広島(☆9対4★)ヤクルト =リーグ戦7回戦(2019.05.14)・マツダスタジアム=
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ヤクルト
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広島
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勝利投手:レグナルト(2勝0敗0S)
敗戦投手:原 樹理(2勝3敗0S)

本塁打
【広島】バティスタ(8号・3回裏2ラン)

  DAZN
◆広島が3連勝。広島は1点を追う3回裏、バティスタが2ランを放ち、リードを奪う。その後3-4となって迎えた5回には、安部の適時打などで4点を挙げ、再び逆転に成功した。投げては、2番手・レグナルトが今季2勝目。敗れたヤクルトは守備の乱れもあり、投手陣が9失点を喫した。

◆広島4番鈴木誠也外野手(24)が打って、走って大暴れだ。 1回に先制の右犠飛を放ち「打ったのはストレート。最低限の仕事ができました」とコメント。5回には敵失で出塁して生還。7回先頭では、遊撃強襲の当たりで一気に二塁まで進み、会沢のボテボテの当たりでホームを踏んだ。8回には腰のあたりに死球を受け声を荒らげるなど、最後まで気迫を前面に出してプレーした。

◆広島サビエル・バティスタ外野手(27)が逆転の8号2ランを放った。 3番一塁で先発。1点を追う3回裏1死一塁から、ヤクルト先発原の内角シュートを捉え、左翼席後方の防球ネットに当てた。「打ったのはシュート。少し詰まったけど、いい反応でしっかりとボールを押し込むことができました」と話した。

◆2度のリードも、広島野村祐輔投手は守りきれなかった。3回に2点を失い、4回にも失点。 さらに2死満塁のピンチを背負って、マウンドを降りた。腰の違和感のため3回で降りた17年5月23日ヤクルト戦以来の4回未満での早期降板となった。 前回7日中日戦は立ち上がりから3イニング連続で先頭の出塁を許したが、この日は4回まで先頭は切った。「最初に点を与えないのが一番いい形。それを意識する」と、立ち上がりから両サイドに丁寧に投げ分けた。だが3回、微妙な判定から四球を許すと、わずかに制球を乱した。1死一、二塁から雄平、村上の連続長短打で逆転を許し、再び勝ち越した4回も踏ん張れなかった。 広島の先発では床田やアドゥワら若手が台頭する中、日本人の先発最年長は苦しんでいる。5月に入り、登板3試合はいずれも5回以下で降板。好投続けるほかの先発陣に出遅れている。3カード連続勝ち越し、連勝で迎えた2位ヤクルトとの上位対決。苦しむ右腕はチームの勢いを加速させることも、チームの流れに乗ることもできなかった。 野村が2度逆転を許しても、打線は5回打者9人がつないで4点を奪い再逆転した。その後も攻撃の手を緩めず、ヤクルトを突き放した。今季最多タイ13安打で9得点。中継ぎ陣も4回途中から無失点でバトンをつないだ。今季最多借金8からはい上がり、貯金は今季最多の2。首位巨人に2ゲーム差に迫った。【前原淳】

◆広島安部友裕内野手(29)が2点タイムリーを放った。1点を追う5回に敵失と押し出し四球で1点を勝ち越し、なお2死満塁の場面。ヤクルト2番手ハフの変化球を中前にはじき返し、2者を迎え入れた。 「打ったのはスライダーかな。覇気を出して何とか食らいついていきました」と話した。

◆広島は1回1死二、三塁から鈴木の右犠飛で先制。3回に1-2と逆転されたが、その裏バティスタの8号2ランで再逆転した。 ヤクルトは4回に2点を取り逆転。広島は5回、敵失と押し出し四球、安部の2点中前打で一挙4点を取り再逆転した。 広島は7回にも1点を追加した。7回から一岡、フランスア、中崎とつなぎ逃げ切った。3連勝で今季初の貯金2とした。 広島レグナルトが2勝目、ヤクルト原は3敗目。

◆侍ジャパンの稲葉篤紀監督が希少ピースである広島鈴木誠也外野手を要チェックした。広島-ヤクルト戦(マツダスタジアム)を視察。稲葉体制で未招集の大砲の状態を主な目的として確認した。2月初旬のキャンプ視察では別メニュー調整で、同19日のロッテ戦は雨天中止。完調でのプレーを見る機会が巡ってきた。 先制犠飛に、遊撃手を強襲する当たりで二塁打とする快足ぶり。「スピードもあって、力強い打球も打っていた。初回の先制点がほしいところでもしっかり外野フライを打てる。やっぱり3拍子そろった非常に素晴らしい選手だなと感じました」と高評価した。 チームが渇望する右の長距離打者だ。3月のメキシコ戦では若手主体の構成ではあるが、第1戦で9~3番まで左打者が並んでバランスを欠き、苦杯を喫した。そもそも外野陣は柳田、筒香、秋山、吉田正と左が多い。17年WBCの国際経験もあり、盗塁能力も備え、1人で稲葉監督が掲げるスピード+パワーを体現できる鈴木の希少価値は高い。 「今、カープの4番を打っているわけですから。4番を視野に入れながら構想を練っていきたい」。プレミア12、東京五輪に続く黄金マップの中心に鈴木がいる。【広重竜太郎】

◆侍ジャパンの稲葉篤紀監督(46)が、ヤクルト村上宗隆内野手の成長曲線に期待した。 同戦を視察し、3月のメキシコ戦で侍ジャパンに初選出した左の若き大砲のプレーをチェック。 5番打者で出場し、左前適時打やファウルにこそなったが右翼ポール際への大ファウルなど、打撃を確認した。 指揮官は「小川監督からも『ジャパンの経験がいい方向に向かっている』と聞いた。少しずつ自信を持てているというかね。まだ19歳。ホームラン2ケタという素晴らしい成績を残している。本当にこれからどういう成長を見せてくれるか、楽しみに見ていきたい」と若武者の成長を注視する。

◆広島2番手のカイル・レグナルト投手が来日2勝目を挙げた。 同点の4回2死満塁で登板して押し出し四球を与えたが、続く村上は三振。イニングをまたいだ5回は3者凡退に仕留め、その裏味方が逆転して勝ち星が転がり込んだ。 1勝目のボールはもらえなかったが、この日のウイニングボールはしっかりゲット。「打線のおかげ。チームで勝ったボールだ」。開幕からの連続無失点試合は16に伸ばした。

◆広島が3連勝で今季初の貯金2を記録した。多彩な攻撃で9点を奪い、4回途中から継投した。緒方孝市監督(50)の談話は以下の通り。 -中継ぎ陣が好投 緒方監督 (野村)祐輔はちょっと球のキレがなくなっているね。次がんばってもらおう。中継ぎ陣がしっかり抑えてくれたからね。この(ヤクルト)打線は本当、隙を見せたらすぐ大きい点数になる。しっかりと投げてくれた。でも今日は打線でしょう。上位打線の出塁から得点につなげたところももちろんいいけど、下位が勝負強い打撃をしてくれた。つながりもあった。 -野間が4出塁 緒方監督 ヒットも大事だけど、フォアボールとかで出塁できれば、クリーンアップのところで、今の状態だったらかえせる確率が高い。また、いいゲームを、相手打線に負けないような粘り強い攻撃を、明日もやりたい。

◆猛攻を呼んだ。広島野間峻祥外野手(26)が2試合連続猛打賞となる3安打1四球で逆転勝利に大きく貢献した。 1点ビハインドの5回、打者9人の猛攻で再逆転した。集中打のヤクルトに対し、広島は多彩な攻撃で13安打9得点。3連勝で貯金を今季最多2とし、2位ヤクルトに1ゲーム、首位巨人に2ゲーム差とした。コイの季節はまだまだ終わらない。「逆転のカープ」が2度、発動した。1回に先制しながら3回に逆転され、その裏にバティスタの2ランで逆転した。再び勝ち越されるも、5回に打者9人がつないで再逆転。一気に4点を奪い、ヤクルトを突き放した。9得点を呼び込んだのは1番野間だった。出塁した1、3、5、8回はいずれもホームを踏んだ。 「出塁して相手バッテリーにプレッシャーをかけられればと思っていた」 4出塁に"らしさ"が詰まっていた。1回は見極めて四球を選び、3回は逆方向にたたきつけた三塁内野安打。5回も逆方向へはじき返すと、8回は引っ張って右前打。泥臭い3安打で打率を再び3割に乗せた。出塁すれば、1回はランエンドヒット。5回は暴投で進塁するなどヤクルトバッテリーを揺さぶった。 開幕から好調を維持し、3番を任せられる時期もあった。それでも、3割近い打率を維持しながらスタメン落ちも経験。悔しさはのみ込み、途中出場5打数2安打で思いをバットにぶつけた。1番に復帰してからは2戦連続猛打賞だ。「内容が良くない日が続けば(先発落ちする)。控えている選手も(先発で)出ていてもおかしくない。チーム内でも隙を見せられない」。ポジションは与えられるものではなく、奪うものと胸に刻む。 広島は野間に引っ張られるように9得点を挙げた。犠飛、2ラン、適時失策、押し出し四球、適時打、野選と多彩な攻撃でヤクルトを追い込んだ。緒方監督は「四球とかで出塁できれば、今の状態であればクリーンアップのところでかえせる確率が高い。相手打線に負けないような粘り強い攻撃を、また明日もやれたらいい」。3連勝で2位ヤクルトに1ゲーム差とし、2ゲーム差で追う首位巨人の後ろ姿も視界に捉えた。【前原淳】

◆ヤクルトは直近の巨人戦を欠場していた青木宣親外野手(37)と山田哲人内野手(26)が復帰したが、連勝が2でストップ。 1ゲーム差の首位巨人を詰められなかった。 先発の原樹理投手(25)が5回持たなかった。4回3分の2を1被弾含む6安打6失点。今季初勝利を挙げたマツダスタジアムで再度好投とはいかず、3敗目を喫した。 一方で青木が3安打、山田哲も1安打を記録したのは明るい材料。ともに9回まで5打席に立ち、小川監督は「試合中に(2人の体調を)確認しながらやったけど、大丈夫そう」と胸をなで下ろした。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が14日、広島7回戦(マツダ)で一時勝ち越しの適時打を放った。  雄平の適時打で1-1とした直後の三回1死二、三塁。野村のシュートを左前に弾き返した。「ゾーンを上げて、強い打球を打つことを心がけました」と村上。日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督(46)が視察した試合で、勝負強さをみせた。

◆3試合ぶりに復帰したヤクルトの青木が3安打を放った。10日の巨人戦でせきなどの体調不良を訴えて、途中交代して以来の出場。持ち味の鋭い打撃を披露し「問題ない。整った状態でやれた」と振り返った。  一回は速球を引っ張って右前打。1死から中前にはじき返した三回は、同じく復帰戦となった山田哲の四球で二進後、雄平の二塁打で本塁に生還した。九回にも中前打をマークした。ただ、敗戦に表情はさえず「中盤に点が取れなかった」と肩を落とした。

◆広島は野村が四回途中に降板しても、中継ぎ陣が無失点リレー。緒方監督は「しっかり抑えてくれた。相手の打線は隙を見せたら大きな点数になる」とねぎらった。  野村が四回に追い付かれ、さらに満塁を背負ったために交代。救援したレグナルトは押し出し四球を与えたものの何とか切り抜け、続投した五回は3人で片付け、直後の逆転劇につなげた。3番手の九里は、一岡、フランスアとともに危なげない投球を見せ「続けていかないと意味がない」と力を込めた。 鈴木(先制犠飛) 「最低限の仕事ができた」 バティスタ(三回に8号2ラン) 「少し詰まったけど、いい反応でしっかりと球を押し込むことができた」 レグナルト 「2勝目の球はもらったけど、ぼくの勝利球じゃない。チームのおかげ」 視察した日本代表の稲葉監督 「(広島の鈴木は)三拍子そろった素晴らしい選手。4番も当然視野に入れている。(ヤクルトの村上は)レギュラーをつかむところで必死だと思う。経験を積みながら、どんなプレーヤーになっていくか楽しみ」

◆1番・野間が3安打1四球で4得点。打線を活気づけて3連勝を呼び、貯金を今季最多の2とし「何とか出塁してバッテリーにどんどんプレッシャーをかけていければいい」と誇らしげだった。八回の右前打で2試合連続3安打とし、打率を3割台(・303)にのせた。不振の田中広に代わって1番に定着しそうな勢いだが、「チーム内でも隙を見せない」と気を引き締めた。

◆村上は「5番・三塁」で先発出場し、三回に左前適時打を放ったが、五回の三塁守備でミスを犯した。鈴木の打球を後逸するタイムリーエラーで同点に追いつかれた。今季は7失策(三塁手で6、一塁手で1)。19歳は「すみません。また明日(15日)、頑張ります」と言葉少なだった。

◆2度逆転しながら、試合の流れをつかめなかった。広島に4-9で敗れ、ヤクルト・小川淳司監督(61)は冷静に試合を振り返った。  「村上は体で止めてほしかった。エラーはしようがないと思うけど。野間を出した回に、ことごとく失点してしまった」  4-3で迎えた五回2死一、三塁。鈴木の三塁への打球を村上が後逸して同点とされると、2番手・ハフが押し出し四球を与えるなど逆転を許した。1番・野間に出塁を許した一、三、五、八回にいずれも失点と、広島の強力打線に捕まった。  体調不良の青木、上半身のコンディション不良の山田哲が先発復帰したのは光明だ。3安打した青木は「明日は流れが向こうにいかないよう、必死に粘って戦いたい」と前を向いた。 (長崎右)

◆一瞬の隙を見逃さなかった。7-4の七回先頭。広島・鈴木が放ったライナー性の打球は遊撃・太田が頭上の打球にジャンプしたが捕球できず。一気に二塁を陥れて遊撃二塁打だ。赤ヘルの若き4番が侍ジャパンを率いる稲葉監督の"御前試合"で勝負強さに加えて"脚"でも魅せた。  「今の自分の状況はアピールする立場。けがをしないようにしっかりとやりたいです」  昨オフに2年前の夏、右足首に入れたボルトを抜く手術を受けたが、心配は無用。一回に先制犠飛を放つと、1点を追う五回には強烈なゴロで三塁・村上の適時失策、七回には遊撃二塁打をマークするなど1安打1打点でアピールに成功だ。  鈴木をお目当てに視察に来たことを明かした稲葉監督は「スピードもあって力強かった。走攻守3拍子そろった素晴らしい選手ですね」と賛辞を惜しまない。2月に広島のキャンプ地、宮崎・日南を視察したときと同じように「4番を視野に入れながら構想を練っていきたい」と改めて4番として期待した。  鈴木は2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で代表入りし、14打数3安打。米国での決勝ラウンドでは、アリゾナ州に本拠地を置くDバックスの施設見学やカブス-Wソックスのオープン戦を観戦するなど野球の本場を体感した。今度は自身が主力として世界の舞台で戦うことを目指す。  稲葉監督の評価を伝え聞いた鈴木は「ありがとうございます」と感謝。チームは3連勝で貯金を2とし、2位ヤクルトとのゲーム差は1、首位巨人には2に接近した。ペナントも熱いが、開幕まで436日に迫った東京五輪への代表争いも本格化している。 (柏村翔)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
21151 0.583
(↓0.017)
-
(-)
106191
(+2)
139
(+4)
48
(-)
20
(-)
0.266
(↓0.002)
3.510
(↓0.01)
2
(-)
ヤクルト
21172 0.553
(↓0.015)
1
(-)
103197
(+4)
186
(+9)
47
(-)
17
(-)
0.248
(-)
4.190
(↓0.04)
3
(-)
広島
20181 0.526
(↑0.012)
2
(↑1)
104142
(+9)
155
(+4)
36
(+1)
23
(+1)
0.238
(↑0.004
3.210
(↓0.02)
3
(-)
阪神
20182 0.526
(↑0.012)
2
(↑1)
103155
(+4)
166
(+2)
26
(+1)
25
(+1)
0.240
(↓0.001)
3.510
(↑0.03)
5
(-)
中日
17200 0.459
(-)
4.5
(↑0.5)
106137
(-)
139
(-)
25
(-)
24
(-)
0.263
(-)
3.680
(-)
6
(-)
DeNA
13240 0.351
(-)
8.5
(↑0.5)
106133
(-)
170
(-)
41
(-)
7
(-)
0.233
(-)
4.180
(-)