ヤクルト(7対7)阪神 =リーグ戦9回戦(2019.05.08)・明治神宮=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【ヤクルト】山田 哲人(8号・12回裏ソロ)

  DAZN
◆阪神は初回、大山の適時打などで3点を挙げ、先制に成功する。対するヤクルトは0-5で迎えた8回裏、山田哲と雄平の連続適時打などで5点を挙げ、同点とした。その後は、延長12回に両軍2点ずつを取り合うも、4時間53分の熱戦は規定により引き分けに終わった。

◆阪神糸井嘉男外野手(37)が先制適時打を放った。 初回から近本、上本の1、2番が連続安打を放ち、無死一、三塁の好機で打席へ。ヤクルト先発高橋の3球目、136キロ直球をセンターにはじき返した。 「1、2番が良い形で先制のチャンスを作ってくれたので、しっかり打つことができて良かったです」 4番大山悠輔内野手(24)も右前適時打で続いた。一塁走者の糸井がスタートを切っており、一、二塁間が空いた状況での右前打に「糸井さんが走ってくれていたおかげで抜けてくれました。初回から良い流れで自分のところに回って来たので、追加点を取ることができてよかったです」と振り返った。

◆阪神岩田稔投手(35)がヤクルト青木の頭部に死球を与え、危険球退場となった。 岩田の危険球で、両軍がベンチを飛び出し、神宮は一触即発の雰囲気。警告試合となった。

◆6回のヤクルトの攻撃中にあわや乱闘となる騒ぎがあった。阪神先発岩田が青木宣親外野手の頭部に死球をぶつけ、青木が激怒。 投手の方へ2~3歩歩みよろうとすると両軍ベンチから選手、首脳陣が飛び出した。岩田は危険球で退場。守屋と交代した。青木は昨年8月19日の阪神戦でも岩田から当てられている。

◆阪神は初回からヤクルト先発高橋に襲いかかった。先頭の近本から4番大山まで4連打を浴びせるなど、いきなり3点を先制した。 中盤は両チームともに攻めあぐねた。阪神岩田は6回にヤクルト青木の頭部に死球を当て、危険球で退場。守屋と交代となった。 阪神は8回に2点を追加したが、ヤクルトはその裏、5本の長短打を集中して5点を奪い同点とした。試合は延長に入った。 阪神は12回に2点を勝ち越すも、ヤクルトはその裏、山田哲の8号ソロと中村の適時二塁打で同点に。試合は引き分けとなった。

◆阪神藤川球児投手が球団新記録の142ホールド目を挙げた。同点の9回に6番手で登板。振り逃げと四球で2死一、二塁のピンチを招くも雄平を三振に抑えた。 チームはからくも引き分け「負けないで良かった」と前向きにとらえた。一時代を築いたJFKの一角、助っ人左腕ジェフ・ウィリアムスの記録を更新したことには「自分の記録はどうでもいい」と、個人よりもチームを思いやった。

◆ヤクルト青木宣親外野手(昨年に続き岩田に頭部に危険球を当てられて激怒)「(頭は)大丈夫。5-0から追いついて良い試合だった。デッドボールのあのシーンについてはノーコメントでお願いします。病院? 分かりません。しっかり様子を見て判断したい」

◆2点を追う延長12回、ヤクルト4番山田哲人内野手が左翼ポール直撃の今季8号ソロを放った。さらに2死二塁から代打中村が同点二塁打。野手全員を使い切り、投手の風張まで代走に起用した12連戦の最終戦を気迫で引き分けに持ち込んだ。 3試合安打のなかった山田哲だったが、右飛に倒れた6回の第3打席で自分の悪いところに気づいたという。 「打席の中で何がおかしいんかなって迷っていた部分があって。ライトフライを打った時にすごい半端なスイングで。そこでフォームよりも迷ってるからこうなっているんだと思えた」。次の打席では直球一本に絞って思い切りよく右越え2点適時二塁打。最終打席でも「追い込まれていたから何でもスイングしようと思っていた」と本塁打をかっ飛ばした。復調のきっかけをつかみ「そんなに簡単ではないと思いますけど、また明後日(10日巨人戦)からガンバリマス」と穏やかな表情で球場を後にした。

◆阪神ジョンソンの連続試合無失点が「16」で止まった。 5点リードで迎えた8回に4番手福永が4連打を浴び、2点を失った。助っ人右腕でも流れを止められず、5番雄平に左翼への2点タイムリー二塁打を浴び、1点差に詰められた。さらに7番村上に同点の犠飛。これが来日17試合目の初失点となった。「今日は疲れもあったが、12連戦でみんな、疲れている。負けなかったことに意味がある」と前を向いた。

◆阪神糸井嘉男が今季2度目の猛打賞をマークした。 近本と上本の連続安打などでつくった初回無死二、三塁のチャンス。先発左腕高橋の136キロ直球を中前にはじき返した。「1、2番が良い形で先制のチャンスを作ってくれたので、しっかり打つことができて良かったです」。3回の中前打に続き、7回は全力疾走で遊撃内野安打をゲット。12連戦の最後に存在感を見せた。

◆12連戦の最後に落とし穴が...。矢野阪神が痛恨ドローを喫した。5点リードの楽勝ムードだったが、8回裏に投入した福永が1死も取れず炎上。救援したジョンソンも来日初失点するなど、まさかの1イニング5失点で追いつかれた。12回には代打中谷が勝ち越しの2点打を放って今度こそ勝ったと思わせたが、島本が救援に失敗。勝てば5カード連続勝ち越し&2位タイ浮上など会心の数字が並んだだけに、ホロ苦い夜だ。まさかの展開が待っていた。2点を勝ち越して迎えた延長12回。4連投となった8番手島本がつかまった。先頭山田哲に左翼越えのソロを浴びると、2死二塁から中村にフォークをすくわれて打球は右翼方向へ。舞い上がった打球は前進守備の右翼江越の頭上を越えてグラウンドに弾む。島本は「球が高かった。自分のせいで勝てた試合を落としてしまった」とガックリ。土壇場で引き分けに持ち込まれた。 試合終盤に鉄壁のリリーフ陣にほころびが出た。5点リードで迎えた8回裏。4番手福永が4連打を浴び、2点を失った。ベンチはたまらず切り札のジョンソンを投入。しかし助っ人右腕でも流れを食い止められなかった。5番雄平に左翼への2点タイムリー二塁打を浴び、1点差に詰められると、さらに7番村上には同点の犠飛を許し、来日17試合目で初失点を喫した。 試合時間は4時間53分。超ロングゲームを終えた矢野監督はナインを集めて異例のミーティングを実施した。「追いつかれたというのは、もちろん俺の責任やと思う」と責任を一身に被った指揮官だが、引き分けにも意味があると力説。「昔、巨人やったかな。オレらがそんなんがあって。申し訳ないという部分と、プラスに捉えること両方ある」と前を向いた。 勝てば2位ヤクルトと同率で並んだが、地獄の12連戦も8勝3敗1分けと大きく勝ち越した。直近の15試合では11勝3敗1分けだ。日替わりヒーローの出現で急上昇カーブを描いた。指揮官は「12連戦の終わりに逆転負けとなってしまうとやっぱり重い。ギリギリで止められたということは本当に選手に感謝している」と前を向く。首位巨人とは3ゲーム差。チームは決して悲観する状況にない。【桝井聡】

◆阪神糸原健斗が代打で意地を見せた。 左腕先発の高橋相手に開幕36試合目にして初のスタメン落ち。だが3点リードの8回、2死一、二塁の場面で代打に送られると、右中間を破る2点適時三塁打を放って5点差に広げた。「木浪がつないでくれて代打だったので、思い切っていこうとくらいついて気持ちでいきました」。主将が存在感を示した。

◆阪神中谷将大外野手が勝利の夢を見させた。グッと握った拳を、三塁側ベンチに突き出した。波乱の神宮。背番号60が、二塁ベース上で大きく叫んだ。 「ああいう場面で打てて、本当によかった。きっかけになればと思う。次につなげていきたい」 8回に5点リードを追いつかれ、同点で迎えた延長12回1死一、二塁。代打コールされると燃えた。カウント1-1からの3球目だった。真ん中にきた142キロ直球を強振。打球は前進守備の左中間を割った。勝ち越しの2点タイムリー二塁打。東都の虎党を燃え上がらせた。 今季は得点圏で16打数5安打で打率3割1分3厘と勝負強さを発揮している。17年に20発を放ったが、ここ最近はベンチスタートも多い。だがベンチでその時に備えて集中力を研ぎ澄まし、結果につなげている。「いつもと変わらず、自分の場所で結果を残そうと準備していました」。 4時間53分の大激闘。12回裏に追いつかれて惜しくもヒーローになれなかったが、その一振りがあったから負けなかった。【真柴健】

◆阪神5点リードの8回に登板した福永春吾が4連打を浴びた。 6日ヤクルト戦(神宮)での今季初登板では青木、山田哲から連続三振を奪っていた24歳右腕。矢野監督も期待を込めたが、この日は早いイニングから何度もブルペンで肩を作るなどあり、マウンドでは本調子とはいかなかった。試合展開で調整するのが難しい立場。次回登板での雪辱を問われると「そうですね」と話した。

◆阪神岩田稔投手がヤクルト青木宣親外野手への危険球で退場。青木は危険球を受けたのが通算6度目で、清田(ロッテ)の5度を上回り、単独最多となった。 また青木は昨年8月19日の同カードでも岩田から頭部死球を受けていた。同じ打者への死球で2度退場は、06、07年に青木に与えた内海(巨人)09、11年に大引(オリックス)に与えた大場(ソフトバンク)に次いで岩田が3人目。

◆ヤクルト・青木宣親外野手(37)が頭部に死球を受け、両軍ベンチが飛び出すなど神宮に険悪なムードが漂った。青木は六回、1死走者なしの場面で打席に立つと、カウント2ボールから阪神・岩田の真っすぐを後頭部に受けた。青木はすぐ立ち上がり岩田を睨みつけ、吠えながら詰め寄ろうとしたが、チームスタッフが静止。両軍がベンチを飛び出し乱闘寸前の騒ぎに。岩田は危険球で退場処分となり、警告試合が言い渡された。  岩田は18年8月19日のヤクルト戦でも青木に頭部死球で危険球退場となっている。

◆阪神・岩田稔投手(35)が8日のヤクルト戦(神宮)の六回2死で青木に頭部死球を与え、危険球退場となった。  岩田は5回2/3を4安打無失点と好投していたが、青木に対し2ボールからの3球目が頭部に直撃した。両チームの選手、首脳陣がベンチから飛び出し、一触即発の状況に。警告試合が言い渡された。  代わって、急きょ守屋が登板。山田を右飛に打ち取った。

◆阪神・糸原健斗内野手(26)が8日のヤクルト戦(神宮)の八回2死一、二塁で代打で登場。カウント1-1からの3球目を強振し、右中間への適時三塁打とした。  糸原はこの日、今季初めてスタメンを外れていた。初回に3点を先制して以降、ゼロ行進が続いていたが、主将の一振りで貴重な追加点を奪い、5-0と点差を広げた。

◆阪神が一回に4連打で3得点して主導権を握った。先頭の近本が中越え二塁打、無死二、三塁から糸井が中前適時打で先制。続く大山が右前適時打を放ち、1死一、三塁からは梅野の遊ゴロの間に三走が生還した。  ヤクルト打線は四回無死一、二塁の好機を作ったが、山田哲が空振り三振に倒れるなど無得点に終わった。  阪神先発の岩田は六回途中4安打無失点も、青木に頭部死球を与えて危険球退場。ヤクルト先発の高橋は5回5安打3失点だった。  阪神は八回に今季初めてスタメン落ちしていた代打糸原の右越え2点三塁打で5-0とリードを広げたが、4番手の福永が誤算。3連打で無死満塁として山田哲に右越え2点二塁打を浴び、1死も取れずに降板。5番手ジョンソンも流れを止められずに雄平に左越え二塁打、村上に左犠飛を浴び、5-5の同点になった。ジョンソンは17試合目にして来日初失点。同点の九回は藤川が無失点で切り抜け、延長戦に入った。

◆阪神は5-5で延長戦に入った8日のヤクルト戦(神宮)の十二回、1死一、二塁で代打中谷が左中間を破る2点二塁打を放った。  阪神は5点リードの八回、1番からの打順でマウンドに送った3年目右腕の福永が誤算。先頭の太田から3連打を浴びて無死満塁とすると、山田哲に右越え2点二塁打を浴び、1死も取れずに降板した。ベンチはジョンソンにスイッチしたが、雄平に左越え2点二塁打、村上に左犠飛を浴び、5-5の同点になっていた。

◆阪神は8日、12連戦最終戦のヤクルト戦(神宮)を7-7で引き分けた。5-5の延長十二回1死一、二塁で代打中谷が左中間を破る2点二塁打を放ち、7-5とした。だが、十二回裏、8番手島本が山田哲にソロアーチ、2死二塁から代打中村に右越え同点二塁打を浴びた。  思わぬ展開になった。八回に糸原の2点三塁打で追加点を奪い、リードは5点に広がった。ベンチが八回裏、1番からの打順でマウンドに送った3年目右腕の福永が誤算。先頭の太田から3連打を浴びて無死満塁とすると、山田哲に右越え2点二塁打を浴び、1死も取れずに降板した。ベンチはジョンソンにスイッチしたが、雄平に左越え2点二塁打、村上に左犠飛を浴び、5-5の同点になった。ジョンソンは17試合目にして来日初失点。  試合は阪神が一回に4連打で3得点して主導権を握ったが、先発の岩田は六回途中4安打無失点も、青木に頭部死球を与えて危険球退場。ヤクルト先発の高橋は5回5安打3失点だった。

◆阪神は8日、12連戦最後のヤクルト戦(神宮)で7-7で引き分けた。5-0の八回、4番手福永、ジョンソンが打ち込まれて、追いつかれた。延長十二回、中谷の2点二塁打で一時勝ち越したが、その裏、4連投の8番手島本が追いつかれた。  矢野監督は「野球やしね。追いつかれたということに関してはもちろん俺の責任やと思うし、まあ俺の中では2点取ってもちろん勝てるという思いもあったけど、野球の流れ的にもよくあることやし、5点差追いつかれた責任は俺にあるけど。負けなかったということにもすごく意味がある。あの流れでいけば、どこでどうひっくり返されてもおかしくない展開までいったから」と話した。  2点を追加して、5点リードになった八回、福永を起用したことについては「1回投げた時(6日に1回無失点)は結構良かったし、1年間戦っていく中でみんながいい駒になれるというのと、負担を少なくしていくようにという中での俺の判断でああなった。あしたゲームがない中で『それならジョンソンでいけば』と言われても俺の責任ということで受け止めてるし、俺の考えが甘かったっていうのもね。結果こうなったということで、それも受け止めてるつもり」と話した。  試合後にはミーティングを開いたことを明かした。  「こういう展開にしてしまったのは、俺の判断なんで。申し訳ないというか。選手たちに言ったのは、俺らは1年間成長していかなアカンチーム、ということ。俺がそんなん言うとアレだけど、引き分けで終われたっていうことは、俺らの中で意味があるんじゃないかなって。申し訳ないという部分と、プラスに捉えていくところっていうのは両方あるんじゃないかなと思う」となどと話した。

◆阪神・金村投手コーチは7-7で引き分けた8日のヤクルト戦(神宮)後、継投策について説明した。5点にリードが広がった八回に福永を4番手として登板させたことについては「難しい展開だった。(藤川)球児はきのう(7日)も結構投げていたので、福永にはチャンスかなと思って(起用した)」と話した。十二回から登板し、2点リードを守れなかった8番手の島本は「自分のせいで勝てる試合を落としてしまったので、悔しいです」と話した。

◆ヤクルト・山田哲の延長戦での本塁打は2014年9月21日の巨人戦(十一回、東京ドーム)以来、5年ぶり通算2本目。昨年までの延長戦の通算成績は打率・143(49打数7安打)、1本塁打、6打点だったが、今季は打率・500(4打数2安打)、1本塁打、1打点と打っている。

◆「おい、ちょっと想像してみてくれる...」と神宮球場から編集委員上田雅昭が電話だ。  今、どこにおるねん...ときけば「阪神のベンチや」ときた。神宮の三塁側ベンチはネット裏の記者席から目と鼻の先なのだ。何か起きてるんか...と言えば上田はシニカルなトーンを含めてこう言った。  「掛布雅之-田淵幸一-上田...あ、俺のことやないでぇ...ウエダ二朗サンケイスポーツ評論家や...そしてデンとかまえるのは川藤幸三OB会長...どや!」  これはもう阪神ファンなら容易に想像できるど迫力の"錦絵"みたいなものである。説明してたらこの「虎ソナ」のコラムは20回ぐらい連載しなくてはいけない。  皆さんそれぞれに個性派。実はサンテレビの「レジェンド・ゲスト」の田淵&掛布に、巨人を痛めつけたサブマリン上田に「虎の春団治」と呼ばれて人気だった川藤幸三...そりゃ平成から令和にカレンダーが変化してまだピッカピカの選手にとっては「失礼します」と会釈をして通らねばならない貫禄のカルテットであります。  で、そこで大きな声での思い出話...は、田淵氏と上田氏の会話だ。そこはさすがに球史に強いサンスポのわがサンスポの上田がちょいと小耳に挟んだのが「令和元年(つまり今年)の神宮球場での恒例『全日本大学選手権大会』(6月10日開会式)の始球式に我らが上田二朗氏(1969年の東海大優勝時のエース)が登板する...」という話題。というのは実は平成最後の大学選手権大会開幕日(昨年6月11日、第67回)はあいにく雨。それで急きょ、神宮から東京ドームに変更されて...始球式には第17回(68年)優勝の法政大田淵幸一捕手が選出されていて...田淵氏は始球式には濃紺のスーツ姿でオールドファンの喝采を浴びたが...残念ながら青春の舞台神宮ではなかったのだ。  それが心残りなのかこの日、神宮のベンチで田淵氏はニヤリとして「そうか...じゃぁ今年も当日は(神宮に)雨が降るぞ...ウフフ」と言った。もちろん冗談だがそれほど神宮にはノスタルジィが東京大学野球育ちには夢と青春が染み込んでいるわけだ。はたして令和元年の6月10日は快晴で我が上田二朗氏の炎のアンダースローを見たいものだ...とサンスポの上田記者が伝えてきたのです。  さてかんじんの本日の神宮の試合ですが...岩田が力投した。近本が二塁打。上本、糸井、大山と4連打で3点を先制。そこまではウハウハだが...12連戦の疲れものぞいてその後は0行進。岩田が踏ん張って支えた。しかも我がトラ番軍団も神宮の記者席で元気いっぱい、勇気凛々...。というのも試合前に上田記者がおもむろに「トラ番諸君、本日は"ジロウ寿司"が届いてます」と発表。え、ジロウ寿司...神宮の時は時々、これが差し入れられるのデス。「ウワサでは聞いてましたが...私は初めてです...」と紅一点の箭内桃子記者。そしてキャップ大石豊佳も「僕も今度が初めてで...」という。  種明かしをすればこれは我がサンケイスポーツ専属評論家上田二朗氏の差し入れ。実に美味な江戸前寿司らしい。で、サンスポ軍団はそのジロウ寿司で元気もりもり...だったけれど...ああ野球はわからない。阪神は八回に木浪が2点タイムリーで5-0! 勝った! 同率2位がちらつく...。だが絶妙の岩田投手は六回に青木に"危険球"退場からの微妙な乱気流...が矢野継投に亀裂を生み...八回裏にヤクルト大逆襲で5-5の同点と執念の粘り腰。  それでも延長十二回に2点を勝ち越して、今度こそ勝った!! と思ったら、またまた追いつかれて、これが野球の怖さ。そして不思議さなのか。2度喜んだぶん、ショックがデカイ...。

◆「なんじゃ、こりゃあ!」。4時間53分の長い長い試合が終わった瞬間、俺はあの松田優作の名ゼリフを無意識につぶやいていたのだ。  5点リードの八回。1イニングで一気に追いつかれるかア!? そして延長十二回。2点を取ったら、どー考えても逃げ切って勝つやろー!!  ヤクルトに接待ゴルフ...、いや、野球に付き合わされた阪神ファンのみなさま、ホントにお疲れさまでした。  だけど、十二回に勝ち越し2点二塁打を放った中谷はよくやったー!! てか、ド素人が見ても強力な助っ人になるとは思えないマルテを使うなら、どーせ、駄目かもしれないけど、2017年に20本塁打を放った実績のある中谷でいいんじゃネー!?  虎の楽勝ムードをぶちこわした福永よ、悩めー! かつて「炎のストッパー」と呼ばれた広島の津田恒実さんは先発投手の白星を消してしまうと「もー、いいけん」と先発投手が言うくらい、何度もホテルの扉をたたき、謝罪したのだ。夜中にノックを繰り返せとは言わないけれど、要はその気持ちが心からあるか、ないか、なのだ。

◆--試合後にミーティングを  矢野監督 「こういう展開にしてしまったのは、俺の判断なんで。申し訳ないというか。申し訳ないって言ったら福永とか。結果的に、福永にも申し訳ないし」  --12連戦は大きく勝ち越した  「本当に負けなかったところに意味があったと思うし。12連戦の終わりが逆転負けっていうことになってしまうとやっぱり重い。結果的にいい戦いができたはずなのに、何となくそういう印象で終わってしまうところをギリギリ食い止められたっていうところは本当に選手に感謝しているし。俺の中の何というかな、勉強というか」

◆劇的な展開の中で、村上も輝いた。八回1死三塁から、5-5の同点とする左犠飛。「とにかく1点かえしたかった。一番しびれる場面でした」と振り返った。1点差とした延長十二回2死からは死球で出塁。警告試合のため小川監督が抗議したが、意図的ではないとの判断で、ぶつけた島本は退場にはならなかった。それでも、村上は直後にプロ初となる盗塁に成功。「中村さんが打ってくれてよかった」。阪神の外野が前進したことで、中村の同点打につながった。

◆糸井が先制打を含む3安打1打点。4月19日の巨人戦(甲子園)以来、今季2度目の猛打賞をマークした。「1、2番が良い形で先制のチャンスを作ってくれたので、しっかり打つことができてよかったです」。一回無死二、三塁で左腕・高橋の直球を中前に弾き返した。七回2死では全力疾走で遊撃内野安打。「頑張ります」。復調へのきっかけをつかんだ。

◆中谷の力強い打球が、左中間を割った。延長十二回。2点打で勝利への流れを引き寄せたように見えたが...。  「ああいう場面で打ててよかったですし、次につなげていきたいです」  直後に島本が追いつかれてヒーローにはなりそこねたが、価値ある一打だ。5-5の延長十二回。先頭の大山が投手強襲安打で出塁し、続く高山が犠打を決め、1死二塁。梅野が申告敬遠で歩かされ、代打で登場だ。  ベンチスタートでも「(心境は)いつもと変わらず、しっかりと自分の場所で結果を残そうと準備していました」と頭は冷静に心は熱く燃えていた。カウント1-1から右腕・近藤がど真ん中に投じた142キロ直球を弾き返し、一時勝ち越しの2点二塁打。塁上で思わず右拳を突き上げた。  4月23日のDeNA戦(横浜)以来、出場10試合ぶりに「H」ランプを灯し、打点はさらにさかのぼって同18日のヤクルト戦(神宮)以来。矢野監督には練習中から積極的に声をかけてもらってきた。そんな期待に応える1安打2打点で12連戦を終えた。10日からは甲子園に戻っての中日戦が待つ。  「いいきっかけになればいいと思います」  2017年に20本塁打を放ち大砲候補として期待されている。ドラフト1位・近本光司外野手(大阪ガス)らの台頭により外野陣の層は厚い。ここから逆襲する。本来の長打力を存分に見せつける。 (新里公章)

◆まさかの結末...。阪神は5点リードを守れず、今季最長の4時間53分の末、ヤクルトにドロー。八回に4番手・福永を投入し捕まったことに矢野燿大監督(50)は「俺の考えが甘かった」とザンゲし、緊急ミーティングを開いた。今季最多貯金3&2位タイ浮上はお預けとなったが、12連戦を8勝3敗1分けと大健闘。この痛みを次に生かすしかない。  2位タイ浮上、今季最多貯金3、5カード連続勝ち越し...。誰もが最高の形での12連戦フィニッシュを思い描いていた。その期待が2度も木っ端みじんに砕かれた。矢野監督が責任を背負った。  「俺の責任ということで受け止めてるし、俺の考えが甘かったっていうのもね。結果こうなったということで、それも受け止めているつもり」  白星が逃げていったのは八回の決断だった。2点を追加し、リードを5点に広げた直後。「1年間戦っていく中でみんながいい駒になれるというのと、(リリーフ陣の)負担を少なくしていくようにという中での俺の判断」と3年目の福永を送り出した。2日前に今季初登板を果たし、1回1安打無失点2奪三振と好投したばかり。長いシーズンを見据えて起用を決めた。2位ヤクルトを相手に力試しも兼ねた継投は誤算だった。  3連打を浴び、無死満塁。4番・山田哲を迎えても、壁をぶち破る可能性にかけたが...。右越え二塁打を許し、1死もとれず、2失点。セーフティーリードがなくなり、タオルを投げ入れた。  なおも無死二、三塁のピンチで開幕から16試合連続無失点だったジョンソンを投入するも止めきれず...。雄平に2点二塁打を浴びて1点差に迫られると、1死三塁から村上に左犠飛を許して同点。2点を勝ち越した延長十二回も島本が追いつかれた。5点リードを守れなかったのは2017年9月12日の巨人戦(甲子園)以来の屈辱。「明日ゲームない中で『それなら(八回から)ジョンソンでいけば』と言われても、俺の責任」とザンゲした。  今季最長4時間53分の末、ドローに終わると、ベンチ裏で緊急ミーティングを開催した。「こういう展開にしてしまったのは、俺の判断なんで。申し訳ないというか」。選手を相手に素直に思いを吐露した。いいときは選手をたたえ、一緒になって喜ぶ。悪ければ自ら反省し、それをまた共有する。選手と膝をつき合わせる手法は2軍監督時代から変わらない。逃げることだけはしない。  「本当に負けなかったことに意味はあると思う。12連戦の終わりが逆転負けでは重い印象で終わってしまうことをギリギリで食い止められた。選手に感謝している」  世代交代の課題が残り、他球団に比べて攻撃力が見込めない中、12連戦を8勝3敗1分けで終えた。  「俺の中ではまた勉強というか。すべてがうまくいくことはないし、結果を受け止めないといけないけど、1年間戦っていくことの難しさは痛感した」  10日から甲子園に帰って中日を迎える。これも勉強。虎の黄金週間になったことは間違いない。再出発する。この痛みをしっかりと受け止め、また虎が強くなる。 (大石豊佳) 継投について阪神・金村投手コーチ 「難しい展開だった。(藤川)球児はきのう(7日)も結構投げていたので、福永にはチャンスかなと思って(起用した)」

◆ヤクルトは8日、阪神9回戦(神宮)に延長十二回、7-7で引き分けた。山田哲人内野手(26)が0-5の八回に2点打、5-7の十二回に8号ソロを放って反撃の口火を切ると、最後は代打・中村悠平捕手(28)の右中間二塁打で追い付いた。六回に青木宣親外野手(37)が頭部死球を受け、一触即発の雰囲気が漂う中、首位・巨人を追う燕が、勝利に等しい引き分けを執念でつかんだ。  何度引き離されても、食らいついた。12連戦最終戦は、今季セ・リーグ最長となる4時間53分の死闘。八、十二回といずれも反撃の口火を切った4番・山田哲は「迷惑をかけていたので何とかしたかった。気持ちで打った」と息をついた。  まずは0-5の八回無死満塁。福永の直球を右中間に運んで2点二塁打とし、一挙5得点の攻撃につなげた。2点をリードされた十二回には、フルカウントから島本の直球を捉え、左翼ポールを直撃する8号ソロ。「追い込まれていたので、何にでも対応しようと思っていた」と体で反応した。  八回の第4打席の前まで、18打席連続無安打と不振を極めていた。復調のきっかけは、右飛に倒れた第3打席。「打撃フォームより、一番の原因は自分の迷いだと気付けた。真っすぐが来るのか、変化球なのか。自分の中に迷いがあった」。苦悩の霧を振り払い、迷路を抜けた。  チームにとって、絶対に負けられない理由もあった。六回2死、岩田の投球が青木の頭部を襲った。これに青木が激高し、マウンドに詰め寄った。両チームがベンチから飛び出し、一触即発。警告試合が言い渡された。  青木は昨年6月30日に阪神・岩貞に頭部死球を当てられて脳振とうの特例措置で出場選手登録を外れており、岩田からは同8月19日にも危険球を受けた。今年の3月31日には坂口が島本から死球を受けて左手親指を骨折するなど、阪神とは浅からぬ"因縁"もあった。  普段冷静な小川監督が「去年も脳振とうがあった。しようがないでは済まされない。頭だから」と語気を強めたほど。このアクシデントでベンチは心を一つにした。疲労を考慮され、休養日となる予定だった中村は、試合終盤からベンチ裏でアップを開始。十二回2死二塁で最後の野手として代打出場し、同点二塁打を放った。"休み返上"で執念を見せた選手会長は「ベンチに一体感があった。『なめられてはいけない』という気持ちを皆が持っていた」とナインの思いを代弁した。  青木は試合後、死球については「ノーコメントでお願いします」としながら「いい試合。みんながつないで粘った」と目を細め、小川監督も「よく追い付いた。見事な攻撃だった。価値ある引き分けと言っていいのではないか」とナインをたたえた。  バレンティン、石山、上田と主力に故障者が相次いだ4月27日からの12連戦だが、6勝5敗1分けで乗り切った。10日からは敵地で首位・巨人との3連戦。午後10時以降、鳴り物での応援が禁止された神宮球場には、最後まで燕党の声援がこだました。 (長崎右)

◆野球の難しさ、勝負のアヤを考えさせられた。八回に2点を追加し、普通ならこれで勝負あった。ただ、5点差になったことで阪神ベンチは福永をマウンドに送ることに。3点差のままなら間違いなくジョンソンを投入していたはず。加点したことでさい配が変わるという面白さでもある。  この判断は当然。疑問を挟む余地はない。矢野監督が選択した福永も2日前に好投しており「頑張った選手を起用する」という方針はブレない。  ただ、私はこの場面は島本ではないか? という思いがあった。4番山田哲が調子を落とす中、ポイントは左の青木。この回先頭の太田も左。左腕のほうがベターという考え方だ。  阪神ベンチは4連投になる島本よりも、現時点なら藤川よりも、球威がある福永を選択。こうなると山田哲に打たれるまでは交代させられない。  まさかの展開になった要因の1つには先発・岩田の危険球退場もある。1球のすっぽ抜けで六回途中に交代。救援陣が前倒しになった。野球は難しい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

◆阪神は前日8日のヤクルト戦(神宮)は延長十二回、7-7でドロー。代打糸原の2点三塁打で5点にリードが広がった八回裏にジョンソンでなく、福永を4番手として登板させたことについて、ネット上では様々な意見が出た。矢野監督が「オレの責任」と継投失敗を認めるコメントをしたことについて、サンスポ虎番ツイッター「阪神情報@サンスポ(@sanspo_tigers)」には「その通り」「負け試合は全て監督の責任です。現場の長なんだから、当たり前です。矢野監督も百も承知でしょう」「福永投入よりも、最終回に1塁走者をノーマークにした部分。外野前進して簡単に頭上を越されてしまう部分。そちらの方が問題は大な試合でしたな」などという意見が集まった。  その一方で「矢野監督は1年目の新人監督です、全ての悔しさを糧に矢野阪神はぶち破れオレがヤル!」「思う存分矢野さんの思う通りにやってください!」「まぁ言うてること聞いたら納得したわ。ちゃんと分かってる」「いつも通りならサヨナラ負けしてたはずが、ヤクルト相手に1勝1敗1引き分けだからいいだろ全然。次の中日3連戦で勝ち越せばええ話」という声もあった。  試合後の緊急ミーティングについては「凄く良いと思う。結束力を高めるよね」「開かなあかんよ。これは空中分解寸前やもん。結束力を高める為にも」という意見があった。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
20121 0.625
(↑0.012)
-
(-)
110168
(+8)
121
(+5)
44
(-)
18
(+1)
0.264
(↑0.001)
3.390
(↓0.02)
2
(-)
ヤクルト
19152 0.559
(-)
2
(↓0.5)
107179
(+7)
156
(+7)
43
(+1)
14
(+1)
0.247
(↑0.001
3.990
(↓0.05)
3
(-)
阪神
18162 0.529
(-)
3
(↓0.5)
107141
(+7)
151
(+7)
24
(-)
22
(+2)
0.241
(-)
3.480
(↓0.07)
4
(-)
広島
17171 0.500
(↑0.015)
4
(-)
108119
(+3)
144
(+2)
33
(+2)
18
(+3)
0.233
(-)
3.290
(↑0.04)
5
(-)
中日
15190 0.441
(↓0.014)
6
(↓1)
109124
(+2)
129
(+3)
23
(-)
23
(+1)
0.265
(↓0.002)
3.700
(↑0.05)
6
(-)
DeNA
12220 0.353
(↓0.011)
9
(↓1)
109126
(+5)
156
(+8)
38
(+1)
7
(-)
0.232
(-)
4.110
(↓0.12)