中日(★0対2☆)阪神 =リーグ戦6回戦(2019.04.29)・ナゴヤドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0100000102611
中日
0000000000510
勝利投手:青柳 晃洋(2勝2敗0S)
敗戦投手:阿知羅 拓馬(0勝1敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(6号・2回表ソロ)

  DAZN
◆阪神は2回表、大山のソロで先制する。そのまま迎えた8回には、糸原の安打に相手失策が絡み1点を追加した。投げては、先発・青柳が9回無失点の快投。今季2勝目をプロ初完封で飾った。敗れた中日は、先発・阿知羅が6回1失点と好投するも、打線が援護できなかった。

◆阪神大山悠輔内野手(24)が6号先制ソロを放った。 「甘い球を一発で仕留めることができて良かったです。良い形で先制点を取ることができたので、勢いに乗ってどんどん追加点を取りたいです」 2回無死、先頭で打席に入ると阿知羅の初球真ん中高めの110キロカーブをフルスイング。左中間スタンドまで運んだ。4番がチームトップの6号アーチで打線を引っ張っている。

◆阪神は2回、大山がプロ2度目の先発となった中日阿知羅から6号ソロを放ち先制、先発青柳は3回まで無安打に抑えた。 中日は4回1死から大島が左前にチーム初安打で出塁するが二盗失敗。6回は2死一、三塁の好機も大島が三振と攻めきれない。 阪神は8回に近本、糸原の連打に敵失を絡め追加点。青柳は5安打に抑え、プロ4年目で初完封。連敗の中日は勝率5割を切った。阿知羅が今季初黒星。

◆阪神青柳晃洋投手がプロ初となる完封で2勝目を挙げた。今季初めて中5日の間隔で登板。中日打線を5安打に抑えた。129球の力投だった。チームは苦手とするナゴヤドームで中日に勝ち越した。ヒーローインタビューは以下の通り。   -129球を投げきった 青柳 しんどかったです。 -しびれるような投手戦でピンチの場面はどう考えたか 青柳 8回のピンチの時に、行く前に、矢野監督に「任せたぞ」と言ってもらえたので、自信持って勝負することができました。 -9回もチャンスで打席が回ってきた 青柳 任してくれてるんで、絶対ゼロで帰って、チームが勝てるように、やっていこうと思ってました。 -一番何がよかったか 青柳 終盤からストライク先行で、勝負できたんで、ちょっと初回2回と先頭フォアボールがあったんですけど、ストライク先行で勝負できたのがよかったかなと思います。 -平成生まれを中心に打線がつながったが 青柳 大山にも打ってもらいましたし、平成もまだまだこれからなんで、令和になっても、平成の選手が頑張ります。 -甲子園に戻る 青柳 今、いい流れで来てるんで、このまま本拠地に帰れるんで、このままの流れで、連勝連勝で首位狙って頑張っていきます。

◆入団から4年目、待ちに待った瞬間だった。阪神青柳晃洋投手(25)がプロ初完投を完封で飾り、今季2勝目を挙げた。持ち味の打たせて取る投球で、中日打線をわずか5安打に抑え、129球を投げぬいた。阪神が「平成」で最も鬼門としていたナゴヤドームで、平成生まれの右腕が最後の勝利をもたらした。8回のマウンドに上がる直前、青柳は矢野監督から声を掛けられた。 「任せたぞ」 自信と覚悟を、その一言にもらった。2-0の8回、先頭遠藤の左前打から1死一、三塁のピンチ。「自信を持って勝負することができました。任せてくれているので、絶対ゼロで帰って、チームが勝てるようにやっていこうと思っていました」。平田に119キロのスライダーを投げ、初球で併殺に打ち取った。 9回のチャンスも青柳はそのまま打席に立った。続投への強い決意。指揮官の執念は右腕に伝わった。そして5安打完封。そこで見た景色は初めてのものだった。ベンチへ戻ると、矢野監督がハグで出迎えてくれた。「ありがとう!」「ありがとうございます!」。大きな白星に、青柳の胸は熱くなった。「去年1年、2軍で矢野さんに教わった野球が、今日の結果につながっていると思います。こみあげるものがありました。何て言っていいか分からないですけど、すごくうれしかったです」。 矢野監督の言葉が何度も青柳の背中を押した。昨季は長らく2軍で過ごしたが、福原投手コーチから「7割の力で投げる」投球を教わり、9月から1軍で4戦に先発。1勝も挙げた。「今年の後半の投球はいい形で投げられたんじゃないの?」。矢野監督の言葉は指針となった。今季初先発した巨人戦では、2本の本塁打を浴びて敗れた。「今回はいい勉強になったな。次回に向けてやっていこう」。降板後のベンチですぐに声を掛けてくれた。 平成の時代、猛虎にとって、ナゴヤドームは敵地で最も勝率が低い。いわば最悪の鬼門だ。記録に変わりはないが、青柳の力投でカード勝ち越し。最後を締め、甲子園6連戦へ流れを作った。「初めての経験でしたけど、矢野監督に任せたと言ってもらった。ピッチャー陣を引っ張っていってほしい、というコメントも見ていたので、そういうのに対しての気持ちで乗り切れました」と安堵(あんど)の表情を見せる。矢野監督は「全てを青柳に助けてもらいました。青柳さまさまです。(9回の打席は)迷ったね。ただ俺の中で『青柳に任せたい』という気持ちのほうが強かった」と振り返る。強固な信頼関係を武器に、平成最後の甲子園に臨む。【磯綾乃】

◆阪神大山悠輔内野手が4番の働きを見せた。2回、先頭で打席に入ると、中日先発阿知羅の初球カーブを強振。左中間席に入った。6号ソロ本塁打は貴重な先制。「甘い球を1発で仕留めることができて良かった」と話した。 主砲の風格も出てきた。浜中打撃コーチも「見事な狙い打ち。いい形で先制点を取れた」と高評価。シーズン143試合に換算すれば31本塁打ペースだ。開幕直後こそ低調だったが、いまは打撃練習も飛距離が出る。新外国人マルテが合流しても堂々と4番を張る。 それでも大山は「意識高い系」の若者だ。帰路もルンルン気分にならない。引き締めた表情で「その後の打席。あそこで1本打つ打たないで青柳さんの負担が変わる。チームの流れも変わってくる」と言う。6回2死一、二塁で捕邪飛。8回2死一、二塁で三邪飛。加点機のミスショットに悔しさが募る。「試合の終盤が大事。力が足りない」。得点圏打率は2割5分にとどまり、勝負強さを磨く。

◆阪神青柳晃洋投手の好投を虎党の俳優・渡辺謙もたたえた。 自身のツイッターを更新。「鬼門の名古屋、9回表裏の矢野監督の静かな檄に答えた青柳君、素晴らしい初完封でした。惜しむらくはもう少し楽にしてあげたらと思いますが、そうすると完封は無かったか。連戦の中、一人で投げ切ったゲーム、一勝以上の意味あるゲームかと。大山君もう一本決めて欲しいなぁ(贅沢か)」。賛辞の言葉を並べつつ、打線への注文も忘れなかった。

◆阪神近本光司外野手が、8回に中前打を放ち、10試合連続安打をマークした。 阪神新人の連続試合安打は01年の赤星が12試合、続いて98年坪井、16年高山が10試合を記録。歴代のヒットマンに近本も並んだが「連続安打はあまり気にしていない。ずっとヒットが続くわけではないので。ここぞの場面で1本出たら良いと思います」と力を込めた。新人がトップバッターを任され、打率は3割1分3厘をマーク。もし近本がいなかったら...。そう考えるのが怖いほどの活躍だ。 さらに武器である走力を最大限に発揮した。8回の場面だ。2死一塁で2番糸原の右前打で一気に三塁を狙うと、送球がそれる間に本塁生還を果たした。「相手のポジショニングを見て行けると判断して行きました。それが点につながったのがよかったです」 持ち前の俊足と状況判断の良さで、先発青柳に貴重な追加点をプレゼント。矢野監督も「(打席は)ファウルで粘って、相手のエラーで点が入った。ポイント、ポイントで近本は持ち味を出してくれている。ラッキーだけど近本らしいことをやっての得点。価値はすごくある」とドラフト1位ルーキーを絶賛した。【真柴健】

◆阪神が青柳晃洋投手のプロ初完封や4番大山悠輔の先制6号ソロなどで中日に敵地で勝ち越した。試合後の矢野燿大監督の談話は以下の通り。   -青柳には開幕前に2桁勝利の太鼓判を押した 矢野監督 全体的なことを言うと、ずっと成長している。2桁も十分勝てる内容の投球。安定感、信頼度はどんどん上がっている。任せようという思いになっているので頼もしい。 -マルテが昇格即安打 矢野監督 ああいうところでマルテがいるのは相手にとっても気持ち悪い部分もあると思う。チーム全体のポイントゲッターとして打ってくれると助かる。全体的にはいい形になりつつあるかな。 -マルテの足の状態は 矢野監督 100%じゃないけど、プレーするなかでの制限はあるわけではない。大丈夫だと思います。 -青柳自身も最後まで投げる方が良かったのか 矢野監督 (最終回の)内野安打からごちゃごちゃになって悪い結果になったら、俺の完全な采配ミス、判断ミスになる。俺も「青柳に任せた」と腹はくくっているけど状況って動くからね。 -9回に満塁で打席を迎えたところは迷ったか 矢野監督 迷ったね。ただ俺のなかで「青柳に任せたい」という気持ちの方が強かった。(代打で)鳥谷出して点を取って、後ろの投手に任せる方がいい選択肢も、もちろんある。結果から振り返った俺の反省としては、それはある。でも、青柳に任せてやりたいっていう気持ちとのてんびんなのよ。

◆中日は平成最後の本拠地試合を勝利で飾れなかった。0-2の9回無死一塁。今季最多3万6372人の観衆のボルテージは高まったが、大島洋平外野手、ダヤン・ビシエド内野手、阿部寿樹内野手のクリーンアップが倒れてため息に変わった。最後まで青柳を攻めあぐねた。 与田剛監督は怒りを押し殺して言葉をつないだ。 「(打線が)できないことがあると、流れはつかめない。(青柳は)左右を非常にうまく使った投球で、なかなか攻略するのは難しかった。しかし、こういう接戦は勝たなければいけない。次にしっかりといろいろ考えていきたい」 攻撃でミスが出た。2回無死一塁で高橋が送りバントを決められず併殺となり、6回無死一塁も走者を送れず。散発5安打で青柳の完封を手助けした。今季3度目の完封負けで、2カード連続負け越し。4月11日以来の借金1となった。 収穫は、17年10月4日のDeNA戦以来の登板となった阿知羅拓馬投手だ。プロ2度目の先発で6回3安打1失点と好投し、与田監督も「試合を作ってくれた」と絶賛。プロ初勝利こそ逃したが、6年目右腕は「キャンプから取り組んできたインコースへの真っすぐが投げられた。今日のことは今日。次のことを考えたい」と自信を深めた。首脳陣は残る9連戦で先発の穴を埋める存在として、5月3日からのヤクルト3連戦(ナゴヤドーム)を任せる見通しだ。【伊東大介】

◆1軍登録された阪神の新外国人マルテ内野手が来日初安打を放った。 6番一塁で先発起用。3打席目まで凡退を続けたが、9回に三遊間をゴロで破ると一塁ベース上で笑顔を見せた。「何よりうれしいのはチームが勝ったこと。日本でこれからやっていく上で貴重な1本になったと思う。うれしく思います」と素直に喜びを表現した。3月中旬に右ふくらはぎを痛めて離脱。 2軍戦を経て、ようやく戦線に復帰した。「正直、ここまで長かったが、自分にとっては1年間やっていくうえで大事な1カ月という気持ちがあった」。 助っ人が長打力を発揮すれば、打線の得点力は確実に上がる。矢野監督は「ああいうところでマルテがいるのは相手にとっても気持ち悪い部分もあると思う。チーム全体のポイントゲッターとして打ってくれると助かる。全体的にはいい形になりつつあるかな」と期待した。待望の大砲候補が1カ月遅い開幕を迎えた。

◆阪神梅野隆太郎捕手が自慢の強肩とリードで青柳の初完封をアシストした。 4回、青柳が初安打を大島に許した直後に二盗を阻止。「ビシエドの前に走者がいるのといないのでは全然違う。ヤギ(青柳)を助けられたのはよかったと思います」。これで盗塁阻止率は6割にアップ。骨折以降、打って守っての大車輪の活躍が続く。

◆阪神青柳晃洋投手(25)がプロ初完投を完封で飾り、今季2勝目を挙げた。 ▼4年目の青柳がプロ初完封。これで「平成」の時代に完封勝利を記録したのは、89年4月9日西武戦の村田(ロッテ)から始まり、青柳で通算414人目。ちなみに平成最多完封は38完封の斎藤雅樹(巨人)。

◆29日の中日-阪神戦(ナゴヤドーム)の先発メンバーが発表され、阪神は新助っ人、ジェフリー・マルテ内野手(27)=前米大リーグエンゼルス=が「6番・一塁」で昇格即スタメン出場する。  3月のオープン戦中に右ふくらはぎの張りを訴え、2軍調整が続いていたマルテはこの日、来日後初めて出場選手登録された。代わって、エフレン・ナバーロ内野手(32)が降格した。  マルテはドミニカ共和国出身で、昨季までは大谷の同僚でもあった。メジャー通算30本塁打を誇り、甲子園にもフィットする右打ちのプルヒッターとして期待され、虎入りしていた。

◆阪神・大山悠輔内野手が29日の中日戦(ナゴヤドーム)で、先制の6号ソロを放った。二回無死、中日先発の阿知羅の初球カーブをフルスイング。左中間スタンドへたたき込んだ。  「甘い球を一発で仕留めることができてよかった。いい形で先制点を取ることができたので、勢いに乗ってどんどん追加点を取りたいです」と手応えをにじませた。

◆3月のオープン戦中に右ふくらはぎの張りを訴え、2軍調整していた阪神の新助っ人、ジェフリー・マルテ内野手(27)=前米大リーグエンゼルス=が、29日の中日戦(ナゴヤドーム)で1軍に初昇格。「6番・一塁」でスタメン出場し、九回に来日初安打をマークした。  二回に第1打席は遊飛、五回の第2打席は遊ゴロ、七回の第3打席は空振り三振。3打数無安打で迎えた九回無死1塁。4番手・小熊からファウルで粘った末、三遊間を破る左前打。無死一、二塁とチャンスを作ったが、得点にはつながらなかった。

◆阪神・青柳晃洋投手が29日の中日戦(ナゴヤドーム)で、9回4安打でプロ4年目で初の完封勝利。2連勝で2カード連続の勝ち越しを決め、借金「2」とした。  「しんどかったです。終盤からストライク先行で勝負できたのがよかった。令和になっても平成の選手ががんばります」  四回に大島に初安打を浴び、六回、松井雅にセーフティーバントを決められ、京田に中前打を浴び、2死一、三塁とされたが、大島を空振り三振に仕留めた。  最大のピンチは八回。先頭の遠藤に左前打、松井雅の三ゴロを大山がはじき、無死一、二塁とされた。続く井領を一ゴロに打ち取り、1死一、三塁とされたが、平田を三ゴロ併殺に仕留めて、無失点で切り抜けた。  打線は二回、4番・大山が中日先発の阿知羅から、左中間へ6号先制ソロ。八回には2死走者なしから、D1位・近本が粘って中前打。糸原の右前打と悪送球の間に、近本が生還し、2点目を追加した。

◆阪神・青柳晃洋投手が29日の中日戦(ナゴヤドーム)で、9回4安打でプロ4年目で初の完封勝利。2連勝で2カード連続の勝ち越しを決め、借金「2」とした。プロ初完投初完封に「しんどかった」と苦笑いを浮かべた。  最大のピンチは八回。先頭の遠藤に左前打、松井雅の三ゴロを大山がはじき、無死一、二塁とされた。続く井領を一ゴロに打ち取り、1死一、三塁とされたが、平田を三ゴロ併殺に仕留めて、無失点で切り抜けた。  「八回のピンチで矢野監督から『任せたぞ』と言ってくれたので、自信を持って投げられた」と指揮官に感謝。「いい流れできている。連勝連勝で首位を狙ってがんばる」と巻き返しを誓った。

◆阪神のルーキー近本が10試合連続の安打をマークした。「気にしていない。いいところで打てたらいい」と涼しい顔で話した。  1-0の八回2死から変化球を捉えて中前へ。続く糸原の右前打で俊足を生かして三塁に進み、さらに右翼手の悪送球を誘って貴重な追加点をもたらした。「自分で行けると判断した。点が入ったので良かった」と充実感をにじませた。 矢野監督(近本に) 「持ち味を出してくれている」 大山(二回に先制ソロ) 「打ったのはカーブ。甘い球を一発で仕留めることができて良かった」 マルテ(初出場で安打) 「何よりチームが勝ったことが一番」 阪神・清水ヘッドコーチ(中日に) 「やはりきつい相手。投手陣もいい」

◆阪神・矢野燿大監督は29日の中日戦(ナゴヤドーム)の試合後、プロ初完封勝利を挙げた青柳晃洋投手に「もうサマサマ! 本当に助けてもらった」と感謝の言葉を並べた。  --何といっても青柳  「まあもうサマサマ! 本当に助けてもらった、すべてをね、青柳に助けてもらいました」  --中5日、中5日ときたが迷いはなかったか  「ゼロやったし、もちろん疲れているのは分かってたし、まあでも俺の判断ミスというところでいうと早く決めすぎたから。すべてはこう結果論になるんだけど。でもこう全部悪い方に行っていたから。ねえ?(九回)先頭あんな内野安打やしさ。もうホント青柳が、助けてくれて、青柳サマサマです」  --立ち上がりはボールが先行しても、終わってみれば完封  「こっちの思いとしては青柳に、さらに成長とか自信になるところでいうとやっぱり完封させてあげたいと思って。そういう内容のピッチングをずっと今までもしてくれていたから。まあまあでも、俺が本当に早くちょっと決めすぎたぶん、まあまあちょっとしんどい思いをさせちゃったかなと。本当に助けてもらいました」  --シーズン前は2桁勝てると。ここ2戦を見てどうか  「本当に全然2桁も、全然勝てる内容のピッチングになっていると思うし。まあまあ、本当にこの苦しいところをね、乗り切ってくれたというところでまた、そういう自信も出てくると思うんで」

◆中日は拙攻の連続だった。1点を先制された直後の二回無死一塁、高橋がバントを2度ファウルにし、強攻策に切り替えて遊ゴロ併殺打。「決めるところはしっかり決めないと」とうつむいた。  六回無死一塁でも代打の渡辺がバントを決め切れなかった。八回1死一、三塁では平田が三ゴロ併殺打に倒れ、青柳にプロ初完封を許した。与田監督は「できないことがあると流れがつかめない」と渋い表情だった。 与田監督(阿知羅に) 「試合を作ってくれた。本塁打1本でよく投げてくれた」 京田(2安打で3試合連続の安打) 「何試合連続と言われるのは嫌」

◆阪神のドラフト1位・近本光司外野手(大阪ガス)が29日の中日戦(ナゴヤドーム)で、1-0の八回2死から、R・マルティネスのチェンジアップをとらえて中前打。10試合連続安打とすると、直後の糸原の右前打で三塁へ。右翼・平田の送球がそれ、一気に貴重な2点目のホームに飛び込んだ。  「チェンジアップがとてもよかったので、それがきたら嫌だなと。しっかり真っすぐをファウルして、1球を仕留めるようにという感じ。(走塁は)相手のポジションを見ていけると。点が入ったのはよかったです」  粘って、粘って、9球目をとらえ、まさに近本の執念でもぎとった1点。矢野監督も「大きかったなあ! 持ち味を出してくれている。価値はすごくある」と大絶賛だった。

◆阪神の新助っ人、ジェフリー・マルテ内野手(27)=前米大リーグエンゼルス=が29日の中日戦(ナゴヤドーム)で1軍に初昇格し、九回に来日初安打をマーク。右ふくらはぎを痛めて出遅れただけに、試合後に「貴重な一本」と喜びを語った。  --安打が出た  「ヒットも打ってますし、なによりチームが勝ったことがやっぱり一番。日本でこれからやっていくうえで貴重な一本になったかなと思う」  --この1カ月は長かったか  「正直言って長かったですけど、自分がしっかり健康でいるためには、大事な一カ月だと思ってやってきたので、そういう意味では気にならなかった」  --いつも「エンジョイ」と矢野監督から(マルテへ)声をかけていると話していた。きょうは監督から何か言葉はあったか  「それもあったので、自分もなんとかイニングごとに笑顔でチームを鼓舞していければいいなと思ってやっていた」

◆いつもなぜ投手はマウンドでチラッと"寂しそうな横顔"をするのだろう。と、この仕事に入ってからいつも思っていた。だから、ピヨピヨのトラ番の頃に、片っ端からそれを恐る恐る聞いたものだ。  村山実がルーキーのとき、大部屋でチームの麻雀部屋となっていたため、宿舎の廊下に布団を持ち出して...寝られないからいつも「いつか家を建てるゾ」と設計図ばかり書いていた。  「嫌みなヤツ...」と先輩からチクリと言われたが...かれは青い瓦の2階建ての家を甲子園の近くにすぐ建てた。  「必死やった...」  猛虎と呼ばれた藤村富美男はすでに引退してサラリーマンをしていた。このコラムで何度も書いたが、田淵の打撃練習を見たくて甲子園の三塁側通路から藤村は会社の帰りにひっそりと"のぞき見"をしてうれしそうだった。  当然、藤村さんにも質問した。すると「勝敗の7割は投手の肩にノシかかっとるんや。そやけどもう一方の肩には"新築の家が一軒"かかっとる...」とニヤリ。その笑顔がヤケに印象に残っていた。  藤村富美男は1936(昭和11)年4月29日に開催された初のリーグ戦で先発した。その記念すべき試合(金鯱戦)は3-0で勝利し、1安打11奪三振で完封勝ち。今なら絶対にサンスポはドヒャッと紙面展開した快投をみせた。  実は藤村さんは球団との契約金で、苦労をかけた両親に呉の家を買い戻してプレゼントした。それからの彼の1球1打はすべて家族のため...だ。それは村山実が青瓦の2階建ての家を背中に命を削って投げたルーキー時代と同じ"マウンド"なのである。  青柳投手が背負った十字架はいかなるものか。だが、いつも眉を"八の字"にして悲しそうに投げるが...この日、再三のピンチにも129球、不思議なほどハラハラはしなかった。  まさにタイガースの柱となる瞬間が投手にはある。悲壮感の裏側に藤村-村山、そして江夏豊に流れる「肩に家一軒がノシかかってますがな...」というすごみ。それと八~九回に矢野監督が「おまえに任せた...」と青柳を送り出した決断と判断には、共通点を感じる。  この日、ウエスタン・中日-阪神(ナゴヤ球場)に駆けつけた中日番の三木建次は「試合には出んけど松坂投手が必ずブルペンで"平成最後のピッチング"をするハズや」という。もう70メートルの遠投もビュンビュン投げている"平成の怪物"はこのピッチング練習が『平成最後の投球』となるのだ。  何か...彼独特の嗅覚...ビヤ樽三木は意外にロマンチストの一面があり、わざわざその投球練習だけを見るためにナゴヤ球場に走った。  すると松坂投手はピッタリ22球だけ捕手を立たせていたが、すごい球を真剣に投げた。  「22球...それは平成の球史を共に創った阪神藤川球児の背番号なんや。そこに公私共々競った"同志"としての意味がこもっとるんや...」といった。  青柳は満員のナゴヤドームで、タイガースのメモリアルの投手藤村富美男が「公式戦初勝利」をあげた同じ4月29日に...もう一つのナゴヤ球場で実戦には無縁だが、もうすぐ『令和』の新時代に復活しようとする「平成のノスタルジック・ヒーロー」の心意気の22球。  虎の指揮官は"賭け"に勝った。4年目の初完封...まだこれからだ。いろんな"芽吹き"に心が熱い...。  萌え出(いづ)るも枯るるも同じ野辺の草...(平家物語)とするなら、いま野辺に咲いていてもリンとしていたい...。

◆--青柳は中5日、中5日ときたが、続投に迷いはなかったか  矢野監督「ゼロやったし、もちろん疲れているのは分かっていたし。俺の判断ミスというところでいうと、早く(完投させると)決めすぎた。(しかも流れが)全部、悪い方にいっていたから。(九回の守りで)先頭(京田が)あんな内野安打やし...。もうホント青柳が、助けてくれて、青柳様々です」  --完封勝利  「こっちの思いとしては青柳に、さらに成長とか自信になるところで、やっぱり完封させてあげたいというか」  --シーズン前には2桁勝てると  「ずっと成長していると思う。本当に全然2桁も勝てる内容のピッチング。信頼度はもちろんどんどん上がっていっているし。頼もしい」  --九回1死満塁では  「迷ったね。ただ俺の中では『青柳に任せたい』っていう気持ちの方がちょっと強くて。打撃も悪くないし。ただ、ああいう結果(併殺打)になっちゃうと。鳥谷を(代打で)出して点を取って、後ろのピッチャーに任すっていう方がいい選択肢も、もちろんある。それは起こってみな分からへん。結果から振り返ったら俺の反省としてはあるし、でも青柳に任せてやりたいっていう気持ちとの天秤」  --点を取れないときには投手が粘っている  「きょうも別に、温存してるワケでもなかった。最後、もしやられていたら完全に俺の采配ミスになってたと思うしね。勝負ごとやから、その都度その都度、勝負を俺らもしてるから」  --今週は5勝1敗  「めちゃくちゃデカい。最後、ホンマ青柳頼むって願ってるだけしかできへんかったけど。青柳の成長が本当、チームを救ってくれたし。勝って甲子園に戻れるのは、もう全然違うんで」

◆ウウウ...(号泣)。平成の終わりに最高の『猛虎ドラマ』を見せられ、俺の顔は滝のような涙でビショビショなのだ!!  八回表を終わって、わが阪神のリードはわずかに2点...。「よっしゃー! 八回はここまで11試合連続無失点のジョンソン、そして九回は6セーブの守護神・ドリスで逃げ切り勝利やー!!」と思ったら、矢野イズムはそれをはるかに超える強さとロマンがあったのだ。  「プロ初完投・初完封で真の虎になってこんかい!! 任せたでェ!!」と青柳に続投を命じたのである。  八回無死一、二塁のピンチも、九回先頭の京田が安打で出塁し、クリーンアップを迎えても、みじんも動く気配なし!!  そして、腕も折れよとそれに応じる青柳。八回は平田を併殺斬り。九回、一発が出れば同点の場面で、4番のビシエドをまさに『一球入魂』で見逃し三振に封じたのだ(実はとんでもない逆球だったが、魂が込められた球は強いのだ)。  矢野監督の、虎党の、胸を熱くする指揮に大感動。青柳晃洋、129球のプロ初完封勝利オメデトウ!! 4番大山の一発、ルーキー近本の10試合連続安打! 猛虎ドラマはここからや!!

◆スタメンマスクの梅野は強肩&好リードで青柳の完封勝利をアシストした。「偏ることなく両サイドに配球できた。(2併殺を奪い)"ゴロピッチャー"なので、それができよかった」。四回1死一塁では、スタートを切った一走・大島をストライク送球で仕留めた。打っても五回1死から中前打を放ち、3試合連続安打。打率・352と好調をキープだ。

◆阪神は中日に2-0で快勝。4年目の青柳晃洋投手(25)が初の完投勝利を完封で飾った。自己最多129球の熱投に、批判覚悟で最後まで託した矢野燿大監督(50)も大感謝。今季初の2カード連続勝ち越しで借金を2に減らし、4位タイに浮上。  青柳の母・利香さん(54)は横浜市内の自宅でテレビ観戦。プロ初完封の瞬間は「飛び上がりました。『やった~!』って叫んじゃいました」とうれしそうだった。完封を見届けるのは川崎工科高時代以来。「(九回に)打席に入ったときは『もうやめてくれ~』と思いながら。最後は本当にホッとしました」と声を弾ませた。

◆虎党の俳優・渡辺謙(59)が29日、自身のツイッターを更新。「鬼門の名古屋、9回表裏の矢野監督の静かな檄に答えた青柳君、素晴らしい初完封でした。惜しむらくはもう少し楽にしてあげたらと思いますが、そうすると完封は無かったか。連戦の中、一人で投げ切ったゲーム、一勝以上の意味あるゲームかと。大山君もう一本決めて欲しいなぁ(贅沢か)」と書き込んだ。

◆少しばかり遅れはしたが、さすがは"今季の主役"だ。待望の来日初出場となった新助っ人砲、マルテが攻守でいきなりハッスルした。3月のオープン戦中に右ふくらはぎを痛め2軍調整が続いたが、昇格即初安打だ。  「何よりチームが勝ったことがやっぱり一番。日本でこれからやっていくうえで、貴重な1本になったかなと思う」  開幕から遅れること、ちょうど1カ月。前日まで、同じナゴヤでも"ナゴヤ球場"でのウエスタン・中日戦に出場していた。「正直言って長かったけど、自分がしっかり健康でいるためには、大事な1カ月だと思ってやってきた」。1つずつ過程を消化。やっとの思いで、1軍の戦う"ドーム"へたどり着いた。  チームの今季27試合目。米大リーグ通算30本塁打の大砲が、ついに「6番・一塁」にはまった。3打席目まで凡退したが、2-0の九回無死一塁、ファウルで5球粘って、11球目を左前打。4打数1安打のフル出場で力強く踏み出した。  規格外のフォロースルーの大きさで、捕手の松井雅に何度もバットを当ててしまうなど、迫力も見せた。いるといないとでは、やはり違う。矢野監督も「マルテがいるっていうのは、相手にとっても"気持ち悪い部分"もあると思う。ポイントゲッターになるところで打ってくれると助かる」と大きくうなずいた。  185センチ、99キロの巨体だが一塁守備も機敏だった。一回1死二塁で大島の二ゴロが一度はセーフと判定されたが、ベンチに「リクエスト」を求めて、アウトに覆った。見事に体を伸ばし、長い足でキャンバスをしっかりタッチ。いきなりのビッグプレーだった。  矢野監督が「俺はいつも『エンジョイ、エンジョイ』って言ってるだけ」と明かせば、マルテも「自分もなんとか、イニングごとに笑顔でチームを鼓舞していければいいなと思っていました」と振り返る。残り116試合。マルテが遅れを取り戻し、チームを笑顔にするための時間は、たっぷり残されている。 (長友孝輔)

◆粘って、粘って、9球目をとらえた。D1位・近本光司外野手(大阪ガス)が1-0の八回2死から、R・マルティネスのチェンジアップをとらえて中前打。10試合連続安打とすると、直後の糸原の右前打で三塁へ。右翼・平田の送球がそれ、一気に貴重な2点目のホームに飛び込んだ。  「チェンジアップがとてもよかったので、それがきたら嫌だなと。しっかり真っすぐをファウルして、1球を仕留めるようにという感じ。(走塁は)相手のポジションを見ていけると。点が入ったのはよかったです」  まさに近本の執念でもぎとった1点。矢野監督も「大きかったなあ! 持ち味を出してくれている。価値はすごくある」と大絶賛だ。  4打席で1安打1四球。何より相手投手に計31球を投げさせた粘り強さ。虎のリードオフマンは「連続安打とかはあまり気にしていない。ずっとヒットが続くわけではないので、ここぞでの一本をしっかり打てたら」と頼もしかった。 2試合ぶりの2番で、八回2死一塁から右前打を放った阪神・糸原 「近本がファウルで粘っていたので、自分もつなごうという意識になりました。あの1点は大きかったですね」

◆新時代を担う主砲らしく、ひと振りで仕留めた。大山が決勝の6号ソロ。平成生まれの若き4番が試合を動かし、また虎を勝たせた。  「その後の打席が...。あそこで打つ、打たないでは、青柳さんの負担も試合の流れも変わってくるので。大事にしていきたいです」  試合後、反省ばかり口をついたのは4番の重責を背負うがゆえ。快音を奏でたのは二回先頭だ。  阿知羅の初球、110キロカーブを強振。打球は高々と舞い上がり、左中間スタンドへ飛び込んだ。先制弾は、そのまま決勝弾に。持ち味でもある積極性を最高の形で発揮し、笑顔で矢野監督とハイタッチだ。  大山のいう「その後の打席」とは1-0の六回2死一、二塁(捕邪飛)と、1点を追加した直後の八回2死一、二塁(三邪飛)。「試合の終盤が大事になってくる。そこで出なかったのは自分の力が足りないところ」。反省を忘れないところが、大山らしかった。  開幕直後は不振に苦しんだが、はや6本塁打。4月中に6号に達した日本選手は、球団では2014年の新井良太(現2軍打撃コーチ)以来5年ぶりだ。06年、4月中に10本塁打を記録した浜中打撃コーチは「いい形で先制できたし、大きかった」とうなずいた。  平成6年生まれの24歳はオフに、入団から2年間を過ごした鳴尾浜の独身寮「虎風荘」を退寮。新生活をスタートさせたが、お世話になった虎の穴にしっかり"爪痕"を残してきた。自らが使用した家具を、後輩選手にプレゼント。L字型のソファをもらった1学年下の島田は「いわゆる"人をだめにする"やつですよ...」と笑顔。そこで寝落ちてしまうこともあるという後輩は「大学から同じリーグ(大山は白鴎大、島田は上武大)で。ずっとお世話になっています」と頭を下げた。言動で引っ張ってくれる大山がいれば、虎はもっと上にいける。  「試合に勝てたのはよかったです。結果を出せるように頑張ります」  30日で、いよいよ平成も最後。成長を止めない若き主砲が、令和でも虎の未来を担う。 (竹村岳)

◆チームを救った! 指揮官も救った!! 阪神は中日に2-0で快勝。4年目の青柳晃洋投手(25)が初の完投勝利を完封で飾った。自己最多129球の熱投に、批判覚悟で最後まで託した矢野燿大監督(50)も大感謝。今季初の2カード連続勝ち越しで借金を2に減らし、4位タイに浮上。30日、甲子園で平成ラストゲーム(広島戦)だ!!  最後までマウンドに仁王立ちした。自己最多129球目、阿部の投ゴロを自ら処理すると、青柳が両腕を突き上げた。  「勝ってすぐハイタッチができるのは、最後までいた投手の特権です」  4年目での初完投は圧巻の散発5安打完封ショーだ。今季2勝目は通算11勝目。過去、八回を投げ切ったこともなかった右腕が、12連戦最初のカードで意地を見せた。  「"五回までのピッチャー"と、ずっと言われていた。12連戦、先発は1、2試合ですが中継ぎは12試合。少しでも休められたのはよかった。終盤からストライク先行でどんどん勝負できた」  最速145キロの直球にスライダー、ツーシームを内外角に丁寧に投げ分け、強竜打線を封じた。最大のヤマ場は2-0の八回。1死一、三塁で平田を迎えた。「八回が始まる前に監督が来てくれて『任せた!』『行きます!』と。最後までこの試合を任せた、という意味だと思った」。  わずか4試合登板で1勝1敗に終わった昨季、2軍で指導を受けた矢野監督の信頼を胸に、自信を持って、腕を振った。初球、低めのスライダーで三ゴロ併殺。「僕が粘れたのではなく、チーム全体で守ってもらって粘れた」と野手への感謝も忘れなかった。  九回の攻撃では1死満塁の絶好機で、そのまま打席へ(遊ゴロ併殺)。指揮官は「迷った」と正直に振り返る。「俺が早く(完投させると)決めすぎた分、逆にしんどい思いをさせちゃったかな。やられてたら完全に俺の采配ミス」...。  だからこそ、感謝の言葉を繰り返した。「もうサマサマ! 本当にすべてを青柳に助けてもらいました。青柳を思いっきり(1面で)書いたってください。みなさん、お願いします!」。うれしそうに、頭を下げた。  平成最後の「昭和の日」に手にした初完封。移りゆく時代とともに、スパイクも革底から樹脂底へと変化しているが...右腕は革底を貫く。  帝京大2年時に、あるテレビ番組を目にした。「メジャーリーガーは樹脂しか使わない、という話で。『樹脂は進化するけど、革は進化しない』と。なんだか革が古いって言われているみたいで悔しくて...」。樹脂底も試したが、合わなかったという。変わっていく時代の中で、変わらない、いいものもある-。青柳のこだわりだった。  連続の中5日登板で奮闘した右腕に導かれ、今季初の2カード連続勝ち越し。借金2とし、広島と並ぶ4位に浮上。30日、そのカープと平成最後の試合を迎える。  「平成(の選手)もまだまだこれからなので。令和になっても、平成の選手が頑張ります!!」  防御率はチームトップの1・89。覚醒した虎のサイドハンダーは、まだまだ勝つ。平成5年生まれの25歳が、令和のエースへ上り詰める。 (箭内桃子)

◆先発は100球をメドに交代、継投に入るのが"常識"の現代野球での完封は価値がある。この投球で、青柳は一本立ちしたと断言していい。  九回を投げ切れた要因の1つに「抜くときは抜く投球」を挙げたい。以前はスライダー、シュートを投げる時も全力だったが、今は要所で楽に投げることも。三振は最低でも3球要するが、ゴロアウトは1球でも可能、という考え方。当然、スタミナが残って、長い回が投げられる。  その背景に、投球フォームでの球持ちが良さがある。より打者に近いところで球を離すから、球のキレも増し、打者は差し込まれる。27アウトのうち、フライアウトがわずか2つ。いかに丁寧に投げていたかが分かる。  完投させた矢野監督のさい配はもちろんだが、チームメートの援護も忘れてはいけない。捕手・梅野のリード、盗塁阻止は言うまでもない。特筆すべきは三回の近本。青柳が投ゴロで全力疾走した直後に5球見送り、さらに6球ファウルで粘った末に四球。呼吸が乱れた青柳が平常に戻るのに十分な時間を作った。みんなの力で実現した完封に拍手を送りたい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1690 0.640
(↓0.027)
-
(-)
118127
(+3)
95
(+5)
35
(-)
10
(-)
0.268
(↓0.005)
3.560
(↓0.02)
2
(-)
ヤクルト
15111 0.577
(↑0.017)
1.5
(↑1)
116137
(+7)
117
(+4)
36
(+2)
10
(+1)
0.253
(↓0.002)
4.000
(↑0.04)
3
(-)
中日
12130 0.480
(↓0.02)
4
(-)
11895
(-)
84
(+2)
20
(-)
16
(-)
0.274
(↓0.004)
3.250
(↑0.09)
4
(-)
広島
12140 0.462
(↓0.018)
4.5
(-)
11788
(+4)
112
(+7)
23
(+2)
10
(-)
0.228
(↑0.002)
3.540
(↓0.08)
4
(1↑)
阪神
12141 0.462
(↑0.022)
4.5
(↑1)
116101
(+2)
123
(-)
21
(+1)
13
(+2)
0.240
(↓0.001)
3.830
(↑0.15)
6
(-)
DeNA
10160 0.385
(↑0.025)
6.5
(↑1)
11797
(+5)
114
(+3)
31
(+1)
4
(-)
0.237
(-)
3.830
(↑0.03)