中日(★2対4☆)阪神 =リーグ戦5回戦(2019.04.28)・ナゴヤドーム=
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阪神
01010020041010
中日
00101000021110
勝利投手:藤川 球児(1勝0敗0S)
(セーブ:ドリス(0勝0敗6S))
敗戦投手:田島 慎二(0勝1敗0S)
  DAZN
◆阪神が接戦を制した。阪神は2回表、梅野が適時二塁打を放ち、先制に成功する。その後は同点を許すも、7回に糸井の適時二塁打で2点を挙げ、再びリードを奪った。投げては、2番手・藤川が今季初勝利。敗れた中日は先発・柳が好投を見せるも、2番手・田島が誤算だった。

◆阪神糸井嘉男外野手(37)が、通算300二塁打を達成した。 初回2死から中堅フェンス直撃の二塁打。あと1歩でスタンドインという大きな当たりで節目を飾った。 史上71人目。現役選手では、巨人中島の318二塁打に次いで10位の数字となる。

◆阪神梅野隆太郎捕手(27)が、2戦連続で先制の二塁打を放った。2回1死から6番糸原がライトへ二塁打。1死二塁で続く7番梅野が柳の141キロ直球をとらえ、左翼フェンス直撃の適時二塁打で先制に成功した。「岩貞になんとか先制点をという気持ちで打席に入りました。(糸原)健斗に続くことができて良かったです」。 27日にも初回2死満塁で、梅野が先制の3点適時二塁打。4月2日の巨人戦で負傷した左足薬指の骨折を抱えながらも、9日のDeNA戦ではサイクル安打を達成。ここまで攻守でチームを支えている。

◆阪神が思わぬ形で勝ち越しに成功した。 1-1と同点に追いつかれた直後の4回2死一、三塁。一塁走者の木浪が二盗を試みた。すると捕手加藤の二塁への送球が三遊間を転々とする悪送球になった。その間に三塁走者の梅野が本塁へ生還し、阪神は1点を勝ち越した。

◆中日は柳、阪神は岩貞が先発。阪神は2回、梅野の適時二塁打で1点先制。中日は3回、平田の適時打で同点に追いついた。 阪神は4回2死一、三塁からの敵失で1点を勝ち越し。中日は5回2死満塁から阿部の適時打で2-2の同点に追いついた。 阪神は7回糸井の適時二塁打で2点勝ち越し。6回からの継投で逃げ切った。藤川は今季初勝利。ドリスは6セーブ。中日田島が今季初黒星。

◆阪神が競り勝ち、借金を3に減らした。2-2の6回から2番手藤川を送り出し、継投に。7回表に勝ち越し、そのリードを能見、ジョンソン、ドリスで守りきった。ジョンソンのヒーローインタビューは以下の通り。   -7回、ピンチの場面での登板でした。どんな気持ちで ジョンソン バックがしっかり守ってくれると信じて、梅野君もしっかりといいリードをしてくれてたので、あとは自分のボールを信じて、ストライクをしっかり投げ込むと、それだけを考えて投げました。 -イニングをまたいでもナイスピッチングでした ジョンソン アリガトウゴザイマス。サンキュー。 -開幕から連続無失点も11試合に伸びました。 ジョンソン あまりそういうことを言われると止まっちゃいかねないんで、言ってほしくないんですけど、でも、しっかり守ってくださっているバックのみなさんのおかげだと思っています。 -連戦は始まったばかり、明日以降に向けてひと言 ジョンソン 選手にとってもファンのみなさんにとっても素晴らしいゴールデンウイークとなるようにグラウンドに出た限りは、全力を尽くして戦いますのでよろしくお願いします。

◆強竜打線がつながらなかった。1番平田から3番大島まで7安打1四球。5回に阿部が同点打を放ったが、たまった走者はなかなかホームを踏めなかった。 「負けるときは、だいたいそうだね。岩貞が初回からストレートの勢いも良かった。見逃しのストライクも多かった。それくらい際どいところに投げていたんじゃないかな」 与田監督はさばさばと振り返った。先発柳が、苦しみながらも6回2失点と試合を作ったが、援護射撃はなし。7回に2番手でマウンドに上がった田島が2点を失い試合は決まった。 「(田島は)このところいい状態で投げているのが続いていた。登板間隔も空いた。どうしても慎重に入る。どんな場面でもそうだけど。今日はその辺りがうまくいかなかった。(柳にも)求めているものは高い。できなかったことを次の登板でできるようにすることだね」。 この1敗で貯金は消失。29日は本拠地ナゴヤドームでの平成最後の試合になる。この日の試合後はファン約1000人がグラウンドに入れる「グラウンドウオーク」。敗戦だったが、与田監督は、ファンを前に「昇竜復活」と口にして、気持ちを切り替えていた。

◆神様、お願い! 阪神糸井嘉男外野手(37)が7回にV打を放ち、初戦で逆転負けを喫した中日へのリベンジに成功した。 初回には史上71人目となる通算300二塁打に記録。1425試合での到達はNPB史上10位のスピード達成となった。主軸の活躍で、正念場の12連戦を1勝1敗とした。打球の行方を見つめながら、糸井は祈るような思いだった。「神様! 抜けてくれ!」。同点で迎えた7回1死二、三塁。2球目、真ん中低めにきた138キロフォークを強振。一塁線への鋭い打球はビシエドのミットをはじき、右翼線に抜けた。願いは通じた。勝敗を左右する1本に、二塁ベース上で右拳を握る。三塁側ベンチのナインも身を乗り出して祝福した。 節目の記録で、勢いに乗った。初回だ。力強く打ち上げた打球は中堅フェンス最上部に直撃。通算の二塁打数は「300」に到達した。あと少しでスタンドインという大きな当たりで史上71人目の節目を飾った。所要1425試合での到達はNPB史上10位の早さだ。野手に転向しながら、長打力と脚力を生かしてのスピード達成だ。試合後は「勝ってよかったです。どんどん上を目指してやっているので」と力強かった。ぐるりと巻いた右手のテーピングを外しながら、チームバスに乗り込んだ。 ベテランの域に入っても、誰にも負けない練習量を誇る。ちょうど1カ月前、開幕前日の3月28日だった。京セラドーム大阪で午後1時の全体練習が始まる前から、糸井はバットをずっと振っていた。ロングティーで柵越え連発。他の選手がグラウンドに出てくる直前に引き上げると、練習開始時間に再び現れた。汗も拭き取り、今来たかのような表情で体を動かし始めた。今季も開幕から打率3割前後をキープ。糸井の存在が猛虎打線の原動力だ。 主軸が打てば、白星をつかめる。糸井のV打に浜中打撃コーチは「よく決めてくれた。ああいうところで決めてくれるのが、ヨシオの勝負強いところ。調子を落としていた部分もあったけど、これからどんどん上がってくると思う」とたたえた。 「平成」は残り2試合となった。「令和」へと時代をまたいでも、超人は突っ走る。【真柴健】

◆阪神ルーキー近本光司外野手のつなぎの打撃が効いた。同点の7回無死一塁。田島の外角球に逆らわず、ライナーで左前へ運んだ。無死一、二塁とチャンスを広げ、糸井の勝ち越し打を呼んだ。 この日は2安打を刻んで、9試合連続安打に伸ばした。「大事な場面で打てて良かったです」と振り返った。

◆阪神ルーキー木浪聖也内野手のプロ初盗塁で貴重な得点を挙げた。同点に追いつかれた直後の4回2死一、三塁。一塁走者としてスタートを切ると、重盗を意識した加藤が送球を引っ掛けて悪送球。白球が三遊間を転がる間に勝ち越し点を奪った。 木浪は「戦略のことなので何も言えないですけど、良かったです」と振り返った。自らの右前打で好機を拡大したのも大きかった。試合前練習では矢野監督から打撃指導を受けていた。5試合連続安打と打撃好調だ。

◆阪神先発岩貞祐太は粘りの投球だった。2回以外は毎回走者を出す内容だったが5回2失点にまとめた。 それでも「有利なカウントでの失投でピンチを広げることがあった。課題が明確になったので次回に向けて修正していかないと」と反省。13日の中日戦では京田に満塁弾を浴びるなど5回6失点で敗れていた。

◆マウンドに「ミスターゼロ」が君臨した。阪神ピアース・ジョンソン投手(27)が、開幕から無失点投球でチームを救った。2点リードの7回1死一、二塁。この回から登板した能見に代わってマウンドに。迎えたのは、前日に逆転の3ランを打たれた4番ビシエドだ。「梅野くんがいい考えを持ってリードしてくれた。いい配球で、野手の皆さんも守ってくれた」。150キロ直球を2球連続で投げ、主砲を圧倒。中飛に仕留めると、続く阿部も150キロ直球で二飛に打ち取った。 今季2度目の「またぎ登板」も苦にしなかった。8回も続けてマウンドに上がると高橋、堂上を連続三振。最後は加藤を152キロ直球で二ゴロに仕留め、打者5人連続で仕事をさせなかった。「能見さんに1つ申し訳ないことをしていた。神宮でランナーをかえしてしまった。1つ借りを返せたというのがあります」。ジョンソンがそう話すのは17日のヤクルト戦。8回1死一、二塁から能見に代わって登板するも、死球と適時打で2点を失った。今回と同じ状況だった。律義な助っ人は、悔しい思いを胸に留め、腕を振った。 これで開幕から11戦連続無失点。オープン戦も含めれば、18戦連続無失点と驚異の安定感を誇る。ジョンソンは「皆さんの守りと梅野君のリードがあって、ゼロが並べられている。あまり言わないでください。言うと止まってしまうので」と苦笑いするが、矢野燿大監督(50)は大きな信頼を寄せる。「特にPJ(ジョンソン)が、苦しいところをしっかり行ってくれたのは大きかった。いまのウチのパターンで言ったら、あの場面はジョンソンに任せるしかない信頼関係。腹をくくれるような投手」。 グラブにはカタカナで「ピー ジェー」と記し、リュックサックには神社のお守りをぶらさげる。アメリカから来た助っ人が、早くもリリーフ陣の切り札になった。【磯綾乃】

◆阪神ジョンソンが、開幕から無失点投球でチームを救った。 矢野燿大監督の一問一答は以下の通り。 -重たい展開だった チャンスはあったけどなかなか点取られへんところで、苦しい展開になった。(糸井)嘉男ももちろんよく打ってくれた。 -ジョンソンはタフな場面でも制球ミスがない もちろん抑えてくれると思って出している。あそこだけ何とか行ってくれたらというところ。結局(イニング)またぎになってしまったけど。 -準備していた もちろん、もちろん。もちろん準備は。「行くよ」ということは伝えていた。この展開で一番ゼロで行ける確率を探したときに、PJやったので伝えて。 -ビシエドを抑えたのも勝因だ そうやね。やられているときはビシエドにやられている。結果的にもちろん、ポイントになる打者。もちろん、みんな抑えようと思って、昨日も行っている。そこは勝負に行っているんでね。結果的にいいようになるように、これからもしていかないとダメだけど。思い切って勝負行くところは行ってもらったらいい。 -藤川を投入直後に点が入って、いい形になった まあねえ。野球って流れがあるからさ。球児も先頭には打たれたけど、その後をしっかり抑えてくれたのは、こっちに流れが来る状況を作ってくれたと思う。

◆27日の1軍復帰から2試合続けて登板した阪神藤川球児投手が今季初勝利を手にした。 同点の6回に登板。先頭の高橋に右前打を許したが後続を断ち、無失点。7回の勝ち越し劇につなげた。勝ち星について問われると「また明日、また明日」とサラリと話し、ベテランらしく次戦に目を向けていた。

◆阪神梅野隆太郎捕手がビシエド封じに一役買った。 今季4試合で3発を含む7安打を許していた相手4番をピンチでことごとく打ち取り、勝利に貢献した。「同じ打者に何回もやられていたのでなんとか配球でも助けてあげたかった。球数を使って、(打者に)考えさせたことが要因」と選手会長。 打撃も相変わらず好調で先制二塁打を含む2安打で高打率をキープ。攻守に頼もしい限りだ。

◆中日は貯金を増やせなかった。先発柳が6回2失点と粘ったものの、2番手田島が2失点で連勝を逃した。打線がつながらず、主砲ビシエドも4打数無安打。与田監督は「負けるときは、だいたいそうだね。岩貞のストレートが初回から勢いも良かった」と、さばさばと振り返った。 29日は本拠地ナゴヤドームでの平成最後の試合。6年目の阿知羅が17年以来プロ入り2度目の先発マウンドに立つ。

◆阪神・岩貞祐太投手(27)が28日の中日戦(ナゴヤドーム)に先発し、5回8安打2失点で降板した。  「もっと長いイニングを投げるために、何としても5回のピンチの場面は0点で抑えなければいけませんでした。次回は少しでも長くマウンドに立っていられるように課 題を持って準備していきます」  反省したのは1-1の同点で迎えた五回。1死から平田、京田に連打を浴びて一、二塁から、大島に四球を与えて満塁のピンチをつくった。ビシエドを遊直に仕留めて2死としたが、阿部に遊撃へ適時内野安打を浴びて勝ち越しを許した。  二回以外の毎回で走者を背負いながらも2失点で踏ん張ったが、3月30日のヤクルト戦(京セラ)以来の白星を手に入れることはできなかった。

◆阪神は28日、敵地ナゴヤドームで中日と対戦し、4-2で勝利した。2-2の七回1死二、三塁から糸井が右翼線に勝ち越しの2点二塁打を放った。糸井は一回に中越え二塁打を放ち、これがプロ通算300二塁打。  阪神は二回、梅野が左二塁打を放ち、1点を先行。三回に同点に追いつかれたが、四回2死一、三塁から相手捕手加藤の悪送球で三走が生還し、2-1とリード。五回に阿部の遊撃への内野安打で同点に追いつかれていたが、七回糸井の一打で突き放した。  先発岩貞は五回8安打2失点。六回から藤川、能見、ジョンソン、ドリスのリレーで逃げ切った。ジョンソンは七回1死一、二塁から登板し、ビシエド、阿部を抑えた。六回から救援の藤川が今季初勝利。12連戦の阪神はGW初白星をあげた。

◆阪神は救援陣が六回以降を無失点で切り抜けた。2-2の六回に登板した藤川が今季初勝利。先頭の高橋に右前打を打たれたが、後続を断って直後の勝ち越しを呼び込んだ。矢野監督は「流れがあるから。状況をつくってくれた」と目尻を下げた。  能見が1死一、二塁とした七回途中から救援した新外国人のジョンソンは八回まで打者5人を完璧に抑えた。今季、11試合の登板でまだ無失点。「野手の守りがなければゼロで来ていない。皆さんに感謝」と控えめだった。

◆阪神・矢野燿大監督は28日、中日戦(ナゴヤドーム)に4-2で競り勝ち、安堵の表情を見せた。  序盤から好機が多かったが、効果的に加点できず、重苦しい展開になった。「チャンスはあったけどなかなかちょっと点取られへんというところで、まあまあ苦しい展開になった。ヨシオ(糸井)ももちろんよく打ってくれたし、あとのピッチャーがね、特にPJ(ジョンソン)が、苦しいところしっかり行ってくれたっていうのは大きかったね」と七回、勝ち越しの2点二塁打を放った糸井とイニングまたぎのジョンソンをたたえた。  リリーフのジョンソンは11試合連続無失点。  「いやもう、今のうちのパターンで言うたら、あの場面ジョンソンに任せるしかない。信頼関係というか。そこはもう、そういうピッチングをずっと見せてくれているのでね。もちろん抑えてくれると思って出してるけど。まあもう、腹をくくれるようなピッチャーなので」と話した。  阪神戦で相性がいいビシエドを4度走者置いた場面で迎えたが、岩貞、ジョンソンが無安打に抑えた。  「やっぱりやられているときはビシエドにやられている。序盤で、そういう打順で巡り回ってくるのはもちろんあると思うんだけど。結果的にはもちろんポイントになるバッターだと思うしね。まあ勝ち(という結果)から振り返ったときにはそういうふうなことがもちろん言えると思う」と話した。

◆阪神のD1位・近本光司外野手(大阪ガス)が28日の中日戦(ナゴヤドーム)で、同点の七回無死一塁、好機を拡大する左前打を放った。糸井の勝ち越し2点二塁打をお膳立てした。  「打てているので(内容的に)いいと思います大事な場面で打てたのでよかったです」  犠打のサインが出てもおかしくない場面だったが、矢野監督は強攻策を指示。「総合的に判断して、それ(ヒッティング)がイヤなんじゃないかなって。相手にとっても。こっちからもそういうふうな形が、得点(の可能性が)広がるんじゃないかなというところで」と説明。期待通りの安打で、将の積極策に応えた。五回先頭でも中前打で9試合連続安打。打率は・312にまで上昇した。

◆中日の先発・柳は6回2失点(自責点1)と粘った。ただ、打たれた7安打のうち4本が二塁打。123球と球数もかさみ「もっと長いイニングを投げ切りたかった」と悔やんだ。  二回は梅野を追い込みながら高めのボール気味の球を捉えられ、フェンス直撃の先制二塁打を喫した。ここまで2勝を挙げ、この日も試合はつくったが、高めを長打される課題が残った。与田監督は「求めているものは高い。できなかったことを次の登板でできるようにするだけ」と期待を寄せた。

◆ふ~っ(汗)。再三のピンチに、わが阪神はゴールデンウイーク(GW)に合わせた大型連休(連敗)になるのでは...、とヒヤヒヤしたけど勝って、ホッ♪  浪花の商人(あきんど)の阪神は、休んだらあきまへん。全国の虎党のために馬車虎(?)で働き続けてな~! DeNAさんも『GW(ジャイアンツ笑う)』にさせないでェ!! 29日は"休日出勤"でセ・リーグのために巨人に一矢報いてくれ~!!  しかし『昨日の敵は今日の友』とはよく言ったもので、前日に3ランで阪神を沈めた中日の4番・ビシエドが一、三、五、七回のどこで一本出ても阪神絶命の危機に、ことごとく凡退してくれたのだ!!  阪神投手陣もよく耐えてくれました。おおきに! 一回に通算300二塁打を達成した糸井の決勝打も、ルーキーの近本と木浪に首位打者を争う梅ちゃんも、みんなマルチ安打でアリガトウ!!  犠打を2つ決めた上本が2番を務めるこの日のスタメンなら、GW中に借金(3)完済も夢じゃないのだ!!

◆--展開的には重たかった  「チャンスはあったけどなかなか点取られへんというところで、まあまあ苦しい展開になったけど、うん。まあどうなんやろ、嘉男(糸井)ももちろんよく打ってくれたし、あとのピッチャーがね、特にPJ(ジョンソン)が、苦しいところしっかり行ってくれたっていうのは大きかったね」  --六回から継投に入ったが、きょうの岩貞の状態を見ての判断か  「粘ってくれたというのはもちろんあるんだけど。まあ、その安定感というところではやっぱり。(藤川)球児も昨日も良かったし。まあ、そういうふうなことを総合的に判断したときに、まあ球児で行って、もう1回こう仕切り直しというか、できたらなというところで代えたけど」  --直後の七回に得点が入っていい形になった  「野球って流れがあるからさ。球児も先頭には打たれたけど、その後しっかり抑えてくれたっていうのは、もちろんこっちに流れが来る状況を作ってくれたと思う」

◆フン、たかが映画じゃねぇか...というのが、あのミステリーの巨匠ヒチコックの口グセだったそうだ。  しかし彼は名作『サイコ』の冒頭の45秒、女優のシャワーシーンに7日間かけ、70回の取り直しをやらせた...。  でも...たかが映画...実はそのセリフをなんか頭にたたきこんでおこうと強く思った。なぜなら前日27日の試合はムカッ腹がたって、半煮え状態の4-5の逆転負けだからそれを抱えたまま出社して...運動部当番デスク席をみたら、これがデスク陣のなかでは熱血猛虎党の澄田垂穂がデンとして座っていた。  それでオッ、仲間がいたぞと思って澄田に「なぁ、あんな試合をやられたんではやっとれんわなぁ」と同意を求めた。目がらんらん、立ち上がって彼は握手を求めてくるにちがいない...と思ったらこれがズッコケたよ。  澄田は休みには子供が幼いときは強引に甲子園の外野につれていき、愛娘には♪ロッコーおろちにチャッチョーと...教え込んだが、今春に中学生となり、いまはクラブ活動に夢中。長男は小学生で少年野球にがんばる...つまりこの日は家にいない。それで父親はアハハ...イイ天気だなぁ...てなことを口走り「働き方改革」のすっかり固定した難波の某新聞社に出勤したら...いつまでも目の下にクマを作った"昭和&平成のトラ番敗残兵"みたいな「虎ソナ班長」がしなだれかかってきたわけ。  それで澄田デスクは「でも...一喜一憂しないでいきましょうや」とヒヤヤカなる反応。この裏切り者!  するとそこにナゴヤドームの記者席からトラ番サブキャップ長友孝輔の電話だ。どうした、何かあったか?  「それが27日のアノ試合後に送稿をすませてパソコンを小脇に抱えて宿舎にもどると...パソコンの液晶画面が故障していたんです。勝利を確信してたら逆転負けでムカムカしてキーをたたきすぎたのか...それで本日(28日)は、なんとかホテルのテレビで記事送稿できるようにしましたが...まったくあんなくやしい試合内容ではパソコンまで怒りますョねぇ先輩」  コラコラ、それはパソコンのせいではないだろう。でも試合内容がふがいないと、長友にかぎらず俺だってイラッときてガンガンとキーをたたくことになるのだ。  長友よ、互いに今日は"しずかにキーをたたこう"なんて約束をしたぐらいです。  そして本日(28日)はサンスポ紙面を見ておわかりのごとく...勝利です。パソコンのキーに八つ当たりをする必要もなく、澄田デスクの妙な「悟り」もまたズバッと決まりまして...あとは本音を申し上げますと「矢野監督のかじさばきと、周りが賑やかなので取り残された感のある4番大山」のガマン比べはどこまで続くじゃろか...と気になります。  かといって、同じ頃にウエスタン・中日戦(ナゴヤ球場)でマルテはまたヒットを打ちました! 取材した織原祥平記者は「だんだんエンジンがかかってきましたけれど...アレ、なんだかいつも同じことをいってますねぇ...僕」というのですが、なんか「出し惜しみ」と「出し過ぎ」のジョーカー2枚の切り方の勝負どころが興味深い。  現役時代から「むやみにマウンドにいかない捕手」といわれた矢野燿大監督。それだけ投手に考えさせるインサイドワークの捕手だった。今はガマンの時なのか...。  桜はもうとっくに散りました。しかし、我々はまだヒチコック監督の冒頭の45秒のシャワーシーンから少しも"ストーリーの核心"らしきものに入っていないのです...。

◆D3位・木浪聖也内野手(ホンダ)がプロ初盗塁を記録した。四回2死一塁から右前打で一、三塁とすると、次打者・岩貞の3球目にスタート。捕手・加藤の悪送球も誘発し、三走・梅野が生還。一時勝ち越しとなる2点目を呼び込んだ。「戦略なんでいえないですけど...。(得点につながり)よかったです」。二回1死二塁でも左前打を放ち、今季3回目のマルチ安打を記録した。  守備でも冷静な判断。五回2死満塁、阿部の三遊間への深い打球に追いつくと、二走・京田もホームへ。本塁に転送しアウトに仕留め、最大のピンチを切り抜け、攻守に存在感を示した。

◆先発した岩貞は5回8安打2失点。今季2勝目を手に入れることはできなかった。「有利なカウントでの失投でピンチを広げてしまいました」。2-1の五回に連打と四球で2死満塁のピンチをつくり、阿部に遊撃へ適時内野安打を浴びて同点に追いつかれてしまった。「次回への課題は明確なので、しっかり修正していきたいです」と前を向いた。

◆梅野が攻守で存在感を示した。二回1死二塁から左越えの適時二塁打を放って2試合連続の先制打。「何とかかえすという気持ちだけで」と振り返った。さらに守備でも投手陣をリードし、前日に逆転3ランを浴びたビシエドを4打数無安打に封じた。「同じバッターに何回もやられていた。相手も打つ気でくる中で、球数を使って打ち取ることができた」と声を弾ませた。

◆攻守にわたり、流れを手放すプレーが相次いだ。勝率が5割に戻り、与田監督は「負けるときは大体そう」と首を振った。同点の七回は2番手・田島が先頭の代打ナバーロに四球。近本に安打でつながれ、糸井には決勝の2点二塁打を浴びた。守備では四回2死一、三塁で一塁走者がスタートを切った場面。送球をためらうそぶりを見せた捕手の加藤が思わずボールをたたきつけ、そのまま三遊間を抜ける失策で1点を献上した。

◆藤川がチームに流れを呼び込んだ。2-2の六回に2番手で登板し、先頭の高橋に右前打されたが、続く福田を147キロで一邪飛、加藤を145キロで空振り三振、代打・井領も146キロで二飛に。9球は、すべて直球勝負だった。直後の七回に打線が2点を奪い、今季初勝利も転がり込んできた。1軍昇格した前日27日の同戦で3者連続三振に抑えて完全復調をアピールした。2試合連続の好投にも「流れ的には(いい)。また明日、また明日」と慎重だった。

◆外角高めの球に食らいつき、強攻策に応えた。D1位・近本光司外野手(大阪ガス)が同点の七回無死一塁で好機を拡大する左前打。勝ち越しのチャンスをお膳立てした。  「打てているので(内容的に)いいと思います」  セオリー通りならば犠打のサインが出てもおかしくない場面だった。2-2の七回、代わったばかりの2番手・田島から代打・ナバーロが四球を選んで無死一塁。代走・植田が送られ、近本が打席へ。1ボールから4球連続ファウルで粘ると、6球目を左前へ運んだ。さらに続く上本の犠打で二塁に進み、糸井の右翼線二塁打で4点目のホームを踏んだ。  矢野監督は「総合的に判断して、得点(の可能性が)広がるんじゃないかなというところで」と作戦を説明。この日は五回先頭でも中前打。18日のヤクルト戦(神宮)から9試合連続安打とすると、2試合ぶり8度目のマルチ安打に。打率も・312にまで上昇だ。  長期連戦にも自己管理を徹底する。遠征先にも自宅と同じ低反発枕を持参。「社会人の時からずっと同じものを使っていて、今ので3個目。すごく楽に寝られるので」。"相棒"のおかげで疲れを残すことなく、翌日に向かえる。  「大事な場面で打てたのでよかったです」。虎のリードオフマンとして、好機を演出する一打を放ち続ける。 (箭内桃子)

◆ベンチをスッと立つ。まだ七回1死でも、ゲームセットまでを逆算すると、この手しかなかった。矢野監督が告げた名は「ジョンソン」。絶体絶命のピンチに、最強の勝負手を繰り出した。難敵ビシエドを封じ、イニングまたぎも任せて、勝ちきった。  「あの場面、ジョンソンに任せるしかないというのはもう、信頼関係というか。そういうピッチングをずっと見せてくれているのでね。もう(送り出す方が)腹をくくれるような投手なので」  4-2と勝ち越した直後の七回。3番手の能見が1死一、二塁のピンチを背負い、ジョンソン投入の前倒しを決意した。迎えるビシエドは、前日27日にも西が逆転の決勝3ランを被弾するなど、前日までの阪神戦で打率・467(15打数7安打)、3本塁打、8打点と大暴れ。この日は3打席目まで岩貞が無安打に封じていたが、この終盤に打たれては、すべてが水の泡だった。  すべてを託されたジョンソンは、パーフェクトに期待に応える。1ボールからの2球目、内角低めの150キロで浅い中飛に料理。続く阿部も150キロ直球で二飛に打ち取り、危機を脱した。そのまま"本来の持ち場"である八回へと回をまたいで、1回2/3を2奪三振で5人斬り。これで開幕から11試合連続無失点。4試合にまたがり打者13人連続アウトに取っている。防御率0・00で、6ホールド目(1勝0敗)。腹をくくった将を、堂々、ホッとさせた。  ジョンソン自身も「能見さんに、一つ申し訳ないことをしている。一つ借りを返せた」と笑顔がはじけた。今季2度目のイニングまたぎだが、前回17日のヤクルト戦(神宮)は能見の後を受け、能見が残した走者をかえしてしまった。同じ失敗はできない。託してくれた指揮官のため、仲間のために燃えた。  「本当は球数少なく、イニングまたぎがなく行きたいんだけど。チーム状況的にも、昨日もやられているんで。この展開で、一番ゼロで行ける確率というのを探したときにPJ(ジョンソンの愛称)やったので」  12連戦2戦目でも、必勝の一戦だった。決死のタクトと、最強助っ人リリーバーの右腕で、見事につかみとった。 (長友孝輔) 九回を三者凡退で今季6セーブ目の阪神・ドリス 「ジョンソンが仕事をしてくれたので自分もがんばろうと思った」

◆祈り通じた! V二塁打や! 阪神・糸井嘉男外野手(37)が、中日戦の七回に右翼線へ2点二塁打を放ち、試合を決めた。1打席目にも中堅フェンス直撃の二塁打を放って、史上71人目の通算300二塁打を達成。GW12連戦で初勝利を挙げた虎が、ここから加速していくで~!  勝ちたい。純粋な祈りだけをバットに込め、必死に右手を伸ばした。わずか数センチ-。執念が勝り、白球がミットを弾かせた。糸井が一塁線を破る決勝の2点二塁打。連休で名古屋に足を運んだ虎党に勝利を届け、二塁上でちょっぴり恥ずかしそうに右手を掲げた。  「『神様! 抜けてくれ!』と祈りながら走りました。上本のバントで返せたので、よかったです」  2-2で迎えた七回。無死一、二塁から上本が一前犠打をきっちり決め1死二、三塁。舞台は整い、超人の出番だ。一塁も空いている場面だったが、中日ベンチの判断は糸井勝負。右腕・田島のフォークに泳がされながらも、右手だけで一塁・ビシエドのミットを弾かせた。打点も安打も3試合ぶり。得点圏打率・227と影を潜めていた超人のここ一番での集中力で勝負ありだ。  剛柔を兼ねそろえた、超人らしい記録に到達した。一回2死、先発・柳から中堅フェンスを直撃する快音を響かせた。悠々と滑り込むと、これが通算300本目の二塁打だ。球場のファンから拍手でお祝いしてもらった一本は、歴代71人目。「300」の上で足踏みすることなく、すぐさま放った決勝二塁打に「勝ってよかったッスね」と笑顔が弾けた。世間は大型連休中でも、糸井はここまで堂々の全試合スタメン出場。グラウンドに立ち続ける超人に矢野監督も「ヨシオ(糸井)ももちろんよく打ってくれた」と最敬礼だ。  器の大きさこそ、超人たるゆえん。だからこそ「301」までこれた。オフの自主トレは「暑すぎた」というグアムから沖縄に変更。ソフトバンク・柳田、オリックス・吉田正らと汗を流した。オフ真っ直中でスタンドも閉鎖しての自主トレだったが、ファンが殺到。多いときには100人を超えるファンが足を運んだことから、球場関係者がスタンドの開放をお願いすると...。  「たくさんきていただいているので。大丈夫ですよ」  糸井が先頭に立ち、快諾。シーズンに向け備える姿を、たくさんのファンの目に焼き付けてもらった。さらに約10日間の鍛錬の末、余ったスポーツドリンクは球場関係者へ。使用したボールは地元の野球チームにプレゼント。そんな姿を野球の神様も見ていたからこそ、この日の紙一重の一打につながった。  「どんどん上を目指してやっているので。なぁ?」  球団広報にも問いかけるほど、糸井は前だけを見つめている。借金は再び「3」。シーズンも連戦もまだまだ序盤。超人の笑顔が弾ければ、虎の黄金週間はもっと輝く。 (竹村岳) 糸井を日本ハム時代から指導してきた阪神・清水ヘッドコーチ 「野手になって2年目から見ているのでね。こんなに打ったかと思って、うれしいよね。きょうは勝利打点つきなので、文句ないです。あしたからも頑張ってもらいます」 ★GW男の本領だ  ゴールデンウイークの糸井は熱い。虎1年目の2017年、GW8試合(6勝2敗)で打率・400(30打数12安打)1本塁打、7打点。ノーヒットは1試合だけだった。昨季は8試合(5勝3敗)で打率・294(34打数10安打)、2本塁打、8打点。GW初戦の4月28日の広島戦(マツダ)で4号2ランなど昨季初の猛打賞をマークし、最終5月6日の中日戦(甲子園)でも3安打2盗塁と大暴れした。

◆互いに決め手に欠ける展開の中、阪神の勝因を挙げるなら、ジョンソンを推したい。2点を勝ち越した直後の七回裏、能見が1死一、二塁のピンチを招いた場面で登板し、イニングをまたいだ八回までの打者5人を完全に抑えた。  今までの勝利の方程式を支える投手とは、少しタイプが異なる。決め球がフォーク、チェンジアップではなくカーブ。このカーブが打者には実に効果的で「非常に邪魔な球」になっている。七回2死一、二塁で阿部が真っすぐに差し込まれたシーン(二飛)が象徴的。カーブが頭にある状況で真っすぐが来る。その真っすぐも、外国人特有で微妙に動く。打者はなかなかとらえきれないのだ。  制球も緻密というよりアバウトなのだが、ほとんど間違うことがないから、梅野もリードがしやすい。常にストライク先行で勝負できている。  力投型ではないという特長もある。力でねじ伏せるタイプに比べてスタミナがある分、イニングまたぎを任せやすい。今後もドリスの前を託す大きな戦力になるだろう。 (サンケイスポーツ専属評論家)

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
巨人
1680 0.667
(↑0.015)
-
(-)
119124
(+7)
90
(+2)
35
(+3)
10
(+2)
0.273
(-)
3.540
(↑0.07)
2
(-)
ヤクルト
14111 0.560
(↑0.018)
2.5
(-)
117130
(+4)
113
(+2)
34
(+4)
9
(-)
0.255
(-)
4.040
(↑0.08)
3
(-)
中日
12120 0.500
(↓0.022)
4
(↓1)
11995
(+2)
82
(+4)
20
(-)
16
(-)
0.278
(↑0.002
3.340
(↑0.02)
4
(-)
広島
12130 0.480
(↓0.02)
4.5
(↓1)
11884
(+2)
105
(+4)
21
(+1)
10
(+1)
0.226
(↓0.001)
3.460
(↓0.04)
5
(-)
阪神
11141 0.440
(↑0.023)
5.5
(-)
11799
(+4)
123
(+2)
20
(-)
11
(+1)
0.241
(↑0.002
3.980
(↑0.08)
6
(-)
DeNA
9160 0.360
(↓0.015)
7.5
(↓1)
11892
(+2)
111
(+7)
30
(+1)
4
(-)
0.237
(↓0.003)
3.860
(↓0.15)