巨人(★2対4☆)阪神 =リーグ戦7回戦(2019.05.14)・東京ドーム=
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阪神
0100003004611
巨人
2000000002720
勝利投手:青柳 晃洋(3勝3敗0S)
(セーブ:ドリス(1勝1敗8S))
敗戦投手:アダメス(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】マルティネス(3号・2回表ソロ)

  DAZN
◆阪神は2点を先制された直後の2回表、マルテのソロで1点を返す。そのまま迎えた7回には、代打・北條と糸原の適時打で3点を挙げ、逆転に成功した。投げては、先発・青柳が6回2失点の好投で今季3勝目。敗れた巨人は、打線が3回以降2安打と沈黙し、3連敗を喫した。

◆開幕戦からの連続出塁をセ・リーグ新記録の36試合とした巨人坂本勇人内野手(30)が、同記録を「37」に伸ばせるか。1回は三塁へ強烈なライナーだった。

◆阪神ジェフリー・マルテ内野手(27)が3号ソロを放った。2点を追う2回。2死走者なし、カウント2-2から左腕高橋の直球をフルスイング。 左翼席に突き刺した。10日中日戦で2号2ランを放った後は、11打席無安打。打率は1割8分6厘と落ち込んでいた。自身初の「伝統の一戦」で復活ののろしを上げた。

◆巨人が初回に2点を先制した。 1回、先頭打者の重信慎之介外野手が阪神青柳の初球を左中間へとはじき返して三塁打。「クッションでもたついていたので、走塁も積極的にいきました」と相手の守備のわずかなほころびを見逃さない好走塁で好機をつくった。 続く坂本勇人は三塁ライナーに倒れたが、3番丸が右中間へと適時二塁打を放って、先制。「得点圏だったので積極的にいきました。いい結果になって良かったです」と打線に勢いづけると、なおも1死二塁で4番岡本が二遊間を破る適時打で2点目。「なんとかしたいと思っていたので良かった。いいところに転がってくれました」と4番の役割を果たした。 1番から4番、上位打線で阪神から先手を取った。

◆巨人丸佳浩が7試合ぶりの適時打を放った。 1回1死三塁、阪神青柳の真ん中に入った125キロスライダーを逃さず、右中間へはじき返した。4日の広島戦以来の適時二塁打で先制した。痛烈な一打を「得点圏だったので積極的にいきました。いい結果になって良かったです」と振り返った。

◆開幕戦からの連続出塁をセ・リーグ新記録の36試合としていた巨人坂本勇人内野手(30)の記録が止まった。 三直、三振、投ゴロ、三振、二飛に終わった。 坂本勇は試合前まで今季東京ドームで打率4割3分5厘の高打率で15試合すべてで安打を打っていたが、この日は本拠地での相性の良さを発揮できなかった。

◆巨人高橋優貴投手(22)の4勝目はならなかった。 2回に阪神マルテにソロを浴びるも、スライダーを軸に粘り強い投球で6回1失点と好投した。勝ち投手の権利を持って6回終了後に降板したが、後続が逆転を許したため、勝利ならず。それでも防御率は1点台に突入するなど、安定した内容を続けている。 「前回の登板と同じく調子は良かったと思います。1点差だったので、追いつかれないようになんとか粘り強く投げられました。二死から四球、安打でランナーを出してしまったので、次の登板の課題にしたい。四球を1つしか出さなかったのは良かった。ストライク先行で、攻めの投球ができたと思います」とコメントした。

◆阪神が逆転勝ちで昨季からの巨人戦の連敗を9で止めた。1-2の7回、代打北條の適時打で追い付き糸原の2点適時打で勝ち越した。青柳が6回2失点で3勝目。巨人は先制しながら追加点を奪えず今季初の3連敗。巨人坂本勇は5打数無安打で開幕からの連続出塁試合は「36」でストップした。

◆巨人先発は高橋、阪神は青柳。巨人は1回に丸、岡本の適時打で2点を挙げる。阪神は2回にマルテの3号ソロで1点を返す。 中盤は両先発が踏ん張る投手戦。巨人高橋は6回1失点と好投し、継投へ。阪神青柳は初回に2失点も、2回から6回まで無失点。 阪神は7回に3得点して逆転。今季の巨人戦の連敗を6で止めた。青柳が3勝目、ドリスが8セーブ目を挙げた。巨人は今季初の3連敗。坂本勇の連続出塁は36試合で止まった。2番手アダメスが今季初黒星。

◆阪神が令和初の「伝統の一戦」を制し、開幕から続いていた巨人戦連敗を6で止めた。 1回に先発青柳晃洋投手(25)が2失点して先手を奪われたが、2回にジェフリー・マルテ内野手(27)が3号ソロを放って、すぐに1点差とした。 青柳も2回以降は立ち直って得点を許さず、試合は1点差で終盤へ。7回2死一、二塁で代打北條史也内野手(24)が同点の左前打。さらに、2死満塁から糸原健斗内野手(26)が勝ち越しの2点中前打を放った。 リードを奪って迎えた7回にベンチはピアース・ジョンソン投手(28)を投入。ジョンソンも巨人の上位打線を抑え込むと、8、9回も自慢の救援陣が仕事を果たし、逃げ切った。 阪神は昭和と平成でも対巨人の初戦で勝利しており、3時代の「伝統の一戦」初戦の勝者に。首位巨人と2ゲーム差となった。 ▽阪神青柳「立ち上がりからリズムが悪くなってしまいましたが、野手の方々がしっかりと守ってくれたおかげで何とか先発投手としての役割を果たすことができました。逆転してくれた野手の方々に感謝します」 ▽阪神北條「チャンスの場面での代打だったので、初球から思いきっていった結果がヒットになって良かったです」 ▽阪神糸原「みんながつないでくれたチャンスだったので、何としてもかえそうという強い気持ちで打ちました。やぎ(青柳)も頑張って投げてくれていたので、勝ち越すことができて良かったです」

◆阪神が巨人に逆転勝ちし、今季このカード初戦からの連敗を6で止めた。2点を追う阪神は2回、マルテの3号ソロで反撃開始。7回には代打北條の左前打で同点。さらに2死満塁と攻め、糸原の2点適時打で勝ち越した。今季の巨人戦で初めて奪ったリードを、青柳の後を受けたジョンソン、藤川、ドリスが守った。 決勝打の糸原のヒーローインタビューは以下の通り。 -満塁の場面でした。どんな思いで打席に 糸原 絶対打ってやろう、という気持ちで打ちました。 -打球はセンター前へと抜けていきました。どのような思いで一塁に向かわれましたか 糸原 めちゃくちゃうれしかったです。 -令和になって初めての伝統の一戦。タイガースは平成最初の伝統の一戦も勝利。時代の節目に、タイガースはジャイアンツに強いですね 糸原 これまでやられてたんで、やり返してやるっていう気持ちで、今日は絶対勝ちたいと思ってたんで、よかったと思います。 -今シーズンはジャイアンツに対して少し苦しい思いをしていました。時代も変わり、1勝目。明日も試合が続きます。明日に向けて一言お願いします 糸原 すごく声援が聞こえてるので、明日もファンの期待に応えられるように頑張ります。

◆阪神マルテが豪快な1発を突き刺した。 2点を追う2回2死無走者で、ルーキー左腕高橋の甘く入った直球を一振り。左翼席中段まで弾丸ライナーで運んだ。「1点が欲しいイニング。点が取れて良かった。いい感じで当たってくれた」。初出場となった「伝統の一戦」については「雰囲気を楽しめた。明日も頑張ります」と頼もしい言葉を残した。試合後、昨季ともにプレーしたエンゼルス大谷が術後初となる本塁打を打ったと伝え聞き、「え、そうなの? 知らなかった」と元同僚の活躍を喜んでいた。

◆巨人ドラフト1位左腕の高橋優貴投手が、6回1失点も4勝目はつかめなかった。2回にソロを浴びたが、コーナーを丁寧につき、3安打1四球。 勝利投手の権利を持って降板した。全6戦中4戦で6回自責3以内のクオリティースタートを達成し、規定投球回まで2/3回不足も防御率は1・98。「役割は果たせたかなと思いますが、チームが勝ってこそ。反省すべきところは反省したい」と振り返った。

◆阪神青柳晃洋投手(25)が、巨人も坂本勇も止めた。初回に2失点し再三ピンチを招くも、粘り続けて6回7安打2失点。「野手が点を取ってくれて、たまたま勝ちがついたので、野手の方に感謝ですね」。降板後に味方が逆転し、今季3勝目をつかんだ。 注目の対戦にも勝利した。開幕から36試合連続出塁と、セ・リーグ記録を打ち立てた坂本勇と3度、真っ向勝負。初回の第1打席こそ大山の好捕に助けられたが、2回1死二、三塁では低めのスライダーで空振り三振。5回は投ゴロに打ち取った。通算18打数2安打と好相性の相手に仕事をさせず。「記録は僕だけではなく、チーム全員で止められた。ピンチで三振を取れたのは良かった」。リリーフ陣も続き、この試合で大記録を止めた。 前日13日に「もちろん、(記録を)そりゃ止めたい」と意気込んでいた矢野監督も、孝行息子をほめた。「あの後(初回後)は粘ってくれたのが一番の勝因かもしれない。あの粘りを成長と、こっちは受け止めたい」。今季巨人戦初勝利をたぐり寄せる大仕事だった。 グラウンドの外でも孝行息子だ。帝京大2年の時、春季リーグの城西大戦で先発完投し初勝利を挙げた。試合後、スタンドを見上げると母がいた。初めてのウイニングボール。青柳はグラウンドからスタンドの母に向かって投げ入れた。「感謝しかないですね。結婚してより一層そう思いました」。昨オフに結婚し、さらに感謝の思いがつのった。今月12日の母の日。プロ入り後初めて贈り物をした。「使いやすかったので」と夫人と一緒に選んだ包丁を、互いの母におそろいでプレゼント。「奥さんの方にも親がいる。2人に感謝という気持ちです」。喜ばせたい相手が増え「ありがとう」の思いも2倍になった。 今季初登板となった4月3日の巨人戦(東京ドーム)は5回5安打4失点で敗戦。粘ってもぎとった1勝は、価値ある1勝だ。【磯綾乃】

◆9回2死、巨人坂本勇人内野手が阪神ドリスの初球、内角高めの148キロを打ち上げた。二飛で試合終了。 5打数無安打に終わり、開幕から続けた連続試合出塁が36試合でストップ。チームも今季初の3連敗を喫した。 1回無死三塁の好機では、三塁線へのライナーを大山のダイビングキャッチに阻まれた。2回1死二、三塁では、スライダーに空振り三振。昨季まで通算15打数2安打、打率1割3分3厘だった天敵、阪神青柳に3打数無安打に封じられた。セ・リーグ記録は22年ぶりに更新したが、40試合の日本記録には届かず。原監督は「レコードとしては素晴らしいものを残した。明日からまた新たなスタートというところでいいと思いますね」と言った。 先発高橋は6回1失点と好投したが、1点リードの7回にアダメス、戸根で逆転を許した。指揮官は「リリーフ投手は接戦の時にどういうピッチングをするか。本人たちも課題を持っているはずですね。点数が離れた時はそこそこできるのは分かっている」と指摘した。3連敗中の得点は全試合2点以下。打線も1回以降追加点を奪えず「スミ2というところでしょうね。ゲームを支配するという点では、2点ではかなり投手陣に負担がかかる」と言った。【前田祐輔】

◆阪神の守護神ラファエル・ドリス投手が9回を締めて、坂本勇のセ・リーグ新記録も食い止めた。 開幕から36試合連続出塁で、それまで4打数無安打。9回2死で対戦し、初球の内角速球で押し込み、二飛に片づけた。「(記録は)もちろん知っていたよ。でも、あの場面は考えてなかった。自分の球を信じて投げた」。3者凡退で今季8セーブ目。リーグトップの中日鈴木博を3個差で追う。

◆逆転の虎で令和初の「伝統の一戦」を制した。阪神は1-2の7回に代打北條の適時打で追いつくと、主将糸原の2点適時打で勝ち越した。巨人戦は開幕から6連敗、昨季から9連敗だった。虎党の溜飲を下げる勝ちっぷりで、負の連鎖を止めた。矢野監督も「忘れられないジャイアンツ戦初勝利」と大興奮だった。これで首位巨人と2ゲーム差。さあ、ここから反攻だ。攻めダルマの継投も大きかった。阪神矢野燿大監督の勝負勘がさえたのは7回の攻防だ。3点を奪って逆転すると、必勝リレーに入る。迷いなく投入したのは、普段は8回に登板するジョンソンだ。今季初めて7回先頭からマウンドへ。指揮官は、その意図を明快に説明した。 「点も取ったところ。野球って流れがある。そこを止めるためにはジョンソンかなというので行った」 鮮やかな采配で勝機を手放さない。1番重信からの上位打線。坂本を外角低めスライダーで空を切らせ、岡本も低めに曲げて空振り三振だ。脅威の布陣を無失点に封じ込め、もっとも危険なイニングを乗り越えた。ジョンソンも「どのイニングでも気持ちは変わらないよ。3点取ってくれた間にしっかり準備できた。坂本選手はすごい打者。記録を止められたのは良かった」と胸をなでおろした。 責任重大な8回はベテラン藤川に託す。150キロ速球で空振り三振2つ。指揮官も「最近の球児のボールを見ていてもね。そこは球児で任せようと」と振り返った。最後はドリスが豪快に締めくくって白星をつないだ。チームの救援防御率3・04はリーグ1位。自慢のリリーフ陣が光った。【酒井俊作】

◆阪神が令和初の「伝統の一戦」を制した。 1-2の7回に代打北條史也の適時打で追いつくと、糸原健斗の2点適時打で勝ち越した。巨人戦は開幕から6連敗、昨季から9連敗だった。糸原は「やり返したいという気持ちだった」と振り返った。虎党の溜飲を下げる勝ちっぷりで、負の連鎖を止めた。矢野燿大監督も「めちゃくちゃうれしい。チーム全員で勝った1勝やと思う。そういう意味でも忘れられないジャイアンツ戦初勝利になった」と興奮気味に話した。

◆阪神北條史也が貴重な同点打を放った。 1点を追う7回2死一、二塁。代打で登場し、3番手戸根の初球、144キロ外角のツーシームを振り抜いた。「目付けをしっかりして高めに来たら、初球から振ろうと。良いところに落ちてくれた」。打球は左翼重信の前にポトリ。矢野監督は中谷らも残る中での起用について「きれい事でもなくてあいつ、ベンチでほんまに声出してて。あそこは北條でというのが自分の中にあった」。途中出場が続く男の気持ちが、打球に乗り移った。

◆逆転の虎で令和初の「伝統の一戦」を制した。阪神は1-2の7回に代打北條の適時打で追いつくと、主将糸原の2点適時打で勝ち越した。 巨人戦は開幕から6連敗、昨季から9連敗だった。虎党の溜飲を下げる勝ちっぷりで、負の連鎖を止めた。矢野監督も「忘れられないジャイアンツ戦初勝利」と大興奮だった。これで首位巨人と2ゲーム差。さあ、ここから反攻だ。虎のキャプテンが悪夢の連敗地獄をストップさせた。2-2の同点に追いついて迎えた7回2死満塁。打席に向かったのは目をぎらつかせた2番糸原だ。カウント2-1から左腕戸根の4球目。内角143キロに食らいつくと、打球は二遊間を抜けてセンター前に弾んだ。 「満塁なので決めてやるという強い気持ちだった。みんながつないでくれたチャンスだったので走者をかえしたかった。ヤギ(青柳)も頑張って投げてくれていたので」 三塁マルテに続き、二塁北條も本塁を駆け抜けると、三塁ベンチは大騒ぎ。打った糸原は、一塁塁上で右手を突き上げた。 指揮官の熱く激しいタクトに兵が応えた。矢野監督は「あそこしかないというくらいの思いでいった。俺も積極的にいきたいし、いなくなったらいなくなってから考えればいいかということで思い切って」と勝負どころを振り返った。1-2と1点ビハインドで迎えた7回の攻撃。虎の将が攻めダルマと化した。 初っぱなからだ。まずは先頭福留が代わりばなのアダメスから中前打を放つと、迷うことなく代走江越を投入した。1死一、二塁で巨人ベンチが左腕戸根をマウンドに送り込むと、木浪に代えて上本、続く青柳には北條と怒濤(どとう)の代打攻勢。その北條が同点となる左前適時打を放ち、糸原のV打につながった。 開幕から続いていた巨人戦の連敗は「6」でストップした。ヒーローの糸原は「やり返したいという気持ちだった」と振り返った。矢野監督は「めちゃくちゃうれしい。チーム全員で勝った1勝やと思う。そういう意味でも忘れられないジャイアンツ戦初勝利になった」と興奮気味に話した。令和初の「伝統の一戦」。負けられない戦いを矢野阪神が制した。【桝井聡】

◆巨人坂本勇人内野手(30)が開幕から続けてきた連続試合出塁が、36試合でストップした。 5打数無安打で、チームも今季初の3連敗。個人記録には「それはいいでしょう」と関心は示さず「3連敗することはある。反省を生かして、明日はエースが投げるんで、何とか勝てるようにしたい」と切り替えた。 1回無死三塁では、三塁線へのライナーを大山のダイビングキャッチに阻まれた。2回1死二、三塁ではスライダーに空振り三振。前回対戦まで15打数2安打、打率1割3分3厘だった天敵の青柳に、3打数無安打と封じられた。セ・リーグ記録は22年ぶりに更新したが、40試合の日本記録には届かず。原監督は「レコードとしては素晴らしいものを残した。明日からまた新たなスタートというところでいいと思います」とたたえた。

◆巨人は1点リードの7回にアダメス、戸根で逆転を許し3連敗を喫した。原辰徳監督は「リリーフ投手は接戦の時にどういうピッチングをするか。点数が離れた時はそこそこできるのは分かっている」と指摘した。 連敗中の得点は1、1、2点。打線も1回以降追加点を奪えず「スミ2、というところでしょうね。ゲームを支配するという点では、2点ではかなり投手陣に負担がかかる」と言った。

◆阪神が令和初の「伝統の一戦」を制し、開幕から続いていた巨人戦連敗を6で止めた。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -ベンチも大盛り上がり これだけやられてるっていうことは、僕ら自身も分かってます。勝ちたいという気持ちが、勝ったときにみんなの喜びになって表れていると思います。 -7回は打線がつながった あそこしかないというぐらいの思いで行った。レギュラーが打つのは本当にうれしいですけど、控えの北條がね。ベンチでいつも一番声を出している選手が、あそこで打ってくれるのはすごくうれしい。そのあとも(糸原)健斗の意地で逆転してくれました。ホントに青柳も。みんなヒーローにしたいですけど。いい場面で打ってくれました。 -坂本の記録も止めた 単なる1勝かもしれんけど、うちにとっては単なる1勝ではない。坂本を止められたこともそういうことにつながるかもしれん。明日、菅野をやっつけられれば、本当にうちのチームの戦い方が乗っていける。今日勝ったことを明日に生かせるようにしていきたい。 -巨人戦初勝利だ ああ、そういうことか。本当に苦しいジャイアンツ戦になって。その他の試合で選手たちが本当によくやってくれた。自分のなかで意味がある、令和になって1勝になる。いまはちょっと興奮しているからアレやけど、あとからかみしめられる1勝になると思う。

◆巨人は14日、令和最初の伝統の一戦となる阪神7回戦(東京ドーム)を戦う。試合に先立って先発メンバーが発表された。阪神の変則右腕・青柳に対し、巨人は重信、丸、亀井、大城、田中俊と野手8人中5人の左打者を並べた。青柳の今季の左右別被打率は対右打者が・148、対左打者が・292。ドラフト1位・高橋(八戸学院大)は大城と初タッグを組む。巨人は勝てば対阪神で開幕7連勝となり、過去最多に並ぶ。

◆巨人・丸佳浩外野手(30)が14日、令和最初の「伝統の一戦」となる、阪神7回戦(東京ドーム)に「3番・中堅」で先発出場。一回1死三塁の1打席目に、先制の右中間適時二塁打を放った。  「得点圏だったので、積極的にいきました。いい結果になってよかったです」  相手先発・青柳が投じた4球目、125キロのスライダーを捉え、強烈な打球が右翼手・糸井の横を抜けていった。この回は、先頭・重信が1球目を左中間三塁打として、無死三塁。試合前の時点で、開幕から36試合連続出塁中の坂本勇に回り、三直に倒れた直後だった。

◆阪神のジェフリー・マルテ内野手(27)が14日の巨人戦(東京ドーム)で3号ソロを放った。  2点を追う二回二死走者なしで巨人のドラフト1位左腕・高橋優貴投手(八戸学院大)の直球を一閃。10日の中日戦(甲子園)で又吉から放って以来のアーチを描いた。

◆巨人・重信慎之介外野手(26)が14日、令和最初の「伝統の一戦」となる阪神7回戦に「1番・中堅」で先発出場。一回先頭で、相手先発・青柳の1球目を左中間三塁打とした。  「積極的に打ちにいくことができました。クッションで、もたついていたので走塁も積極的にいきました」  言葉通り、躊躇(ちゅうちょ)なく二塁ベースを蹴り、快足を飛ばして三塁を陥れた重信。一死後には、丸の右中間適時二塁打で先制のホームを踏んだ。

◆巨人・岡本和真内野手(22)が14日、令和最初の「伝統の一戦」となる阪神7回戦(東京ドーム)に「4番・一塁」で先発出場。1点を先制した直後の一回1死二塁から、中前適時打を放った。  「なんとかしたいと思っていたのでよかった。いいところに転がってくれました」  しぶとく中前に運んだ。相手先発・青柳が投じた5球目、126キロの外角スライダーに食らいつき、バットの先っぽで捉えた。

◆阪神のマルテが10日の中日戦以来、3試合ぶりの本塁打となる3号ソロを放った。二回に高橋の直球を捉えた打球はライナーで左翼スタンドへ。「(得意の)ゾーンに来た球をしっかり打つことを意識したい」と意気込んでいたスラッガーが、会心の当たりで期待に応えた。  中軸として期待されていたが、右ふくらはぎの張りで出遅れ、4月29日にようやく初出場。なかなか成績が上がらない中でも「一日一日いいリズムになってきている」と手応えを口にする。  調子を上げつつある新戦力に、矢野監督も「徐々に対応しているし、いろいろ勉強してくれている」と目を細める。米大リーグで通算30本塁打をマークした右打者の存在感が日に日に増している。

◆阪神が巨人戦今季初勝利に向け、七回に打線が爆発した。一回に2点を先制されながらも、二回にジェフリー・マルテ内野手(27)の3号ソロで1点差に。すると七回、2死一、二塁のチャンスで代打・北条史也内野手(24)が左前適時打を放ち同点。さらに2死満塁とすると、糸原健斗内野手(26)が中前に逆転の2点打を放ち4-2とした。  代打で期待に応えた同点打の北條は「チャンスの場面での代打だったので、初球から思い切っていった結果がヒットになってよかったです。いいところに落ちてくれました」とコメント。  阪神は今季の巨人戦はここまで6戦全敗。1987年に開幕から7連敗して以来の屈辱を喫していた。

◆阪神は14日、令和最初の伝統の一戦となる巨人7回戦(東京ドーム)で4-2で逆転勝ち。今季の巨人戦はここまで6戦全敗だったが、7戦目で待望の初勝利を挙げた。  七回に打線が爆発した。一回に2点を先制されながらも、二回にジェフリー・マルテ内野手(27)の3号ソロで1点差に。七回、2死一、二塁のチャンスで代打・北条史也内野手(24)が左前適時打を放ち同点。さらに2死満塁とすると、糸原健斗内野手(26)が中前に逆転の2点打を放ち4-2とした。

◆巨人は14日、令和最初の伝統の一戦となる阪神7回戦(東京ドーム)で2-4で逆転負け。対阪神は開幕6連勝を飾っていたが、7戦目で初黒星を喫した。開幕戦から36試合連続出塁だった坂本勇人内野手(30)はこの日、5打数無安打に終わり、1983年にスティーブ(西武)がマークした40試合連続出塁のプロ野球記録更新はならなかった。

◆阪神が14日、東京ドームで巨人に逆転勝ち、今季の伝統の一戦での連敗を6で止めた。七回2死一、二塁のチャンスで代打・北条が左前適時打を放ち同点。さらに2死満塁で糸原が中前に勝ち越しの2点打を放った。  阪神は2点を追う二回、マルテの3号ソロで1点を返した。七回に福留の中前打を足掛かりに2死一、二塁とし、代打・北條の左前適時打で同点。さらに四球で満塁となり、糸原の中前適時打で2点を勝ち越した。投手陣は青柳、ジョンソン、ドリスが坂本勇を無安打に抑え、坂本勇の開幕からの連続出塁記録は36でストップした。

◆阪神・糸原健斗内野手が14日の巨人戦(東京ドーム)の七回2死満塁、中前へ決勝の2点打。敵地でのヒーローインタビューで「やり返してやると思っていた」と笑顔で語った。  --満塁の場面でした。どんなことを考えて打席に  「絶対打ってやるという気持ちで打ちました」  --令和最初の巨人戦で勝利。昭和も平成も初戦は勝っている  「これまでやられていたので、やり返してやると思っていた。きょうは絶対に勝ちたいと思っていたので、よかったです」  --あすへ向けて  「すごく...あの~、声援が聞こえています。あしたもファンの期待に応えられるように、頑張ります」

◆阪神・矢野燿大監督は14日の巨人戦(東京ドーム)に4-2で勝利。開幕から6連敗中だった宿敵に初勝利。試合後のテレビインタビューで「めちゃくちゃうれしい」と声を弾ませた。  --巨人に初勝利  「前半苦しい展開でしたけど、青柳も頑張りましたし。1勝できたんで、めちゃくちゃうれしいです」  --ベンチも大盛り上がり  「これだけやられてるっていうことは、僕ら自身も分かってますし。勝ちたいという気持ちが、勝った時にみんなの喜びになって表れたと思います」  --七回は打線がつながった  「あそこしかない、というぐらいの思いで行ったんですけど。レギュラーが打つのは本当にうれしいですけど、控えの北條がね。ベンチでいつも一番声を出している選手がね。あそこで打ってくれるのはすごくうれしいですし。そのあともケントの意地で逆転してくれましたし。ほんとに青柳も。みんなヒーローにしたいですけど。いい場面で打ってくれました」  --七回はジョンソンを  「点も取ったところですし、野球って流れがあるんで。そこを止めるためにはジョンソンかなっていうので行きました」  --あすは菅野が相手  「戦いやすいね、第1戦を取れたので。大きなムードになったので。あしたもこういう勢いで、タイガースらしい野球でリベンジしたいと思います」

◆巨人の高橋は2-0の二回にマルテに許したソロを悔やんだ。「勝ち越しや同点にされなかったのはよかったが、防げる1点だった」と反省した。  それでも三~六回は二塁を踏ませず、6回1失点にまとめる好投を見せた。スライダーを中心にカウントを稼ぎ「立ち上がりも良くなってきていると思う。四球も少なくなってきている」と手応えも口にした。 坂本勇(青柳に3打席無安打に抑え込まれるなど開幕からの連続試合出塁が36で止まり) 「なかなか簡単に打たせてくれない投手。よく苦労させられる」 重信(一、二回に長打) 「その後にチャンスメークできなかった。安打じゃなくても塁に出られれば良かった」

◆ヤクルトの原は毎回走者を背負う苦しい投球だった。6失点(自責点3)で五回途中に降板し、黒星先行となる3敗目。「序盤に点を取ってくれたのに粘れずに申し訳ない」とうなだれた。  打線が2-1と逆転した直後の三回はバティスタに2ランを浴び、再びリードしてもらって迎えた五回は2死から村上の失策で追い付かれて救援を仰いだ。中継ぎ陣も失点を重ねて完敗した小川監督は「点を取っては取られるという形。踏ん張ってほしかった」とため息をついた。 雄平(三回に適時二塁打) 「とにかく後ろにつなぐ意識。大振りせず、コンパクトに打てた」 村上(三回に適時打を放ったが、五回に痛い失策) 「またあす頑張ります。すいません」 山田哲(途中交代した11日以来の出場で、1安打2四球) 「いい当たりもあったし、あすもいいところで打ちたい」 ヤクルト・田畑投手コーチ(黒星の原に) 「流れを持ってくることができなかった。反省して次に生かしてほしい」 視察した日本代表の稲葉監督 「(広島の鈴木は)三拍子そろった素晴らしい選手。4番も当然視野に入れている。(ヤクルトの村上は)レギュラーをつかむところで必死だと思う。経験を積みながら、どんなプレーヤーになっていくか楽しみ」

◆阪神の糸原が七回に勝ち越し打を放った。代打攻勢で同点として、さらに2死満塁で迎えた場面。2ボール1ストライクからの4球目、内角への直球を中前へ運び2点を勝ち越し「絶対に打ってやるという強い気持ちで打った」と誇らしげだった。  1死一、二塁で代打上本は空振り三振に倒れたが、続く代打北條が左前へ同点打を放ってつなげた好機だった。巨人から今季7戦目で念願の初勝利を収め、主将も務める糸原は「絶対勝ちたいと思っていた。やられている分やり返すという気持ちをもっていい勝ち方ができた」と充実感をにじませた。 藤川(八回に登板し無失点) 「まだまだやり返さないといけない。明日も倒さないと」 矢野監督(昨年から続く巨人戦の連敗を9で止め) 「勝ちたいという気持ちが、勝った時のみんなの喜びに表れていた」

◆(TVインタビュー)  --七回は打線がつながった  「あそこしかないというぐらいの思いでいったんですけど、レギュラーが打つのは本当にうれしいけど、控えの北條がね。ベンチでいつも一番、声を出している選手が、あそこで打ってくれるのはすごくうれしいです」  (記者の囲み)  --青柳について  「やっぱり立ち上がりって難しいしね。でも、あの後は粘ってくれたというのが一番の勝因かもしれない。あの粘りを成長と、こっちは受け止めたいなと思う」  --七回は勝負と  「追いつかないと勝ちはないんだから。そういうところでも、どんどんいくしかないっていう気持ちは持って。あの回が、そういうふうに見えるって形になったかな」  --結果的に坂本勇も抑えられた  「ウチにとっては単なる1勝ではない。明日、菅野をやっつけるってことになれば、本当にウチのチームが乗っていける。今日、勝ったことを、明日に生かせるようにしていきたい」  --巨人戦初勝利  「ああ、そういうことか。いろんな、自分のなかで意味がある、令和になって(初の)1勝になるのかな。今はちょっと興奮しているからアレやけど、あとからかみしめられるような1勝になると思う。チーム全員で勝った1勝やと思う」

◆"八回の男"ジョンソンが七回に登板。1死から開幕36試合連続出塁中だった坂本勇を空振り三振に斬るなど、1回無失点で任務完了。「(坂本勇の)記録のことは知っていたし、止めたという意味ではよかった」。19試合の登板で驚異の防御率0・47。「どんなイニングでもやることは変わらない。(攻撃陣が)3点を取ってくれた間に準備ができました」と頭を下げた。 八回を任せてきたジョンソンを七回に投入したことについて阪神・金村投手コーチ 「あそこはPJ(ジョンソン)が最善かなと。相手の打順を見ながら、(今後も)変わる可能性はある。勝ちパターンはもう手放し状態ですね」

◆きょうはどんな気分です...と、東京ドームからいきなり編集委員上田雅昭のガラガラ声の電話です。  それがなぁ...こっちにはコレという根拠も材料もないんや...。そっちは東京出張なんやから、なんぞ(明るいネタ)あるやろ...と言ったら、彼は突然、電話口で歌い出しやがったのです。  ♪なるようになるゥワ...ケ・セラ・セラ...。  そうです。この13日に肺炎のために亡くなったドリス・デイさんの世界的なヒット曲を、いきなり耳元で歌われてごらんなさい。おじさんとしては思わず♪ケ・セラセラぁ...と令和、違う「昭和」違う「しょうわ(唱和)」しちまったのであります。  ま、読者の皆さま、そんなにギスギスしないでください。ふざけてるんじゃないです。私めは大阪・難波の編集局で今にも泣き出しそうな大阪の空をみつめて...下をむくと涙がドドッとあふれてきそうなので、上を向いてばっかりでした。  別に上田編集委員も「虎ソナ班」の私めもヤケクソじゃない。ナメられてたまるか! という気概を持っていたのです。試合前は...。  なにしろモニターTVは、朝からメジャーの中継で「ついに出た! オータニさ~ん」というホームラン絶叫のリフレインばっかり。うらやましいったらありゃしない。投げさせても、打たせても、そして走らせてもかっこイイ...よだれが出そうですヮ。  この日の東京ドームの記者席には、大阪から運動部デスク阿部祐亮がちょこんと座ってました。おい、そんなトコで何をしとるん...といえば阿部は「言われるだろうと思いましたョ。だって阪神ベンチでも福留さんや、岩田投手に糸原選手と次々と僕の顔を見て『ん、どうしたんスか。何かあったんスか...』とヒヤかされて困りました。つまり...チームが快進撃してたら誰もヘンな想像はしないでしょ。タマの出張に肩身も狭いんですョ」。わかるなぁ...昔は俺だってズッと言われたものだ。  ま、とにかく阿部は食い入るようにゲーム前の巨人の練習ぶりを注視していた。そしておもむろに言うのだ。  「ウーン...正直言えば坂本選手は好調ですヮ...」。まったく、もうどいつもこいつも...でした。  しかし...です。青柳は肩を上下させながらも、ナントか巨人打線をかわしていくじゃないですか。ひょっとしてあんなに悲しそうな顔をしているのに心の中ではドリス・デイさんの歌をズッと口ずさんでいたのかもしれませんヮ♪ケ・セラ・セラ なるようになるゥ...先のことなどわからないィィ...。一回の26球の巨人のネチャッとした攻撃には「ああ、今夜もまたあの元号『令和』発表の直後の4月2日からの悪夢のドーム3連敗が頭をよぎりました。  だが"時"は微妙にチームを変えていたのか。七回、ついに阪神は3点をとって逆転。つまり宿敵相手に「令和初」の優位に立ったのだ。  そういえば上田編集委員は試合前にこう言ってましたゾ。「ケ・セラ・セラ...最後はドリスが出てきて...抑えよるヮ、なるようになる...」  てんやわんやだが、とにかく虎は全員野球で一矢報いた。最後もドリスが、開幕から36試合連続出塁していた坂本勇も止めた。  たかが1勝、されど1勝。令和のタイガースは強いんです!

◆1点を追う七回先頭、逆転劇の口火を切ったのは福留だ。右腕アダメスの直球を鋭く、中前へ。「先頭だったし、塁に出ようと思っていたよ」。直後に代走・江越を送られ、お役ご免となったが、勝負師らしさを発揮。「北條だったり、糸原もうまく打ったし、青柳も頑張って投げていたから」。最後まで後輩の働きをたたえていた。

◆守護神ドリスは九回を三者凡退に抑えて8セーブ目。2死からは開幕から36試合連続出塁中だった坂本勇を迎えたが、初球148キロの直球で二飛に仕留めて記録をストップさせた。「記録は知ってたけど、あの場面では考えていなかったよ」と自分の仕事に集中。ジョンソンを七回に投入するなど継投は変わったが、最後に仁王立ちしてみた。

◆「あれ~、ダンカンさん、興奮の逆転勝利なのに、妙にクールじゃないですか?」「いや~、阪神だって7試合もやれば一つくらい勝ちますよ」と冷めたセリフを残し、俺は記者席を後にしたのだった。  向かった先は、東京ドームのトイレ。あたりに人の気配がないのを確認した俺は大きい方の扉を開け、慎重に鍵をかけると「どひゃ~、うれしい~。勝った、勝った、巨人に勝ったぁ! 今年初めて勝ちました~!! おまけに、坂本勇の開幕からの連続試合出塁をストップさせちゃったもんね~。や~い、巨人負け、負け~!!」と、とても大人とは思えない行動をとったのだった。  七回の代打・北條、よくぞ同点タイムリーを打ってくれた~。レギュラーの座を奪い返してくれてもいいぞ~!! 糸原、決勝の2点打はしびれた~。猛虎のキャプテンの鋭く光る牙を見せてもらったでぇ!!  青柳は三塁打1本、二塁打2本を含む7安打にエラーもあったのに、一回の2失点だけというネバネバ投法。真の先発投手に成長した姿をみたのだ。3勝目オメデトウ!! ついでだから用を足して...いや、ウン(運)を流すといけねえや!!

◆八回を任されたのは藤川。1死から代打・立岡を歩かせたが田中俊、山本は連続三振。巨人の反撃を許さなかった。「やり返さないとと思ってました。監督もそういう気持ちが強いから、あの継投になったんだと思いますよ」。上位から始まる七回にジョンソンを前倒ししたリレー。今季3ホールド目は、通算143ホールドで自身が持つ球団を記録をまた1つ更新。通算720試合登板で、権藤正利を抜いてNPB歴代単独11位となった。

◆ヨッシャ~! 勝ったで~!! 阪神は4-2で巨人戦今季初勝利。開幕からの連敗を「6」で止めた。七回に次々と勝負手を打った矢野燿大監督(50)の期待に応え、主将の糸原健斗内野手(26)が勝ち越しの2点打。  開星高時代の恩師・野々村直通氏(67)は糸原の決勝打の瞬間、島根県内の自宅近くのサウナに足を運んでいた。「サウナから出たら3点取っていて。(糸原)健斗まで回っていないと思ったら、2打点がついていて、あわてて(店を)出ました」。まな弟子のヒーローインタビューを、テレビで見守った。「いまだにドキドキできるのは、教え子のおかげです」と感慨深げだった。

◆先発のD1位・高橋(八戸学院大)は6回3安打1失点と好投したが、4勝目はならず。好調だった直球で押し、変化球もコースに制球していたが、二回2死からマルテに左越えソロを浴び「勝ち越しと同点にされなかったのはよかったけど、防げた1点だった」と反省。試合を作ったが「自分の役割はチームが勝ってこそなので」と笑顔はなかった。

◆ひと振りで期待に応えた。勝負をかけた七回。代打・北條が、巨人戦今季初勝利へとつなげる、同点の一打を放った。  「気持ちを持ってやらないと、相手も強いし、勝てないと思っていた」  1-2の七回。1死一、二塁とすると相手は右腕・アダメスから左腕・戸根にスイッチした。D3位・木浪聖也内野手(ホンダ)の代打・上本は空振り三振に倒れたが、矢野監督はさらなる一手で代打・北條。「初球からいこうと思ってました。目線をあげて、しっかり振ろう」と打席に立つと、初球の外角高め144キロをとらえた。ふらっと上がった打球はレフト前でバウンド。値千金の同点打となった。  今季巨人戦6試合はすべて先制され、追いつくことができずに6連敗。この日も一回に2点先制されて嫌なムードが漂ったが、断ち切った。  昨年は打率・322と好調だったが、9月に左肩を亜脱臼して離脱。オフには復活途上とあり、母校の八戸学院光星(当時は光星学院)高に足を運べなかった。しかし、12月に「金本知憲氏野球殿堂入りを祝う会」で同校の恩師・仲井監督と顔を合わせ「順調です。頑張ります」と報告。"おわび"は3月にした。選抜に出場した母校に、部員全員分のアップシューズ60足を贈呈。入場行進で履いてくれた後輩たちに「最近、(学校に)行けていないけどね」と頭を下げたが、この日はバットで吉報を届けた。  新人・木浪に定位置を明け渡し、現在も打率・176。それでも矢野監督は「きれいごとでもなくて、ベンチで一番、声を出している選手」と姿勢を評価する。腐らずに走り続ける背番号2が、矢野阪神を盛り上げる。 (大石豊佳)

◆巨人は14日、令和最初の「伝統の一戦」となった阪神7回戦(東京ドーム)に2-4で逆転負けし、今季初の3連敗。対阪神の開幕からの連勝も「6」で途切れた。セ・リーグ記録となる開幕からの連続試合出塁を「36」としていた坂本勇人内野手(30)は5打数無安打で、記録がストップ。これで巨人から阪神までの4チームが2ゲーム差にひしめく混戦模様となってきた。  力なく上がった打球が二塁・糸原のグラブに収まると、東京ドームはため息に包まれた。2-4の九回2死。5度目の打席が回った坂本勇が初球を打ち上げ、ゲームセット。最後の打者となった主将は、唇をかみしめながら引き揚げた。  「3連敗は絶対あるので。反省を生かして、またあした」  変則右腕・青柳に苦戦した。一回無死三塁で初球の外角スライダーに合わせたが、大山に打球を好捕されて三直に。その後も空振り三振、投ゴロに倒れた。これで通算対戦成績は18打数2安打となり、「簡単には打たせてくれない。緩急があって苦労させられている」。結局この日は今季初の出塁なし。開幕からの連続試合出塁は「36」で止まり、1983年にスティーブ(西武)がマークした日本記録「40」にあと一歩届かなかった。  記録への意識は「ない」と言い切る。何より試合に貢献できなかったことが悔しい。D1位・高橋(八戸学院大)は6回1失点と好投したが、援護は一回の2点だけ。突き放せない展開が逆転負けを呼んだ。原監督は「ゲームを支配するという点ではね、2点では投手陣に負担がかかる」と打線に奮起を求めた。  それでも積み重ねてきた記録の輝きが色あせることはない。指揮官は「レコードとしては素晴らしいものを残した」と主将を思いやった。痛いのは今季初の3連敗。首位は守ったが、ヤクルト、広島、阪神までが2ゲーム差以内。後続との差が詰まってきた。 (伊藤昇) 一回に先制の右中間適時二塁打を放った巨人・丸 「得点圏だったので積極的にいきました」 七回に2安打2四球などで逆転を許した巨人・戸根 「抑えられなかったので、また明日(15日)頑張ります」

◆体がエビ反りになるほどのフォロースルーだった。これぞ打った瞬間。マルテ特有のライナーが黄色く染まった左翼席中段に突き刺さった。  「いい感じだったね。あのイニングは、少なくとも1点がほしかったから。よかったよ」  2点を先制された直後の二回2死。追い込まれてから巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(八戸学院大)の直球を強振した。10日の中日戦(甲子園)では又吉から2号2ラン。それを境に快音から遠ざかり、首脳陣とストライクゾーンの違いなどについて面談する計画が浮上していた中、3試合12打席ぶりのHランプ。チームとして巨人戦20イニングぶりの得点は貴重な追撃へののろしとなった。  「どのチームに対してもしっかり準備していくことは変わらないが、この(巨人戦の)雰囲気は楽しめた。明日も、また打ちたいね」  右ふくらはぎの張りが癒え、1軍初昇格を果たしたのが4月29日。令和というフレーズを外しても、M砲にとって初めての伝統の一戦だった。  この日の朝、昨季まで同僚で仲がよかったエンゼルスの大谷が今季1号を放ったが、その感想を問われるとキョトンとした表情で「知らなかったよ」と苦笑い。球団関係者によると、生一本な性格で、遠征先の宿舎でもあまり出歩かず、試合に備えているという。昼間にためていたパワーを一気に爆発させたわけだ。  「ああいう打球をどんどん打っていけるようにしたい。どのイニングも点をとろうと個々の選手が一生懸命やった中で、自分もいい結果が出た」  七回1死二塁ではアダメスのフォークを見極め、四球。一挙3得点の逆転劇を演出した。メジャー通算30発の恐怖の7番。打倒巨人へ、マルテがカギを握りそうだ。(阿部祐亮) マルテの打撃について阪神・清水ヘッドコーチ 「本塁打を打ったことは大きいが、その後の四球がポイント。ボール球を見極められてきたのは大きい」

◆バットが空を切った瞬間、小さく右拳を握った。絶好調男も、青柳にかかれば、まな板の上の鯉。3度の対戦機会を制し、開幕から続いていた坂本勇の連続試合出塁を「36」で止めた。  「ピンチの場面で三振を取ることができたときは、うまくいったと思いました」  1-2に詰め寄った直後の二回1死二、三塁。1本許してしまえば、再び点差が開いてしまう場面。初球から2球連続空振りを奪い、簡単に追い込んだが、そこからボール、ボール、ボール...。3球目はこの日最速148キロを計測。気迫の勝負も、球審の手はなかなか上がらない。四球がちらつき、ざわつく場内-。しかし、フルカウントから6球目だった。低め128キロスライダーで空振り三振! 切れ味抜群の伝家の宝刀で坂本勇を斬り、そのままに二回以降を無失点で切り抜けた。  坂本勇に対しては試合前時点で通算15打数2安打、被打率・133。"お得意さま"としていた相手だった。これまでの対戦では打点はおろか、長打すら許していない。圧倒的な相性はこの日も健在で、3度の対戦は三直、空振り三振、投ゴロ。それでも「僕一人ではなく、チームみんなで抑えた結果」と自己評価は控えめだ。  チームメートへの感謝を忘れない男は、家族への感謝も忘れない。2日前の母の日には、12日当日に到着するように横浜市の実家へプレゼントを郵送した。昨年12月に結婚した右腕は「せっかくなので、奥さんの実家と自分の実家と同じものをあげたいなと思って」。休日に2人で悩みに悩んで、選んだのはぴかぴかの三徳包丁。「実家のが結構古くなっていたのを思い出して、よく切れる、使い勝手のよさそうなものを奥さんが選んでくれました。今までは忘れていたイベント。9割9分、奥さんのおかげです」と照れ笑い。新品の包丁ばりのキレキレの投球でG打線を6回7安打2失点に"料理"した。  キーマンを封じて勢いづくと、味方もその流れに乗るように逆転。力投に打線が応え、転がり込んできた今季3勝目(3敗)。まだまだ勝つ。令和最初の伝統の一戦を勝利へ導き、猛虎をさらに上へと押し上げる。(箭内桃子) 青柳を好リードした阪神・梅野 「勝負どころで内に入ることが多かったので、構えで寄ったりして。青柳が立ち直ってくれたのが一番です。勝ちパターンにつないでいけてよかった」

◆ヨッシャ~! 勝ったで~!! 阪神は4-2で巨人戦今季初勝利。開幕からの連敗を「6」で止めた。七回に次々と勝負手を打った矢野燿大監督(50)の期待に応え、主将の糸原健斗内野手(26)が勝ち越しの2点打。セは首位から2ゲーム差に4チームがひしめく大混戦だ。平成では宿敵にやられたけど、令和ではそうはいかん。猛虎の強さ、見せたる~!!  平成でやられた分は令和でやり返す。鬼のような表情で、キャプテンは右腕を突き上げた。令和最初の伝統の一戦にケリをつけたのは、糸原の決勝2点打。今季初のG倒に導き、殊勝に語った。  「満塁だったので、強い気持ちを持って、やられている分、やり返すという気持ちを持って、いい試合ができました」  巨人のD1位・高橋優貴投手(八戸学院大)に六回までマルテのソロの1点のみ。巨人が継投に入った七回だった。先頭の福留が中前打で出塁すると、矢野監督はすかさず代走・江越を告げた。チーム打率トップの梅野が犠打を成功させる。マルテは四球で1死一、二塁。代打・上本は空振り三振も、続く代打・北條が同点打。今度は近本が四球で満塁とし、糸原が打席に立った。  カウント2-1からの143キロに反応。クルッと回転してとらえた白球は二遊間を抜けた。決勝の2点打で勝負あり。3選手を次々とつぎ込んだ矢野采配に、最高の結果で応えてみせた。  指揮官は「先のこと考えてもあんまりね。俺も積極的にいきたいし、(選手が)いなくなったら、いなくなってから考えればいいかと、思い切ってね。これだと思うことをどんどんやっていった」。七回には相手の打順の巡りを考えて「八回の男」として君臨するジョンソンを投入。「点も取ったところ。野球って流れがある」。投手陣も六回以降は無安打と、一丸でつかんだ勝利だ。  「あとからかみしめられる1勝になると思う。チーム全員で勝った1勝。そういう意味でも、忘れられないジャイアンツ戦初勝利」と将はしみじみ。糸原も「北條さまさま。北條がすごいです」と後輩をたたえた。  「キャプテンを受けることになりました」  昨年11月、糸原は矢野監督から球団最年少の26歳で主将に任命された。すぐに電話したのが、母校の島根・開星高で監督だった野々村直通氏。不安や重圧に、自然と声のトーンが落ちる。副主将を託され、青春時代をともに過ごした恩師には、何でもお見通しだった。  「主将を受けるには、ナイスタイミングじゃないか。5位になったら、いい主将だといってもらえるぞ。どん底なんだから、上がるだけだろ」  独特のエールを受け取ると、自然と顔も上がった。17年ぶりに最下位に沈んだ昨季。虎にも糸原にも、もう上しかない。貯金は再び「2」。首位巨人との2ゲーム差にヤクルト、広島と上位4チームがひしめく大混セで虎はただ上を目指す。  「青柳に勝ちをつけられてよかったです」  3元号連続で制した、伝統の一戦の初戦。宿敵との歴史が、再び始まった。胸に刻む「C」マークとともに、糸原が新しい時代に足跡をつける。 (竹村岳) ★新元号初の伝統の一戦  ◆昭和11(1936)年7月15日=○8-7・八事山本 阪神が逆転勝ち。5-7の八回に小川年のタイムリーで7-7とすると、九回に藤井勇が内野安打で出塁。伊賀上が犠打を決め、藤村富の遊ゴロで三進。代打・門前の投ゴロを青柴が失策して、決勝点が入った。七回から救援した藤村富が勝利投手  ◆平成元(1989)年4月11日=○3-1・甲子園 0-1の四回1死からフィルダーが二塁打で出塁すると、相手失策の間に同点。続く五回1死一、二塁から池田の投前犠打を槙原が悪送球する間に2者が生還し、勝ち越した。先発した池田が5安打1失点で完投勝利を収めた

◆キーワードは執念だろう。試合前に矢野監督と話したが「本当にファンには申し訳ないんです」と巨人戦に1つも勝てていないことを心底悔しがっている様子が伝わってきた。迎えた試合は、そんな矢野監督の執念がにじみ出た勝利になった。  1点を追う七回。無死から安打を放った福留に代走を送った。普通に考えれば、最終盤に打席が巡ってくる可能性もある中での交代。指揮官の執念をナインに伝える采配だ。その裏、逆転した直後にセットアッパーのジョンソンをあえて七回に投入したのも、何が何でもの思いがこもる継投だろう。  試合展開の中で、殊勲者を挙げるならマルテ。反撃のソロ本塁打はもちろんだが、評価したいのは七回の四球。一発が出て、振り回したくなるところで、しっかりと変化球を見極めていた。マルテのつなぎの四球がイッキの逆転を呼んだといってもいい。  故障が癒えて合流して間もない頃は、全く合わない空振りが目立っていたが、今は実戦の中でしっかりボールを見るという作業が確実にできており、状態は上がってきている。八回にも四球で歩いており、簡単に打ち取れる打者ではなくなってきている。  坂本勇を封じた投手陣も褒めたい。青柳、ジョンソンは外角に制球できていた。やっぱり外に力のある球を投げられるかどうかが坂本勇対策の基本。ここでも矢野監督の執念が投手陣にも伝わったのだろう。見事な勝利だった。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
21151 0.583
(↓0.017)
-
(-)
106191
(+2)
139
(+4)
48
(-)
20
(-)
0.266
(↓0.002)
3.510
(↓0.01)
2
(-)
ヤクルト
21172 0.553
(↓0.015)
1
(-)
103197
(+4)
186
(+9)
47
(-)
17
(-)
0.248
(-)
4.190
(↓0.04)
3
(-)
広島
20181 0.526
(↑0.012)
2
(↑1)
104142
(+9)
155
(+4)
36
(+1)
23
(+1)
0.238
(↑0.004)
3.210
(↓0.02)
3
(-)
阪神
20182 0.526
(↑0.012)
2
(↑1)
103155
(+4)
166
(+2)
26
(+1)
25
(+1)
0.240
(↓0.001)
3.510
(↑0.03)
5
(-)
中日
17200 0.459
(-)
4.5
(↑0.5)
106137
(-)
139
(-)
25
(-)
24
(-)
0.263
(-)
3.680
(-)
6
(-)
DeNA
13240 0.351
(-)
8.5
(↑0.5)
106133
(-)
170
(-)
41
(-)
7
(-)
0.233
(-)
4.180
(-)