中日(★2対7☆)ヤクルト =リーグ戦7回戦(2019.05.03)・ナゴヤドーム=
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ヤクルト
2001020207821
中日
0000000022610
勝利投手:小川 泰弘(1勝3敗0S)
敗戦投手:又吉 克樹(1勝2敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(8号・8回表2ラン)

  DAZN
◆ヤクルトは初回、無死満塁から4番・山田哲の2点適時二塁打で先制する。3-0で迎えた6回表には、中村の2点適時二塁打でリードを広げた。投げては、先発・小川が9回6安打2失点の力投で今季初勝利。敗れた中日は、最終回に2点を返すも、反撃が遅かった。

◆中日阿部寿樹内野手(29)は打率3割3分9厘の好成績で、特にナゴヤドームでは28打数12安打の打率4割2分9厘と絶好調。 また今日の相手先発ヤクルト小川にも、今季は5打数3安打2本塁打6打点。今日も相性の良さを発揮するか。

◆ヤクルトが山田哲人内野手の適時打で先制した。 1回無死満塁、中日先発又吉の2球目148キロ直球を左翼線への二塁打とし2点を先制した。 上半身のコンディション不良で選手登録を抹消されたバレンティンに代わり、今季初めて4番に入った山田哲は「1打席目から集中して打席に入ることができました。先制できてよかったです」と話した。

◆ヤクルトが中村悠平捕手の適時打で追加点を挙げた。 3-0で迎えた6回1死一、二塁、中日の2番手小熊の3球目146キロ直球を二塁打とし、2点を追加した。「(先発の)小川が頑張って投げているので、楽にしてあげたかったです」と話した。 中村は4回1死三塁でも左犠飛を放ち、打点を挙げていた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手が8号2ランを放った。 5-0で迎えた8回無死一塁、カウント0-2と追い込まれてから中日3番手・福の3球目135キロ内角高めの直球を右翼席へ運んだ。「インコースの球でしたが、うまく反応してしっかりとらえることができました」と話した。 主砲バレンティンを欠く中で、6番に入った"燕のゴジラ"がアーチを描いた。

◆中日は又吉、ヤクルトは小川が先発。ヤクルトは初回無死満塁から山田哲の二塁打で2点を先制した。小川は3回1安打無失点。 ヤクルトは4回に中村の犠飛で1点を追加。6回にも中村の適時二塁打で2点を加点した。小川は6回まで2安打無失点と好投。 ヤクルトは8回、村上の8号2ランで追加点。小川は2失点完投で今季初勝利。ヤクルトは連敗を止め、中日は2度目の3連敗。中日又吉が2敗目。

◆中日が今季2度目の3連敗を喫し、借金も最多の3になった。開幕ローテーションから笠原、吉見、山井が出場選手登録を抹消。又吉を2年ぶりの先発マウンドに送ったが、四球絡みで6回途中に5失点KO。12球団唯一の令和未勝利球団になった。 打線も8回まで小川に散発3安打で無得点に封じられた。「四球が絡むとビハインドの試合は守備側の集中力も欠けてしまう。(投打とも)次に挑むことをしないと勝てない」。攻守とも精彩を欠く状況に、与田剛監督の言葉にも力がなかった。 4月27日から始まった12連戦は、これで2勝5敗。この日は試合前練習を短縮、シートノックも免除して体力温存に努めさせた。だが4試合ぶりの本拠地で。今季最多の3万6484人に勝利を届けられなかった。連戦の蓄積疲労について、与田監督は「相手も一緒のこと。関係ない」と語ったが、新元号1勝へ足踏みが続く。

◆ヤクルト小川泰弘投手(28)が、ようやく"開幕"した。初完投で今季初勝利。9回2死から2失点し、12球団を通じて令和初となる完封は逃したが、最後に中日大野奨を力のある145キロ直球で中飛に抑えた。被安打6、無四球の6奪三振、138球の熱投。開幕投手は「(開幕から)1カ月、長かったですね。時の運と思って割り切っていた。ここから積み上げていきたい」と話した。9回の完投勝利は、16年8月31日巨人戦以来。中日からの勝利は3シーズンぶりだった。 右打者へのシュートが、効果的だった。前回登板した4月27日広島戦(神宮)から解禁し、8回1失点の好投。敗れたものの手応えをつかんでいた。「(打者に)踏み込まれると相手ペースになる。シュートを使うことで(攻め方の)幅が広がった」と振り返った。 開幕から5戦勝ちなし。「我慢です。今は我慢」。自分に言い聞かせるように、何度も口にした。1カ月間で、ランニングの量を増やした。400メートルのインターバル走で、ストップウオッチ片手に汗を流した。ただ走るのではなく、姿勢を意識。「走るときの姿勢は、投げる時の姿勢に通じる」と練習を重ねた。苦しい時間を経て、地元愛知で1勝目。「仲良い人も来ていて、その前で勝てたことがよかった」とほほえんだ。

◆ヤクルトが"4番"の活躍で、令和初の勝利を飾った。主砲のウラディミール・バレンティン外野手(34)を上半身のコンディション不良で欠く窮地を救ったのは、今季初めて4番に座った山田哲人内野手(26)だった。 初回にいきなり先制の適時二塁打を放ち、チームの連敗を2で止めた。打率3割1分4厘、出塁率4割9分7厘と、シーズン序盤からエンジン全開。前人未到の4度目のトリプルスリーを狙う、頼れる男がチームをけん引する。いつも通りの表情で、いつも通り打席に入った。初回無死満塁、山田哲は中日の先発又吉の2球目、内角の直球をうまくさばいて左翼線への適時二塁打とした。2点を先制し、ベース上でポンポンと手をたたいた。17年10月1日の中日戦(神宮)以来579日ぶりの4番にも「(初回が)大きかった。4番は全然、特別意識はしなかった。(普段の)3番とやることは一緒。先頭ならチャンスメークをするし、走者がいればかえす」とサラリ。期待に応える中軸の活躍に、小川監督は「山田が大きかった。大きな一打だった。今日は理想的な展開。エースが抑えて、4番が打った」と手放しで評価した。 シーズン序盤から、絶好調だ。4割9分7厘を誇る出塁率と、四球37はいずれも両リーグでトップ。シーズン当初は12連戦が控えていることを聞くと驚いていたが、「一番心がけている」という出塁は連戦中も続いている。個人では、2年連続4度目のトリプルスリー達成を目標に掲げる。好調でも「(調子は)分からない。また、17年みたいになるかもしれない」と開幕から不調に陥ったシーズンが常に頭をよぎるが、それでも試合は続く。今週は2カード連続のビジター。移動も多く「寝られる時は寝る」とわずかな時間も体力の回復に努めている。 連敗と、バレンティンが離脱した嫌なムードを拭った。1日のDeNA戦(横浜)の練習で、患部を気にしながらキャッチボールをする主砲の様子に気付き、真っ先に声をかけた。出場選手登録を抹消されたバレンティンに代わり、穴を埋める活躍が求められる。「多少(違いを)感じている。打たなきゃ、とか思う」。短い言葉に決意がにじんだ。「大事なところを任せてもらっているので、そのプレッシャーに勝てるようにしたい」。新4番が、チームの窮地を救った。【保坂恭子】

◆今季のヤクルト山田哲人内野手は31試合を消化して打率3割1分4厘、7本塁打、21打点、9盗塁。過去にシーズン打率3割は4度あるが、今季と同じチーム31試合時に打率3割以上は16年に次いで2度目。 打点と盗塁も2番目に多く、現在のペースならば最終的には32本塁打、96打点、41盗塁。4度目のトリプルスリーを十分に狙える山田哲だが、今季は四球もしっかり選んでいる。 四死球が両リーグ最多の39個(37四球、2死球で敬遠は1個だけ)あり、現在の出塁率が4割9分7厘。四死球は179個ペースと、ボールに手を出さなくなり、スロースターターの山田哲が春先から好成績をマークしている。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(26)が3日、中日7回戦(ナゴヤドーム)に今季初めて4番で先発し、一回に無死満塁から左翼線へ先制の2点二塁打を放った。  二塁ベース上でポンと両手をたたき、安堵(あんど)した表情を見せた山田哲は「1打席目から集中して打席に入ることができました。先制できてよかったです」とコメントした。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が3日、中日7回戦(ナゴヤドーム)に「6番・三塁」で先発し、5-0の八回にチームトップタイとなる8号2ランを放った。  中日3番手・福が投じた内角高め135キロの直球を完璧に捉え、広いナゴヤドームの右中間スタンドに運んだ。19歳のスラッガーは「内角の球でしたが、うまく反応してしっかり捉えることができました」と満足そうな表情を浮かべた。

◆ヤクルト・小川泰弘投手(28)が9回6安打1失点で完投し、今季6試合目で初勝利を挙げた。  長いトンネルを抜けた。今季初の中5日で先発した小川は、最速148キロの真っすぐに変化球を交え中日打線を抑え込んだ。七回は味方のエラーも絡み2死一、三塁のピンチを背負ったが、井領をチェンジアップで遊飛に抑え、マウンドで声を上げた。九回はビシエドに二塁打を許すなど、2死二、三塁から高橋に左前2点打を浴び完封は逃したが、最後は大野を中飛に抑えマウンドで安堵の表情を浮かべた。  打線は一回、今季初の4番に入った山田哲の2点二塁打で先制。中村が四回に右犠飛、六回に2点二塁打を放つと、八回に村上の8号2ランで右腕を援護した。  ヒーローの小川は「地元で初勝利を挙げることができてうれしい。この1カ月苦しかったので一つ勝ててよかったです。ひとりひとり必死に抑えた結果なので、これをまた続けていきたいと思います」と喜んだ。

◆ヤクルトの中村が攻守に存在感を発揮した。3打点をマークし、捕手としても小川を完投勝利に導いた。四回に犠飛を放ち、六回の好機でも「小川が頑張っていたので楽にしてあげたかった」と2点二塁打で援護した。  リードでも内角を積極的に使い、エースに今季初勝利をつけた。「低めにも集まっていたし、真っすぐも良かった。一つ勝ったので、これでぽんぽんといけると思う」と笑顔で白星を祝福した。

◆中日の高橋が0-7の九回2死二、三塁から2点左前打を放った。小川の完封を阻止し「いいところに落ちてくれて良かった」と話した。  自身としても4月19日のヤクルト戦以来の打点。当時は3割以上だった打率も2割5分まで下がってきた。チームの敗戦も重なり、言葉少なに球場を去った。

◆バレンティンの離脱というチームの窮地を"投"で救ったのが小川なら、"打"で貢献したのは山田哲。2年ぶりに4番に入ると、一回無死満塁の好機で先制の2点打を放ち、主砲不在の不安を一掃した。「(4番は)特別意識しなかった。3番とやることは同じ。集中して打席に入ることができました」と山田哲。「打たなきゃいけないとプレッシャーは多少感じる。大事なところを任されているので、そのプレッシャーに勝てるようにやるだけ」と、どこまでも頼もしかった。

◆零封負けは阻止したが、元号が令和に変わってから3連敗で、借金は今季最多の3。与田監督は「勇気を持ってやっていくしかない」と苦笑いを浮かべた。約2年ぶりに先発した又吉は六回途中5失点。「コースを突こうと狙い過ぎる」という課題がこの日も出て4四球が失点に絡んだ。一方的な試合展開に、満員の球場からは観客が試合終了を待つことなく引き揚げた。

◆チームにとって欠かせない存在になりつつある。5-0の八回無死一塁、村上が3番手・福の直球を捉え、チームトップのバレンティンに並ぶ8号2ラン。広いナゴヤドームの右中間席に楽々と運び「うまく反応して捉えることができました」と会心の笑みを浮かべた。  ここ5戦で3発と量産体制に入っており、10代でのプロ通算9本塁打は金田正一、高山忠克を抜いて球団最多を更新。「徐々に取り組んできたことが、できるようになってきた」と手応えを示した。  バレ砲が不在の中、長距離打者として村上にかかる期待は自然と大きくなる。19歳は「まずは守備で迷惑をかけないように。チームの勝ちに貢献できるように頑張ります」と気を引き締めた。

◆ヤクルトは3日、中日7回戦(ナゴヤドーム)に7-2で勝ち、首位・巨人とのゲーム差を1・5に縮めた。小川泰弘投手(28)が6安打2失点、無四球で完投し、今季6試合目の先発で初勝利(3敗)。今季初の中5日での登板だったが、右打者の内角へのシュートを有効に使い、2連敗していたチームに"令和初勝利"をもたらした。村上宗隆内野手(19)は八回に8号2ランを放ち、プロ通算9本塁打で10代選手の球団記録を更新した。  気迫を前面に出し、打者に向かった。小川が6安打2失点で完投勝利。"平成最後の開幕投手"を務めたエース右腕が、6試合目で初白星をつかみ、ほっとした表情を浮かべた。  「地元(愛知県)で勝ててうれしい。チームも連敗していたので、なんとか止められるようにマウンドに上がりました」  八回まで散発3安打の無失点。118球を投げていたが、九回のマウンドも譲らなかった。2死二、三塁で高橋に2点打を浴びて"令和初完封"を逃したものの、気持ちを切らさず138球を投げ抜いた。  窮地を救う力投だった。12連戦の7戦目で、令和に改まってからチームは2連敗。上半身のコンディション不良で4番・バレンティンがこの日登録を抹消された。  好投の要因が前回登板、27日の広島戦(神宮)で使い始めた右打者の内角に食い込むシュートだ。右打者が並ぶ3-6番の主軸の胸元をえぐり、決定的な仕事をさせなかった。この武器で最速148キロを計測した直球、外角へのカットボールも生かした。  七回には安打に味方の失策で2死一、三塁とされたが、代打・井領をカットボールで追い込んで遊飛に仕留め「エラーはつきもの。カバーできてよかった」と振り返った。勝てない中で模索し続けた投球術でピンチをしのぎ、汗を拭った。  昨季終了後、1人で米シカゴを訪れ、異国の文化、言葉に触れた。「プロ野球選手である以上、野球を究めていきたいのはもちろん。それだけではなく、人間としての幅を広げていきたい」。常に自身に刺激を与え、新たなものを吸収する。「俺はスポンジだから」。変化を恐れない。それが小川の生きる道だ。  右腕に導かれ、チームは待望の令和初勝利を挙げた。「(小川は)よく頑張った」と小川監督。12連戦はあと5試合。一丸で難局を乗り切る。 (横山尚杜) 小川をリードしたヤクルト・中村 「直球がよかったし、カットボール、シュートもよかった。低めに集められていた」 完投勝利の小川にヤクルト・田畑投手コーチ 「一人で投げ切ってくれた。ナイスピッチングでしょう」

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
18110 0.621
(↓0.022)
-
(-)
114145
(+3)
108
(+6)
40
(-)
15
(-)
0.263
(↓0.005)
3.490
(↓0.06)
2
(-)
ヤクルト
17131 0.567
(↑0.015)
1.5
(↑1)
112154
(+7)
134
(+2)
40
(+1)
12
(-)
0.252
(-)
4.050
(↑0.07)
3
(-)
阪神
15151 0.500
(↑0.017)
3.5
(↑1)
112117
(+2)
133
(+1)
23
(+1)
18
(-)
0.239
(↓0.002)
3.650
(↑0.1)
4
(1↑)
広島
14160 0.467
(↑0.019)
4.5
(↑1)
113103
(+6)
129
(+3)
27
(+2)
12
(+1)
0.233
(↑0.004)
3.460
(↑0.12)
5
(1↓)
中日
13160 0.448
(↓0.016)
5
(-)
114104
(+2)
106
(+7)
21
(-)
17
(+1)
0.266
(↓0.004)
3.590
(↓0.12)
6
(-)
DeNA
12180 0.400
(↓0.014)
6.5
(-)
113113
(+1)
126
(+2)
35
(-)
5
(-)
0.235
(↓0.002)
3.690
(↑0.07)