巨人(★1対3☆)ヤクルト =リーグ戦8回戦(2019.05.11)・東京ドーム=
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ヤクルト
0003000003901
巨人
0000000011621
勝利投手:石川 雅規(1勝1敗0S)
(セーブ:梅野 雄吾(0勝1敗2S))
敗戦投手:メルセデス(3勝2敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(10号・4回表ソロ)
【巨人】坂本 勇人(13号・9回裏ソロ)

  DAZN
◆ヤクルトは0-0で迎えた4回表、村上のソロと太田の適時打で3点を先制する。投げては、先発・石川が5回無失点。その後は3人の継投でリードを守り、石川は今季初勝利を挙げた。敗れた巨人は、先発・メルセデスが好投するも、打線が6安打1得点と振るわなかった。

◆18年目のヤクルト石川雅規投手(39)は今季5試合で0勝1敗。同投手は昨年まで毎年白星を挙げ、現役最多の通算163勝をマーク。今季初勝利を記録すれば、95~12年西口(西武)以来のプロ入り18年連続勝利となる。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が、開幕からの連続試合出塁記録を35試合とし、セ・リーグ記録の97年金本知憲(広島)に並んだ。 1回1死、ヤクルト石川の直球を中前にはじき返した。83年スティーブ(西武)の40試合にあと5に迫った。

◆ヤクルト山田哲人内野手が、2回の守備から途中交代した。 「3番・二塁」でスタメン出場し、1回2死では空振り三振に倒れていた。 試合前の練習では、上半身を気にするそぶりを見せていた。打撃練習を途中で切り上げ、1度ベンチ裏へ引き揚げた。その後、小川監督や宮本ヘッドコーチ、トレーナーがチェックする前でティー打撃を行っていた。守備練習も、キャッチボールのみだった。

◆巨人メルセデス、ヤクルト石川が先発。両軍ともに得点圏に走者を進めるも、序盤の3回までは無得点で滑り出した。 ヤクルトが4回に村上の10号ソロで先制。なお2死満塁から太田の2点適時打で追加点を挙げた。石川は5回無失点で降板した。 ヤクルトが6回から継投策で逃げ切り、石川が今季初勝利。巨人の先発メルセデスは7回0/3、3失点で2敗目を喫した。

◆ヤクルトは村上宗隆内野手の10号ソロで先制した。高卒2年目での2ケタ本塁打は、西武森以来6人目の到達となった。 0-0の4回1死、巨人先発メルセデスの2球目139キロ直球をヤクルトファンが待つ左翼席へ運んだ。「少し差し込まれましたが、しっかり押し込むことができました。先制できてよかったです」と話した。 青木が体調不良のためスタメンを外れ、山田哲が途中交代するアクシデントに見舞われた試合で、村上が攻撃の口火を切った。

◆歴史的猛打から一夜明けた巨人打線が沈黙した。2回2死から中島の右翼フェンス直撃の二塁打で好機をつくるも、後続が倒れて無得点。劣勢で迎えた9回に好調坂本勇の13号ソロで1点を返すのがやっと。前日10日は23安打19得点で5点差をひっくり返し、度肝を抜いたが、この日は猛打とはならなかった。 原辰徳監督(60)は「昨日のゲームは頭の中にはもうない。でも、今日は(相手投手に)非常に丁寧に投げられたということでしょうね」と振り返った。 今季はここまで3勝を挙げていたメルセデスが、小林と今季初めてバッテリーを組んだ。4回、ヤクルト村上のソロ弾を皮切りに3失点した。開幕からの5試合は大城とのコンビで防御率2・65。バッテリーの組み替えについて指揮官は「小林は経験はあるし、攻撃面も含めて、総合的にということですね」と説明。村上に許した先制ソロを敗因の1つに挙げ「やっぱり、あの本塁打だよね。あの1球でしょうね。意図とは違うボールがいったというとこでしょう」とした。

◆ヤクルト山田哲人内野手(26)が、巨人8回戦(東京ドーム)の2回の守備から途中交代した。試合前練習から上半身を気にしており、打撃練習を途中で切り上げて1度、ベンチ裏へ引き揚げていた。試合中に病院で診察を受け「昨日はなかったけど、試合前の練習から違和感があった」と話した。12日以降の試合出場について小川監督は「頭(先発)から使うかは分からない」と話した。 また、前日10日の試合で体調不良を訴えて途中交代した青木宣親外野手(37)は欠場。ベンチ入りはしており「昨日よりは、よくなっている。(状態は)デイバイデイ。脳振とう(の影響は)は大丈夫」と話した。

◆ヤクルトの若武者が、チームの窮地を救った。今季3度目の5番に座った村上宗隆内野手(19)が4回、左翼へ貴重な先制10号ソロを放った。 中学生の頃に憧れた西武森以来となる、高卒2年目での2ケタ本塁打に到達した。投げてはベテラン石川雅規投手(39)がプロ入りから18年連続となる今季初勝利。青木、山田哲が離脱する中、年の差20歳コンビが躍動し、チームは前夜の大敗から巻き返した。勝利への思い、チームへの思いを乗せた打球をファンの元へ届けた。村上は4回1死、巨人先発メルセデスの2球目、139キロ高めの直球を捉え、緑に染まった左翼席へ運んだ。チーム38試合目での10号。「2ケタは特に意識していないけど、今日勝てたことが大事なこと。うれしく思う。なんとか石川さんに勝ちをつけたかったし、チーム一丸となっての勝利でものすごくうれしい」と喜んだ。 暗雲が垂れこめたチーム状況を、一振りで変えた。ケガの坂口、バレンティンに続いて、体調不良で青木が欠場。山田哲も途中交代した。開幕スタメンの1~4番を欠く緊急事態だが、ベンチではコーチ陣から「ピンチじゃないぞ、チャンスだぞ」の声が響いた。前日には今季ワースト19失点で大敗。それでも村上の気持ちは「負けは負けで、しょうがない」と切り替わっていた。5番に入った今季2試合は8打数無安打も、今度はクリーンアップの役割を果たした。「ずっとスタメンで使っていただいている立場。なんとか結果を残したいと思っている。少しずつ、チームの力になっていることはうれしい」。 高卒2年目での2ケタ本塁打は、中学生時代に「甲子園のスーパースター」と憧れていた西武森の記録に肩を並べた。高校まではポジションも同じ捕手。「まだ中学生で、何がすごいのか分からなかったけど、森さんは打ちまくっていた」。自身は甲子園は1年夏の1度だけで、思うような結果は残せなかった。それでもプロ2年目で先輩に追いついた"燕のゴジラ"。「僕の役割を果たしていきたい」とさらに歴史を塗り替える。【保坂恭子】

◆ヤクルトのベテラン石川雅規投手(39)が、プロ入りから18年連続となる白星を挙げた。 持ち味の丁寧な投球でコーナーと低めを突き、5回を4安打5奪三振の無失点。今後を見据えて5回での降板となったが、多彩な球種で的を絞らせなかった。「向こうがどんどんくるので、コンタクトさせないように。両サイド、高低を使って投げられた」と振り返った。現役最多を更新する164勝目に「1人で出来ることではない」と家族やチームメートに感謝。小川監督は「石川らしさを十二分に発揮してくれた」と手放しで評価した。 今季6試合目で、初勝利を手にした。4月の4試合は、自身に白星がつかなかったがチームは勝利。喜びながらも「本音は、自分が勝つのがいい。1つ勝たないと、2つはない」と焦りもあった。野手だけでなく、投手陣も守護神石山が離脱する苦しい状況で、大きな1勝。ヒーローインタビューでは「腕がちぎれるくらいまで、しっかり投げたい」と宣言。ファンからのひときわ大きな声援に、手を振って答えた。【保坂恭子】

◆ヤクルトは4回に村上の10号ソロと太田の2点打で3点を先行した。石川は5回無失点で今季初勝利。継投で逃げ切り、9回をしのいだ梅野が2セーブ目。巨人は9回に坂本勇の13号ソロなどで反撃したが及ばず連勝が3で止まった。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が1回1死から中前打を放ち、開幕戦からの連続試合出塁を35とし、97年金本(広島)のセ・リーグ記録に並んだ。チームが敗れ、自身の記録に関しては「明日も出塁できるように頑張ります」と言葉少なだったが、原監督からは「『いとも簡単に』というふうに見える、いいヒット」と称賛された。 野球人生は、金本モデルで始まった。プロ1年目、初めて手にしたバットはSSK社の阪神金本モデル。33・5インチ、920グラム、トップヘビーで素材はメープルだった。2年目の途中から、巨人高橋由伸モデルに変更したが、07年9月6日の中日戦では金本モデルでプロ初安打。あれから12年、憧れたその人に連続出塁記録で肩を並べた。 9回には13号ソロを放ち、マルチ安打を達成した。打点もリーグ単独トップに立ち、本塁打、打率と合わせ、3冠をキープした。前夜に77年の王の球団記録を更新。リーグ記録にも並んだ今、プロ野球記録となる83年スティーブ(西武)の40試合連続出塁への期待も高まる中、まずは今日12日のヤクルト戦でリーグ新記録を目指す。【久保賢吾】 ▽前阪神監督の金本知憲氏(坂本勇が自身の記録に並び)「97年は開幕から何となく調子が良かったことは覚えているが、セ・リーグ記録だったとは知らなかった。坂本勇は穴がない打者だ。速球にも内角にも強く、変化球にも対応できる。(昨季まで監督として対戦して)ここを攻めておけばいい、という弱点がなかった。抑えられるかどうかは、彼の調子次第。捕手も苦労すると思う。いい打者だ」

◆ヤクルトの若武者が、チームの窮地を救った。今季3度目の5番に座った村上宗隆内野手(19)が4回、左翼へ貴重な先制10号ソロを放った。中学生の頃に憧れた西武森以来となる、高卒2年目での2ケタ本塁打に到達した。 ▼高卒2年目の村上が今季10号を放った。2リーグ制後、高卒2年目以内に2桁本塁打は、2年目に17本打った15年森(西武)以来18人目。ヤクルトは38試合目で、村上は開幕から全試合に出場。チーム38試合目に10号は53年中西(西鉄)の39試合目を抜き、高卒2年目以内の選手では最速だ。53年中西は最終的に36本放ち、40年川上(巨人)ら1リーグ時代の3人と並び最年少の20歳で本塁打王を獲得。00年2月生まれの村上はまだ19歳で、10代で本塁打王を獲得した選手は過去にいない。

◆ヤクルトの若武者が、チームの窮地を救った。今季3度目の5番に座った村上宗隆内野手(19)が4回、左翼へ貴重な先制10号ソロを放った。中学生の頃に憧れた西武森以来となる、高卒2年目での2ケタ本塁打に到達した。投げてはベテラン石川雅規投手(39)がプロ入りから18年連続となる今季初勝利。青木、山田哲が離脱する中、年の差20歳コンビが躍動し、チームは前夜の大敗から巻き返した。 勝利への思い、チームへの思いを乗せた打球をファンの元へ届けた。村上は4回1死、巨人メルセデスの2球目、139キロ高めの直球を緑に染まった左翼席へ運んだ。38試合目での10号到達。貴重な先制弾を「2ケタは特に意識していないけど、今日勝てたことが大事なこと。うれしく思う。なんとか石川さんに勝ちをつけたかったし、チーム一丸となっての勝利でものすごくうれしい」と喜んだ。 暗雲が垂れこめたチーム状況を、一振りで変えた。ケガの坂口、バレンティンに続き、体調不良で青木が欠場。山田哲も途中交代した。前日には今季ワースト19失点で大敗し、開幕1~4番を欠く緊急事態。それでも村上の気持ちは「負けは負けでしょうがない」と切り替わっていた。5番に入った今季2試合は8打数無安打も、3試合目でクリーンアップの役割を果たした。「ずっとスタメンで使っていただいている立場。なんとか結果を残したいと思っている。少しずつ、チームの力になっていることはうれしい」。 高卒2年目での2ケタ本塁打は、中学生時代に「甲子園のスーパースター」と憧れていた西武森の記録に肩を並べた。高校までは同じ捕手。「まだ中学生で、何がすごいのか分からなかったけど、森さんは打ちまくっていた」。自身の甲子園出場は1年夏の1度だけ。思うような結果は残せなかったが、プロ2年目で先輩に追いついた。「僕の役割を果たしていきたい」とさらに歴史を塗り替える。【保坂恭子】 ▼高卒2年目の村上が今季10号を放った。2リーグ制後、高卒2年目以内に2桁本塁打は、2年目に17本打った15年森(西武)以来18人目。ヤクルトは38試合目で、村上は開幕から全試合に出場。チーム38試合目に10号は53年中西(西鉄)の39試合目を抜き、高卒2年目以内の選手では最速だ。53年中西は最終的に36本放ち、40年川上(巨人)ら1リーグ時代の3人と並び最年少の20歳で本塁打王を獲得。00年2月生まれの村上はまだ19歳で、10代で本塁打王を獲得した選手は過去にいない。

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が11日のヤクルト戦(東京ドーム)で、一回に中前打。開幕から35試合連続出塁を果たし、1997年に金本知憲(広島)がマークしたセ・リーグ記録に並んだ。  一回1死。ヤクルトのベテラン左腕、石川の外角のシュートを逆らわずに二塁手の頭上へ。中前打となった。  坂本勇は19-7と大勝した前日10日のヤクルト戦(東京ドーム)で、3安打4打点。開幕からの連続試合出塁を「34」とし、1977年の王貞治を超える球団新記録を樹立。自身の記録よりもチームの勝利にこだわりつつ、「出塁というのは簡単にできることじゃない。それが開幕から続いていることは、すごくいいこと。僕が更新できたことは、誇りに思いたい」と話していた。

◆巨人の坂本勇人内野手が11日、東京ドームで行われたヤクルト8回戦で一回に中前打を放ち、開幕から35試合連続出塁として、1997年に金本知憲(広島)がつくったセ・リーグ記録に並んだ。パ・リーグ記録は83年にスティーブ(西武)がマークした40試合。  坂本勇は3月29日の広島戦で八回に左前打を放ってから連続試合出塁を続けている。 金本知憲氏の話 「1997年は開幕から何となく調子が良かったことは覚えているが、セ・リーグ記録だったとは知らなかった。坂本勇は穴がない打者。速球にも内角にも強く変化球にも対応できる。弱点がなかった。抑えられるかどうかは彼の調子次第。捕手も苦労すると思う。いい打者だ」

◆ヤクルト・石川雅規投手(39)が11日の巨人戦(東京ドーム)に先発し、五回を投げ終えて4安打無失点。3-0とリードしており、この時点で勝利投手の権利を手にした。  ここまで通算163勝の石川は、勝てば今季初白星で、プロ入りから18年連続勝利となる。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が11日の巨人戦(東京ドーム)の四回に、メルセデスの直球を左翼席へ運ぶ先制の10号ソロアーチを放った。  高卒2年目でのシーズン2桁本塁打は、西武・森以来、史上6人目の快挙。村上は「少し差し込まれましたが、しっかり押し込むことができました。先制できてよかったです」と振り返った。

◆ヤクルトは11日の巨人戦(東京ドーム)に3-1で勝利。ベテラン左腕、石川雅規投手(39)が5回4安打無失点と好投し、今季6試合目の登板で初勝利となる通算164勝目(158敗)を挙げた。  秋田商高、青学大を経て2002年にプロ入りした石川は、これでプロ1年目から18年連続勝利。167センチの体から繰り出す巧みな投球で、地道な記録をまた伸ばした。

◆ヤクルトの石川が5回4安打無失点と好投し、今季6度目の先発で初勝利を挙げた。39歳で新人から18年連続勝利を挙げ「本当に一勝が欲しかった。家族、トレーナー、監督コーチ、ファンの皆さんがいるから勝てる」と感慨深げに話した。  前日10日に19点を挙げた巨人打線を持ち前の制球力と緩急で翻弄した。三回1死一塁では好調な坂本勇を変化球で空振り三振に仕留め、続く丸も二ゴロに打ち取り、勢いづかせなかった。「これからも腕がちぎれるくらいしっかり投げたい」と気持ちを新たにした。 ヤクルト・田畑投手コーチ「 石川さんに尽きるね。自分の投球をしてくれた」 太田(四回に2点適時打) 「2打席抑えられていたので、何とか食らい付いていこうと思った。気持ちで打った」 マクガフ(2回無失点) 「いい打線相手の勝利に貢献できて良かった」 梅野(3点差の九回に登板し1失点で2セーブ目) 「いい場面で投げさせてもらってしびれた。いい経験をさせてもらっている」

◆ヤクルトの山田哲が一回の打席で空振り三振に倒れた後、二回の守備で退いた。上半身を痛めているとみられる。試合中に病院で検査を受け、試合後は「違和感は練習中からあった」と言葉少なだった。前日10日の試合で体調不良を訴えて途中交代した青木は欠場し「昨日(10日)よりは良くなっている」と話した。

◆巨人の坂本勇が一回にあっさりと開幕から35試合連続出塁のセ・リーグ記録に並んだ。石川の外角球を鋭くはじき返して中前打とし「明日、また出塁できるように頑張ります」と淡々と話した。  0-3の九回にはリーグトップの13号ソロ。梅野の外角速球を逆らわずに右翼席へ運び、主将として粘りを見せた。打率3割4分8厘、30打点もリーグ1位を走る。チームは敗れて連勝は3で止まったが「もっと早い回にああいう展開にできたら良かった。最後追い詰めたのは明日につながる」と気持ちを切り替えた。 メルセデス(八回途中まで3失点で2敗目) 「四回に失投もあったが全体的に良かった」 巨人・宮本投手総合コーチ(メルセデスに) 「責められない。評価できる」

◆ヤクルトの村上がプロ2年目で初の10号本塁打を放った。0-0の四回1死でメルセデスの速球を捉え、逆方向の左翼席へソロを運び「少し差し込まれたが、しっかり押し込むことができた」と納得の一打を振り返った。  チームは故障者が相次ぎ、坂口とバレンティンが戦列を離れ、青木が体調不良で欠場。山田哲も二回に途中交代する苦しい状況の中、19歳の村上が持ち前の長打力を発揮した。  熊本・九州学院高からドラフト1位で入団。高校出2年目までの2桁本塁打は松井秀喜(巨人)、大谷翔平(日本ハム)らに並ぶ快挙だ。小川監督から「放っておけば打つ」と高く評価され、開幕から我慢強く使ってもらった。打撃フォームの試行錯誤を繰り返し、期待に応え始めている。 小川監督(村上の先制ソロに) 「大きな本塁打だった。チームに勇気を与えてくれた」

◆メルセデスは八回途中8安打3失点で2敗目(3勝)を喫した。この日は大城ではなく、今季初めて小林とバッテリーを組み、打っては2安打をマークした。しかし、四回に村上に先制ソロを許し、さらに2死満塁から太田に直球を左前へ運ばれて計3失点。太田の一打を「外角ではなく、内角を攻めるべきだった」と悔やんだ。

◆六回から2回無失点のマクガフは「いい打線相手の勝利に貢献できてよかった」と胸を張った。八回はハフが得点を許さず、九回は梅野が先頭の坂本勇にソロを喫したものの、その後の2死一、二塁で代打マルティネスを空振り三振に仕留めて2セーブ目。「いい場面で投げさせてもらってしびれた。いい経験をさせてもらっている」とうれしそうだった。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(26)が、一回の打席で空振り三振に倒れた後、上半身のコンディション不良を訴え、二回の守備で退いた。試合中に病院で検査を受け、試合後は「違和感は練習中からあった」と言葉少なだった。  試合前の打撃練習で左脇腹を気にするそぶりを見せ、一度練習を切りあげた。ベンチ裏で治療を受け、試合には「3番・二塁」で先発出場していた。小川監督は、12日以降について「今の段階では何とも言えない」と説明。出場選手登録の抹消などは今後の状態を見て判断される。

◆ヤクルト・石川雅規投手(39)が、5回4安打無失点で今季初勝利(1敗)を挙げた。  2002年の入団1年目から18年連続勝利とし、自身が持つ球団記録を更新。ヒーローインタビューでは「なんとか試合をつくって後ろの投手につなぐことを考えている。支えてくれた家族、トレーナー、監督、コーチ、そして応援してくれるファンがいるからこそ勝てたと思う」と感謝の言葉を口にした。  現役最多勝(通算164勝)左腕は「リラックス法は勝つこと。仕事がうまくいかないと、何事も楽しくないでしょう」という。  持ち味の緩急をつけた投球で前夜19得点の強力打線に連打を許さず、無四球で5奪三振。今季6試合目の先発で白星を手にしたベテランに、小川監督は「石川らしさを十二分に出してくれた」と目尻を下げた。

◆23安打19得点した前日から一転、打線が沈黙した。その中で存在感を見せたのは、やはりこの男。巨人・坂本勇人内野手(30)が、1997年の金本知憲(当時広島)に並ぶ開幕から35試合連続出塁のセ・リーグ記録を打ち立てた。  「明日も出塁できるように頑張ります」  チームの連勝が3で止まり、主将は自身の記録を淡々と振り返った。  金字塔は一回、早くも達成された。石川から中前打を放ち、同じ背番号6をつけた"鉄人"に肩を並べた。0-3の九回には梅野の外角速球を右越えに運び、リーグトップの13号ソロを放った。それでも「もっと早い回に、ああいう展開にできたらよかったけど、最後に追い詰めたのは明日につながる」と、すぐ次戦に目を向けた。  打線は絶好調の主将に続けず、6安打のうち2本が投手のメルセデス。投げても7回0/3を3失点と踏ん張った助っ人左腕を見殺しにした。原監督は「見せ場が、このイニング(九回)だけだったね。今日は非常に丁寧に投げられたということでしょうね」と唇をかんだ。  坂本勇は、打点も30としてリーグ単独トップに立ち"三冠王"の座をキープ。12日にセ・リーグ記録の更新、その先には83年にスティーブ・オンティベロス(西武)が樹立した40試合連続のプロ野球記録も視界に入る。異次元を突き進む主将を打線が生かせるか。勝利のカギが、そこにある。 (谷川直之) 1997年にセ・リーグ記録をマークした金本知憲氏(元広島、阪神) 「開幕から何となく調子が良かったことは覚えているが、リーグ記録とは知らなかった。坂本勇は穴がない打者。ここを攻めておけばいい、という弱点がない」

◆ヤクルトは11日、巨人8回戦(東京ドーム)に3-1で勝ち、1分けを挟む連敗を2で止めた。「5番・一塁」で先発した村上宗隆内野手(19)が、四回に先制のソロ本塁打を放ち、チーム最速で10号に到達。高卒2年目以内の選手の2桁本塁打は球団では55年ぶり。5月11日、チーム38試合目での達成は、2リーグ制(1950年)以降でプロ野球史上最速の記録となった。主力に離脱者が相次ぐ中、若き燕が日に日に存在感を増している。  燕党の待つ左翼席へ、美しい放物線が描かれた。左方向への鋭い打球は中段に着弾。村上は、軽やかなステップでダイヤモンドを一周した。  「少し差し込まれたが、しっかり押し込むことができた。何とか(18年連続白星のかかる)石川さんに勝ちをつけたかった。先制点を取れて、すごくうれしい」  0-0の四回。巨人先発・メルセデスの高めのつり球を上からたたき、納得の一打を放った。  熊本・九州学院高時代は通算52本塁打を放ち"肥後のベーブ・ルース"とも称された逸材だ。ドラフト1位で入団した昨季、イースタン・リーグ2位の17本塁打をマークし、今季は自身初の開幕1軍入りを果たした。  序盤は適応に苦しみ、4月半ばまで打率が1割台に低迷したが、10試合を過ぎた辺りで「落ち着いて打席に入れるようになってきた」という。3、4月は6本塁打、5月はさらにペースを上げて10試合で4本。シーズン37本ペースでアーチを量産している。  チームトップの本塁打は、今季10号に到達した。高卒2年目までのシーズン2桁本塁打は2015年の西武・森(17本塁打)以来。球団では高山忠克以来、55年ぶり2人目の快挙だ。特筆すべきは達成スピード。5月11日、38試合目はプロ野球史上最速となった。  4年前に2桁本塁打を達成した森は、同じ左打者として中学時代からの憧れの存在でもある。「スーパースター。甲子園でホームランを打ちまくっていたイメージがあります」。広角にアーチを連発し、甲子園通算5本塁打をマークした大阪桐蔭時代の姿は目に焼き付いている。村上が今季放った本塁打の半分が左方向であるのも、偶然ではない。  そんな長距離砲のパワーの源は「睡眠」が生み出した188センチ、97キロの恵まれた体格にある。  「食事をたくさん食べていたというより、よく寝ていましたね。中学までは(午後)9時には寝ていました」  さらに「両親も大きいので遺伝もありますね。父も180センチくらいありますし、母も...」。一瞬言葉に詰まり「母のために、やめておきます」とニッコリ。「母の日」前日に見せた、あどけなさの残る笑顔に、両親への思いがあふれていた。  チームにとっても価値ある一発になった。この日、山田哲が途中交代。前日に体調不良を訴えた青木も欠場した。坂口は左手親指骨折、バレンティンも上半身のコンディション不良で離脱中。開幕戦の1-4番を欠く中で、前日の試合は19失点で大敗と嫌なムードも漂っていた。  小川監督が「チームに勇気をもたらす本塁打だった」と空気を変えた19歳に目を細めると、村上は「(10号は)意識していない。きょうの試合に勝てたことが大事なこと」と言い切った。55番を背負う令和の時代の怪物候補が、眩いばかりの輝きを放ち始めた。 (横山尚杜)

◆えてして、こういうものよ。大量19得点から一夜明けて、巨人打線が沈黙。完全にはまったね。  石川は球威があるわけでもなく、打者は脅威を感じない。大当たりの余韻が残っているから、微妙にスイングが大きくなる。すると、緩い球を待ちきれず、打ち急ぎ、ためをつくれない。  加えて、相手の3番・山田哲が1打席で交代。バレンティン、青木に続く離脱で"飛車角、金落ち"。しめしめ...と上から目線になりがちで、ますます振り回す。その悪循環に陥ったわけだ。  坂本勇以外に石川から安打を放ったのは、中島とメルセデス(2本)。緩い球なら何とかなる、というタイプで、まさに象徴的だよね。  もう一つ、投手出身の立場からいわせてもらう。大量点から一夜明けの打線に対して、びくびくすることはない。どんなにいい打者でも、打率はしょせん3割台。打線全体が2日連続で爆発することなど、確率的に低い。むしろ、前日はまぐれ。それくらい、気を楽に持てる。それも術中にはまった理由。  したがって、巨人打線はいまだ、好調とはいえない。この日も逆転していれば、本物といえたんだけどね。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が、高卒2年目でのシーズン2桁本塁打を達成した。熊本・九州学院高で、村上を1年夏から4番で起用し、甲子園大会にも出場した坂井宏安監督(61)が節目の一発を祝してサンケイスポーツに手記を寄せた。  10号到達、おめでとう。開幕から、すごく辛抱して使ってもらっている中で、それなりの結果を残し、チームに貢献していて安堵(あんど)しています。  高校に入学して、初めて練習を見たときにミート力がすごいと感じました。オーバーフェンスする力はなかったけれど、トスバッティングをやらせると正確で柔らかかった。それは天性のもの。パワーがついたのは、本人の打撃に対する意欲のたまもの。遠くに飛ばしたいという思いで、練習に取り組んでいました。  彼には、ずっと『ゴロを打つな』と言ってきました。将来、本当の長距離砲になるために『凡打するくらいなら、高いフライを打て』と指導してきました。  打つことだけでなく、走る練習を怠らない。野球のためなら、どんなことにも一生懸命でした。このオフの年末年始も、うちのグラウンドでずっと練習していました。チームは三が日を休んだのですが、村上は元日以外は休みませんでしたね。  彼の現在の活躍を予感させる本塁打があったことを思い出します。高3の春、リブワーク藤崎台球場で行われた沖縄のチームとの交流戦で、右翼越えの場外ホームランを放ったんです。プロ野球でも、社会人野球でも見たことがないほど。150メートルは飛んでいたと思います。試合を見ていた沖縄・美里工高の監督も『まるで(ゴルフの)ドライバー(ショット)ですね』と話していたことが印象に残っています。  これからも健康に気を付けて、もっともっと活躍してください。 (九州学院高監督)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
21131 0.618
(↓0.018)
-
(-)
108188
(+1)
131
(+3)
48
(+1)
18
(-)
0.271
(↓0.003)
3.480
(↑0.02)
2
(-)
ヤクルト
20162 0.556
(↑0.013)
2
(↑1)
105189
(+3)
176
(+1)
47
(+1)
16
(-)
0.247
(↑0.001
4.240
(↑0.08)
3
(1↓)
阪神
19172 0.528
(↓0.015)
3
(-)
105149
(+1)
159
(+5)
25
(-)
22
(-)
0.242
(↓0.001)
3.510
(↓0.04)
4
(-)
広島
18181 0.500
(↑0.014)
4
(↑1)
106125
(+4)
150
(-)
34
(-)
18
(-)
0.230
(-)
3.250
(↑0.09)
5
(-)
中日
16200 0.444
(↑0.015)
6
(↑1)
107132
(+5)
137
(+1)
25
(+1)
24
(+1)
0.264
(-)
3.730
(↑0.08)
6
(-)
DeNA
13230 0.361
(↓0.01)
9
(-)
107132
(-)
162
(+4)
40
(-)
7
(-)
0.232
(↓0.001)
4.060
(↓0.01)