DeNA(☆2対0★)ヤクルト =リーグ戦6回戦(2019.05.02)・横浜スタジアム=
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ヤクルト
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DeNA
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勝利投手:今永 昇太(3勝1敗0S)
(セーブ:山﨑 康晃(1勝1敗4S))
敗戦投手:スアレス(1勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】筒香 嘉智(9号・7回裏2ラン)

  DAZN
◆DeNAが接戦を制した。DeNAは両軍無得点で迎えた7回裏、筒香の2ランが飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・今永が8回5安打無失点の快投。最後は守護神・山崎が締めた。敗れたヤクルトは、先発・スアレスが力投を見せるも、打線が援護できなかった。

◆両先発が立ち上がりを0点に抑えた。DeNA今永は初回2死一、二塁を切り抜け、ヤクルト・スアレスは3回まで無安打無失点。 DeNAはようやく6回に伊藤光が初安打。今永の犠打で二進したが、続く大和、石川が倒れて無得点。6回まで両軍無得点。 DeNAは7回無死一塁で筒香が決勝の9号2ラン。4月10~12日に3連勝して以来となる2連勝を飾った。ヤクルトは2連敗。 DeNA今永が3勝目、ヤクルト・スアレスが1敗目。

◆ヤクルトのスアレスは7回を被安打3の2失点と好投したが、来日初黒星を喫した。 5回までノーヒットに抑えていたものの、7回筒香に対しチェンジアップが高めに抜け2ランを浴びた。「甘く入った1球をうまく打たれた」と振り返った。3回には初安打をマークしたが、7回1死二、三塁のチャンスでは空振り三振。「どうにかバットに当てたかった。ヒットにできず残念」と悔しがった。

◆DeNAが投打の軸の活躍で2連勝を飾り、5カードぶりの勝ち越しを決めた。 先発の今永昇太投手(25)が8回123球の熱投。5安打無失点9三振で今季3勝目(1敗)を挙げた。打っては4番筒香嘉智外野手(27)が7回に値千金の9号決勝2ラン。4月には10連敗も喫したが、令和に入って負けなしのDeNAが一気に上位浮上を狙う。今永にとって最大のピンチは7回だった。四球と安打で1死二、三塁。代打ではなく投手のスアレスがそのまま打席に立った。「(3回に)ヒットも打たれていたし、スクイズもありそうな雰囲気。ピッチャーとは考えずに投げました」。135キロチェンジアップで空振り三振を奪うと、続く大引もこん身の148キロ直球で中飛に仕留めた。その気迫が打線にも乗り移り、裏に筒香の2ランが飛び出した。 初回から調子は悪くなかった。だが1、2個分ボールが浮いていた。得点圏にも走者を背負った。効果を発揮したのが今年から採用している修正法。マウンドの軸足部分を掘り、1段低くなった穴に足を入れて投げる。フォームは変えずにボールの軌道を下げられるのだ。「掘るのは2~3センチ。リリースはいじらず自分がちょっと下がって。3回くらいから(穴の深さが)いい感じになってスライダーもチェンジアップも抜けなくなりました」と「モグラ投法」の手応えを口にした。 この日の好投で、防御率は0点台(0・98)に突入した。それでも数字は意に介さない。「防御率を気にするとピッチングが狭まっていってしまう。今日は試合前から絶対に8回を投げると決めていた。そのイニングを投げられたことにホッとしています」という。 試合後のお立ち台。少年ファンから「野球をやるとき一番大切にしていることは何ですか?」と質問されると、「自分のために野球をやるのには限界がある。このプレーが誰かのためになるんだと思いながら投げてます」と答えた。チームメート、ファン、球団関係者...。「ファミリー」だというすべての人たちのために、これからも全力で投げ続ける。【千葉修宏】

◆これが4番の力だ。7回無死一塁。筒香嘉智外野手はカウント2-2からヤクルト・スアレスの133キロ真ん中チェンジアップを豪快に右翼席中段へ運んだ。 「後ろにロペスもいますし、つなげば相手としても嫌。とにかく強いスイングで(外野の)間を抜く打球をイメージしていました」。打った瞬間それと分かる1発で、力投を続ける今永を援護した。 ロッカー室でも、2人はよくコミュニケーションを取る。筒香が冗談で「ホームランがいいか? ヒットがいいか?」と聞くと、今永が「じゃあホームランをお願いします」と返すのだという。有言実行の主砲に今永も「さすがだと思いました」と笑顔を見せた。 筒香は技術面の追求に加え、コンディション維持にも細心の注意を払う。白米だけでなく玄米を食べることで「体の疲労も抜けやすくなったり、いろいろ変わってきていると思う」。そんな主砲を先頭に、いよいよDeNAの反撃がスタートした。連敗中は「意識してみんなが明るく接している感じだった」というチームの雰囲気も「自然な空間のロッカー室、ベンチになってきた」。もう浮上するのみだ。

◆ヤクルトは今永を崩せなかった。バレンティンを欠き4番には今季初めて雄平が入ったが連打は生まれず。7回1死二、三塁のチャンスでスアレスに代打を送らず三振し、続く代打大引も中飛に倒れた。 小川監督は「今永からたくさん安打を打って点を取るのは難しい。(7回の好機でスアレスを)代えないといけなかった。僕の責任」と話した。

◆DeNAの筒香が均衡を破る2ランを放ち、勝利を呼んだ。打線が五回まで無安打と苦しめられたスアレスに対し、七回無死一塁でチェンジアップを豪快に振り抜き、右翼席へ運ぶ9号2ラン。今永に3勝目をプレゼントし「本当に一生懸命投げていた。何とか点を取れて良かった」と喜んだ。  4月末に10連敗を喫したチームは5月を連勝スタート。主将で4番打者の筒香は「連敗が止まり、ロッカーもベンチも自然な空間が広がっている」とうなずいた。

◆ヤクルトは今永を攻略できず、今季4度目の零敗を喫した。七回1死二、三塁の好機で、無失点を続けていた投手のスアレスをそのまま打席に送ったが三振に倒れ、結果的に無得点に終わった。小川監督は「点を取りにいかないといけなかった。間違いなく私の責任」と肩を落とした。  スアレスはその裏に筒香に2ランを許し、来日初黒星。策が裏目に出た小川監督は「(代打を送るか)迷ったのは正直なところ。決断できなかった」と悔やんだ。

◆ヤクルトのバレンティンが、上半身のコンディション不良で出場選手登録を外れることが決まった。開幕から4番で全試合に先発出場してきたが、1日の試合で二回の守備から退いていた。  リーグトップの29打点をマークしている主砲の離脱に、小川監督は「いる人でやるしかない。けがはやむを得ないし、そのためにキャンプからチームの底上げを図ってきた」と話した。

◆DeNAの今永昇太投手、筒香嘉智外野手が2日のヤクルト戦後のヒーローインタビューに登場。ゴールデンウイークの"お仕事体験"として、小学生がインタビュアーを務めた。  まずは1人目の男の子が今永に「コントロールを良くするには?」と聞くと、"投げる哲学者"の異名を持つ今永は「肩甲骨を意識して、体重移動でしっかり乗って投げること」と、小学生が理解するにはやや難しい回答。続いて「どんな特訓をしていますか」と聞かれた筒香は「玄米をたくさん食べることです」と答えてわかせた。  2人目の男の子は「野球をする上で大切にしていること」を質問。今永は「自分のために野球をやるのは限界がある。このプレーは誰かのためになるだろうと思って投げています」と"今永語録"で返答。そして「個人としての目標」を聞かれた筒香は「自分のプレーを見て、勇気を与えられるような活躍をすることです」とヒーローらしい答えで大歓声を浴びていた。

◆来日2度目の登板だったスアレスは117球を投げ、7回3安打2失点と好投したが、初黒星(1勝)を喫した。五回まで無安打投球。「全体的によかったが、あの1球だけうまく打たれてしまった」と七回に筒香に真ん中のチェンジアップを右翼席へ運ばれた場面を悔いた。田畑投手コーチは「尻上がりにいい投球をしてくれた。責められない」とかばった。

◆山崎は九回2死からツーシームを見極められて2者連続四球を与えたが、最後は代打・川端を遊ゴロに仕留めて4セーブ目を挙げた。「相手の戦略として(ツーシームを)見てきていると思った。これからもあることだし、乗り越えていかないといけない」。4月25日の阪神戦で逆転弾を浴び、今永の白星を消しただけに「ウイニングボールを渡せてよかった」と笑みを浮かべた。

◆ヤクルトは今季4度目の零封負けで2連敗。首位・巨人から2・5ゲーム差に後退した。さらに試合後、小川淳司監督(61)は「(バレンティンの出場登録を)抹消します」と、3日にウラディミール・バレンティン外野手(34)を出場選手登録から外すことを明かした。  主砲は1日のDeNA5回戦(横浜)で上半身のコンディション不良を訴えて二回の守備から退き、この日は今季初めて欠場した。  4番に雄平が入った打線は、DeNA・今永の前に散発5安打。指揮官は「そう簡単に今永から点を取ることはできない。七回は決断することができなかった」と、七回1死二、三塁で投手のスアレスに代打を送らなかったことを悔いた。  12連戦の半分を終えて3勝3敗。バレンティン不在での戦いにも、指揮官は「いる人でやるしかない。そのためにキャンプで底上げをしてきた」と前を向いた。主砲の穴を全員でカバーし、乗り越える。 (横山尚杜)

◆エースの力投に応えたのが主砲・筒香。0-0の七回無死一塁で、スアレスの133キロのチェンジアップを捉え、右翼席へ9号2ランを放った。  「今永は今シーズン、ずっと頑張っている。何とか点を取ってあげたいと思っていた。打った瞬間に入ったと思った」  今永の登板前に「ヒットとホームランのどっちがいい?」と聞くのが慣例で、今永からの返答はもちろん、「ホームランでお願いします」。筒香は「覚えていません」とごまかしたが、それまでチームはスアレスの前に1安打に抑えられていただけに、4番の価値ある一発となった。  「これまではみんなが意識して明るくしている感覚があったけど、今は意識しなくても自然にそういう空間になっている。ベンチもロッカールームも」。敗戦続きの4月が終わり、主砲はチームの上昇ムードに手応えを感じている。 決勝弾の筒香にDeNA・ラミレス監督 「安定している。他チームが『こんな4番が欲しい』と思う打者だ」

◆DeNAは2日、ヤクルト6回戦(横浜)に2-0で勝利。先発の今永昇太投手(25)が8回5安打無失点の力投で今季3勝目(1敗)を挙げた。開幕投手を務めたエース左腕は、防御率0・98でリーグトップを独走。攻撃では両チーム無得点で迎えた七回に主砲の筒香嘉智外野手(27)が決勝の9号2ランを放った。チームは4月10-12日(3連勝)以来の2連勝を飾り、上昇ムードが漂ってきた。  緊迫の展開で今永が気迫あふれる投球で3万1807人を魅了した。ヤクルトの強力打線に真っ向勝負を挑み、最下位のチームに約1カ月ぶりの連勝を呼び込んだ。  「スアレス選手の粘り強い投球に引っ張られて、いい投球ができました」  8回5安打無失点。七回無死一、二塁などピンチも背負ったが、最速150キロの直球とカーブ、カットボールなどを効果的に使い、スアレスとの投げ合いを制した。  序盤で球が高めに抜ける傾向を察すると、マウンドで軸足(左足)部分の土を深く掘り、低めにいくように調整した。昨年までならリリースポイントを変えていたが、4年目の経験と初めて開幕投手を務めた自信が左腕を成長させた。  危機をしのげばほえ、仲間の好プレーに笑顔をみせる。今年からマウンドで喜怒哀楽を表現するのは「世界の王」の"教訓"だ。  「王さんはソフトバンクの監督時代(現球団会長)に『悔しがっていい、ガッツポーズをしていい』と選手に伝えていたそうなんです」  2006年から13年まで同球団に所属したチームメートの藤岡に教えてもらったという。昨年まではマウンドで感情を最小限に抑えていたが、「感情を出すことで仲間を鼓舞することもできる。自分の性格的にも合っている」と意識を変えた。  今季は全6試合でクオリティスタート(投球6回以上、自責3点以内)を達成し、リーグ1位の防御率0・98。奪三振46もリーグ2位と抜群の安定感を誇っている。  4月末に喫した10連敗の重苦しい空気はもうない。新元号「令和」で見事な連勝を飾り、エース左腕は「これからも勝ちまくります!」と叫んだ。試合前にハマスタの上空を覆った雨雲は消え去り、青空が広がっていた。 (湯浅大) 約1カ月ぶりの連勝にDeNA・ラミレス監督 「今永が素晴らしい投球をして、4番の筒香が一球で仕留め、クローザー(山崎)が締めた。パーフェクトなゲームだった」 ★ファミリー一丸  今永は今季開幕前のミーティングで主将の筒香が発した「うれしいことを分かち合うのは普通だけど、苦しいことを分かち合うのは家族(チーム)しかない」という言葉を胸に刻んでいる。チームは4月16-28日に10連敗を喫し、自身も勝ち星を伸ばせなかったが、全員の力で低迷期を乗り越えた。「きのう(1日に打撃不振だった)宮崎さんのタイムリーでベンチもスタンドもすごい歓声だった。ファミリーとして一体になったんじゃないかな。この流れを消さないようにしたい」と今後の快進撃を誓った。

◆筒香の決勝2ランに、技術の高さと、切り替えの確かさを感じた。初球から3球はツーシーム系に見向きもせず、明らかに前の打席で攻められたカーブ系狙い。4球目、そのカーブをフルスイングでファウル。最後はツーシーム系にシフトチェンジし、真ん中に浮いたチェンジアップをピンポイントで仕留めた。  チームはそれまで伊藤光の1安打のみと、スアレスに手を焼いていた。まさに、誰も打てないときに打つのが4番だ。  今永も成長の跡を見せた。実は調子はよくなかった。前半は制球がままならず、抜け球が多く、いらだちの表情だった。その状態で、しかも0-0の投手戦で粘れる。エースの階段をまた一歩、上ったとみる。  勝負のアヤも大きい。七回のヤクルトの攻撃。一死二、三塁で、スアレスに代打を送らなかった。故障上がりの来日2戦目で、前回登板は6回。スアレス自身、打席に入るのか、七回も投げるのか、半信半疑だったはず。その微妙な心の揺れが、直後のソトへの死球と筒香の一発につながったのでは。結果的に、DeNAにとってはエースと4番で勝つという、最高の試合になった。(サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
18100 0.643
(↑0.013)
-
(-)
115142
(+9)
102
(+3)
40
(+4)
15
(+1)
0.268
(↑0.001)
3.430
(↑0.01)
2
(-)
ヤクルト
16131 0.552
(↓0.019)
2.5
(↓1)
113147
(-)
132
(+2)
39
(-)
12
(+1)
0.252
(↓0.003)
4.120
(↑0.05)
3
(-)
阪神
14151 0.483
(↓0.017)
4.5
(↓1)
113115
(-)
132
(+4)
22
(-)
18
(-)
0.241
(↑0.001)
3.750
(↓0.01)
4
(-)
中日
13150 0.464
(↓0.017)
5
(↓1)
115102
(+3)
99
(+9)
21
(-)
16
(-)
0.270
(↑0.001)
3.470
(↓0.23)
5
(-)
広島
13160 0.448
(↑0.019)
5.5
(-)
11497
(+4)
126
(-)
25
(+1)
11
(-)
0.229
(↑0.001)
3.580
(↑0.13)
6
(-)
DeNA
12170 0.414
(↑0.021)
6.5
(-)
114112
(+2)
124
(-)
35
(+1)
5
(-)
0.237
(↓0.004)
3.760
(↑0.14)