中日(☆6対5★)ヤクルト =リーグ戦9回戦(2019.05.05)・ナゴヤドーム=
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ヤクルト
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中日
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勝利投手:阿知羅 拓馬(1勝1敗0S)
(セーブ:鈴木 博志(0勝1敗10S))
敗戦投手:寺原 隼人(1勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】雄平(4号・4回表2ラン)
【中日】平田 良介(4号・4回裏ソロ)

  DAZN
◆中日は初回、大島の適時打で先制する。その後は、2回裏に阿部の適時三塁打と阿知羅のプロ初安打となる適時打で2点を挙げるなど、小刻みに加点した。投げては、先発・阿知羅が5回2失点でうれしいプロ初勝利。敗れたヤクルトは、最終回に追い上げを見せるも、あと1本が出なかった。

◆ヤクルト雄平外野手が、4号2ランを放った。 0-4の4回1死一塁、中日の先発阿知羅の初球124キロの内角低めスライダーをとらえて右翼席へ運んだ。 「後ろにつなぐ気持ちで打席に入りました。しっかりと芯でとらえることができました」と話した。 雄平は、4月13日巨人戦(東京ドーム)以来の本塁打となった。

◆中日平田良介外野手がセ・リーグ通算5万号本塁打に王手をかける一発を放った。4回、ヤクルト2番手中尾から左翼スタンドへ4号本塁打を放った。「うまく体が反応してくれました」。 先発初勝利を目指す阿知羅へ5点目の援護となる一発を素直に喜んだ。この本塁打がセ・リーグ通算4万9999号だった。 セ・リーグ1号は1950年(昭25)3月11日に岩本義行(松竹)が中日戦で放っている。

◆中日は初回、大島の適時打で1点先制。2、3回にも阿部の三塁打などで3点を追加した。中日先発の阿知羅は3回2安打無失点。 4回、ヤクルトの反撃で4-2。中日は4、5回に平田4号ソロなどで2点を追加したが、ヤクルトも6回に2点を奪い終盤に。 中日は終盤を継投で逃げ切り、連敗を4で止めた。阿知羅はプロ入り初勝利、鈴木博は10セーブ目。ヤクルト連勝は2でストップ。寺原が今季初黒星。

◆ヤクルトは先発の寺原隼人投手が崩れ、2回3失点で降板した。立ち上がりから制球が定まらず、変化球が抜ける場面もあった。 2回1死三塁では、中日の投手阿知羅にカウント0-2から右前打を許し追加点を許した。「先発として、あれだと...。連戦で大変な時なのに、早い回で終わって申し訳ない」と猛省していた。 クイックモーションが遅く、2イニングで3盗塁を許した。小川監督は「今日の感じでは、出れば走られるし、安打も打たれるし、立ち直る兆しが感じられなかった。いい時も悪い時もあって、悪い時にどう投げるか。(今日は)修正がきかなかった」と振り返った。

◆ヤクルト上田剛史外野手(30)が、死球を受けて途中交代した。 6回先頭で中日谷元の4球目143キロ直球が左ふくらはぎを直撃し、そのまま倒れ込み立ち上がれなかった。トレーナーとコーチの肩を借りてベンチへ下がり、そのまま交代した。 病院へは行かず、アイシングをして経過を見る。試合後は足を引きずりながら球場を後にし「今はまだ痛みがある」と話した。

◆中日平田良介外野手がセ・リーグ通算4万9999号を放った。 4回、ヤクルト2番手中尾から左翼スタンドへ今季4号のソロアーチ。「久々に納得のいくバッティングができた」と自画自賛の一発だった。5万号に1本足らず、阪神福留が決めたと聞くと「(福留さんならあるっ)ぽい、ぽい、ぽい」と納得していた。

◆中日阿知羅拓馬投手(26)が、今季2度目の先発でプロ初勝利を挙げた。右親指の皮がめくれるアクシデントもあったが、5回3安打2失点。打ってもプロ初安打初打点をマーク。190センチの阿知羅は、ヒゲ面の見かけと違って、報道陣への対応は非常に柔らかい。今季の春季キャンプは2軍スタート。中日で注目されたのはドラフト1位の根尾だった。阿知羅は、そのスーパールーキー根尾と相部屋で、自分のことではなく、根尾関連で記者に囲まれることもあった。 練習後に阿知羅に報道陣が近寄ると開口一番。「根尾のことでしょ」。嫌な顔もせず対応してくれた。自身も昨年1軍出場がなく正念場のキャンプ。社会人以来のワインドアップも取り入れ、もがいていた中だった。「根尾とは僕がチームで1番、仲がいいんじゃないですか。本も読んでない。寝相が悪く、夜中にドーンと壁を蹴ってますよ」。サービスでネタを披露してくれた心優しい大男だった。【中日担当=伊東大介】

◆6年目の右腕が連敗を4で止めた。中日阿知羅拓馬投手(26)が、今季2度目の先発でプロ初勝利を挙げた。右親指の皮がめくれるアクシデントもあったが、5回3安打2失点。打ってもプロ初安打初打点をマーク。全国で10人ほどしかいないとされる珍名投手が、竜に待望の令和1勝をもたらした。阿知羅が、念願の白星の味をかみしめた「最後にヒロシ(鈴木博)がアウトを取ってくれたことがうれしい」。5回83球3安打2失点に抑え、継投にも支えられてプロ初勝利を挙げた。 190センチの大男が躍動した。高々と振りかぶるワインドアップ。1回、連打で1死一、三塁のピンチも冷静だ。得点力リーグトップのヤクルトの主軸山田哲、雄平を抑えて切り抜けた。失点は4回の雄平の2ランだけ。右親指の皮がむけるアクシデントで降板したが、6年かけてウイニングボールを手に入れた。 プロ入り後2年間は、制球難で2軍暮らしが続いた。「野球やってる感じがしなかった。情けなくて悔しい2年間だった。指導者、先輩たちが、この投手を何とかしようとしてくれたおかげです」。1軍初出場は3年目の16年。昨季は1軍に上がれなかった。昨年からヒゲを蓄え、今年から社会人以来のワインドアップを取り入れた。脱皮を後押ししてくれた人たちの顔が、記念球に浮かんだ。 「阿知羅」は「(珍名と)よく言われるんです。親戚くらいしか、わからないです」という全国で10人程度しかいない珍名。バットでも記念球を手に入れた。2回1死三塁。平田から譲り受けたオレンジ色のバットで、プロ初安打、初打点。「80%は平田さんのおかげです」と感謝した。 開幕から先発ローテーションを担った笠原、吉見、山井が登録抹消中。チームは4連敗していたが、孝行息子が止めた。「プロ初勝利を挙げられたことがチームにとって宝物。次の登板でも勝ち星を増やして欲しい」と与田監督はたたえた。大入り満員の本拠地で、ファンへ12球団最後の「令和」初勝利を届けられた。「1軍であまり見られない投手です。これからも阿知羅という名前を覚えて欲しいです」。今季の竜投を担う新ヒーローは、プロ入り初のお立ち台で、名前のアピールも忘れなかった。【伊東大介】

◆6年目の右腕が連敗を4で止めた。中日阿知羅拓馬投手(26)が、今季2度目の先発でプロ初勝利を挙げた。右親指の皮がめくれるアクシデントもあったが、5回3安打2失点。打ってもプロ初安打初打点をマーク。全国で10人ほどしかいないとされる珍名投手が、竜に待望の令和1勝をもたらした。 <主な珍名現役選手> 広島 塹江(ほりえ) 約40人 広島 下水流(しもずる) 約300人 DeNA 筒香(つつごう) 約10人 DeNA 戸柱(とばしら) 約150人 巨人 折下(おりした) 約80人 巨人 与那原(よなはら) 約100人 中日 井領(いりょう) 約150人 ソフトバンク 二保(にほ) 約70人 ソフトバンク 嘉弥真(かやま) 約40人 西武 国場(こくば) 約120人 楽天 安楽(あんらく) 約150人 楽天 赤見内(あかみない=銀次) 約40人 ロッテ 宗接(むねつぐ) 約100人 ※日刊スポーツ調べ

◆ヤクルト・寺原隼人投手(35)が5日、中日9回戦(ナゴヤドーム)に先発したが、2回4安打3失点で三回の先頭で代打を送られた。  一回、先頭の平田に三ゴロ内野安打を打たれると、その後1死三塁となり大島に先制の中前適時打を浴びた。二回は先頭の京田にストレートの四球を与えると続く阿部に右中間を破る適時三塁打。1死三塁からは投手の阿知羅に適時打を浴びた。制球が定まらず、3盗塁を許すなど精彩を欠いた。  右腕は「申し訳ないです。すみません」と肩を落とした。

◆ヤクルト・雄平外野手(34)が5日、中日9回戦(ナゴヤドーム)に「5番・右翼」で先発し、第2打席で4号2ランを放った。  0-4の四回、1死一塁から中日先発の阿知羅が投じた初球のスライダーを右翼スタンドまで運んだ。4月13日の巨人戦(東京ドーム)以来、19試合ぶりとなったアーチに雄平は「後ろにつなぐ気持ちで打席に入りました。しっかりと芯で捉えることができました」と振り返った。

◆ヤクルトの寺原は2回3失点で移籍後初黒星を喫し「12連戦で大変な時に、早い回で終わってしまって申し訳ない」とうなだれた。オフにソフトバンクを戦力外となり、再起を期す35歳のベテランは先発のチャンスを生かせず2軍降格が決まった。  クイックモーションのスピードとフォームに課題を残した。一回は平田と大島に二盗を許し、二回も京田に走られ、全て失点につながった。投手の阿知羅に適時打を許すなど立て直せなかった。「走られるのも多かったし、基礎的なことをやり直す」と反省した。

◆「2番・中堅」で出場していたヤクルトの上田が六回、左ふくらはぎ付近に投球を受けて途中交代した。登録抹消され、代わりに山崎が昇格することが決まった。  足を引きずりながら引き揚げた上田は「痛みはまだ少しある」と話した。チームの外野手は既に坂口とバレンティンが負傷で離脱しており、さらなる痛手となった。

◆中日は五回まで毎回得点と打線が活発で、1日に令和の時代を迎えてから初勝利を挙げた。試合前の円陣で声出しを担当し、3安打1打点2盗塁と活躍した大島は「ようやく勝てた。この前広島では3連敗したのでまた勝ちたい」と6日からの広島戦を見据えた。  試合は前半に6点を奪いながら1点差に迫られる苦しい展開。残塁も13を数えた。ソロ本塁打を放った平田は「もっと大差のついた試合をしたい」と話した。

◆四回に19試合ぶりの本塁打となる4号2ランを放った雄平は「きょうはボールがよく見えた。チームに貢献していきたい」と前を向いた。坂口、バレンティンを欠く中、打線は9四球を選ぶなど塁上をにぎわせて5得点。最後は1点差まで迫った。連勝は2で止まったが、小川監督は「最後はよく追いつめた」とポジティブに捉えた。

◆九回に1点差まで迫ったが...。序盤の失点が響き、3連勝を逃した。乱調だったのはヤクルト・寺原隼人投手(35)。2回4安打3失点で降板し、2軍降格が決まった。  「12連戦で大変な中、早い回で降りてしまって申し訳ない。基礎的なことを、もう一回やっていきたい」  一回に先制点を献上し、二回は投手の阿知羅(あちら)に適時打を浴びるなど2失点。3盗塁を許し、クイックモーションにも課題を残した。  昨季限りでソフトバンクを戦力外となり、今季から加入。4月11日の広島戦で移籍後初勝利を挙げたが、その後に体調不良で出場選手登録を外れた。この広島戦以来、約3週間ぶりの先発で役割を果たせなかった。  「あれだけフリーパスで走られるとね。基礎を見直してやってきてもらわないといけない」と田畑投手コーチ。チームは、6日から阪神3連戦(神宮)。大型連休中、最後の3連戦で白星を積み重ねる。 (横山尚杜)

◆中日の連敗を4で止めた救世主は、観音様のような風貌の男だった。こちらチームは、1日に令和の時代を迎えてから初勝利。6年目でプロ初勝利を挙げたのは阿知羅(あちら)拓馬投手(26)。連戦で先発が不足する中、期待に応えた。  「これを機に阿知羅という名を覚えてほしい」  二回には初安打初打点で自身を援護した右腕は、お立ち台で3万6342人が集まったスタンドに笑顔でアピールした。  岐阜・大垣日大高から社会人のJR東日本を経て入団。昨季まで芽が出ず「契約してもらえるか分からなかった」という今季は投球フォームをワインドアップに変え、190センチの長身から大きくゆったり投げるようにした。地道な練習の成果が実り、この日は5回2失点。一回1死一、三塁のピンチは山田哲と雄平を打ち取った。  2年目まで2軍登板も少なく「野球をやっている感じがしなくて、情けない2年間だった」と振り返る。2年前はウエスタン・リーグで防御率、勝率の2冠に輝きながら、昨季の成績は悪く1軍登板の機会に恵まれなかった。与田監督は「プロ初勝利を挙げられたことはチームにとっても宝物」と、こどもの日に現れた"新ヒーロー"に目を細めた。 ★全国で10人!  年間累計2000万人以上が利用する業界ナンバーワンの名字検索サイト「名字由来net」(株式会社リクスタ)によると「阿知羅」は全国でおよそ10人ほどしかおらず、8万449位の"超レア"な姓だという。奈良・宇陀市の小字が発祥といわれ、地名は向かい側を意味する「あちら」が由来。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
18121 0.600
(-)
-
(-)
112150
(+3)
114
(+3)
41
(+1)
15
(-)
0.262
(↓0.001)
3.420
(↑0.05)
2
(-)
ヤクルト
18141 0.563
(↓0.018)
1
(↓0.5)
110167
(+5)
144
(+6)
41
(+1)
13
(-)
0.250
(↓0.003)
4.090
(↓0.04)
3
(-)
阪神
17151 0.531
(↑0.015)
2
(↑0.5)
110129
(+7)
139
(+5)
24
(+1)
20
(-)
0.242
(↑0.003)
3.520
(↑0.04)
4
(-)
広島
15161 0.484
(-)
3.5
(-)
111109
(+3)
134
(+3)
29
(+1)
13
(-)
0.234
(↓0.001)
3.350
(↑0.05)
5
(-)
中日
14170 0.452
(↑0.019)
4.5
(↑0.5)
112114
(+6)
119
(+5)
23
(+1)
21
(+4)
0.268
(↑0.003
3.780
(↓0.04)
6
(-)
DeNA
12200 0.375
(↓0.012)
7
(↓0.5)
111119
(+5)
138
(+7)
35
(-)
7
(+2)
0.232
(↑0.001)
3.790
(↓0.11)