないのか。間違いない、ヤツだ!ヤツが来たんだ!」と紹介すると阪神は「阪神タイガース、行きまーす」とファンにはたまらない言い回しを披露した。  15日の巨人戦(東京ドーム)でプロ初勝利を挙げた守屋は「小さい頃、弟の影響で(ガンダムの)プラモデルを作っていました。手先は不器用ですけどね」と笑顔で思い出を語った。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(27)が広島・床田寛樹投手から適時打を放ち逆転に成功した。  広島の先発、床田からなかなか点を奪えないなか、0-1で迎えた六回。1死満塁のチャンスを作ると梅野が左前適時打を放ちまずは同点。なおも1死満塁の好機からマルテがカウント0-1から145キロの直球を左前へはじき返し適時打。この回2点を奪い逆転した。

◆広島の西川が四回2死一、二塁から、12試合連続安打となる先制打を放った。西の外角低めに沈む変化球を巧みなバットコントロールで中前に運び「後ろにつなぐ気持ちだった。うまくバットに乗せて打つことができた」と自画自賛した。  2死無走者からバティスタがチーム初安打となる右前打を放ち、鈴木が四球。3、4番でつくった好機で、4月下旬から主に5番に入る西川が仕事をした。「バティスタがよく走ってくれた」と間一髪のタイミングで生還したチームメートをたたえた。

◆阪神は17日、八回西が逆転され、連勝が2でストップした。広島は四回2死からバティスタの右前打と鈴木の四球で一、二塁とすると、西川の中前適時打打で先制した。1点を追う阪神は六回、1死満塁から梅野が左前適時打を放ち同点。さらに続くマルテも左前適時打を放ち2-1とした。  阪神ベンチは球数が少なかったこともあり、2番手ジョンソンでなく、西続投を選択。だが、八回、1死から代打・松山が四球を選ぶと、野間が一塁内野安打。続く菊池が左前適時打で同点。さらに1死一、二塁でバティスタの左前適時打で2-3と逆転された。  九回に投手陣が打ち込まれ、2-10で敗戦。機動戦士ガンダムとのコラボナイターだったが、終盤とりかえしのつかない点差に広げられ、赤い彗星に敗れた。

◆阪神は17日、甲子園で広島に逆転負けし、連勝は2でストップ。3位に後退した。矢野燿大監督は試合後、8回3失点と粘った先発の西をたたえた。  「西らしいピッチングしてくれてたし。一番苦しいところで(逆転されて)悔しいし、勝ちたいけど、ある意味勝負に行っている中で仕方ない部分はある」  1点リードで勝ちパターンのジョンソンの選択肢もあったが、西の続投については「もちろん。迷いは全然なかったよ」と話した。  1点ビハインドで迎えた九回に投手陣が打ち込まれて、7失点。2-10と大差になった。「あそこで何とか1点差で迎えられたら大きなチャンスはあったと思う。だからこそのピッチャーでいったんだけど、何とかあのまま来てほしかったなっていうのはね、そりゃもちろんこっちの思いではあるんだけど。まあでも、こういう場面で成長できてくると思うんで。きょうやられたことは仕方がないんで。まあ次取り返してくれたらなと思うけどね」と話した。

◆阪神は梅野が2安打と気を吐いた。好機で右前に流し打った四回は鈴木の好返球によって適時打にはならなかったが、1点を追う六回1死満塁から左前に同点打。「得点圏(で打つ)というのは捕手として自分を助ける、バッテリーを助けるもの。今後も続けたい」と息をついた。  ただ、八回に逆転を許したリード面で「四球というのが響いてきた。もう一つやれることをやっておけば良かった」と反省。「負けたので悔しい思いはあるが、西さんも粘り強くいってくれたので、収穫はある」と前向きに話した。

◆広島は中継ぎ陣の好投が逆転劇を呼び込んだ。六回、1-2と逆転されてなお1死満塁のピンチで救援したレグナルトは「打線に流れをつなげようと思った。満塁で不利なカウントにできない。大胆に攻めた」と打者2人を完璧に抑え、追加点を許さなかった。  七回を託された九里は1四球を与えても、1回無失点。直後の八回に味方が逆転し、今季初勝利を手にし「しっかり投げることを意識した。打線が点を取ってくれた結果」と喜んだ。 床田(六回途中2失点) 「(六回の)先頭への四球が全て。細かい制球ができず、力んで引っかけてしまった」 会沢(九回に3点三塁打) 「みんなが集中して、いい攻撃ができた。いい雰囲気になっている」

◆「一回からガンガン打ってくれへんかな。『ぜ、全滅? 3分ももたずにか?』なんて見出しがつくくらいに」  みんながハイテンションでした。  「あ~、今からでも行こうかな。クリアファイルほしい」  運動部長大澤謙一郎、当番デスク(CD)澄田垂穂、整理部デスク矢田雅邦が声をそろえてテレビに見入っています。この日の広島戦は、人気アニメ「機動戦士ガンダム」とのコラボナイターとして行われ、主人公のアムロ・レイが場内アナウンスを担当。入場者全員に限定品のクリアファイルがプレゼントされました。  「クリアファイルは非売品で、当初は先着1万人にプレゼントだったんです。それが、すごい人気で問い合わせが殺到して、全員にプレゼントすることになったんですよ」  タイガースバージョン(黄色)の「MS-06SザクII」がボールを投げ、「RX-78-2ガンダム」がバットを振っているデザインのクリアファイルで、大澤は本当に仕事をほっぽらかして甲子園球場に出かけていきそうでした。  澄田が「小3から、ガンプラ、ガンダムの映画、主題歌のEP盤と、小遣いは全部ガンダムに使っていました」と言えば、矢田も「きょうの見出しは全部、ガンダムにからめる」。最近、タイガースの調子が良かったから、みんな強気だったのです。  編集局の40代が盛り上がっているころ、甲子園球場のトラ番たちはと思って話を聞くと、キャップ大石豊佳は「ガンダムも知っていますが、僕はアニメといえばドラゴンボール...」という反応。世代が違うよなと納得しかけていたら、実は大石より1歳若い31歳の新里公章と、24歳の織原祥平も、編集局の3人に負けないガンダムフリークでした。  新里は日曜日に仕事が終わると、夜中にNHK総合で放送(日曜深夜0・35)されている「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」をチェック。織原も「小学生のころガンプラを10体つくって、勉強机に並べていました。ゲームセンターで操縦席に座ってオンラインで対戦するゲームもやってました」という熱烈ファンです。  「ガンダム世代の中心は40代からですけど、その人たちがパパになって、その子どもも新シリーズを見てファンになっている。プロ野球を親子で観戦する世代とぴったり合うんです」。ガンダムとプロ野球12球団がコラボすることになったのも、そうしたことが理由のひとつらしい。  冒頭の3人の会話に出てきた『3分ももたずにか?』は、最初のシリーズ第33話で、アムロが操るガンダムのあまりの強さに仰天した敵の少将のセリフですが、試合は投手戦に。そして、七回までの2-1から、終盤まさかの...。  さすが広島も上り調子のチーム。簡単に「(カープ)坊やだからさ」とはいきません。八、九回に"赤い彗星"が駆け回って「戦いは非情さ...」となりました。  とはいえ、まだ第1戦を終わっただけ。勝負はここからです。「まだだ。たかがメインカメラをやられただけだ」ですぞ、皆の衆。

◆『鼠穴』(古典落語の演目。ネズミの通る小さな穴から火が入り蔵が全焼する)やー!! しかも、マルテというかなり巨大なネズミを放したのが矢野監督だっていうんだから始末に悪い!!  七回を終え、わが阪神は2-1のリード! 先発の西は本日も省エネの84球で完投勝利も見えてきた。ところが、八回1死から代打・松山に四球を与えた後、野間の真正面の打球をファンブル(なんで記録がヒット?)から逆転を許し、その後は一方的な展開に。  矢野さんね...。結果論じゃなくて、なぜ八回からいつものように大山を一塁(三塁・糸原、二塁・植田)にしなかったのよ~!? マルテって、しょっちゅう守備でミスっているでしょう!! てか、阪神がまだ守りのチームになっていないのを誰よりも認知しているのは監督の貴方でしょう!?  開幕から低迷していたカープが息を吹き返してきた中、本日の八、九回の9得点で完全によみがえったら、鼠穴どころか象穴の大罪である!! なんとも後味が悪い黒星なのだ...。

◆--西は悪くはなかったが  矢野監督 「いやもちろん、西らしいピッチングしてくれてたし。う~ん。一番苦しいところで悔しいし、勝ちたいけど、ある意味勝負いっているなかで仕方ない部分はある」  --九回に一気にいかれた  「最後は点差あいちゃったけど。あそこで勝てる勝てないっていう部分のあと一つのアウトっていうのが大事なってくるんで。まあまあでも、こういう場面で成長できてくると思うんで。きょうやられたことは仕方がないんで」  --西は七回までテンポが良かった。八回の変化は  「打たれた結果から見たらそうなっちゃうし、まあそんなん俺らも西に任せてる部分でね。あれは気持ちも入って、勝負に行ってる結果だから。それをどうこう言うことはない」  --西の続投に迷いはなかった  「もちろん。迷いは全然なかったよ」  --床田に抑えられた  「他のチームだって打ってないしさ。それでもいい攻撃の部分が多かったんじゃない。完全に抑え込まれたとは思ってないしね。チームとして負けたけど、攻撃としてもう1本出ればというのはあるけど、別に完全に抑えられたとは思ってない」

◆糸井は4打数2安打と気を吐き、打線をつなげた。四回には1死から外角低めの135キロスライダーにうまくバットを合わせて技ありの左前打。六回無死一塁からは初球を右前打してつなぎ、一時逆転のホームを踏んだ。これで6試合連続安打。超人には上昇ムードが漂っている。

◆九回途中から登板した守屋は、ピンチをしのぐことができず猛省した。「申し訳ないです。次は絶対にやり返します」。2死二塁の場面でマウンドに上がると、いきなり代打・磯村に左前打。続く野間に四球を与えると、そこから3連打を浴びて5失点。代わった石崎も勢いにのった打線を止められず、「今日は今日、明日は明日で切り替えてやっていきます」と次に向けて気持ちを切り替えた。

◆近本は4打数無安打1四球と快音を響かせることはできなかった。三回2死二塁の先制のチャンスでは遊ゴロに倒れると、0-1の五回2死二塁では見逃し三振。思わず天を仰いだ。「いつも打てる訳じゃないので、練習から考えながらやっていけたら」。得点圏打率・333と勝負強い打撃をみせていたが、結果を残せなかった。

◆敵地・甲子園球場で開催された人気アニメ「機動戦士ガンダム」とのコラボ試合。主役の座を奪ったのは、赤い彗星(すいせい=主人公のライバル・シャアの愛称)...ならぬ赤ヘル軍団だった。  広島が八、九回に計10安打を集めて9得点。5連勝でリーグ単独2位となり、緒方孝市監督(50)は「最後のところでしっかり集中して、お見事のひと言」と、4連覇へ本領を発揮し始めたチームに最大級の賛辞を贈った。  立役者は、アニメで抜群の連携を見せ主人公を苦しめた黒い三連星...ではなく、終盤の2イニングに計5打点を挙げた菊池涼介内野手(29)、サビエル・バティスタ外野手(27)の2、3番コンビだ。  菊池涼は1-2の八回1死一、二塁で同点打。手を焼いた西の内角球に「また来る」と狙いを絞って左前にはじき返し、勝負強さを発揮した。続くバティスタも「(相手は)コントロールがいい。変化球が多い」と、イメージ通りに初球のスライダーを左前に運んで勝ち越し打。「ボールを前に飛ばすことだけを考えた」と食らい付いた。  九回にも2死満塁から菊池涼が2点右前打を放てば、バティスタが左前に適時打。打線を牽引(けんいん)した強打の3番打者は「本当に雰囲気がいい」と陽気にほほ笑んだ。

◆阪神は17日の広島戦(甲子園)で今年40周年を迎えた大人気アニメ「機動戦士ガンダム」とのコラボナイターを開催した。主人公のアムロ・レイ(声優・古谷徹、円内)が応援団長として場内アナウンスを担当。広島を「赤いユニホーム? シャアじゃないのか。間違いない、ヤツだ!ヤツが来たんだ!」と紹介すると、阪神は「阪神タイガース、行きまーす」とファンにはたまらない言い回しを披露した。  入場者全員に「機動戦士ガンダムコラボナイター限定クリアファイル」のプレゼント。「Tシャツ」「フェイスタオル」など、コラボグッズの販売も開始した。  また、29、30日と7月8-10日の巨人戦(甲子園)のガンプラ(タイガースバージョン)付きチケットはすでに完売している。

◆一塁ベース上で右手を大きく挙げた。梅野が一時は同点に追いつく適時打を放ち笑顔を見せた。  「みんながつないでくれたチャンスだったので返すことができてよかった」  0-1で迎えた六回。1死満塁で打席に立つとカウント1-0から床田の低めのスライダーを振り抜いた。打球は三遊間を抜け左前適時打。女房役として西を援護する一打を放った。  四回には2死一、二塁から145キロの直球を捉え右前打を放った。二走・大山が本塁憤死となり得点こそ奪えなかったが、この日は得点圏で2本の安打を放ち、結果を残した。  守っては西をリード。「悔しい思いはありますけどできるようなことはできたかな」と2点を失った八回を悔やむも前を向いた。  ここまで得点圏打率・311と勝負強さをみせている。「得点圏で結果を残すことがキャッチャーとしても自分を助ける。集中して今後もやっていけたら」。攻守の要としてこれからもチームを引っ張る。 (菊地峻太朗)

◆阪神・西勇輝投手(28)が8回3失点で黒星先行となる4敗目。八回に四球から3連打を浴びて逆転を許した。続投が裏目となり、オリックス時代からお得意様だった相手に通算6試合目で、悔しい初黒星となった。  マウンドを降りた後、ベンチで思わず顔をしかめた。西が8回109球を投げ、6安打3失点。しっかりと試合を作ったが、無敗を誇るお得意様に初黒星。いつもの笑顔が消えた。  「最後の場面で、任されたなかで結果を出すのが一番よかったけど、全力でやった結果なので、切り替えて次の試合に臨んでいきたい」  テンポよくコースをついた投球で、"らしさ"が光った。七回まで84球、3安打1失点と完投ペースで順調に鯉打線を抑えてきたが、八回に試合が大きく動く。1死から代打・松山に四球を与えると、そこから上位打線につかまった。野間の一塁内野安打で一、二塁とされ、続く菊池涼に甘く入った140キロを左前にはじき返されて同点とされた。なおも一、二塁でバティスタに外角低めのスライダーをとらえられ、勝ち越しとなる左前適時打を許した。  「(八回は)投げきりたいということだけで、引っかかることはなかった。長打というより単打、単打だったので、コースをついた結果がヒットになったという感じ」  淡々と振り返った西だが、オリックス時代を含め、広島戦ではここまで5試合で3勝0敗、防御率1・46。4月7日のマツダでは完封し、無類の強さを誇っていた。  今季登板8試合目で、7回に届かなかったのは1試合のみ。3点を上回る失点を許したのは、6回5失点だった4月27日の中日戦(ナゴヤドーム)だけと抜群の安定感を誇る。2つの犠打をきっちりと決めた右腕に、矢野監督も「西らしいピッチングをしてくれた。あの1点差を守るっていうのはむちゃくちゃ大変なことだから。気持ちも入って、勝負に行っている結果だから」と揺るがぬ信頼を示した。  「しっかり自分のなかで調整してやっていきたい。カード頭を取りたかったですけど、残念な結果だったので、なんとか明日チーム全体で勝ってほしい」。そう言って西は前を向いた。次こそチームを勝たせるピッチングをする。誰もがそう期待している。 (織原祥平)

◆西の続投に九回の継投。勝負手が裏目となり、矢野監督はくちびるをかみしめた。  「悔しいし勝ちたいけど、勝負にいっている中で仕方ない部分はある」  先発の西は七回まで3安打1失点で84球。「迷いはなかった」と盤石の方程式を温存して八回も続投させたが、2失点で試合をひっくり返された。  さらに2-3で迎えた九回からは左腕・島本を送り出し、2死二塁で相手が右の代打・磯村をコールしたところで守屋にスイッチ。それまで防御率0・96と抜群の安定感をみせてきた右腕に託したが、ここでまさかの大暗転となった。  「何とか1点差で(九回裏を)迎えられたら大きなチャンスはあったと思う。だからこそピッチャーを(つぎ込んで)いったんだけどね」と勝負に出て散った悔しさを押し殺す。それでも「こういう場面で成長できてくると思う。次、取り返してくれたら」と背中を押し、逆襲に期待をかけていた。 (大石豊佳)

◆好事魔多し。打のヒーローが一転、拙守で"赤い"ライバルに流れを渡してしまった。2-1で迎えた八回だ。1死一塁からマルテが野間の放った正面への強烈な打球をミットに当てながら弾き、さらに見失ってしまった。  慌てて後ろへ体を向けたが、ボールは自身の背中側、白球はフェアゾーンへポトリ。西もマウンドから必死にカバーに走ったが走者は一、二塁とされ、ピンチは拡大(記録は一塁内野安打)。  そして、続く菊池涼に同点タイムリー、さらにバティスタに勝ち越しの左前適時打と、1つの守備のほころびから背番号16もカープ打線に一気に飲み込まれた。マルテは六回の梅野の同点打の直後、なおも1死満塁で先発・床田の内角145キロを左前へ弾き返し、一時勝ち越しの適時打で甲子園を沸かせた。  「打てたんですけど、チームは負けたので価値がなくなった。しっかり勝てるようにやっていきたい」  2安打1打点とバットでは仕事を果たしたが...。M砲は厳しい表情のまま、クラブハウスへと引き揚げた。四回にもバティスタの一、二塁間への打球にバウンドを合わせられず、その後西川の先制の中前適時打につながった。いずれもエラーこそつかなかったが、ターニングポイントで助っ人の守備が絡んでしまう展開となった。  清水ヘッドコーチは「(マルテは)次はあそこで守りきれるくらいの頑張りが必要」と苦言を呈し、「(鈴木)誠也に(本塁で)刺されて、うちは刺せなかった。次は刺せるよう、守れるよう頑張っていきます」とチーム全体の奮起にも期待した。やられた分はやりかえすだけだ。 (新里公章)

◆最悪の負けパターンや! 阪神は逆転負けで広島との2位対決を落とし、連勝が2でストップした。1点ビハインドの九回に7失点を食らい、終わってみれば2-10と大敗。通算465本塁打を放ち、西武、中日で打撃コーチなどを務めた土井正博氏(75)=サンケイスポーツ専属評論家=は、3連戦初戦の最後に相手打線を勢いづけたことに"喝"を入れた。  2-3で負けても2-10で負けても、1敗に変わりない-と割り切れることもできるが、3連戦の初戦、しかも九回の7失点は、最悪の負けパターンといっていいだろう。  広島打線は、西の緩急を使った投球に翻弄されていた。八回に逆転したが、そのまま終わっていれば喜べるのは八回に同点打を放った菊池涼、勝ち越し打を放ったバティスタら、ごく一部の選手だけだった。  西から投手が代わったとはいえ、九回は2死から四球をはさんで6連打を含む7安打の集中打。「みんながヒーロー」という形で、ゲームセットとなった。広島ベンチはお祭り騒ぎで、言い方は悪いが「ルンルン気分」で、第2戦に臨める。  九回は島本、守屋、石崎の継投だったが、投手は関係ない。打者とは最後の打席でヒットが出れば、「よし、明日も頑張ろう」となる。第2戦に先発するメッセンジャーにとっては、3失点と10失点では天と地の差。火をつけてしまった打線を抑えるために倍ぐらいのエネルギーがかかるということだ。  ただ、この日の敗因は、西が八回に打たれたことでもリリーフ陣が大量失点したことでもない。0-1の六回の無死一、二塁のチャンスで、大山が空振り三振に倒れた場面だ。  1ボールからの甘い球を見逃し、追い込まれてボール球を振ってしまった。広島・床田の制球がバラつきはじめて、一気に勝負を決めるチャンスだった。福留が四球を選んで、梅野、マルテの連続適時打で逆転して埋もれているが、大山にヒットが出ていたら、10-2で逆のスコアになっていたかもしれない。  大山には福留が第1ストライクから強振しているように、とにかく積極的に振っていってほしい。早いカウントから振っていけば、本塁打も増える。  開幕から40試合前後を消化してセ・リーグは4強の争いになりつつある。左投手を苦手としている中で、最後まで優勝争いをしていくには、右打者が鍵。大山が真の4番になることが必要だ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
22161 0.579
(↑0.011)
-
(-)
104203
(+4)
153
(+1)
50
(-)
21
(-)
0.266
(↓0.002)
3.560
(↑0.07)
2
(-)
広島
22181 0.550
(↑0.012)
1
(-)
102161
(+10)
164
(+2)
38
(-)
24
(-)
0.243
(↑0.003
3.160
(↑0.03)
3
(1↓)
ヤクルト
21192 0.525
(↓0.013)
2
(↓1)
101207
(+3)
199
(+4)
48
(+1)
18
(+1)
0.249
(-)
4.220
(↑0.01)
3
(1↓)
阪神
21192 0.525
(↓0.013)
2
(↓1)
101170
(+2)
184
(+10)
31
(-)
26
(-)
0.245
(-)
3.770
(↓0.16)
5
(-)
中日
18220 0.450
(↓0.012)
5
(↓1)
103143
(+1)
153
(+4)
27
(-)
27
(+3)
0.258
(↓0.003)
3.740
(↓0.01)
6
(-)
DeNA
15250 0.375
(↑0.016)
8
(-)
103147
(+4)
178
(+3)
46
(+1)
7
(-)
0.234
(↓0.002)
4.040
(↑0.05)