阪神(★1対5☆)中日 =リーグ戦8回戦(2019.05.11)・阪神甲子園球場=
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中日
3000000115911
阪神
0000000011700
勝利投手:柳 裕也(3勝1敗0S)
敗戦投手:メッセンジャー(2勝3敗0S)

本塁打
【中日】福田 永将(5号・9回表ソロ)

  DAZN
◆中日は初回、高橋と阿部の連続適時打で3点を先制する。その後は8回表に、高橋の適時打で加点すると、9回には福田のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・柳が8回5安打無失点の快投で今季3勝目。敗れた阪神は、打線が7安打1得点とつながりを欠いた。

◆フィギュアスケート女子で全日本女王の坂本花織(19)が、同門の三原舞依(19=いずれもシスメックス)と「ファーストピッチセレモニー」に登場した。 2人は年齢を示す背番号19をつけ、マウンド横で2回転ジャンプを披露。坂本はノーバウンド、三原は惜しくも捕手手前でショートバウンドになったが、堂々とした投球を披露した。 ジャンプについては坂本が「直前に打ち合わせしたけれど、跳ぶのを忘れそうになっていた」と苦笑い。アイコンタクトで思い出したという。 普段は阪神2軍が練習する鳴尾浜球場(西宮市)の隣にあるリンクを、拠点の1つにしている。 親しみのある阪神の選手については藤浪晋太郎投手(25)の名を挙げ、2人そろって「(イベント前に)梅野(隆太郎)選手にもお会いできました」とニッコリ。坂本は「(マウンドから)お客さんが遠くて新鮮だった。(満員になると)フィギュアの倍以上になる。その中に立てて、ある意味、いい緊張感を味わえました」と貴重な体験に感謝した。

◆阪神ランディ・メッセンジャー投手(37)が5回6安打3失点で降板した。初回2死一、二塁から5番高橋に中堅への2点二塁打、6番阿部に右前適時打と連続で許し3失点。その後は走者を背負いながらも粘投を続けていたが、5回2死から代打を送られた。今季3勝目、日本通算98勝は次戦に持ち越しとなった。 メッセンジャーは4月19日の巨人戦で打球を受け、右前腕の打撲で一時離脱。復帰した前回4日のDeNA戦では、3安打完封と完璧な投球を見せていた。 10日には「今はいい野球をできている。打線はいい一打を出しているし、ここぞでいい守りをしている。投手が仕事をできればこの状態を続けられると思う」と話していたが、意気込み通りの投球は出来なかった。

◆中日は初回、高橋の右中間二塁打で2点を奪い、阿部の右前適時打でもう1点追加した。先発の柳は安定した立ち上がり。 阪神メッセンジャーは2回以降立ち直ったが5回3失点で降板。中日柳は3回先頭から6者連続三振を奪うなど流れをキープした。 8回無失点の柳は3勝目。中日は連敗を2で止めた。阪神は好機であと1本が出ず、4試合ぶりの黒星。メッセンジャーは3敗目。

◆キャプテンの中日高橋周平内野手が打線をけん引した。 4月12日阪神戦以来のスタメン5番に入り、初回に先制適時二塁打。8回にも4点目の適時打で、先発柳を援護した。「(先制打は)カウント3-2からうまく対応できた。(8回は)頑張ってる柳のためにも、打つことができて良かった」と話した。打率も規定打数到達者では大島、平田に次ぐチーム3位と、存在感を見せている。

◆阪神4番大山悠輔内野手は中日柳の前に1安打だった。初回2死一塁から投ゴロ、4回1死では143キロ直球に空振り三振に倒れた。 6回2死の3打席目はスライダーを打ち返し左翼へ二塁打。試合後は「また明日頑張ります」と言葉少なに気持ちを切り替えた。

◆阪神の先発メッセンジャーが、初回にまさかの3失点を喫した。 初回1死からの2番大島の二塁打でリズムが狂ったのか、2死一、二塁とされた後から高橋の適時二塁打、阿部の右前適時打で一挙3点を失った。大島の打球はやや右翼線寄りだったが、糸井が処理する間に二塁に到達された。 「初回が全てでした。大島の単打が二塁打になってしまったり...。高橋に投げたボールはそこまで悪くなかった。うまく打たれました」と振り返った。 その後は走者を背負いながら粘って、5回6安打3失点。それだけに初回が悔やまれるが、矢野監督は「丁寧には投げていた。立ち上がりは投手は難しい。それは投手だって勝負しているし。3点というのは確かに苦しい展開にはなったけど。それはもう結果だから」と3敗目を喫した右腕を思いやった。

◆中日柳裕也投手が今季自己最長の8回を無失点で投げ抜き、チームの連敗を止めた。 3回、先頭のメッセンジャーから6者連続奪三振。93年郭源治が持つ球団記録の7者連続奪三振には届かなかったが、直球、チェンジアップ、スライダーを狙ったコースに決め、好調な阪神打線を5安打無得点に封じた。自身初の2ケタ12奪三振で、キャリアハイのシーズン3勝目を手にした。 「最後まで行きたい気持ちはあった。勝てない何か(球数)があった。上ずっていた部分もあった」。昨年4月10日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)以来のプロ2度目の完封勝利は、8回降板でお預けになった。まず反省が口をつくも、表情には充実感も漂った。 この日、不整脈で離脱中の開幕投手・笠原が約1カ月で戦列復帰するめどが立った。吉見、山井も離脱し、開幕ローテーションを守っているのは柳、大野雄、ロメロの3人だけ。笠原と同期、同学年の柳は「笠原とも連絡は取ります。ケガ人も多く、先発投手が大変な状況。大野さんにしっかりついていけるように投げたい」。7日の広島戦でチーム完封一番乗りを果たした大野雄に触発された。先輩左腕のように「心と体をコントロールできた」と自画自賛。勝利数と奪三振で自己最多をマークし、新たな壁を乗り越えていく。【伊東大介】

◆阪神木浪聖也内野手が9回の攻撃を悔やんだ。 1点を返し、なおも1死二塁で、遊ゴロに倒れた。走者を三塁に進めたが反撃はここまで。「つなげたかったです」と話した。 それでも好調だった中日柳から7回に右中間を破る二塁打を放った。「コントロールがいいという感じでした」。好投手からの1本を自信に変える。

◆あれれ、矢野阪神は小休止...。阪神は中日先発柳に大苦戦し、8回までに12三振を奪われて無得点に終わった。9回に1点を返し、完封負けを免れたが、この日は精彩を欠いて計13三振。 甲子園は「TORACO DAY」を催し、多くの女性ファンが駆けつけていたが、カッコいいところを見せられず。引き分けを挟んだ連勝は2で止まり、3位に後退した。五月晴れの甲子園はため息ばかりに包まれた。1回に先発メッセンジャーが3失点。「これくらいはハンディキャップや」と思えるほどチームは好調だが、反撃の期待は肩透かしに終わってしまった。敗戦後、矢野監督も厳しい顔で言った。 「ちょっと点が最後まで入らない状況だったので、残念な試合になりました。(柳は)簡単ではないと思いましたけど、何とかできそうなチャンスもあった。1本出ていれば、本当に流れは全然、変わった。そこで打てなかったのが敗因」 中日の先発柳を打ちあぐねた。重い球質の速球はコーナーに決まり、チェンジアップを駆使した緩急に戸惑った。4回はクリーンアップの糸井、大山、福留が3者連続空振り三振。3点を追う5回は2死後、代打高山の右翼線二塁打で二、三塁の見せ場を作るが、チャンスで勝負強さを見せる近本が、内角速球に押されて遊直に倒れてしまった。 矢野監督 チェンジアップもいいところに、左打者は投げられた。抜けてもタイミングが取れない。低めに来てもなかなかバットが止まらない感じがあった。 浜中打撃コーチ 真っすぐのキレがよかった。追い込まれたらしんどい投手。もう少し早めに積極的にいこうと言えばよかった。 5回裏の攻撃前には円陣を組んだ。打つべき手を打っても、バットはくるくる回る。後手にも回り、柳にKKKKK...。6者連続三振など12三振の惨状だ。柳に今季3戦2敗。この日は合計13三振で、9イニングでは今季最多のチーム三振数に膨れ上がってしまった。 前日10日の同カードを逆転勝ちし、今季最多の貯金3に増やしていた。だが、この日は一転して打線が沈黙。9回に1点かえすのが精いっぱいだった。甲子園での勝敗も8勝9敗と再び黒星が先行した。「TORACO DAY」で多くの女性が熱視線を寄せたが、まぶしい姿を見せられなかった。それでも、矢野監督は「打者が奮起して、いいゲームにしたい」と前を向いた。12日の中日3戦目でカード勝ち越しを狙う。【酒井俊作】 ▼阪神の1試合13三振は、9回までの数字としては今季ワーストを更新。これまでの最多は12三振で、4月24日DeNA戦、5月8日ヤクルト戦(延長10~12回に6三振を加え、総計18三振)と2度あった。9回までに13三振以上は、17年8月27日巨人戦14三振以来2シーズンぶり。

◆7者連続奪三振の球団記録を持つ郭源治さん(日本国籍名=佳久源治)も中日柳の好投を喜んだ。 現在は母国台湾で、プロを目指す中学、高校生をボランティアで指導中。「すごいね。今の打者からはなかなか取りにくいよ。実力がないとできないことだよ」。息子の佳久創さん(俳優)が、柳の母校・明大ラグビー部出身という縁もあり、竜の後輩を応援した。

◆阪神梅野が敗戦にも前向きだった。 8回に登板した浜地、9回にマウンドに上がった福永について「浜地や福永はこれからの投手。福永は真っすぐで押してやろうという気持ちが強く、それが伝わってきた。そこは経験。自分もなんとかしてやろうと思っていた」。この日最速153キロを計測した3年目右腕に期待をかけた。

◆阪神の浜地が八回、初めて本拠地の甲子園で登板したが、1失点だった。大島に二塁打を許し、2死後は高橋に適時打を献上。「結果を出したかったけど、悔しい」とうなだれた。  3年目の今季は開幕ローテーション入りしたが、4月4日の巨人戦で4回6失点と打ち込まれて2軍落ち。「1軍の厳しさを感じている。2回同じことをしてしまって申し訳ない気持ち」と話した。 矢野監督(メッセンジャーに) 「丁寧には投げていた。立ち上がりは難しいんで」 阪神・浜中打撃コーチ(柳に) 「真っすぐが良かった。それに対してコーチ陣の指示も遅くなってしまった」 木浪(九回の好機で遊ゴロ) 「つなぎたかった」

◆主将の勢いが止まらない。中日の高橋は2安打3打点と活躍し、安打は6試合連続、打点は5戦連続となった。一回2死一、二塁でメッセンジャーのカーブを右中間に先制の2点二塁打。「どうしても打ちたかった。うまく対応することができた」と会心の一打となった。  八回も適時打で貴重な追加点をもたらした。好投の柳に鼓舞されたという高橋は「柳のためにも、打つことができて良かった」と語った。 阿部(一回に適時打) 「三振しないように必死だった。コースに逆らわず、素直に打つことができた」 福田(九回に5号ソロ) 「追加点がほしい場面だったので、本塁打になってくれてうれしい」

◆阪神は11日、甲子園で中日に1-5で敗れた。打線は中日先発・柳の前に8回無得点、12三振。連勝は2でストップし、3位に後退した。  「ちょっと残念なね、試合になりましたね。何とかできそうなチャンスはあったんで。そこで1本出ていれば、流れは全然変わったと思う。そこで出なかったというのが、敗因だと思います」  矢野監督は試合後、厳しい表情だ。柳とは今季3度目の対戦で、2勝目を献上。「ちょっと抜けてもタイミングが取れないとか、低めに来てもなかなかバットが止まらないというような感じ。低めの真っすぐでカウント取られるというようなところが前半あった。ちょっと対応しきれなかった」と話した。  結局、延長戦を除けば今季ワーストの1試合13三振。指揮官は「バッターが奮起して、いいゲームしたい」と12日に向けて気持ちを切り替えた。

◆阪神・高山が11日、中日戦(甲子園)の五回2死一塁で、代打として登場。明大の1学年後輩・柳から右翼へ二塁打を放った。  「僕には1打席しかないので。本当に打つしかないです」  得点にはつながらなかったが、それまでチームわずか1安打と打ちあぐねていた後輩右腕に、先輩としての意地を見せた。

◆--柳とは今季3度目の対戦だったが  矢野監督「インコースへもちろん来ていたし、いい高さに来ていた。簡単ではないかな、と」  --メッセンジャーは一回に3失点  「丁寧には投げていたが、立ち上がりというのはピッチャーは難しいんで。まあ打線がね、何とかしたかったなという方が大きい」  --一回、ビシエドを直球で空振り三振に封じたところまでは、踏ん張っていたが...  「結果はそうだからそうなっちゃうし、打たれりゃ、どうのこうのは出てくる。野球だから。結果が出たところから振り返れば何かしら出てくるし、それは反省としてもちろんやっていかなアカンと思うけど。それはピッチャーだって勝負してるしさ。まあ3点ていうのは確かに苦しい展開にはなったけど。それはもう結果だから」

◆中日・柳に虎が仕留められてもうた~。8回を散発の5安打。三、四回の6者連続を含む12奪三振で無失点だってんだから、本日はとてつもなく調子が良かったんだろう! ま、長いペナントレースはこういう左うちわならぬ、右うちわの完敗もあらーな(涙)。  惜しむらくは虎の先発、メッセンジャーが前回4日のDeNA戦では3安打でスイスイと完投したのに、本日は一回にいきなり3点を先制されたことなのだ。  前回と違いすぎるやろー! 考えてみれば、メッセは日米通算101勝を挙げているとはいえ、8月で38歳になるおっさん(芸能界なら内山信二君と同じ)だよ! この時期、屋外球場のデーゲームは30度近くまで気温が上昇し、しんどいと思うのだ。そこで、メッセの登板はナイター、もしくは温度調整されているドーム球場というのはどうだろう?  さあ、3戦目の先発は20歳の才木。そして中日は19歳の清水と、2人足してメッセとほぼ同じの39歳!! 暑さの言い訳はなし。若さあふれる投手戦で、虎が1-0で勝利なんてのもいいなぁ...。

◆華麗な"2回転トーループ"のそろい踏み。そしてファーストピッチでした。  「三原舞依選手から、フリープログラムの話が出ました。これって、別に原稿が要りますよね」  試合前、甲子園球場のトラ番箭内桃子から、当番デスクの堀啓介に電話がかかってきました。  この日の中日戦は、花柄ユニホームのプレゼントなど女性ファンへの特典がいっぱいの「TORACO DAY」として開催されました。始球式にもフィギュアスケート界のTORACOさん、坂本花織選手と三原舞依選手が登場。2人とも神戸市生まれで、神戸に本社がある医療機器メーカー、シスメックスに所属し、それぞれ神戸学院大と甲南大に通っている熱烈な阪神ファンです。  その始球式を終えてトラ番に囲まれた三原選手が、来シーズンのフリーのプログラムの振り付けを、かつて浅田真央さんを担当していたローリー・ニコルさんに依頼し、快諾を得ていることを認めたため「これはこれで始球式とは別に原稿にしなきゃ」と、TORACO桃子は思ったのです。  というわけで「TORACO DAY」の詳細と始球式の模様は2面に、坂本選手がシード選手として、三原選手も招待選手として出場する10月から始まるグランプリシリーズに向けての新プログラムのお話は7面に、分けて掲載しております。くわしくはそちらをお読みください。  実は前日10日が、2人が目標にしている2022年冬季五輪(同年2月4-20日、中国・北京)まであと1000日という区切りの日でした。カウントダウンも始まって、2人の背中を押すような快勝を期待したのですが、試合は...。プレゼントされた花柄のユニホームを着て声援を送っていた女性ファンも、肩を落としておりました。  次回の「TORACO DAY」は8月20日、DeNA戦(京セラ)で開催されます。2人にはそのときにまた来てもらいますか。そのころには、三原選手のフリーの新プログラムも形が見えているはず。この日とはまた別のジャンプを披露してくれるかもしれません。  ところで、特典と言えば、お知らせがございます。甲子園球場にはこの日、運動部長大澤謙一郎も顔を出しておりました。女性ファンが多く来場しているから、カワイ子ちゃんをチェックしにいったわけではございません。  19日の広島戦の前に甲子園歴史館多目的ホールで行われるサンケイスポーツ専属評論家・八木裕氏とフリーアナウンサー梅田淳氏のトークショーがあと1週間に迫り、関係者や八木さんとその打ち合わせをするために訪れたのです。  チケット(大人1000円、こども500円、甲子園歴史館の入場料込み)はローソンチケットで発売中です。山口県トップの練り物製品製造会社「フジミツ」の協賛で「ちくわとか、ビールのおつまみにぴったりの製品」のプレゼントもあります。大澤によると「サンスポからも、ちょっと記念になるもの」を用意させていただいております。残りわずかとなっています。チケットのお求めはお早めに。

◆5回3失点で3敗目を喫したメッセンジャーは試合後、「単打だと思っていたのがツーベースになってしまいましたし、あれでだいぶ変わっちゃいましたけど」とポツリ。3点を失った一回、1死から2番の大島の右前への打球が二塁打となったシーンを挙げた。それでも二回以降は立ち直り「(一回は)相手にうまく打たれた。ゲームは作れたかな」と淡々と振り返った。  矢野監督は「立ち上がりというのは難しい、今後もしっかりやってくれると思います」と期待すると、糸井の守備については「みんなには言えないようなこともあるしね、それは。俺は別に嘉男(糸井)だって(力を)抜いてるっていうとこじゃない部分も、まあ。それを俺は悪くは言わない」と話すにとどめた。

◆20歳の浜地は0-3の八回に甲子園初登板し、1回2安打1失点。1死三塁でビシエドをカーブで空振り三振に斬ったが、続く高橋に左前適時打を許した。プロ初登板先発で4回6失点KOされた4月4日の巨人戦(東京ドーム)以来、2試合目の1軍マウンド。「(コースが)高く入ると打たれる。2回とも同じことをしてしまった。申し訳ないし、悔しい」と唇をかんだ。

◆阪神は11日の中日戦(甲子園)を「TORACO DAY」として開催。試合開始2時間後までに入場した入場券を持つ女性全員にTORACOユニホームがプレゼントされた。試合前の練習後には一塁側アルプスにD1位・近本光司外野手(大阪ガス)と3位・木浪聖也内野手(ホンダ)が足を運び、女性ファンと記念撮影。近本は「阪神(の人気は)はすごいです」と驚いていた。  また画家のフランキー・スィーヒさんがペインティングを披露し、20組40人を対象とした選手握手会や「トラ耳ヘアスタイル体験ブース」を設けるなど、女性ファン向けのイベントで盛り上がった。

◆D3位・木浪聖也内野手(ホンダ)が2試合連続で長打を放った。七回2死から右中間を破る二塁打。打線が柳に12三振を喫する中、木浪だけは先発野手で唯一、三振せずに食らいついた。「コントロールのいいピッチャーでした」。九回1死二塁の好機では遊ゴロに倒れ「つなぎたかったです」と悔しさをにじませた。打率・242まで上昇させてきたルーキーが下位から攻撃を活性化させる。

◆梅野が2安打3出塁と気を吐いた。二回1死で柳からチーム初安打となる左前打を放つと、五回先頭では遊撃失策で出塁。九回無死一塁では左前打を放ち、唯一の得点につなげた。それでも敗戦に笑顔はなし。「あしたに向かって切り替えてやっていくしかないです」と前を向いた。

◆福留は3試合ぶりの安打。2三振で迎えた九回先頭でロドリゲスから左前打を放ち、マルテの三ゴロでホームを踏んだ。NPB通算1000得点まで残り「7」に。柳に沈黙した打線だが「そういう日もあるでしょう。そう(切り替える)するしかない」と前を向いた。柳とは今季9打数1安打。次こそチームを勝利に導く一打を放つ。

◆前日10日に2号2ランを放ったマルテは、4打数無安打2三振。九回無死一、三塁で三ゴロの間に三走・福留が生還し、零封負けを免れる1打点を挙げた。「きょうは向こうのピッチャーにいいピッチングをされた。あした、いい調子を保てるようにやっていきたい」とリベンジを誓った。打点を記録した試合はこれまで3戦3勝だったが、初めて敗れた。

◆中日・柳裕也投手(24)は完封こそ逃したが、8回無失点で3勝目を挙げた。4日のヤクルト戦は味方の拙守にも足を引っ張られ、6回8失点。この日は自己最多の12三振を奪い、「心と体をうまくコントロールできた。加藤さんのリードも良かったし、落ち着いて投げることができた」と手応えを口にした。  三、四回は回転をつけるようにしたというチェンジアップが効果的に決まり、6者連続三振に仕留めた。しかし、球数が八回で128となり、九回は投げなかった。7日の大野雄に続く完封はならず、「最後までいきたかったが、9イニング目に立てない何かがあった」と悔しそう。チームは先発投手が相次いで離脱する苦しい状況。与田監督は「完封させたかったくらい、いい投球だった」と目を細めた。

◆ああ、13三振...。阪神は、今季3度目の対戦となった中日・柳裕也投手(25)の前に8回無得点と沈黙し、1-5で完敗。連勝は2で止まり、再び3位に後退した。矢野燿大監督(50)は「残念な試合」と顔をしかめると、12日の打線の奮起を期待した。  敵の意のままに体勢を崩され、振りかけたバットも止められない。たしかに3失点した一回が山場だった。だが、矢野監督が顔をしかめたのは、うず高く積み上げた三振の山の方だった。  「ちょっと残念なね、試合になりましたね。何とかできそうなチャンスはあったんで。そこで1本出ていれば、流れは全然変わったと思う。そこで出なかったというのが、敗因だと思います」  多くの女性ファンが駆けつけた今季初の「TORACO DAY」に、虎打線は黄色い歓声をほとんど響かせられず。0-5の九回に、マルテの三ゴロの間に1点を奪って零封負けをしのぐのがやっとだった。  柳とは今季3度目の顔合わせ。4月13日の甲子園では7回2失点で白星を献上。同28日のナゴヤドームでも6回2失点の粘投を許し、右腕には勝敗はつかず、虎が何とか勝った。いずれのゲームでも打ち崩せずに、挙げ句、この日は12三振を奪われての8回5安打無失点投球。3試合で対戦防御率は1・29だ。  まだシーズンの序盤だというのに"アレルギー"だけが際立った。三回先頭の9番・メッセンジャーから、四回の5番・福留まではまさかの6者連続三振も。27個目のアウトは上本が2番手のロドリゲスに空振り三振を奪われ、延長戦を除けば2年ぶり、今季ワーストの13三振だ。  「ちょっと抜けてもタイミングが取れないとか、低めに来てもなかなかバットが止まらないというような感じ。低めの真っすぐでカウント取られるというようなところが前半あった。ちょっと対応しきれなかった」と指揮官。浜中打撃コーチも「こちらの指示が遅かったのもあるけど、もう少し積極的に行けたらよかった。次の反省にしたい」と悔やしがった。  ただ、直近10試合のうち8戦で先制点を奪われてきたが、その間も6勝3敗1分けで戦ってきた。逆転勝ち10度はヤクルトと並び両リーグトップタイで、打線に反発力がないワケではない。  「(12日先発の才木は)投げっぷりのいいピッチャーですしね、どんどん向かっていく投球を見せてくれると思うんで、それにバッターが奮起して、いいゲームしたいと思います」  きょうこそはスカッと打ち勝ち、お母さんを含めたTORACOと笑える、「母の日」にする。 (長友孝輔) 4打数無安打で連続試合安打が「5」で止まった阪神D1位・近本光司外野手(大阪ガス) 「(柳は)チェンジアップがよかったです」 12日の中日戦で自身3連勝を狙う阪神・才木 「(ここまで)勝ちがついていてありがたいんですけど、先発として6、7回を投げ切れていない。しっかり長いイニングを投げていければ」

◆TORACOたちの黄色い声援を独り占めして、二塁ベース上で拳を突き上げた。女性ファン向けのイベントが開催されたこの日。代打で出場した高山が、存在感を発揮する二塁打。試合には敗れたが、チームが1試合13三振を喫した中、たったひと振りで確かな爪痕を残した。  「僕には1打席しかないので。本当に打つしかないです」  言葉に実感がこもる。0-3の五回、2死一塁でメッセンジャーの代打として打席へ。カウント1-2からの5球目、低め126キロチェンジアップを捉えた。一、二塁間を鋭く破った打球が右翼の右へ転がっていく間に俊足を飛ばして二塁へ。2死二、三塁と好機を拡大した。それまでチームわずか1安打と打ちあぐねていた"難敵"柳は、明大の1学年後輩。先輩の意地を見せた。  外野の定位置をD1位・近本光司外野手(大阪ガス)に譲る日々。今季の先発出場はわずか3試合-。昨季はシーズンのほとんどを2軍で過ごし、今季は自身初めて開幕スタメンを逃した。大半がデーゲームとなるファーム暮らしが長く続き、自然と体も朝型に。「ファームに慣れすぎて午後11時には眠くなってしまって」。元号が平成から令和になる瞬間も、快眠中。スッキリと目覚め、デーゲームへと向かった。苦しい日々を乗り越え、新しい時代こそ、1軍で真価を見せる。  少ないチャンスで結果を残して、這い上がる。敗戦の中で残した今季4安打目、代打では2本目の快音を、復活のきっかけにする。 (箭内桃子)

◆阪神は一回の3点が響いて、中日に1-5で完敗。3連勝を逃して3位に転落した。一回2死二塁からの右前打では、糸井嘉男外野手(37)が本塁へ返球しなかったプレーに対して、ランディ・メッセンジャー投手(37)が不満のポーズを示すシーンも...。阪神OBの八木裕氏(53)=サンケイスポーツ専属評論家=は「糸井に投げて欲しかった」とメッセンジャーの思いを代弁した。  明らかに不満なポーズだった。ホームのベースカバーに入っていたメッセンジャーが、右翼方向を見つめながら、両手を上げて何かをつぶやく。今、グラウンド上で起こったことが信じられない、という表情で。  問題のシーンは立ち上がりの一回だった。1死から大島に右翼線寄りの安打を浴び、糸井が処理する間に一気に二塁を陥れられた。ここから2死一、二塁を招き、高橋に先制の2点二塁打。なお2死二塁で、阿部の打球は鋭く一、二塁間を抜けていった。二走は迷わずホームへ向かう。  だが、右翼から矢のようなバックホーム...が送られることはなかった。転がってきた打球を、定位置から前に出てきて捕球した糸井は、内野手へ軽く返球-。  なぜ、チャージしないのか!?  メッセンジャーからすれば、アンビリーバブルなプレーに感じた。  このプレーを見ていた八木氏の見解はこうだ。  「アウト、セーフが問題ではなく、あの場面ではチャージして、ホームへ投げて欲しかった。外野手はそういう姿を見せないと、投手は納得しないもの。空気もよくなくなるし。やることをしっかりやって、それでセーフなら仕方がない」  現役時代は好守の外野手としても活躍した八木氏の目にも、ホームへ投げてもらいたいプレーに映った。  確かにタイミング的に間に合わないようにも見えた。が、あまりにも諦めるのが早すぎたようにも見えた。前回登板(4日、DeNA戦)で完投勝利を挙げ、この日も、と意気込んでいたメッセンジャーだけに、気持ちが表に出るのもやむを得ないだろう。結果的に、この回の3点が致命傷となり、虎の連勝は2でストップ。2位タイから3位へ、貯金は再び「2」となった。  もちろん、中日・柳の完ぺきに近い投球に打線が抑え込まれたことが最大の敗因だ。八木氏は「2段モーションで、真っすぐとチェンジアップを投げる腕の振りが一緒。タイミングを取るのが非常に難しい投手」と分析。「ファーストストライクをすべて打って行くとか、ツーストライク目は低めを見送るとか、チーム全体で極端な仕掛けをしていくことも必要」と対策を示すと「苦手意識をつくらないように」と警鐘を鳴らした。 糸井の一回の2つのプレーについて阪神・清水ヘッドコーチ 「どちらも、あの距離からは無理かなと。私が見て、投げてもセーフだと思った。(糸井も)自分で判断して刺せないと思ったのだろう」 一回の大島の二塁打での糸井の打球処理について阪神・筒井外野守備走塁コーチ 「(右翼線は)甲子園の形状的にウイークポイント。俊(高山)も同じような打球で二塁をとった(五回の二塁打)。小さなミスが三塁打にもなるし、隙があったとか、そういうわけではないです」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
21131 0.618
(↓0.018)
-
(-)
108188
(+1)
131
(+3)
48
(+1)
18
(-)
0.271
(↓0.003)
3.480
(↑0.02)
2
(-)
ヤクルト
20162 0.556
(↑0.013)
2
(↑1)
105189
(+3)
176
(+1)
47
(+1)
16
(-)
0.247
(↑0.001)
4.240
(↑0.08)
3
(1↓)
阪神
19172 0.528
(↓0.015)
3
(-)
105149
(+1)
159
(+5)
25
(-)
22
(-)
0.242
(↓0.001)
3.510
(↓0.04)
4
(-)
広島
18181 0.500
(↑0.014)
4
(↑1)
106125
(+4)
150
(-)
34
(-)
18
(-)
0.230
(-)
3.250
(↑0.09)
5
(-)
中日
16200 0.444
(↑0.015)
6
(↑1)
107132
(+5)
137
(+1)
25
(+1)
24
(+1)
0.264
(-)
3.730
(↑0.08)
6
(-)
DeNA
13230 0.361
(↓0.01)
9
(-)
107132
(-)
162
(+4)
40
(-)
7
(-)
0.232
(↓0.001)
4.060
(↓0.01)