DeNA(★2対10☆)巨人 =リーグ戦7回戦(2019.05.06)・横浜スタジアム=
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巨人
305000002101103
DeNA
0000101002702
勝利投手:髙橋 優貴(3勝1敗0S)
敗戦投手:東 克樹(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】坂本 勇人(11号・1回表2ラン),坂本 勇人(12号・3回表2ラン),重信 慎之介(1号・9回表2ラン)
【DeNA】ロペス(5号・5回裏ソロ),宮﨑 敏郎(3号・7回裏ソロ)

  DAZN
◆巨人は初回、坂本勇の2ランと陽の適時打で3点を先制する。そのまま迎えた3回表には、坂本勇のこの日2本目となる2ランなどで一挙5点を追加し、試合を優位に進めた。投げては、先発・高橋が7回2失点で今季3勝目。DeNAは今季初先発の東が乱調で4連敗となった。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が、2戦連発となるリーグトップタイの11号2ランを放った。 1回無死一塁、カウント1ストライクから今季初登板のDeNA東の130キロ真ん中低めスライダーを捉えた。 左翼席前段へ先制弾をたたき込み「打ったのはスライダー。いい先制点になって良かったです。まだまだいきます!」と振り返った。この打席で開幕からの連続出塁を32試合とし、64年長嶋に並び、チーム2位タイとなった。球団記録は77年王の33試合。

◆昨季の新人王・DeNA東克樹投手が、自己最短の3回KOを食らった。 左肘違和感でキャンプから2軍調整を続け、ようやくつかんだ今季初登板。初回、山本に単打を許すと、次打者の坂本勇に先制の2ランと、1回だけで37球も要した。 3点を追う3回には、またしても坂本勇に2ランを許した。結果的に自己ワーストの8失点で降板となった。

◆巨人坂本勇が初回に11号2ラン、3回にも12号2ラン。DeNA先発東は自己最短の3回、ワーストの8失点で降板。 DeNAは4回から先発東に代わり、2番手には赤間が登板。8点を追う5回にロペスの左翼への5号ソロで1点を返した。 巨人は9回に重信の1号2ランで追加点を挙げ、10得点の大勝。先発高橋が7回2失点で今季3勝目。DeNAは4連敗。東が今季初黒星。

◆宿題をきっちり仕上げた。巨人ドラフト1位左腕の高橋優貴投手(22)が、初回からギアをマックスに入れた。 先頭のDeNA大和、宮崎を遊ゴロ。昨季セ・リーグ本塁打王のソトにはカウント3-1から、やや内角高めの145キロ直球で捕邪飛にねじ伏せた。「前回は立ち上がりに球が抜けたので(今回は)真っすぐが修正できた」とプロ5試合目で初めての初回3者凡退。7回までソロ2本の5安打2失点で投げきり、3勝目をつかんだ。 正解へのヒントを逃さない。前回登板の4月30日中日戦では7回3失点で初黒星。2回に3ランを浴びるなど、3回までに3安打3四球と立ち上がりに難を残した。試合後、登板全試合でマスクをかぶる炭谷から「球数がかさんでも球威が落ちるタイプじゃない。立ち上がりから全力でいけるように」と"宿題"を授かると、その日の帰寮後のケアから調整スケジュールを見直した。この日は試合前のウオーミングアップの量を増やし、序盤から飛ばせる態勢を整えて結果につなげた。 小学時代は宿題を終わらせてから野球を楽しんだという高橋の姿勢は、今でも変わらない。初勝利を挙げたデビュー戦翌日は、午前中から試合で2度失敗したバントに目を向けた。寮でも黙々とマシンで復習した。一夜漬けではなく、コツコツと積み上げて成長する。宮本投手総合コーチを「吸収力がすごい。うちの『マナブくん』だね」と驚かせた。 次への宿題も自らに課した。7回にソロを浴びた直後の四球を悔やみ「点差が縮まってきた状況で、ピンチを作ると流れがいってしまう。もう1回見直して、自分ができることを必死にやるだけです」。予習、復習、答え合わせを繰り返し、すくすくと育っていく。【桑原幹久】

◆巨人山本泰寛内野手が3年ぶりの1番で3安打と躍動した。初回に中安、3回には左安で、ともに直後の2番坂本勇の1発をアシスト。 9回には一塁線を破る二塁打と広角に打ち分けた。1盗塁もマークするなど役割を果たし「ファームでも1番が多かったので、懐かしいなと。思い切っていこうと考えて、変わらずできました」と汗をぬぐった。

◆途中出場の巨人重信慎之介外野手が、ダメ押しの1号2ランを放った。6点リードの9回1死二塁、DeNA笠井の真ん中低めのカットボールを右翼席中段まで運んだ。 今季10打席目で出た通算3本塁打目に「飛距離は求めていないけど、あそこまで飛んだのは良かった」と振り返った。

◆巨人原辰徳監督(60)のテコ入れがハマり、黄金週間を5勝4敗1分けで勝ち越した。 実績にとらわれない。不振のゲレーロ、ビヤヌエバを「もう少し率が良くないと。ポイントゲッターという中で得点圏打率2割8分くらいは」と好機に2割以下で2軍再調整を決断。 今季初昇格の北村をプロ初スタメンに抜てきし、山本も今季初の1番に据えて臨むと、打線が好循環した。山本が出塁すれば坂本勇が1発でかえし、前カードの広島戦で27打数3安打と低調だった得点圏で9打数4安打。初回2死一、三塁で一塁走者の北村に二盗させ、8番炭谷の申告敬遠を導き、2回も1番からの好打順で回すなど流れもつくった。9回は猛打賞の山本の出塁から増田が進塁打、重信が1発で決め「チビっ子トリオがダ~ンと2点取った」と170センチ台の3人衆に目を細めた。10連戦は指揮官がルーキーイヤーだった81年以来6度目。勝ち越した4度中3度が日本一という75%の吉兆をつなげる。

◆まさかだった。DeNA先発の東克樹投手(23)が、自己最短&ワーストの3回8失点でKOされた。 新人王を獲得したルーキーイヤーの昨季、6戦5勝と負けなしの巨人相手に打ち込まれた。「初回、先頭打者を出塁させ、うまく波に乗ることができませんでした。また、追加点を与えてはいけない気持ちが強くなり過ぎ、制球を乱してしまいました。序盤に大量失点をしてしまいチーム、リリーフ陣に申し訳ないです」と反省の言葉を並べた。 言葉通り、波に乗り切れなかった。初回先頭を出塁させると、次打者の坂本勇に先制の2ラン。この回、いきなり4安打3得点と高めに浮いたボールを捉えられ、37球も要した。2回は無失点に抑えたが、3回に捕まった。2死二塁からは再び、坂本勇に2ランを被弾。昨季対巨人で防御率1・33をマークした「巨人キラー」が、誰も予想しなかった姿でマウンドを譲る形となった。 待望の今季初登板を勝利で飾ることができなかった。左肘の違和感で、キャンプは2軍スタート。2月上旬に「痛みとか、張りはないけど...。まだ投げることに怖さがある」と話していたが、順調にリハビリをこなしてきた。3月21日のイースタン・リーグ巨人戦(ベイスターズ球場)で実戦復帰すると、直近の4月29日の同リーグ日本ハム戦(鎌ケ谷)では、7回1安打無失点。文句なしの成績で1軍行きの切符をつかんだが、悔しさが残るマウンドとなった。 10連戦の最終戦を落とし、これでチームは4連敗。東に先発を託したラミレス監督は「みんな期待していたと思う。その中で、残念な結果になったが、ポジティブな面を見れば、スピードも出ていたし、球種の使い方も良かった」と今後に期待した。1日の休みを経て、8日は新潟で再び巨人戦。同監督は「リフレッシュして頑張りたい」と先を見据えた。【栗田尚樹】

◆巨人坂本勇人内野手が11、12号を放ち、開幕戦から32試合連続出塁をマーク。 過去にリーグ本塁打トップタイは10年の2号、13、14、17年の1号である坂本勇だが、単独トップに立つのはプロ入り初めてだ。 2リーグ制後、開幕戦からの連続試合出塁は83年スティーブ(西武)の40試合が最長で、巨人で32試合は77年王33試合に次ぎ、64年長嶋に並び2位タイとなった。連続試合出塁期間中、無安打で四死球だけの出塁が王は9試合、長嶋は10試合あったのに対し、坂本勇は4試合だけ。坂本勇は32試合のうち28試合で安打を放って連続試合出塁を伸ばしている。

◆巨人坂本勇人内野手(30)が2ラン2本を放ち試合を決めた。今季初登板のDeNA先発東に襲いかかり、1、3回に本塁打。自身開幕から32試合連続出塁で序盤で力強く主導権を引き寄せ、東のKOに成功した。今季12本としDeNAソトを抜き、ホームランダービー単独トップに浮上。年間53発ペースで本塁打を量産している。首位のチームは完勝でゴールデンウイークの連戦を締めくくった。 黄金週間のフィナーレを華々しく飾った。薄暮の横浜スタジアムで、坂本勇が豪快なアーチを重ねた。1回無死一塁。DeNA東の真ん中低めの130キロスライダーをかち上げた。2戦連発の11号左越え先制2ランを確信し、悠然と周回。左腕の快速球に照準を定めながら、「たまたま反応で打った」と変化球を仕留めた。 難敵を沈めた。東には昨季6試合先発で5勝を献上し、防御率1・33。6点しか奪えなかった。ただ坂本勇は13打数5安打、打率3割8分5厘と奮闘。立ち上がりによろけた敵のすきを見逃すはずがない。3回2死二塁では逆球になった内寄り高めの直球を再び左翼席にリーグ単独トップの12号2ラン。夕日が沈みきる前の3回で東を退けた。「次に対戦する時に少し嫌なイメージを与えられたらプラスになる」と見据えた。 新時代でも先頭に立って伝統を継ぐ。プロ2年目、19歳からレギュラーに定着。食らいついてきたが「巨人でしか感じられない重みを今は受け止められるようになってきた。それが当たり前の中でやっている。安易に『もっと楽しく』とは思わない」。大型連休を横目に当然のように"皆勤"を続ける。 開幕からの連続出塁を32試合とし、球団では64年長嶋茂雄に並び2位タイに浮上。球団記録の77年王貞治の33試合にも王手をかけた。通算安打も高橋由伸の1753本を超える1754本。「現役の間は実感がないが一線級でやってきた方々と並べたのはうれしい」。老舗球団の「令和初代主将」が、レジェンドの領域へ足を踏み入れた。 近年のトレンドでは最重要といわれる2番、どの時代も不変のセンターラインである遊撃を担う。だから、シーズン53発ペースで積み上げる主将の本塁打とチームの勝ち星は必然的に比例する。「ホームランバッターじゃない。1番は出塁。結果、ホームランになればチームにプラスになる」と、ぶれない。原監督は「かなりパワーアップしている。ガーンっというより、ビャーンっとライナーでいく本塁打。素晴らしい」。坂本勇が10連戦を白星先行で締めた。【為田聡史】

◆巨人・北村拓己内野手(23)が6日、今季初めて出場選手登録され、DeNA7回戦(横浜)に「7番・三塁」でプロ初めての先発出場を果たした。  「増田さんとか山本さんが(1軍に)上がって、そういった人たちがすぐ1軍で活躍したというのを記事やテレビで見て刺激にはなりましたし、自分も何とかその場に立てるようにと思ってやってたので。昇格ということで、自分ができることを精いっぱいやってチームに貢献したいと思います」  イースタン・リーグでは前日5日の時点で38試合に出場し、同リーグ3位の打率・313、3本塁打、同1位の29打点と活躍。チームの4番に座って経験を積み「打順は意識してなかったんですけど、しっかりランナーがいる場面で回ってきたりとか、そういったもので結果を残さないといけない打順でもあったので。そういう面では成長につながったかなと思います」と口にした。

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が6日、DeNA7回戦(横浜)に「2番・遊撃」で先発出場。一回無死一塁から、左翼席へ先制の11号2ランをたたき込んだ。  「いい先制点になってよかったです」  相手先発・東が投じた2球目、130キロのスライダーを捉え、2試合連続となるリーグトップタイの11号。昨季6戦で、0勝5敗と苦手にしていた東から先制点を奪った。  これで開幕からの連続試合出塁を「32」まで伸ばし、1964年の長嶋茂雄に並び、球団2位タイとなった。球団1位は77年に王貞治が記録した「33」。この記録にもあと1とした。セ・リーグ記録は97年に金本知憲(広島)が記録した「35」、パ・リーグでは83年にスティーブ(西武)が記録した「40」が最長だ。

◆巨人は6日、DeNA7回戦(横浜)を行った。相手先発は昨季6試合対戦し、0勝5敗と苦杯をなめた"天敵"東克樹投手(23)。だが、左肘の違和感で出遅れ、今季初登板となった左腕を早々にKOした。  まずは一回。無死一塁から2番・坂本勇が2試合連発となる11号2ランを放ち、先制。その後、2死一塁から陽岱鋼の右中間適時二塁打でさらに1点を加えた。  三回には1死一、二塁から炭谷が三塁線を破る2点二塁打。2死二塁から、1番・山本が左前適時打を放ち、2番・坂本勇がこの日2本目となる、左越え2ランをたたきこんだ。  一回に3点、三回に5点を奪って8得点とし、東をマウンドから引きずり降ろした。

◆巨人・坂本勇人内野手(30)が6日、DeNA7回戦(横浜)に「2番・遊撃」で先発出場。6点リードの三回2死二塁から、左翼席への2ランを放った。  「いい追加点になったと思います」  相手先発・東をKOさせる大きな一発となった。139キロの直球を捉え、この日2本目となる12号。本塁打数でDeNA・ソトを抜き、リーグ単独トップに躍り出た。また、この一発で前監督の高橋由伸を抜く、通算1754安打とした。

◆巨人は6日、DeNA7回戦(横浜)に10-2で勝利し、引き分けを含む連敗を「2」で止めた。先発のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が7回98球を投げ、5安打1失点で3勝目(1敗)。大量援護に感謝の気持ちを示した。  --3勝目  「ありがとうございます」  --7回5安打2失点。きょうの投球は  「そうですね。前回は序盤に失点をしてしまって、なかなかリズムに乗れなかったところをきょうは課題としていたので、それがいい準備ができて、こういう結果につながったかなと思います」  --前回は負けて、きょうの投球。気持ちは十分入っていた?  「気持ちの部分は入っていましたけど、大量の援護がありまして、先輩の方々が打ってくださったので、そういった部分で非常にいい気持ちで投げられました」  --先頭が出た回は全て併殺打で切り抜けた  「いいプレーをしてくれたところもあるので、自分一人で投げたのではなく、いろいろな人のおかげで抑えられたと思います」  --七回は初めて2人以上の走者を出した  「自分もここが勝負どころだと思って、全力を振り絞って投げた結果、いい結果につながったと思います」  --ルーキーで3勝  「3勝目というよりは、先輩方のバッティングとかに助けられて勝つことができているので、それに感謝して今後もやっていければなと思います」  --宮本コーチは「さすが先発ローテを守っている」と評価  「自分のピッチングだけじゃないと思うので、先輩方に感謝してこれからもやっていければと思います」  --ファンの方に  「今後も勝ち続けて優勝目指して頑張りたいと思います。応援お願いいたします」

◆2年目の北村が今季初昇格を果たし、「7番・三塁」でプロ初の先発出場。一回に四球で初出塁し、三回には死球を受け、炭谷の2点二塁打で初得点を記録した。23歳の内野手は「いい緊張感の中でプレーできた。球自体、しっかり見ることができたので、次は打ちたい」。原監督は「持っているものは素晴らしい。十分、1軍でも活躍できる力を持ち合わせている」とたたえた。

◆左肘の違和感で出遅れていた東が今季初登板を果たしたが、自己最短の3回で降板。坂本勇に2本塁打されるなど同ワーストの8失点で黒星を喫した。「初回、先頭打者(山本)を出塁させ、うまく波に乗ることができませんでした。序盤に大量失点をしてしまい、チーム、リリーフ陣に申し訳ないです」。新人王に輝いた昨季、巨人戦で6戦5勝の"Gキラー"ぶりを発揮したが、この日は打ち込まれた。

◆4年目外野手の重信が九回、右翼席へ1号2ラン。「飛距離を求めていないけど、あそこまで飛んでよかった」。50メートル走5秒7の俊足が武器だが、昨年から間食におにぎりを食べ、1日7食のルーチンで体重増。パワーアップにつながった。3日の広島戦(マツダ)の外野守備では悪送球で決勝点を献上しただけに「反省するところは反省して」と気を引き締めた。

◆セ・リーグ首位の巨人は6日、DeNA7回戦(横浜)に10-2で大勝。坂本勇人内野手(30)が一回に2戦連発の11号2ラン、三回に12号2ランを放ち、リーグ単独トップに立った。開幕から続く連続試合出塁は「32」に伸ばし、球団2位の1964年の長嶋茂雄に並び、通算1754安打は高橋由伸を抜いて球団6位に浮上した。プロ13年目の主将が昭和、平成のレジェンドと肩を並べ、チームもゴールデンウイークを5勝4敗1分けで終えた。  横浜スタジアムが、静まりかえった。G党が待ち構える左翼席へ、2本のアーチを描いた坂本勇が貫禄を漂わせ、ゆっくりとダイヤモンドを1周した。  「ホームランバッターではないので、一番大事なのは出塁。結果的にホームランになったら、チームにとってもプラスになる」  主将が2発で今季初対戦の天敵を沈めた。一回に左越えへ2戦連発となる先制の11号2ラン。6点リードの三回にも、左翼席へ12号2ラン。昨季は0勝5敗、防御率1・33と封じ込められたDeNAの2年目左腕、東を3回でKOした。  スマートな主将がセ・リーグの並み居る大砲を抜き、本塁打1位。32試合で12本塁打は驚異の53・6本ペースだ。打率・341、43安打も含め、打撃3部門でリーグ1位に立った。  これで3月29日の開幕戦(対広島)から続く連続試合出塁は「32」。1964年の長嶋茂雄に並び、77年の王貞治が記録した33試合連続の球団記録まで「1」に迫った。  遊撃のレギュラーに定着した入団2年目の2008年2月の宮崎キャンプで肩と胸をタッチされ、「19歳ですが、最高の打撃」と褒めてくれたミスターに肩を並べた。2本塁打で通算1754安打とし、高橋由伸を抜いて球団6位に浮上した。通算195本塁打は柴田勲を抜いた。  安打数で追い越した高橋前監督は、入団時のスター選手だった。ずっと尊敬する先輩の背中を追いかけてきた。初めて打率3割をマークした09年から11年間も愛用するSSK社製のバット(86・1センチ、900グラム)は「高橋由伸モデル」。借りた際に、一度で気に入ったという。  12年には高橋氏がグリップを細く変更するとすぐに気づいた。「僕も由伸さんのと同じにしてください」。天才打者に少しでも近づこうと、すぐにメーカーに頼んだ。そこから一切変更を加えていないこだわりのバットで"本家"を超えた。  「ヒットの延長がホームランという打者だと思う。それは変わっていないと思うけど、パワーが大きくなっている。毎試合、いい形でゲームに臨んでいる姿は見事だ」と通算1675安打の原監督も賛辞を贈った。  史上最長となった10連休のゴールデンウイークは首位の座を守り抜き、5勝4敗1分けでフィニッシュ。歴史に名を刻み続ける主将が、5年ぶりのV奪回に向け、自己最高のシーズンをひた走っている。 (谷川直之) ★助っ人抹消、新打線  原監督の采配が的中した。この日、ここ10試合でともに打率1割台だったビヤヌエバとゲレーロの出場選手登録を抹消。代わりに昇格させた2年目の北村を「7番・三塁」で初先発させ、1番に山本、2番に坂本勇、3番に丸を置いた。昨季5敗を喫したDeNA・東を攻略し、指揮官も「少し故障明けということで、その辺でしょうけど、いい投手には変わりない」とニンマリ。2軍行きを指示した2人の助っ人にも「ポイントゲッターという中(役割)で、せめて得点圏打率が2割8分ぐらいは、いってほしい」と奮起を促した。

◆平成に出た課題を令和で修正した。中5日で先発した巨人のドラフト1位・高橋優貴投手(22)=八戸学院大=が7回5安打2失点で新人トップの3勝目(1敗)を挙げた。  「前回は序盤に失点をしてしまって、なかなかリズムに乗れなかったところを(この日の)課題としていたので、いい準備ができて、こういう結果につながったと思う」  前回4月30日の中日戦は二回に3ランを浴びるなど、7回5安打3失点で初黒星。リベンジの試合となったこの日は、ウオーミングアップの時間を長くするなど、工夫を凝らし、不安定だった立ち上がりを修正した。  序盤からストライクを先行し、四球は4→2に半減。5度目の先発で初めて投球数を2桁(98球)で終えた。七回、宮崎にソロを浴びた直後に四球と右前打で無死一、二塁のピンチを招いたが、「ここが勝負どころだと思って、全力を振り絞って投げた」と後続を3人連続でアウト。最後は神里を外角スライダーで空振り三振に斬った。  平成を彩ったレジェンドに、感銘を受けた。3月21日に元米大リーグ、マリナーズのイチロー氏が現役引退を発表。同日、西武とのオープン戦(メットライフ)に登板した高橋は「そんなタイミングで他の場所で投げられるのもすごいなと思いました」と不思議な縁を感じた。  幼少期は虎党だった高橋だが、イチロー氏の存在は「別格です」と大尊敬。数々の名シーンを演出してきた"偉人"だが「一番印象的ですね」と語るのは、2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝戦。延長十回に決勝の中前2点打を放ったシーンだ。  引退会見は午前0時過ぎから始まった。翌日も練習があったが、見たい気持ちを抑えられず、BSチャンネルでチェック。「改めて28年と聞いて、自分がまだ1年目だと思うと、考えられないですね」とイチローの姿を目と耳に焼き付けた。積み上げたものを比べると、遙か雲の上の存在。一歩ずつ進んで足跡を残し、偉大な存在に少しでも近づいてみせる。  3勝は12球団の新人トップ。令和の初代新人王候補は、さらなる成長を目指し、歩みを進める。(赤尾裕希)

◆巨人打線は"ゾンビ打線"。そんなフレーズが頭に浮かんだ。  ヒーローは確かに坂本勇だ。私が投げるとしても、1、2本の安打は覚悟せざるをえない。いかに単打で止めるか、勝負どころを想定して勝負球をとっておくか-など、最悪のケースを回避するくらいしか、現状での対処法はない。  しかし、もう1つ特筆したいのが"和製スタメン"。しかも、元本塁打王のゲレーロと、メジャー20発のビヤヌエバを2軍に落として、大幅に組み換えた。これは原監督にしかできないことだろう。普通、獲得に手間とお金がかかる助っ人には、気を使うものだ。  原監督ならではの思い切りのよさは、選手が働ける環境を作っている。実績ではなく、実力主義。助っ人、ベテラン、中堅、若手の区別なく、フラットな目で判断して、使ってもらえる。平等だから、不平不満も不協和音も出ない。さらに、結果を出さないと、自分もすぐ落とされるという危機感があるため、必死で食らいつく。  だから、打線が沈滞したかと思うと、すぐ生き返る。それも、いろいろな選手が続々と出てくる。今年の巨人には、ベンチの全員で襲撃してくるという、底知れぬ怖さがある。以上が、ゾンビと表現した理由だ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
19121 0.613
(↑0.013)
-
(-)
111160
(+10)
116
(+2)
44
(+3)
17
(+2)
0.263
(↑0.001
3.370
(↑0.05)
2
(-)
ヤクルト
19141 0.576
(↑0.013)
1
(-)
109171
(+4)
146
(+2)
42
(+1)
13
(-)
0.249
(↓0.001)
4.000
(↑0.09)
3
(-)
阪神
17161 0.515
(↓0.016)
3
(↓1)
109131
(+2)
143
(+4)
24
(-)
20
(-)
0.241
(↓0.001)
3.480
(↑0.04)
4
(-)
広島
16161 0.500
(↑0.016)
3.5
(-)
110116
(+7)
136
(+2)
31
(+2)
14
(+1)
0.236
(↑0.002)
3.260
(↑0.09)
5
(-)
中日
14180 0.438
(↓0.014)
5.5
(↓1)
111116
(+2)
126
(+7)
23
(-)
21
(-)
0.265
(↓0.003)
3.870
(↓0.09)
6
(-)
DeNA
12210 0.364
(↓0.011)
8
(↓1)
110121
(+2)
148
(+10)
37
(+2)
7
(-)
0.232
(-)
3.990
(↓0.2)