楽天(★1対13☆)日本ハム =リーグ戦7回戦(2019.05.14)・楽天生命パーク宮城=
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日本ハム
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楽天
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勝利投手:有原 航平(5勝1敗0S)
敗戦投手:釜田 佳直(1勝1敗0S)

本塁打
【日本ハム】石井 裕也(1号・8回表2ラン)
【楽天】ウィーラー(8号・7回裏ソロ)

  DAZN
◆日本ハムは5回表、清水の犠飛と中島卓也の適時打で2点を先制する。4-1として迎えた8回には、石井の2ランが飛び出すなど打者一巡の猛攻で9点を挙げ、試合を決めた。投げては、先発・有原が8回1失点で今季5勝目。敗れた楽天は救援陣が振るわず、打線もつながりを欠いた。

◆日本ハム有原航平投手がハーラー単独トップの5勝目を挙げた。 初回に1死満塁のピンチを背負ったが、ウィーラーを併殺打に打ち取るとリズムに乗った。2回以降は安定した投球で8回4安打1失点。大量援護にも恵まれた。「点を取ってくれて、しっかり守ってくれて、チームに感謝です」と振り返った。

◆好投の楽天先発釜田佳直だったが、5回に先に失点した。 1死二、三塁で、清水に初球の真っすぐを中犠飛とされた。続く2死三塁でも中島に初球スライダーを中前へ運ばれた。結局6回2失点だった釜田は「相手がエース級の時に先に点をやってはいけないですね」。平石監督も「今後、自分の力で勝ちをつかむというのであれば、あそこの初球の入り方。ちょっと工夫がいるかなと思います」とあえて苦言を呈した。

◆好調の楽天1番茂木栄五郎内野手(25)が、早大の1年先輩でもある日本ハム有原から2安打した。 初回に投手への内野安打を放つと、8回にはカットボールを中前へクリーンヒット。打率を3割1分8厘とした。 ただ7回の守備で記録に残らないミス。石井の三塁側ベンチ前へのファウルフライを追いかけたが、捕手も近くまできており、寸前で追うのをやめてしまった。これで生き延びた石井の二塁打が、この回の2失点へとつながった。茂木は「(西宮が)頑張って投げてくれていたのに申し訳ない。しっかり自分が取りにいかないといけない」と反省した。 帰り際、有原と球場内の通路で遭遇した。来週21日から、今度は札幌で日本ハム戦がある。有原からそれについて触れられると「またよろしくお願いします!」と茂木。その上で「次は絶対にやられないように。やり返せるようにしたい」と「有原打ち」へ意気込みを示した。

◆日本ハム石井一成内野手が8回に1号2ランを放った。「強くたたこうと思った。久々によかったです」と楽天戸村の143キロ直球を右翼席へ運んだ。 早大の先輩、先発有原の5勝目を決定づける1発に「それが一番うれしいです」と笑顔。7回の二塁打も含め、今季初の複数安打で勝利に貢献した。

◆先発有原を好リードした日本ハム清水優心捕手が、打撃では決勝犠飛を放った。 5回1死二、三塁の場面で中堅へ、きっちりとフライを打ち上げた。「どうしても先制点が、ほしかった。下位打線でつながったチャンスだったので、最低限の仕事はできたかなと思います」。4回までは投手戦の様相を見せていただけに、均衡を破って大勝への流れをつくった。

◆日本ハムが楽天7回戦(楽天生命パーク)で、1イニング9得点などの猛攻をみせ大勝した。左太もも裏の張りから1軍復帰した王柏融外野手(25)が「5番DH」でスタメン出場。2回の第1打席で左前打を放つと、5回は先頭で四球を選んで出塁。決勝点の起点となった。好調な上位打線に加え、復活した台湾の大王が下位打線にも厚みをもたらし、16安打13得点。チームは貯金2で再び単独2位に浮上した。1軍に帰ってきた「台湾の大王」が打線爆発の起爆剤となった。リハビリ中も「気を緩めることなくやってきた」という王柏融が、先制点の起点となった。5回先頭で冷静にボールを見極めて四球を選んで出塁した。続く6番渡辺が右前打でつなぎ、7番石井は犠打を決めて1死二、三塁。8番清水がきっちり先制犠飛を放ち、約2週間ぶりに戦列に戻った王柏融が決勝ホームを踏んだ。 軸となれる強打者が5番に戻り、打線に厚みが増した。5回は下位打線が連動して得点を奪い、試合の主導権も奪って大勝につなげた。金子打撃チーフ兼作戦コーチは「6番、7番、8番のところが相手を楽にさせると、ゲームが滞ってしまう」と話す。試合前までチーム総打点は135。6番から8番打者までの打点数は27で占める割合は2割だった。上位打線が打てなければ苦しい展開となる試合が多くなっていた。 この日は6番渡辺と7番石井が2打点、8番清水も1打点と3人で計5打点を挙げた。上位と下位をつなぐ5番に王柏融が戻って、理想的な攻撃が展開できた。王柏融は「本当にホッとした。全員で勝てた試合だと思う。これから、どんどん打っていきたい」と復帰初戦での勝利に笑顔。大量リードとなった8回の打席で代打が送られてお役御免となったが、存在感の大きさを証明した。 先発有原も8回1失点と好投し、投打ががっちりかみ合ってカード初戦をものにした。連勝も連敗も少なく、我慢が続いてきた日本ハムの戦いだが、2軍戦では清宮も実戦復帰するなど明るい材料がそろいつつある。栗山監督は「混戦のパ・リーグの中で、1つ1つ、みんなで、できることをやって流れをつくっていくしかない」。手応えを感じたからこそ、勝ってかぶとの緒を締めた。【木下大輔】

◆「守備の職人」楽天藤田一也内野手(36)が、打者としての勲章を手に入れた。6回裏1死、カウント1-2と追い込まれながら、有原のチェンジアップを右前にはじき返した。 15年目での1000本安打達成を大観衆が祝福する中、記念ボードを掲げて応えた。「プロに入った時は1000本も打てると思っていなかった。自分は打ではなく守備でやってきた選手。素直にうれしいです」と感慨に浸った。 横浜(現DeNA)時代は7年半で312安打。12年6月に楽天に加入してから約7年、この日の安打が688本目となった。「楽天に来てレギュラーで使ってもらって日本一も経験できた。東北で達成できて本当に良かった」と感謝した。横浜時代の経験も生かされている。「石井琢朗さん(現ヤクルトコーチ)はケガをしても絶対にチャンスをやらない人だった」。村田(現巨人コーチ)、内川(現ソフトバンク)しかり、プレーできないケガ以外では休まない選手の中で、プロの厳しさを学んだ。 ベテランの域に入ったが進化を続ける。「最近は相手をすごく研究するようになった」。今季は規定打席不足ながら打率3割7分7厘、代打でも10打数4安打と結果を出す。「いつ声が掛かってもすぐ準備できるよう、ベンチに座りすぎないことを心がけている」。1000本安打はあくまでも通過点だ。「1年でも長く現役でプレーできるよう頑張りたい。1試合でも多く出て、1本でも多くヒットを打ってみなさんに恩返ししたい」。円熟味を増すベテランが、楽天に欠かせない存在になっている。【野上伸悟】

◆楽天は先発の釜田は6回2失点と粘ったが、2番手の西宮が七回に2点を失い流れを手放した。3番手の戸村も八回だけで6長短打を浴びて3四球を与える散々な内容で9点を失い、一方的な展開を許した。  平日のデーゲームながら2万6950人の観客が訪れた本拠地での試合。打線も1点どまりで見どころがない試合に終わり、平石監督は「ファンの方に申し訳ない試合をした」と謝罪した。

◆日本ハムは最近4試合で3度目の2桁安打と活発な打線の中で、特に下位打線が機能した。五回1死二、三塁で8番清水が釜田から中犠飛をマークして先制すると、9番中島が初球を捉えて中前適時打で続いた。  4月28日のソフトバンク戦以来の打点となった中島は「清水が犠牲フライを打ってくれていたので、楽な気持ちで打席に入ることができた」とほっとした様子。7番の石井も今季初本塁打を含む2安打と活躍するなど、伏兵が投手陣を強烈に援護した。 西川(猛攻を見せた打線の勢いにも乗り今季初の4安打) 「流れに乗った感じ。打てて良かった」 清水(五回に犠飛) 「どうしても先制点が欲しかった。下位打線でつながったチャンスで最低限の仕事はできた」

◆楽天の36歳、藤田がプロ15年目で通算千安打を達成した。第3打席の六回1死無走者で有原の変化球を右前に運んだ。ゴールデングラブ賞3度の名手は「守備でやってきた自分が打撃で数字を残すことができて素直にうれしい」としみじみと話した。  2012年途中にDeNAから楽天に移籍。13年には日本一に貢献するなどチームに欠かせない存在だ。「1年でも長く現役生活を送ることが恩返し。1試合でも多く出たい」とさらなる活躍を期した。 釜田(6回2失点と好投しながらも2年ぶりの黒星を喫し) 「思い描いた投球ができつつある。でも相手がエース級のときには先に点をやってはいけない」

◆波乱の幕開けで、高い修正能力を発揮した。先発の日本ハム・有原航平投手(26)は、8回4安打1失点で7三振を奪い、リーグ単独トップの5勝目を挙げた。  「チームメートに助けられました。よく打って守ってくれたので、投げやすかったです」  一回、いきなり最大のピンチを招いた。1死二塁で浅村に対し球が指先に引っ掛かり四球を与え、続く島内には死球。1死満塁で5番・ウィーラーを迎え、木田投手コーチ、高橋知トレーナーがマウンドに駆けつけた。  そこから有原は「直球も変化球も引っ掛かった。引っ掛けるぐらいなら、大げさにいうと抜けるぐらいでいい」と開き直った。直球で追い込み、最後はカットボールで遊ゴロ併殺打に仕留めた。七回にウィーラーの一発を許したが、最速152キロの直球と切れのある変化球をストライクゾーンいっぱいに投げ分け、今季最長に並ぶ8回を投げ切った。  投打がかみ合い、チームはリーグ単独2位に再浮上。栗山監督は「ポテンシャルが高いからもっと完璧な投球ができる」と、右腕にさらなる活躍を期待した。 (広岡浩二)

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
21162 0.568
(↓0.015)
-
(-)
104169
(+7)
147
(+11)
49
(-)
38
(+2)
0.259
(-)
3.280
(↓0.14)
2
(-)
日本ハム
19172 0.528
(↑0.014)
1.5
(↑1)
105156
(+13)
142
(+1)
23
(+1)
14
(-)
0.253
(↑0.005
3.620
(↑0.07)
3
(1↓)
ロッテ
18171 0.514
(-)
2
(↑0.5)
107150
(-)
149
(-)
41
(-)
31
(-)
0.244
(-)
3.730
(-)
4
(2↓)
楽天
18181 0.500
(↓0.014)
2.5
(-)
106185
(+1)
178
(+13)
44
(+1)
11
(-)
0.263
(↓0.002)
4.540
(↓0.2)
5
(-)
西武
17191 0.472
(↑0.015)
3.5
(↑1)
106193
(+11)
206
(+7)
44
(+4)
44
(+2)
0.252
(↑0.006)
4.830
(↑0.08)
6
(-)
ORIX
14203 0.412
(-)
5.5
(↑0.5)
106122
(-)
153
(-)
30
(-)
34
(-)
0.226
(-)
3.820
(-)