DeNA(★8対9☆)ヤクルト =リーグ戦4回戦(2019.04.30)・横浜スタジアム=
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ヤクルト
024101000191502
DeNA
000350000081103
勝利投手:五十嵐 亮太(5勝0敗0S)
(セーブ:石山 泰稚(1勝1敗7S))
敗戦投手:エスコバー(0勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】中村 悠平(3号・3回表3ラン),バレンティン(8号・6回表ソロ)
【DeNA】ソト(11号・4回裏2ラン),筒香 嘉智(8号・4回裏ソロ),ロペス(4号・5回裏2ラン)

  DAZN
◆ヤクルトが打撃戦を制した。ヤクルトは1点を追う6回表、バレンティンのソロで同点とする。そのまま迎えた延長10回には、代打・荒木が適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功した。4番手・五十嵐が今季5勝目。敗れたDeNAは、最大7点のビハインドから逆転するも逃げ切れなかった。

◆DeNAが、7点差をひっくり返した。7点を追う4回にソトの11号2ラン、筒香の8号ソロの2者連続弾で、3点を返すと5回にも勢いづいた。 代打乙坂、ソトの適時打で1点差に迫り、ロペスの4号2ランで8-7と大逆転に成功した。

◆ヤクルトは2点リードの3回に中村の3号3ランなどで4点を追加。DeNA先発進藤は、3回7安打6失点で降板。 DeNAは4回にソト、筒香が2者連続弾。5回までに8点を返したが、ヤクルトは6回にバレンティンの8号ソロで同点とした。 ヤクルトは延長10回に荒木の適時二塁打で勝ち越し。打ち合いを制した。9回から登板した五十嵐が両リーグトップの5勝目。DeNAエスコバーは1敗目。

◆DeNAは平成最後の大逆転勝利とはならなかった。4回表まで7点のリードを許しながら、そこまで無得点の打線が息を吹き返した。 その裏にソト、筒香が2者連続弾。続く5回にはロペスの4号2ランなどで5得点をマーク。2イニングで一挙に8点を奪い、ひっくり返したが、守りきれなかった。 8-8の延長10回に、ヤクルト西浦の二塁後方への飛球を二塁手柴田、中堅手乙坂がお見合い。失策こそ付かなかったが、決勝点献上のきっかけとなった。ラミレス監督は「野球は流れ、勢いのスポーツ。勢いづいたところで、キープできなかった」と渋い表情だった。

◆ヤクルト・バレンティン外野手が6回の同点8号ソロを含む3安打3打点と活躍した。 値千金の同点弾は、DeNA三嶋の152キロ直球を左翼スタンド上段にまで運ぶ豪快な1発。試合後「気持ち良かったです。好球必打で良いボールをうまくスイングできた」と話した。平成最後の試合での本塁打となったが、さすがに外国人だからか「平成? よく分からないよ」と苦笑いで話すにとどまった。

◆ヤクルト五十嵐亮太投手が5勝目。5勝はすべて4月に挙げた。5月28日に40歳になるが、40歳シーズン以上の月間5勝は史上初めて。 すべて救援登板の月間5勝以上は00年5月の篠原(ダイエー=5勝)以来で、ヤクルトでは88年に全試合救援で18勝を挙げ最多勝の伊東が8月に6勝して以来だ。五十嵐は00年に先発0で両リーグ10勝一番乗りをマークした史上唯一の投手だが、今季はどうか。 ◆88年の伊東昭光 ヤクルトは抑えに予定していた高野光が故障で出遅れ、伊東が代役に。すべて救援で55試合に投げ、122回2/3、18勝9敗17セーブ、防御率3・15。小野(中日)とともにセ・リーグ最多勝に輝いた。1度も先発しないシーズンに最多勝は伊東だけ。規定投球回未満の最多勝も05年下柳(阪神)と史上2人しかいない。

◆ヤクルト五十嵐亮太投手(39)が2日連続の好リリーフをみせ、両リーグ単独トップに立つ5勝目を挙げた。 同点の9回に降りしきる雨の中で登板。制球に苦しみながらもDeNA打線を1回無安打無失点に封じ、味方の勝ち越しにつなげた。五十嵐は平成最後の試合で、現役の平成最多を更新する789登板。40歳シーズン以上の月間5勝は史上初で、令和時代につなげる熱投だった。連投の五十嵐にとってマウンド上は最悪のコンディションだった。9回1死から大和を四球で歩かせた。雨で足元がぬかるみ、スパイクの裏は土でべっとり。うまく踏ん張れず、制球を乱した。続く打者に犠打を決められ2死二塁。迎えるは第2打席で本塁打を打っているソトだ。 ここでマウンドに土を入れるため試合が中断した。ベンチから出て来た田畑投手コーチが五十嵐の足元にかがみ、スパイクの泥をブラシで落とし始めた。「普通コーチに泥とか取らせないですけど(笑い)。もしヒットを打たれたら田畑さんに合わせる顔がなかった」。再開後、五十嵐はソトに気持ちのこもった149キロ直球を投げ、芯で捉えられたが中飛に仕留めた。「田畑さんがものすごく丁寧に泥を取ってくれた。その気持ちがあったから打球が正面にいってくれた」。 ヤクルトは延長10回に代打荒木の適時二塁打で勝ち越し。前日29日の広島戦に続き、五十嵐に2日連続となる今季5勝目がついた。 オフに戦力外通告を受けた五十嵐へ古巣復帰のオファーを出したのは、88年にすべてリリーフで18勝を挙げ、最多勝を獲得した伊東昭光編成部長だ。五十嵐は「できればホールドを重ねることの方が僕にとってもチームにとっても本来のスタイルだと思う」と「18勝」は意識しないとした上で「でも伊東さんも喜んでくれているんじゃないかと思う。戻って来てマウンドに上がれるチャンスをもらったというだけでもありがたい、感謝の気持ちでいっぱいです」。令和になっても周囲に感謝しながら投げ続ける。【千葉修宏】

◆2年目の村上宗隆内野手(19)が30日、DeNA4回戦(横浜)に「7番・三塁」で先発し、二回1死二塁から進藤が投じた148キロの直球を捉え、右中間フェンス直撃の適時二塁打を放った。  前日29日のソロ本塁打に続く2試合連続打点を挙げ、村上は「とにかく強い球を打つことを心がけました。先制できてよかったです」と控えめに喜んだ。

◆DeNAの3年目、進藤拓也投手が30日のヤクルト戦(横浜)でプロ初先発したが、3回7安打、6失点で降板した。  進藤は中継ぎ投手で、昨年は1軍出場経験がなかったが、10連戦中の先発ローテの"谷間"として、「ショートスターター」として先発のマウンドに。一回は無失点で切り抜けたが、二回に川端、村上、投手の原に二塁打を許し2失点した。  ラミレス監督は試合前に「速い球を1イニング。状態がよければ2イニング投げてくれたら。中継ぎ投手なので、ペース配分も考えずに投げられる選手を(先発に)もってきた」と説明していたが、三回も進藤の続投を選択。この回、進藤は2二塁打、中村の3号3ランで4点を奪われた。  最速152キロをマークしたが、3回7安打、3四球、3奪三振の6失点で降板した進藤は「初回はいい形で入れましたが、二回以降はコースに投げ切れず、うまく攻めきることができませんでした」とコメントした。

◆DeNAは30日のヤクルト戦(横浜)で0-7の劣勢から逆転した。  7点を追う四回に石川がチーム初安打の中前打で出塁。続くソトが右越えの11号2ランを放ち、「打ったのはストレートです。しっかり前でとらえ、上手く押し込むことができました」と笑顔。続く筒香は右中間スタンドへ8号ソロで続き「ソトの本塁打で、いい流れで打席に入ることができました」とコメントした。  さらに五回に先頭の嶺井が中越え三塁を放つと、代打・乙坂の今季初安打が右前適時打に。大和も中前打で好機を広げると、一死二、三塁からソトが中前2点適時打で1点差に詰め寄った。筒香は三振に倒れたが、ロペスが左越えの4号2ランで逆転に成功した。

◆ヤクルト・原樹理投手(25)が30日、DeNA4回戦(横浜)に先発したが、5回9安打8失点でマウンドを降りた。  四回にソト、筒香の連続本塁打で3点を失うと、五回は6本の長短打を浴び5失点。最大7点のリードをもらったが、守れなかった。右腕は「早いイニングに点をとってもらったのに申し訳ないです」と肩を落とした。

◆ヤクルトが3連勝を飾った。8-8の同点で迎えた延長十回、代打で登場した荒木貴裕内野手(31)が決勝打を放った。先発の原樹理投手(25)は5回8失点で降板。4番手の五十嵐亮太(39)がリーグ単独トップの5勝目を挙げた。  雨の中の延長線、荒木が試合を決めた。8-8の同点で迎えた延長十回、2死二塁の勝ち越しのチャンスで代打で登場すると、2ストライクからエスコバーの156キロ真っ直ぐを振り抜き、決勝二塁打を放った。最後は石山が締め7セーブ目を挙げた。  ヒーローの荒木は「 序盤は大量リードでこのまま行くと思ったんですけど、なんとかこういう試合に勝ててよかったです。接戦を勝っていけば上位にいけるので、接戦の試合を勝ちに結びつけていけるようにやっていきたい」と勝利を喜んだ。決勝打については「感触はよかったので、抜けると思ったんですけど、その前のボールでタイミングが遅れていたので、そこがうまく修正できました」と笑みを浮かべていた。

◆DeNAの大逆転劇は水泡に帰した。0-7から主軸の3本塁打などで四、五回に計8点を挙げて一気に逆転。だがリードを守れず、ラミレス監督は「野球は勢いのスポーツ。一度奪ったら手放してはいけない」と厳しい表情で話した。  先発ローテーションの谷間で、プロ初先発の進藤ら救援投手でつなぐ「ブルペンデー」作戦が実らなかった。ラミレス監督は「ポジティブな要素もあった」と前向きに話したが、29日に連敗を10で止めた流れをつなげられず、2015年8月以来の月間16敗を喫した。

◆ヤクルトの五十嵐がリーグ単独トップの5勝目を挙げた。全てリリーフで登板して白星が付き「中継ぎなので本当はホールドを重ねたい。でも無失点だったことは良かった」と喜んだ。  同点の九回に登板し、四球から2死二塁とサヨナラのピンチを招いた。それでもソトを1球で中飛に仕留めると、味方が延長十回に勝ち越した。昨季限りでソフトバンクを自由契約となり、戻った古巣で大車輪の働き。「去年からしたら誰も想像できなかったこと。ソフトバンクでは結果を出せなかったので申し訳ない気持ちもある」と頭をかいた。

◆DeNAの大和が遊撃の守備で好守を連発して通算1000試合出場を自ら彩った。  8-8の八回2死一塁でバレンティンのライナーを横っ跳びして捕球すると延長十回には中村の三遊間へのゴロを飛び付いて捕り、一塁へワンバウンドで正確な送球を披露してアウトにした。試合途中から強い雨が降り、球足が速くなる難しい条件下にも「うまく対応できた」と胸を張った。

◆ヤクルト・五十嵐が5勝目。4月に5勝を挙げたのは、2014年のオリックス・西勇輝以来で、セ・リーグでは10年の巨人・東野峻以来9年ぶり。ヤクルトでは1975年の安田猛以来44年ぶり。安田はこのシーズン、16勝12敗4セーブの好成績を残している。

◆五十嵐がリーグ単独トップの5勝目。同点の九回に登板し、1回を無失点に抑えると味方が延長十回に勝ち越した。全てリリーフで登板して白星がついた39歳の右腕は「とにかくゼロに抑えようと思っていた」。今季12試合の登板で負けはなく、防御率0・73の安定感だ。平成での789登板は現役最多。ベテランがチームの躍進を支える。

◆一時は0-7から逆転したが、延長戦の末に敗れた。「野球は勢いのスポーツ。勢いをキープできずに試合の流れが相手にいった」とラミレス監督。延長十回の守備で西浦の飛球を二塁手・柴田が深追いし、中堅手・乙坂も打球へのチャージが遅れた。両者の間に落ちる二塁打となり、相手の勝ち越し点につながった。29日に連敗を10で止めたが、2015年8月以来の月間16敗。指揮官は「勢いに乗ったら手放してはいけない」と悔やんだ。 四回にリーグトップの11号2ランを放ったDeNA・ソト 「しっかり前で捉え、うまく押し込むことができました」   ソトと2者連続で本塁打(8号)のDeNA・筒香 「ソトの本塁打で、いい流れで打席に入ることができた」

◆ヤクルトは30日、デーゲームのDeNA4回戦(横浜)に延長十回、9-8で勝って3連勝。8-8の十回1死二塁から代打で出場した荒木貴裕内野手(31)が、中越えの適時二塁打を放って勝ち越した。昭和62(1987)年生まれの仕事人は、3試合連続で決勝打をマーク。チームは「平成」最後の試合を白星で飾って首位・巨人と0・5ゲーム差に詰め、「令和」の時代へ進む。  雨を切り裂き、乱戦に決着をつける打球が中堅後方で弾んだ。決めたのは、またまた荒木だ。  「たまたまです。感触はよかった。大事なところで使ってもらっているので、責任感がある。なんとかこういう試合を取れてよかった」  8-8で迎えた延長十回、1死二塁。2イニング目の左腕・エスコバーに対して代打でコールされると、156キロの直球に力負けせず、前進守備だった中堅の頭を越える決勝の適時二塁打。四回表を終えて7-0と大量リードしながら、一時は逆転を許した攻防を、仕事人が一打で仕留めた。  荒木は28日の広島戦で決勝ソロ、29日の同戦(ともに神宮)でも代打で決勝適時打を放っており、3試合連続の決勝打。昭和62年生まれの31歳はユーティリティーな選手として、ヤクルトに欠かせない存在となっている。これで対左投手の打率は・429(21打数9安打)となった"左キラー"。相手先発が左腕のときは先発起用され、ベンチスタートでも大事な場面で代打を任される。守備でも内外野の全てで経験がある。  そんな荒木の信条は「野球は9人ではできない」。途中出場の難しさを知っているからこそ、準備を怠らない。五回からベンチ裏でバイクをこいで体を温め、スコアラーの情報に目を通して打席に向かう。この日は、前回対戦したとき以上の球威を感じ「コンパクトにいこうと思った」。打席内でも冷静だった。  小川監督は「本当にすごい。そう簡単には打てない。これだけの仕事ができるというのは、集中力のたまもの」と絶賛。12連戦の4戦目だったチームは、3連勝で「平成」を締めた。首位・巨人と0・5ゲーム差。昨年の大型連休にも代打サヨナラ打と代打満塁弾を放っている"ゴールデンウイーク男"の荒木が、「令和」でもヤクルトを勝利に導く。 (横山尚杜) 六回、同点の8号ソロを放ったヤクルト・バレンティン 「好球必打でいきました。令和も、いい時代になるといいね」 7-0から8失点のヤクルト・原 「早い回で点を取ってもらったのに申し訳ない」 ★GW男  荒木はゴールデンウイークに決定的な仕事を果たしてきた。2014年5月5日の阪神戦(神宮)で、勝ち越しソロを含む2本塁打。昨年も5月3日の中日戦(神宮)で延長十回に代打出場し、左前にサヨナラ打。翌4日の広島戦(神宮)では八回に代打満塁本塁打を放ち、快勝に貢献。2日連続でお立ち台に上がった。

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
16100 0.615
(↓0.025)
-
(-)
117128
(+1)
98
(+3)
35
(-)
10
(-)
0.264
(↓0.004)
3.540
(↑0.02)
2
(-)
ヤクルト
16111 0.593
(↑0.016)
0.5
(↓1)
115146
(+9)
125
(+8)
38
(+2)
11
(+1)
0.258
(↑0.005
4.130
(↓0.13)
3
(-)
中日
13130 0.500
(↑0.02)
3
(↑1)
11798
(+3)
85
(+1)
21
(+1)
16
(-)
0.271
(↓0.003)
3.160
(↑0.09)
4
(-)
阪神
13141 0.481
(↑0.019)
3.5
(↑1)
115109
(+8)
126
(+3)
21
(-)
14
(+1)
0.243
(↑0.003)
3.800
(↑0.03)
5
(1↓)
広島
12150 0.444
(↓0.018)
4.5
(-)
11691
(+3)
120
(+8)
24
(+1)
11
(+1)
0.225
(↓0.003)
3.680
(↓0.14)
6
(-)
DeNA
10170 0.370
(↓0.015)
6.5
(-)
116105
(+8)
123
(+9)
34
(+3)
4
(-)
0.239
(↑0.002
4.010
(↓0.18)